JP6327485B2 - 化粧材用コート剤セット - Google Patents

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プラスチック基材に塗工した際の硬化性が良好で、表面硬さ、基材への密着性および耐スクラッチ性に優れる、化粧材用コート剤セットに関する。
従来、建築物に使用する化粧材で代表的なものは、プラスチックフィルムを基材として印刷インキ等により木目や石などの模様を形成して、更に表面塗工が施してある。化粧材の層構成としては様々なものがあるが、直接手に触れる部分は表面保護層である。表面保護層は主にプライマー層とトップコート層からなり、様々な素材が使用されている。特許文献1には家具や台所のキャビネットを想定して密着性と摩耗性を課題としており、プライマー層ではポリエステルウレタンとポリイソシアネートからなる組成物、トップコート層は多官能アクリレート組成物を使用した例が記載されている。しかしながら、実施例での評価項目は少なく、実際は更に多くの課題をクリアしなければならない。
また、特許文献2では耐傷つき性、折り曲げ性、耐ブロッキング性の課題を解決するためにプライマー層としてウレタン成分70%、アクリル成分30%のポリカーボネートからなる主剤とヘキサメチレンジイソシアネートからなる硬化剤を使用し、トップコート層としてイソシアヌレート構造を含むウレタンアクリレート組成物が示されている。しかし、トップコート層としては引張伸び率から推測して、非常に柔らかい膜であり、硬さの要求される化粧材部位(例えばテーブルなどの水平面用)には不適である。
上記のように、化粧材用として1層コーティングのみで、硬さ、密着性、耐スクラッチ性、その他物性を満足することは難しく、好ましくは2層以上の複合層で多くの課題を達成できるコート剤の組み合わせの提案が望まれている。
特開2010−047016号公報 特開2015−091650号公報
プラスチック基材に塗工した際の硬化性が良好で、表面硬さ、基材への密着性および耐スクラッチ性に優れる、化粧材用コート剤セットを提供すること。
本発明者は前記課題に対して鋭意研究を重ねた結果、以下に記載の化粧材用コート剤セットを用いることで解決することを見出し、本発明に至った。
プラスチック基材上にプライマー層、トップコート層の順で積層された複合層を形成するための、該プライマー層を形成するコート剤(A)および該トップコート層を形成するコート剤(B)からなる化粧材用コート剤セットであり、下記(1)および(2)を満足することを特徴とする。
(1)コート剤(A)が、水酸基価10〜120mgKOH/g、かつガラス転移温度が55.5℃〜100℃の重量平均分子量10000〜100000のアクリル樹脂(a)と、脂肪族ジイソシアネートからなるイソシアヌレート化合物(a’−1)を50重量%以上含むイソシアネート化合物(a’)とを含む。
(2)コート剤(B)が、下記一般式(1)で表されるウレタンアクリレート(b)と、ポリエーテルジオール(b’‐1)由来の構造単位および水酸基含有アクリレート(b’‐2)由来の構造単位を有し、イソシアヌレート構造を有さないウレタンアクリレート(b’)とを含む。
一般式(1)


(式中R〜Rは脂肪族アルキレン基を表し、Rはそれぞれ独立に、水酸基含有アクリレート(b‐1)由来の構造単位を表す。)
また、本発明はアクリル樹脂(a)を形成するモノマーが、メチルメタクリレートと、ガラス転移温度が30℃以下のホモポリマーを形成可能なモノマー(a‐1)とを含有し、アクリル樹脂(a)100重量%中、メチルメタクリレートを50%重量%以上含することを特徴とする前記化粧材用コート剤セットに関する。
また、本発明はイソシアネート化合物(a’)が、更にジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体化合物(a’‐2)を含むことを特徴とする前記化粧材用コート剤セットに関する。
また、本発明はポリエーテルジオール(b’‐1)が、ポリテトラメチレングリコールおよび/またはポリプロピレングリコールであることを特徴とする前記記載の化粧材用コート剤セットに関する。
また、本発明は水酸基含有アクリレート(b‐1)が、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよび/またはジペンタエリスリトールペンタアクリレートであり、かつウレタンアクリレート(b)/ウレタンアクリレート(b’)の重量比率が95/5〜50/50であることを特徴とする前記化粧材用コート剤セットに関する。
また、本発明はコート剤(A)およびコート剤(B)が、紫外線吸収剤および/または光安定剤を含有することを特徴とする、請求項1〜5いずれかに記載の化粧用コート剤セットに関する。
また、本発明は、JIS−K5600に準じて測定した、硬化した複合層のオレフィン基材に対する密着性が、残存マス目数で90/100〜100/100であり、かつ前記複合層のマルテンス硬さが100N/mm以上250N/mm以下、かつ弾性変形回復率が70%以上である前記化粧材用コート剤セットに関する。
また、本発明は、プラスチック基材上に、請求項1〜6いずれかに記載の化粧材用コート剤セットを用いて形成されたプライマー層およびトップコート層からなる複合層を有する化粧材用積層体に関する。
プラスチック基材に塗工した際の硬化性が良好で、表面硬さ、基材への密着性および耐スクラッチ性に優れる、化粧材用コート剤セットを提供できた。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
本発明は、プラスチック基材上にプライマー層、トップコート層の順で積層された複合層を形成するための、該プライマー層を形成するコート剤(A)および該トップコート層を形成するコート剤(B)からなる化粧材用コート剤セットであり、下記(1)および(2)を特徴とする。
(1)コート剤(A)が、水酸基価10〜120mgKOH/g、かつガラス転移温度が40℃〜100℃のアクリル樹脂(a)、およびイソシアネート化合物(a’)を含む。
(2)コート剤(B)が、下記一般式(1)で表されるウレタンアクリレート(b)、
およびポリエーテルジオール(b’‐1)由来の構造単位および水酸基含有アクリレート(b’‐2)由来の構造単位を有するウレタンアクリレート(b’)を含む。
一般式(1)

(式中R〜Rは脂肪族アルキレン基を表し、Rはそれぞれ独立に、水酸基含有アクリレート(b‐1)由来の構造単位を表す。)
ここでコート剤(A)はプラスチック基材の上にプライマー層を形成させ、基材との密着性を向上させる役割、コート剤(B)はプライマー層の上にトップコート層を形成させ、硬さと耐スクラッチ性を発現させる役割を担う。この複合層は硬化した後、各種基材に対する密着性と、表面の硬さと耐スクラッチ性を両立できる複合層となる。ここでコート剤(A)のみでは基材への密着性は良好であるが硬さが不足し、コート剤(B)のみでは基材、特にはオレフィン基材への密着性が劣る。
<コート剤(A)>
まずコート剤(A)について説明する。
<アクリル樹脂(a)>
本発明において使用するアクリル樹脂(a)は水酸基価10〜120mgKOH/g、かつガラス転移温度が40℃〜100℃のアクリル樹脂(a)である。水酸基価は併用するイソシアネート化合物(a’)と架橋させて使用するために必要である。水酸基価が10mgKOH/gより小さいと架橋の量が充分でなくプラスチック基材に対する密着性は低下する。また、水酸基価が120mgKOH/gよりも大きいと架橋が過剰になり、膜が固くなり過ぎるため基材に対する密着性やコート剤(B)のコート剤(A)に対する密着性が低下する。更には架橋反応完了するのに時間がかかりすぎてしまうため好ましくない。
