以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。まず、本発明に係る光結合部材をデバイスに接続した状態について説明する。図1は、本発明に係る光結合部材をデバイスに接続した状態を模式的に示す側断面図である。なお、図1においては、説明の便宜上、受光/発光素子を備えるデバイスについて説明するが、デバイスの構成については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。
図1に示すように、本発明に係る光結合部材10が接続されるデバイス100は、受光/発光素子101をケース102の内部に配置すると共に、この受光/発光素子101の光軸上に図示しない支持手段によって支持された集光レンズ103及び斜め研磨面104を配置して構成される。また、デバイス100のケース102の側面には、光結合部材10を挿入する開口部105が設けられている。
デバイス100において、発光素子101から出射されるレーザ光は、集光レンズ103を介して斜め研磨面104によって反射され、開口部105に導かれる。そして、斜め研磨面104によって反射された光は、光結合部材10に備えられたボールレンズ12により集光され、光ファイバ13に入射する。そして、このように入射された光が、光ファイバ13内を伝搬する。なお、以下の説明においては、光結合部材10に備えられるレンズがボールレンズ12である場合について説明するが、レンズの構成については、ボールレンズ12に限定されるものではなく適宜変更が可能である。
また、デバイス100において、光ファイバ13を伝搬する光は、ボールレンズ12を介して出射される。そして、光ファイバ13から出射されたレーザ光は、斜め研磨面104によって反射され、集光レンズ103を介して受光素子101に導かれる。なお、図1においては、発光素子101から出射されたレーザ光の光路及び光ファイバ13から出射されたレーザ光の光路を破線にて示している。
本実施の形態に係るデバイス100においては、図1に示すように、光ファイバ13を保持した光結合部材10がケース102内の所定位置まで挿入されると、受光/発光素子101と光ファイバ13との間を伝わるレーザ光が集光レンズ103及び斜め研磨面104を介して適切に出入射できるように設計されている。以下、このようなデバイス100に接続される本実施の形態に係る光結合部材10の構成について説明する。なお、以下の説明においては、説明の便宜上、光結合部材10におけるボールレンズ12側(図1に示す左方側)を光結合部材10の前方側と呼び、光ファイバ13側(図1に示す右方側)を光結合部材10の後方側と呼ぶものとする。
(第1の実施の形態)
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る光結合部材10の斜視図である。図3は、本発明の第1の実施の形態に係る光結合部材10の側面図(A)、平面図(B)、(C)及び背面図(D)である。図4Aは、図3Dに示すA−A矢視断面図であり、図4Bは、図3Dに示すB−B矢視断面図である。なお、図2〜図4においては、説明の便宜上、光結合部材10に保持される光ファイバ13を示している。また、図3Cにおいては、後述するリング部材15がファイバ保持部142を開放した状態について示している。
図2〜図4に示すように、光結合部材10は、概して円筒形状を有する保持部材としてのホルダ11と、このホルダ11の一端部に保持されるボールレンズ12と、ホルダ11及びこのホルダ11から露出する光ファイバ13を保持する支持部材14と、この支持部材14の所定の取付位置に取り付けられる固定部材としてのリング部材15とを含んで構成されている。例えば、第1の実施の形態に係る光結合部材10においては、光ファイバ13としてプラスチック光ファイバが好適に挿入される。以下に示す実施の形態においても同様である。なお、光ファイバ13を保持するホルダ11の詳細については後述する。
支持部材14は、例えば、樹脂材料で成形される。支持部材14は、図2及び図3に示すように、概して円筒形状を有するホルダ保持部141と、このホルダ保持部141の一端部(後端部)から延出して設けられるファイバ保持部142とを有する。ホルダ保持部141の前面には、ホルダ11が挿入されるホルダ挿入孔141aが設けられている。なお、このホルダ挿入孔141aは、第1の挿入孔を構成する。
ファイバ保持部142は、図3に示すように、小径部142aと、大径部142bと、ストッパ部142cとを有する。小径部142aは、ホルダ保持部141の後面から後方側に延出して設けられている。大径部142bは、この小径部142aの後方側に連続して設けられている。ストッパ部142cは、この大径部142bの後方側に連続して設けられている。これらの小径部142a、大径部142b及びストッパ部142cの上面及び下面には、それぞれ支持部材14の延伸方向(光ファイバ13の挿入方向)に沿って配置されるスリット142dが設けられている。このスリット142dにより、ファイバ保持部142は、その先端部(後端部)近傍で僅かに可撓性を有している。ファイバ保持部142の後面(背面)には、光ファイバ13が挿入されるファイバ挿入孔142eが設けられている。なお、このファイバ挿入孔142eは、第2の挿入孔を構成する。
