JP3978795B2 - ペン入力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手書き入力機能を有するコンピュータシステム等におけるペン入力装置に関し、特に、入力ペンの絶対座標を検出し、該絶対座標に基づき入力ペンによる指示位置を入力するペン入力装置において、相対座標入力を円滑に行うための絶対/相対座標入力方式の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、手書き入力機能を有するコンピュータシステム等における入力装置としては、
1)赤外線方式によるもの
2)感圧方式によるもの
3)静電容量方式によるもの
4)電磁方式によるもの
5)超音波方式によるもの
等が知られている。
【0003】
ここで、1)の赤外線方式によるものとしては、赤外線を発光するライトペンによるスポット位置を半導体位置検出素子を用いて検出するもの、入力面に複数の赤外線発光素子および受光素子を配設して、赤外線発光素子から発光された赤外線が指、入力ペン等により遮られた位置を受光素子の出力から判別することにより指示位置を検出するもの等が知られている。
【0004】
また、2)の感圧方式によるものとしては、複数のX軸電極が配設された電極シートと複数のY軸電極が配設された支持体とをドットスペーサを介在させて重ね合わせた感圧パネルを用いたもの、平行する2枚のプレートを3次元スプリングを介して重ね合わせ、指、入力ペン等により触れた位置の電流の変化を検出することにより指示位置を検出するもの等が知られている。
【0005】
また、3)の静電容量方式によるものとしては、2枚のガラス上に蒸着形成された導電性の膜をそれぞれX軸、Y軸電極パターンとしてこの2枚のガラスを電極パターン形成面を向かい合わせて張り合わせた静電容量結合方式パネルを用いたもの等が知られている。
【0006】
更に、4)の電磁方式によるものとしては、入力面に複数のセンサアンテナコイルを配設するとともに、入力ペンにはコイルとコンデンサからなる共振回路を内蔵させ、まず上記複数のセンサアンテナコイルに交流電流を流すことにより電磁誘導を利用して上記入力ペンの共振回路に電流を流し、次に上記複数のセンサアンテナコイルに流した交流電流をを切り、この状態で上記上記入力ペンの共振回路に流れる電流により発生する磁界を上記複数のセンサアンテナコイルで検出することにより入力ペンの指示位置を検出するもの等が知られている。
【0007】
また、5)の超音波方式によるものとしては、スタイラスペンに超音波送信手段を実装すると共に、スタイラスペンの入力領域内の所定の箇所に超音波受信手段を配置し、スタイラスペンに実装された超音波送信手段から超音波を送出した時間と、超音波受信手段により超音波を受信した時間とからこれら超音波送信手段と超音波受信手段との間の距離を計測すると共に、この計測距離を用いてスタイラスペンの2次元若しくは3次元の位置座標を算出し、この算出された位置座標に基づき所定の入力領域におけるスタイラスペンによる指示位置を入力するような超音波位置検出機構が知られている。
【0008】
ところで、上述した赤外線/感圧/静電容量/電磁/超音波の各方式によるペン入力装置においては、入力ペンの指示位置を表示するための表示画面として、例えば、フロントプロジェクタディスプレイ等の極めて大型のディスプレイを用いるものも少なくない。こうした大型のディスプレイを用いるペン入力装置において、入力ペンの絶対座標を検出して当該入力ペンの指示位置を入力する方法を適用した場合、操作者は描画等を行おうとする位置まで入力ペンをいちいち移動させる必要があり、例えば、上記ディスプレイ装置に特定の情報を表示しながらその内容について説明するプレゼンテーション等において、入力ペンの操作性が著しく低下することになった。
【0009】
こうした不都合を解消するための方法の1つとして、例えば相対座標と絶対座標の切り替えを行うという方法が考えられる。そこで、この種の座標切り替え機能を備えた従来のペン入力装置の代表的なものとしては、以下のようなものが知られていた。
【0010】
・実開昭62-5346号
ホスト及び入力装置に相対/絶対座標入力切替え機構を設け、マウスのような相対座標系データを送出する入力装置に絶対座標系データを送出できるようにしたもの。
【0011】
・特開昭62-32575号,特開昭63-145520号,特開平4-299724号
入力領域に応じて相対/絶対座標入力切替え機構を設けたもの。
【0012】
・特開昭62-224820号
スタイラスペンの移動量により、相対/絶対座標入力を切替える機構を設けたもの。
【0013】
・特開昭64-44526号
電磁方式において、相対/絶対座標入力切替えモードを設け、それに従い読み取り高さを変更する機構を付加したもの。
【0014】
・特開平2-253442号
絶対座標入力装置において、ホストへのデータ送出は相対データにより行うもの。
【0015】
・特開平5-298014号
スタイラスペンの相対/絶対座標入力切替え機構と、ホストへの送出データにその切替えボタンの状態を知らせるフラグを設けたもの。
【0016】
・特開平5-197478号
アプリケーションの要求によりホストへ入力する相対/絶対座標データを切替えるようにしたもの。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来装置のうち、
実開昭62-5346号のものは、単にホストに相対/絶対座標データを送出可能としたものに過ぎない。相対/絶対座標入力の切替え操作を強く意識しなければならず、自然な操作性が欠如している。
【0018】
同様に、特開昭62-32575号,特開昭63-145520号,特開平4-299724号,特開昭62-224820号のものも、自然な操作性が欠如しており、相対/絶対座標入力の切替え操作を強く意識しなければならない。
【0019】
また、特開昭64-44526号のものは、多少の操作性の向上が見られるものの、相対/絶対座標入力の切替え操作を強く意識しなければならない点では前者のものと変わらず、十分な操作性とは言えない。
【0020】
また、特開平2-253442号のものは、単にホストに相対座標データを送出可能としたものに過ぎず、操作性に関して何ら考えられていない。
【0021】
また、特開平5-298014号のものは、相対座標を扱える絶対座標入力装置の一例を挙げたに過ぎない。ここでは、マウスとデジタイザの一体化を開示しているのみで、操作性に関して何ら考えられていない。
【0022】
・特開平5-197478号のものは、単にホストに相対座標データを送出可能としたに過ぎない。任意のアプリケーションS/Wに対して適応不可であり、操作性に関しても何ら考えられていない。
【0023】
このように、上記従来装置では、絶対座標入力から相対座標入力へ切り替える視点、つまり絶対/相対操作の切替え手段やホストに送出するデータ形式(絶対/相対データ)をどう構築するかについてしか考えられおらず、相対的な座標入力操作で自然な操作性を実現する事については何も考えられていなかった。このため、操作者に対して相対/絶対座標入力切替え操作及び相対的な座標入力操作を強く意識させる結果となり、上述したプレゼンテーション等の運用時に入力ペンの操作性の低下を免れないという問題点があった。
【0024】
そこで、本発明は、操作者に対して相対/絶対座標入力切替え操作及び相対的な座標入力操作を強く意識させずに済み、相対的な座標入力操作に関して操作者に自然な操作性を与え得るペン入力装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、所定の入力領域における入力ペンによる指示位置の入力処理を行うペン入力装置において、前記入力ペンから所定間隔毎に送出される信号送出フレームの所定のタイミングフレームにより受信した信号に基づき該入力ペンの前記入力領域の座標軸における2次元または3次元の絶対座標値を算出する絶対座標算出手段と、前記入力ペンから前記信号送出フレームの該入力ペンに設けられる第1のボタンに対応するタイミングフレームにより受信した信号に基づき該第1のボタンの操作状況を認識する第1の認識手段と、前記第1の認識手段により前記第1のボタンの操作が認識される毎に、該第1のボタンに対応して予め設定されているオフセット座標値を累積加算して相対座標値を算出する相対座標算出手段と、前記絶対座標算出手段により前記絶対座標値が算出される毎に、該算出された絶対座標値に、前記相対座標算出手段により算出された相対座標値を加算して位置座標値を算出する位置座標算出手段と、前記位置座標算出手段により算出された前記位置座標値に基づき前記入力領域における前記入力ペンの指示位置の入力処理を行う入力処理手段とを具備することを特徴とする。
【0026】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記絶対座標算出手段により順次算出された絶対座標値と、前記相対座標算出手段により順次算出された相対座標値を保持する座標値保持手段と、前記入力ペンから前記信号送出フレームの該入力ペンに設けられる第2のボタンに対応するタイミングフレームにより受信した信号に基づき該第2のボタンの操作状況を認識する第2の認識手段と、前記第2の認識手段により前記第2のボタンの操作が認識されている場合、前記絶対座標算出手段により算出される前記絶対座標値の前記座標値保持手段への格納を禁止する格納禁止手段とを更に具備し、前記位置座標算出手段は、前記座標値保持手段に保持されている前記絶対座標値と前記相対座標値とに基づき前記位置座標値を算出することを特徴とする。
【0027】
請求項3記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記絶対座標算出手段により順次算出された絶対座標値と、前記相対座標算出手段により順次算出された相対座標値を保持する座標値保持手段と、前記入力ペンから前記信号送出フレームの該入力ペンに設けられる第2のボタンに対応するタイミングフレームにより受信した信号に基づき該第2のボタンの操作状況を認識する第2の認識手段と、前記第2の認識手段により前記第2のボタンの操作が認識されている場合、前記絶対座標算出手段による前記絶対座標値の算出を禁止する算出禁止手段とを更に具備し、前記位置座標算出手段は、前記座標値保持手段に保持されている前記絶対座標値と前記相対座標値とに基づき前記位置座標値を算出することを特徴とする。
