以下に、本発明の実施の形態に係る描画システムを、いわゆる電子ホワイトボードを含
む描画システムに適用し、図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る描画システムを概念的に表示した概念図である。図中符号1は、本発明の実施の形態1に係る描画システムを示す。本発明の実施の形態1に係る描画システム1は、電子ホワイトボード100と、ペン型入力器200(描画器)とを含むように構成されている。
本発明の実施の形態1に係る描画システム1において、電子ホワイトボード100は、ペン型入力器200からの描画に係る指示に応じて、描画の処理を行なう。
また、ペン型入力器200は、電子ホワイトボード100と無線通信ができるように構成されている。すなわち、電子ホワイトボード100は、後述するように、ペン型入力器200から描画通知、第1通知及び第2通知を受信できるように構成されている。
電子ホワイトボード100は、描画の処理によって、例えば線図の画像が表示される矩形の表示画面101を有する表示部100Aと、後述する方法によって、ペン型入力器200の表示画面101上の位置を検出し、又は表示画面101上の所定位置の位置指定を受け付けるタッチパネル部100Bとを備えている。
本発明の実施の形態1のタッチパネル部100Bは、赤外線を発光する発光素子及び赤外線を受光する受光素子を備え、遮光物の位置を検出する、いわゆる赤外線遮断式タッチパネルである。
図2は本発明の実施の形態1に係る描画システム1の電子ホワイトボード100の要部構成を示す機能ブロック図である。
表示部100Aは、例えばLCD又はEL(Electroluminescence)パネル等の表示画
面101を備え、ペン型入力器200から送信される描画に係る指示、及び、タッチパネル部100Bによるペン型入力器200の位置の検出の結果に基づいて、文字、線図を表示画面101に表示する。また、タッチパネル部100Bは走査部9を備えている。
その他、電子ホワイトボード100は、制御部10と、ROM2と、RAM3、通信部5、記憶部6とを備えており、電子ホワイトボード100は通信部5を介してペン型入力器200から描画に係る指示、前記描画通知、第1通知及び第2通知等の受信を行う。
制御部10は、走査部9による走査結果に係る座標に基づき、文字、線図等の描画を表示部100Aに指示し、表示部100Aは該指示に応じて表示画面101に文字、線図等を表示する。
ROM2には制御プログラムが予め格納されており、RAM3はデータを一時的に記憶し、記憶順、記憶位置等に関係なく読み出すことが可能である。また、RAM3は、例えば、ROM2から読み出されたプログラム、該プログラムを実行することにより発生する各種データ等を記憶する。
制御部10は、ROM2に予め格納されている制御プログラムをRAM3上にロードして実行することによって、バスを介して上述した各種ハードウェアの制御を行い、電子ホワイトボード100を機能させる。
通信部5はペン型入力器200から前記描画に係る指示、描画通知、第1通知及び第2
通知等を受信する。このように、通信部5によって受信された指示及び通知は記憶部6に記憶される。すなわち、斯かる指示及び各通知が通信部5によって受信された場合、その旨を表すフラグが記憶部6に記録される。
また、通信部5は、後述するペン型入力器200の通信部に対応して、例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の無線通信を行なうように構成されている。
記憶部6は、例えば、フラッシュメモリ、EEPROM(登録商標)、HDD、MRAM(磁気抵抗メモリ)、FeRAM(強誘電体メモリ)、又は、OUM等の不揮発性の記憶媒体により構成されている。
図3は本発明の実施の形態1に係る描画システム1の電子ホワイトボード100における、制御部10の要部構成を示す機能ブロック図である。制御部10は、CPU11と、座標検出部12と、遮光物管理部13と、描画部14と、表示制御部15と、移動制御部16と、判定部17とを備えている。
座標検出部12は、表示画面101上における、遮光物(例えば、ペン型入力器200)の座標を検出する。詳しくは、タッチパネル部100Bによって、表示部100Aの表示画面101上の光遮断が検出された場合に送られる、後述する強度信号に基づき、斯かる遮光物の座標を検出する。
遮光物管理部13は、走査部9の走査によって検出される遮光物の位置(座標)を管理する。例えば、遮光物管理部13は、斯かる遮光物が移動する場合、遮光物の移動跡を表す座標履歴を記憶部6に記憶する。
描画部14は、記憶部6に記憶されている描画処理を実行するためのアプリケーションを用いて、座標検出部12により検出されたペン型入力器200の座標と、例えば、通信部5を介してペン型入力器200から受信した前記描画通知、第1通知及び第2通知等とを統合して、描画処理に係る描画データの生成を行い、生成された描画データに基づき、表示画面101に表示する画像を生成し、生成した画像を表示画面101へ画像信号として出力することにより、描画を行う。
また、描画部14は、前記描画通知及び第2通知を共に受けた場合、表示画面101に表示される、後述のカーソルの移動軌跡に沿って、表示画面101に線画の描画を行なう。
表示制御部15は、ユーザから描画に係る設定を受け付けるウィンドウである設定メニューを表示画面101に表示する。該設定メニューには、例えば、線図の色、削除、終了等の指示を受け付けるためのソフトキーのアイコンが設けられている。
また、表示制御部15は、表示画面101にカーソルを表示する。例えば、表示制御部15は、通信部5がペン型入力器200から前記描画通知を受信した場合であって、座標検出部12により表示画面101上でのペン型入力器200の座標が検出された場合、表示画面101にカーソルを表示する。
移動制御部16は、表示制御部15によって、表示画面101に表示されたカーソルの移動を制御する。より詳しくは、移動制御部16は、ペン型入力器200から前記第1通知又は第2通知を受信した場合、ペン型入力器200の移動に沿って、前記カーソルを移動させる。
判定部17は、前記描画通知、第1通知及び第2通知を受信したか否かの判定を行なう。換言すれば、判定部17は前記描画通知、第1通知及び第2通知を受信したか否かを判定することにより、ペン型入力器200がユーザから後述する第1指示又は第2指示を受け付けたか否かを判定することができる。すなわち、判定部17は、斯かる判定を行なうことにより、後述する第1ボタン201又は第2ボタン202の操作如何を判定することができる。
上述したように、通信部5がペン型入力器200から前記描画通知、第1通知及び第2通知を受信した場合、記憶部6はその旨を表すフラグを記録する。従って、判定部17は、通信部5を監視することにより、又は記憶部6を確認することにより、上述したような判定を行う。
一方、CPU11は、走査部9の発光素子及び受光素子の制御を行なう。
タッチパネル部100Bは、上記したように、赤外線遮断式タッチパネルである。すなわち、ペン型入力器200の先端又はイレーザーが表示部100Aの表示画面101をタッチする際、光遮断が検出されることによって、斯かる遮光物(ペン型入力器200)の位置を検出する。すなわち、走査結果、受光素子から得られる信号(強度信号)が制御部10に送出され、これに基づき、座標検出部12は斯かる遮光物の座標を検出する。このようにして、タッチパネル部100Bは、ユーザから表示部100A(表示画面101)上の位置指定、文字、線画等の入力を受け付ける。