リング部材15は、例えば、金属材料で形成され、断面が円環形状を有している(図3D参照)。図4に示すように、リング部材15の内径(内周壁面の寸法)は、ファイバ保持部142の小径部142aの外周寸法よりも大きな寸法に設けられ、大径部142bの外周寸法よりも僅かに小さな寸法に設けられている。リング部材15は、これらの小径部142a及び大径部142b間で移動可能に取り付けられる。大径部142bの外周面の一部でリング部材15の所定の取付位置が構成される。大径部142b側に移動した状態において、大径部142bは、リング部材15によって締め付けられた状態となり、僅かに光ファイバ13の径方向内側に縮んだ状態となる。この場合におけるファイバ保持部142の微小な内側への移動は、スリット142dにより吸収される。なお、ストッパ部142cは、リング部材15の内径寸法よりも大きい寸法に設けられており、リング部材15における後方側への移動は、このストッパ部142cとの当接により規制される。なお、リング部材15は、円筒状部材を構成するものである。また、ストッパ部142cの一部は、当接部を構成するものである。
支持部材14の内部には、貫通孔143が設けられている。貫通孔143は、ホルダ保持部141に設けられたホルダ挿入孔141aと、ファイバ保持部142に設けられたファイバ挿入孔142eとの間を貫通して設けられている。貫通孔143は、ホルダ保持孔143aと、ファイバ保持孔143bとから構成される。ホルダ保持孔143aは、ホルダ11の外周寸法と略同径の寸法を有しており、ホルダ11が圧入可能に構成されている。一方、ファイバ保持孔143bは、光ファイバ13の外周寸法と略同径の寸法を有しており、光ファイバ13が圧入可能に構成されている。ホルダ保持部141には、ホルダ保持孔15aとファイバ保持孔143bとの境界部分を構成する段差部143cが設けられている。この段差部143cは、ホルダ11の位置決め部を構成する。上述したファイバ保持部142に設けられるスリット142dは、その内側において貫通孔143(より具体的には、ファイバ保持孔143b)に連続して設けられている。
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る光結合部材10に用いる、ホルダ11及びボールレンズ12について詳細に説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態に係る光結合部材10が有するホルダ11の側面図及び背面図である。図6は、図5に示すA−A矢視断面図である。なお、図5及び図6においては、説明の便宜上、光結合部材10が有するホルダ11に保持される光ファイバ13を示している。
ホルダ11は、例えば、ステンレス等の金属材料で形成される。特に加工性の点から、ホルダ11は、オーステナイト系ステンレスで形成されることが好ましい。図6に示すように、ホルダ11における後端部には、光ファイバ13が挿入される挿入孔11aが設けられている。一方、ホルダ11における前端部(ボールレンズ12側の端部)には、開口部11bが設けられている。この開口部11bの内側には、ボールレンズ12を収容する収容部11cが設けられている。この収容部11cは、ボールレンズ12の表面の損傷を防止するためにボールレンズ12全体をその内側に収容可能な寸法に設けられ、ボールレンズ12が圧入可能に構成されている。
また、ホルダ11の内部には、光ファイバ13の外径寸法よりも僅かに大径の貫通孔11dが設けられている。この貫通孔11dは、挿入孔11aに連通するとともに、収容部11cに連通して設けられている(図6参照)。さらに、ホルダ11には、その外周部から工具等により押圧加工を施すことで形成される複数の陥没部11eが設けられている。これらの陥没部11eは、収容部11cと貫通孔11dとの間に設けられ、詳細について後述するように、ボールレンズ12及び光ファイバ13の位置決めに利用される。
ボールレンズ12は、例えば、ガラス材料で形成され、球形状を有する。図6に示すように、ボールレンズ12は、ホルダ11の収容部11c内に収容された状態において、貫通孔11dに挿入された光ファイバ13の先端部に臨むように配置されている。すなわち、陥没部11eを設けることで形成される内壁面に位置決めされた状態において、ボールレンズ12と光ファイバ13とは、一定の位置関係を有する位置に位置決めされる。このとき、ボールレンズ12は、光ファイバ13の先端面(前端面)に対向して配置された状態となっている。
光ファイバ13は、その中心を貫通して設けられるコア13aと、このコア13aを被覆するクラッド13bと、このクラッド13bを被覆して補強する補強層13cとから構成される。光ファイバ13としては、プラスチック光ファイバを用いることが好適である。光ファイバ13のボールレンズ12に対向する端面においては、コア13a、クラッド13b及び補強層13cが同一平面上に配置されている。すなわち、ボールレンズ12に対向する端面において、コア13a、クラッド13b及び補強層13cが揃って配置されている。
光ファイバ13は、挿入孔11aを介して貫通孔11dに挿入され、その先端部がボールレンズ12の近傍でその球面に対向するように配置した状態で固定されている。