【0028】
請求項4記載の発明は、上記請求項2または3記載の発明において、前記入力ペンから前記信号送出フレームの該入力ペンに設けられた第3のボタンに対応するタイミングフレームにより受信した信号に基づき該第3のボタンの操作状況を認識する第3の認識手段と、前記第2の認識手段により前記第2のボタンの操作が認識されなくなった後、前記第3の認識手段により前記第3のボタンの操作が認識された場合、前記相対座標算出手段により算出されている前記オフセット座標値を初期値「0」に戻す初期化手段とを具備することを特徴とする。
【0029】
請求項5記載の発明は、所定の入力領域における入力ペンによる指示位置の入力処理を行うペン入力装置において、前記入力ペンから所定間隔毎に送出される信号送出フレームの所定のタイミングフレームにより受信した信号に基づき該入力ペンの前記入力領域の座標軸における2次元または3次元の絶対座標値を算出する絶対座標算出手段と、前記入力ペンから前記信号送出フレームの該入力ペンに設けられる第1乃至第3のボタンにそれぞれ対応するタイミングフレームにより受信した信号に基づき、当該第1乃至第3の各ボタンの操作状況を認識する認識手段と、前記認識手段により前記第1のボタンの操作が認識される毎に、該第1のボタンに対応して予め設定されたオフセット座標値を累積加算して相対座標値を算出する相対座標算出手段と、前記絶対座標算出手段により順次算出された絶対座標値と、前記相対座標算出手段により順次算出された相対座標値を保持する座標値保持手段と、前記絶対座標算出手段により前記絶対座標値が算出され、前記座標値保持手段に格納される毎に、該座標値保持手段により保持される絶対座標値に、該座標値保持手段に保持されている相対座標値を加算して位置座標値を算出する位置座標算出手段と、前記位置座標算出手段により算出された前記位置座標値に基づき前記入力領域における前記入力ペンの指示位置の入力処理を行う入力処理手段とを具備することを特徴とする。
【0030】
請求項6記載の発明は、上記請求項5記載の発明において、前記認識手段により前記第2のボタンの操作が認識されている場合、前記絶対座標算出手段により算出される前記絶対座標値の前記座標値保持手段への格納を禁止する格納禁止手段を更に具備することを特徴とする。
【0031】
請求項7記載の発明は、上記請求項5記載の発明において、前記認識手段により前記第2のボタンの操作が認識されている場合、前記絶対座標算出手段による前記絶対座標値の算出を禁止する算出禁止手段更に具備することを特徴とする。
【0032】
請求項8記載の発明は、上記請求項6または7記載の発明において、前記認識手段により前記第2のボタンの操作が認識されなくなった後、前記第3のボタンの操作が認識された場合、前記相対座標算出手段により算出されている前記オフセット座標値を初期値「0」に戻す初期化手段を具備することを特徴とする。
【0033】
請求項9記載の発明は、上記請求項5または8記載の発明において、前記入力ペンの前記第2のボタンを操作したまま該入力ペンを移動させ、該移動を終了した時点で前記第2のボタンを操作解除する操作に対応し、前記認識手段により前記入力ペンにおける第2のボタンの操作が認識されてから該第2のボタンの操作が認識されなくなるまでの間の前記入力ペンの移動速度を算出する移動速度算出手段を具備し、前記位置座標算出手段は、前記認識手段により前記入力ペンの第2のボタンの操作解除が認識された場合、前記認識手段により該入力ペンの第2のボタンの操作が認識された時点の該入力ペンの絶対座標値から、前記移動速度算出手段により算出された前記移動速度で該移動速度に対応する時間移動した場合の位置座標値を算出することを特徴とする。
【0034】
請求項10記載の発明は、所定の入力領域における入力ペンによる指示位置の入力処理を行うペン入力装置において、前記入力ペンから所定間隔毎に送出される信号送出フレームの所定のタイミングフレームにより受信した信号に基づき該入力ペンの前記入力領域の座標軸における2次元または3次元の絶対座標値を算出する絶対座標算出手段と、前記入力ペンから前記信号送出フレームの該入力ペンに設けられる特定のボタンに対応するタイミングフレームにより受信した信号に基づき、当該特定のボタンの操作状況を認識する認識手段と、前記認識手段により前記特定のボタンの操作が認識されてから該特定のボタンの操作が認識されなくなるまでの間の前記入力ペンの移動速度を算出する移動速度算出手段と、前記認識手段により前記入力ペンの特定のボタンの操作解除が認識された場合、前記認識手段により該入力ペンの特定のボタンの操作が認識された時点の該入力ペンの絶対座標値から、前記移動速度算出手段により算出された前記移動速度で該移動速度に対応する時間移動した場合の位置座標値を算出する位置座標算出手段と、前記位置座標算出手段により算出された前記位置座標値に基づき前記入力領域における前記入力ペンの指示位置の入力処理を行う入力処理手段とを具備することを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明に係わるペン入力装置は、入力ペンに設けられた超音波送信手段から送出される超音波の送信タイミングとこの超音波送信手段から送出される超音波を受信する超音波受信手段における受信タイミングとの同期をとるように構成したうえで、超音波送信手段から超音波を送信したタイミングと超音波受信手段で上記超音波を受信したタイミングとの時間差から当該音波送信手段と超音波受信手段との間の距離を算出し、更にこの超音波送信手段/受信手段間の距離を用いて上記入力ペンの位置座標を演算して例えばパソコンのディスプレイ等の所定の入力領域における上記入力ペンによる指示位置を例えばカーソル等を用いて入力する超音波位置検出機構を前提とするものである。
【0037】
特に、本発明では、上記超音波位置検出機構において、入力ペンの特定操作を認識する手段を有し、この認識手段により例えば特定操作1が認識された場合、この時に入力ペンから送信された超音波の受信信号に基づき算出される絶対座標位置に対して上記特定操作1に対応する演算処理を施すことにより、上記入力ペンの指示位置を絶対座標入力から相対座標入力に切り替える相対座標入力機能を付加している。
【0038】
この相対座標入力機能によれば、例えば、ペン入力装置の入力面への情報表示によるプレゼンテーションにおいて、操作者が自ら移動することなく、手元で入力ペンの特定操作1を行うだけで上記入力面上の所望位置を指し示すことができ、入力面として極めて大型のディスプレイ装置を用いる場合等におけるプレゼンテーションの円滑化に極めて有用なものとなる。
【0039】
また、本発明においては、上記認識手段により特定操作2が認識された場合、この時に入力ペンから送信された超音波の受信信号に基づき算出される絶対座標位置に対して、それ以後、上記位置算出を行わないか若しくは算出位置を格納することを取り止めることにより、入力ペンにて上記特定操作2が行われた位置を指示位置として固定する機能を付加している。
【0040】
この機能によれば、手元の入力ペンにおいて、上記特定操作2を行うことにより、それ以後、当該入力ペンの指示位置を入力面上で固定でき、例えば、上述したプレゼンテーションにおいて、目的とするオブジェクトを固定的に指し示すといった運用に極めて有用である。
【0041】
また、本発明においては、上記認識手段により特定操作3が認識された場合、上記特定操作1に対応する演算により算出若しくは格納されている座標値を「0」にクリアする機能を付加している。
【0042】
この機能によれば、上記特定操作1に伴い、相対座標位置と実際のスタイラスペンの位置とが不一致となっている状態において、上記特定操作3を行うことにより、相対座標位置と実際のスタイラスペンの位置とを素早く一致させることができ、上記特定操作1に依らない通常の絶対座標入力機能の運用を妨げることのない相対座標入力機能を実現できる。
【0043】
更に、本発明においては、特定操作4として、入力ペンの移動状態そのものを認識する手段を設け、該認識手段により上記特定操作4が認識された場合には、当該入力ペンの移動条件に対応した演算処理を施すことにより、入力ペンの移動に対応した相対座標入力を実現する機能を付加している。
【0044】
この機能によれば、上記特定操作1を行う代わりに、入力ペン本体を動かすことによって上記特定操作1と同様の相対座標入力を行うことができ、上述したプレゼンテーションにおいて、入力面として用いられる大型のディスプレイ装置上で当該入力ペンの指示位置を更に効率的に移動させることが可能となる。
【0045】
以下、本発明に係わるペン入力装置の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係わるペン入力装置を適用して構成した情報処理装置の一実施の形態の概略構成をブロック図で示したものである。この情報処理装置は、入力ペン(以下、これをスタイラスペンという)1を用いて表示部50の表示画面上で指示された指示位置に対応する画像を表示部50の表示画面上に表示するものである。
【0046】
この実施の形態において、スタイラスペン1には後に詳述するようにその先端から超音波を出力する超音波送信手段が設けられており、この超音波送信手段から送出される超音波に基づき表示部50の表示画面上における指示位置を検出してこの指示位置に対応する画像を表示部50の表示画面上に表示する。
【0047】
すなわち、本実施の形態に係わる情報処理装置はスタイラスペン1から発生された超音波を受信する2個の超音波受信素子31a、31b、この2個の超音波受信素子31a、31bの受信出力を処理する超音波受信部30、この超音波受信部30の処理結果に基づきスタイラスペン1による指示位置を演算してこの指示位置に対応する画像の表示部50における表示制御を行う演算処理部40を具備して構成される。
【0048】
この実施の形態に係わる情報処理装置の全体構成は図2に示す如くである。操作者は、ペンホルダ34で同期化されたスタイラスペン(超音波送出器)1を用いて入力領域(表示部50として用いられるDisplay装置の表示領域)にて、操作を行う。この時、超音波受信部30において、スタイラスペン1から送出された超音波の送/受信タイミングからスタイラスペン1と超音波センサ(超音波受信素子)31a,31b,…までの距離が算出され、演算処理部40としてのComputerへ入力される。Computerは、超音波受信部30から受け取った距離値からDisplay装置の表示領域におけるスタイラスペン1の2次元または3次元位置を算出し、そのデータを基にアプリケーション上の処理を行う。
