以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1はタッチパネルシステムの全体構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るタッチパネルシステムは、表示パネル1A及びタッチパネル1Bを有するタッチパネル装置1と、タッチパネル装置1に通信可能に接続され、タッチパネル装置1の操作に用いられるスタイラスペン2とを備える。
タッチパネル装置1は、パーソナルコンピュータと同等の機能を有しており、例えば電源投入時にOS(Operating System)等を起動し、起動したOS上で各種ドライバソフトウェア、アプリケーションソフトウェア等が動作するように構成されている。タッチパネル装置1は、OSの起動後、デスクトップ、アイコン、ボタン、メニュー、ウインドウなどのオブジェクトを表示パネル1Aに表示することにより、ユーザにGUI環境(GUI : Graphical User Interface)を提供する。ユーザは、スタイラスペン2又はユーザ自身の指を用いて操作対象のオブジェクトに対する操作(タッチ操作)を行うことにより、各種の処理を実行することができる。タッチパネル装置1は、ユーザにより行われたタッチ操作をタッチパネル1Bにて検出し、検出したタッチ操作に応じて、アプリケーションを起動する処理、アイコンで示されるファイルの内容を表示する処理、ボタンに割り当たられた機能を実行する処理、メニューを表示させる処理、ウインドウを移動させる処理等の様々な処理を実行する。
タッチパネル装置1のOS上で動作するアプリケーションソフトウェアには、文書作成ソフト、表計算ソフト、グラフィックソフト、プレゼンテーションソフトなどの様々なソフトウェアが含まれる。これらのソフトウェアは、タッチパネル装置1に予めインストールされているものであってもよく、タッチパネル装置1の導入後にユーザによってインストールされるものであってもよい。
ユーザは、タッチパネル装置1にインストールされているアプリケーションソフトウェアを用いて、文書データ、表計算データ、グラフィックデータ、プレゼンテーションデータ等の様々なデータを作成することができ、作成したデータをタッチパネル装置1内部の記憶部13(図2を参照)にファイルとして記憶させることができる。また、本実施の形態では、タッチパネル装置1にて作成したデータの記憶先をスタイラスペン2に変更することが可能である。データの記憶先をスタイラスペン2に変更する場合、タッチパネル装置1は、当該データをスタイラスペン2へ送信する。スタイラスペン2は、タッチパネル装置1から送信されたデータを受信し、受信したデータを自機の記憶部22(図3を参照)にファイルとして記憶させる。
本実施の形態では、スタイラスペン2の記憶部22に記憶されているファイルへのアクセスを容易にするために、スタイラスペン2を用いた所定の操作を受付けた場合、タッチパネル装置1は、スタイラスペン2から記憶部22に記憶されているファイルのファイル名を取得し、取得したファイル名を表示パネル1Aに表示する。なお、以下の説明では、スタイラスペン2に記憶されたファイルのファイル名を表示パネル1Aに表示させる契機となる操作をトリガ操作という。
また、本実施の形態では、タッチパネル装置1の表示パネル1Aにファイル名を表示している場合に、タッチパネル1Bを通じてファイル名について選択操作を受付けたとき、タッチパネル装置1は、選択されたファイル名に対応するファイルをスタイラスペン2から取得し、取得したファイルの内容を表示パネル1Aに表示する構成としている。
以下、タッチパネル装置1及びスタイラスペン2の構成について説明する。
図2はタッチパネル装置1の内部構成を示すブロック図である。タッチパネル装置1は、表示パネル1A及びタッチパネル1Bの動作を制御するために、主制御部11、RAM(Random Access Memory)12、記憶部13、バックライト制御部14、表示制御部15、タッチパネル制御部16、通信部17等を備える。
主制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)を備え、記憶部13に記憶されているOS、各種ドライバソフトウェア等のコンピュータプログラムをRAM12にロードして実行することにより、上述のハードウェア各部の動作を制御する。
RAM12は、SRAM(Static RAM)、DRAM(Dynamic RAM)、フラッシュメモリ等である。RAM12は、主制御部11による各種プログラムの実行時に発生する種々のデータを一時的に記憶する。
記憶部13は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性の記憶手段である。記憶部13は、主制御部11により実行されるOS、ドライバソフトウェア、アプリケーションソフトウェア、及びOS等のプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。
なお、トリガ操作を受付けたときにスタイラスペン2からファイル名を取得し、表示パネル1Aに表示させる機能、及び選択したファイル名に対するファイルをスタイラスペン2から取得する機能は、OSが提供する機能の1つとして搭載される構成であってもよく、特定のアプリケーションソフトウェアが提供する機能の1つとして搭載される構成であってもよい。
バックライト制御部14には、バックライト(不図示)が接続されており、表示制御部15には、表示パネル1Aが接続されている。バックライトは、白色LED(Light Emitting Diode)又は冷陰極蛍光管等の光源を有し、表示パネル1Aを背面側から照明する。バックライト制御部14は、主制御部11からの指示に従ってバックライトの光源の点灯及び消灯を制御する。表示パネル1Aは、例えばカラー液晶パネルであり、主制御部11からの指示に従って表示制御部15が表示パネル1Aを駆動させることにより、画像、文字等の各種情報を表示する。