第1の実施の形態に係る光結合部材10において、光ファイバ13は、例えば、グレーデッドインデックス(GI)型光ファイバで構成され、ファイバ軸に垂直な断面で屈折率が連続的に変化するように構成されている。また、コア13a及びクラッド13bは、例えば、C−H結合のHをFに置換した全フッ素置換光学樹脂で構成されている。このように、光ファイバ13を全フッ素置換光学樹脂で構成すると共に、GI型光ファイバで構成することにより、高速かつ大容量通信を実現することができる。
本発明に係る光結合部材10においては、コストの上昇を抑制しつつ、簡便にボールレンズ12と光ファイバ13との位置決めを行うためにホルダ11に設けた陥没部11eを利用する。具体的には、ホルダ11に陥没部11eを設けることで形成される当接面に、ボールレンズ12及び光ファイバ13の一部を当接させて位置決めを行うことにより、これらの位置決め用のスペーサなどの構成を不要とし、コストの上昇を抑制しつつ、簡便にボールレンズ12と光ファイバ13との位置決めを可能とする。
ここで、ホルダ11におけるボールレンズ12及び光ファイバ13の位置決め方法について図7を用いて説明する。図7は、図6に示す2点鎖線B内の拡大図である。図7に示すように、陥没部11eのうち、ボールレンズ12に対向する部分には、ボールレンズ12の一部が当接する一方、光ファイバ13に対向する部分には、光ファイバ13を構成するコア13a以外のクラッド13b又は補強層13c、或いはクラッド13b及び補強層13cの一部が当接する。このように当接した状態でボールレンズ12及び光ファイバ13がそれぞれホルダ11の所定位置に位置決めされる。
図7に示すように、陥没部11eは、光ファイバ13の挿入方向と直交する平面(例えば、図7に示す光ファイバ13の端面と平行に配置され、陥没部11eの中心を通過する平面C)に対して、ボールレンズ12に対向する部分の角度と、光ファイバ13に対向する部分の角度とが異なる角度に設けられている。このような陥没部11eは、例えば、先端部の形状が異なる先細の工具を用いて押圧加工を施すことにより設けられる。このような工具で押圧加工することにより、陥没部11eは、その押圧加工時における中心軸を基準として、ボールレンズ12に対向する部分の角度と、光ファイバ13に対向する部分の角度とを異なる角度とすることで、形状の異なるボールレンズ12と光ファイバ13とを効果的に位置決めすることが可能となる。
また、ホルダ11においては、このような陥没部11eがホルダ11の同一周上に複数(本実施の形態においては、3つ)設けられている。同一周上への陥没部11eの形成は、例えば、上述した先端形状の異なる工具によりホルダ11の外周から同時に押圧加工を施すことが考えられる。このように同一周上に複数の陥没部11eを設けることにより、ボールレンズ12及び光ファイバ13をそれぞれ複数の位置で当接させることができるので、より高精度にボールレンズ12及び光ファイバ13の位置決めを行うことが可能となる。
陥没部11eにおけるボールレンズ12に対向する部分は、傾斜面11e1を構成する。この傾斜面11e1は、図7に矢印で示す光ファイバ13の挿入方向と直交する平面(例えば、図7に示す光ファイバ13の端面と平行に配置され、陥没部11eの基端部を通過する平面D)に対する角度θ1が0°以上45°以下となるように設けられている。このようにボールレンズ12側の傾斜面11e1の角度θ1を光ファイバ13の挿入方向と直交する平面Dに対して0°以上45°以下に設定することにより、ボールレンズ12における光ファイバ13側の一部を支持した状態で位置決めすることができるので、ボールレンズ12の位置精度を高めることができる。
一方、陥没部11eにおける光ファイバ13に対向する部分は、傾斜面11e2を構成する。傾斜面11e2は、光ファイバ13の挿入方向と直交する平面(例えば、図7に示す光ファイバ13の端面と平行に配置される平面E)に対する角度θ2が20°以下となるように設けられている。このように傾斜面11e2の角度を平面Eに対して20°以下に設けることにより、光ファイバ13が、上述したように、コア13a、クラッド13b及び補強層13cが同一平面上に配置される光ファイバで構成される場合に、当該光ファイバ13の端面を陥没部11eに当接させることにより、これらの位置精度を確保し易くすることができる。
このように光結合部材10においては、ホルダ11に設けた陥没部11eにボールレンズ12の一部及び光ファイバ13の一部を当接させて位置決めするようにしたことから、陥没部11eを基準としてボールレンズ12及び光ファイバ13を位置決めできるので、別部品をホルダ11に挿入する場合と比べて、作業効率を向上させることができ、コストの上昇を抑制しつつ、簡単にボールレンズ12と光ファイバ13との位置決めを行うことが可能となる。
以下、第1の実施の形態に係る光結合部材10の組み立て工程について、図8〜図10に基づいて説明する。図8〜図10は、光結合部材10の組み立て工程を順に示す説明図である。なお、図8〜図10に示す光結合部材10の組み立て工程においては、説明の便宜上、光結合部材10に対して光ファイバ13を組み込んで固定する工程も含むものとする。
まず、図8に示すように、支持部材14のホルダ保持部141のホルダ挿入孔141aから、ホルダ11を圧入する。なお、ホルダ11の前端には、ボールレンズ12が収容されている。上述したようにボールレンズ12は、陥没部11eにより所定位置に位置決めされた状態で保持されている。ホルダ挿入孔141aから圧入されたホルダ11は、ホルダ保持部141内の段差部143cに当接すると静止する。このとき、ホルダ11は所定の位置に位置決めされた状態となる。このように、ホルダ保持部141内にホルダ11の位置決め部を構成する段差部143cが設けられていることから、ホルダ11を支持部材14に挿入したときに、簡単にホルダ11の位置決めを行うことが可能となる。