【0049】
図3は、本実施の形態に係わる情報処理装置の外観構造の具体例を示したものであり、表示部50としてのCRTディスプレイの表示画面に対して所定の位置関係で2個の超音波受信素子31a、31bが配設されており、また図1及び図2にて開示した超音波受信部30および演算処理部40はこの情報処理装置本体100内に内蔵されている。
【0050】
また、表示部50の表示画面の近傍には、スタイラスペン1の不使用時にこのスタイラスペン1を収容するためのペンホルダ34が設けられている。ここで、スタイラスペン1はコードレスのスタイラスペンとして構成され、このスタイラスペン1の駆動電源はこのスタイラスペン1に内蔵された二次電池が用いられており、上記ペンホルダ34はこの二次電池を充電するためのアダプタとしての機能も有している。
【0051】
まず、この実施の形態における2個の超音波受信素子31a、31bの受信出力に基づき表示部50の表示画面上に対するスタイラスペン1による指示位置の検出原理を説明する。
【0052】
図4は、表示部50の表示画面に対して所定の位置関係で配設された2個の超音波受信素子31a、31bとスタイラスペン1による指示位置の関係を示したものである。今、この2個の超音波受信素子31a、31bに固定された2次元座標系X−Yを考え、この表示部50の表示画面の横方向の長さをWとする。
【0053】
ここで、超音波受信素子31aは、この2次元座標系X−Yの原点(0、0)に配設されており、超音波受信素子31bは、この2次元座標系X−YのY軸上の点(0、W)に配設されているとする。
【0054】
また、スタイラスペン1による指示位置が、この2次元座標系X−Y上の点(x、y)であるとするとし、超音波受信素子31aから点(x、y)までの距離をa、超音波受信素子31bから点(x、y)までの距離をbとすると、
2=x2+y2 …(1)
2=(W−x)2+y2 …(2)
の関係が成立する。この式(1)〜(2)からx、yについて解くと
x=(a2−b2+W)/2W …(3)
y=±SQRT[a2−{(a2−b2+W2)/2W}2]…(4)
ただし、SQRT(A)はAの平方根を示す。
【0055】
となる。ここで、Wは既知の値であるので、超音波受信素子31aから点(x、y)までの距離a、超音波受信素子31bから点(x、y)までの距離bが分かれば、2個の超音波受信素子31a、31bに固定された2次元座標系X−Y上におけるスタイラスペン1による指示位置(x、y)を求めることができる。
【0056】
この実施の形態においては、超音波受信素子31aからスタイラスペン1による指示位置(x、y)までの距離a、超音波受信素子31bからスタイラスペン1による指示位置(x、y)までの距離bを、スタイラスペン1の先端から出力される超音波を用いて検出する。
【0057】
具体的には、この距離a、距離bの検出は、スタイラスペン1の先端から出力される超音波が超音波受信素子31a、31bで検出されるまでの時間Ta、Tbを検出することにより行われる。
【0058】
すなわち、スタイラスペン1の先端から出力される超音波の空間伝達速度をCとすると、上記時間Ta、Tbを検出することにより上記距離a、距離bは
a=C×Ta …(5)
b=C×Tb …(6)
により求めることができる。
【0059】
このスタイラスペン1の先端から出力される超音波が超音波受信素子31a、31bで検出されるまでの時間Ta、Tbを検出する処理は、図1に示す超音波受信部30における受信処理部32で行われる。
【0060】
図5は、図1に示す超音波受信部30における受信処理部32の具体的構成を示したものである。この実施の形態では、スタイラスペン1の不使用時にこのスタイラスペン1を収納するペンホルダ34が設けられており、このペンホルダ34には、後に詳述するように、スタイラスペン1の超音波発信手段から出力される超音波の出力タイミングと受信処理部32における受信処理との同期をとる同期回路35が設けられている。
【0061】
この同期回路35は、受信処理部32に設けられた基本クロック生成回路324から出力される基本クロックを計数し、その計数値が一定の値になる毎にスタイラスペン1の超音波発信手段から出力される超音波の出力タイミングを制御する同期信号を出力するように構成されている。
【0062】
また、スタイラスペン1には、上記基本クロック生成回路324と同一の周波数の基本クロックを生成する基本クロック生成回路(後に説明するオシレータ13)が設けられており、この基本クロック生成回路は、スタイラスペン1がペンホルダ34に収納された時に、上記同期回路35から出力される同期信号を入力して、上記受信処理部32に設けられた基本クロック生成回路324との同期を確立し、スタイラスペン1をペンホルダ34から取り出した後は、上記同期回路35と同様にこの受信処理部32に設けられた基本クロック生成回路324と同期して動作する基本クロック生成回路から出力される図6(a)に示すような基本クロックを計数し、図6(b)に示すようにその計数値が一定の値になる毎にスタイラスペン1の超音波発信手段から出力される超音波の出力タイミングを制御するように構成されている。
【0063】
すなわち、スタイラスペン1をペンホルダ34に収納すると、スタイラスペン1の超音波発信手段から出力される超音波の出力タイミングと受信処理部32における受信処理との同期がとられ、スタイラスペン1の超音波発信手段から出力される超音波の出力タイミングは同期回路35から受信処理部32に加えられる同期信号のタイミングと一致することになる。
【0064】
同期回路35から受信処理部32に加えられる同期信号は、受信処理部32のカウンタ321、322のリセット端子に加えられ、カウンタ321、322はこの同期信号に同期してクリアされる。
【0065】
また、カウンタ321、322の計数入力端子には基本クロック生成回路324から出力される基本クロックが入力され、またこのカウンタ321、322の計数停止を制御する制御入力端子には、スタイラスペン1の先端から出力される超音波を受信した時に超音波受信素子31a、31bからそれぞれ出力される受信クロックが入力されている。
【0066】
すなわち、カウンタ321、322は、スタイラスペン1の先端から超音波が出力されるタイミングで同時にリセットされ、それぞれ超音波受信素子31a、31bから受信クロックが入力されるまで基本クロック生成回路324から出力される基本クロックを計数し、その結果、カウンタ321、322の計数値は、スタイラスペン1の先端から出力される超音波が超音波受信素子31a、31bで検出するまでの時間Ta、Tbに対応するものになる。
【0067】
図7は、このカウンタ321、322による時間Ta、Tbの検出動作をタイミングチャートで示したものである。すなわち、スタイラスペン1の図示しない基本クロック生成回路は図7(a)に示す基本クロックを生成し、図7(b)に示す同期信号の立上がりに同期してスタイラスペン1の先端から超音波を出力するための図7(c)に示す送信クロックを発生し、この送信クロックに同期してスタイラスペン1の超音波発信手段を駆動するための図7(d)に示す超音波駆動信号を発生する。この超音波駆動信号によりスタイラスペン1の超音波発信手段が駆動され、スタイラスペン1の先端からは送信クロックが生じている間だけ超音波が出力される。
【0068】
このスタイラスペン1の先端から出力された超音波は超音波受信素子31a、31bで受信され、超音波受信素子31a、31bからはこの超音波の受信に対応して図7(e)に示すような受信クロックが出力される。
【0069】
そこで、カウンタ321、322では、図7(b)に示す同期信号の立上がりタイミングから図7(e)に示す受信クロックの立上がりタイミングまでの時間T、すなわち時間Ta、Tbを図7(a)に示す基本クロックを計数することにより求めることができる。
【0070】
このカウンタ321、322で計数されたスタイラスペン1の先端から出力される超音波が超音波受信素子31a、31bで検出するまでの時間Ta、Tbは、受信時間保持回路325、326でそれぞれ保持され、図1に示した通信部33を介して演算処理部40に伝送される。
【0071】
演算処理部40は、通信部33を介して伝送される上記時間Ta、Tbを受取り、この時間Ta、Tbに基づきスタイラスペン1により表示部50の画面上で指示された指示位置を演算する。
【0072】
この演算においては、まず、前述した式(5)〜(6)に基づき、スタイラスペン1から超音波受信素子31a、31bまでの距離a、bを算出する。そして、この算出した距離a、bおよび前述した式(3)〜(4)に基づき、超音波受信素子31a、31bに固定された2次元座標系X−Y上におけるスタイラスペン1による指示位置(x、y)を算出する。そして、この算出したスタイラスペン1による指示位置(x、y)に基づき表示部50における表示制御を行う。
【0073】
次に、図1に示したスタイラスペン1、超音波受信部30及び演算処理部40の具体的詳細構成について説明する。
【0074】
この実施の形態に係わる装置で用いるスタイラスペン1の外観構造は例えば図8に示す如くの形態から成る。このスタイラスペン1は、内部に超音波送信手段を有するとともに、第1ボタン14a〜第7ボタン14gの7つのボタンを有している。ここで、第1ボタン14aは、例えばこのスタイラスペン1を用いて描画を行う際に操作されるものである。また、第2ボタン14b〜第7ボタン14gは以下に述べるような当該スタイラスペン1の特定操作との対応付けがなされており、それぞれ対応する特定操作を行う場合に押下される。
【0075】
図9は、このスタイラスペン1の内部回路構成を示したものである。同図からも分かるように、このスタイラスペン1は、該スタイラスペン1からの超音波の送信タイミングを制御する送信タイミング制御部11、オペアンプ16を有し送信タイミング制御部11から出力された超音波送出器駆動信号を増幅するアンプ部15、超音波送出器18を有しアンプ部15から出力される超音波送出器駆動信号により超音波を送出する送出部17を具備している。
【0076】