タッチパネル制御部16には、タッチパネル1Bが接続されている。タッチパネル1Bは、表示パネル1Aの前面(表示面)側に配置されており、表示パネル1A上でスタイラスペン2又はユーザの指によるタッチ操作を検出するためのタッチセンサ(不図示)を備える。このようなタッチセンサには、静電容量方式、抵抗膜方式、電磁誘導方式、赤外線方式等のセンサを用いることができる。なお、タッチセンサは、スタイラスペン2(又はユーザの指)とタッチパネル1Bとの接触状態を検出する構成であってもよく、スタイラスペン2(又はユーザの指)とタッチパネル1Bとの接触状態だけでなく、近接状態を検出する構成であってもよい。
タッチパネル制御部16は、タッチセンサの動作を制御すると共に、タッチセンサからの出力に基づいて、スタイラスペン2(又はユーザの指)により指定された表示パネル1A上の位置を演算し、演算結果を主制御部11へ出力する。主制御部11は、タッチパネル制御部16から出力に応じた処理を実行する。
通信部17は、有線又は無線により通信可能にスタイラスペン2を接続するためのインタフェースを備える。通信部17は、通信可能に接続されたスタイラスペン2から送信される信号を受信すると共に、スタイラスペン2の記憶部22に記憶させるデータを送信する。
図3はスタイラスペン2の内部構成を示すブロック図である。スタイラスペン2は、制御部21、記憶部22、操作部23、通信部24を備える。制御部21は、例えばCPU、ROM、RAMにより構成されており、ROMに予め格納された制御プログラムをRAMに読み出し、CPUが制御プログラムを実行することにより、スタイラスペン2を本発明に係る操作具として機能させる。
記憶部22は、例えばEEPROMなどの不揮発性メモリにより構成されている。記憶部22が備える記憶領域の一部は、各種データを記憶するためのデータ記憶領域、及びデータ記憶領域に記憶したデータを管理するためのデータ管理テーブルとして利用される。
タッチパネル装置1には、文書作成ソフト、グラフィックソフト、プレゼンテーションソフト等のアプリケーションソフトウェアがインストールされており、これらのソフトウェアにより作成されたデータを通信部17を通じてスタイラスペン2へ送信することにより、データ記憶領域に所望のデータ(ファイル)を記憶させることができる。また、データ管理テーブルには、例えば、データの識別情報(ファイル名)、データの記憶場所(アドレス)、データサイズ、記憶日時等のデータの属性を示す情報が記憶される。
なお、本実施の形態では、タッチパネル装置1から送信されたデータをスタイラスペン2に記憶させる構成としたが、他のコンピュータ装置にスタイラスペン2を有線又は無線により通信可能に接続し、接続された他のコンピュータ装置からスタイラスペン2の記憶部22に記憶させるデータを取得する構成であってもよい。
また、本実施の形態では、データ記憶領域に記憶したデータを管理するためにデータ管理テーブルを備える構成としたが、記憶部22に記憶したデータを管理するための管理システムとして、FAT(File Allocation Table)のような公知のファイルシステムを採用するものであってもよい。
操作部23は、例えば各種のスイッチを備える。操作部23が備えるスイッチが操作された場合、制御部21は、スイッチの操作状態に応じた信号を生成し、生成した信号を通信部24を通じてタッチパネル装置1へ送信する。タッチパネル装置1は、スタイラスペン2の操作部23が操作されたことを示す信号を受信した場合、その信号に基づいて各種の処理を実行する。
操作部23が備えるスイッチの1つは、記憶部22に記憶されているデータをタッチパネル装置1上に呼び出すためのデータ呼出スイッチ23a(図4参照)である。データ呼出スイッチ23aは、例えば押下式のスイッチである。スタイラスペン2は、データ呼出スイッチ23aが押下されている間、データ呼出スイッチ23aが押下されていることを示す信号を通信部24を通じて間欠的に送信する。
通信部24は、有線又は無線により接続先のタッチパネル装置1と通信するためのインタフェースを含む。有線方式の通信として、例えばUSBケーブルを用いた通信を利用することができる。また、無線方式の通信として、例えばIEEE802.1の規格に準拠した無線通信、Bluetooth(登録商標)などを利用することができる。
次に、スタイラスペン2に記憶されたファイルの表示方法について説明する。
本実施の形態に係るタッチパネル装置1は、トリガ操作を受付けた場合、スタイラスペン2の記憶部22に記憶されているファイルのファイル名を取得し、取得したファイル名を表示パネル1Aに表示させる。また、本実施の形態に係るタッチパネル装置1は、表示パネル1Aに表示したファイル名について選択操作を受付けた場合、対応するファイルをスタイラスペン2から取得し、取得したファイルの内容を表示パネル1Aに表示させる処理を行う。
図4は実施の形態1に係るトリガ操作を説明する説明図である。実施の形態1では、タッチパネル装置1は、スタイラスペン2のデータ呼出スイッチ23aが押下操作された状態にて、タッチパネル1Bがタッチ操作を検出した場合、トリガ操作を受付けたと判断し、スタイラスペン2からファイルを呼び出すためのアイコン群100を表示させる。
図4Aは、スタイラスペン2のデータ呼出スイッチ23aを押下操作した状態にて、タッチパネル1Bへ近づけた状態を示している。実施の形態1では、データ呼出スイッチ23aが押下操作された状態であっても、スタイラスペン2がタッチパネル1Bにより検出されない場合、トリガ操作を受付けたと判断しないため、表示パネル1Aにはアイコン群100は表示されない。
データ呼出スイッチ23aが押下操作された状態にて、タッチパネル1Bがタッチ操作を検出した場合(例えばスタイラスペン2がタッチパネル1Bに接触したことを検出した場合)、図4Bに示すように、タッチパネル装置1は、スタイラスペン2からファイルを呼び出すためのアイコン群100を表示パネル1Aに表示させる。