次に、図9に示すように、支持部材14のファイバ保持部142のファイバ挿入孔142eから光ファイバ13を挿入する。なお、この光ファイバ13の挿入作業は、リング部材15をファイバ保持部142の小径部142aに配置した状態、言い換えると、リング部材15を所定の取付位置から退避させた状態(すなわち、ファイバ保持部142が開放された状態)で行われる。光ファイバ13は、ファイバ保持部142のファイバ保持孔143bの内周壁に案内され、ホルダ保持部141に保持されたホルダ11の挿入孔11aに至る。そして、光ファイバ13は、ホルダ11の貫通孔11dの内周壁に案内されて陥没部11eに至る。光ファイバ13が、陥没部11eに当接したところで挿入作業が終了する。このとき、光ファイバ13は所定の位置に位置決めされた状態となる。
最後に、図10に示すように、ファイバ保持部142の小径部142aに配置されているリング部材15を大径部142b側(後方側)に移動する。この場合、リング部材15は、その後端面がストッパ部142cに当接するまで移動する。このようにリング部材15を大径部142b側に移動することにより、リング部材15が大径部142b上の所定の取付位置に配置され、リング部材15の内壁面によってファイバ保持部142が締め付けられる。このとき、支持部材14の後端側の一部を構成するファイバ保持部142が内側に向けて変形し、ファイバ保持部142の内側に設けられたファイバ保持孔143bは、その内径寸法が光ファイバ13の径方向に縮小する。これにより、ファイバ保持孔143bの内周壁により光ファイバ13の外周面が保持される。以上の工程により、図2に示した光結合部材10を組み立てることができる。
以上説明したように、第1の実施の形態において、光結合部材10に挿入される光ファイバ13は、ホルダ11によりボールレンズ12と一定の位置関係を有する位置に位置決めされると共に、リング部材15が取り付けられることで変形した支持部材14の内壁面を介して固定されることから、光ファイバ13の被覆を除去する作業や接着剤等により光ファイバ13を固定する作業等が必要ない。また、光ファイバ13は、ホルダ11によりボールレンズ12と一定の位置関係を有する位置に位置決めされた状態で固定されることから、ボールレンズ12と光ファイバ13との位置関係が高精度に維持される。この結果、複雑な作業を必要とすることなく、ホルダ11に保持されたボールレンズ12と光ファイバ13との位置関係を高精度に維持することが可能となる。
特に、第1の実施の形態に係る光結合部材10においては、固定部材としてのリング部材15が、ファイバ保持部142の所定の取付位置に取り付けられた状態にて、貫通孔144を規定する支持部材14の内壁面を光ファイバ13の径方向に縮小させる。このようにリング部材15を取り付けることによって支持部材14の内壁面を光ファイバ13の径方向に縮小できることから、リング部材15によって簡単且つ確実に光ファイバ13を一定位置に固定することが可能となる。
しかも、第1の実施の形態に係る光結合部材10において、支持部材14のファイバ保持部142には、大径部142bよりもホルダ挿入孔141a側に配置され、リング部材15の内周壁面よりも小径に設けられた小径部142aが設けられ、リング部材15がこの小径部142aから大径部142b上の所定の取付位置に移動することで光ファイバ13を固定する。このような構成においては、リング部材15を小径部に退避させた場合には、所定の取付位置に配置させて支持部材14内の貫通孔144を縮小させた場合と比べて貫通孔144を拡張した状態とできるので、光結合部材10に対する光ファイバ13の挿入作業を簡単に行うことが可能となる。
さらに、第1の実施の形態に係る光結合部材10において、支持部材14には、大径部142bよりもファイバ挿入孔142e側に配置され、リング部材15の後端面に当接するストッパ部142cを有し、リング部材15がストッパ部142cに当接した状態で大径部142b上の所定の取付位置に配置される。これにより、ストッパ部142cに当接した状態でリング部材15を所定の取付位置に配置できるので、リング部材15が一定位置以上に後方側に移動するのを規制でき、所定の取付位置に安定して配置することが可能となる。
なお、以上の説明においては、ホルダ11に設けた陥没部11eにボールレンズ12の一部及び光ファイバ13の一部を当接させてボールレンズ12と光ファイバ13との位置決めを行う場合について説明している。しかしながら、ボールレンズ12と光ファイバ13との位置決め方法については、これに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、ボールレンズ12及び光ファイバ13の双方を陥没部11eに当接させるのではなく、ボールレンズ12又は光ファイバ13の一方を当接させるようにし、他方については陥没部11e以外のホルダ11の部分で位置決めを行うようにしてもよい。ただし、この場合には、他方を位置決めするための部分が、陥没部11eとの関係で一定の位置関係に設計されることを前提とする。