JP2002351605A - 座標入力装置 - Google Patents

座標入力装置

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JP2002351605A
JP2002351605A JP2001158094A JP2001158094A JP2002351605A JP 2002351605 A JP2002351605 A JP 2002351605A JP 2001158094 A JP2001158094 A JP 2001158094A JP 2001158094 A JP2001158094 A JP 2001158094A JP 2002351605 A JP2002351605 A JP 2002351605A
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coordinate input
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Katsuyuki Kobayashi
克行 小林
Yuichiro Yoshimura
雄一郎 吉村
Hajime Sato
肇 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空中音波方式で3次元座標の算出が可能な座
標入力装置において、座標入力点指示手段の音波発生源
からの音波を検出する音波検出手段の音波検出信号のレ
ベル変動の影響を排除ないし低減して、高精度に座標算
出を行なえるようにする。 【解決手段】 音波センサ3の音波検出信号のエンベロ
ープ信号を回路61で取り出し、その波形の特異点を回
路62で検出し、その検出時点で有効になるゲート信号
を回路63で生成する。一方、音波検出信号を帯域通過
フィルタ64に通した信号に関して、回路66で前記ゲ
ート信号が有効な間での最初のゼロクロス点を検出し、
その検出時点で有効になる音波到達タイミング信号を生
成する。この信号を音波の位相速度による音波到達タイ
ミング信号として、これによる音波到達タイミングに基
づいて座標入力点の3次元座標を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操作者により指示
された座標入力点の座標を検出してコンピュータ等のホ
スト装置に入力する座標入力装置、特に音波を利用して
入力点の3次元座標の検出を行なう座標入力装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、CRTディスプレイ、液晶ディス
プレイ(LCD)、あるいはプロジェクター等の表示装
置の表示面上に、上記の座標を入力することができる座
標入力面が透明な座標入力装置を重ねて配置し、操作者
が座標入力ペン(ペン型の座標入力点指示手段、以下入
力ペンと略す)や指などで座標入力面上で指示した座標
入力点(以下、入力点と略す)、或いは手書きによる文
字などの軌跡を表示装置に表示し、あたかも、紙と鉛筆
のような関係を実現することができる情報入出力装置が
知られている。
【0003】座標入力装置の方式としては、抵抗膜方
式、静電方式、光学式、電磁誘導(電磁授受)方式、音
波方式などがある。音波方式には振動伝達板方式と空中
音波方式がある。振動伝達板方式では、座標入力面を構
成するガラスなどからなる振動伝達板に対して、音波
(実際には超音波)を発生する振動子を備えた入力ペン
で指示された入力点から入力された音波の振動を振動伝
達板の周辺部に設けられた複数の振動センサにより検出
し、そのセンサへの音波の到達タイミングに基づいて入
力点の座標を算出する。
【0004】空中音波方式では、座標入力面上の入力点
を指示する入力ペンから空中に放射された音波を座標入
力面の周辺部に設けられた複数の音波センサにより検出
し、そのセンサへの音波の到達タイミングに基づいて入
力点の座標を算出する。空中音波方式では、入力ペンで
座標入力面から離れた入力点を指示してその3次元座標
を検出することもできる。
【0005】これらの座標入力装置は、携帯型の電子手
帳などの小型の電子機器に始まってペン入力コンピュー
タ等の比較的大型の電子機器にも使用されるようにな
り、組み合わされる表示装置の大型化に伴って、比較的
大きなサイズの座標入力装置も見られるようになった。
そして、フロントプロジェクタ、リアプロジェクタ、あ
るいはPDPディスプレイ等の大型の表示装置と組み合
わせて、例えばプレゼンテーションやTV会議システム
等に利用され始めている。すなわち、大型の表示装置と
座標入力装置を組み合わせた大型の情報入出力装置は、
オフィスなどにおいて使われていたホワイトボードや電
子黒板などにとって変わり、パソコン内にあらかじめ用
意した資料用データを大画面に表示することで、会議や
打ち合わせなどの用途に使われ始めている。その場合、
ホワイトボードなどと同様に表示画面に表示された情報
を変更するために、操作者や出席者が直接に表示画面を
タッチすることで、座標入力がなされ、それに応じたパ
ソコンの制御により、表示画面の表示内容を切り替える
ことができるように構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した会
議や打ち合わせなどに使用される大型の情報入出力装置
では、多くの人が表示をみるので、表示する画像の視野
角やコントラスト等について十分な性能が要求される。
従って、これに使用される座標入力装置では、低コスト
で精度良く座標検出が可能なばかりでなく、これと組み
合わされる表示装置の表示する画像の画質を劣化させな
いことが重要となる。
【0007】しかしながら、座標入力装置において、抵
抗膜方式と静電方式の装置では、座標入力面を構成する
入力板を完全に透明に構成することが困難であり、これ
を通して見る表示装置の画質を低下させると言う問題が
ある。
【0008】また、電磁誘導方式の装置では、表示面の
裏側にマトリックス状の電極を配置し、入力ペンとの間
で電磁的な信号の送受を行うので、表示装置が大型化
し、装置の厚みが増すと、原理的に座標算出が困難なも
のとなる。その上、会議あるいはプレゼン用といった大
型の座標入力装置を構成する場合には、非常にコストが
高くついてしまう。
【0009】また、音波方式で振動伝達板方式の装置で
は、例えば室内で用いる際の蛍光灯などの映り込みを防
止するために、そのガラスなどからなる振動伝達板の表
面を光学的に処理する必要があり、表示する画像の画質
を維持するために大幅なコストアップが避けられない。
【0010】さらに、光学式の装置では表示画面に座標
入力のためのスポット光を照射するので、表示画面の表
示を損なってしまう。
【0011】一方、会議あるいはプレゼン用の大型の情
報入出力装置のシステムに関して、参加者が大勢の会議
やプレゼンなど或いはネットワーク時代を考慮すれば、
操作者が直接画面をタッチすることでパソコンを制御で
きるばかりでなく、画面から離れた操作者がその場で遠
隔操作により、画面を操作したり、必要に応じてネット
ワークより情報を引き出せるような構成にするのが好ま
しい。
【0012】これに対して、空中音波方式と光学式以外
の方式の座標入力装置では座標入力面から離れた空間で
座標入力を行なうことができないので、上記の遠隔操作
を行なえるように構成することができない。
【0013】空中音波方式の装置では、座標入力面から
離れた空間で座標入力を行なえるとともに、空中を伝わ
る音波を利用して座標検出を行なうため、これと組み合
わされる表示装置の表示画面の画質を劣化させることは
ない。しかも装置を安価に構成できる。さらに、3次元
座標の検出が可能なので、これを利用して上記の遠隔操
作の操作性を良くすることもできる。
【0014】ただし、この方式では、入力ペンと音波セ
ンサの距離、入力ペンの保持角度、入力ペンと音波セン
サのなす角度などにより、入力ペンからの音波を検出し
た音波センサが出力する音波検出信号のレベルが大きく
変動し、それにより座標の算出精度が影響されるという
問題がある。
【0015】また、図14に示すように、入力ペン4の
音波発生源43から音波センサ3に到達する音波には、
直接波とともに、ディスプレイの表示面かつ座標入力面
を構成するスクリーン6aなどからの反射波があり、こ
の反射波が座標の算出精度に悪影響を与えるという問題
もある。
【0016】本発明は、このような事情を考慮してなさ
れたものであり、その課題は、空中音波方式で3次元座
標の算出可能な座標入力装置において、音波検出手段の