図5はアイコン群100の構成を説明する説明図である。図5Aはアイコン群の表示例を示している。スタイラスペン2の記憶部22に複数のファイルが記憶されている場合、タッチパネル装置1は、記憶日時が新しいものから順に所定数(図5Aに示す例では4つ)以内のファイル名を選択し、選択したファイル名を付した矩形状のアイコン101〜104を表示パネル1Aに表示する。本実施の形態では、タッチパネル装置1は、記憶日時が最も新しいファイルのファイル名に対応するアイコン101をスタイラスペン2とタッチパネル1Bとの接触位置(すなわち、スタイラスペン2により指定された位置)に配置し、その左側、上側、右側にそれぞれ記憶日時が2番目、3番目、4番目に新しいファイルのファイル名に対応するアイコン102〜104を配置する。また、アイコン101の下側には、記憶日時が次に新しいファイル(例えば、記憶日時が5〜8番目に新しいファイル)のファイル名を表示させるファイル名更新用のアイコン105を配置する。
図5Bはファイルの選択例を示している。タッチパネル装置1は、各ファイル名に対応したアイコン101〜104を表示している状態にて、アイコン101〜104の選択操作を受付ける。例えば、スタイラスペン2とタッチパネル1Bとの接触点にアイコン101を表示させている状態で、スタイラスペン2がタッチパネル1Bから離隔したことを検出したとき、タッチパネル装置1は、アイコン101に対する選択操作を受付けたと判断する。また、スタイラスペン2とタッチパネル1Bとの接触状態を保ったまま、接触点がアイコン103の領域内に移動し、その後、スタイラスペン2がタッチパネル1Bから離隔したことを検出した場合、タッチパネル装置1は、アイコン103に対する選択操作を受付けたと判断する。他のアイコンについても、アイコン103と同様の操作にて選択操作を受付ける。
アイコン101〜104に対する選択操作を受付けた場合、タッチパネル装置1は、選択されたファイル名に対応するファイルをスタイラスペン2から取得し、取得したファイルを適宜のアプリケーションソフトウェアから開くことによりファイルの内容を表示パネル1Aに表示させる。また、アイコン105に対する選択操作を受付けた場合、タッチパネル装置1は、記憶日時が次に新しいファイルのファイル名を選択し、選択したファイル名を表示パネル1Aに表示させる。
なお、図5に示した例では、5つのアイコン101〜105を十字型に配置する構成としたが、表示させるアイコンの数(ファイル名の数)及びアイコンの配置は、図5に示す例に限定されるものではない。例えば、ファイル名を表すアイコンをn×m(n,mは2以上の整数)のマトリクス状に配置してもよく、適宜の数のアイコンを縦一例(または横一列)に配置する構成としてもよい。また、記憶日時が最も新しいファイルのファイル名に対応するアイコンをスタイラスペン2とタッチパネル1Bとの接触点に配置し、その周囲に記憶日時が2番目以降に新しいファイルのファイル名に対応する適宜の数のアイコンを円周状に配置する構成としてもよい。
図6はファイル名が選択された場合のタッチパネル装置1の動作を説明する説明図である。図6Aでは、「XLS1」とのファイル名が付されたアイコン103がスタイラスペン2により選択された状態を示している。「XLS1」とのファイル名が付されたアイコン103が選択された場合、タッチパネル装置1は、ファイル名「XLS1」のファイルを送信するようにスタイラスペン2へ要求する。
タッチパネル装置1からの要求に応じてスタイラスペン2から送信されたファイルを通信部17にて受信した場合、ファイルを実行する(ファイルに関連付けられたアプリケーションソフトウェアから開く)ことにより、ファイルの内容を表示パネル1Aに表示させる(図6Bを参照)。
次に、タッチパネル装置1における動作手順を説明する。
図7は実施の形態1に係るタッチパネル装置1の動作手順を示すフローチャートである。タッチパネル装置1の主制御部11は、スタイラスペン2のデータ呼出スイッチ23aが押下された場合に送信される信号を通信部17にて間欠的に受信したか否かを判断することによって、データ呼出スイッチ23aが押下された状態であるか否かを判断する(ステップS101)。データ呼出スイッチ23aが押下された状態でないと判断した場合(S101:NO)、主制御部11は、以下の処理を実行することなく本フローチャートによる処理を終了する。
スタイラスペン2のデータ呼出スイッチ23aが押下された状態であると判断した場合(S101:YES)、主制御部11は、タッチパネル1Bにてタッチ操作を検出したか否かを判断する(ステップS102)。タッチ操作を検出していないと判断した場合(S102:NO)、主制御部11は、処理をステップS101へ戻す。
スタイラスペン2のデータ呼出スイッチ23aが押下された状態でタッチ操作を検出したと判断した場合(S102:YES)、主制御部11は、トリガ操作を受付けたと判断し、通信部17を通じてファイル名の送信要求をスタイラスペン2へ送信する(ステップS103)。
スタイライスペン2は、タッチパネル装置1からファイル名の送信要求を受信した場合、記憶部22に記憶してあるファイルのファイル名を送信要求に対する応答して返信する。このとき、スタイラスペン2は、ファイル名だけでなく、ファイルの記憶日時等の情報を併せてタッチパネル装置1へ送信する構成としてもよい。
主制御部11は、ステップS103で送信した送信要求に対する応答として、スタイラスペン2からファイル名を受信したか否かを判断する(ステップS104)。受信していないと判断した場合(S104:NO)、主制御部11は、スタイラスペン2からファイル名を受信するまで待機する。
なお、スタイラスペン2の記憶部22にファイルが記憶されていない場合、スタイラスペン2は、タッチパネル装置1からの送信要求を受信した際に、表示すべきファイルが存在しない旨をタッチパネル装置1に通知し、タッチパネル装置1の表示パネル1Aにその旨を表示する構成としてもよい。
ステップS103で送信した送信要求に対する応答として、スタイラスペン2からファイル名を受信したと判断した場合(S104:YES)、主制御部11は、受信したファイル名が1つであるか否かを判断する(ステップS105)。
受信したファイル名が1つであると判断した場合(S105:YES)、主制御部11は、そのファイル名を表示パネル1Aに表示する(ステップS106)。このとき、主制御部11は、スタイラスペン2とタッチパネル1Bとの接触点に対応する表示パネル1A上の位置に、受信したファイル名を示すアイコンを表示する。