タッチパネル部100Bの走査部9は、表示部100Aの表示画面101に沿って赤外線の光(以下、赤外光といいう)を走査する。走査部9は、赤外光を照射する複数の発光素子を有する発光部91と、対応する発光素子からの赤外光を受光する複数の受光素子を有する受光部92と、制御部10(CPU11)からの発光信号及び受光信号を夫々の発光部91及び受光部92に割り当てるアドレスデコーダ93と、光遮断の検出に用いられる受光部92からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ94とを更に備えている。
図4は本発明の実施の形態1に係る描画システム1にて、電子ホワイトボード100のタッチパネル部100Bにおける、光の走査の処理を説明する機能ブロック図である。
発光部91は、図示しないマルチプレクサを有しており、発光素子の夫々は該マルチプレクサに接続されている。また、受光部92も、図示しないマルチプレクサを有しており、受光素子の夫々は該マルチプレクサに接続されている。更に、発光部91の各発光素子は、受光部92の何れか一つの受光素子と対応(対向)するように構成されている。
制御部10のCPU11は、複数の発光素子を発光させるための発光信号をアドレスデコーダ93Aへ出力すると共に、複数の受光素子を受光させるための受光信号をアドレスデコーダ93Bへ出力する。アドレスデコーダ93Aは、CPU11からの信号に応じて、発光素子の内、発光に係る何れかの発光素子を特定する信号を発光部91に出力し、またアドレスデコーダ93Bは、CPU11からの信号に応じて、受光素子の内で、前記特定された発光素子に対応する受光素子を特定する信号を受光部92に出力する。
このように特定された発光素子は赤外光を発光し、対応する受光素子は赤外光を受光する。この際、該受光素子によって受光した赤外光の強度を電圧値で示す強度信号がA/Dコンバータ94に出力される。A/Dコンバータ94は前記強度信号を例えば、8ビットのデジタル信号に変換し、変換後の強度信号を制御部10に出力する。制御部10は、全
ての受光素子からの強度信号を取得するために、各受光素子から強度信号を取得する処理を順次繰り返す。
制御部10のCPU11は、各受光素子から取得した強度信号に基づき、該受光素子での受光量を計算する。CPU11は、計算された受光量が予め定められている閾値を超過している場合は、当該受光素子が受光する赤外光の光路は遮断されていないと判定する。また、計算された受光量が、予め定められている閾値以下である場合は、当該受光素子が受光する赤外光の光路が遮断されていると判定する。
このようなCPU11の判定結果に基づき、座標検出部12はペン型入力器200と表示画面101とが所定距離以内に近接し、又は接触している位置を検出する。すなわち、座標検出部12は赤外光の光路が遮断されている受光素子を特定し、特定された受光素子の位置に基づき、表示部100Aの表示画面101上における、ペン型入力器200の近接点又は接触点の位置、すなわち、近接点又は接触点の座標を、又は、近接点若しくは接触点の範囲(面積)を検出する処理を行う。
以下に、前記走査、及び、遮光物の近接又は接触の位置(以下、単に接触位置という。)の検出について詳しく説明する。図5は本発明の実施の形態1に係る描画システム1の電子ホワイトボード100における、走査及び遮光物との接触位置の検出を説明する説明図である。
上述したように、表示部100Aの表示画面101は矩形であり、表示画面101の図面視右側及び下側には、表示部100Aの縁に沿って複数の発光素子911、911、…の列が並設されている。発光素子911は、例えば、赤外光を発光する発光ダイオード(LED)である。図中には、各発光素子911が発光する赤外光の光路を実線の矢印にて示している。
右側の複数の発光素子911、911、…は、夫々の発光素子911が発光する赤外光の光路が表示画面101に沿って互いに平行をなすように設けられており、下側の発光素子911、911、…も同様に設けられている。
すなわち、図5において左右方向(x軸方向)に並設された下側の発光素子911、911、…と、上下方向(y軸方向)に並設された右側の複数の発光素子911、911、…とは、その光路が相互直交するように設けられている。
また、表示部100Aの表示画面101上であって、発光素子911、911、…と対向する位置には、受光素子921、921、…が設けられている。
すなわち、表示部100Aの表示画面101の左側及び上側には、縁に沿って複数の受光素子921、921、…の列が並設されている。受光素子921は、赤外光を受光する受光ダイオードである。発光素子911、911、…からの赤外光は、対向配置された受光素子921、921、…によって受光されるように構成されている。
発光素子の場合と同様に、上側の受光素子921、921、…と、左側の受光素子921、921、…とは、受光すべき赤外光の光路が相互直交するように設けられている。
走査部9は、表示部100Aの表示画面101における、X軸方向の一端から他端まで、またY軸方向の一端から他端まで、1つずつ発光素子911を順次発光させていき、表示部100Aの表示画面101における、ペン型入力器200との接触位置が上述したように検出される。
ペン型入力器200は、電子ホワイトボード100(通信部5)と通信可能に構成されており、電子ホワイトボード100に描画に係る指示、前記描画通知、第1通知及び第2通知を送信する。以下、図1及び図2に基づいて、ペン型入力器200について説明する。
ペン型入力器200は、ユーザがペン型入力器200を用いて描画を行なう際、表示部100Aの表示画面101に近接又は接触するペン先ボタン(図示せず)と、ユーザがペン型入力器200の移動軌跡に沿って前記カーソルを移動させるよう指示する際に用いられる第1ボタン201と、ユーザが前記カーソルの移動軌跡に応じて線図の描画を行うよう指示する際に用いられる第2ボタン202とを備えている。
また、ペン型入力器200は、第1ボタン201を介してユーザから、ペン型入力器200の移動軌跡に応じて前記カーソルを移動させる指示(以下、第1指示という)を受け付ける第1指示受付部203と、第2ボタン202を介してユーザから、前記カーソルの移動軌跡に応じて線図の描画を行う指示(以下、第2指示という)を受け付ける第2指示受付部204と、電子ホワイトボード100との通信を行う通信部205と、通信部205を介して電子ホワイトボード100に描画を開始する旨の通知(以下、描画通知という)を行なう描画通知部206とを備えている。
ペン型入力器200の通信部205は、電子ホワイトボード100の通信部5に対応し、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の無線通信を行なうように構成されている。