送信タイミング制御部11には、更に、図8に示した第1ボタン14a〜第7ボタン14gから成るボタン14の出力及び基本クロックを生成するオシレータ(基本クロック生成部)13からの基本クロックに応じてこのスタイラスペン1からの超音波送信タイミング制御の状態遷移を制御するシーケンサ12が設けられている。
【0077】
図10は、図1に示した超音波受信部30及び演算処理部40の具体的構成を示したものである。同図において、超音波受信部30は、受信処理部32、通信部33から構成される。
【0078】
ここで、超音波受信部30は図1に示した超音波受信素子31a、31bから構成される受信センサ部31からの超音波受信出力を入力処理する。受信処理部32は、アンプ部60、受信タイミング制御部70、ローカル演算部75から成り、アンプ部60にはオペアンプ61が設けられ、受信タイミング制御部70にはカウンタ、レジスタ71、シーケンサ72、オシレータ73が設けられている。
【0079】
ここで、カウンタ、レジスタ71は、図5に示したカウンタ321、322、及び受信時間保持回路325、326に対応し、オシレータ73は基本クロックを生成する図5に示した基本クロック生成回路324に対応する。
【0080】
また、シーケンサ72は、オシレータ73から出力される基本クロックに基づきこの受信タイミング制御部70の受信タイミング制御の遷移状態を制御するものである。このシーケンサ72は、図5に示したペンホルダ34の同期回路35からの同期信号(リセット信号)によりリセットされ、受信タイミング制御部70における受信タイミング制御の遷移状態を制御する。
【0081】
また、ローカル演算部75は、受信タイミング制御部70からの入力データに基づきスタイラスペン1の絶対位置座標を算出すると共に、後述するスタイラスペン1の特定操作1〜4がなされた場合は、上記絶対位置座標に対して当該特定操作1〜4に対応する演算処理を施すことにより、絶対位置座標から相対位置座標への変換処理を行う。
【0082】
また、通信部33は、SCC(シリアル通信制御部)331及びRS232Cインタフェースを駆動するための232Cドライバ332を有する。また、図10において、演算処理部40は、所定のアプリケーションが搭載され、スタイラスペン1の指示位置に対応した表示を制御するウインドウ処理部やマウスドライバ等を有し、RS232Cインタフェースを介して超音波受信部30の通信部33に接続されるパーソナルコンピュータから構成される。
【0083】
ところで、本実施の形態に係わる装置では、図8に示す如く、第1ボタン14a〜14gの7つのボタンを有するスタイラスペン1を用いることから、超音波受信側におけるこれら7つのボタンの押下状況の認識を実現するために、これら各ボタンに対応した超音波送出フレームを設ける必要がある。
【0084】
図11は、本実施の形態の装置におけるスタイラスペン1の超音波送信タイミングを示すタイミングチャートである。同図からも分かるように、このスタイラスペン1ではそれぞれ8回の超音波送信タイミング(◇数字1〜8で示す。以下、フレーム#1〜#8という)を1単位として交互に超音波を送出する。
【0085】
すなわち、図11に示すように、このスタイラスペン1は、8回の超音波送信タイミングを1ブロックとして超音波を送出する。ここで、各超音波送信タイミングにおける超音波送出期間はTsendであり、その超音波送出間隔はTwaitである。そしてこの8回の超音波送信タイミングの1回目の超音波送信タイミングにおいては、このスタイラスペン1の位置に対応して表示部50に表示されるカーソルを追従移動制御するために常時超音波を送出する。また、2回目の超音波送信タイミングにおいては、このスタイラスペン1で第1ボタン14aが押された時のみ超音波を送出する。また、3回目の超音波送信タイミングにおいては、このスタイラスペン1で第2ボタン14bが押された時のみ超音波を送出する。同様に、4回目〜回目の超音波送信タイミングにおいては、このスタイラスペン1で第3ボタン14c〜第7ボタン14gが押された時のみそれぞれ超音波を送出する。
【0086】
なお、各超音波送信タイミングで発生される超音波駆動信号(超音波駆動クロック)は、例えばFHzの信号であり、超音波駆動クロックは図9に示したアンプ部15を介して送出部17に加えられ、送出部17からは、このFHzの超音波が送出される。
【0087】
図11に示したスタイラスペン1側の超音波送信タイミングに対し、超音波受信部30の受信タイミング制御部70におけるシーケンサ72では、上記超音波送信タイミング(各フレーム#1〜#8)に同期して超音波受信素子31a,31bで受信した受信信号の処理を行い、ローカル演算部75では当該スタイラスペン1の位置を算出する。
【0088】
ここで、上記各フレーム#1〜#8は、前述の如くに同期化の図られた超音波送信側(スタイラスペン1)と超音波受信側(超音波受信部30)とで同一の意味付けがなされている。これにより、超音波受信部30のシーケンサ72では、フレーム#1での受信信号に応じてスタイラスペン1における超音波受信素子31a,31bとの間の距離を算出し得ると同時に、フレーム#2〜#8での受信信号に応じてこのスタイラスペン1における第1〜第7の各ボタン14a〜14gの押下状況を認識できる。ここで算出された距離及び認識されたボタン押下状況は、該受信タイミング制御部70からローカル演算部75へと送信される。
【0089】
図12は、受信タイミング制御部70からローカル演算部75に送信されるデータの構造の一例を示す図である。このデータは3バイトから構成され、第1バイト〔同図(a)〕はスタイラスペン1に実装された各ボタン14の押下状態を示している。第2バイト〔同図(b)〕は、超音波受信部30における超音波受信素子31aからスタイラスペン1までの距離すなわち図4における距離aを示す値である。第3バイト〔同図(c)〕は、超音波受信部30における超音波受信素子31bからスタイラスペン1までの距離すなわち図4における距離bを示す値である。
【0090】
第2,3バイトの値は、図5における基本クロック生成回路324にて作られた基本クロックが、スタイラスペン1から超音波が送出され、超音波受信素子31a,31bにてそれぞれ受信されるまでカウンタ321,322でカウントされた数をそれぞれ示している。
【0091】
ローカル演算部75は、このカウント値を用い、例えば上記基本クロックが1MHzの時、1クロック時間は1usecであり第2,3バイトの1bit が超音波が1usec 間で空気中を伝播する距離(0.344mm)であることを利用して、各超音波受信素子31a,31bとスタイラスペン1との距離を算出する。更に、この算出された各超音波受信素子31a,31bとスタイラスペン1の距離を用いて、入力面(図4参照)上に設定された座標軸におけるスタイラスペン1の座標を算出する。この算出方法は上述した通りである。
【0092】
更に、ローカル演算部75により算出された上記座標値は通信部33を通じてPC(図1では、演算処理部40に相当)に送られ、PCではその入力座標値に基づき表示画面50の対応する座標位置に、スタイラスペン1により指示された位置を、カーソル等を用いて表示する。
【0093】
本実施の形態に係わる装置において、上述の如くの運用の途中で、カーソルの指示位置を絶対座標入力から相対座標入力に切り替えたいとする要求があった場合、操作者は、スタイラスペン1において特定操作1を行う。この特定操作1としては、例えば、スタイラスペン1(図8参照)に設けられた十字ボタン(第4ボタン14d〜第7ボタン14g)の押下操作を想定する。
【0094】
これにより、例えば、スタイラスペン1に設けられる十字ボタン(第4ボタン14d〜第7ボタン14g)のうち、第4ボタン14dを押下すると、当該第4ボタン14dの形状によって示される方向にカーソルを相対移動でき、同様に、第5ボタン14e,第6ボタン14f,第7ボタン14gを押下すると、これら各ボタンの形状によって示される方向にカーソルを相対移動できる。
【0095】
この絶対座標/相対座標切り替え制御は、ローカル演算部75において、受信タイミング制御部70から送られてくるデータ(図12参照)中の第1バイト〔図12(a)〕の内容に基づきスタイラスペン1の各ボタン14の押下状態を上記特定操作1と対応付けて各々認識し、この認識結果に従って、絶対座標上での指示位置を相対座標上での指示位置に変換する演算処理により実現できる。
【0096】
以下、このローカル演算部75における絶対/相対座標演算処理について詳しく説明していく。本発明装置では、上述したスタイラスペン1の十字ボタン操作すなわち特定操作1に対応した絶対/相対座標切り替え入力を実現するために、超音波受信部30(図10参照)におけるローカル演算部75のメモリ752内に、図13に示す如く、受信タイミング制御部70から送られてくるデータ(図12参照)中の第2バイト、第3バイトの距離データを基に算出されたスタイラスペン1の絶対座標値(Xpre,Ypre)に対するオフセット座標値(Xoffset,Yoffset)が、上記十字ボタン14d〜14gの各ボタンに対応して予め格納されている。具体例として、第4ボタン14d〜第7ボタン14gに対するオフセット座標値(Xoffset,Yoffset)は、それぞれ以下の値を持っている。
【0097】
第4ボタン(14d) Yoffset=Yoffset−10; …… (7)
第5ボタン(14e) Xoffset=Xoffset+10; …… (8)
第6ボタン(14f) Xoffset=Xoffset−10; …… (9)
第7ボタン(14g) Yoffset=Yoffset+10; …… (10)
ローカル演算部75では、受信タイミング制御部70から送られてくるデータをメモリ752に格納した後、このデータ中の第1バイトからこの時の第4ボタン14d〜第7ボタン14gの押下状況を認識すると共に、第2〜3バイトで示される距離データを用いてスタイラスペン1の絶対座標(Xpre ,Ypre )を算出してメモリ752に保持した後、この絶対座標(Xpre ,Ypre )に対して、上記押下の認識された各ボタン(14d〜14g)毎に当該ボタンに対応するオフセット座標値を用いて以下のような演算を施す。
【0098】
X=Xpre+Xoffset; …… (11)
Y=Ypre+Yoffset; …… (12)