すなわち、本発明に係る光結合部材10においては、ボールレンズ12又は光ファイバ13の一方を陥没部11eに当接させる着想も含まれる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る光結合部材は、支持部材14におけるファイバ保持部142の形状及びリング部材15を有しない点において、第1の実施の形態に係る光結合部材10と相違する。以下、第2の実施の形態に係る光結合部材20の構成について、図11〜図13に基づいて説明する。図11は、第2の実施の形態に係る光結合部材20の斜視図である。図12は、第2の実施の形態に係る光結合部材20の側面図(A)、平面図(B)及び背面図(C)である。図13は、図12Cに示すA−A矢視断面図(A)及び図13Aにおける2点鎖線B内の拡大図(B)である。なお、図11〜図13において、図2〜図10に示す第1の実施の形態に係る光結合部材10と共通する構成については同一の符号を付与してその説明を省略する。また、図11〜図13においては、説明の便宜上、光結合部材20に保持される光ファイバ13を示している。
第2の実施の形態に係る光結合部材20において、ファイバ保持部142は、図12及び図13に示すように、円筒形状部142fと、この円筒形状部142fの前端部近傍に設けられた係合片142gとを有する点において、第1の実施の形態に係る光結合部材10と相違する。円筒形状部142fの外径寸法は、ホルダ保持部141の外形寸法よりも小径に設けられている。係合片142gは、円筒形状部142fの外周面から径方向外側に突出して設けられると共に、ホルダ保持部141側に向かって外径寸法が徐々に大きくなる構成を有している。また、係合片142gにおけるホルダ保持部141側の先端部(前端部)には、係合部142hが設けられている。係合部142hは、光結合部材20の延伸方向と直交する平面部を有しており、後述するキャップ部材151の環状突起部151dと係合可能に構成されている。なお、係合片142gは、第1の係合部を構成する。
また、第2の実施の形態に係る光結合部材20において、支持部材14は、図11〜図13に示すように、リング部材15の代わりに固定部材としてのキャップ部材151を有する点において、第1の実施の形態に係る光結合部材10と相違する。キャップ部材151は、概して円筒形状を有し、ホルダ保持部141の外形寸法と略同一の外形寸法を有している。なお、このキャップ部材151は、円筒状部材を構成する。キャップ部材151の内側には、貫通孔151aが設けられている(図13A参照)。貫通孔151aは、光結合部材20の前後方向に貫通して設けられている。
貫通孔151aにおいては、後方側の内周壁面よりも前方側(ホルダ保持部141側)の内周壁面の径が大きく構成されている。具体的には、貫通孔151aの内周壁面においては、後方側に小径部151bが設けられ、この小径部151bの前方側(ホルダ保持部141側)に大径部151cが設けられている。小径部151bは、ファイバ保持部142の円筒形状部142fの外周寸法と略同一の内周寸法に構成されている。大径部151cは、ファイバ保持部142の円筒形状部142fに設けられた係合片142gを収容可能な内周寸法に構成されている。
貫通孔151aの大径部151cの内周壁面のうち、前端部(ホルダ保持部141側端部)の近傍の内周壁面には、内側に向かって僅かに環状に突出する環状突起部151dが設けられている。環状突起部151dは、キャップ部材151がファイバ保持部142に取り付けられた状態において、係合片142gの係合部142hと係合可能な寸法だけ突出して設けられている。なお、この環状突起部151dは、第2の係合部を構成する。
また、貫通孔151aの小径部151bの内周壁面の後端部には、図13Bに示すように、内側に向かって僅かに環状に突出する環状突起部151eが設けられている。環状突起部151eは、キャップ部材151がファイバ保持部142に取り付けられた状態において、ファイバ保持部142の後端部と係合してファイバ保持部142を内側(光ファイバ13側)に押し付ける役割を果たす。
第2の実施の形態に係る光結合部材20の組み立て工程においては、ホルダ11をホルダ保持部141のホルダ挿入孔141a側から挿入する工程(ホルダ挿入工程)及びファイバ保持部142のファイバ挿入孔142e側から挿入する工程(ファイバ挿入工程)について、第1の実施の形態に係る光結合部材10の組み立て工程と同様である。なお、ファイバ挿入工程においては、キャップ部材151の貫通孔151aに光ファイバ13を通過させた後に支持部材14への挿入作業が行われる。
ファイバ挿入工程を行った後、第2の実施の形態に係る光結合部材20においては、キャップ部材151をファイバ保持部142に固定するキャップ固定工程が行われる。このキャップ固定工程においては、キャップ部材151の内周壁面に設けられた環状突起部151dが、ファイバ保持部142の係合片142gを乗り越える位置まで前方側に移動される。係合片142gを乗り越えると、環状突起部151dが係合部142hと係合し、ファイバ保持部142に対してキャップ部材151が固定される。
このキャップ固定工程の過程において、ファイバ保持部142の円筒形状部142fは、キャップ部材151の小径部151bに締め付けられる。このとき、ファイバ保持部142の内側に設けられたファイバ保持孔143bは、その内径寸法が光ファイバ13の径方向に縮小する。これにより、ファイバ保持孔143bの内周壁により光ファイバ13の外周面が保持される。以上の工程により、図11に示した光結合部材20を組み立てることができる。