また、アクリル樹脂(a)のガラス転移温度は40℃〜100℃であることが必要であり、ガラス転移温度が40℃よりも低いとコート剤(A)の印刷塗工時にベタツキが発生して印刷時、ガイドロールに付着してしまう。またガラス転移温度が100℃よりも高いと各種プラスチック基材に対する密着性やコート剤(B)のコート剤(A)に対する密着性が低下する。なお、ここで示すガラス転移温度とは、構成されるモノマーのホモポリマーのガラス転移温度から計算した値を示すが、ホモポリマーのガラス転移温度が不明な場合は、アクリル樹脂(a)のガラス転移温度を示差走査熱量測定(DSC)等の熱分析法などで測定した値であっても良い。アクリル樹脂(a)における水酸基価はより好ましくは15〜110mgKOH/gであり、ガラス転移温度としてより好ましくは50℃〜95℃である。
以下の説明において、(メタ)アクリルないし(メタ)アクリレートはそれぞれメタクリルとアクリル、メタクリレートとアクリレートを併記したものである。
アクリル樹脂(a)を構成するアクリルモノマーとしては特に限定は無く、上記水酸基価10〜120mgKOH/g、かつガラス転移温度が40℃〜100℃を満足するものであればよい。アクリルモノマーの例としては、水酸基含有モノ(メタ)アクリルモノマーと、水酸基を含有しないモノ(メタ)アクリルモノマーとの共重合体が好ましく用いられる。水酸基含有モノ(メタ)アクリルモノマーは、1分子中に1個の(メタ)アクリロイル基と1個以上の水酸基を含有するモノマーであればよい。
前記水酸基含有モノ(メタ)アクリルモノマーは、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート(商品名4HBA、三菱化学)、α−ヒドロキシメチルエチル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート(商品名プラクセルFシリーズ、ダイセル化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル等を挙げることができる。
水酸基を含有しないモノ(メタ)アクリルモノマーとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル基含有モノマー、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。さらに、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有モノマーあるいはその無水物や、スチレン、酢酸ビニル等のアクリル系以外のビニルモノマーも使用することができる。
アクリル樹脂(a)を構成するアクリルモノマーとして好ましくは、水酸基含有モノ(メタ)アクリルモノマーでは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートであり、水酸基を含有しないモノ(メタ)アクリルモノマーとしてはメチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が好ましい。
アクリル樹脂(a)を構成するアクリルモノマーとしては、メチルメタクリレートと、ガラス転移温度が30℃以下のホモポリマーを形成可能なモノマー(a‐1)を含有することが好ましい。モノマー(a‐1)としては例えばエチルアクリレート(−22℃)、イソプロピルアクリレート(−5℃)、n−ブチルアクリレート(−54℃)、n−ヘキシルメタクリレート(−5℃)、2−エチルヘキシルアクリレート(−85℃)、ステアリルアクリレート(30℃)、シクロヘキシルアクリレート(15℃)、2−エチルヘキシルメタクリレート(−10℃)、n−ラウリルアクリレート(−3℃)、n−ラウリルメタクリレート(−65℃)、n−ブチルメタクリレート(20℃)、イソオクチルアクリレート(−45℃)、フェノキシエチルアクリレート(−25℃)、トリデシルメタクリレート(−46℃)等が挙げられる。中でも好ましくはn−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートである。括弧内の数値は該モノマーから得られたホモポリマーのガラス転移温度を示す。
前記メチルメタクリレートと、ガラス転移温度が30以下のホモポリマーを形成可能なモノマー(a‐1)、更に水酸基含有モノ(メタ)アクリルモノマーを任意に組み合わせて、水酸基価10〜120mgKOH/g、かつガラス転移温度が40℃〜100℃とする組み合わせが更に好ましく、特にオレフィン基材との密着性が上がるため、アクリル樹脂(a)100重量%中、メチルメタクリレートを50%重量%以上含むものがより好ましい。
アクリル樹脂(a)の分子量としては、コート剤(A)印刷適性から、重量平均分子量が5,000〜100,000が好ましく、10,000〜50,000がより好ましい。
アクリル樹脂(a)は、合成の際に有機溶剤を使用しても良い。有機溶剤としてはメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、また、これらの混合物が挙げられる。アクリル樹脂(a)が有機溶剤を含有する場合、好ましい固形分は10wt%〜70wt%であり、さらに好ましくは20wt%〜60wt%である。
アクリル樹脂(a)の合成方法としては前記有機溶剤の存在下でのアニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、リビングカチオン重合、ラジカル重合、及びリビングラジカル重合等、公知の方法が使用できる。
ラジカル重合法の場合は、重合開始剤を使用するのが好ましい。重合開始剤としては例えば、アゾ系化合物及び有機過酸化物を用いることができる。アゾ系化合物の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、または2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物の例としては、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、またはジアセチルパーオキシド等が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で、若しくは2種類以上組み合わせて用いることができる。反応温度は好ましくは40〜150℃、より好ましくは50〜120℃、反応時間は好ましくは3〜30時間、より好ましくは5〜20時間である。
<イソシアネート化合物(a’)>
次にイソシアネート化合物(a’)について説明する。イソシアネート化合物(a’)はアクリル樹脂(a)と架橋してプラスチック基材との密着性を付与する役割であるため必須であるが、分子中にイソシアネート基を2つ以上有する化合物が好ましく、構造に関しては特に制限は無い。
イソシアネート化合物(a’)は中でも脂肪族ジイソシアネートからなるイソシアヌレート化合物(a’‐1)、ジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体化合物(a’‐2)、およびジイソシアネート化合物(a’‐3)からなる群より選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。特にイソシアネート化合物(a’)100重量%中、イソシアヌレート化合物(a’‐1)を50%以上含むものが最も好ましい。これにより、架橋による各種基材への密着性が向上し、またコート剤(B)が含有するウレタンアクリレート(b)中のイソシアヌレート構造との強い相互作用により、後述する相乗効果が得られる。
イソシアヌレート化合物(a’‐1)としては、脂肪族ジイソシアネートの3量体が挙げられ、該脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート[別名:イソホロンジイソシアネート]、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。中でもヘキサメチレンジイソシアネートあるいはイソホロンジイソシアネートの3量体が好ましい。