例えば、ユーザがペン型入力器200を握って表示部100Aの表示画面101に描画を行なう際、前記ペン先ボタンが表示画面101に接触することによって該ペン先ボタンに接触圧がかかり、オンとなる。この際、描画通知部206は前記ペン先ボタンを監視することにより、該ペン先ボタンがオンとなった場合、これから描画操作を開始する旨の前記描画通知を電子ホワイトボード100に送信するように通信部205に指示する。描画通知部206のかかる指示に応じて、通信部205は、電子ホワイトボード100に、前記描画通知を送信する。
第1ボタン201は、ユーザから前記第1指示を受け付ける。すなわち、ユーザは必要に応じて、第1ボタン201を操作することにより、前記第1指示を行なうことができる。
この際、第1指示受付部203は、第1ボタン201を介して、前記第1指示を受け付ける。すなわち、ユーザによって第1ボタン201が操作された場合、第1指示受付部203は第1指示を受け付けたものとみなす。
このように、第1指示受付部203が第1ボタン201を介して第1指示を受け付けた場合、ユーザから第1指示を受け付けた旨の通知(以下、第1通知という)が通信部205によって、電子ホワイトボード100に送信される。
第2ボタン202は、ユーザから前記第2指示を受け付ける。すなわち、ユーザは必要に応じて、第2ボタン202を操作することにより、前記第2指示を行なうことができる。
この際、第2指示受付部204は、第2ボタン202を介して、前記第2指示を受け付ける。すなわち、ユーザによって第2ボタン202が操作された場合、第2指示受付部2
04は第2指示を受け付けたものとみなす。
このように、第2指示受付部204が第2ボタン202を介して第2指示を受け付けた場合、ユーザから第2指示を受け付けた旨の通知(以下、第2通知という)が通信部205によって、電子ホワイトボード100に送信される。
なお、上述した座標検出部12と、遮光物管理部13と、描画部14と、表示制御部15と、移動制御部16と、判定部17とは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、CPU11が所定のプログラムを実行することにより、ソフトウェア的に構築されてもよい。
このような構成を有するので、本発明の実施の形態1に係る描画システム1は、上述したように、表示画面101が大型画面であるような場合、表示画面101におけるタッチしたい箇所に手が届かない問題があること、プレゼンテーションで説明者が文字、図形等を書く(描画)際に、自分の手又は体によって描画画像が隠れてしまい、視聴者に該描画画像が見えなくなる問題を解決することができる。
図6は本発明の実施の形態1に係る描画システム1における、電子ホワイトボード100にて行なわれる描画の処理を説明するフローチャートである。図7は本発明の実施の形態1に係る描画システム1において行なわれるカーソルの制御を説明する説明図であり、図8は本発明の実施の形態1に係る描画システム1において行なわれる描画の処理を説明する説明図である。
ユーザが、例えば、電子ホワイトボード100の表示画面101上であって、近い何れかの隅にペン型入力器200の先端をタッチした場合、タッチパネル部100Bの走査部9の走査結果に基づいて、座標検出部12が斯かるタッチ位置の座標を検出する(ステップS101)。座標検出部12による座標検出については既に説明しており、詳しい説明を省略する。検出された座標は一時的にRAM3に記憶される。
この際、CPU11は斯かるタッチの操作がペン型入力器200の操作であるか否かを判定する。斯かる判定は、CPU11が、座標検出部12の座標検出の結果から、表示画面101に近接又は接触している物体の近接点又は接触点の面積が閾値1以下であるか否か判定することにより行われる。すなわち、該近接点又は接触点の面積が閾値1以下である場合、CPU11はペン型入力器200の近接又は接触(操作)であると判定する。
このように、当該接触物体がペン型入力器200であり、ペン型入力器200のタッチ位置の座標が検出された場合、判定部17はペン型入力器200から前記描画通知を受信したか否かを判定する(ステップS102)。判定部17による当該判定についてはすでに説明しており、詳しい説明を省略する。
判定部17は、ペン型入力器200から前記描画通知を受信していないと判定した場合(ステップS102:NO)、ペン型入力器200から前記描画通知を受信するまで斯かる判定を続ける。
また、判定部17は、ペン型入力器200から前記描画通知を受信したと判定した場合(ステップS102:YES)、すなわち、ペン型入力器200から前記描画通知が受信され、座標検出部12により表示画面101上でのペン型入力器200の座標が検出された場合、表示制御部15は、表示画面101上でのペン型入力器200の位置を除く他の位置にカーソルCを表示する(図7(A)及び図8(A)参照)。また、これに限るものでなく、カーソルCの表示位置をユーザが設定できるように構成しても良い。
次いで、判定部17は、ユーザによって、ペン型入力器200の第1ボタン201が操作されたか否かを判定する(ステップS103)。斯かる判定は、判定部17が第1通知の受信を表すフラグが記憶部6に記録されているか否かを確認することにより行なわれる。
ここで、例えば、ペン型入力器200の移動軌跡に応じてカーソルCを移動させることのみを望んでいる場合、ユーザは第1ボタン201を押したまま、ペン型入力器200の先を表示画面101にタッチする。この際、前記第1通知がペン型入力器200から受信され、その旨のフラグが記憶部6に記録される。
一方、カーソルCの移動軌跡に応じて線図の描画を行うことのみを望んでいる場合、ユーザは第2ボタン202を押したまま、ペン型入力器200の先を表示画面101にタッチする。この際、前記第2通知がペン型入力器200から受信され、その旨のフラグが記憶部6に記録される。
例えば、上述したように、前記第1通知が受信され、その旨のフラグが記憶部6に記録されている場合、判定部17は、ユーザによるペン型入力器200の第1ボタン201の操作があったと判定する(ステップS103:YES)。
次いで、CPU11は、座標検出部12の座標検出の結果に基づき、ペン型入力器200が移動しているか否かを判定する(ステップS104)。CPU11は、ペン型入力器200が移動していないと判定した場合(ステップS104:NO)、ペン型入力器200が移動するまで、斯かる判定を繰り返す。
一方、CPU11により、ペン型入力器200が移動していると判定された場合(ステップS104:YES)、ペン型入力器200の移動に応じて記憶部6に記憶されている、ペン型入力器200の移動に係る座標履歴に基づいて、移動制御部16が、表示画面101に表示されているカーソルCを移動させる(ステップS105)。
すなわち、図7(B)にて示しているように、ユーザが第1ボタン201を押したまま、ペン型入力器200を最初のタッチ位置から図面視左上方向に所定距離移動させる操作を行なった場合、移動制御部16は、ペン型入力器200の移動に沿って、カーソルCを最初の位置から左上方向に所定距離移動させる。
また、ペン型入力器200の移動距離と、カーソルCの移動距離とは、等倍の関係を有する。なお、これに限るものでなく、ユーザが、ペン型入力器200の移動距離と、カーソルCの移動距離との倍率を適宜変更できるように構成しても良い。
例えば、このようなペン型入力器200の移動操作の後、ユーザがペン型入力器200を表示画面101から一旦離した後、再びカーソルCを移動させるために、ペン型入力器200を移動させる場合が想定できる。