音波検出信号のレベル変動の影響ないしは反射波の影響
を排除ないしは低減して安定して高精度に座標算出を行
なえるようにすることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明によれば、音波発生手段を備えた座標入力点
指示手段により座標入力点が指示されたときに前記音波
発生手段から空中に発せられた音波を異なる複数の位置
に配置された複数の音波検出手段により検出し、前記複
数の音波検出手段への前記音波の到達タイミングに基づ
いて前記座標入力点の3次元座標を算出する座標入力装
置において、前記音波発生手段が出力する音波検出信号
から該信号のエンベロープに対応するエンベロープ信号
を取り出すエンベロープ検出回路と、前記エンベロープ
信号の波形の特異点を検出する特異点検出回路と、該特
異点検出回路の出力信号から前記特異点の検出時点で有
効になるゲート信号を生成するゲート信号生成回路と、
前記音波検出信号の所定周波数帯域の成分のみを通過さ
せる帯域通過フィルタと、前記ゲート信号が有効な間
で、前記帯域通過フィルタの出力信号の特定のゼロクロ
ス点を検出して、その検出時点で有効になる音波到達タ
イミング信号を生成するタイミング信号生成回路を有
し、前記音波到達タイミング信号を前記音波の位相速度
による音波到達タイミング信号として、この信号による
音波到達タイミングに基づいて前記座標入力点の3次元
座標を算出する構成を採用した。
【0018】また、他の構成として、前記音波発生手段
が出力する音波検出信号から該信号のエンベロープに対
応するエンベロープ信号を取り出すエンベロープ検出回
路と、前記エンベロープ信号の波形の特異点を検出する
特異点検出回路と、該特異点検出回路の出力信号から前
記特異点の検出時点で有効になる第1の音波到達タイミ
ング信号を生成する第1のタイミング信号生成回路と、
前記音波検出信号の所定周波数帯域の成分のみを通過さ
せる帯域通過フィルタと、前記帯域通過フィルタの出力
信号の信号レベルが所定の閾値レベル以上である間だけ
有効になるゲート信号を生成するゲート信号生成回路
と、前記ゲート信号が有効な間で、前記帯域通過フィル
タの出力信号の特定のゼロクロス点を検出して、その検
出時点で有効になる第2の音波到達タイミング信号を生
成する第2のタイミング信号生成回路を有し、前記第1
と第2の音波到達タイミング信号をそれぞれ前記音波の
群速度による音波到達タイミング信号と位相速度による
音波到達タイミング信号として、それぞれによる音波到
達タイミングに基づいて前記座標入力点の3次元座標を
算出する構成も採用した。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、本発明によ
る3次元座標の検出(算出)が可能な空中音波方式の座
標入力装置の実施形態を説明する。
【0020】[装置全体の概略構成の説明(図1)]本
実施形態の座標入力装置とディスプレイからなる情報入
出力装置の全体の概略構成を図1により説明する。図1
中で4は、装置の使用者が座標入力点を指示して座標入
力を行なうためのペン型の座標入力点指示手段としての
入力ペンであり、操作者による座標入力点の指示動作に
伴って空中に音波(実際には超音波であるが可聴音波で
もよい)を発生するように構成されている。発生した音
波は、ディスプレイ6の表示面かつ座標入力面を構成す
るスクリーン6aの周囲に設けられた複数の音波センサ
(ここでは4個の音波センサ3a〜3d)により検出さ
れ、その音波検出信号が信号処理回路2で処理されて各
音波センサ3a〜3dへの音波到達タイミング(各セン
サの音波検出タイミング)を示す音波到達タイミング信
号が生成され、演算制御回路1に入力される。そして、
演算制御回路1で音波到達タイミング信号によって入力
ペン4から各音波センサ3a〜3dまでの音波到達時間
が検出され、それに基づいて入力ペン4の音波発生源の
位置、すなわち座標入力点の位置の3次元座標(X,
Y,Z)が算出される。
【0021】演算制御回路1は、装置全体を制御すると
ともに、上記のように座標入力点の3次元座標の算出を
行ない、それで得た座標データに基づいてディスプレイ
駆動回路5を介しディスプレイ6の表示動作を制御し、
その表示画面上のカーソルを移動したり、あるいは文字
などの手書き情報を表示したりするように構成されてい
る。
【0022】このように、座標入力装置とディスプレイ
6を組み合わせることで、あたかも『紙と鉛筆』の様な
関係を実現することができるマンマシンインターフェー
スを提供することが可能となる。
【0023】[入力ペン4の説明(図2)]つぎに、入
力ペン4の構成について図2及び図3により説明する。
図2に示すように、入力ペン4の先端部には振動子から
なる音波発生源43が内蔵されている。また、後端部に
は赤外LEDなどの発光素子46が内蔵されており、そ
の周囲の壁は透明に構成されている。音波発生源43と
発光素子46は、電源45からの電力で駆動回路44に
より駆動される。駆動回路44は、音波発生源43の駆
動信号を生成するタイマと発振回路、並びに図3に示す
ように入力ペン4の先端に設けられたペン先スイッチ4
1と側面に設けられたペンサイドスイッチ42a,42
bからの入力に応じて音波発生源43の駆動制御を行な
う制御回路、さらに発光素子46を駆動するスタート信
号を生成する回路等で構成されている。
【0024】音波発生源43の駆動信号は、上記のタイ
マによって発せられる所定の周期のパルス信号であっ
て、上記の発振回路により所定のゲインで増幅された
後、音波発生源43に印加される。この電気的な駆動信
号は音波発生源43によって機械的な振動に変換され、
その振動による音波が空中に放射される。また、音波発
生源43の駆動信号と同時に駆動回路44からスタート
信号が発光素子46に印加され、それにより発光素子4
6が駆動されて発光し、発光素子46からスタート信号
が光信号として後述する演算制御回路1のスタート信号
検出回路17に送信される。このスタート信号により後
述のように音波センサ3a〜3dまでの音波到達時間の
計時がスタートされる。
【0025】なおペン先スイッチ41は、それを座標入
力面に押圧することでオンし、離すことでオフする。サ
イドスイッチ42a,42bは操作者の指による操作で
オン、オフ動作する。これらのスイッチのオン、オフに
応じて後述のように入力ペン4の音波発生源43の駆動
モードが切り換えられる。
【0026】さて、駆動回路44は、音波発生源43の
駆動信号と発光素子46を駆動するスタート信号の出力
を所定周期毎(例えば10msec毎、その場合、1秒間あ
たりに音波を100回放射するので、本座標入力装置の
座標入力のサンプリングレートは100回/秒となる)
に行なう。それにより発光素子46がスタート信号の光
信号を発光すると同時に、音波発生源43から空中に音
波が放射される。そして、その音波は音波発生源43と
各音波センサ3a〜3dの距離のそれぞれに応じた到達
時間をかけて各音波センサ3a〜3dに到達して検出さ
れ、前述のように各センサへの音波到達タイミングに基
づいて入力ペン4の音波発生源43の位置、すなわち座
標入力点の位置の3次元座標(X,Y,Z)が算出され
ることになる。
【0027】[演算制御回路1の説明(図4)]次に、
演算制御回路1の構成と動作を図4により説明する。図
4中で11は演算制御回路1及び本座標入力装置全体を
制御するマイクロコンピュータであり、後述する座標算
出を行なう。詳しく図示していないが、マイクロコンピ
ュータ11は、制御の主体となるCPU、その制御プロ
グラムを格納したROM、ワークエリアとして計算等に
使用されるRAM、及び定数等を記憶する不図示の不揮
発性メモリや不図示の内部カウンタ等によって構成され
ている。
【0028】前述した通り、入力ペン4の駆動回路44
により音波発生源43の駆動タイミングと同期してスタ
ート信号が発光素子46から光信号として放射される。
この光信号としてのスタート信号を検出するスタート信
号検出回路17が演算制御回路1に設けられている。そ
してこれがスタート信号を検出すると、マイクロコンピ
ュータ11は、カウンタなどから構成されたタイマ12
をスタートさせる。こうすることで、入力ペン4の音波
発生源43の駆動タイミングと、タイマ12のスタート
タイミングとの同期が得られるので、音波発生源43か
ら発生した音波が各音波センサ3に到達して検出される
までの音波到達時間を計時することが可能となる。
【0029】各音波センサ3a〜3dが入力ペン4から