トリメチロールプロパンのアダクト体化合物(a’‐2)は、トリメチロールプロパンとジイソシアネートの反応物であり3官能イソシアネート化合物である。ジイソシアネートとしては前記に示したジイソシアネートが使用可能であり、更に芳香族ジイソシアネートも使用可能である。芳香族ジイソシアネートとしては、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m‐キシリレンジイソシアネート、p‐キシリレンジイソシアネート、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。中でもトリレンジイソシアネートあるいはキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンのアダクト体が好ましい。
前記ジイソシアネート化合物(a’‐3)としては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート[別名:イソホロンジイソシアネート]、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂肪族ジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m‐キシリレンジイソシアネート、p‐キシリレンジイソシアネート、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。中でもキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが好ましい。
コート剤(A)の固形分100重量%中、アクリル樹脂(a)は固形分で40%〜80%の範囲で含有することが好ましい。基材との密着性が向上するため、アクリル樹脂(a)固形分100に対してイソシアネート化合物(a’)は、アクリル樹脂(a)の水酸基価に対するNCO価が1.0〜3.0当量の範囲であることが好ましく、重量比としてはアクリル樹脂(a)固形分/イソシアネート化合物(a’)固形分=95%〜75%/5%〜25%であることが好ましい。
コート剤(A)に含まれる成分としては、アクリル樹脂(a)およびイソシアネート化合物(a’)以外にポリオールを併用する事も可能である。前記ポリオールは、例えば、エチレングリコールやトリメチロールプロパンなどの低分子ポリオール、またポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリエステルポリオールや、これらを単独、または2種類以上併用して有機イソシアネートと反応させたポリウレタンポリオールなどが挙げられ、密着性や印刷・加工性に悪影響が出ない程度で使用することができる。
また、コート剤(A)は有機溶剤を使用しても良い。有機溶剤としてはメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、また、これらの混合物が挙げられる。
<コート剤(B)>
次にコート剤(B)について説明する。
コート剤(B)は、下記一般式(1)で表されるウレタンアクリレート(b)、
およびポリエーテルジオール(b’‐1)由来の構造単位および水酸基含有アクリレート(b’‐2)由来の構造単位を有するウレタンアクリレート(b’)を含む。
一般式(1)

(式中R〜Rは脂肪族アルキレン基を表し、Rは水酸基含有アクリレート(b‐1)由来の構造単位を表す。)
<ウレタンアクリレート(b)>
一般式(1)中、脂肪族アルキレン基としては、例えば、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、ペンタメチレン基、1,2−プロピレン基、2,3−ブチレン基、1,3−ブチレン基、ドデカメチレン基、2,4,4−トリメチルヘキサメチレン基、イソホロニレン基、1,3−シクロペンチル基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、メチル−2,4−シクロヘキシレン基、メチル−2,6−シクロヘキシレン基、4,4’−メチレンビスシクロヘキシル基、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、シクロヘキサン−1,4−ジイルビスメチレン基等が挙げられ、これらは前記ジイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基と同一でも良い。
一般式(1)で表されるウレタンアクリレート(b)は下記一般式(2)で表される化合物と、水酸基含有アクリレート(b‐1)を反応させることで合成できる。
一般式(2)

(式中、R〜Rはそれぞれ脂肪族アルキレン基を表す。)
水酸基含有アクリレート(b‐1)としては、水酸基含有1官能アクリレート、水酸基含有多官能アクリレートが挙げられ、水酸基含有1官能アクリレートは例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチルなどが挙げられ、εカプロラクトンやエチレンオキサイドが付加されていても良い。中でも炭素数2〜10のアルキル基を有するものが好ましい。
水酸基含有多官能アクリレートは例えば、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、グリセリルジアクリレートが挙げられ、これらのエチレンオキサイド付加物、あるいはプロピレンオキサイド付加物、εカプロラクトン付加物であっても良い。
水酸基含有アクリレート(b‐1)は、上記の中でも(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートが好ましい。
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートは通常、それぞれペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物として市販されており、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートがウレタンアクリレート(b)あるいはウレタンアクリレート(b’)に含まれていても良い。
ウレタンアクリレート(b)を製造する方法としては、特に制限されず、例えば、一般式(2)で表されるジイソシアネート3量体化合物と、水酸基含有アクリレート(b‐1)をモル比1:3、空気雰囲気下で50℃〜120℃で2〜6時間反応させる方法が挙げられる。特に水酸基含有アクリレートを反応させる場合では、アクリレート基自身の重合反応を抑制するために空気存在下で行う事が好ましい。なお、合成時には必要に応じて有機溶剤を使用しても良い。
また、必要に応じ、ウレタン化触媒を使用しても良い。ウレタン化触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等の含窒素化合物、酢酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸錫等の金属塩、ジブチルチンラウレート等の有機金属化合物などを使用することができる。その使用量は全仕込量の100重量部に対して0.02〜0.05重量部が好ましい。通常、反応は加熱下に行なわれるが70〜80℃程度の温和な加温条件をとるのが好ましい。反応時間は2〜6時間程度が普通である。反応の終了はイソシアネート残基をIRで定量することにより容易に確認しうる。
また、上記ウレタン反応時には重合禁止剤を配合しても良い。上記ウレタン反応のように加熱して撹拌された状態では、アクリル基が開始反応を起こさないように空気雰囲気化で行われるが、局所的に高温になる場合や粘度が高い場合は重合しやすいので、重合禁止剤の使用が必要である。重合禁止剤としては代表的なものはヒドロキノン誘導体、フェノール誘導体であり、樹脂中、100〜1000ppm程度の配合量で使用される。
<ウレタンアクリレート(b’)>
ウレタンアクリレート(b’)は、ポリエーテルジオール(b’‐1)由来の構造単位および水酸基含有アクリレート(b’‐2)由来の構造単位を有しており、例えばジイソシアネートとポリエーテルジオールとをイソシアネート基過剰でプレポリマーを合成し、残存イソシアネートと水酸基含有アクリレートを順次反応させることで合成できる。ジイソシアネートとポリエーテルジオールの比率はそれぞれのもつ官能基、NCO/OHが1.5〜2.5程度が好ましい。
