以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、以下の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の一方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(鉛直方向、上下方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。XY平面は、水平面である。XZ平面及びYZ平面のそれぞれは、XY平面と垂直に交わる。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る電子部品実装システム100の一例を示す模式図である。
図1に示すように、電子部品実装システム100は、電子部品Cを基板Pに実装する電子部品実装装置1と、電子部品実装装置1を管理するサーバ3とを備えている。電子部品実装装置1は、電子部品Cを供給可能な供給装置2と、供給装置2の電子部品Cを基板Pに実装する実装ヘッド8とを備えている。
本実施形態において、電子部品実装システム100は、電子部品実装装置1を複数有する。供給装置2は、複数の電子部品実装装置1のそれぞれに設けられる。サーバ3と複数の電子部品実装装置1のそれぞれとは、LANケーブルのようなケーブル4によって接続される。サーバ3は、電子部品実装装置1から出力された情報(信号)を取得して、それら複数の電子部品実装装置1のそれぞれを管理する。
図2は、本実施形態に係る電子部品実装装置1の一例を示す平面図である。図3は、本実施形態に係る実装ヘッド8の一例を示す図である。図4は、本実施形態に係る電子部品実装装置1の制御システム200の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、電子部品実装装置1は、ベース部材5と、ベース部材5上に設けられ基板Pを保持して移動可能な基板移動装置6と、電子部品Cを着脱可能に保持するノズル7を有し供給装置2の電子部品Cをノズル7で保持して基板Pに実装する実装ヘッド8と、ベース部材5上に設けられ実装ヘッド8を移動可能な実装ヘッド移動装置9と、電子部品実装装置1を制御する制御装置10とを備えている。制御装置10とサーバ3とがケーブル4を介して接続される。
基板移動装置6は、ベース部材5上において基板Pを移動可能である。基板移動装置6は、基板Pの表面とXY平面とが平行となるように、基板Pを支持して移動する。本実施形態において、基板移動装置6は、X軸と平行な経路で基板Pを移動可能である。すなわち、基板移動装置6は、基板PをX軸方向に移動する。基板移動装置6は、経路の複数の停止位置のそれぞれで基板Pを停止可能である。
本実施形態において、基板移動装置6は、ベース部材5の上面に配置され、X軸方向に長い一対の搬送レール6Gと、基板PをX軸方向に移動するための動力を発生するアクチュエータとを有する。搬送レール6Gは、基板Pの経路(移動経路)を規定する。アクチュエータの作動により、基板PはX軸方向に移動する。基板移動装置6は、X軸方向に関してベース部材5の一端部から他端部に基板Pを移動する。
搬送レール6Gにおいて、基板Pの+Y側の縁部及び−Y側の縁部のそれぞれが支持される。基板Pは、搬送レール6G上においてX軸方向に関して複数の停止位置でクランプされる。基板Pがクランプされることにより、基板Pは、X軸と平行な経路の複数の停止位置で停止する。クランプが解除されることにより、基板Pは、X軸方向に移動可能になる。
なお、基板移動装置6は、基板PをY軸方向に移動してもよいし、基板PをX軸方向及びY軸方向の両方に移動してもよい。すなわち、基板移動装置6は、基板PをXY平面内において移動可能でもよい。なお、基板移動装置6は、基板PをX軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能でもよい。
実装ヘッド8は、供給装置2から供給された電子部品Cを基板移動装置6に支持された基板Pの表面(上面)に実装する。基板Pは、基板移動装置6により、X軸方向に関してベース部材5の一端部から他端部に移動される。実装ヘッド8は、X軸方向に関してベース部材5の一端部と他端部との間において基板Pの表面に電子部品Cを実装する。
実装ヘッド移動装置9は、基板Pの上方で、実装ヘッド8を移動可能である。実装ヘッド移動装置9は、XY平面内の可動範囲で実装ヘッド8を移動する。実装ヘッド移動装置9は、実装ヘッド8をX軸方向に移動するためのX軸駆動装置12と、実装ヘッド8をY軸方向に移動するためのY軸駆動装置13とを有する。
X軸駆動装置12は、実装ヘッド8をX軸方向に移動可能に支持するX軸ガントリ12Gと、X軸ガントリ12Gに支持された実装ヘッド8をX軸方向に移動するための動力を発生するX軸アクチュエータ12Dとを含む。X軸ガントリ12Gは、実装ヘッド8をX軸方向にガイドする。X軸アクチュエータ12Dの作動により、実装ヘッド8は、X軸ガントリ12Gに支持された状態でX軸方向に移動する。
Y軸駆動装置13は、X軸ガントリ12GをY軸方向に移動可能に支持するY軸ガントリ13Gと、Y軸ガントリ13Gに支持されたX軸ガントリ12GをY軸方向に移動するための動力を発生するY軸アクチュエータ13Dとを含む。Y軸ガントリ13Gは、X軸駆動装置12をY軸方向にガイドする。Y軸アクチュエータ13Dの作動により、X軸駆動装置12は、Y軸ガントリ13Gに支持された状態で、Y軸方向に移動する。
Y軸駆動装置13によってX軸駆動装置12がY軸方向に移動することにより、X軸駆動装置12に支持されている実装ヘッド8は、X軸駆動装置12と一緒にY軸方向に移動する。実装ヘッド8は、X軸駆動装置12の作動によってX軸方向に移動する。これにより、実装ヘッド8は、基板Pの上方においてXY平面内を移動することができる。
実装ヘッド移動装置9は、基板Pの表面(上面)と対向する実装位置(搭載位置)、及び供給装置2から電子部品Cが供給される供給位置(受け渡し位置)のそれぞれにノズル7が配置されるように、実装ヘッド8を移動可能である。ノズル7は、供給位置において、供給装置2から供給された電子部品Cを保持する。ノズル7は、供給位置において電子部品Cを保持した後、実装位置まで搬送し、基板Pに搭載する。実装位置において電子部品Cが基板Pに搭載された後、ノズル7は、電子部品Cを解放する。これにより、基板Pに電子部品Cが実装される。