の音波を検出すると、それぞれの音波検出信号が信号処
理回路2により処理されて各センサへの音波到達タイミ
ング信号Tpa,Tpb,Tpc,Tpd(後述する信号処理回
路2の第1実施形態ではTp信号59、第2実施形態で
はTg信号56とTp2信号59′)が生成され、信号
入力ポート13を介してラッチ回路15a〜15dに各
々入力される。
【0030】ラッチ回路15a〜15dの各々は、音波
センサ3a〜3dの各々に対応しており、それぞれ対応
するセンサの音波検出信号に基づく音波到達タイミング
信号Tpa,Tpb,Tpc,Tpdを入力されると、その時の
タイマ12の計時値のデータをラッチする。なお、後述
する信号処理回路2の第2実施形態の場合、音波到達タ
イミング信号としてTg信号56とTp2信号59′の
2種類が生成されるので、ラッチ回路15a〜15dも
2組設けられる。
【0031】この様にして座標検出に必要な音波到達タ
イミング信号Tpa,Tpb,Tpc,Tpdの全てが受信され
たことを判定回路14が判定すると、マイクロコンピュ
ータ11にその旨の信号を出力する。
【0032】それを受けてマイクロコンピュータ11
は、ラッチ回路15a〜15dの各々からラッチされた
計時値のデータを各々の音波センサ3a〜3dまでの音
波到達時間データとして読み取る。そして、その時間デ
ータに基づいて、入力ペン4の音波発生源43の位置、
すなわち座標入力点から各音波センサ3a〜3dまでの
距離(以下、ペン−センサ間距離という)を算出し、さ
らにそれから座標入力点の3次元座標を算出する。その
算出方法は後述する。
【0033】そして、算出した座標データをI/Oポー
ト16を介してディスプレイ駆動回路5に出力し、ディ
スプレイ6の表示画面上の座標入力点に対応する位置に
例えばドット等を表示させる。またI/Oポート16と
不図示のインターフェース回路を介して他の外部機器に
座標データを出力することもできる。
【0034】[信号処理回路2の第1実施形態(図5,
図6)]次に、信号処理回路2の構成とその信号処理動
作について2つの実施形態を説明する。また、前記の信
号処理による音波到達時間の検出とそれに基づくペン−
センサ間距離Lの算出方法についても合わせて説明す
る。
【0035】まず第1の実施形態を図5及び図6により
説明する。図5は、信号処理回路2において音波センサ
3a〜3dのそれぞれに対して1組ずつ全部で4組設け
られる回路構成の内の1組の回路構成を示すブロック図
である。なお、図5では音波センサ3a〜3dの全部を
代表する1つの音波センサを符号3で示してある。以下
の説明で各音波センサを区別する必要のない場合は符号
3で示す。また図6は音波発生源43の駆動信号と、到
達時間検出のために信号処理回路2で処理される各信号
の波形とタイミングを示すタイミングチャートである。
【0036】図6において、符号51は入力ペン4の駆
動回路44で発生した音波発生源43の駆動信号であ
る。前述のように、駆動回路44は、この駆動信号51
を発生すると同時にスタート信号を発生して発光素子4
6に出力する。そして光信号としてのスタート信号が演
算制御回路1のスタート信号検出回路17で受信される
とタイマ12が起動され計時をスタートする。
【0037】一方、駆動信号51により音波発生源43
が駆動されて音波を空中に放射する。その音波は、音波
発生源43と各音波センサ3の距離Lのそれぞれに応じ
た遅延時間(到達時間)の後に各音波センサ3で検出さ
れる。
【0038】各音波センサ3が音波を検出して出力する
音波検出信号は図5の構成における前置増幅回路60で
所定レベルまで増幅される。その音波検出信号を図6に
符号53で示してある。この音波検出信号53のエンベ
ロープ54と位相に関して図5の構成で別々に処理され
る。
【0039】まず、エンベロープ54については、絶対
値回路と低域通過フィルタ等から構成されるエンベロー
プ検出回路61で音波検出信号53からそのエンベロー
プ54に対応するエンベロープ信号が取り出される。
【0040】このエンベロープ54に着目すると、その
波形が伝播する音速は群速度Vgであり、このエンベロ
ープ54の波形上の特異点、例えばピークや変曲点を検
出すると、群速度Vgに関わる遅延時間(音波の到達時
間)Tgが得られる。ここでは、変曲点を検出するもの
として、エンベロープ54に対応したエンベロープ信号
が2階微分回路からなる特異点検出回路62に入力され
る。この回路62においてエンベロープ信号が2階微分
されて2階微分信号55が生成される。この信号55の
波形が最初に正側から負側へゼロレベルとクロスするゼ
ロクロス点がエンベロープ54(前記エンベロープ信号
の波形)の変曲点に対応する。
【0041】さらに2階微分信号55はゼロクロスコン
パレータからなるゲート信号生成回路63に入力され、
そこで2階微分信号55の前記ゼロクロス点(エンベロ
ープ54の変曲点の検出時点)から次のゼロクロス点ま
での間だけ有効となる信号56が生成される。なお、こ
の信号56の生成は、音波検出信号53の電圧レベルが
所定の閾値レベル52を上回る期間だけ有効となるゲー
ト信号(不図示のコンパレータにより生成される)の期
間内になされる。
【0042】このように生成された信号56を音波の群
速度による音波到達タイミング信号として用いて、前述
したスタート信号により起動して計時動作しているタイ
マ12の計時データを信号56の有効になる図6中で立
ち上がりのタイミングでラッチすれば、群速度Vgに関
わる群遅延時間Tgすなわち各音波センサ3への音波の
群速度Vgによる到達時間を検出することが可能であ
る。なお、厳密に言えば、この群遅延時間Tgには、図
6に示すように波形処理に関わる回路の遅延分が含まれ
るが、後述する方法により、その影響は完全に除去され
る。よって、ここでは説明を簡略化するために、回路遅
延時間は無いものとして説明する。
【0043】従って、音波発生源43と各音波センサ3
間の距離Lは次の(1)式で求めることができる。
【0044】L=Vg×Tg (1) しかしながら、群遅延時間Tgの距離Lに対する線形性
が良いとは云えないので、本実施形態では(1)式で距
離Lを求めることはせず、より高精度に距離Lの算出を
行なうために、音波検出信号53の波形の位相に関わる
処理で音波到達タイミング信号を生成して音波到達時間
を検出する。このため、信号56は上記の位相に関わる
信号処理のためのゲート信号として用いられる。
【0045】その位相に関わる信号処理では、まず図5
の構成で前置増幅回路60により増幅された音波検出信
号53が所定周波数帯域の成分のみを通過させる帯域通
過フィルタ64を介して余分な周波数成分を除かれた
後、ゲート信号生成回路65とTp信号生成回路66に
入力される。
【0046】ゲート信号生成回路65はコンパレータか
ら構成され、帯域通過フィルタ64からの入力信号の信
号レベルを所定の閾値レベル52と比較し、入力信号の
信号レベル52が閾値レベルを上回る期間だけ有効とな
るゲート信号57を発生する。
【0047】Tp信号生成回路66は、ゼロクロスコン
パレータとマルチバイブレータ等で構成され、まず帯域
通過フィルタ64からの入力信号をゲート信号57と比
較して信号58を生成する。その後、ゲート信号生成回
路63で生成されたゲート信号56の有効な期間内で、
信号58の例えば最初のゼロからのパルスの立ち上がり
を検出して、その検出時点で立ち上がる(有効になる)
所定パルス幅のTp信号59を生成する。なお、前記パ
ルスの立ち上がり時点は、ゲート信号56の有効な期間
内で、音波検出信号53から帯域通過フィルタ64によ
り余分な周波数成分を除去した信号の波形が最初に負側
から正側にゼロレベルとクロスするゼロクロス点に対応
する。ここではゲート信号56の有効な期間内で最初の
ゼロクロス点を検出するものとしたが、例えば2番目な
どの他の特定のゼロクロス点を検出してもよい。
【0048】このように各音波センサ3の音波検出信号
53を処理して生成されたTp信号59のそれぞれを音
波の位相速度による音波到達タイミング信号として、図
4の音波到達タイミング信号Tpa,Tpb,Tpc,Tpdと
して用いて、前述したスタート信号により起動して計時
動作しているタイマ12の計時値のデータをTp信号5
9のそれぞれのタイミングでラッチ回路15a〜15d
にラッチすれば、入力ペン4から各音波センサ3まで伝
わる音波の位相速度Vpに関わる位相遅延時間Tpすな
わち各音波センサ3への音波の位相速度Vpによる到達
時間を検出することが可能である。