前記ポリエーテルジオール(b’‐1)は例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、これらの共重合ポリエーテルジオール等を挙げることができる。中でも好ましくはポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコールである。
ポリエーテルジオール(b’‐1)の分子量としては、数平均分子量で100〜10000のものが好ましく、さらに好ましくは200〜5000の範囲であり、ソフトセグメントとしての機能を充分に発揮できる。
ウレタンアクリレート(b’)は更にポリエステルジオール由来の構造単位を含んでも良い。ポリエステルジオールは二塩基酸(c)とジオール(d)からなるものが好ましい。二塩基酸(c)としては、以下の例には限定されないが、例えば、アジピン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、グルタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸等の二塩基酸が挙げられる。ジオール(d)としては、以下の例には限定されないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3,5−トリメチルペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,12−オクタデカンジオール、1,2−アルカンジオール、1,3−アルカンジオール、1−モノグリセライド、2−モノグリセライド、1−モノグリセリンエーテル、2−モノグリセリンエーテル、ダイマージオール、水添ダイマージオール等が挙げられる。なかでも、ポリエステルジオールとしては、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールの重合物あるいはアジピン酸と1,3−プロパンジオールの重合物が特に好ましい。上記ポリエステルポリオールは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
ポリエステルジオールの分子量としては、数平均分子量で100〜10000のものが好ましく、さらに好ましくは200〜5000の範囲である。
本発明において使用するポリエーテルジオールあるいはポリエステルジオールの数平均分子量は、末端を水酸基として水酸基価から計算するものであり、(式1)により求められる。
(式1)ポリオールの数平均分子量=1000×56.1×水酸基の価数/水酸基価
ウレタンアクリレート(b’)は更にその他のポリオール由来の構成単位を含むことができる。ポリオールの例としてはポリカーボネートジオールやポリカプロラクトンジオール等の高分子ジオールの他、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、水添ビスフェノールA、ダイマージオール、水添ダイマージオール等の繰り返し単位を持たないジオール等が挙げられる。中でもトリメチロールプロパン、ジエチレングリコール等が好ましく用いられる。
水酸基含有アクリレート(b’‐2)としては、水酸基含有アクリレート(b‐1)と同じ水酸基含有1官能アクリレート、水酸基含有多官能アクリレートを挙げることができ、水酸基含有1官能アクリレートとしては好ましくは炭素数2〜10のアルキル基を有するものである。また、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートが好ましい。
ウレタンアクリレート(b’)の製造において使用するイソシアネート化合物としては、ジイソシアネート化合物が好適である。ジイソシアネート化合物としては例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート[別名:イソホロンジイソシアネート]、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂肪族ジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m‐キシリレンジイソシアネート、p‐キシリレンジイソシアネート、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。中でも炭素数10以下の脂肪族アルキレン基を有するものが更に好ましく、メチルシクロヘキサンジイソアイアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが好ましい。
ウレタンアクリレート(b’)を製造する方法としては、特に制限されず、例えば、窒素雰囲気下で前記ジイソシアネート化合物と、ポリエーテルジオールとを官能基比率NCO/OHが1.5〜2.5程度で50℃〜120℃で2〜6時間反応させて末端イソシアネートのウレタンプレポリマーを合成し、空気雰囲気下において余剰のイソシアネート基と同当量の水酸基含有アクリレートとを50℃〜120℃で2〜6時間反応させて製造する方法が挙げられる。合成時には必要に応じて有機溶剤を使用しても良い。
ウレタン反応時には重合禁止剤を配合しても良く、ウレタンアクリレート(b)で例示したものと同じものを挙げることができる。
ウレタンアクリレート(b’)の重量平均分子量としては、好ましくは1,000〜100,000、特に好ましくは2,000〜30,000、更に好ましくは3,000〜8,000である。
コート剤(B)において、ウレタンアクリレート(b)は、ハードセグメントとして働き剛直性を付与する。一方、ウレタンアクリレート(b’)のポリエーテルジオール(b’‐1)由来の構造単位が、ソフトセグメントとして働き柔軟性を担う。更に水酸基含有アクリレート(b‐1)由来の構造単位および(b’‐2)は、架橋成分として働き硬さを向上させる。
本発明における重要な課題は、基材に対する密着性と硬さと耐スクラッチ性の両立であり、特に硬さと耐スクラッチ性はウレタンアクリレート(b)とウレタンアクリレート(b’)の併用により達成できる。硬さだけ追及するのであれば結合密度を上げるだけで良いが、耐スクラッチ性は硬さと同時にある程度の「弾性」が必要である。イソシアヌレート構造は非常に剛直でかつ高い凝集力があり、ハードセグメントとしての性能に優れる。またソフトセグメントとしてはポリエーテルジオール(b’‐1)由来の構造単位が有するエーテル結合の効果が効いており、イソシアヌレート構造との組み合わせで、耐スクラッチ性を向上させるために必要な「弾性」が発現する。更に水酸基含有アクリレート(b‐1)由来の構造単位および(b’‐2)にて紫外線硬化等で架橋させることで硬さが向上し、耐スクラッチ性と硬さを両立できる。ハードセグメントとしてイソシアヌレート構造以外の構造では剛直性が劣り、一般式(1)以外の構造では目標の「弾性」が得られず、結果として耐スクラッチ性が劣る。
コート剤(B)における総量100重量%中、ウレタンアクリレート(b)とウレタンアクリレート(b’)を固形分合計で30〜60重量%で使用するのが好ましい。また、ウレタンアクリレート(b)とウレタンアクリレート(b’)の好ましい比率は、固形分重量比で95/5〜50/50であり、この範囲であれば望ましい「弾性」が発現し、耐スクラッチ性が向上する。なお、更に好ましい範囲としては95/5〜70/30である。
<その他添加剤>
またコート剤(B)は、更に他の1官能アクリルモノマー、多官能アクリルモノマーを使用しても良い。1官能アクリルモノマーとしては(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド塩化メチル4級塩、(メタ)アクリロイルモルホリン、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、中でも好ましくは(メタ)アクリロイルモルホリン、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミドである。その他にも、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル基含有モノマー、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。さらに、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有モノマーあるいはその無水物や、スチレン、酢酸ビニル等のアクリル系以外のビニルモノマーも使用することができる。