一方、受信したファイル名が複数であると判断した場合(S105:NO)、主制御部11は、表示させるべきファイル名を選択し(ステップS107)、選択したファイル名を表示パネル1Aに表示させる(ステップS108)。例えば、図4Aに示したように、矩形状のアイコンを十字型に配置して表示する場合、主制御部11は、記憶日時が最も新しいものから4つ以内のファイル名を選択する。そして、主制御部11は、スタイラスペン2とタッチパネル1Bとの接触点に対応する表示パネル1A上の位置に、記憶日時が最も新しいファイルのファイル名をアイコンにより表示する。また、主制御部11は、当該アイコンの左側、上側、右側に、それぞれ記憶日時が2番目〜4番目に新しいファイルのファイル名に対応したアイコンを表示する。受信したファイル名が5つ以上である場合、主制御部11は、ファイル名更新用のアイコンを表示パネル1Aに表示させ、記憶日時が5番目以降に新しいファイルのファイル名を表示できるように構成する。
次いで、主制御部11は、ファイル名が選択されたか否かを判断する(ステップS109)。例えば、主制御部11は、タッチパネル1Bによる検出結果に基づき、あるファイル名を表すアイコン上で、スタイラスペン2がタッチパネル1Bに接触した状態から離隔した状態に遷移したと判断した場合、前記ファイル名が選択されたと判断する。
ファイル名が選択されていない場合(S109:NO)、主制御部11は、ファイル名更新用のアイコン105が選択されたか否かを判断することにより、他のファイル名を表示するか否かを判断する(ステップS110)。例えば、主制御部は、タッチパネル1Bによる検出結果に基づき、ファイル名更新用のアイコン105上で、スタイラスペン2がタッチパネル1Bに接触した状態から離隔した状態に遷移したと判断した場合、ファイル名更新用のアイコン105が選択されたと判断する。他のファイル名を表示する場合(S110:YES)、主制御部11は、処理をステップS107へ戻す。
他のファイル名を表示しない場合(S110:NO)、主制御部11は、ファイル名の表示を停止させるか否かを判断する(ステップS111)。例えば、主制御部11は、タッチパネル1Bによる検出結果に基づき、スタイラスペン2とタッチパネル1Bとの接触状態が保たれたまま、スタイラスペン2のペン先が何れのアイコンも存在しない領域へ移動したと判断した場合、ファイル名の表示を停止させると判断する。
ファイル名の表示を停止させると判断した場合(S111:YES)、主制御部11は、表示パネル1Aへのファイル名の表示を停止させ(ステップS112)、本フローチャートによる処理を終了する。ファイル名の表示を停止させない場合(S111:NO)、主制御部11は、処理をステップS109へ戻す。
ファイル名が選択された場合(S109:YES)、主制御部11は、通信部17を通じて、選択されたファイル名が示すファイルを送信するように要求する送信要求をスタイラスペン2へ送信する(ステップS113)。
ファイルの送信要求を送信した後、主制御部11は、スタイラスペン2から送信されるファイルを通信部17にて受信したか否かを判断する(ステップS114)。受信していない場合(S114:NO)、主制御部11は、スタイラスペン2から送信されるファイルを受信するまで待機する。
スタイラスペン2から送信されるファイルを受信したと判断した場合(S114:YES)、主制御部11は、受信したファイルを記憶部13に記憶させると共に、対応するアプリケーションソフトウェアから当該ファイルを開くことにより、ファイルの内容を表示パネル1Aに表示させる(ステップS115)。
以上のように、実施の形態1では、スタイラスペン2が備えるデータ呼出スイッチ23aの押下操作およびタッチパネル1Bへのタッチ操作といった簡単な操作により、スタイラスペン2に記憶されているファイルのファイル名を表示パネル1Aに表示させることができる。また、ファイル名が表示された状態で、タッチパネル1Bによりファイル名を選択することで、所望のファイルを容易に呼び出すことができ、呼び出したファイルの内容を表示パネル1A上に表示させることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、スタイラスペン2のデータ呼出スイッチ23aが押下操作された状態にて、スタイラスペン2によるタッチパネル1Bへのタッチ操作を受付けた場合、タッチパネル装置1は、スタイラスペン2に記憶されているファイルのファイル名を取得し、表示パネル1Aにファイル名を表示する構成としたが、他のトリガ操作を契機としてファイル名を取得し、表示パネル1Aにファイル名を表示する構成であってもよい。
実施の形態2では、タッチパネル1Bに対する長押し操作を検出した場合、タッチパネル装置1は、トリガ操作を受付けたと判断し、ファイル名の取得及び表示を行う構成について説明を行う。なお、実施の形態2では、データを呼び出すためのトリガ操作のみが実施の形態1と異なり、タッチパネル装置1及びスタイラスペン2のハードウェア構成等については実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
図8は実施の形態2に係るタッチパネル装置2の動作手順を示すフローチャートである。タッチパネル装置1の主制御部11は、タッチパネル1Bにてタッチ操作を検出したか否かを判断する(ステップS201)。タッチ操作を検出していないと判断した場合(S201:NO)、主制御部11は、以下の処理を実行することなく本フローチャートによる処理を終了する。
タッチ操作を検出したと判断した場合(S201:YES)、主制御部11は、図に示していないタイマを作動させ、計時を開始する(ステップS202)。次いで、主制御部11は、計時を開始してから所定時間(例えば、3秒)が経過する前に、スタイラスペン2がタッチパネル1Bから離隔したか否かを判断する(ステップS203)。
計時を開始してから所定時間が経過する前にスタイラスペン2がタッチパネル1Bから離隔したと判断した場合(S203:YES)、主制御部11は、ファイル名を表示させることなく本フローチャートによる処理を終了する。
計時を開始してから所定時間が経過する前にスタイラスペン2がタッチパネル1Bから離隔しなかったと判断した場合(S203:NO)、すなわち、タッチパネル1Bへのタッチ操作が所定時間継続したと判断した場合、主制御部11は、トリガ操作を受付けたと判断する。