【0049】なお、厳密にいえば、図6に示すように、
群遅延時間Tpにも波形処理に関わる回路の遅延分が含
まれるが、後述する方法により、その影響は完全に除去
される。よって、ここでは説明を簡略化するために、回
路遅延時間は無いものとして説明する。
【0050】従って、音波発生源43と各音波センサ3
間の距離Lは次の(2)式で求めることができる。
【0051】L=Vp×Tp (2) すなわち演算制御回路1のマイクロコンピュータ11が
この(2)式の計算を行なって距離Lを算出することが
できる。
【0052】さてここで、上記の信号処理においてゲー
ト信号56を用いる効果について説明する。
【0053】各音波センサ3が入力ペン4からの音波を
検出して出力する音波検出信号53の信号レベルは、次
の要因によって変動する。 (1)音波発生源43、音波センサ3の電気−械変換効
率 (2)音波発生源43と音波センサ3間の距離 (3)音波が伝播する空中の温度、湿度等の環境変動 (4)音波発生源43の音波放射に関する指向性、並び
に音波センサ3の感度指向性 要因(1)は、部品公差により発生する要因であり、装
置を大量生産する場合には十分な留意が必要である。ま
た要因(2)は音波の減衰に関する要因であり、音波発
生源43と音波センサ3間の距離が大きくなるにつれ
て、空気中を伝播する音波の信号レベルは指数関数的に
減衰することが一般的によく知られている。また、その
減衰定数も要因(3)による環境で変化する。さらに
は、入力ペン4は、操作者による手書き入力動作で常に
その姿勢が変化、つまりペン保持角度が変動するので、
その変動によっても要因(4)の音波放射の指向性によ
り大きく信号レベルが変化する。さらには、要因(4)
の音波センサ3の感度指向性により、入力ペン4と音波
センサ3の成す角度が変動しても、やはり信号レベルが
変動する。
【0054】つまり、たとえ同一の入力点で座標入力動
作を行っても、例えば入力ペン4の保持角度(向き)が
異なれば、音波検出信号53のレベルが異なることにな
るが、前述した閾値レベル52が固定されているため、
ゲート信号57の発生する期間が変化することになる。
これにより、ここで例えば音波検出信号の信号レベルが
より小さくなったと仮定した場合には、ゲート信号57
の発生期間が短くなることにより、図6に示すように信
号58が信号58′のように変化することは十分に有り
得る。
【0055】しかしながら、本実施形態では音波検出信
号53のエンベロープ54の波形の特異点(変曲点)の
検出に基づいて生成されるゲート信号56の有効な期間
内でTp信号59を生成しているので、音波検出信号5
3の信号レベルに依存することなく、安定して音波到達
タイミング信号としてのTp信号59を得ることが可能
である。
【0056】[信号処理回路2の第2実施形態(図7,
図8)]次に、信号処理回路2とその信号処理の第2の
実施形態を図7及び図8により説明する。なお、図7及
び図8中で第1の実施形態の図5及び図6中と共通ない
し対応する部分には共通の符号を付してあり、共通部分
の詳細な説明は省略する。
【0057】図7に示す信号処理回路2の音波センサ3
の1個分の構成では、前置増幅回路60、エンベロープ
検出回路61、特異点検出回路62は第1の実施形態と
共通であり、第1の実施形態と全く同様に、音波センサ
3の出力する音波検出信号53が回路60で増幅された
後、回路61によりエンベロープ54に対応するエンベ
ロープ信号が取り出され、さらに回路62によりエンベ
ロープ信号を2階微分した2階微分信号55が生成され
る。
【0058】2階微分信号55は、Tg信号生成回路6
3′に入力される。この回路63′自体は第1の実施形
態のゲート信号生成回路63と同じであり、全く同様に
2階微分信号55の最初の正側から負側へのゼロクロス
点からマイナスのレベルの間だけ有効となる信号56を
生成する。しかし、本実施形態では、この信号56を第
1の実施形態のように位相に関わる信号処理のために用
いず、入力ペン4から音波センサ3への音波の群速度V
gに関わる群遅延時間Tgを検出するための音波到達タ
イミング信号としてのTg信号として用い、これを演算
制御回路1に入力する。
【0059】そして、前述したスタート信号により起動
して計時動作しているタイマ12の計時データを各音波
センサ3の音波検出信号53から生成したTg信号56
のそれぞれのタイミングでラッチすれば、群速度Vgに
関わる群遅延時間Tgすなわち各音波センサ3への音波
の群速度Vgによる到達時間を検出することが可能であ
る。
【0060】一方、帯域通過フィルタ64は第1の実施
形態と共通であり、全く同様に音波検出信号53から余
分な周波数成分を取り除いてTp信号生成回路66′に
入力する。また、ゲート信号生成回路65も共通であ
り、第1の実施形態と同じゲート信号57を生成してT
p信号生成回路66′に入力する。
【0061】Tp信号生成回路66′は、第1の実施形
態のTp信号生成回路66と同様にゼロクロスコンパレ
ータとマルチバイブレータ等で構成されるが、動作は異
なる。すなわち、同様に、帯域通過フィルタ64からの
入力信号をゲート信号57と比較して信号58を生成す
るが、その後、信号58の例えば最初のゼロからのパル
スの立ち上がりを検出して、その検出時点で立ち上がる
所定パルス幅のTp2信号59′を生成する。前記パル
スの立ち上がり時点は、ゲート信号57の有効な期間内
で、音波検出信号53から帯域通過フィルタ64により
余分な周波数成分を除去した信号の波形が最初に負側か
ら正側にゼロレベルとクロスするゼロクロス点に対応す
る。ここでは最初のゼロクロス点を検出するものとした
が、例えば2番目などの他の特定のゼロクロス点を検出
してもよい。
【0062】このように生成したTp2信号59′を音
波の位相速度による音波到達タイミング信号として演算
制御回路1に入力する。そして、前述したスタート信号
により起動して計時動作しているタイマ12の計時デー
タを各音波センサ3の音波検出信号53から生成したT
p2信号59′のそれぞれのタイミングでラッチすれ
ば、位相速度Vpに関わる位相遅延時間Tp2すなわち
各音波センサ3への音波の位相速度Vpによる到達時間
を検出することが可能である。
【0063】ところで、このTp2信号59′は、音波
検出信号53の信号レベルによって変化する。例えば、
その信号レベルが低下した場合には、閾値レベル52が
固定されているため、ゲート信号57の発生時点が変化
し、信号58が58′のように変化して、Tp2信号5
9′の発生時点も変化する(遅れる)。
【0064】しかしながら、Tp2信号59′と第1の
実施形態で求められたTp信号59の時間差は、音波検
出信号53の位相周期の整数倍であって、必ず次の式
(3)の関係が成立する。
【0065】 Tp=Tp2+n×T (3) ここでnは整数、Tは音波検出信号53の位相周期であ
って既知の値である。式(3)を式(2)に代入し、式
(1)を用いれば、 n=Int[(Vg×Tg−Vp×Tp2)/λp+0.5] (4) ここでλpは音波の波長であって、位相速度Vpと周期
Tの積に等しい。よって整数nが既知となり、式
(2)、式(3)を用いて距離Lの算出が高精度に可能
となる。すなわち、演算制御回路1のマイクロコンピュ
ータ11がその演算を行なうことにより距離Lを高精度
に算出できる。
【0066】なお、図6と図8に示される信号56と信
号58の時間差Δが存在するが、空中を伝播する音波の
群速度Vgと位相速度Vpが等しいため、この時間差Δ
は固定量となる。従って、後述する回路遅延と同様の方
法で、その影響は完全に除去できるので、以上ではΔ=
0として説明している。
【0067】以上の第2の実施形態によれば、第1の実
施形態と同様に、音波検出信号53の波形の位相情報に
基づいて入力ペン4から音波センサ3までの音波到達時
間を検出しているので、音波到達時間を高精度に検出で
き、それに基づいて入力ペン4の位置(座標入力点)と
音波センサ3の距離Lを高精度に算出することができ
る。
【0068】また、位相遅延時間Tp2の検出時点が第
1の実施形態の位相遅延時間Tpの検出時点に比べて、
音波検出信号53のより先頭に近い部分に位置すること
になるので、入力ペン4からの音波の反射波による影響
をより軽微なものにすることができる。
【0069】つまり、図14に示すように、入力ペン4
の音波発生源43から空中に放射された音波は、反射面
(ここでは座標入力面とディスプレイの表示面を構成す
るスクリーン6aの表面)が存在すると、振動発生源4