他の1官能アクリルモノマーとして、ガラス転移温度の低めのアクリルモノマーを含有しても良い。例えばエチルアクリレート(−22℃)、イソプロピルアクリレート(−5℃)、n−ブチルアクリレート(−54℃)、n−ヘキシルメタクリレート(−5℃)、2−エチルヘキシルアクリレート(−85℃)、ステアリルアクリレート(30℃)、シクロヘキシルアクリレート(15℃)、2−エチルヘキシルメタクリレート(−10℃)、n−ラウリルアクリレート(−3℃)、n−ラウリルメタクリレート(−65℃)、n−ブチルメタクリレート(20℃)、イソオクチルアクリレート(−45℃)、フェノキシエチルアクリレート(−25℃)、トリデシルメタクリレート(−46℃)等が挙げられる。中でも好ましくはn−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートである。括弧内の数値は該モノマーから得られたホモポリマーのガラス転移温度を示す。
多官能アクリルモノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートジエステル等のジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリセリルジアクリレート、グリセリルトリアクリレートなどの多官能アクリレートが挙げられ、これらのエチレンオキサイド付加物、あるいはプロピレンオキサイド付加物、εカプロラクトン付加物であっても良い。中でも好ましくはペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである。
また、コート剤(B)において他のアクリルモノマーを使用する場合、コート剤(B)100重量%中、5〜40%の範囲で使用するのが良い。
コート剤(B)は、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤は、光照射や加熱等によってラジカルを発生し、前記ウレタンアクリレート(b)とウレタンアクリレート(b’)のアクリル基の架橋反応および重合反応を開始させる。なお、光重合開始剤はコート剤(B)100重量%中、0.1重量%〜10重量%の使用が好ましい。更に好ましくは1.0重量%〜5.0重量%である。
前記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン系光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン系光重合開始剤が挙げられる。
アルキルフェノン系光重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等が挙げられる。
ベンゾイン系光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、メチル−o−ベンゾイルベンゾエート、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。中でも4-メチルベンゾフェノンが好ましい。
チオキサントン系光重合開始剤としては、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
アンスラキノン系光重合開始剤としては、α−アシロキシムエステル、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート(「バイアキュア55」)、2−エチルアンスラキノン等が挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(「ルシリンTPO」)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(「IRGACURE819」)等が挙げられる。
コート剤(B)に光重合開始剤を使用する場合、アルキルフェノン系光重合開始剤が最も好ましい。
本発明にて使用するコート剤(A)およびコート剤(B)は耐候性やコート剤の経時安定性を向上させるために紫外線吸収剤、光安定剤を含有することが特に好ましい。紫外線吸収剤とは、一般的に波長約200〜400nmの紫外線を吸収して熱や赤外線などのエネルギーに変化させて放出させる効能を有する化合物である。紫外線吸収剤としては、例えば、無機系紫外線吸収剤として、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、酸化タリウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム等の金属酸化物微粒子を用いることができる。また有機系紫外線吸収剤として、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤,トリアジン系紫外線吸収剤,ベンゾオキサジン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤,ジフェニルメタノン系紫外線吸収剤,2−シアノプロペン酸エステル系紫外線吸収剤、アントラニレート系紫外線吸収剤、ケイヒ酸誘導体系紫外線吸収剤、カンファー誘導体系紫外線吸収剤、ベンザルマロネート誘導体系紫外線吸収剤、レゾルシノール系紫外線吸収剤、オキザリニド系紫外線吸収剤、クマリン誘導体系紫外線吸収剤等が使用できる。中でもベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]〕、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール等を挙げることができる。中でも2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾールが特に好ましい。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2,4,6−トリス−(ジイソブチル4’−アミノ−ベンザルマロネート)−s−トリアジン、4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等を挙げることができる。
ジフェニルメタノン系紫外線吸収剤としては、例えば、ジフェニルメタノン、メチルジフェニルメタノン、4−ヒドロキシジフェニルメタノン、4−メトキシジフェニルメタノン、4−オクトキシジフェニルメタノン、4−デシルオキシジフェニルメタノン、4−ドデシルオキシジフェニルメタノン、4−ベンジルオキシジフェニルメタノン、4,2′,4′−トリヒドロキシジフェニルメタノン、2′−ヒドロキシ−4,4′−ジメトキシジフェニルメタノン、4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ−ジフェニルメタノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ベンゾインエチルエーテルなどが挙げられる。
2−シアノプロペン酸エステル系紫外線吸収剤としては、例えば、エチルα−シアノ−β,β−ジフェニルプロペン酸エステル、イソオクチルα−シアノ−β,β−ジフェニルプロペン酸エステル等が挙げられる。
サリチル酸エステル系紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸イソセチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸グリコール、サリチル酸フェニルなどが挙げられる。
アントラニレート系紫外線吸収剤としては、例えば、メンチルアントラニレート等が挙げられる。