ここで生成されたX,Yは、上位処理系に引き渡され、カーソル表示制御等に使用される。なお、Xoffset,Yoffsetの初期値は0である。
【0099】
以下、この十字ボタン操作に関する絶対/相対座標切り替え制御について具体的な例を挙げながら詳しく説明する。今、本発明装置の表示画面50上に図14に示す如くのX,Y座標系を想定し、このX,Y座標系において、スタイラスペンが図15に示す位置X(X0,Y0)にあったものとする。この状態において、Xoffset,Yoffsetは初期値のまま「0」であるので、この位置Xの座標値はそのまま上位の処理系に引き渡される。
【0100】
その後、操作者がスタイラスペン1の第4ボタン14dを押下した場合、この第4ボタン14dの押下を示す情報が受信タイミング制御部70からローカル演算部75に送られ、ローカル演算部75は上記受信情報に基づき第4ボタン14dの押下を認識すると、上記位置Xの座標値(X0,Y0)に対して当該特定操作1(第4ボタンの押下)に対応する以下の演算を行い、相対座標値(X2,Y2)を求める。
【0101】
Yoffset=Yoffset−10;
X2=X0;
Y2=Y0+Yoffset;
この時、Yoffsetは「-10」であるので、Y2=Y0−10;である。
【0102】
この結果、図15に示すカーソルの表示位置は、第4ボタン押下前の座標(X0 ,Y0 )から第4ボタン押下後には(X2 ,Y2 )の位置に移動する。つまり、この場合における演算「X2=X0;Y2=Y0-10;」の性質上、カーソルはY軸の負方向に向かって値「10」だけ移動したことになる。これ以後、スタイラスペン1がどこに移動しても、カーソルの表示はスタイラスペンのY座標から値「10」を減じた値のY座標位置に表示されることになる。
【0103】
更に、スタイラスペンが図15に示す座標値(X2 ,Y2 )の位置にある状態で、操作者がスタイラスペン1の第5ボタン14eを押下したものとする。この時、ローカル演算部75では、上記座標値(X2,Y2)に対して当該特定操作1(第5ボタンの押下)に対応する以下の演算が行われ、相対座標値(X3,Y3)が求められる。
【0104】
Xoffset=Xoffset+10;
X3=X2+Xoffset;
Y3=Y2;
この結果、カーソルの最初の位置(X0 ,Y0 )から見た場合にXoffset,Yoffsetはそれぞれ+10,-10 の値を取ることになる。よって、この時のカーソル表示座標値(X3,Y3)は、図15に示す座標系上の下記の値を持つ座標位置(X3 ,Y3 )に表示される。
【0105】
X3=X0+10;
Y3=Y0−10;
以上の実施の形態は、絶対座標入力装置において相対的な座標入力を行うための演算をローカル演算部75で行う例であるが、この演算を行う場所を特に限定する必要はない。要は、操作者が絶対入力/相対入力の切替えを意識せずに、自然な操作性(ユーザーインタフェース)を維持したまま相対座標入力を実現できれば良く、上記演算場所は任意に設ければ良い。
【0106】
ところで、上記特定操作1(十字ボタン押下)による相対的な座標入力インタフェースにおいては、十字ボタンに関する特定操作1において、十字ボタン押下後、スタイラスペン1の移動に追従してカーソルが常に移動することになる。しかしながら、例えば、プレゼンテーションに際して、カーソルをあるオブジェクトが指し示す位置に固定したいといった運用状況も考えられる。
【0107】
かかる運用に対処するため、本発明では、特定操作2を検出し、この特定操作2がなされた場合は、スタイラスペン1の移動に追従してカーソルが移動しないようにする機能を付加している。
【0108】
以下、この付加機能の実施の形態について説明する。この実施の形態において、特定操作2は、スタイラスペン1(図8参照)の第2ボタン14bの押下であるものとする。スタイラスペン1の第2ボタン14bが押下されると、図12に示すデータ中の第1バイト内の対応するbitが1となり、図10における受信タイミング制御部30からローカル演算部75に引き渡される。ローカル演算部75のCPU751は、引き渡された第1バイトから第2ボタン14bの押下を認識する。以後、CPU751は受信タイミング制御部70から上記データを引き渡されたとしても、該データ中の第2,第3バイトに基づき座標値(Xpre,Ypre)の算出を行わないようにするか、若しくは、算出を行ったとしても対応するメモリ領域(図13参照)に格納することを取り止めるべく制御する。
【0109】
これにより、上記第2ボタン14bの押下(特定操作2)がなされた後、基本的にはスタイラスペン1がどのように移動したとしても、その動きに追従してカーソルの表示が移動することはなく、一定の場所すなわち第2ボタン14bが押下された時点で表示されていた座標位置に固定表示されることになる。
【0110】
かかる機能を用いることにより、カーソルの表示を固定位置に止めておきたい場合、例えば、図16に示すように、プレゼンテーションにおいて、説明者が画面に表示されたあるオブジェクトをカーソルにてポイントして、そのオブジェクトが現在説明されている旨を受講者に強調して知らしめるような場合において利用することができる。
【0111】
なお、この第2ボタン14bの押下は上述した第4ボタン14d〜第7ボタン14gの押下操作、すなわち特定操作1に基づくXoffset,Yoffsetの演算処理には影響を与えない。従って、第2ボタン14bの押下時に、第4ボタン14d〜第7ボタン14gを押下した場合にはこれら第4ボタン14d〜第7ボタン14gの各々に対応した既に説明したような演算が行われ、結果として、カーソルの表示位置を変化させることができる。
【0112】
この機能を用いることにより、本格的な相対座標入力機能を実現できる。以下に、当該機能に利用されるアプリケーションについて2つの例を示す。
【0113】
例1;プレゼンテーション等において、カーソルを説明したいオブジェクトに移動させたい場合。
【0114】
例えば、位置検出機構の入力面が70インチクラスのディスプレイ(リア方式のプロジェクタ等)の場合、仮に上述した相対座標入力機能を用いなかったとすれば、カーソルの移動や文字/図形の描画入力を行う際に、スタイラスペン1を説明したいオブジェクト位置まで移動させなければならない。
【0115】
しかしながら、上記相対座標入力機能を用いた場合には、例えば、図16に示すように、操作者から離れた位置に表示されている「説明したいオブジェクト」の位置までスタイラスペン1を移動させることなく、すなわち操作者が移動することなしに、カーソルを移動させ説明を行うことが可能となる。この操作はスタイラスペン1とカーソル位置が離れているにも拘わらず、両者が相対的に移動するので、操作性に関して何等問題はない。また、更なる効果として、操作者がディスプレイの前面に体を移動させる必要がないため、受講者にとってディスプレイに表示された内容が遮られるようなこともなくなる。
【0116】
単なるカーソルの移動以外にも、文字/図形の描画入力時にも同じような効果が期待できる。例えば、図17に示したように、画面右上の位置に描画入力を行いたい場合、まず上述した相対座標入力機能を利用することにより、スタイラスペン1の位置とカーソルの表示位置を相対的に移動させ、カーソルを希望の位置に置く。次に、カーソルの位置や動きを見ながら、操作者は手元の操作しやすい場所にいながら描画入力を行う。これにより、相対的なカーソル移動機能の効果と同様、操作者はスタイラスペン1をわざわざ離れた位置(描画を行いたい位置)に移動させることなく、希望の描画処理を実現できる。この場合も、操作性に何等問題はなく、操作者は円滑に描画入力を行うことができる。
【0117】
上記付加機能による本発明の更なる効果として、操作者は、スタイラスペン1の第4ボタン14d〜第7ボタン14gのみに用いてカーソルを相対移動させたい場合、このスタイラスペン1を同一位置座標に固定する必要が無いという点があげられる。
【0118】
すなわち、もし、スタイラスペン1の移動に伴い、座標値(Xpre,Ypre)の値を変化させるものとした場合には、スタイラスペン1のちょっとした動きに対しても、カーソルはそれに応じて移動してしまうことにあるが、本発明の位置算出/格納停止機能を用いることによって、スタイラスペン1の第2ボタン14bを押下した状態で更に第4ボタン14d〜第7ボタン14gを押下した場合でも、このスタイラスペン1の動きにとらわれることなく、カーソルの相対移動を行うことができる。
【0119】
例2;ディスプレイ(入力面)内にバーチャルリアリティ空間が設けられ、その空間の中をスタイラスペン1を用いて操作する場合。
【0120】
どのような入力装置においても、操作者が入力を行う領域はサイズ的に有限であり、この入力領域を大きなサイズとして実装するのは操作性に問題を生じることになる。例えば、高さ3m、幅10mといったような入力領域を設けたとして、一般のビジネスアプリケーションにおいては、およそ実用的に使用できない。
【0121】
しかしながら、コンピュータの表示画面に表示できる空間はほぼ無限大の広がりを持つ。例えば、バーチャルリアリティ空間においてそのようなアプリケーションが見受けられせる。このような状況下では、入力領域と操作空間とを1対1にマッピングすることに無理があるのは言うまでもない。
【0122】
こうした現状にあって、本発明の算出/格納停止機能を用いることにより、操作者は相対座標と絶対座標入力の切替えを意識することなしに、上記の如く無限大に広がる操作領域に対して自然に入力操作を行うことができる。
【0123】
次に、上述したアプリケーションの運用を実現するための制御機能について説明する。今、図18に示す如く、ディスプレイ装置と一体化された入力面が設置されており、当初、スタイラスペン1は図示する位置にあるものとする。次に、操作者は、図18における入力面上右上に位置する丸オブジェクト位置にカーソルを移動させたい場合、スタイラスペン1の第2ボタン14bを押下した状態で、第4ボタン14d及び第5ボタン14eを同時に若しくは交互に押してカーソルを相対移動させる。
【0124】