図3及び図4に示すように、実装ヘッド8は、電子部品Cを着脱可能に保持するノズル7を有する。実装ヘッド8は、供給装置2の電子部品Cをノズル7で保持して基板Pに実装する。ノズル7は、実装ヘッド8に複数配置される。複数のノズル7は、別々に駆動可能である。本実施形態において、ノズル7は、電子部品Cを吸着して保持する吸着ノズルである。ノズル7は、先端部に設けられた開口と、開口に接続された内部流路とを有する。ノズル7の内部流路の気体が真空ポンプを含む吸引装置11によって吸引される。ノズル7の先端部と電子部品Cとが接触した状態で、ノズル7の吸引動作が行われることにより、ノズル7の先端部に電子部品Cが吸着されて保持される。ノズル7の吸引動作が解除されることにより、電子部品Cはノズル7から解放される。
実装ヘッド8は、ノズル7をZ軸方向及びθZ方向に移動可能なノズル駆動部14を有する。ノズル駆動部14は、ノズル7をZ軸方向に移動するZ軸駆動部15と、ノズル7をθZ方向に移動(回転)する回転駆動部16とを含む。Z軸駆動部15は、ノズル7をZ軸方向に移動可能な動力を発生するZ軸アクチュエータ15Dを含む。回転駆動部16は、ノズル7をθZ方向に移動可能な動力を発生するθ軸アクチュエータ16Dを含む。
すなわち、本実施形態において、ノズル7は、実装ヘッド移動装置9及び実装ヘッド8に設けられたノズル駆動部14により、X軸、Y軸、Z軸、及びθZの4つの方向に移動可能である。なお、ノズル7は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能でもよい。
また、実装ヘッド8は、物体の画像情報を取得可能なヘッドカメラ(撮像部)17と、対向する物体との距離を検出する距離センサ18とを有する。実装ヘッド8が移動することにより、ヘッドカメラ17及び距離センサ18は、ノズル7と一緒に移動する。
ヘッドカメラ17は、例えば、基板Pの画像情報、及び基板Pに実装された電子部品Cの画像情報を取得可能である。ヘッドカメラ17は、供給装置2から電子部品Cが供給される供給位置において、電子部品Cの画像情報及び基板Pの画像情報を取得する。ヘッドカメラ17により取得された画像情報に基づいて、X軸方向及びY軸方向に関する電子部品Cに対するノズル7の保持位置(吸着位置)、及び基板Pに対する電子部品Cの実装位置が調整される。
基板Pの画像情報は、基板Pに設けられている識別マークBの画像情報を含む。ヘッドカメラ17は、基板Pの識別マークBを検出可能なマーク検出部として機能する。
図5は、ヘッドカメラ17の動作の一例を模式的に示す側面図である。図6は、ヘッドカメラ17の動作の一例を模式的に示す平面図である。図5及び図6に示すように、ヘッドカメラ17は、検出領域MAを有する。検出領域MAは、ヘッドカメラ17の撮像領域を含む。ヘッドカメラ17の撮像領域は、ヘッドカメラ17の光学系の視野領域を含む。ヘッドカメラ17は、検出領域MAに配置された物体の画像情報を取得可能である。すなわち、ヘッドカメラ17は、検出領域MAに配置された基板Pの識別マークBを検出可能である。
図7は、ヘッドカメラ17の動作の一例を模式的に示す側面図である。図8は、ヘッドカメラ17の動作の一例を模式的に示す平面図である。図7及び図8に示すように、識別マークBが検出領域MAの外側に配置されている場合、ヘッドカメラ17は、識別マークBを検出不可能である。
本実施形態において、識別マークBは、バーコード及び2次元コードの少なくとも一方を含む。ヘッドカメラ17は、バーコードリーダ及び2次元コードリーダの少なくとも一方を含む。識別マークBは、基板Pを識別するための識別情報を含む。
距離センサ18は、Z軸方向に関する電子部品Cの位置及び基板Pの位置を検出する。距離センサ18は、電子部品C及び基板Pに検出光を照射して、その電子部品C及び基板Pで反射した検出光を受光することによって、Z軸方向に関する電子部品Cの位置及び基板Pの位置を検出する。距離センサ18の検出結果に基づいて、Z軸方向に関する電子部品Cの保持位置及び基板Pに対する電子部品Cの実装位置が調整される。
なお、実装ヘッド8は、割基板等に付されるバッドマーク等を検出する検出部を有してもよい。
図2に示すように、電子部品実装装置1は、ベース部材5上に配置され、電子部品Cの画像情報を取得可能な部品認識カメラ(撮像部)19を有する。部品認識カメラ19は、ノズル7に保持された電子部品Cの画像情報を下側から取得する。すなわち、部品認識カメラ19は、電子部品Cの下面側の画像情報を取得する。撮像部19により取得された画像情報に基づいて、ノズル7の中心(吸着中心)と電子部品Cの中心との位置ずれ量、及び電子部品Cの傾き(吸着角ずれ)が求められる。
また、電子部品実装装置1は、ノズル7を交換するためのノズル交換機20を有する。ノズル交換機20は、複数種のノズル7を保管する。例えば、実装する電子部品Cの寸法及び形状に応じて、ノズル7が交換される。
供給装置2は、実装ヘッド8(ノズル7)に電子部品Cを供給する。供給装置2は、リールを支持するフィーダと、フィーダを支持するフィーダバンクとを有する。電子部品Cを保持するテープがリールに巻かれる。リールは、電子部品Cを保持するテープを支持する。テープを支持するリールがフィーダに支持される。
フィーダは、リールを着脱可能に支持する。リールに巻かれるテープに、複数の電子部品Cが保持される。リールが回転することによって、テープに保持された電子部品Cが供給位置まで移動する。供給位置において、電子部品Cがノズル7に保持される。
制御装置10は、電子部品実装装置1を制御する。制御装置10は、プロセッサ及びメモリを含む。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)を含む。メモリは、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含む。制御装置10は、ケーブル4を介してサーバ3と接続される。制御装置10は、サーバ3からの制御信号を、ケーブル4を介して取得して、電子部品実装装置1を制御する。制御装置10は、電子部品実装装置1の各種の情報を、ケーブル4を介してサーバ3に出力する。
制御装置10は、ヘッドカメラ17を使って基板Pの識別マークBを検出した後、複数の停止位置のそれぞれで基板Pを停止して、その基板Pに電子部品Cを実装する。本実施形態において、制御装置10は、電子部品Cの実装の前に識別マークBを検出し、その検出結果をサーバ3に出力した後、電子部品Cの実装を実施する。これにより、サーバ3は、電子部品実装装置1においてどの基板Pに電子部品Cが実装されているのかをリアルタイムで管理することができる。
次に、基板移動装置6の動作の一例について、図9及び図10を参照して説明する。本実施形態において、基板Pは、X軸方向に長い大型の基板(所謂、長尺基板)である。X軸方向に関する基板Pの寸法は、X軸方向に関する実装ヘッド8の可動範囲の寸法よりも大きい。すなわち、本実施形態において、基板Pは、実装ヘッド8の可動範囲に収まらない。基板Pの少なくとも一部が実装ヘッド8の可動範囲からはみ出す。