ケイヒ酸誘導体系紫外線吸収剤としては、例えば、エチルヘキシルメトキシシンナメート、イソプロピルメトキシシンナメート、イソアミルメトキシシンナメート、ジイソプロピルメチルシンナメート、グリセリル−エチルヘキサノエートジメトキシシンナメート、メチル−α−カルボメトキシシンナメート、メチル−α−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート等が挙げられる。
カンファー誘導体紫外線吸収剤としては、例えば、ベンジリデンカンファー、ベンジリデンカンファースルホン酸、カンファーベンザルコニウムメトスルフェート、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー等が挙げられる。
レゾルシノール系紫外線吸収剤としては、例えば、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイルレゾルシノール)等が挙げられる。
オキザリニド系紫外線吸収剤としては、例えば、4,4′−ジ−オクチルオキシオキザニリド、2,2′−ジエトキシオキシオキザニリド、2,2′−ジ−オクチルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブチルオキザニリド、2,2′−ジ−ドデシルオキシ−5,5′−ジ−tert−ブチルオキザニリド、2−エトキシ−2′−エチルオキザニリド、N,N′−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキザニリド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2′−エトキシオキザニリド等が挙げられる。
クマリン誘導体系紫外線吸収剤としては、例えば、7−ヒドロキシクマリン等が挙げられる。
光安定剤とは、光劣化で発生するラジカルを捕捉するものであり、例えば、チオール系、チオエーテル系、ヒンダードアミン系化合物等のラジカル捕捉剤、及びベンゾフェノン系、ベンゾエート系化合物等の紫外線吸収剤等を使用することができ、これらは単独又は2種以上を併用して使用してもよい。なかでも、相溶性及び耐光安定性をより向上できる観点から、ヒンダードアミン系化合物を使用することが好ましい。
光安定剤とは、光エネルギーによって発生したラジカルによる自動酸化分解を低減させ、樹脂劣化を抑制する効能を有する化合物である。光安定剤としては、ヒンダードアミン系化合物(「HALS」と略記する。)等が使用できる。ヒンダードアミン系としては、例えば、シクロヘキサンと過酸化N−ブチル2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミン−2,4,6−トリクロロ1,3,5−トリアジンとの反応生成物と2−アミノエタノールとの反応生成物(商品名:チヌビン152(BASF(株)製))、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル(商品名:チヌビン123(BASF(株)製))、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、等のアミノエーテル基を有するヒンダードアミン化合物、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジン−2,5−ジオン(商品名:Hostavin3058(クラリアントジャパン(株)製))等のN−アセチル系ヒンダードアミン化合物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(商品名:サノールLS765(BASFジャパン(株)製))、ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル){[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル}ブチルマロネート商品名:Tinuvin(登録商標)144(BASFジャパン(株)製))、コハク酸ジメチルおよび4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合物(商品名:Tinuvin(登録商標)622LD(BASFジャパン(株)製))、プロバンジオイックアシッド[{4−メトキシフェニル}メチレン]−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)エステル(商品名:Hostavin(登録商標)PR−31(クラリアントジャパン(株)製))のN−アルキル系ヒンダードアミン化合物ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、2,2’−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)アルキルアミンニッケル、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物等を挙げることができる。中でも好ましくはビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートである。
本発明にて使用するコート剤(A)およびコート剤(B)は、媒体として有機溶剤を使用しても良い。有機溶剤としてはメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、また、これらの混合物が挙げられる。
本発明にて使用するコート剤(A)およびコート剤(B)は、添加剤として公知のものを適宜含むことができ、紫外線硬化型樹脂組成物の製造において必要に応じて公知の添加剤、例えば、可塑剤、湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、ワックス成分、シリカ粒子、マット剤、樹脂粒子、重合禁止剤、防腐剤、抗菌剤などを使用することができる。また更に、油、難燃剤、充填剤、安定剤、補強剤、艶消し剤、研削剤、有機微粒子、無機微粒子、高分子化合物(アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン(ウレア)樹脂、等)等を配合することも可能である。
特に前記ワックス成分は、本発明のおける課題の一つである耐スクラッチ性を向上させるため、コート剤(B)に使用することが好ましい。ワックス成分としてはポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、PTFEワックス、脂肪酸アマイド、油脂誘導体、などが挙げられる。
レベリング剤としては、塗液の基材への濡れ性付与作用、表面張力の低下作用を有するものであれば、公知一般のレベリング剤を用いることができ、例えば、シリコーン変性樹脂、フッ素変性樹脂、アルキル変性の樹脂等を用いることができる。
重合禁止剤としては、例えば、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、トルキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、ハイドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、p-メトキシフェノール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノ−t−ブチルハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール等を挙げることができる。
また、本発明にて使用するコート剤(A)およびコート剤(B)は、前記記載のもの以外に、その他添加剤を含有してもよい。
前記その他の添加剤としては、例えば、チキソ付与剤、硬化剤、硬化促進剤、粘着付与剤、熱安定剤、蛍光増白剤、発泡剤、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、導電性付与剤、帯電防止剤、透湿性向上剤、撥水剤、中空発泡体、結晶水含有化合物、吸水剤、吸湿剤、消臭剤、整泡剤、消泡剤、防黴剤、防藻剤、加水分解防止剤、有機及び無機水溶性化合物等を使用することができる。