このような場合は、再び、ユーザがペン型入力器200の第1ボタン201を押しながら、ペン型入力器200の先端を表示画面101にタッチする操作を行ない、上述したような、ステップS101からステップS103までの処理が行われる。(図7(C)参照)
続いて、例えば、図7(D)にて示しているように、ユーザが第1ボタン201を押したまま、ペン型入力器200を最初のタッチ位置から図面視左方向に所定距離移動させる
操作を行なう。この際、移動制御部16は、ペン型入力器200の移動に沿って、カーソルCをその際の現在の表示位置から左上方向に所定距離移動させる。
ユーザは以上のような操作を行なうことよって、カーソルCを希望の位置まで移動させることができ、本発明の実施の形態1に係る描画システム1においては、カーソルCを、例えば、プレゼンテーションのポインターとして使用することができる。
この際において、CPU11は、計時部(図示せず)の計時結果に基づいて、例えば、カーソルCの移動開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS106)。
CPU11は、所定時間が経過していないと判定した場合(ステップS106:NO)、所定時間が経過するまで、斯かる判定を繰り返す。
一方、CPU11によって所定時間が経過したと判定された場合(ステップS106:YES)、判定部17は、ペン型入力器200から前記描画通知及び第1通知を受信中であるか否かを判定する(ステップS107)。判定部17による斯かる判定は既に説明しており、詳しい説明を省略する。
判定部17によって、ペン型入力器200から前記描画通知及び第1通知を受信中であると判定された場合(ステップS107:YES)、処理はステップS105に戻り、移動制御部16はペン型入力器200の移動に応じてカーソルCを移動させ続ける。
また、判定部17によって、前記描画通知及び第1通知の何れか一方でも受信していないと判定された場合(ステップS107:NO)、処理はステップS102に戻る。
一方、前記第1通知が受信された旨のフラグが記憶部6に記録されていない場合、判定部17は、ユーザによるペン型入力器200の第1ボタン201の操作がなかったと判定し(ステップS103:NO)、続いて、ユーザによって、ペン型入力器200の第2ボタン202が操作されたか否かを判定する(ステップS108)。斯かる判定は、判定部17が第2通知の受信を表すフラグが記憶部6に記録されているか否かを確認することにより行なわれる。
例えば、上述したように、前記第2通知が受信され、その旨のフラグが記憶部6に記録されている場合、判定部17は、ユーザによるペン型入力器200の第2ボタン202の操作があったと判定する(ステップS108:YES)。
次いで、CPU11は、座標検出部12の座標検出の結果に基づき、ペン型入力器200が移動しているか否かを判定する(ステップS109)。CPU11は、ペン型入力器200が移動していないと判定した場合(ステップS109:NO)、ペン型入力器200が移動するまで、斯かる判定を繰り返す。
一方、CPU11により、ペン型入力器200が移動していると判定された場合(ステップS109:YES)、ペン型入力器200の移動に応じて記憶部6に記憶されている、ペン型入力器200の移動に係る座標履歴に基づいて、移動制御部16が、表示画面101に表示されているカーソルCを移動させ、また、カーソルCの斯かる移動軌跡に沿って、描画部14が表示画面101に線画の描画を行なう(ステップS110)。
すなわち、図8(B)にて示しているように、ユーザが第2ボタン202を押したまま、ペン型入力器200を最初のタッチ位置から図面視右方向に所定距離移動させる操作を行なった場合、移動制御部16は、ペン型入力器200の移動に沿って、カーソルCを最
初の位置から右方向に所定距離移動させる。
この際、描画部14がカーソルCの移動軌跡に沿って、表示画面101に、線画の描画を行ない、その結果、水平直線が表示される。
一方、このような描画操作の後、ユーザがペン型入力器200を表示画面101から一旦離した後、再び描画を行なうために、ペン型入力器200を移動させる場合が想定できる。
このような場合は、再び、ユーザがペン型入力器200の第2ボタン202を押しながら、ペン型入力器200の先端を表示画面101にタッチする操作を行ない、上述したような、ステップS101からステップS103までの処理が行われる(図8(C)参照)。
続いて、例えば、図8(D)にて示しているように、ユーザが第2ボタン202を押したまま、ペン型入力器200を最初のタッチ位置から図面視下方向に所定距離移動させる操作を行なう。この際、移動制御部16は、ペン型入力器200の移動に沿って、カーソルCをその際の現在の表示位置から下方向に所定距離移動させる。また、描画部14は、この際のカーソルCの移動軌跡に沿って、表示画面101に、線画の描画を行なう。
ユーザは以上のような操作を行なうことよって、カーソルCを希望の位置まで移動させ、かつ、希望する文字、図形を表示画面101に描くことができる。
この際において、CPU11は、前記計時部の計時結果に基づいて、例えば、カーソルCの移動開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS111)。
CPU11は、所定時間が経過していないと判定した場合(ステップS111:NO)、所定時間が経過するまで、斯かる判定を繰り返す。
一方、CPU11によって所定時間が経過したと判定された場合(ステップS111:YES)、判定部17は、ペン型入力器200から前記描画通知及び第2通知を受信中であるか否かを判定する(ステップS112)。
判定部17によって、ペン型入力器200から前記描画通知及び第2通知を受信中であると判定された場合(ステップS112:YES)、処理はステップS110に戻り、移動制御部16はペン型入力器200の移動に応じてカーソルCを移動させ続け、描画部14はカーソルCの移動軌跡に沿って線画の描画を続ける。
また、判定部17によって、前記描画通知及び第2通知の何れか一方でも受信していないと判定された場合(ステップS112:NO)、処理はステップS102に戻る。
一方、前記第2通知が受信された旨のフラグが記憶部6に記録されていない場合、判定部17は、ユーザによるペン型入力器200の第2ボタン202の操作がなかったと判定する(ステップS108:NO)。
このような場合、CPU11は、斯かるペン型入力器200のタッチ操作を、通常のタッチ操作として扱う(ステップS113)。すなわち、図7(E)及び図8(E)に示したように、座標検出部12によって検出されたペン型入力器200の座標に、表示制御部15がカーソルCを表示する。
以後、ユーザによってペン型入力器200が移動された場合、描画部14は座標検出部12により検出されたペン型入力器200の座標(座標履歴)に基づいて、画像を表示画面101に描画を行う(ステップS114)。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態1に係る描画システム1においては、ユーザがペン型入力器200の移動軌跡に応じてカーソルCを移動させることを望んでいる場合、第1ボタン201を押したまま、ペン型入力器200を移動させる操作が必要であり、ユーザがカーソルCの移動軌跡に応じて線図の描画を行うことを望んでいる場合、第2ボタン202を押したまま、ペン型入力器200を移動させる操作が必要であるとして説明した。