実装ヘッド8の可動範囲は、ノズル7が電子部品Cを基板Pに実装可能な範囲である。ノズル7は、実装ヘッド8の可動範囲に配置されている基板Pの表面の一部の領域に対向可能であり、その基板Pの表面の一部の領域に電子部品Cを実装することができる。ノズル7は、実装ヘッド8の可動範囲の外側に配置されている基板Pの表面に電子部品Cを実装することができない。
また、実装ヘッド8の可動範囲は、ヘッドカメラ17が基板Pの識別マークBを検出可能な範囲である。ヘッドカメラ17は、実装ヘッド8の可動範囲に配置されている基板Pの識別マークBに対向可能であり、その識別マークBを検出領域MAに配置可能である。ヘッドカメラ17は、検出領域MAに配置された識別マークBを検出可能である。ヘッドカメラ17は、実装ヘッド8の可動範囲の外側に配置されている基板Pの識別マークBを検出領域MAに配置できず、その識別マークBを検出できない。
本実施形態において、基板移動装置6は、基板Pを+X方向に搬送する。基板搬送装置6は、X軸方向に関して複数の停止位置(本実施形態においては2箇所)のそれぞれで基板Pをクランプして停止させる。複数の停止位置のそれぞれに基板Pが停止された状態で、その基板Pに電子部品Cが実装される。
本実施形態においては、基板Pの表面が、実装ヘッド8の可動範囲よりも小さい複数の領域に分割される。その分割された基板Pの表面の複数の領域が実装ヘッド8の可動範囲に順次配置される。基板Pの表面の複数の領域のそれぞれに対して電子部品Cが実装されるように、複数の停止位置が定められている。
図9に示すように、+X側の縁部を含む基板Pの一部の領域が実装ヘッド8の可動範囲に配置されるように、基板Pの経路において第1の停止位置(第1回目の停止位置)が定められている。制御装置10は、+X側の縁部を含む基板Pの一部の領域が実装ヘッド8の可動範囲に配置されるように基板移動装置6を制御して、基板Pを第1の停止位置に停止させる。制御装置10は、第1の停止位置で停止した基板Pに対して、実装ヘッド8を使って電子部品Cを実装する。以下の説明において、第1の停止位置に停止している基板Pに対する電子部品Cの実装動作を適宜、第1の実装動作、と称する。
第1の実装動作が終了した後、制御装置10は、基板移動装置6を制御して、基板Pを+X方向に移動する。
図10に示すように、−X側の端部を含む基板Pの一部の領域が実装ヘッド8の可動範囲に配置されるように、基板Pの経路において第2の停止位置(第2回目の停止位置)が定められている。制御装置10は、−X側の縁部を含む基板Pの一部の領域が実装ヘッド8の可動範囲に配置されるように基板移動装置6を制御して、基板Pを第2の停止位置に停止させる。制御装置10は、第2の停止位置で停止した基板Pに対して、実装ヘッド8を使って電子部品Cを実装する。以下の説明において、第2の停止位置に停止している基板Pに対する電子部品Cの実装動作を適宜、第2の実装動作、と称する。
第2の実装動作が終了した後、制御装置10は、基板移動装置6を制御して、基板Pを+X方向に移動して、その基板Pを搬出する。
このようにX軸方向に関する寸法が実装ヘッド8の可動範囲よりも長い基板Pに電子部品Cを実装するとき、基板Pの搬送方向(X軸方向)に関して複数の停止位置が定められ、制御装置10は、その停止位置に基板Pを停止させた状態で電子部品Cを実装する。
図11は、本実施形態に係る基板Pの停止制御を実施するための停止制御システム300の一例を模式的に示す図である。X軸方向に関する寸法が実装ヘッド8の可動範囲以下である基板Pは、停止制御システム300を含む基板移動装置6に2枚搬入可能である。X軸方向に関する寸法が実装ヘッド8の可動範囲よりも大きい基板Pは、停止制御システム300を含む基板移動装置6に1枚搬入可能である。
図11において、停止制御システム300は、IN−STOPセンサ及びOUT−STOPセンサの少なくとも一方で基板Pを検出すると、基板Pを検出してからの経過時間と基板Pの搬送速度とに基づいて基板Pの搬送距離を算出し、INモータ及びOUTモータを制御して、基板Pが所望の停止位置で停止するように制御する。
なお、図12に示すように、第1回目の停止位置における実装ヘッド8の可動範囲に対応する基板Pの表面の一部の領域(被実装領域)aと、第2回目の停止位置における実装ヘッド8の可動範囲に対応する基板Pの表面の一部の領域(被実装領域)cとによって重複領域bが形成されるように、第1回目の停止位置及び第2回目の停止位置が定められる。
領域aは、第1の実装動作で電子部品Cが実装可能な領域である。領域cは、第2の実装動作で電子部品Cが実装可能な領域である。重複領域bは、第1の実装動作及び第2の実装動作の両方で電子部品Cが実装可能な領域である。
図13は、本実施形態に係るサーバ3及び制御装置10を含む制御システム200の機能ブロック図である。なお、以下で説明するサーバ3の機能の少なくとも一部が制御装置10の機能に含まれてもよいし、制御装置10の機能の少なくとも一部がサーバ3の機能に含まれてもよい。
図13は、便宜上、サーバ3に1つの制御装置10が接続されている例を示す。上述のように、本実施形態においては、電子部品実装システム100は、複数の電子部品実装装置1(制御装置10)を有する。サーバ3に複数の制御装置10が接続される。
図13に示すように、電子部品実装装置1は、制御装置10と、基板移動装置6と、実装ヘッド移動装置9と、ヘッドカメラ(マーク検出部)17とを備えている。基板移動装置6、実装ヘッド移動装置9、及びヘッドカメラ17のそれぞれは、制御装置10と接続される。
制御装置10は、実装ヘッド8の可動範囲と基板Pにおける識別マークBの位置情報とに基づいて、経路の第1の停止位置で停止した基板Pの識別マークBをヘッドカメラ17の検出領域MAに配置可能か否かを判定する判定部31と、判定部31により識別マークBを検出領域MAに配置不可能であると判定されたときに基板Pのテンポラリ識別情報(テンポラリID)を生成する生成部32と、第1の停止位置において電子部品Cが実装された基板Pに関するトレーサビリティ情報をテンポラリ識別情報に対応付けて保存する情報処理部33と、ヘッドカメラ17が識別マークBを検出したときの識別マークBの検出結果に基づいて基板識別情報(基板ID)を取得する取得部34と、基板移動装置6及び実装ヘッド移動装置9を制御する制御部35と、実装に関する各種のデータを記憶する記憶部36とを含む。
サーバ3は、生成部32で生成されたテンポラリ識別情報を取得する取得部21と、情報処理部33においてトレーサビリティ情報と対応付けられたテンポラリ識別情報を取得して保存する記憶部22とを含む。