以上説明したように、第2の実施の形態に係る光結合部材20においても、第1の実施の形態に係る光結合部材10と同様に、光結合部材20に挿入される光ファイバ13は、ホルダ11によりボールレンズ12と一定の位置関係を有する位置に位置決めされた状態で固定部材であるキャップ部材151により固定されることから、複雑な作業を必要とすることなく、ホルダ11に保持されたボールレンズ12と光ファイバ13との位置関係を高精度に維持することが可能となる。
また、第2の実施の形態に係る光結合部材20において、キャップ部材151の内周壁面には、支持部材14のファイバ保持部142の外周壁面に設けられた係合片142gと係合する環状突起部151dが設けられ、キャップ部材151は、環状突起部151dが係合片142gと係合した状態で所定の取付位置に配置される。これにより、環状突起部151dが係合片142gと係合した状態でキャップ部材151が所定の取付位置に配置されることから、キャップ部材151が所定の取付位置から移動する事態を抑制でき、光ファイバ13の固定状態を効果的に維持することが可能となる。
特に、第2の実施の形態に係る光結合部材20においては、キャップ部材151を光ファイバ13の挿入方向(光結合部材10の前方側)に沿って移動することで、その環状突起部151dを係合片142gと係合させている。これにより、光ファイバ13の挿入方向に沿ってキャップ部材151を移動させて光ファイバ13を固定する構成とでき、係合片142gや環状突起部151dをそれぞれファイバ保持部142やキャップ部材151の同一方向側(光結合部材10の前方側)の位置に配置した、比較的単純な構成で光ファイバ13を固定することが可能となる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る光結合部材は、支持部材14におけるファイバ保持部142の形状及びキャップ部材151の貫通孔151aの形状において、第2の実施の形態に係る光結合部材20と相違する。以下、第3の実施の形態に係る光結合部材30の構成について、図14及び図15に基づいて説明する。図14は、第3の実施の形態に係る光結合部材30の側面図(A)、(B)及び背面図(C)、(D)である。図15Aは、図14Cに示すB−B矢視断面図であり、図15Bは、図14Dに示すC−C矢視断面図であり、図15Cは、図15Aにおける2点鎖線D内の拡大図(C)である。なお、図14及び図15において、図11〜図13に示す第2の実施の形態に係る光結合部材20と共通する構成については同一の符号を付与してその説明を省略する。また、図14及び図15においては、説明の便宜上、光結合部材30に保持される光ファイバ13を示している。なお、第3の実施の形態に係る光結合部材30の外観については、第2の実施の形態に係る光結合部材20と同様であるため、図11を援用するものとする。
第3の実施の形態に係る光結合部材30において、ファイバ保持部142は、図14に示すように、円筒形状部142fの外周面に雄ねじ部142iが設けられる点において、第2の実施の形態に係る光結合部材20と相違する。雄ねじ部142iは、円筒形状部142fの外側に向かって僅かに突出して設けられており、後述するキャップ部材151の雌ねじ部151fと螺合可能に構成されている。なお、この雄ねじ部142iは、第1のねじ部を構成する。
また、第3の実施の形態に係る光結合部材30において、キャップ部材151の貫通孔151aは、大径部151cの内周壁面に雌ねじ部151fが設けられている点において、第2の実施の形態に係る光結合部材20と相違する。雌ねじ部151fは、キャップ部材151の内側に向かって僅かに突出して設けられており、ファイバ保持部142の雄ねじ部142iと螺合可能に構成されている。なお、この雌ねじ部151fは、第2のねじ部を構成する。
第3の実施の形態に係る光結合部材30の組み立て工程においては、ホルダ11をホルダ保持部141のホルダ挿入孔141a側から挿入する工程(ホルダ挿入工程)及びファイバ保持部142のファイバ挿入孔142e側から挿入する工程(ファイバ挿入工程)について、第2の実施の形態に係る光結合部材20の組み立て工程と同様である。
ファイバ挿入工程を行った後、第3の実施の形態に係る光結合部材30においては、キャップ部材151をファイバ保持部142に固定するキャップ固定工程が行われる。このキャップ固定工程においては、キャップ部材151の内周壁面に設けられた雌ねじ部151fが、ファイバ保持部142の雄ねじ部142iに螺合するように回しながら押し込まれる。そして、雌ねじ部151fが雄ねじ部142iの所定位置まで螺合した時点、より具体的には、キャップ部材151の先端部(前端部)がホルダ保持部141に当接した時点において、ファイバ保持部142における所定の取付位置にキャップ部材151が配置される。
このキャップ固定工程の過程において、ファイバ保持部142の円筒形状部142fは、キャップ部材151の小径部151bに締め付けられる。このとき、ファイバ保持部142の内側に設けられたファイバ保持孔143bは、その内径寸法が光ファイバ13の径方向に縮小する。これにより、ファイバ保持孔143bの内周壁により光ファイバ13の外周面が保持される。以上の工程により、図14に示した光結合部材30を組み立てることができる。