しかし、本発明の実施の形態2に係る描画システム1においては、ペン型入力器200の移動軌跡に応じてカーソルCを移動させるための操作、及び、カーソルCの移動軌跡に応じて線図の描画を行うための操作が、実施の形態1と相違する。
図9は本発明の実施の形態2に係る描画システム1における、電子ホワイトボード100にて行なわれる描画の処理を説明するフローチャートである。説明の便宜上、図7及び図8に基づいて説明する。
ユーザが、例えば、電子ホワイトボード100の表示画面101上に、ペン型入力器200の先端をタッチした場合、タッチパネル部100Bの走査部9の走査結果に基づいて、座標検出部12が斯かるタッチ位置の座標を検出する(ステップS201)。検出された座標は一時的にRAM3に記憶される。この際、CPU11は斯かるタッチの操作がペン型入力器200の操作であるか否かを判定する。
当該タッチの操作がペン型入力器200の操作であり、ペン型入力器200のタッチ位置の座標が検出された場合、判定部17はペン型入力器200から前記描画通知を受信したか否かを判定する(ステップS202)。
判定部17は、ペン型入力器200から前記描画通知を受信していないと判定した場合(ステップS202:NO)、ペン型入力器200から前記描画通知を受信するまで斯かる判定を続ける。
また、判定部17は、ペン型入力器200から前記描画通知を受信したと判定した場合(ステップS202:YES)、表示制御部15が表示画面101上でのペン型入力器200の位置を除く他の位置にカーソルCを表示する(図7(A)及び図8(A)参照)。
次いで、判定部17は、ユーザによって、ペン型入力器200の第1ボタン201が操作されたか否かを判定する(ステップS203)。より詳しくは、実施の形態2に係る電子ホワイトボード100においては、判定部17がユーザによる第1ボタン201の操作が一回目か否かを判定する。斯かる判定は、判定部17が、第1通知の1回目の受信を表すフラグが記憶部6に記録されているか否かを確認することにより行なわれる。
すなわち、実施の形態2に係る描画システム1においては、例えば、ペン型入力器200の移動軌跡に応じてカーソルCを移動させることのみを望んでいる場合、ユーザは第1ボタン201を1回押した後、ペン型入力器200の先を表示画面101にタッチする。この際、前記第1通知がペン型入力器200から1回受信され、その旨のフラグが記憶部6に記録される。
一方、カーソルCの移動軌跡に応じて線図の描画を行うことのみを望んでいる場合、ユ
ーザは第2ボタン202を1回押した後、ペン型入力器200の先を表示画面101にタッチする。この際、前記第2通知がペン型入力器200から1回受信され、その旨のフラグが記憶部6に記録される。
例えば、上述したように、前記第1通知が1回受信され、その旨のフラグが記憶部6に記録されている場合、判定部17は、ユーザによるペン型入力器200の第1ボタン201の操作があったと判定する(ステップS203:YES)。
次いで、CPU11は、座標検出部12の座標検出の結果に基づき、ペン型入力器200が移動しているか否かを判定する(ステップS204)。CPU11は、ペン型入力器200が移動していないと判定した場合(ステップS204:NO)、ペン型入力器200が移動するまで、斯かる判定を繰り返す。
一方、CPU11により、ペン型入力器200が移動していると判定された場合(ステップS204:YES)、ペン型入力器200の移動に応じて記憶部6に記憶されている、ペン型入力器200の移動に係る座標履歴に基づいて、移動制御部16が、表示画面101に表示されているカーソルCを移動させる(ステップS205)。
すなわち、図7(B)にて示しているように、ユーザが第1ボタン201を最初1回押した後、ペン型入力器200を最初のタッチ位置から図面視左上方向に所定距離移動させる操作を行なった場合、移動制御部16は、ペン型入力器200の移動に沿って、カーソルCを最初の位置から左上方向に所定距離移動させる。
例えば、このようなペン型入力器200の移動操作の後、ユーザがペン型入力器200を表示画面101から一旦離した後、再びカーソルCを移動させるために、ペン型入力器200を移動させる場合が想定できる。
このような場合、ユーザはペン型入力器200の第1ボタン201を再び押さずに、ペン型入力器200の先端を表示画面101にタッチする操作を行ない、上述したような、ステップS201からステップS203までの処理が行われる(図7(C)参照)。
続いて、例えば、図7(D)にて示しているように、ユーザは第1ボタン201を押すことなく、ペン型入力器200を最初のタッチ位置から図面視左方向に所定距離移動させる操作を行なう。この際、移動制御部16は、ペン型入力器200の移動に沿って、カーソルCをその際の現在の表示位置から左上方向に所定距離移動させる。
ユーザは以上のような操作を行なうことによって、カーソルCを希望の位置まで移動させることができる。
この際において、CPU11は、前記計時部の計時結果に基づいて、例えば、カーソルCの移動開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS206)。CPU11は、所定時間が経過していないと判定した場合(ステップS206:NO)、所定時間が経過するまで、斯かる判定を繰り返す。
一方、CPU11によって所定時間が経過したと判定された場合(ステップS206:YES)、判定部17は、ペン型入力器200から2回目の第1通知を受信したか否かを判定する(ステップS207)。換言すれば、ユーザによる2回目の第1ボタン201の操作があったか否かを判定する。斯かる判定は、判定部17が第1通知の2回目の受信を表すフラグが記憶部6に記録されているか否かを確認することにより行なわれる。
判定部17によって、ペン型入力器200から2回目の第1通知の受信がなかったと判定された場合(ステップS207:NO)、処理はステップS205に戻り、移動制御部16はペン型入力器200の移動に応じてカーソルCを移動させ続ける。
また、判定部17は、ペン型入力器200から2回目の第1通知の受信があったと判定した場合(ステップS207:YES)、ペン型入力器200から前記描画通知を受信しているか否かを判定する(ステップS208)。
判定部17によって、ペン型入力器200から前記描画通知を受信したと判定された場合(ステップS208:YES)、処理はステップS215に移動する。一方、判定部17によって、ペン型入力器200から前記描画通知を受信していないと判定された場合(ステップS208:NO)、処理は終了する。
一方、前記第1通知が1回受信された旨のフラグが記憶部6に記録されていない場合、判定部17は、ユーザによるペン型入力器200の第1ボタン201の操作がなかったと判定し(ステップS203:NO)、続いて、ユーザによって、ペン型入力器200の第2ボタン202が操作されたか否かを判定する(ステップS209)。より詳しくは、実施の形態2に係る電子ホワイトボード100においては、判定部17がユーザによる第2ボタン202の操作が一回目か否かを判定する。斯かる判定は、判定部17が、第2通知の1回目の受信を表すフラグが記憶部6に記録されているか否かを確認することにより行なわれる。