制御装置10の記憶部36は、実装に関する各種の情報を記憶する。記憶部36は、電子部品実装装置10の実装条件に関する情報(レシピ)を記憶する。実装条件は、電子部品実装装置1によって製品を生産するときのシーケンス、実装装置1に対する指令、設定、及びパラメータを含む。
以下の説明において、実装条件に関する情報を適宜、生産プログラム、と称する。生産プログラムは、実装対象の基板Pに関する情報(基板データ)、その基板Pに実装される電子部品Cに関する情報(部品データ)、ノズル7が電子部品Cを保持する位置に関する情報(吸着データ)、及び基板8において電子部品Cが実装される位置に関する情報(搭載データ)を含む。
判定部31は、実装ヘッド8の可動範囲と基板Pにおける識別マークBの位置情報とに基づいて、経路の第1の停止位置で停止した基板Pの識別マークBをヘッドカメラ17の検出領域MAに配置可能か否かを判定する。実装ヘッド8の可動範囲に関する情報は、既知の情報であり、記憶部36に記憶されている。基板Pにおける識別マークBの位置情報(座標情報)も、既知の情報であり、基板データとして記憶部36に記憶されている。
上述のように、実装ヘッド8の可動範囲は、ヘッドカメラ17が基板Pの識別マークBを検出可能な範囲である。実装ヘッド8の可動範囲に基板Pの識別マークBが配置されているとき、ヘッドカメラ17は、その基板Pの識別マークBを検出領域MAに配置可能である。一方、実装ヘッド8の可動範囲に基板Pの識別マークBが配置されていないとき、ヘッドカメラ17は、その基板Pの識別マークBを検出領域MAに配置不可能である。
判定部31は、基板移動装置6によって規定される基板Pの位置(第1の停止位置及び第2の停止位置の少なくとも一方)と、実装ヘッド8の可動範囲(ヘッドカメラ17の可動範囲)と、基板Pにおける識別マークBの位置情報とに基づいて、ヘッドカメラ17が基板Pの識別マークBを検出可能か否か、を判定する。
例えば、判定部31は、実装ヘッド8の可動範囲と基板Pにおける識別マークBの位置情報とに基づいて、経路の第1の停止位置で停止した基板Pの識別マークBをヘッドカメラ17の検出領域MAに配置可能か否か(識別マークBをヘッドカメラ17で検出可能な否か)を判定することができる。また、判定部31は、実装ヘッド8の可動範囲と基板Pにおける識別マークBの位置情報とに基づいて、経路の第2の停止位置で停止した基板Pの識別マークBをヘッドカメラ17の検出領域MAに配置可能か否か(識別マークBをヘッドカメラ17で検出可能か否か)を判定することができる。
図12に示したように、本実施形態において、識別マークBは、基板Pの−X側の端部の近傍に配置される。図12に示したように、基板Pが第1の停止位置に配置される場合、識別マークBは、実装ヘッド8の可動範囲の外側に配置される。本実施形態において、判定部31は、実装ヘッド8の可動範囲と基板Pにおける識別マークBの位置情報とに基づいて、経路の第1の停止位置で停止した基板Pの識別マークBをヘッドカメラ17の検出領域MAに配置不可能である(識別マークBをヘッドカメラ17で検出不可能である)と判定する。
図12に示したように、基板Pが第2の停止位置に配置される場合、識別マークBは、実装ヘッド8の可動範囲に配置される。本実施形態において、判定部31は、実装ヘッド8の可動範囲と基板Pにおける識別マークBの位置情報とに基づいて、経路の第2の停止位置で停止した基板Pの識別マークBをヘッドカメラ17の検出領域MAに配置可能である(識別マークBをヘッドカメラ17で検出可能である)と判定する。
判定部31により経路の第2の停止位置で停止した基板Pの識別マークBをヘッドカメラ17の検出領域MAに配置可能であると判定されたときに、識別マークBが検出領域MAに配置されるように実装ヘッド8が移動する。これにより、第2の停止位置で停止した基板Pの識別マークBがヘッドカメラ17に検出される。
生成部32は、判定部31により識別マークBをヘッドカメラ17の検出領域MAに配置不可能であると判定されたときに、基板Pのテンポラリ識別情報(テンポラリID)を生成する。テンポラリIDは、一時的に使用する仮のID(識別情報)である。テンポラリIDは、例えば基板Pが実装ラインに搬入された日時、又は基板Pが搬入された電子部品実装装置1の機種番号などに基づいて定められる。テンポラリIDは、基板Pに印字等によって物理的に付されるものでない。生成部32で生成されたテンポラリIDは、サーバ3の取得部21に出力され、記憶部22に記憶される。
情報処理部33は、第1の停止位置において電子部品Cが実装された基板Pに関するトレーサビリティ情報をテンポラリ識別情報に対応付けてサーバ3の記憶部17に保存する。トレーサビリティ情報は、生産履歴を示すデータであり、例えば、製造時刻、作業者名、実装された電子部品Cの名称(種類)、電子部品Cが供給されたフィーダの番号、基板Pにおける電子部品Cの実装位置、及び実装ヘッド8の移動速度などの情報を含む。
取得部34は、ヘッドカメラ17が識別マークBを検出したとき、その識別マークBの検出結果に基づいて、基板識別情報(基板ID)を取得する。基板IDは、基板Pに設けられた識別マークBに基づく識別情報であり、永続的に使用される真のID(識別情報)である。取得部34が基板IDを取得した場合、情報処理部33は、テンポラリIDを基板IDに置換する。すなわち、取得部34が基板IDを取得した場合、情報処理部33は、第2の停止位置において電子部品Cが実装された基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板IDに対応付けて記憶部22に保存する。
制御部35は、電子部品実装装置1を制御する制御信号を出力する。制御信号は、電子部品実装装置1による実装動作の開始を指令する開始指令信号、電子部品実装装置1による実装動作の内容を示す動作指令信号、及び電子部品実装装置1による実装動作の停止を指令する停止指令信号を含む。制御部35は、実装動作が実施されるように、基板移動装置6及び実装ヘッド移動装置9などに制御信号(開始指令信号及び動作指令信号)を出力することができる。制御部35は、実装動作が停止されるように、基板移動装置6及び実装ヘッド移動装置9などに制御信号(停止指令信号)を出力することができる。
次に、本実施形態に係る電子部品Cの実装方法の一例について、図14を参照して説明する。図14は、本実施形態に係る電子部品実装方法の一例を示すフローチャートである。
基板Pが基板移動装置6に搬入される。基板移動装置6は、X軸と平行な経路で基板Pを+X方向に移動し、その経路の第1の停止位置で基板Pを停止する(ステップSA1)。