以上説明したように、第3の実施の形態に係る光結合部材30においても、第1の実施の形態に係る光結合部材10と同様に、光結合部材30に挿入される光ファイバ13は、ホルダ11によりボールレンズ12と一定の位置関係を有する位置に位置決めされた状態で固定部材であるキャップ部材151により固定されることから、複雑な作業を必要とすることなく、ホルダ11に保持されたボールレンズ12と光ファイバ13との位置関係を高精度に維持することが可能となる。
また、第3の実施の形態に係る光結合部材30において、キャップ部材151の内周壁面には、支持部材14のファイバ保持部142の外周壁面に設けられた雄ねじ部142iと係合する雌ねじ部151fが設けられ、キャップ部材151は、雌ねじ部151fが雄ねじ部142iの所定位置まで螺合した状態で所定の取付位置に配置される。これにより、キャップ部材151が所定の取付位置から移動する事態を抑制でき、光ファイバ13の固定状態を効果的に維持することが可能となる。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態に係る光結合部材は、支持部材14におけるファイバ保持部142の形状及びリング部材15の形状において、第1の実施の形態に係る光結合部材10と相違する。以下、第4の実施の形態に係る光結合部材40の構成について、図16〜図19に基づいて説明する。図16は、第4の実施の形態に係る光結合部材40の斜視図である。図17は、第4の実施の形態に係る光結合部材40の側面図(A)、(B)及び背面図(C)、(D)である。図18は、図17Cに示すA−A矢視断面図(A)及び図17DにおけるC−C矢視断面図(B)である。図19は、図17AにおけるB−B矢視断面図である。なお、図16〜図19において、図2〜図10に示す第1の実施の形態に係る光結合部材10と共通する構成については同一の符号を付与してその説明を省略する。また、図16〜図19においては、説明の便宜上、光結合部材40に保持される光ファイバ13を示している。
第4の実施の形態に係る光結合部材40において、ファイバ保持部142は、図17Bに示すように、その後端部近傍の外周面に複数(本実施の形態では、4つ)の凹部142jが設けられる点において、第1の実施の形態に係る光結合部材10と相違する。凹部142jは、ファイバ保持部142の外周面から僅かに凹むように形成されており、外周面の同一周上に並べて配置されている。それぞれの凹部142jの所定位置には、同一形状を有する係合凹部142kが設けられている。係合凹部142kは、凹部142jにおける周方向に沿った同一の端部に設けられている。係合凹部142kは、凹部142jの外周面から外側に突出する突起部142k1と、この突起部142k1に連続して設けられる凹部142k2とから構成される。係合凹部142kの凹部142k2は、後述するリング部材15の突起部15aを収容可能な寸法に構成されている。なお、この係合凹部142kは、第1の係合部を構成する。
また、第4の実施の形態に係る光結合部材40において、図17D及び図19に示すように、リング部材15は、その内周面に複数(本実施の形態では、4つ)の突起部15aが設けられる点において、第1の実施の形態に係る光結合部材10と相違する。これらの突起部15aは、リング部材15の内周面にて、周方向に沿って等間隔に配置されている。また、これらの突起部15aは、光結合部材10の延伸方向に延在して設けられている。それぞれの突起部15aは、リング部材15がファイバ保持部142の所定位置に取り付けられた状態において、係合凹部142kの凹部142k2と係合可能な寸法だけ突出して設けられている。なお、この突起部15aは、第2の係合部を構成する。第4の実施の形態に係る光結合部材40においては、第1の係合部として凹部(係合凹部142k)、第2の係合部として突起部(突起部15a)を備える場合について示しているが、第1の係合部として突起部、第2の係合部として凹部を備える構成としても良い。
第4の実施の形態に係る光結合部材40の組み立て工程においては、ホルダ11をホルダ保持部141のホルダ挿入孔141a側から挿入する工程(ホルダ挿入工程)及びファイバ保持部142のファイバ挿入孔142e側から挿入する工程(ファイバ挿入工程)について、第1の実施の形態に係る光結合部材10の組み立て工程と同様である。なお、ファイバ挿入工程においては、図19Aに示すように、リング部材15の突起部15aがファイバ保持部142の係合凹部142kと係合していない状態にて行われる。
ファイバ挿入工程を行った後、第4の実施の形態に係る光結合部材40においては、リング部材15をファイバ保持部142の外周壁面に沿って回転移動させてファイバ保持部142に固定するリング固定工程が行われる。このリング固定工程においては、図19Bに示すように、リング部材15の内周壁面に設けられた突起部15aが、ファイバ保持部142に設けられた係合凹部142kの突起部142k1を乗り越えて凹部14k2に係合する位置まで回転される。突起部142k1を乗り越えると、突起部15aが凹部14k2に係合し、ファイバ保持部142に対してリング部材15が固定される。