例えば、上述したように、前記第2通知が1回受信され、その旨のフラグが記憶部6に記録されている場合、判定部17は、ユーザによるペン型入力器200の第2ボタン202の操作があったと判定する(ステップS209:YES)。
この場合、CPU11は、座標検出部12の座標検出の結果に基づき、ペン型入力器200が移動しているか否かを判定する(ステップS210)。CPU11は、ペン型入力器200が移動していないと判定した場合(ステップS210:NO)、ペン型入力器200が移動するまで、斯かる判定を繰り返す。
一方、CPU11により、ペン型入力器200が移動していると判定された場合(ステップS210:YES)、ペン型入力器200の移動に応じて記憶部6に記憶されている、ペン型入力器200の移動に係る座標履歴に基づいて、移動制御部16が、表示画面101に表示されているカーソルCを移動させ、また、カーソルCの斯かる移動軌跡に沿って、描画部14が表示画面101に線画の描画を行なう(ステップS211)。
すなわち、図8(B)にて示しているように、ユーザが第2ボタン202を最初に一回押した後、ペン型入力器200を最初のタッチ位置から図面視右方向に所定距離移動させる操作を行なった場合、移動制御部16は、ペン型入力器200の移動に沿って、カーソルCを最初の位置から右方向に所定距離移動させる。また、描画部14がカーソルCの移動軌跡に沿って、表示画面101に、線画の描画を行ない、その結果、水平直線が表示される。
一方、このような描画操作の後、ユーザがペン型入力器200を表示画面101から一旦離した後、再び描画を行なうために、ペン型入力器200を移動させる場合が想定できる。
このような場合は、ユーザがペン型入力器200の第2ボタン202を再び押さずに、ペン型入力器200の先端を表示画面101にタッチする操作を行ない、上述したような
、ステップS201からステップS203までの処理が行われる(図8(C)参照)。
続いて、例えば、図8(D)にて示しているように、ユーザが第2ボタン202を押すことなく、ペン型入力器200を最初のタッチ位置から図面視下方向に所定距離移動させる操作を行なう。この際、移動制御部16は、ペン型入力器200の移動に沿って、カーソルCをその際の現在の表示位置から下方向に所定距離移動させる。また、描画部14は、この際のカーソルCの移動軌跡に沿って、表示画面101に、線画の描画を行なう。
ユーザは以上のような操作を行なうことよって、カーソルCを希望の位置まで移動させ、かつ、希望する文字、図形を表示画面101に描くことができる。
この際において、CPU11は、前記計時部の計時結果に基づいて、例えば、カーソルCの移動開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS212)。CPU11は、所定時間が経過していないと判定した場合(ステップS212:NO)、所定時間が経過するまで、斯かる判定を繰り返す。
一方、CPU11によって所定時間が経過したと判定された場合(ステップS212:YES)、判定部17は、ペン型入力器200から2回目の第2通知を受信したか否かを判定する(ステップS213)。
判定部17によって、ペン型入力器200から2回目の第1通知を受信していないと判定された場合(ステップS213:NO)、処理はステップS211に戻り、移動制御部16はペン型入力器200の移動に応じてカーソルCを移動させ続け、描画部14はカーソルCの移動軌跡に沿って線画の描画を続ける。
また、判定部17は、2回目の第2通知を受信したと判定された場合(ステップS213:YES)、ペン型入力器200から前記描画通知を受信しているか否かを判定する(ステップS214)。
判定部17によって、ペン型入力器200から前記描画通知を受信したと判定された場合(ステップS214:YES)、処理はステップS215に移動する。一方、判定部17によって、ペン型入力器200から前記描画通知を受信していないと判定された場合(ステップS214:NO)、処理は終了する。
一方、前記第2通知が受信された旨のフラグが記憶部6に記録されていない場合、判定部17は、ユーザによるペン型入力器200の第2ボタン202の操作がなかったと判定する(ステップS209:NO)。
このような場合、CPU11は、斯かるペン型入力器200のタッチ操作を、通常のタッチ操作として扱う(ステップS215)。すなわち、図7(E)及び図8(E)に示したように、座標検出部12によって検出されたペン型入力器200の座標に、表示制御部15がカーソルCを表示する。
以後、ユーザによってペン型入力器200が移動された場合、描画部14は座標検出部12により検出されたペン型入力器200の座標(座標履歴)に基づいて、画像を表示画面101に描画を行う(ステップS216)。
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態1に係る描画システム1においては、ユーザがペン型入力器200の移動軌跡に応じてカーソルCを移動させることを望んでいる場合において、ペン型入力器200を移動させる操作が繰り返された場合、常に、その際の現在のカーソルの位置から移動が開始される構成であるとして説明した。また、ユーザがカーソルCの移動軌跡に応じて線図の描画を行うことを望んでいる場合においても、常に、その際の現在のカーソルの位置から描画が開始される構成であるとして説明した。
しかし、本発明の実施の形態3に係る描画システム1においては、ペン型入力器200の移動軌跡に応じてカーソルCを移動させるための操作、及び、カーソルCの移動軌跡に応じて線図の描画を行うための操作が、実施の形態1と相違する。
図10は本発明の実施の形態3に係る描画システム1において行なわれる描画の処理を説明するフローチャートである。図11は本発明の実施の形態3に係る描画システム1において行なわれるカーソルの制御を説明する説明図であり、図12は本発明の実施の形態3に係る描画システム1において行なわれる描画の処理を説明する説明図である。
ユーザが、例えば、電子ホワイトボード100の表示画面101上の近い位置にペン型入力器200の先端をタッチした場合、タッチパネル部100Bの走査部9の走査結果に基づいて、座標検出部12が斯かるタッチ位置の座標を検出する(ステップS301)。この際、CPU11は斯かるタッチの操作がペン型入力器200の操作であるか否かを判定する。
当該タッチの操作がペン型入力器200の操作であり、ペン型入力器200のタッチ位置の座標が検出された場合、判定部17はペン型入力器200から前記描画通知を受信したか否かを判定する(ステップS302)。
判定部17は、ペン型入力器200から前記描画通知を受信していないと判定した場合(ステップS302:NO)、ペン型入力器200から前記描画通知を受信するまで斯かる判定を続ける。
また、判定部17は、ペン型入力器200から前記描画通知を受信したと判定した場合(ステップS302:YES)、表示制御部15は、表示画面101上でのペン型入力器200の位置を除く他の位置にカーソルCを表示する(図11(A)及び図12(A)参照)。以下、説明の便宜上、斯かるカーソルCの表示位置を最初のカーソル位置という。