判定部31は,XY平面内における実装ヘッド8の可動範囲と、基板Pにおける識別マークBの位置情報とに基づいて、経路の第1の停止位置で停止した基板Pの識別マークBをヘッドカメラ17の検出領域MAに配置可能か否かを判定する(ステップSA2)。判定部31は、識別マークBが検出領域MAに配置されているか否かを判定してもよい。
ステップSA2において、判定部31により識別マークBを検出領域MAに配置不可能であると判定された場合(Noの場合)、生成部32は、基板PのテンポラリIDを生成する(ステップSA3)。ステップSA2において識別マークBが検出領域MAに配置されていないと判定された場合、テンポラリIDが生成されてもよい。生成されたテンポラリIDは、サーバ3に出力される(ステップSA4)。
サーバ3の記憶部22は、第1の停止位置において電子部品Cが実装された基板Pに関するトレーサビリティ情報をテンポラリIDに対応付けて保存する。
制御部35は、実装ヘッド8を制御して、第1の停止位置に停止している基板Pに対して電子部品Cを実装する(ステップSA5)。
第1の実装動作が終了した後、基板Pに対するクランプが解除される。基板移動装置6は、その基板Pを+X方向に移動し、第2の停止位置で基板Pを停止する(ステップSA6)。
判定部31は,XY平面内における実装ヘッド8の可動範囲と、基板Pにおける識別マークBの位置情報とに基づいて、経路の第2の停止位置で停止した基板Pの識別マークBをヘッドカメラ17の検出領域MAに配置可能か否かを判定する。
判定部31により経路の第2の停止位置で停止した基板Pの識別マークBを検出領域MAに配置可能であると判定された場合、識別マークBがヘッドカメラ17の検出領域MAに配置されるように実装ヘッド8が移動される。ヘッドカメラ17は、第2の停止位置で停止した基板Pの識別マークBを検出する(ステップSA7)。
取得部34は、ヘッドカメラ17が検出した識別マークBの検出結果に基づいて、基板IDを取得する(ステップSA8)。
制御部35は、実装ヘッド8を制御して、第2の停止位置に停止している基板Pに対して電子部品Cを実装する(ステップSA9)。
第2の実装動作が終了した後、基板Pに対するクランプが解除される。基板移動装置6は、その基板Pを+X方向に移動し、搬出する。
情報処理部33は、第1の停止位置において電子部品Bが実装された基板Pに関するトレーサビリティ情報をテンポラリIDに対応付けるとともに、第2の停止位置において電子部品Bが実装された基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板IDに対応付ける(ステップSA10)。
情報処理部33は、対応付けられたテンポラリID、基板ID、及びトレーサビリティ情報をサーバ3に出力する(ステップSA11)。
記憶部22に保存されていたテンポラリIDは、基板IDに置換される。記憶部22は、基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板IDに対応付けて保存する(ステップSA12)。
ステップSA2において、判定部31により識別マークBを検出領域MAに配置可能であると判定された場合(Yesの場合)、識別マークBがヘッドカメラ17の検出領域MAに配置されるように実装ヘッド8が移動される。ヘッドカメラ17は、第1の停止位置で停止した基板Pの識別マークBを検出する(ステップSA13)。ステップSA2において識別マークBが検出領域MAに配置されていると判定された場合、識別マークBが検出されてもよい。
取得部34は、ヘッドカメラ17が検出した識別マークBの検出結果に基づいて、基板IDを取得する。取得された基板IDは、サーバ3に出力される(ステップSA14)。
サーバ3の記憶部22は、第1の停止位置において電子部品Cが実装された基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板IDに対応付けて保存する。
制御部35は、実装ヘッド8を制御して、第1の停止位置に停止している基板Pに対して電子部品Cを実装する(ステップSA15)。
第1の実装動作が終了した後、基板Pに対するクランプが解除される。基板移動装置6は、その基板Pを+X方向に移動し、第2の停止位置で基板Pを停止する(ステップSA16)。
制御部35は、実装ヘッド8を制御して、第2の停止位置に停止している基板Pに対して電子部品Cを実装する(ステップSA17)。
第2の実装動作が終了した後、基板Pに対するクランプが解除される。基板移動装置6は、その基板Pを+X方向に移動し、搬出する。
情報処理部33は、電子部品Bが実装された基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板IDに対応付ける。情報処理部33は、対応付けられた基板ID、及びトレーサビリティ情報をサーバ3に出力する(ステップSA18)。
サーバ3の記憶部22は、基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板IDに対応付けて保存する。
以上説明したように、本実施形態によれば、実装ヘッド8の可動範囲と基板Pにおける識別マークBの位置情報とに基づいて、経路の第1の停止位置で停止した基板Pの識別マークBをヘッドカメラ17の検出領域MAに配置可能か否かを判定し、識別マークBを検出領域MAに配置不可能であると判定されたときに基板PのテンポラリIDを生成して、基板Pに関するトレーサビリティ情報をテンポラリIDに対応付けて保存するようにしたので、電子部品実装システム100の生産効率の低下を抑制することができる。
例えば、長尺基板のトレーサビリティ情報を取得するために、その基板に識別マークBを設ける場合、その基板において識別マークBの位置が制限されたり、実装ヘッド8(ヘッドカメラ17)の可動範囲が制限されたりすると、実装ヘッド8のヘッドカメラ17で識別マークBを検出できなくなり、トレーサビリティ情報を取得できなくなる可能性がある。
実装ヘッド8のヘッドカメラ17で識別マークBを検出できなくなると、例えば作業者がハンディターミナルを用いて識別マークBを検出する必要が生じることとなる。その場合、電子部品実装システム100の生産効率の低下をもたらす可能性が高い。
また、ヘッドカメラ17の検出領域MAに識別マークBを配置するためだけに、基板移動装置6を制御して基板Pの位置を調整する手法を採用した場合においても、電子部品実装システム100の生産効率の低下をもたらす可能性が高い。