コート剤(A)あるいはコート剤(B)の製造方法としては、必要なそれぞれの原料をディスパーなどで撹30分〜3時間程度撹拌することにより製造することができる。なお、混合しにくく、粘度等が不均一になりやすい場合はローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いても良い。
コート剤(A)あるいはコート剤(B)に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
<積層体>
本発明にて使用するコート剤(A)あるいはコート剤(B)は、各種プラスチック基材へプライマー層/トップコート層の硬化複合膜を形成するためのコート剤セットとして有効に用いられるものであり、プラスチック基材へコート剤(A)を塗布して乾燥・熱架橋した後、コート剤(B)を塗布・乾燥後、活性エネルギー線を照射することにより硬化される。
塗工方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スプレー、シャワー、ディッピング、フローコート、グラビア印刷、フレキソ印刷、ロール、スピン、ディスペンサー、インクジェット印刷、スクリーン印刷等のようなウェットコーティング法が挙げられるが、グラビア印刷による塗工方法がより好ましい。
本発明にて使用するコート剤(A)およびコート剤(B)の塗工時の好ましい粘度としてはザーンカップ#3で粘度が12秒〜30秒/25℃、更に好ましくは18〜25秒/25℃であり、酢酸エチル、酢酸プロピルなどのエステル系溶剤、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、あるいはそれらの混合溶剤にて前記粘度に希釈し使用するのが好ましい。
本発明において使用するプラスチック基材とは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ乳酸などのポリエステル、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのポリスチレン系樹脂、ナイロン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、セロハン、紙、アルミなど、もしくはこれらの複合材料からなるフィルム状もしくはシート状の基材を示し、更に各基材は、金属酸化物などを表面に蒸着コート処理および/またはポリビニルアルコールなどがコート処理されていても良く、さらにコロナ処理などの表面処理が施されていても良い。
本発明にて使用するコート剤(A)をイソシアネートで熱架橋させるための架橋条件としては室温(25℃)であれば2日、40℃であれば12時間程度で架橋反応は完了する。確認方法としてはIRスペクトルにてイソシアネート由来のピークの減少を追えば架橋反応の終点を割り出すことができる。
本発明にて使用するコート剤(B)を硬化させるための紫外線としては、遠紫外線、紫外線、近紫外線、が挙げられる。一方、電子線やプロトン線を使用することも可能であり、この場合は光重合開始剤を用いなくても硬化し得るが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から紫外線照射による硬化が好ましい。
紫外線照射により硬化させる方法としては、150〜450nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、無電極放電ランプ、LED等を用いて、30〜5000mJ/cm、好ましくは100〜1000mJ/cm照射すればよい。紫外線照射後は、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる。
硬化後の膜厚としては、コート剤(A)は通常3〜30μmであることが好ましく、特には5〜20μmであることが好ましい。コート剤(B)では通常3〜25μmであることが好ましく、特には5〜15μmであることが好ましい。コート剤(A)とコート剤(B)の積層の場合には通常6〜55μmであることが好ましく、特には10〜35μmであることが好ましい。この範囲であれば基材への密着性、硬さ、耐スクラッチ性を容易に両立できる。
本発明の積層体は、プラスチック基材上にコート剤(A)を、上記の印刷方式を用いて印刷・乾燥・熱硬化してプライマー層を形成し、更にその上にコート剤(B)を印刷・乾燥・紫外線硬化して積層体を形成することで作成できる。
<プライマー層とトップコート層からなる複合層>
本発明のコート剤セットを積層して硬化した複合層は、JIS−K5600に準ずるオレフィン基材に対する密着性が90/100〜100/100であり、かつ前記複合層のマルテンス硬さが100N/mm以上250N/mm以下、かつ弾性変形回復率が70%以上であることが好ましい。JIS−K5600に準ずる密着性評価方法とはサンプルの塗工物表面を鋭利なカッターナイフの刃先で約1mm角の碁盤目状の切れ込みを入れる。碁盤目は10×10のマス目とし、そこにニチバン(株)社製セロテープ(登録商標)を貼り合わせた後、強制的に引き剥がし、その時の表面状態を観察する。評価は、10×10=100マスのうち塗膜が剥がれずに残存したマス数で評価を行う。マルテンス硬さとは、圧子を測定対象に押込み、一定の深さの凹みに作るのに要した「荷重」で硬さの度合いを示した指標である。なお、用いる圧子の形状はピラミッド形状(対面角90度)である。測定方法としては微小押込み硬さ試験機でマルテンス硬さを測定できる。弾性変形回復率とは微小押込み硬さ試験機で一定荷重で一定の距離を圧子で押込み、荷重を0にしたとき凹みが「弾性」によりどれだけ回復するかを示す数値である。
硬化した複合層としては、オレフィン基材に対する密着性は90/100〜100/100が好ましく、この範囲であれば他のプラスチック基材に対しても同様の密着性を保つことができる。これは主にコート剤(A)の性能が支配的である。マルテンス硬さが上記範囲にあるとき細かなキズ(例えばテーブル用化粧材としたときの陶器を滑らせることによる傷)が付かないことを示し、弾性変形回復率が上記範囲の場合には弾性回復の効果により耐スクラッチ性・大きな傷(例えば窓枠用化粧材としたときの重い植木鉢の引きずりなどによる傷)を避けることができる。これは主にコート剤(B)の性能が支配的である。両者の特性を損なうことなく積層で両立できるのはコート剤(A)の含有するイソシアネート化合物(a’)とコート剤(B)の含有するウレタンアクリレート(b)の相互作用(主にイソシアヌレート構造との相互作用による相乗効果)と考えられる。なお、マルテンス硬さのより好ましい範囲は120N/mm以上200N/mm以下であり、弾性変形回復率のより好ましい範囲は80%以上である。
前記複合層は密着性、硬さ、耐スクラッチ性に優れるため、プライマー層を形成するコート剤(A)およびトップコート層を形成するコート剤(B)からなるコート剤セットを提供することにより課題を解決できた。
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明における部および%は、特に注釈の無い場合、重量部および重量%を表わす。
実施例中の重量平均分子量は、昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPCSystem−21」を用いた。GPCは溶媒に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、溶媒としてはテトロヒドロフラン、重量平均分子量の決定はポリスチレン換算で行った。
またマルテンス硬さおよび弾性変形回復率は微小押込み硬さ試験機(フィッシャースコープHM・2000:フィッシャー・インストルメンツ社製)にて測定を行った。
<アクリル樹脂の合成>
[合成例1]