次いで、判定部17は、ユーザによって、ペン型入力器200の第1ボタン201が操作されたか否かを判定する(ステップS303)。斯かる判定は、判定部17が第1通知の受信を表すフラグが記憶部6に記録されているか否かを確認することにより行なわれる。
ここで、例えば、ペン型入力器200の移動軌跡に応じてカーソルCを移動させることのみを望んでいる場合、又は、カーソルCの移動軌跡に応じて線図の描画を行うことを望んでいる場合、ユーザは第2ボタン202を押したまま、ペン型入力器200の先を表示画面101にタッチする。
例えば、上述したように、前記第1通知が受信され、その旨のフラグが記憶部6に記録されている場合、判定部17は、ユーザによるペン型入力器200の第1ボタン201の操作があったと判定し(ステップS303:YES)、CPU11は、前記第1通知がペン型入力器200から受信された旨、及びステップS301に係る最初のタッチ位置を記憶部6に記録する(ステップS304)。
次いで、CPU11は、座標検出部12の座標検出の結果に基づき、ペン型入力器200が移動しているか否かを判定する(ステップS305)。CPU11は、ペン型入力器200が移動していないと判定した場合(ステップS305:NO)、ペン型入力器200が移動するまで、斯かる判定を繰り返す。
一方、CPU11により、ペン型入力器200が移動していると判定された場合(ステップS305:YES)、ペン型入力器200の移動に応じて記憶部6に記憶されている、ペン型入力器200の移動に係る座標履歴と、ステップS304にて記憶部6に記憶されたペン型入力器200の最初のタッチ位置とに基づいて、移動制御部16が、表示画面101に表示されているカーソルCを移動させる(ステップS306)。
すなわち、図11(B)にて示しているように、ユーザが第1ボタン201を押したまま、ペン型入力器200を最初のタッチ位置から図面視左上方向に所定距離移動させる操作を行なった場合、移動制御部16は、ペン型入力器200の移動に沿って、カーソルCを最初の位置から左上方向に所定距離移動させる。
一方、このようなペン型入力器200の移動操作の後、ユーザがペン型入力器200を表示画面101から一旦離した後、再びカーソルCを移動させるために、ペン型入力器200をタッチして移動させる場合が想定できる。
このような場合は、再び、ユーザがペン型入力器200の第1ボタン201を押しながら、ステップS301に係る最初のタッチ位置から図面視上方向に所定距離隔てた位置(以下、2回目タッチ位置という)に、ペン型入力器200の先端をタッチする操作を行ない、以後、上述したような、ステップS301からステップS304までの処理が行われる。
この際、表示制御部15は、ペン型入力器200の最初のタッチ位置、及び、前記2回目タッチ位置の間の関係と同様となるように、カーソルCの前記最初のカーソル位置に基づいて、カーソルCを表示する(図11(C)参照)。以下、説明の便宜上、このようにして表示されるカーソルCの位置を、2回目カーソル位置という。
続いて、例えば、図11(D)にて示しているように、ユーザが第1ボタン201を押したまま、2回目タッチ位置からペン型入力器200を図面視右方向に所定距離移動させる操作を行なう。この際、移動制御部16は、ペン型入力器200の移動に沿って、カーソルCを前記2回目カーソル位置から右方向に所定距離移動させる。
換言すれば、移動制御部16は、ペン型入力器200の最初のタッチ位置に基づいて、すなわち、カーソルCの前記最初のカーソル位置に基づいて、カーソルCを移動させる。ユーザは以上のような操作を行なうことよって、カーソルCを希望の位置まで移動させることができる。
この際において、CPU11は、前記計時部の計時結果に基づいて、例えば、カーソルCの移動開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS307)。CPU11は、所定時間が経過していないと判定した場合(ステップS307:NO)、所定時間が経過するまで、斯かる判定を繰り返す。
一方、CPU11によって所定時間が経過したと判定された場合(ステップS307:YES)、判定部17は、ペン型入力器200から前記描画通知及び第1通知を受信中であるか否かを判定する(ステップS308)。
判定部17によって、ペン型入力器200から前記描画通知及び第1通知を受信中であると判定された場合(ステップS308:YES)、処理はステップS306に戻り、移動制御部16はペン型入力器200の移動に応じてカーソルCを移動させ続ける。
また、判定部17によって、前記描画通知及び第1通知の何れか一方でも受信していないと判定された場合(ステップS308:NO)、処理はステップS302に戻る。
一方、前記第1通知が受信された旨のフラグが記憶部6に記録されていない場合、判定部17は、ユーザによるペン型入力器200の第1ボタン201の操作がなかったと判定し(ステップS303:NO)、続いて、ユーザによって、ペン型入力器200の第2ボタン202が操作されたか否かを判定する(ステップS309)。
例えば、上述したように、前記第2通知が受信され、その旨のフラグが記憶部6に記録されている場合、判定部17は、ユーザによるペン型入力器200の第2ボタン202の操作があったと判定する(ステップS309:YES)。この際、CPU11は、前記第2通知がペン型入力器200から受信された旨、及びステップS301に係る最初のタッチ位置を記憶部6に記録する(ステップS310)。
次いで、CPU11は、座標検出部12の座標検出の結果に基づき、ペン型入力器200が移動しているか否かを判定する(ステップS311)。CPU11は、ペン型入力器200が移動していないと判定した場合(ステップS311:NO)、ペン型入力器200が移動するまで、斯かる判定を繰り返す。
一方、CPU11により、ペン型入力器200が移動していると判定された場合(ステップS311:YES)、ペン型入力器200の移動に応じて記憶部6に記憶されている、ペン型入力器200の移動に係る座標履歴と、ステップS310にて記憶部6に記憶されたペン型入力器200の最初のタッチ位置とに基づいて、移動制御部16が、表示画面101に表示されているカーソルCを移動させ、また、カーソルCの斯かる移動軌跡に沿って、描画部14が表示画面101に線画の描画を行なう(ステップS312)。
すなわち、図12(B)にて示しているように、ユーザが第1ボタン201を押したまま、ペン型入力器200を最初のタッチ位置から図面視右方向に所定距離移動させる操作を行なった場合、移動制御部16は、ペン型入力器200の移動に沿って、カーソルCを最初の位置から右方向に所定距離移動させ、また、この際、描画部14がカーソルCの移動軌跡に沿って、表示画面101に、線画の描画を行ない、その結果、水平直線が表示される。
一方、このようなペン型入力器200の描画操作の後、ユーザがペン型入力器200を表示画面101から一旦離した後、再び描画を行なうために、ペン型入力器200をタッチして移動させる場合が想定できる。
このような場合は、再び、ユーザがペン型入力器200の第2ボタン202を押しながら、ステップS301に係る最初のタッチ位置から図面視右上方向に所定距離隔てた位置(以下、2回目タッチ位置という)に、ペン型入力器200の先端をタッチする操作を行ない、以後、上述したような、ステップS301からステップS310までの処理が行われる。