本実施形態においては、事前に定められている第1の停止位置及び第2の停止位置を変更せず、第1の停止位置においてヘッドカメラ17の検出領域MAに識別マークBを配置できない場合にはテンポラリIDを生成することによって、基板Pを不必要に移動することなく、基板Pに対応付けられたトレーサビリティ情報を取得することができる。
また、基板Pを無駄に移動することなく、適切なタイミング(基板Pが第2の停止位置に配置されたタイミング)で、ヘッドカメラ17を使って識別マークBを検出することができる。したがって、ヘッドカメラ17による識別マークBの検出を円滑に行って、電子部品実装システム100の生産効率の低下を抑制することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図15は、本実施形態に係る電子部品実装方法の一例を示すフローチャートである。本実施形態においては、第1の停止位置に停止している基板Pに対する電子部品Cの実装が中断される例について説明する。
基板Pが基板移動装置6に搬入される。基板移動装置6は、X軸と平行な経路で基板Pを+X方向に移動し、その経路の第1の停止位置で基板Pを停止する(ステップSB1)。
判定部31は,XY平面内における実装ヘッド8の可動範囲と、基板Pにおける識別マークBの位置情報とに基づいて、経路の第1の停止位置で停止した基板Pの識別マークBをヘッドカメラ17の検出領域MAに配置可能か否かを判定する(ステップSB2)。判定部31は、識別マークBが検出領域MAに配置されているか否かを判定してもよい。
ステップSB2において、判定部31により識別マークBを検出領域MAに配置不可能であると判定された場合(Noの場合)、生成部32は、基板PのテンポラリIDを生成する(ステップSB3)。ステップSB2において識別マークBが検出領域MAに配置されていないと判定された場合、テンポラリIDが生成されてもよい。生成されたテンポラリIDは、サーバ3に出力される(ステップSB4)。
サーバ3の記憶部22は、第1の停止位置において電子部品Cが実装された基板Pに関するトレーサビリティ情報をテンポラリIDに対応付けて保存する。
制御部35は、実装ヘッド8を制御して、第1の停止位置に停止している基板Pに対して電子部品Cを実装する(ステップSB5)。
何らかの原因で第1の停止位置に停止している基板Pに対する電子部品Cの実装が中断される(ステップSB6)。実装が中断されると、基板Pのクランプが解除される(ステップSB7)。クランプが解除されることにより、基板Pは、X軸方向に移動可能になる。
実装が中断されると、生成部32は、基板PのテンポラリIDを生成する。情報処理部33は、第1の停止位置において実装が中断された基板Pに関するトレーサビリティ情報をテンポラリIDに対応付ける。情報処理部33は、対応付けられたテンポラリID、及びトレーサビリティ情報をサーバ3に出力する(ステップSB8)。サーバ3の記憶部22は、第1の停止位置において実装が中断された基板Pに関するトレーサビリティ情報をテンポラリIDに対応付けて保存する。
実装の中断の原因が解消されると、基板Pに対する電子部品Cの実装が再開される(ステップSB9)。実装が再開されると、第1の停止位置において基板Pがクランプされる(ステップSB10)。
ステップSB8において生成されたテンポラリIDが復元される(ステップSB11)。復元されるテンポラリIDは、サーバ3の記憶部22又は制御装置10の記憶部36に保存されていたテンポラリIDである。情報処理部33は、復元されたテンポラリID、及びトレーサビリティ情報をサーバ3に出力する。サーバ3の記憶部22は、第1の停止位置において実装が再開された基板Pに対するトレーサビリティ情報を、テンポラリIDに対応付けて保存する。
第1の実装動作が再開される(ステップSB12)。第1の実装動作が終了した後、基板Pに対するクランプが解除される。基板移動装置6は、その基板Pを+X方向に移動し、第2の停止位置で基板Pを停止する(ステップSB13)。
判定部31は,XY平面内における実装ヘッド8の可動範囲と、基板Pにおける識別マークBの位置情報とに基づいて、経路の第2の停止位置で停止した基板Pの識別マークBをヘッドカメラ17の検出領域MAに配置可能か否かを判定する。
判定部31により経路の第2の停止位置で停止した基板Pの識別マークBを検出領域MAに配置可能であると判定された場合、識別マークBがヘッドカメラ17の検出領域MAに配置されるように実装ヘッド8が移動される。ヘッドカメラ17は、第2の停止位置で停止した基板Pの識別マークBを検出する(ステップSB14)。
取得部34は、ヘッドカメラ17が検出した識別マークBの検出結果に基づいて、基板IDを取得する(ステップSB15)。
制御部35は、実装ヘッド8を制御して、第2の停止位置に停止している基板Pに対して電子部品Cを実装する(ステップSB16)。
第2の実装動作が終了した後、基板Pに対するクランプが解除される。基板移動装置6は、その基板Pを+X方向に移動し、搬出する。
情報処理部33は、第1の停止位置において電子部品Bの実装が再開された基板Pに関するトレーサビリティ情報をテンポラリIDに対応付けるとともに、第2の停止位置において電子部品Bが実装された基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板IDに対応付ける(ステップSB17)。
情報処理部33は、対応付けられたテンポラリID、基板ID、及びトレーサビリティ情報をサーバ3に出力する(ステップSB18)。
記憶部22に保存されていたテンポラリIDは、基板IDに置換される。記憶部22は、基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板IDに対応付けて保存する(ステップSB19)。
ステップSB2において、判定部31により識別マークBを検出領域MAに配置可能であると判定された場合(Yesの場合)、識別マークBがヘッドカメラ17の検出領域MAに配置されるように実装ヘッド8が移動される。ヘッドカメラ17は、第1の停止位置で停止した基板Pの識別マークBを検出する(ステップSB20)。ステップSB2において識別マークBが検出領域MAに配置されていると判定された場合、識別マークBが検出されてもよい。
取得部34は、ヘッドカメラ17が検出した識別マークBの検出結果に基づいて、基板IDを取得する。取得された基板IDは、サーバ3に出力される(ステップSB21)。
サーバ3の記憶部22は、第1の停止位置において電子部品Cが実装された基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板IDに対応付けて保存する。
制御部35は、実装ヘッド8を制御して、第1の停止位置に停止している基板Pに対して電子部品Cを実装する(ステップSB22)。