トリガ操作を受付けた場合のタッチパネル装置1の動作は、実施の形態1と全く同様であり、図7に示すフローチャートのステップS103以降の処理を実行する。
以上のように、実施の形態2では、タッチパネル1Bへの長押し操作といった簡単な操作により、スタイラスペン2に記憶されているファイルのファイル名を表示パネル1Aに表示させることができる。また、ファイル名が表示された状態で、タッチパネル1Bによりファイル名を選択することで、所望のファイルを容易に呼び出すことができ、呼び出したファイルの内容を表示パネル1A上に表示させることができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、スタイラスペン2に記憶されているデータを呼び出すためのアイコンを表示パネル1A上に表示し、当該アイコンに対するタッチ操作を受付けた場合、タッチパネル装置1は、トリガ操作を受付けたと判断し、ファイル名の取得及び表示を行う構成について説明を行う。
なお、実施の形態3では、データを呼び出すためのトリガ操作のみが実施の形態1と異なり、タッチパネル装置1及びスタイラスペン2のハードウェア構成等については実施の形態1と同様である。
図9は実施の形態3におけるファイル名の表示方法を説明する説明図である。図9Aはアプリケーションソフトウェアが提供する画面の一例を示している。実施の形態3では、例えば、アプリケーションソフトウェアが提供する画面内に、データを呼び出すためのアイコン(ソフトウェアボタン110)を配置し、ソフトウェアボタン110に対する選択操作を受付けた場合、タッチパネル装置1の主制御部11は、トリガ操作を受付けたと判断する。例えば、タッチパネル1Bがソフトウェアボタン110の領域内でタッチ操作を検出し、スタイラスペン2のペン先が前記領域から外れることなくタッチパネル1Bから離隔したことを検出した場合、主制御部11は、ソフトウェアボタン110に対する選択操作を受付けたと判断する。
図9Bはトリガ操作を受付けた場合の画面例を示している。トリガ操作を受付けた場合、主制御部11は、スタイラスペン2に記憶されたファイルを呼び出すためのアイコン群100を表示パネル1A上に表示させる。アイコン群100は、実施の形態1と同様に、記憶日時が1番目〜4番目に新しいファイルのファイル名に対応するアイコン101〜104、及び記憶日時が次に新しいファイルのファイル名を表示させるファイル名更新用のアイコン105により構成される。
アイコン101〜104に対する選択操作を受付けた場合、タッチパネル装置1は、選択されたファイル名に対応するファイルをスタイラスペン2から取得し、取得したファイルを適宜のアプリケーションソフトウェアから開くことによりファイルの内容を表示パネル1Aに表示させる。また、アイコン105に対する選択操作を受付けた場合、タッチパネル装置1は、記憶日時が次に新しいファイルのファイル名を選択し、選択したファイル名を表示パネル1Aに表示させる。
図10は実施の形態3に係るタッチパネル装置1の動作手順を示すフローチャートである。タッチパネル装置1の主制御部11は、スタイラスペン2に記憶されたデータを呼び出すためのソフトウェアボタン110が選択されたか否かを判断する(ステップS301)。ソフトウェアボタン110が選択されていないと判断した場合(S301:NO)、主制御部11は、以下の処理を実行することなく本フローチャートによる処理を終了する。
ソフトウェアボタン110が選択されたと判断した場合(S301:YES)、主制御部11は、トリガ操作を受付けたと判断する。トリガ操作を受付けた場合のタッチパネル装置1の動作は、実施の形態1と全く同様であり、図7に示すフローチャートのステップS103以降の処理を実行する。
以上のように、実施の形態3では、アプリケーションソフトウェアが提供する画面内でソフトウェアボタン110を選択するといった簡単な操作により、スタイラスペン2に記憶されているファイルのファイル名を表示パネル1Aに表示させることができる。また、ファイル名が表示された状態で、タッチパネル1Bによりファイル名を選択することで、所望のファイルを容易に呼び出すことができ、呼び出したファイルの内容を表示パネル1A上に表示させることができる。
実施の形態4.
実施の形態4では、スタイラスペン2のデータ呼出スイッチ23aが押下操作されたときに送信される信号を受信した場合、タッチパネル装置1は、トリガ操作を受付けたと判断し、ファイル名の取得及び表示を行う構成について説明を行う。
なお、実施の形態4では、データを呼び出すためのトリガ操作のみが実施の形態1と異なり、タッチパネル装置1及びスタイラスペン2のハードウェア構成等については実施の形態1と同様である。
図11は実施の形態4に係るタッチパネル装置1の動作手順を示すフローチャートである。タッチパネル装置1の主制御部11は、スタイラスペン2のデータ呼出スイッチ23aが押下された場合に送信される信号を通信部17にて受信したか否かを判断することによって、データ呼出スイッチ23aが押下操作されたか否かを判断する(ステップS401)。データ呼出スイッチ23aが押下操作されていないと判断した場合(S401:NO)、主制御部11は、以下の処理を実行することなく本フローチャートによる処理を終了する。
データ呼出スイッチ23aが押下操作されたと判断した場合(S401:YES)、主制御部11は、トリガ操作を受付けたと判断する。トリガ操作を受付けた場合のタッチパネル装置1の動作は、実施の形態1と全く同様であり、図7に示すフローチャートのステップS103以降の処理を実行する。
以上のように、実施の形態4では、スタイラスペン2が備えるデータ呼出スイッチ23aの押下操作といった簡単な操作により、スタイラスペン2に記憶されているファイルのファイル名を表示パネル1Aに表示させることができる。また、ファイル名が表示された状態で、タッチパネル1Bによりファイル名を選択することで、所望のファイルを容易に呼び出すことができ、呼び出したファイルの内容を表示パネル1A上に表示させることができる。
実施の形態5.