その結果、カーソルは、図19に示すように、入力面右上に移動していく。この移動は、図15を参照して既に述べた制御により実現されるものである。この時、図18に示す状態から、操作者が、入力面に向かって左に動きながら、上記のように第2ボタン14bを押下した状態で、第4ボタン14d及び第5ボタン14eを同時に若しくは交互に押した場合でも、図20に示す如く、カーソルは図19に示す状況と全く同様に動作することになる。この機能は、上述した「第2ボタンの押下時には、座標値(Xpre,Ypre)の算出を行わないか、算出結果の格納を取りやめる」という制御により実現される。かかる運用を想定した場合、スタイラスペン1の第2ボタンはラッチ付のものを使用することが望ましい。
【0125】
これに対して、操作者が、第2ボタン14bを押下せずに、入力面に向かって左側に移動しながら第4ボタン14d及び第5ボタン14eを前述の操作と全く同様に行った場合、上述した「第2ボタン押下時には、座標値(Xpre,Ypre)の算出を行わないか、算出結果の格納を取りやめる」という制御が起動しないことにより、カーソルの移動は、図21に示すように、操作者の移動、すなわちスタイラスペン1の移動の影響を受けることになる。
【0126】
このように、本発明では、操作者が自らの動きに追従したスタイラスペンの動きと無関係に第4ボタン14d〜第7ボタン14gにてカーソル位置の操作を行えるばかりでなく、自らの動きにあわせてカーソルを動かしながら第4ボタン14d〜第7ボタン14gにてカーソル位置の操作を行なうこともできる。
【0127】
次に、あるアプリケーション上において、図22に示すように、ディスプレイ装置に富士山の一部分が表示されているものとする。このアプリケーションはいわゆるバーチャルリアリティ空間を表示するもので、富士山周辺の風景をカーソルを画面端に移動させることにより、その方向に対する風景をスクロールして表示でき、必要があればその上から描画入力が行えるものとする。
【0128】
ここで、操作者が富士山の向かって右側の裾野の部分に描画入力する必要に迫られたものとする。この場合、本発明のカーソル相対移動機能を用いることによって、操作者は、直接ディスプレイ装置に向かって右側に移動することなく上記描画入力が行える。
【0129】
この描画入力を実現するためには、まず、操作者はスタイラスペン1の第5ボタン14eを押下し続ける。この時、上述した方法により第5ボタン14eの押下を認識したローカル演算部75において、上記式(11),式(12),式(8)を用いて、当該第5ボタン14eに対応した相対座標の演算処理が連続的に行われ、この演算により算出された座標値に基づく表示制御によって、上記第5ボタン押下後、ある時間が経過すると、カーソルは図23における図示位置すなわちディスプレイ右端の位置に移動する。
【0130】
図23に示す状態から更に第5ボタン14eを押下し続けると、上記アプリケーションの機能により、図24に示すように、表示画面が向かって左側にスクロールしていく。操作者は、この機能を利用して、希望の位置まで画面のスクロールを続け、例えば、図25に示す如く、富士山の向かって右側の裾野の部分が現れた位置までスクロールしたのを確認した時点で、第5ボタン14eの押下を取り止める。これにより、画面のスクロールが停止し、この状態で、操作者は、描画ボタンを押下しながら、希望していた富士山の向かって右側の裾野の部分に描画入力を行うことが可能となる。
【0131】
この場合の描画操作において、操作者は、富士山の向かって右側の裾野が表示されている場所まで移動する必要はなく、自分の前の入力面に対して描画操作を行えば良いことになる。このような操作を絶対座標系の入力装置を用いて実現しようとした場合、従来であれば、操作者が入力面に向かって右端にまで移動する必要があったが、本発明でこうした移動を行うことなく円滑な操作が行える。
【0132】
ところで、上述したカーソルの相対移動操作実行後は、実際のスタイラスペン1の位置とカーソルの表示位置がずれてしまう。よって、それ以後の操作において、スタイラスペン1の位置とカーソル位置を合わせる機能が要求される。この機能について、以下に説明する。
【0133】
上記実施の形態では、スタイラスペン1の第2ボタン14bが押下されると、それ以後、ローカル演算部75のCPU751は、受信タイミング制御部70からデータ(図12参照)を引き渡されたとしても、座標値(Xpre,Ypre)の算出を行わない、若しくは算出を行ったとしてもメモリ752の対応するメモリ領域に格納することを取り止め、その後、第2ボタン14bの押下が解除されると、上記座標値(Xpre,Ypre)の算出とメモリ752へのストアを再開する。
【0134】
ここで、例えば図20において、操作者が、第2ボタン14bを押下し、かつ第4ボタン14dと第5ボタン14eを使用して、カーソルを画面右上の丸オブジェクトまで相対移動操作を行った時点で第2ボタン14bの押下を止めた後のスタイラスペン1の位置とカーソル位置との整合について考える。なお、第2ボタン14bの押下の取り止め操作の一例としては、第2ボタン14bにラッチ機構を実装しておき、押下状態の第2ボタン14bを再度押し、押下状態をオフにする操作が考えられる。
【0135】
この操作がなされた場合、ローカル演算部75のCPU751は、受信タイミング制御部70から送られてくるデータ(図12参照)を受け取り、第2ボタン14bのオフ状態を認識する。これ以後、CPU751は、座標値(Xpre,Ypre)の算出と該算出値のメモリ752へのストア処理を再開する。この処理の再開により、カーソルは、スタイラスペン1の移動に追従して移動を開始する。
【0136】
次に、操作者は、スタイラスペン1の第3ボタン14cを押下する。以後、この第3ボタン14cの操作を特定操作3という。この特定操作3がなされると、ローカル演算部75のCPU751は、この時に受信タイミング制御部70から入力するデータを用いて第3ボタン14cの押下を認識し、メモリ752(図13参照)内に第4ボタン14d〜第7ボタン14gが押下される毎に設定されるオフセット座標値(Xoffset,Yoffset)を「0」に設定する。カーソルの表示位置に対してXpre,Ypre,Xoffset,Yoffsetが与える影響は既に述べた通りであり、上述の如く、Xoffset,Yoffsetを「0」に設定した結果、カーソルの表示位置とスタイラスペン1の位置とが一致するようになる。このように、本実施の形態において、第3ボタン14cは、カーソル相対移動機能解除時のオフセット座標値(Xoffset,Yoffset)の「0」クリアボタンとして機能する。
【0137】
次に、スタイラスペン1(図8参照)に設けられた十字ボタン(第4ボタン14d〜第7ボタン14g)を用いずに、スタイラスペン1そのものを移動させることで、上記十字ボタン押下操作時と同等の相対座標入力を実現する場合について説明する。この実施の形態は、
・スタイラスペン1の動きに対応してその動く方向にカーソルを移動(飛ばす)させる
ものであり、具体的に、このカーソルの移動(相対座標入力)は、スタイラスペン1の第2のボタン14bを押下し、その後に当該第2ボタン14bの押下を解除する操作により実現される。以後、この第2ボタン14bの押下継続操作を特定操作4と呼ぶものとする。
【0138】
以下、この特定操作4に基づく相対座標入力について、2次元座標系を例にとって説明する。今、図26において、操作者が、スタイラスペン1の第2ボタンを押下したものとする。この時、カーソルは同図に示すスタイラスペン先に位置している。次に、操作者が、第2ボタン14bを押したままで、スタイラスペン1を持った右手を、図27に示すように、入力面に向かって左から右に動かしたものとし、更に、右手の移動すなわちスタイラスペン1の移動を終えると同時に第2ボタン14bの押下を解除したものとする。上記操作によって、カーソルは、第2ボタン14bの押下が解除されるまで図26に示した位置に止まり、第2ボタン14bの押下解除後、後述する演算処理を経てこの演算結果に対応した位置まで飛ばされる。
【0139】
この特定操作4によるカーソルの移動制御について以下に説明する。この場合におけるカーソルの移動制御のパラメータとしては、スタイラスペン1の移動距離と移動速度が用いられる。このうち、スタイラスペン1の移動距離は以下の如くに算出できる。
【0140】
今、図27におけるスタイラスペン1の移動開始位置Aの座標を(X0,Y0)とし、移動終了位置Bの座標を(X1,Y1)とすれば、上記第2ボタン押下継続中における当該スタイラスペン1の移動距離は、
SQRT[(X1−X0)2+(Y1−Y0)2]
となる。なお、SQRTは引数の平方根を計算する関数である。
【0141】
また、上記特操作4がなされた場合におけるスタイラスペン1の移動時間hは、該スタイラスペン1の超音波送出シーケンスに照らして、以下の方法により算出できる。すなわち、本発明に係わるスタイラスペン1からは、図11に示すシーケンスに従って超音波が送出され、特に、第2ボタン14bが押下された際には、8回の超音波送信タイミング(◇数字1〜8で示す。以下、フレーム#1〜#8という)中のフレーム#3において超音波が送出される。
【0142】
一方、受信タイミング制御部70は上記フレーム#3にて受信された超音波に基づき、図12における第1バイトの第2ボタン対応エリアが「押下状態」という内容のデータをローカル演算部75に対して出力する。これにより、ローカル演算部75のCPU751では受信タイミング制御部70からの入力データの第1バイト中の第2ボタン対応エリアの内容に基づき第2ボタン14bの押下を認識できる。
【0143】
その後、操作者は第2ボタン14bを押下したままスタイラスペン1を移動させることから、フレーム#1〜#8を1ブロックとする上記シーケンスが繰り返され、これに伴って次々に発生するフレーム#3のタイミングで基本的に超音波が連続受信される。実際の運用では、障害物等の存在により超音波が受信されない場合があるが、ここでは説明を簡単にする為、上記現象がないものとする。
【0144】
その後、操作者は希望する場所までスタイラスペン1を移動させ終えると、第2ボタン14bの押下を解除する。これに起因して、それまで超音波を受信し続けたフレーム#3において超音波が受信されなくなる。
【0145】
従って、ローカル演算部75のCPU751では、上記フレーム#3に対応する入力データを監視することによって、上記特定操作4の開始に伴い初めて超音波を受信した時間から超音波を受信しなくなった時間までの時間間隔を計測できる。具体的に、CPU751では、各回のフレーム#3で、受信タイミング制御部70から入力されるデータ中の第2ボタンの押下状態を示す情報を監視しながら、押下状態が確認されている期間をタイマなどを用いて計時する。なお、この場合において、受信タイミング制御部70でボタン押下を認識し、その後にローカル演算部75のCPU751でボタン押下を認識するまでの時間は、操作者がスタイラスペン1を移動させる時間と比較して無視できるものとする。