この際、表示制御部15は、ペン型入力器200の最初のタッチ位置、及び、前記2回目タッチ位置の間の関係と同様となるように、カーソルCの前記最初のカーソル位置に基
づいて、カーソルCを表示する(図12(C)参照)。以下、説明の便宜上、このようにして表示されるカーソルCの位置を、2回目カーソル位置という。
続いて、例えば、図12(D)にて示しているように、ユーザが第2ボタン202を押したまま、2回目タッチ位置からペン型入力器200を図面視下方向に所定距離移動させる操作を行なう。この際、移動制御部16は、ペン型入力器200の移動に沿って、カーソルCを前記2回目カーソル位置から下方向に所定距離移動させる。また、描画部14は、この際のカーソルCの移動軌跡に沿って、表示画面101に、線画の描画を行なう。
換言すれば、移動制御部16は、ペン型入力器200の最初のタッチ位置に基づいて、すなわち、カーソルCの前記最初のカーソル位置に基づいて、ユーザが上述したような操作を行なうことより、カーソルCを希望の位置まで移動させ、かつ、希望する文字、図形を表示画面101に描くことができる。
この際において、CPU11は、前記計時部の計時結果に基づいて、例えば、カーソルCの移動開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS313)。CPU11は、所定時間が経過していないと判定した場合(ステップS313:NO)、所定時間が経過するまで、斯かる判定を繰り返す。
一方、CPU11によって所定時間が経過したと判定された場合(ステップS313:YES)、判定部17は、ペン型入力器200から前記描画通知及び第2通知を受信中であるか否かを判定する(ステップS314)。
判定部17によって、ペン型入力器200から前記描画通知及び第2通知を受信中であると判定された場合(ステップS314:YES)、処理はステップS312に戻り、移動制御部16はペン型入力器200の移動に応じてカーソルCを移動させ続け、描画部14はカーソルCの移動軌跡に沿って線画の描画を続ける。
また、判定部17によって、前記描画通知及び第2通知の何れか一方でも受信していないと判定された場合(ステップS314:NO)、処理はステップS302に戻る。
一方、前記第2通知が受信された旨のフラグが記憶部6に記録されていない場合、判定部17は、ユーザによるペン型入力器200の第2ボタン202の操作がなかったと判定する(ステップS309:NO)。
このような場合、CPU11は、斯かるペン型入力器200のタッチ操作を、通常のタッチ操作として扱う(ステップS315)。すなわち、図11(E)及び図12(E)に示したように、座標検出部12によって検出されたペン型入力器200の座標に、表示制御部15がカーソルCを表示する。
以後、ユーザによってペン型入力器200が移動された場合、描画部14は座標検出部12により検出されたペン型入力器200の座標(座標履歴)に基づいて、画像を表示画面101に描画を行う(ステップS316)。
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
なお、以上の記載においては、ユーザが第2ボタン202を操作して描画を行なう際、ペン型入力器200の移動に応じてカーソルCが移動し、カーソルCの移動に沿って描画が行なわれるものの、ペン型入力器200の移動軌跡は残らない場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものでない。
例えば、ユーザが第2ボタン202を操作して描画を行なう際、ペン型入力器200の移動軌跡も可視的に確認できるように構成しても良い。これによって、ユーザは斯かる描画の際、カーソルCに係る描画と、ペン型入力器200による描画を対比・確認しながら、描画操作を行なうことができる。
また、これに限るものでなく、ペン型入力器200の移動軌跡を可視的に表示する箇所をユーザが設定できるように構成しても良い。
上述した実施形態においては、描画が行われる表示画面101を有する描画装置100と、該表示画面101への描画の指示を行なう描画器200とを含み、前記描画器200及び描画装置100が相互通信できる描画システムにおいて、前記描画装置100は、前記表示画面101上の前記描画器200の位置を除く他の位置にカーソルを表示するカーソル表示手段15と、前記描画器200の移動軌跡に応じて前記カーソルを移動させる移動制御手段16とを備えることを特徴とする。
上述した実施形態によれば、例えば、プレゼンテーション等を行なう場合、前記描画装置のカーソル表示手段は、前記表示画面上の前記描画器の位置を除く他の位置にカーソルを表示し、前記描画装置の移動制御手段が前記描画器の移動軌跡に応じて前記カーソルを移動させる。
上述した実施形態においては、前記描画装置100は、前記カーソルの移動軌跡に応じて線図の描画を行う描画手段14を備えることを特徴とする。
上述した実施形態によれば、例えば、プレゼンテーション等を行なう場合、前記描画装置のカーソル表示手段は前記表示画面上の前記描画器の位置を除く他の位置にカーソルを表示し、前記描画装置の移動制御手段が前記描画器の移動軌跡に応じて前記カーソルを移動させる。また、前記描画装置の描画手段は前記カーソルの移動軌跡に応じて線図の描画を行う。
上述した実施形態においては、前記移動制御手段16は、前記カーソルの移動が複数回行なわれる場合、現在のカーソルの位置に基づいて、該カーソルを移動させるように構成されていることを特徴とする。
上述した実施形態によれば、前記カーソルの移動が、例えば、複数回繰り返して行なわれる場合、当該カーソルの移動は、その際に表示画面に表示されているカーソルの現在位置に基づいて行なわれる。
上述した実施形態においては、前記移動制御手段16は、前記カーソルの移動が複数回行なわれる場合、最初のカーソルの位置に基づいて、該カーソルを移動させるように構成されていることを特徴とする。
上述した実施形態によれば、前記カーソルの移動が、例えば、複数回繰り返して行なわれる場合、当該カーソルの移動は、最初のカーソルの表示位置を基準に、描画器の移動に基づいて行なわれる。
上述した実施形態においては、前記描画器200は、前記描画器200の移動軌跡に応じて前記カーソルを移動させる指示を受け付ける第1指示受付手段203を備え、該第1指示受付手段203が前記指示を受け付けた場合、前記移動制御手段16が前記カーソルの移動を行なうことを特徴とする。
上述した実施形態によれば、前記第1指示受付手段が前記描画器の移動軌跡に応じて前記カーソルを移動させる指示を受け付けた場合、前記移動制御手段が前記カーソルの移動を行なう。
上述した実施形態においては、前記描画器200は、前記カーソルの移動軌跡に応じて線図の描画を行う指示を受け付ける第2指示受付手段204を備え、該第2指示受付手段204が前記指示を受け付けた場合、前記移動制御手段16が前記カーソルの移動を行ない、前記描画手段14が前記描画を行うように構成されていることを特徴とする。
上述した実施形態によれば、前記第2指示受付手段が前記カーソルの移動軌跡に応じて線図の描画を行う指示を受け付けた場合、前記移動制御手段が前記カーソルの移動を行ない、前記描画手段が当該カーソルの移動軌跡に応じて線図の描画を行う。