何らかの原因で第1の停止位置に停止している基板Pに対する電子部品Cの実装が中断される(ステップSB23)。実装が中断されると、基板Pのクランプが解除される(ステップSB24)。クランプが解除されることにより、基板Pは、X軸方向に移動可能になる。
実装が中断されると、情報処理部33は、第1の停止位置において実装が中断された基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板IDに対応付ける。情報処理部33は、対応付けられた基板ID、及びトレーサビリティ情報をサーバ3に出力する(ステップSB25)。サーバ3の記憶部22は、第1の停止位置において実装が中断された基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板IDに対応付けて保存する。
実装の中断の原因が解消されると、基板Pに対する電子部品Cの実装が再開される(ステップSB26)。実装が再開されると、第1の停止位置において基板Pがクランプされる(ステップSB27)。また、実装が再開されると、ヘッドカメラ17は、第1の停止位置で停止した基板Pの識別マークBを検出する(ステップSB28)。
情報処理部33は、基板ID、及びトレーサビリティ情報をサーバ3に出力する(ステップSB29)。サーバ3の記憶部22は、第1の停止位置において実装が再開された基板Pに対するトレーサビリティ情報を、基板IDに対応付けて保存する。
第1の実装動作が再開される(ステップSB30)。第1の実装動作が終了した後、基板Pに対するクランプが解除される。基板移動装置6は、その基板Pを+X方向に移動し、第2の停止位置で基板Pを停止する(ステップSB31)。
制御部35は、実装ヘッド8を制御して、第2の停止位置に停止している基板Pに対して電子部品Cを実装する(ステップSB32)。
第2の実装動作が終了した後、基板Pに対するクランプが解除される。基板移動装置6は、その基板Pを+X方向に移動し、搬出する。
情報処理部33は、電子部品Bが実装された基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板IDに対応付ける。情報処理部33は、対応付けられた基板ID、及びトレーサビリティ情報をサーバ3に出力する(ステップSB33)。
サーバ3の記憶部22は、基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板IDに対応付けて保存する。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1の実装動作の中断時においてテンポラリIDが生成され保存される。第1の実装動作が再開されるとき、中断時において生成され保存されていたテンポラリIDが復元され、再利用される。これにより、実装の中断前と実装の再開後とにおいて、基板Pの識別情報を関連付けることができる。
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図16は、本実施形態に係る電子部品実装方法の一例を示すフローチャートである。本実施形態においては、第2の停止位置に停止している基板Pに対する電子部品Cの実装が中断される例について説明する。
基板Pが基板移動装置6に搬入される。基板移動装置6は、X軸と平行な経路で基板Pを+X方向に移動し、その経路の第1の停止位置で基板Pを停止する(ステップSC1)。
判定部31は、XY平面内における実装ヘッド8の可動範囲と、基板Pにおける識別マークBの位置情報とに基づいて、経路の第1の停止位置で停止した基板Pの識別マークBをヘッドカメラ17の検出領域MAに配置可能か否かを判定する(ステップSC2)。判定部31は、識別マークBが検出領域MAに配置されているか否かを判定してもよい。
ステップSC2において、判定部31により識別マークBを検出領域MAに配置不可能であると判定された場合(Noの場合)、生成部32は、基板PのテンポラリIDを生成する(ステップSC3)。ステップSC2において識別マークBが検出領域MAに配置されていないと判定された場合、テンポラリIDが生成されてもよい。生成されたテンポラリIDは、サーバ3に出力される(ステップSC4)。
サーバ3の記憶部22は、第1の停止位置において電子部品Cが実装された基板Pに関するトレーサビリティ情報をテンポラリIDに対応付けて保存する。
制御部35は、実装ヘッド8を制御して、第1の停止位置に停止している基板Pに対して電子部品Cを実装する(ステップSC5)。
第1の実装動作が終了した後、基板Pに対するクランプが解除される。基板移動装置6は、その基板Pを+X方向に移動し、第2の停止位置で基板Pを停止する(ステップSC6)。
判定部31は,XY平面内における実装ヘッド8の可動範囲と、基板Pにおける識別マークBの位置情報とに基づいて、経路の第2の停止位置で停止した基板Pの識別マークBをヘッドカメラ17の検出領域MAに配置可能か否かを判定する。
判定部31により経路の第2の停止位置で停止した基板Pの識別マークBを検出領域MAに配置可能であると判定された場合、識別マークBがヘッドカメラ17の検出領域MAに配置されるように実装ヘッド8が移動される。ヘッドカメラ17は、第2の停止位置で停止した基板Pの識別マークBを検出する(ステップSC7)。
取得部34は、ヘッドカメラ17が検出した識別マークBの検出結果に基づいて、基板IDを取得する(ステップSC8)。
制御部35は、実装ヘッド8を制御して、第2の停止位置に停止している基板Pに対して電子部品Cを実装する(ステップSC9)。
何らかの原因で第2の停止位置に停止している基板Pに対する電子部品Cの実装が中断される(ステップSC10)。実装が中断されると、基板Pのクランプが解除される(ステップSC11)。クランプが解除されることにより、基板Pは、X軸方向に移動可能になる。
実装が中断されると、情報処理部33は、第2の停止位置において実装が中断された基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板ID及びテンポラリIDに対応付ける(ステップSC12)。情報処理部33は、対応付けられたテンポラリID、基板ID、及びトレーサビリティ情報をサーバ3に出力する(ステップSC13)。サーバ3の記憶部22は、第1の停止位置において実装が中断された基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板ID及びテンポラリIDに対応付けて保存する。