実施の形態5では、スタイラスペン2による特定のジェスチャ操作を受付けた場合、タッチパネル装置1は、トリガ操作を受付けたと判断し、ファイル名の取得及び表示を行う構成について説明を行う。
図12は実施の形態5に係るスタイラスペン2の内部構成を示すブロック図である。実施の形態5に係るスタイラスペン2は、自機の特定の動き(ジェスチャ操作)を検出するために、制御部21、記憶部22、操作部23、通信部24に加え、加速度センサ25を備える。
制御部21は、例えばCPU、ROM、RAMにより構成されており、ROMに予め格納された制御プログラムをRAMに読み出し、CPUが制御プログラムを実行することにより、スタイラスペン2を本発明に係る操作具として機能させる。
記憶部22は、例えばEEPROMなどの不揮発性メモリにより構成されている。記憶部22が備える記憶領域の一部は、各種データを記憶するためのデータ記憶領域、及びデータ記憶領域に記憶したデータを管理するためのデータ管理テーブルとして利用される。
操作部23は、例えば各種のスイッチを備える。操作部23が備えるスイッチが操作された場合、制御部21は、スイッチの操作状態に応じた信号を生成し、生成した信号を通信部24を通じてタッチパネル装置1へ送信する。タッチパネル装置1は、スタイラスペン2の操作部23が操作されたことを示す信号を受信した場合、その信号に基づいて各種の処理を実行する。
通信部24は、有線又は無線により接続先のタッチパネル装置1と通信するためのインタフェースを含む。有線方式の通信として、例えばUSBケーブルを用いた通信を利用することができる。また、無線方式の通信として、例えばIEEE802.1の規格に準拠した無線通信、Bluetooth(登録商標)などを利用することができる。
加速度センサ25は、スタイラスペン2の加速度(例えばスタイラスペン2の軸心方向の加速度)を計測し、計測した加速度の値を制御部21へ出力する。制御部21は、加速度センサ25が出力する加速度の値に基づいて、スタイラスペン2が特定の動きをしたか否かを検出する。例えば、スタイラスペン2の軸心方向の加速度について閾値を設定しておき、加速度センサ25から出力される加速度の値が閾値以上の場合、制御部21は、特定の動き(スタイラスペン2を振る動き)をしたと判断することができる。制御部21は、スタイラスペン2が特定の動きをしたと判断した場合、通信部24を通じて所定の信号をタッチパネル装置1へ送信する。
実施の形態5に係るタッチパネル装置1は、スタイラスペン2が特定の動きを検出したときに送信する所定の信号を受信した場合、トリガ操作を受付けたと判断する。トリガ操作を受付けた場合、実施の形態1と同様に、タッチパネル装置1は、スタイラスペン2の記憶部22に記憶されているファイルのファイル名を取得し、取得したファイル名を表示パネル1Aに表示させる。また、表示パネル1Aに表示したファイル名について選択操作を受付けた場合、タッチパネル装置1は、対応するファイルをスタイラスペン2から取得し、取得したファイルの内容を表示パネル1Aに表示させる処理を行う。
図13は実施の形態5に係るタッチパネル装置1の動作手順を示すフローチャートである。タッチパネル装置1の主制御部11は、通信部17を通じて、スタイラスペン2が特定の動きを検出したときに送信する所定の信号を受信したか否かを判断する(ステップS501)。受信していない場合(S501:NO)、主制御部11は、以下の処理を実行することなく本フローチャートによる処理を終了する。
スタイラスペン2が特定の動きを検出したときに送信する所定の信号を受信したと判断した場合(S501:YES)、主制御部11は、トリガ操作を受付けたと判断する。トリガ操作を受付けた場合のタッチパネル装置1の動作は、実施の形態1と全く同様であり、図7に示すフローチャートのステップS103以降の処理を実行する。
以上のように、実施の形態5では、スタイラスペン2を振るといった簡単な操作により、スタイラスペン2に記憶されているファイルのファイル名を表示パネル1Aに表示させることができる。また、ファイル名が表示された状態で、タッチパネル1Bによりファイル名を選択することで、所望のファイルを容易に呼び出すことができ、呼び出したファイルの内容を表示パネル1A上に表示させることができる。
なお、実施の形態5では、スタイラスペン2の特定の動きを検出するために、スタイラスペン2の軸心方向の加速度を計測する構成としたが、加速度だけでなく、スタイラスペン2の位置、姿勢(軸心の傾き)等を計測する構成であってもよい。制御部21は、これらの値の少なくとも1つを用いてスタイラスペン2の特定の動きを検出することができる。
また、実施の形態5では、スタイラスペン2による検出結果をタッチパネル装置1へ通信する構成としたが、タッチパネル装置1がスタイラスペン2の特定の動きを検出する構成を備え、タッチパネル装置1にて検出したスタイラスペンの動きに応じて、スタイラスペン2からファイルを呼び出す構成としてもよい。
実施の形態6.
実施の形態6では、タッチパネル1B上で描かれた軌跡が所定の軌跡である場合、タッチパネル装置1は、トリガ操作を受付けたと判断し、ファイル名の取得及び表示を行う構成について説明を行う。
なお、実施の形態6では、データを呼び出すためのトリガ操作のみが実施の形態1と異なり、タッチパネル装置1及びスタイラスペン2のハードウェア構成等については実施の形態1と同様である。
図14は実施の形態6に係るファイル名の表示方法を説明する説明図である。実施の形態6では、タッチパネル1B上で描かれた軌跡が所定の軌跡である場合、トリガ操作を受付けたと判断し、スタイラスペン2からファイル名を取得して、表示パネル1Aにファイル名を表示させる。
図14Aは検出すべき軌跡がタッチパネル1B上で描かれた様子を示している。検出すべき軌跡としてタッチパネル装置1に予め記憶された軌跡(例えば逆V字形状の軌跡)が描かれた場合、タッチパネル装置1は、トリガ操作を受付けたと判断し、図14Bに示すように、スタイラスペン2からファイルを呼び出すためのアイコン群100を表示パネル1Aに表示させる。アイコン群100を構成するアイコン101〜105のうち、アイコン101〜104のそれぞれには記憶日時が1番目〜4番目のファイルのファイル名が付されている。また、アイコン105は、記憶日時が次に新しいファイルのファイル名を表示させるファイル名更新用のアイコンとして機能するように構成されている。
図15は実施の形態6に係るタッチパネル装置1の動作手順を示すフローチャートである。タッチパネル装置1の主制御部11は、タッチパネル制御部16からの出力に基づき、スタイラスペン2によるタッチ操作を継続的に検出することにより、タッチパネル1B上で描かれた軌跡を特定する(ステップS601)。次いで、主制御部11は、ステップS601で特定した軌跡が予め定めた所定の軌跡であるか否かを判断する(ステップS602)。例えば、検出すべき軌跡のデータを予め記憶部13に記憶させておき、ステップS601で軌跡を特定した際、特定した軌跡と予め記憶部13に記憶された軌跡との類似性を判断することにより、主制御部11は、特定した軌跡が所定の軌跡であるか否かを判断することができる。なお、検出すべき軌跡は、ユーザ自身が適宜設定するものであってもよい。
所定の軌跡でないと判断した場合(S602:NO)、主制御部11は、本フローチャートによる処理を終了する。所定の軌跡であると判断した場合(S602:YES)、主制御部11は、トリガ操作を受付けたと判断する。トリガ操作を受付けた場合のタッチパネル装置1の動作は、実施の形態1と全く同様であり、図7に示すフローチャートのステップS103以降の処理を実行する。
以上のように、実施の形態6では、タッチパネル1B上で特定の軌跡を描くといった簡単な操作により、スタイラスペン2に記憶されているファイルのファイル名を表示パネル1Aに表示させることができる。また、ファイル名が表示された状態で、タッチパネル1Bによりファイル名を選択することで、所望のファイルを容易に呼び出すことができ、呼び出したファイルの内容を表示パネル1A上に表示させることができる。
実施の形態7.