このリング固定工程の過程において、ファイバ保持部142は、リング部材15の内周壁面に締め付けられる。このとき、ファイバ保持部142の内側に設けられたファイバ保持孔143bは、その内径寸法が光ファイバ13の径方向に縮小する。これにより、ファイバ保持孔143bの内周壁により光ファイバ13の外周面が保持される。以上の工程により、図16Aに示した光結合部材40を組み立てることができる。
以上説明したように、第4の実施の形態に係る光結合部材40においても、第1の実施の形態に係る光結合部材10と同様に、光結合部材40に挿入される光ファイバ13は、ホルダ11によりボールレンズ12と一定の位置関係を有する位置に位置決めされた状態で固定部材であるリング部材15により固定されることから、複雑な作業を必要とすることなく、ホルダ11に保持されたボールレンズ12と光ファイバ13との位置関係を高精度に維持することが可能となる。
また、第4の実施の形態に係る光結合部材40において、リング部材15の内周壁面には、支持部材14のファイバ保持部142の外周壁面に設けられた係合凹部142kと係合する突起部15aが設けられ、リング部材15は、突起部15aが係合凹部142kと係合した状態で所定の取付位置に配置される。これにより、突起部15aが係合凹部142kと係合した状態でリング部材15が所定の取付位置に配置されることから、リング部材15が所定の取付位置から移動する事態を抑制でき、光ファイバ13の固定状態を効果的に維持することが可能となる。
特に、第4の実施の形態に係る光結合部材40においては、リング部材15を支持部材14のファイバ保持部142の外周壁面に沿って回転移動することで突起部15aを係合凹部142kと係合させている。これにより、支持部材14の一部の領域(より具体的には、側面視における支持部材14の一部の領域)内におけるリング部材15の回転移動で光ファイバ13を固定できるので、支持部材14の一部の領域以外の領域を必要とせず、光結合部材40の設置スペース等の省スペース化を図ることが可能となる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記第1〜第4の実施の形態においては、単一のホルダ11及び光ファイバ13を保持する場合について説明している。しかしながら、光結合部材が保持するホルダ11及び光ファイバ13の本数については、これに限定されるものではなく複数本とすることも可能である。以下、上記第1〜第4の実施の形態に係る光結合部材を、複数本のホルダ11及び光ファイバ13を保持する態様に適用する場合の構成例について説明する。なお、以下においては、第1の実施の形態に係る光結合部材を複数本のホルダ11及び光ファイバ13を保持する態様に適用した場合について代表して説明し、第2〜第4の実施の形態に係る光結合部材の説明については省略するものとする。
図20は、上記実施の形態の変形例に係る光結合部材50の斜視図である。図21は、上記変形例に係る光結合部材の平面図(A)、側面図(B)及び背面図(C)である。図22は、図21Cに示すA−A矢視断面図である。なお、図20〜図22において、図2〜図10に示す第1の実施の形態に係る光結合部材10と共通する構成については同一の符号を付与してその説明を省略する。また、図20〜図22においては、説明の便宜上、光結合部材50に保持される光ファイバ13を示している。
変形例に係る光結合部材50においては、第1の実施の形態に係る光結合部材10を4本連結した態様に相当するものである。この光結合部材50においては、4本のホルダ11を並列に保持するホルダ保持部144を備える点において、第1の実施の形態に係る光結合部材10と相違する。その他の構成については、第1の実施の形態に係る光結合部材10と同様である。
変形例に係る光結合部材50の組み立て工程においては、ホルダ挿入工程及びファイバ挿入工程において、それぞれ複数本のホルダ11及び光ファイバ13を挿入する点のみにおいて、第1の実施の形態に係る光結合部材10の組み立て工程と相違する。また、ファイバ保持部142にリング部材15を固定するリング固定工程において、複数のファイバ保持部142に対して複数のリング部材15を固定する点のみにおいて、第1の実施の形態に係る光結合部材10の組み立て工程と相違する。
リング固定工程の過程において、ファイバ保持部142は、リング部材15の内周壁面に締め付けられる。このとき、ファイバ保持部142の内側に設けられたファイバ保持孔143bは、その内径寸法が光ファイバ13の径方向に縮小する。これにより、ファイバ保持孔143bの内周壁により光ファイバ13の外周面が保持される。この場合、ファイバ保持孔143bは、キャップ部材151の前方移動に伴って均等にその内径寸法が縮小することから、ファイバ保持孔143bの内周壁全体で光ファイバ13を保持でき、所望の位置に光ファイバ13を簡単且つ強固に固定することが可能となる。
特に、変形例に係る光結合部材50においては、共通するホルダ保持部144を基準に複数のホルダ11及びこれに保持される光ファイバ13の位置決めが行われることから、複数の光ファイバ13間の位置精度を向上することが可能となる。
また、上記実施の形態においては、プラスチック光ファイバを光ファイバ13の一例として説明しているが、上記実施の形態に係る光結合部材10にて適用される光ファイバ13は、プラスチック光ファイバに限定されるものではない。例えば、ガラスファイバを適用することも可能である。