3から直接、音波センサ3に到達する直接波と、反射面
を経由して到達する反射波が、直接波と反射波の経路の
差分だけ時間的にずれて、重畳して検出されることにな
る。この反射波の影響を受けない構成とするためには、
音波検出信号53において反射波の成分が重畳していな
い先頭により近い部分に、群遅延時間Tgおよび位相遅
延時間Tpの検出点を設けるのが好ましい。
【0070】よって本実施形態においては、群遅延時間
Tgの検出点を特定するために、エンベロープ53の1
階微分で検出されるピークでなく、2階微分で検出され
るより前方に位置する変曲点を検出点としているし、位
相遅延時間Tp2の検出点もより前方に位置しているの
で、前述した反射波の影響を受けにくく、より高精度に
音波到達時間の検出を行なえ、距離Lの算出さらには入
力点の座標算出をより高精度に行なえる。
【0071】さらに本実施形態の群遅延時間Tgは、先
に述べた整数nを算出するための式(4)の演算にのみ
使用され、しかも式(4)で演算上、整数化(四捨五入
相当)を実行することになるので、例えば反射波の影響
による群遅延時間Tgの誤差が検波する信号波形の位相
の半周期以内(長さに換算して、半波長以内)であれ
ば、結果に影響することが無い。従って、本実施形態
は、より反射波の影響を除去することができると言え
る。
【0072】ただし、群遅延時間Tg、位相遅延時間T
p2の両者を検出しなければならない本実施形態に比
べ、第1の実施形態は位相遅延時間Tpのみ検出すれば
よいので、コスト的には有利な構成となっている。従っ
て、どちらの実施形態を採用するかは、目的とする製品
形態の仕様によって選択する。
【0073】[回路遅延時間の除去処理の説明]上述し
た、信号処理回路2とその信号処理の2つの実施形態に
おける信号処理による音波到達タイミング信号(59、
ないしは56と59´)に基づいて演算制御回路1で計
時される音波到達時間には、音波発生源43から各音波
センサ3まで音波が実際に到達する時間に加えて、信号
処理回路2及び演算制御回路1での信号処理における遅
延時間も含まれる。この余分に計測される遅延時間を除
去する方法について以下に説明しておく。
【0074】実際に計時された群遅延時間Tgもしくは
位相遅延時間Tpには、それぞれ群回路遅延時間etg
と位相回路遅延時間etpを含む。この回路遅延時間
は、時間計測毎に同一の値を必ず含む。そこで、ある計
測回路によって、音波発生源43と音波センサ3間を伝
播する際に計測された時間をt*、その計測回路におけ
る回路遅延時間をe、実際に音波が音波発生源43と音
波センサ3間を伝播したのに要した時間をtとすれば、 t*=t+e ---(5) 一方、音波発生源43と音波センサ3間の距離が既知の
距離Liniにおける時間計測値をtini*とし、その計測
回路における回路遅延時間をe、実際に音波が伝播した
時間をtiniとすれば、 tini*=tini+e ---(6) よって、 t*−tini*=t−tini ---(7) 今、音波の音速をVとすれば、 よって、求めるべき任意の音波発生源43と音波センサ
3間の距離Lは L=V×t =V×(t*−tini*)+Lini ---(9) 上記、既知の距離Lini、及びその距離における時間計
測値tini*(第1実施形態においては位相遅延時間Tp
ini*、第2実施形態においては群遅延時間Tgini*と位
相遅延時間Tp2ini*)を、出荷時等に不揮発性メモリ
等に記憶することによって、任意の距離における音波発
生源43と音波センサ3間の距離を精度良く算出するこ
とが可能となる。
【0075】また前述したように、図6と図8に示され
る信号56と信号58の時間差Δについても固定量であ
るので、上記の方法によりその影響を除去することが可
能である。
【0076】[座標算出方法の説明(図9)]次に、座
標入力点、すなわち入力ペン4の音波発生源43の位置
の3次元座標(x,y,z)の算出方法について図9に
より説明する。
【0077】図9に示すように、周囲の4方に音波セン
サ3a〜3dが配置されたディスプレイ6のスクリーン
6aの表面、すなわち表示面かつ座標入力面をX軸とY
軸が直交して通るXY平面とし、スクリーン6aの表面
に垂直でX軸とY軸に直交する軸をZ軸とする。
【0078】この3次元座標系において、上述した方法
により求められた入力ペン4の振動発生源43と各音波
センサ3a,3b,3c,3dの距離を各々La,L
b,Lc,Ld、X軸方向の音波センサどうしの距離を
Xs-s、Y軸方向の音波センサどうしの距離をYs-sとす
れば、
【0079】
【数1】 である。同様にして、
【0080】
【数2】 である。したがって、上記の式(11),(12),
(13)の演算を演算制御回路1のマイクロコンピュー
タ11が行なうことにより、入力ペン4の音波発生源4
3の位置の3次元座標(x,y,z)を算出することが
できる。
【0081】ところで、上記の式(11),(12),
(13)からわかるように、振動発生源43と3個の音
波センサとの距離(ここではLa,Lb,Lc)が測定
できれば、音波発生源43の位置の3次元座標を求める
ことが可能となる。
【0082】これに対して、本実施形態では、音波セン
サを4個用いているので、例えば、音波発生源43から
の距離が最も遠い音波センサの距離情報を使わず(この
場合、そのセンサの音波検出信号は、距離が遠いために
信号レベルが最も低くなっている)、残り3個の距離情
報のみで、座標を算出することで、信頼性の高い座標算
出が可能になる。
【0083】また、この距離が遠いセンサの情報を活用
することで、出力された座標値の信頼性が高いものか判
定することも可能である。具体的方法としては、3個の
距離情報の組み合わせを変更して演算すると、例えば、
距離情報La,Lb,Lcで算出された座標値と、距離
情報Lb,Lc,Ldで算出された座標値は同一なはず
であり、両者が一致しない場合には、いずれかの距離情
報が不正、つまり誤検出したことになるので、その場合
には、座標値を出力しないという方法により信頼性を向
上させる構成も実施可能である。
【0084】[動作モードの説明(図10〜図13)]
次に、本実施形態の座標入力装置の動作モードについて
図10〜図13により説明する。本実施形態では、図1
0の表に示すように、入力ペン4のペン先スイッチ41
とペンサイドスイッチ42a,42bのオン、オフに応
じて、音波発生源43の駆動モードが後述する第1また
は第2の駆動モードに切り換えられ、それにより入力ペ
ン4で筆記入力がなされるペンダウン状態と、カーソル
移動などがなされるペンアップ状態に切り換えられる。
【0085】また、入力ペン4による入力動作のモード
として、入力ペン4を座標入力面としてのスクリーン6
aの表面に直接に接触させて筆記入力などを行なう直接
入力モードと、入力ペン4をスクリーン6aに接触させ
ずに、スクリーン6aからZ軸方向に第1の所定距離、
例えば300mm以内のスペース内で座標入力を行なう
近接入力モードと、スクリーン6aからZ軸方向に前記
第1の所定距離よりも大きな第2の所定距離、例えば1
000mm以上離れたスペースで座標入力を行なう遠隔
入力モードに分けられる。
【0086】そして、算出した座標値のデータを出力す
る出力座標モードが直接入力モードと近接入力モードで
は絶対座標モード、遠隔入力モードでは相対座標モード
に切り換えられる。絶対座標モードでは、1回のサンプ
リング毎に算出した3次元座標(x,y,z)の内のx
座標とy座標の値のデータをそのまま絶対座標データと
して出力する。相対座標モードでは、1回のサンプリン
グ毎に、そのサンプリングで算出したx,y座標の算出
値と、前回のサンプリングで算出したx,y座標の算出
値との差分の値Δx,Δyを求め、そのデータを相対座
標データとして出力する。
【0087】まず、各スイッチ41,42a,42bに
より切り換えられる動作モードの詳細について説明す
る。
【0088】図10の表に示すように、ペン先スイッチ
41とペンサイドスイッチ42a,42bのオン、オフ
に応じて、音波発生源43が第1の駆動モードまたは第
2の駆動モードで駆動される。第1の駆動モードでは、
図12のタイミングチャートに示す音波発生源43の駆
動信号402の周期、すなわちこの信号を生成するため
の駆動タイミング信号401の周期であって座標入力の
サンプリング周期が例えば50回/秒とされ、第2の駆
動モードでは、これと異なる周期例えば40回/秒とさ
れる。
【0089】そして、座標入力装置の本体側では各音波