【0146】
上述したローカル演算部75のCPU751の演算処理によって、特定操作4により初めて超音波が受信されてからこの超音波が受信されなくなるまでの期間、すなわち、操作者が、図27においてスタイラスペン1を位置Aから位置Bまで移動させるのに要した時間hを算出できる。
【0147】
このように、図27において、スタイラスペン1が位置Aから位置Bまで移動操作された時のスタイラスペン1の移動距離M及び移動時間Hは、それぞれ、
M=SQRT[X1−X0)2+(Y1−Y0)2 ]
H=h
として求めることができる。
【0148】
本実施の形態では、座標A(X0,Y0)及び座標B(X1,Y1)を踏まえたうえで、上記2つのパラメータ(MとH)のいずれか1つまたは両方を用いて、上記十字ボタンを用いた相対座標入力と同様の機能を実現するものである。
【0149】
この相対座標入力の一例として、上記2つのパラメータの両方を用いて、操作者がスタイラスペン1を移動させた時の移動速度(v)を算出し、この移動速度(v)を用いてカーソルの相対移動処理を行う方法が考えられる。
【0150】
この場合において、スタイラスペン1の移動速度(v)は、上述した2つのパラメータ(MとH)から下式により算出できる。
【0151】
v={SQRT[(X1−X0)2+(Y1−Y0)2]}/h …(13)
更に、この場合において、例えば、操作者が行ったスタイラスペン1の移動方向に対して、同一の移動速度vでかつこの移動速度vに対応する(k)秒間で移動する位置までカーソルを移動させという方法が考えられる。この場合には、上記特定操作として、スタイラスペン1を目的の方向に早く動かせば動かす程、カーソルをより遠くの位置まで飛ばすことができ、例えば、大画面を用いたプレゼンテーションにおいて、操作者から離れた場所をカーソルで指し示すといった場合の操作性を格段に向上させることができる。
【0152】
以下、このカーソル移動制御の具体例について述べる。このカーソル移動制御において、カーソルの相対動作処理を以下のように定義する。
【0153】
・操作者が行ったスタイラスペン1の移動方向に対して、同一速度vにてk秒間で移動する位置にカーソルを移動させる。
【0154】
また、この場合における移動時間kの具体値としては、以下の条件を予め設定しておく。
【0155】
・算出した移動速度vが0以上〜0.1m/sec未満の範囲にある場合はk=1、移動速度vが0.1以上〜1m/sec未満の範囲にある場合はk=2、移動速度vが1m/sec以上の場合はk=3。
【0156】
更に、この場合におけるスタイラスペン1の移動は、図28に示す入力面に対して同図に示す位置Aから位置Bの如まで移動されたものとする。ここで、これら入力面の解像度,移動位置及び移動時間の具体値は以下の値とする。
【0157】
・入力解像度は、1024×768
・サイズは、同じく1024mm×768mm
・位置A座標及び位置B座標は、それぞれ(100,230)、(140,200)
・操作者が位置Aから位置Bへスタイラスペン1を移動させた時間hは0.5sec
であるものとする。
【0158】
上記条件でスタイラスペン1が移動操作された場合、この場合におけるスタイラスペン1の移動距離mは50mmであるから、この時のスタイラスペン1の移動速度vは、上記式(13)から、v=0.1m/secとなる。故に、kは2となる。よって、カーソルの相対移動は、位置Aから位置Bへの方向に対して速度0.1m/secにて位置Aから2秒間移動させた場所への移動となる。具体的には、この時のカーソル移動後の位置は、図29に示す如く、座標(260,110)の位置となる。
【0159】
上述したスタイラスペン1の移動に対するカーソルの相対移動量の重みは、H/WのディップスイッチやS/Wの設定等により設定することが可能である。
【0160】
なお、上記実施の形態では、図4における表示部50としてリアプロジェクタディスプレイを想定しているが、本発明のペン入力装置はこのリアプロジェクタディスプレイを用いた情報処理装置に限定されず、例えば、図30に示すような表示部50としてフロントプロジェクタディスプレイを用いた情報処理装置にも同様に適用することができる。
【0161】
また、本発明のペン入力装置は、上記大型のディスプレイを用いた情報処理装置以外にも、図31に示すようなCRTディスプレイを有するディスクトップ型のコンピュータまたは図32に示すようなLCDディスプレイを有するノート型のコンピュータを用いた情報処理装置にも同様に適用することができる。
【0162】
また、上記実施の形態においては、スタイラスペン1の位置を2次元的に検出する構成について示したが、本発明はスタイラスペン1の位置を3次元的に検出することもできる。更に、本発明は、超音波方式以外の例えば感圧/静電/電磁誘導/赤外線等の各方式のペン入力装置においても実施でき、また、シングルペンを用いる場合のみならず、マルチペンの入力装置にも適用可能である。
【0163】
更に、上記実施の形態では、超音波受信部30と演算処理部40(PC)との通信インタフェースとしてRS232Cインタフェースを用いているが、本発明においては、当該RS232Cインタフェース以外の通信インタフェースについても同様に適用できることはいうまでもない。
【0164】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、入力ペンから所定間隔毎に送出される信号送出フレームの所定のタイミングフレームにより受信した信号に基づき該入力ペンの入力領域の座標軸における2次元または3次元の絶対座標値を算出すると共に、入力ペンの第1のボタンの操作が認識される毎に、該第1のボタンに対応して予め設定されているオフセット座標値を累積加算して相対座標値を算出し、絶対座標値が算出される毎に、該絶対座標値に相対座標値を加算して得られる位置座標値に基づき上記入力領域における入力ペンの指示位置の入力処理を行う構成を有する。
【0165】
かかる構成によれば、入力領域(入力面)として極めて大型のディスプレイ装置等を用いたプレゼンテーションにおいて、操作者は、入力ペンを入力面上の所望の位置まで直接持っていき、その際に算出される絶対座標に基づき入力指示(描画等)を行なう操作と、この状態から、操作者自ら移動することなく、手元で入力ペンの第1のボタンを操作することにより、引き続き、該入力面上の操作者から離れた所望の位置(絶対座標値に、第1のボタンの操作を行なう毎にオフセット座標値を累積加算して算出される相対座標値を加算して得られる位置座標値に相当する位置)を指し示したり描画する操作とを併用してプレゼンテーションを円滑に進めることができる。
【0166】
また、本発明によれば、入力ペンから所定間隔毎に送出される信号送出フレームの所定のタイミングフレームにより受信した信号に基づき該入力ペンの入力領域の座標軸における2次元または3次元の絶対座標値を算出する一方、入力ペンの特定のボタンの操作が認識されてから該特定のボタンの操作が認識されなくなるまでの間の入力ペンの移動速度を算出し、入力ペンの特定のボタンの操作解除が認識された場合には、該入力ペンの特定のボタンの操作が認識された時点の該入力ペンの絶対座標値から、上記移動速度で該移動速度に対応する時間移動した場合の位置座標値を算出し、該位置座標値に基づき上記入力領域における入力ペンの指示位置の入力処理を行う構成を有する。
【0167】
かかる構成によれば、入力ペンにおける特定のボタンを操作したまま、該入力ペンを適宜な速度で適宜で移動させることで、特定のボタンの操作を止めた(解除した)後、入力ペンによって、特定のボタンの操作開始時点の絶対位置座標に対して該入力ペンの移動速度で該移動速度に対応した時間移動させた場合の位置座標値に対応する位置を指示することができ、入力領域(入力面)として極めて大型のディスプレイ装置等を用いたプレゼンテーションにおいて、操作者は、手元で入力ペンの特定のボタンの操作を行ない、入力ペンの動きに対応してその動く方向にカーソルを飛ばすことで、操作者自ら移動することなく、該入力面上の操作者から離れた(手が届かない)所望位置を指し示したり描画する作業を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるペン入力装置を適用した情報処理装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】図1に示した情報処理装置全体の概略構成を示す図。
【図3】図1に示した情報処理装置の外観構造の一例を示す斜視図。
【図4】図1に示した表示部の表示画面に対して所定の位置関係で配設された2個の超音波受信素子とスタイラスペンによる指示位置の関係を示す図。
【図5】図1に示した超音波受信部の受信処理部の機能構成を示すブロック図。
【図6】 図5に示したスタイラスペンにおける基本クロックと超音波送出タイミングとの関係を示すフローチャート。
【図7】 図5に示したカウンタによる超音波受信時間の検出動作を示すタイミングチャート。
【図8】図1に示した情報処理装置で用いるスタイラスペンの外観構成図。
【図9】図1に示した情報処理装置で用いるスタイラスペンの内部回路構成を示すブロック図。
【図10】図1に示した超音波受信部及び演算処理部の機能構成を示すブロック図。
【図11】図1に示した情報処理装置で用いるスタイラスペンの超音波送信タイミング制御を示すタイミングチャート。
【図12】図10に示した受信タイミング制御部からの出力データのデータ形式の一例を示す図。
【図13】 図10に示した受信処理部におけるローカル演算部の概略構成図。
【図14】図1における表示画面50上に想定されるX,Y座標系を示す図。
【図15】 図14における座標系上でのスタイラスペンの特定操作に基づく相対座標入力の原理を説明するための図。
【図16】スタイラスペンの特定操作に基づく相対座標入力の具体例1を示す図。
【図17】 スタイラスペンの特定操作に基づく相対座標入力の具体例2を示す図。
【図18】スタイラスペンの特定操作に基づく相対座標入力の具体例3を示す図。