実施の形態1では、記憶日時が新しいものから順に所定数(例えば4つ)ずつファイル名を表示する構成について説明したが、ファイル名を一覧で表示する構成を備えるものであってもよい。
実施の形態7では、トリガ操作を受付けた場合に所定数以内のファイル名を表示し、ユーザが所望するファイルが存在しない場合、ファイル名を一覧で表示する構成について説明を行う。
図16はトリガ操作を受付けた場合に表示するアイコン群100の一例を示す模式図である。実施の形態1〜7で説明した何れかのトリガ操作を受付けた場合、タッチパネル装置1は、図16に示すようなアイコン群100を表示パネル1Aに表示させる。
アイコン101〜104は、実施の形態1と同様であり、スタイラスペン2に記憶されているファイルの中で記憶日時が1番目〜4番目に新しいファイルに対応したアイコンである。実施の形態7では、アイコン101の下側に、スタイラスペン2に記憶されているファイルのファイル名を一覧で表示させるためのアイコン106を配置して表示する。
図17は実施の形態6におけるファイル名の選択方法を説明する説明図である。タッチパネル装置1は、トリガ操作を受付けた場合、図17Aに示すように、アイコン群100を表示パネル1Aに表示させ、呼び出すべきファイルに対する選択操作を受付ける。ユーザが所望するファイルのファイル名が存在しない場合、ユーザは、スタイラスペン2を用いてアイコン106に対する選択操作を行う。
図17Bは、アイコン106に対する選択操作を受付けた場合の表示例を示している。アイコン106に対する選択操作を受付けた場合、タッチパネル装置1は、図17Bに示すように、スタイラスペン2に記憶されているファイルの一覧を含むウインドウ200を表示パネル1Aに表示させる。
ウインドウ200は、スタイラスペン2に記憶されているファイルのファイル名をリスト形式で表示するファイル表示欄201、ファイル名のリストにおける表示部分を変更するためのスライダ202、選択されたファイル名に対応するファイルを呼び出すためのソフトウェアボタン203、ファイル名に対する選択をキャンセルするためのソフトウェアボタン204等により構成される。
本実施の形態6では、ファイル表示欄201にてファイル名が選択され、ソフトウェアボタン203が押下操作された場合、タッチパネル装置1は、対応するファイルの送信要求をスタイラスペン2へ送信する。タッチパネル装置1は、前記送信要求に対する応答としてスタイラスペン2から送信されるファイルを受信した場合、受信したファイルを適宜のアプリケーションソフトウェアから開くことによってファイルの内容を表示パネル1Aに表示させる。
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、本実施の形態では、タッチパネル装置1がパーソナルコンピュータの機能を有するものとして説明したが、パーソナルコンピュータの機能を有することは必須の構成ではなく、タッチパネル装置1に外部コンピュータを接続する構成とし、外部コンピュータから出力される画面を表示パネル1Aに表示すると共に、タッチパネル1B又は外部コンピュータに接続されたマウス、キーボード等の入力手段を通じてユーザの操作を受付ける構成としてもよい。
また、本実施の形態では、タッチパネル装置1がトリガ操作を受付けた場合にスタイラスペン2に対してファイル名を送信するように要求を行い、当該要求に応じてスタイラスペン2から送信されるファイル名を表示パネル1Aに表示する構成としたが、スタイラスペン2に記憶されているファイルのファイル名をタッチパネル装置1が事前に取得して管理する構成としてもよい。この構成では、タッチパネル装置1は、トリガ操作を受付けた場合、自身で管理している情報を基にスタイラスペン2に記憶されているファイルのファイル名を表示し、ファイル名に対する選択操作を受付けたときに、対応するファイルを送信するようにスタイラスペン2に要求することが可能である。
以上の実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
本願のタッチパネルシステムは、情報を表示するための表示パネル(1A)と、該表示パネル(1A)上での位置の指定を受付けるタッチパネル(1B)とを有し、該タッチパネル(1B)にて受付けた位置に基づく処理を実行するタッチパネル装置(1)、及び前記表示パネル(1A)上の位置の指定に用いられる操作具(2)を備えるタッチパネルシステムにおいて、前記操作具(2)は、1又は複数のデータ及び各データを識別する識別情報を記憶する記憶手段(22)を備え、前記タッチパネル装置(1)は、前記記憶手段(22)に記憶されているデータの識別情報を取得する取得手段(17)と、前記操作具(2)を用いた所定の操作を受付けたか否かを判断する判断手段(11)とを備え、前記所定の操作を受付けたと判断した場合、前記取得手段(17)が取得した識別情報を前記表示パネル(1A)に表示するようにしてあることを特徴とする。
本願では、操作具を用いた操作により、操作具に記憶されているデータの識別情報を表示パネルに表示させることができ、表示された識別情報に対応するデータを操作具から容易に呼び出すことが可能となる。
本願のタッチパネルシステムでは、前記操作具(2)は、スイッチ(23a)を備え、該スイッチ(23a)が操作された場合、所定の信号を前記タッチパネル装置(1)へ送信するようにしてあり、前記タッチパネル装置(1)が備える前記判断手段(11)は、前記所定の信号を受信した際に、前記操作具(2)による位置の指定を前記タッチパネル(1B)にて受付けた場合、前記所定の操作を受付けたと判断するようにしてあることを特徴とする。
本願では、操作具が備えるスイッチの操作およびタッチパネルへのタッチ操作といった簡単な操作により、操作具に記憶されているデータの識別情報を表示パネルに表示させることができる。また、表示された識別情報に対応するデータを操作具から容易に呼び出すことが可能となる。
本願のタッチパネルシステムは、前記タッチパネル装置(1)は、前記タッチパネル(1B)にて位置の指定を受付けた場合、計時を開始する手段(11)と、前記タッチパネル(1B)での位置の指定が所定時間継続したか否かを判断する手段(11)とを備え、前記タッチパネル(1B)での位置の指定が所定時間継続したと判断した場合、前記判断手段(11)は、前記所定の操作を受付けたと判断するようにしてあることを特徴とする。