センサ3が検出する音波の周期、すなわち音波発生源4
3の駆動周期であるサンプリング周期の相違により、マ
イクロコンピュータ11が音波発生源43の駆動モード
を判別し、第1の駆動モードでは、入力ペン4の動作モ
ードがそれによる座標入力動作で文字などの筆記入力を
行なえるペンダウン状態であると認識して、そのための
座標入力処理を行なう。また、第2の駆動モードでは、
入力ペン4による座標入力動作によりディスプレイ6の
表示画面上でカーソルの移動などを行なえるペンアップ
状態であると認識して、そのための座標入力処理を行な
う。
【0090】なお、筆記入力を行なうペンダウン状態で
は、カーソル移動などの入力を行なうペンアップ状態に
おけるよりも詳細な座標データを入力することが好まし
い(筆跡をより忠実に再現するため)ので、ペンダウン
状態(第1の駆動モード)のサンプリング周期をペンア
ップ状態(第2の駆動モード)より短く設定している。
【0091】このような音波発生源43の駆動モードの
切り換えの制御は、入力ペン4の駆動回路44を構成す
る制御回路により図11のフローチャートに示す手順で
行なわれる。すなわち、ステップS201で制御の処理
をスタートした後、ステップS202,S203,S2
04,S205で順次ペン先スイッチ41、ペンサイド
スイッチ42a,42bがオンか否か判定し、ペン先ス
イッチ41がオンされている場合、及びペンサイドスイ
ッチ42a,42bが共にオンされている場合はステッ
プS207で音波発生源43を第1の駆動モードで駆動
し、ペンダウン状態とする。また、ペンサイドスイッチ
42a,42bのいずれか一方のみがオンされている場
合はステップS206で音波発生源43を第2の駆動モ
ードで駆動し、ペンアップ状態とする。そしてステップ
S208で処理を終了する。また、各スイッチ41,4
2a,42bがいずれもオンされていなければそのまま
処理を終了する。
【0092】このような制御により、実際の入力ペン4
の操作に応じた動作は以下のようになる。
【0093】すなわち、まず操作者が入力ペン4を握っ
て座標入力面(この場合、図9に示す様に、XY平面
(z=0)が設定されたスクリーン6aの表面)の所望
の座標入力点を押圧すると、ペン先スイッチ41がオン
する。この場合、駆動回路44により音波発生源43が
第1の駆動モードで例えば50回/秒の周期で駆動さ
れ、その周期で音波が空中に放射される。
【0094】そして、座標入力装置本体側で入力ペン4
の動作モードはペンダウン状態と認識され、操作者は座
標入力面を入力ペン4でなぞることによって文字などの
筆記入力を行なうことができる。なお、出力座標モード
は絶対座標モードとされ、算出された座標入力点(音波
発生源43の位置)の3次元座標x,y,z(z=0)
の内のx座標とy座標の値のデータがそのまま出力さ
れ、それにより筆記入力がなされる。
【0095】一方、ペン先スイッチ41がオフ状態の場
合は、少なくとも操作者によるXY平面(z=0)内で
の座標入力が行われていない状態を意味する。その場合
であっても、入力ペン4の操作により、スクリーン6a
上に表示されているカーソルを移動する等の動作を行え
ることが好ましい。そのため、ペンサイドスイッチ42
a,42bのいずれか一方のみを押圧してオンすること
で、音波発生源43が第2の駆動モードで例えば40回
/秒の周期で駆動され、その周期で音波が空中に放射さ
れ、装置本体側でペンアップ状態と認識される。そして
ペンアップ状態で、入力ペン4の動きに伴う座標入力に
よってカーソルを移動するなどの動作を行なうことがで
きる。
【0096】また、入力ペン4が座標入力面から離れて
いても(z>0)、筆記入力を行ないたい場合には、ペ
ンサイドスイッチ42a,42bの両方を押圧してオン
することにより、音波発生源43が第1の駆動モードで
駆動されてペンダウン状態となり、筆記入力が可能とな
る。
【0097】なお、図3に示すように、ペンサイドスイ
ッチ42a,42bは、入力ペン4の側面において周方
向に約90度の角度をなすようにして隣接して配置され
ている。これにより、操作者が入力ペン4を握ったとき
に、操作者の右利き、左利きに関係なく、そのペンサイ
ドスイッチ42a,42bの一方に親指、他方に人差し
指を自然に触れられるようになっている。そして、ペン
サイドスイッチ42a,42bのいずれの一方のみをオ
ンしても同一の動作モード(第2の駆動モード、ペンア
ップ状態)に切り換えられるので、操作者の利き腕に関
係なく動作モードの切り換え操作を簡単に行なえ、使い
勝手がよい。
【0098】また、ペンサイドスイッチを1つで2段階
に切り換えられるものとしてもよい。つまり、軽く押圧
した場合に1段階目の切り換えがなされ(ペンアップ状
態)、さらに強く押圧することで2段階目の切り換えが
なされる(ペンダウン状態)構成であって、この場合も
利き腕に関係なく、使い勝手の良い入力ペン4を実現す
ることが可能となる。
【0099】ところで、以上では、音波発生源43の第
1と第2の駆動モードで、その駆動信号の周期(サンプ
リング周期)を異ならせるものとしたが、その周期は同
じとして駆動信号の変調形態を異なるものとし、例えば
第1の駆動モードでは駆動信号を図12中で符号402
で示す波形、第2の駆動モードでは符号406で示す波
形に変調するものとしてもよい。ここでは駆動信号40
6は駆動信号402のパルスを周期Ptで2回発生する
ものとしている。
【0100】これにより、装置本体側の各音波センサ3
の音波検出信号は第1の駆動モードでは信号403、第
2の駆動モードでは信号407となり、例えばピークホ
ールド回路を用いて音波検出信号403ないし407の
エンベロープ404ないし408のピークを検出し、ピ
ーク検出信号405ないし409を生成することによ
り、第1と第2の駆動モードを判別することができる。
【0101】また、音波発生源43の第1と第2の駆動
モードによって、その駆動信号を402或いは420の
様にパルス幅を異なるものとして、放射する音波の周波
数を変更してもよい。これにより音波センサ3の音波検
出信号が403あるいは421のように周波数が異なる
ものとなり、それをゼロレベルとコンパレートした信号
(一方の信号422のみ図示)のパルスの周期Tを検出
することで、第1と第2の駆動モードを区別することも
可能である。
【0102】さらには、第1と第2の駆動モードで、発
光素子46から送信(発光)するスタート信号としての
光信号の変調形態を異なるものとして、演算制御回路1
内のスタート信号検出回路17で光信号を検波して第1
と第2の駆動モードを区別しても良い。
【0103】ただし、2番目に説明した駆動信号を40
2或いは406のように変調する方法は図14に示した
反射波の影響を受ける。すなわち、音波発生源43の駆
動信号が第1の駆動モードの駆動信号402であって
も、反射波の影響により、音波センサ3の音波検出信号
の波形が第2の駆動モードに対応した音波検出信号40
7のような波形になることが有る。つまり、音波センサ
3には最初に直接波が到達し、続いて直接波と反射波の
経路差に応じて反射波が到達することになるが、直接波
と反射波の経路差がちょうど波長の整数倍の時、両者の
信号が重畳され、音波検出信号の波形に信号407のよ
うに第1と第2のピークが形成される場合がある。
【0104】従って、この場合には、第1の駆動モード
だが反射波の影響で音波検出信号407が形成されたの
か、第2の駆動モードで駆動信号を信号406にしたた
めに音波検出信号407が得られたのかを区別すること
ができない。これを区別するためには、例えば、ピーク
検出信号409のパルスの周期Ptを監視するととも
に、各音波センサ3a〜3dで検出される直接波と反射
波の経路差が全て異なるため、全センサの信号を比べて
判定するなどの処理を必要とする。
【0105】この様な反射波の影響を考慮すると、第1
と第2の駆動モードで駆動信号を402または406の
様に変調するよりも、駆動周波数を異ならせる(信号4
02と422)方法が優れ、さらには最初に述べた駆動
周期、すなわちサンプリング周期を変更する方法は、反
射波の影響を全く無視できる優れた方法であると言え
る。
【0106】次に、出力座標モードについて説明する。
【0107】上述のように、ペンサイドスイッチ42
a,42bを操作することで、入力ペン4が座標入力面
としてのスクリーン6aの表面から離れていても、座標
を入力して、カーソルを移動したり(ペンアップ状
態)、あるいは筆記入力したり(ペンダウン状態)する