【図19】スタイラスペンの特定操作に基づく相対座標入力の具体例4を示す図。
【図20】スタイラスペンの特定操作に基づく相対座標入力の具体例5を示す図。
【図21】スタイラスペンの特定操作に基づく相対座標入力の具体例6を示す図。
【図22】 スタイラスペンの特定操作に基づく相対座標入力の具体例7を示す図。
【図23】 スタイラスペンの特定操作に基づく相対座標入力の具体例8を示す図。
【図24】 スタイラスペンの特定操作に基づく相対座標入力の具体例9を示す図。
【図25】 スタイラスペンの特定操作に基づく相対座標入力の具体例10を示す図。
【図26】 スタイラスペン本体の移動に基づく相対座標入力の開始時の状態図。
【図27】 スタイラスペン本体の移動に基づく相対座標入力の完了時の状態図。
【図28】 図27における相対座標入力の具体例を示す図。
【図29】図28における相対座標入力後のカーソル移動状態を示す図。
【図30】表示部としてフロントプロジェクタディスプレイを用いた本発明の他の実施の形態を示す図。
【図31】表示部としてCRTディスプレイを有するディスクトップ型コンピュータを用いた本発明の更に他の実施の形態を示す図。
【図32】表示部としてLCDディスプレイを有するノート型コンピュータを用いた本発明の別の実施の形態を示す図。
【符号の説明】
1…スタイラスペン、11…送信タイミング制御部、12…シーケンサ、13…オシレータ、14…ボタン、14a…第1ボタン、14b…第2ボタン、14c…第3ボタン、14d…第4ボタン、14e…第5ボタン、14f…第6ボタン、14g…第7ボタン、15…アンプ部、16…オペアンプ、17…送出部、18…超音波送出器、30…超音波受信部、31…受信センサ部、31a,31b,31c…超音波受信素子、32…受信処理部、60…アンプ部、61…オペアンプ、70…受信タイミング制御部、71…カウンタ、レジスタ、72…シーケンサ、73…オシレータ、75…ローカル演算部、751…CPU、752…メモリ、321,322…カウンタ、324…基本クロック生成回路、325,326…受信時間保持回路、33…通信部、331…SCC(シリアル通信制御部)、332…232Cドライバ、34…ペンホルダ、35…同期回路、40…演算処理部、41…通信部、42…演算部、43…判別部、44…表示制御部、50…表示部

Claims (10)

  1. 所定の入力領域における入力ペンによる指示位置の入力処理を行うペン入力装置において、
    前記入力ペンから所定間隔毎に送出される信号送出フレームの所定のタイミングフレームにより受信した信号に基づき該入力ペンの前記入力領域の座標軸における2次元または3次元の絶対座標値を算出する絶対座標算出手段と、
    前記入力ペンから前記信号送出フレームの該入力ペンに設けられる第1のボタンに対応するタイミングフレームにより受信した信号に基づき該第1のボタンの操作状況を認識する第1の認識手段と、
    前記第1の認識手段により前記第1のボタンの操作が認識される毎に、該第1のボタンに対応して予め設定されているオフセット座標値を累積加算して相対座標値を算出する相対座標算出手段と、
    前記絶対座標算出手段により前記絶対座標値が算出される毎に、該算出された絶対座標値に、前記相対座標算出手段により算出された相対座標値を加算して位置座標値を算出する位置座標算出手段と、
    前記位置座標算出手段により算出された前記位置座標値に基づき前記入力領域における前記入力ペンの指示位置の入力処理を行う入力処理手段と
    を具備することを特徴とするペン入力装置。
  2. 前記絶対座標算出手段により順次算出された絶対座標値と、前記相対座標算出手段により順次算出された相対座標値を保持する座標値保持手段と、
    前記入力ペンから前記信号送出フレームの該入力ペンに設けられる第2のボタンに対応するタイミングフレームにより受信した信号に基づき該第2のボタンの操作状況を認識する第2の認識手段と、
    前記第2の認識手段により前記第2のボタンの操作が認識されている場合、前記絶対座標算出手段により算出される前記絶対座標値の前記座標値保持手段への格納を禁止する格納禁止手段と
    を更に具備し、
    前記位置座標算出手段は、前記座標値保持手段に保持されている前記絶対座標値と前記相対座標値とに基づき前記位置座標値を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載のペン入力装置。
  3. 前記絶対座標算出手段により順次算出された絶対座標値と、前記相対座標算出手段により順次算出された相対座標値を保持する座標値保持手段と、
    前記入力ペンから前記信号送出フレームの該入力ペンに設けられる第2のボタンに対応するタイミングフレームにより受信した信号に基づき該第2のボタンの操作状況を認識する第2の認識手段と、
    前記第2の認識手段により前記第2のボタンの操作が認識されている場合、前記絶対座標算出手段による前記絶対座標値の算出を禁止する算出禁止手段と
    を更に具備し、
    前記位置座標算出手段は、前記座標値保持手段に保持されている前記絶対座標値と前記相対座標値とに基づき前記位置座標値を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載のペン入力装置。
  4. 前記入力ペンから前記信号送出フレームの該入力ペンに設けられた第3のボタンに対応するタイミングフレームにより受信した信号に基づき該第3のボタンの操作状況を認識する第3の認識手段と、
    前記第2の認識手段により前記第2のボタンの操作が認識されなくなった後、前記第3の認識手段により前記第3のボタンの操作が認識された場合、前記相対座標算出手段により算出されている前記オフセット座標値を初期値「0」に戻す初期化手段と
    を具備することを特徴とする請求項2または3記載のペン入力装置。
  5. 所定の入力領域における入力ペンによる指示位置の入力処理を行うペン入力装置において、
    前記入力ペンから所定間隔毎に送出される信号送出フレームの所定のタイミングフレームにより受信した信号に基づき該入力ペンの前記入力領域の座標軸における2次元または3次元の絶対座標値を算出する絶対座標算出手段と、
    前記入力ペンから前記信号送出フレームの該入力ペンに設けられる第1乃至第3のボタンにそれぞれ対応するタイミングフレームにより受信した信号に基づき、当該第1乃至第3の各ボタンの操作状況を認識する認識手段と、
    前記認識手段により前記第1のボタンの操作が認識される毎に、該第1のボタンに対応して予め設定されたオフセット座標値を累積加算して相対座標値を算出する相対座標算出手段と、
    前記絶対座標算出手段により順次算出された絶対座標値と、前記相対座標算出手段により順次算出された相対座標値を保持する座標値保持手段と、
    前記絶対座標算出手段により前記絶対座標値が算出され、前記座標値保持手段に格納される毎に、該座標値保持手段により保持される絶対座標値に、該座標値保持手段に保持されている相対座標値を加算して位置座標値を算出する位置座標算出手段と、
    前記位置座標算出手段により算出された前記位置座標値に基づき前記入力領域における前記入力ペンの指示位置の入力処理を行う入力処理手段と
    を具備することを特徴とするペン入力装置。
  6. 前記認識手段により前記第2のボタンの操作が認識されている場合、前記絶対座標算出手段により算出される前記絶対座標値の前記座標値保持手段への格納を禁止する格納禁止手段
    更に具備することを特徴とする請求項5記載のペン入力装置。
  7. 前記認識手段により前記第2のボタンの操作が認識されている場合、前記絶対座標算出手段による前記絶対座標値の算出を禁止する算出禁止手段
    更に具備することを特徴とする請求項5記載のペン入力装置。
  8. 前記認識手段により前記第2のボタンの操作が認識されなくなった後、前記第3のボタンの操作が認識された場合、前記相対座標算出手段により算出されている前記オフセット座標値を初期値「0」に戻す初期化手段
    を具備することを特徴とする請求項6または7記載のペン入力装置。
  9. 前記入力ペンの前記第2のボタンを操作したまま該入力ペンを移動させ、該移動を終了した時点で前記第2のボタンを操作解除する操作に対応し、前記認識手段により前記入力ペンにおける第2のボタンの操作が認識されてから該第2のボタンの操作が認識されなくなるまでの間の前記入力ペンの移動速度を算出する移動速度算出手段
    を具備し、
    前記位置座標算出手段は、
    前記認識手段により前記入力ペンの第2のボタンの操作解除が認識された場合、前記認識手段により該入力ペンの第2のボタンの操作が認識された時点の該入力ペンの絶対座標値から、前記移動速度算出手段により算出された前記移動速度で該移動速度に対応する時間移動した場合の位置座標値を算出する
    ことを特徴とする請求項5または8記載のペン入力装置。
  10. 所定の入力領域における入力ペンによる指示位置の入力処理を行うペン入力装置において、
    前記入力ペンから所定間隔毎に送出される信号送出フレームの所定のタイミングフレームにより受信した信号に基づき該入力ペンの前記入力領域の座標軸における2次元または3次元の絶対座標値を算出する絶対座標算出手段と、
    前記入力ペンから前記信号送出フレームの該入力ペンに設けられる特定のボタンに対応するタイミングフレームにより受信した信号に基づき、当該特定のボタンの操作状況を認識する認識手段と、
    前記認識手段により前記特定のボタンの操作が認識されてから該特定のボタンの操作が認識されなくなるまでの間の前記入力ペンの移動速度を算出する移動速度算出手段と、
    前記認識手段により前記入力ペンの特定のボタンの操作解除が認識された場合、前記認 識手段により該入力ペンの特定のボタンの操作が認識された時点の該入力ペンの絶対座標値から、前記移動速度算出手段により算出された前記移動速度で該移動速度に対応する時間移動した場合の位置座標値を算出する位置座標算出手段と、
    前記位置座標算出手段により算出された前記位置座標値に基づき前記入力領域における前記入力ペンの指示位置の入力処理を行う入力処理手段と
    を具備することを特徴とするペン入力装置。
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