情報処理部33は、テンポラリIDを基板IDに置換する。すなわち、情報処理部33は、第2の停止位置において電子部品Cが実装された基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板IDに対応付けて記憶部22に保存する(ステップSC14)。
実装の中断の原因が解消されると、基板Pに対する電子部品Cの実装が再開される(ステップSC15)。実装が再開されると、第2の停止位置において基板Pがクランプされる(ステップSC16)。また、実装が再開されると、ヘッドカメラ17は、第2の停止位置で停止した基板Pの識別マークBを検出する(ステップSC17)。
情報処理部33は、基板ID、及びトレーサビリティ情報をサーバ3に出力する(ステップSC18)。サーバ3の記憶部22は、第2の停止位置において実装が再開された基板Pに対するトレーサビリティ情報を、基板IDに対応付けて保存する。
第2の実装動作が再開される(ステップSC19)。第2の実装動作が終了した後、基板Pに対するクランプが解除される。基板移動装置6は、その基板Pを+X方向に移動し、搬出する。
情報処理部33は、第2の停止位置において電子部品Bの実装が再開された基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板IDに対応付ける(ステップSC20)。
ステップSC2において、判定部31により識別マークBを検出領域MAに配置可能であると判定された場合(Yesの場合)、識別マークBがヘッドカメラ17の検出領域MAに配置されるように実装ヘッド8が移動される。ヘッドカメラ17は、第1の停止位置で停止した基板Pの識別マークBを検出する(ステップSC21)。ステップSC2において識別マークBが検出領域MAに配置されていると判定された場合、識別マークBが検出されてもよい。
取得部34は、ヘッドカメラ17が検出した識別マークBの検出結果に基づいて、基板IDを取得する。取得された基板IDは、サーバ3に出力される(ステップSC22)。
サーバ3の記憶部22は、第1の停止位置において電子部品Cが実装された基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板IDに対応付けて保存する。
制御部35は、実装ヘッド8を制御して、第1の停止位置に停止している基板Pに対して電子部品Cを実装する(ステップSC23)。
第1の実装動作が終了した後、基板Pに対するクランプが解除される。基板移動装置6は、その基板Pを+X方向に移動し、第2の停止位置で基板Pを停止する(ステップSC24)。
制御部35は、実装ヘッド8を制御して、第2の停止位置に停止している基板Pに対して電子部品Cを実装する(ステップSC25)。
何らかの原因で第2の停止位置に停止している基板Pに対する電子部品Cの実装が中断される(ステップSC26)。実装が中断されると、基板Pのクランプが解除される(ステップSC27)。クランプが解除されることにより、基板Pは、X軸方向に移動可能になる。
実装が中断されると、情報処理部33は、第2の停止位置において実装が中断された基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板IDに対応付ける。情報処理部33は、対応付けられた基板ID、及びトレーサビリティ情報をサーバ3に出力する(ステップSC28)。サーバ3の記憶部22は、第2の停止位置において実装が中断された基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板IDに対応付けて保存する。
実装の中断の原因が解消されると、基板Pに対する電子部品Cの実装が再開される(ステップSC29)。実装が再開されると、第2の停止位置において基板Pがクランプされる(ステップSC30)。また、実装が再開されると、ヘッドカメラ17は、第2の停止位置で停止した基板Pの識別マークBを検出する(ステップSC31)。なお、識別マークBの検出がハンディターミナルで実施されてもよい。
情報処理部33は、基板ID、及びトレーサビリティ情報をサーバ3に出力する(ステップSC32)。サーバ3の記憶部22は、第2の停止位置において実装が再開された基板Pに対するトレーサビリティ情報を、基板IDに対応付けて保存する。
第2の実装動作が再開される(ステップSC33)。第2の実装動作が終了した後、基板Pに対するクランプが解除される。基板移動装置6は、その基板Pを+X方向に移動し、搬出する。
情報処理部33は、電子部品Bが実装された基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板IDに対応付ける。情報処理部33は、対応付けられた基板ID、及びトレーサビリティ情報をサーバ3に出力する(ステップSC34)。
サーバ3の記憶部22は、基板Pに関するトレーサビリティ情報を基板IDに対応付けて保存する。
以上説明したように、本実施形態によれば、第2の実装動作の中断時において基板IDが保存される。第2の実装動作が再開されるとき、中断時において保存されていた基板IDが再利用される。これにより、実装の中断前と実装の再開後とにおいて、基板Pの識別情報を関連付けることができる。
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
上述の第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態においては、経路における基板Pの停止位置が2箇所であることとした。停止位置は3箇所でもよいし、4箇所でもよいし、5箇所以上の任意の数でもよい。
図17は、本実施形態に係る基板Pと実装ヘッド15の可動範囲との関係を示す図である。図17は、停止位置が3箇所である例を示す。
図17に示すように、第1回目の停止位置における実装ヘッド8の可動範囲に対応する基板Pの表面の一部の領域(被実装領域)aと、第2回目の停止位置における実装ヘッド8の可動範囲に対応する基板Pの表面の一部の領域(被実装領域)cと、第3回目の停止位置における実装ヘッド8の可動範囲に対応する基板Pの表面の一部の領域(被実装領域)eとが規定される。領域aと領域cとによって重複領域bが形成されるように、第1回目の停止位置及び第2回目の停止位置が定められる。領域cと領域eとによって重複領域dが形成されるように、第2回目の停止位置及び第3回目の停止位置が定められる。
領域aは、第1の実装動作で電子部品Cが実装可能な領域である。領域cは、第2の実装動作で電子部品Cが実装可能な領域である。領域eは、第3の実装動作で電子部品Cが実装可能な領域である。重複領域bは、第1の実装動作及び第2の実装動作の両方で電子部品Cが実装可能な領域である。重複領域dは、第2の実装動作及び第3の実装動作の両方で電子部品Cが実装可能な領域である。