ことができる。この様な場合(入力ペン4がスクリーン
6aの表面に接触しておらず、ペン先スイッチ41がオ
フしている状態)において、スクリーン6aの比較的近
傍で入力ペン4で座標入力動作をする場合(以後、近接
入力と言う)と、スクリーン6aからかなり離れたとこ
ろで座標入力動作をする場合(以後、遠隔入力と言う)
とでは操作上、要求される仕様が異なる。
【0108】まず、近接入力の場合、ディスプレイ6の
表示面を構成するスクリーン6aと入力ペン4のZ軸方
向の距離は比較的小さな値であり、入力ペン4を移動す
ることで、例えばスクリーン6aに表示されているカー
ソルを直感的に、しかもダイレクトに所望の位置に移動
することが可能である。もちろん、所望の位置に対する
実際のカーソルの位置ずれは、直接にスクリーン6aの
表面に入力する場合(ペン先スイッチ41がオン状態)
に比べ大きくなるが、十分実用の範囲内と言うことがで
きる。
【0109】しかしながら、遠隔入力の場合は、そのず
れ量が大きくなることは明らかであり、例えば表示され
ているカーソルを所望の位置に移動させるためには、ま
ず操作者は直感的に座標を入力することになるが、所望
の位置からのずれ量は大きく、そのずれ量を視認しなが
ら、入力ペン4を徐々に移動して、カーソル位置を徐々
に所望の位置に移動していくことになる。言い換えれ
ば、直感によりまず所望位置に入力ペン4を位置させ、
その応答(例えばカーソルの表示位置)を視認すること
で、人間の脳が手に位置修正動作を指示し、その動作に
伴ってカーソルを徐々に移動させ所望位置にカーソルを
移動させる、つまり操作者による視覚情報に基づき操作
者の脳が補正動作を行うループを繰り返して、目的を達
成することになる。
【0110】この様に、ディスプレイに表示されている
画像情報(XY平面上に座標系を有する画像情報)に対
して、何らかの遠隔入力操作を行おうとする場合、操作
者が一連の座標入力を行おうとする際の最初の1点目の
座標値と前述の画像情報の座標値は、一致させることが
できない。このことは、例えばOHP等により表示され
ている表示画像上の任意の点を指示する道具としてレー
ザポインタが普及しているが、やはりレーザ発光時の最
初の1点目は、どこを指示するか解らず、指示されたポ
イント位置を見ながら、位置修正動作をして所望の位置
にレーザを照射することができる様になることを考えれ
ば明らかである。
【0111】さて、このレーザポインタを使った通常の
プレゼン、打ち合わせ等を想定すれば、操作者が直接所
望の位置を指示することが困難である事に加え、聞き手
からすれば、レーザポインタの指示位置が不連続に、し
かも突然移動するので、その指示位置を探す(ポインタ
が照射されていない場合でも探してしまう)ことに気を
とられ、発表内容の理解を手助けする道具としては十分
な仕様とはなっていない。
【0112】一方、指示棒は所望の位置を指示する古典
的な道具と言えるが、聞き手からすれば、操作者による
指示棒の動作が視覚的に予測でき、レーザポインタによ
る指示手段よりも、発表内容に集中できると言う点で
は、良い道具と言える。ただし、指示棒の長さには限度
が有るので、操作範囲が限られる点が欠点である。
【0113】このような問題を解決するために、本実施
形態の座標入力装置では、前述のように入力ペン4によ
る入力動作のモードを直接入力モード、近接入力モー
ド、遠隔入力モードに区別し、出力座標モードを直接入
力モードと近接入力モードでは絶対座標モードとし、遠
隔入力モードでは相対座標モードとする。
【0114】この出力座標モードの切り換えは、演算制
御回路1のマイクロコンピュータ11により、図13の
フローチャートに示す制御手順で以下のようになされ
る。
【0115】すなわち、まずステップS301で処理を
開始するが、ここで、遠隔入力モードで前述したサンプ
リング周期、例えば50回/秒ないし40回/秒で連続
して座標入力動作がなされているかどうかを示すフラグ
が0(連続して座標入力動作がなされていないことを示
す)に初期化される。
【0116】次に、ステップS302において、上記の
サンプリング周期(2つある場合は長いほうの周期)の
期間内に、座標算出に必要で有効な信号、すなわち有効
なスタート信号と、各音波センサ3の音波検出信号から
生成された有効な音波到達タイミング信号を受信したか
判定し、受信していなければステップS312で上記フ
ラグを0にリセットした後、処理を終了する(ステップ
S313)。
【0117】一方、ステップS302で有効な信号を受
信した場合には、ステップS303でペンダウン状態か
ペンアップ状態かを判定する。すなわち先述した音波発
生源43の駆動モードが第1と第2の駆動モードのいず
れであるか判定する。この判定は、先述のように、駆動
モードにより異なる駆動信号の周期、周波数あるいは変
調形態、あるいはスタート信号の変調形態などを検出し
て行なう。
【0118】次に、ステップS304において、そのと
きにラッチ回路15a〜15dにラッチされている各音
波センサ3a〜3dへの音波到達時間のデータに基づい
て音波発生源43の位置の3次元座標(x,y,z)の
値を前述した演算方法で算出する。
【0119】次に、ステップS305で上記フラグが1
にセットされているか否か判定し、1の場合、すなわち
いま遠隔入力モードで座標入力動作が連続してなされて
いる場合はステップS311に進むが、そうでない場合
はステップS306に進む。
【0120】ステップS306では、ステップS304
で算出した座標値の内のZ座標の値が第1の所定値、例
えば300mm以下か否か判定し、その所定値以下であ
れば近接入力モードであるものと認識して、ステップS
307に進み、出力座標モードを絶対座標モードとし
て、ステップS304で算出した3次元座標(x,y,
z)の内のx座標とy座標のデータをそのまま出力し、
その後、処理を終了する。ここでz座標のデータも出力
するようにしてもよい。なお、直接入力モードではペン
先スイッチ41がオンすることによりz=0が検出され
るので、このときもx座標とy座標のデータをそのまま
出力するようにする。
【0121】一方、ステップS306でz座標値が第1
の所定値以下でないと判定した場合には、ステップS3
08でz座標値が第2の所定値、例えば1000mm以
上であるか否か判定し、その所定値以上でない場合は処
理を終了するが、その所定値以上の場合にはステップS
309に進む。
【0122】ステップS309では、遠隔入力モードと
判断し、ステップS304で算出した3次元座標(x,
y,z)の内のx座標とy座標の値のデータを座標値
( X1st,Y1st )としてメモリに格納する。その後、
ステップS310で上記フラグを1にセットした後、ス
テップS302に戻りステップS302以下の処理を繰
り返す。
【0123】ここで前述と同様にステップS302で有
効信号の検出、ステップS303でペンアップ、ダウン
状態の判定、ステップS304で3次元座標(x,y,
z)の算出を行ない、ステップS305でフラグが1か
否かの判定を行うが、ステップS310からの繰り返し
の場合は、ステップS305でフラグが1となる。この
場合、遠隔入力モードであって座標入力動作が連続して
なされていると認識して、ステップS311に進む。
【0124】ステップS311では、ステップS304
で算出した3次元座標値、すなわち今回のサンプリング
で得た3次元座標値の内のx座標値およびy座標値と、
ステップS309でメモリに格納しておいた前回のサン
プリングで得たx座標値のX1stおよびy座標値のY1
stとの差分(Δx,Δy)を算出して出力する。なお、
ここで今回のサンプリングで得た3次元座標値の内のx
座標値およびy座標値のデータをあらためてx座標値X
1st,y座標値Y1stのデータとしてメモリに格納して
おく。その後、ステップS302に戻り、ステップS3
02以下の処理を繰り返す。
【0125】なお、ステップS307の後と、ステップ
S308の判定でNoの場合、およびステップS312
の後は処理を終了するが、その後、この処理を再びスタ
ートする。ステップS308の判定でNoの場合と、ス
テップS312の後の場合は、適当な時間を置いて再ス
タートすればよいが、ステップS307の後の場合は直
ちに再スタートする必要がある。
【0126】以上のような処理により、直接入力と近接
入力では絶対座標(x,y)を出力し、遠隔入力では相
対座標(Δx,Δy)を出力することができる。これに
より、操作者は、遠隔入力の際に、現在位置するカーソ
ルの位置から、スムーズに所望の位置にカーソルを移動