本願では、タッチパネルへの長押し操作といった簡単な操作により、操作具に記憶されているデータの識別情報を表示パネルに表示させることができる。また、表示された識別情報に対応するデータを操作具から容易に呼び出すことが可能となる。
本願のタッチパネルシステムは、前記タッチパネル装置(1B)は、前記操作具(2)の記憶手段(22)に記憶されているデータの取得要求を表すオブジェクト(110)を前記表示パネル(1A)に表示させる手段(15)を備え、前記判断手段(11)は、前記オブジェクト(110)に対応する位置の指定を前記タッチパネル(1B)にて受付けた場合、前記所定の操作を受付けたと判断するようにしてあることを特徴とする。
本願では、例えばOS又はアプリケーションソフトウェアが提供するアイコンへのタッチ操作といった簡単な操作により、操作具に記憶されているデータの識別情報を表示パネルに表示させることができる。また、表示された識別情報に対応するデータを操作具から容易に呼び出すことが可能となる。
本願のタッチパネルシステムは、前記操作具(2)は、スイッチ(23a)を備え、該スイッチ(23a)が操作された場合、所定の信号を前記タッチパネル装置(1)へ送信するようにしてあり、前記タッチパネル装置(1)が備える前記判断手段(11)は、前記所定の信号を受信した場合、前記所定の操作を受付けたと判断するようにしてあることを特徴とする。
本願では、操作具が備えるスイッチの操作といった簡単な操作により、操作具に記憶されているデータの識別情報を表示パネルに表示させることができる。また、表示された識別情報に対応するデータを操作具から容易に呼び出すことが可能となる。
本願のタッチパネルシステムは、前記操作具(2)は、自機の特定の動きを検出する検出手段(21)を備え、該検出手段(21)が前記特定の動きを検出した場合、所定の信号を前記タッチパネル装置(1)へ送信するようにしてあり、前記タッチパネル装置(1)が備える前記判断手段(11)は、前記所定の信号を受信した場合、前記所定の操作を受付けたと判断するようにしてあることを特徴とする。
本願では、操作具を振るといった予め定めた簡単な操作により、操作具に記憶されているデータの識別情報を表示パネルに表示させることができる。また、表示された識別情報に対応するデータを操作具から容易に呼び出すことが可能となる。
本願のタッチパネルシステムは、前記タッチパネル装置(1)は、前記タッチパネル(1B)が受付けた位置に基づき、前記タッチパネル(1B)上で描かれた軌跡を特定する手段(11)と、特定した軌跡が所定の軌跡であるか否かを判断する手段(11)とを備え、前記タッチパネル(1B)上で描かれた軌跡が所定の軌跡であると判断した場合、前記判断手段(11)は、前記所定の操作を受付けたと判断するようにしてあることを特徴とする。
本願では、タッチパネル上で特定の軌跡を描くといった簡単な操作により、操作具に記憶されているデータの識別情報を表示パネルに表示させることができる。また、表示された識別情報に対応するデータを操作具から容易に呼び出すことが可能となる。
本願のタッチパネルシステムは、前記タッチパネル装置(1)は、受信した識別情報の夫々を示す1又は複数のオブジェクト(101〜104)を前記表示パネル(1A)に表示するようにしてあり、前記1又は複数のオブジェクト(101〜104)の何れかに対応する位置の指定を前記タッチパネル(1B)にて受付けた場合、指定されたオブジェクト(101〜104)が示す識別情報により識別されるデータの送信要求を前記操作具(2)へ送信し、該送信要求に対する応答として前記操作具(2)より送信されるデータを受信するようにしてあることを特徴とする。
本願では、予め定めた簡単な操作により、操作具に記憶されているデータの識別情報を表示パネルに表示させることができる。また、表示された識別情報に対応して表示されるアイコン等を操作具を用いて選択することにより、選択されたデータをタッチパネル装置に呼び出し、表示パネル上に表示させることができる。
本願のタッチパネルシステムは、前記タッチパネル装置(1)は、前記記憶手段(22)に記憶されているデータの識別情報と共に、各データの記憶日時に係る情報を取得するようにしてあり、前記表示パネル(1A)に識別情報を表示する際、記憶日時が新しい順に選択した所定数以内のデータの識別情報を表示するようにしてあることを特徴とする。
本願では、記憶日時が新しいデータから順次表示させることができるので、ユーザが所望するデータが優先的に表示される。
本願のタッチパネル装置は、情報を表示するための表示パネル(1A)と、該表示パネル(1A)上での位置の指定を受付けるタッチパネル(1B)とを備えるタッチパネル装置(1)において、1又は複数のデータ及び各データを識別する識別情報を記憶する記憶手段(22)を備えた操作具(2)を通信可能に接続する接続手段(17)と、前記記憶手段(22)に記憶されているデータの識別情報を取得する取得手段(17)と、前記操作具(2)を用いた所定の操作を受付けたか否かを判断する判断手段(11)とを備え、前記所定の操作を受付けたと判断した場合、前記取得手段(17)が取得した識別情報を前記表示パネル(1A)に表示するようにしてあることを特徴とする。
本願では、操作具を用いた操作により、操作具に記憶されているデータの識別情報を表示パネルに表示させることができ、表示された識別情報に対応するデータを操作具から容易に呼び出すことが可能となる。
本願のタッチパネル装置は、受信した識別情報の夫々を示す1又は複数のオブジェクト(101〜104)を前記表示パネル(1A)に表示し、前記1又は複数のオブジェクト(101〜104)の何れかに対応する位置の指定を前記タッチパネル(1B)にて受付けた場合、指定されたオブジェクト(101〜104)が示す識別情報により識別されるデータの送信要求を前記操作具(2)へ送信し、該送信要求に対する応答として前記操作具(2)より送信されるデータを受信するようにしてあることを特徴とする。
本願では、予め定めた簡単な操作により、操作具に記憶されているデータの識別情報を表示パネルに表示させることができる。また、表示された識別情報に対応して表示されるアイコン等を操作具を用いて選択することにより、選択されたデータをタッチパネル装置に呼び出し、表示パネル上に表示させることができる。