することが可能となり、しかも、その座標入力が連続し
て行われている一連の間は、カーソルのX方向の移動
量、Y方向の移動量は、入力ペン4の両方向の移動量と
1対1に絶対的に対応しているので、遠隔操作であって
も、文字を入力したりすることも可能となる。
【0127】ところで、以上では算出した3次元座標の
内の1軸(以上ではZ軸)の座標情報に応じて、残り2
軸(以上ではX軸とY軸)の座標情報の出力形態を異な
らせるようにしたが、1軸(例えばZ軸)の座標情報に
応じて、例えばマウスボタンのクリックと同様のスイッ
チ動作を行なわせることもできる。例えば、フラグによ
って判定できる連続的な座標入力動作において、入力ペ
ン4を任意の位置からZ軸方向に急速に移動させた後、
元の位置に急速に戻す動作をした場合、マウスのクリッ
クと同等の操作をしたと判定する。その動作を2回続け
てすれば、ダブルクリックがなされたと判定する。
【0128】このようなスイッチ動作の判定は、座標入
力装置が算出する3次元座標の内のz座標値の急激な変
化で行われ、このスイッチ動作で例えば表示画面の遠隔
操作などを行なうことができる。このスイッチ動作の方
法と、前述した出力座標モードの切り換え方法と併用す
ることも可能である。
【0129】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、空中音波方式で3次元座標の算出が可能な座
標入力装置において、座標入力点を指示する座標入力点
指示手段の音波発生源からの音波を検出する音波検出手
段の音波検出信号を処理して音波到達タイミング信号を
生成する回路の構成を工夫することにより、音波検出手
段の音波検出信号のレベル変動の影響ないしは座標入力
面などからの音波の反射波の影響を排除ないしは低減し
て、安定して高精度に座標算出を行なうことができる。
さらに、空中音波方式のため、装置を安価に構成するこ
とができ、また表示装置の表示面を座標入力面として表
示装置と一体化される場合に表示面の画質を劣化させる
ことがないなどの優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における座標入力装置とディ
スプレイからなる情報入出力装置の全体の概略構成を示
すブロック図である。
【図2】同装置の入力ペンの構成を示す構成図である。
【図3】同装置の入力ペンの外観を示す側面図および背
面図である。
【図4】同装置の演算制御回路の構成を示すブロック図
である。
【図5】同装置の音波検出信号を処理する信号処理回路
の第1実施形態の音波センサ1個分の構成を示すブロッ
ク図である。
【図6】同装置の入力ペンの音波発生源の駆動信号と、
第1実施形態の信号処理回路で処理される各信号の波形
とタイミングを示すタイミングチャートである。
【図7】同装置の信号処理回路の第2実施形態の音波セ
ンサ1個分の構成を示すブロック図である。
【図8】同装置の入力ペンの音波発生源の駆動信号と、
第2実施形態の信号処理回路で処理される各信号の波形
とタイミングを示すタイミングチャートである。
【図9】同装置で座標入力を行なう3次元座標系を示す
説明図である。
【図10】同装置の各種モードと、入力ペンの各スイッ
チのオン、オフ及びz座標の算出値の対応関係を示す表
図である。
【図11】入力ペンの各スイッチのオン、オフに応じた
音波発生源の駆動モードの切り換えの処理手順を示すフ
ローチャート図である。
【図12】駆動モードにより音波発生源の駆動信号の変
調形態や周波数を変更する様子を示すタイミングチャー
ト図である。
【図13】出力座標モードの切り換えに関わる演算制御
回路のマイクロコンピュータの制御手順を示すフローチ
ャート図である。
【図14】空中音波方式の座標入力装置で入力ペンから
の音波の反射波の影響を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 演算制御回路 2 信号処理回路 3,3a〜3d 音波センサ 4 座標入力ペン 5 ディスプレイ駆動回路 6 ディスプレイ 6a 表面が表示面かつ座標入力面となるスクリーン 11 マイクロコンピュータ 12 タイマ 15a〜15d ラッチ回路 41 ペン先スイッチ 42a,42b ペンサイドスイッチ 43 音波発生源 44 駆動回路 60 前置増幅回路 61 エンベロープ検出回路 62 特異点検出回路 63 ゲート信号生成回路 63′Tg信号生成回路 64 帯域通過フィルタ 65 ゲート信号生成回路 66,66′Tp信号生成回路
フロントページの続き (72)発明者 佐藤 肇 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5B068 AA05 AA15 AA22 BB21 BC03 BD02 BD09 BD11 BD21 BD25 BE06 CC11 EE06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音波発生手段を備えた座標入力点指示手
    段により座標入力点が指示されたときに前記音波発生手
    段から空中に発せられた音波を異なる複数の位置に配置
    された複数の音波検出手段により検出し、前記複数の音
    波検出手段への前記音波の到達タイミングに基づいて前
    記座標入力点の3次元座標を算出する座標入力装置にお
    いて、 前記音波発生手段が出力する音波検出信号から該信号の
    エンベロープに対応するエンベロープ信号を取り出すエ
    ンベロープ検出回路と、 前記エンベロープ信号の波形の特異点を検出する特異点
    検出回路と、 該特異点検出回路の出力信号から前記特異点の検出時点
    で有効になるゲート信号を生成するゲート信号生成回路
    と、 前記音波検出信号の所定周波数帯域の成分のみを通過さ
    せる帯域通過フィルタと、 前記ゲート信号が有効な間で、前記帯域通過フィルタの
    出力信号の特定のゼロクロス点を検出して、その検出時
    点で有効になる音波到達タイミング信号を生成するタイ
    ミング信号生成回路を有し、 前記音波到達タイミング信号を前記音波の位相速度によ
    る音波到達タイミング信号として、この信号による音波
    到達タイミングに基づいて前記座標入力点の3次元座標
    を算出することを特徴とする座標入力装置。
  2. 【請求項2】 音波発生手段を備えた座標入力点指示手
    段により座標入力点が指示されたときに前記音波発生手
    段から空中に発せられた音波を異なる複数の位置に配置
    された複数の音波検出手段により検出し、前記複数の音
    波検出手段への前記音波の到達タイミングに基づいて前
    記座標入力点の3次元座標を算出する座標入力装置にお
    いて、 前記音波発生手段が出力する音波検出信号から該信号の
    エンベロープに対応するエンベロープ信号を取り出すエ
    ンベロープ検出回路と、 前記エンベロープ信号の波形の特異点を検出する特異点
    検出回路と、 該特異点検出回路の出力信号から前記特異点の検出時点
    で有効になる第1の音波到達タイミング信号を生成する
    第1のタイミング信号生成回路と、 前記音波検出信号の所定周波数帯域の成分のみを通過さ
    せる帯域通過フィルタと、 前記帯域通過フィルタの出力信号の信号レベルが所定の
    閾値レベル以上である間だけ有効になるゲート信号を生
    成するゲート信号生成回路と、 前記ゲート信号が有効な間で、前記帯域通過フィルタの
    出力信号の特定のゼロクロス点を検出して、その検出時
    点で有効になる第2の音波到達タイミング信号を生成す
    る第2のタイミング信号生成回路を有し、 前記第1と第2の音波到達タイミング信号をそれぞれ前
    記音波の群速度による音波到達タイミング信号と位相速
    度による音波到達タイミング信号として、それぞれによ
    る音波到達タイミングに基づいて前記座標入力点の3次
    元座標を算出することを特徴とする座標入力装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20140108492A (ko) * 2013-02-25 2014-09-11 한국산업기술대학교산학협력단 대상 물체의 3차원적 움직임 및 속도를 인식할 수 있는 입력장치 및 이를 이용한 전자 기기

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