反応容器にメチルメタクリレート(以下「MMA」)85部、n‐ブチルアクリレート(以下「BA」)10部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(以下「2HEA」)5部、酢酸エチル150部、イソプロピルアルコール100部、及び1.2部のアゾビスイソブチロニトリルを加えて混合し、窒素ガス雰囲気下、70℃で8時間重合し、水酸基を有するアクリル樹脂AP1を得た。得られた樹脂溶液の固形分は40重量%、重量平均分子量は25,000、ガラス転移温度は89.4℃、水酸基価は24.2mgKOH/gであった。
[合成例2〜7]
表1に記載の原料および仕込み比にて、合成例1と同様の操作で、固形分は40重量%のアクリル樹脂(AP2〜AP7)を得た。なお、原料の略称は以下に表されるものである。
IBXA:イソボニルアクリレート
2EHA:2‐エチルヘキシルアクリレート
4HBA:4‐ヒドロキシブチルアクリレート
CHA:シクロヘキシルアクリレート
なお、表1におけるガラス転移温度(Tg)は、各モノマーの、ホモポリマーにおけるガラス転移温度から算出した計算値であり、水酸基価(OH価)は4HBAあるいは2HEAのモル数から算出した計算値である。
なお、各モノマーから算出したガラス転移温度(Tg)は下記(式2)から算出した。
(式2)1/Tg(P)=W/Tg+W/Tg+W/Tg
Tg(P):共重合体のガラス転移温度(ケルビン)
Tg1,2,3:配合した各モノマーのホモポリマーにおけるガラス転移温度(ケルビン)
1,2,3:配合した各モノマーの重量分率(W+W+W=1)
<ウレタンアクリレートの合成>
[合成例8]
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、乾燥空気吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソシアヌレート構造を有するヘキサメチレンジイソシアネートの3量体を29.3部(0.05モル)、ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(水酸基価122mgKOH/g)を70.7部(0.15モル)、重合禁止剤としてp‐メトキシフェノール0.08部、反応触媒として2-エチルヘキサン酸スズ0.02部を仕込み、80℃で5時間反応させウレタンアクリレートUA1(重量平均分子量は10,000)70部と、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(以下「PET4A」)30部の混合物を得た。
[合成例9]
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、乾燥空気吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソシアヌレート構造を有するイソホロンジイソシアネートの3量体を33.3部(0.05モル)、ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(水酸基価122mgKOH/g)を70.7部(0.15モル)、重合禁止剤としてp‐メトキシフェノール0.08部、反応触媒として2-エチルヘキサン酸スズ0.02部を仕込み、80℃で5時間反応させウレタンアクリレートUA2(重量平均分子量は10,200)74部と、PET4Aを30部の混合物を得た。
[合成例10]
合成例8において、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体を、ジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネート19.7部(0.075モル)に変更した以外は同様にして反応を行い、ウレタンアクリレート系化合物UA3を60.4部と、PET4Aを30.0部の混合物を得た。UA3は、イソシアヌレート骨格を有さないウレタンアクリレートである。
[合成例11]
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート44.4部(0.2モル)、分子量1000のポリテトラメチレングリコール100部(0.1モル)、反応触媒として2-エチルヘキサン酸スズ0.02部を仕込み、80℃で反応させた。残存イソシアネート基が5.2%となった時点で、2−ヒドロキシエチルアクリレート20.7g(0.18モル)、重合禁止剤としてp-メトキシフェノール0.04gをさらに仕込み、80℃で3時間反応させ、ウレタンアクリレートUB1(重量平均分子量2,700)を得た。
[合成例11]
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート44.4部(0.2モル)、分子量1000のポリプロピレングリコール100部(0.1モル)、反応触媒として2-エチルヘキサン酸スズ0.02部を仕込み、80℃で反応させた。残存イソシアネート基が5.2%となった時点で、2−ヒドロキシエチルアクリレート20.7g(0.18モル)、重合禁止剤としてp-メトキシフェノール0.04gをさらに仕込み、80℃で3時間反応させ、ウレタンアクリレートUB2(重量平均分子量2,900)を得た。
[合成例12]
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート44.4部(0.2モル)、分子量1000のポリカーボネートジオール100部(0.1モル)、反応触媒として2-エチルヘキサン酸スズ0.02部を仕込み、80℃で反応させた。残存イソシアネート基が5.2%となった時点で、2−ヒドロキシエチルアクリレート20.7g(0.18モル)、重合禁止剤としてp-メトキシフェノール0.04gをさらに仕込み、80℃で3時間反応させ、ウレタンアクリレートUB3(重量平均分子量2,700)を得た。
本明細書において、実施例5、6、15および16は参考例である。
[実施例1]
上記合成例で得られたアクリル樹脂AP1を70部、酢酸エチル20部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製 TINUVIN571)5部、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体を均一に混合し、コート剤(A)である組成物S1を得た。
また、上記実施例で得られたウレタンアクリレートUA1とPET4Aの混合物53部、UB1を8部、酢酸エチル35部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・ジャパン社製 TINUVIN571)1部、光重合開始剤(チバ・ジャパン社製 IRGACURE1173)3部を均一に混合し、コート剤(B)にである組成物T1を得た。
[実施例2〜10]
表2に記載の原料および組成比率を用いて、製造例1と同様の方法にてコート剤(A)である組成物S2〜S10を得た。またコート剤(B)である組成物T2〜T10を得た。
[比較例1〜10]
表2に記載の原料および組成比率を用いて、実施例1と同様の方法にて組成物SS1〜SS10を得た。また組成物TT1〜TT10を得た。
(実施例11)
<コート剤S1の塗工>
製造例1で得られた組成物S1を溶剤(酢酸エチル)にてザーンカップ#4で粘度10秒に希釈し、グラビア印刷方式で硬化後の膜厚が10μmになるように、ポリプロピレンフィルム(厚さ60μm、フタムラ化学株式会社製、品名FOS)のコロナ処理面に印刷速度80m/min、乾燥温度60℃にて500m印刷塗工した。
<コート剤T1の塗工>
前記組成物S1が印刷されたOPP基材の印刷面に、製造例1で得られた組成物T1を溶剤(酢酸エチル)にてザーンカップ#4で粘度10秒に希釈し、グラビア印刷方式で硬化後の膜厚が6μmになるように、印刷塗工し、60℃で乾燥した。その後、120W/cmの高圧水銀ランプ1灯、照射距離15cm、積算光量300mJ/cmで照射して紫外線硬化させて積層体U1を得た。その後、温度25℃にて48時間エージングを行った。
(実施例12〜20)
実施例1と同様の方法により、表2に記載の組成物S2〜S10、およびT2〜T10を用いて積層体U2〜U10(実施例)を得た。
(比較例11〜20)
実施例1と同様の方法により、表2に記載の組成物SS1〜SS10、およびTT1〜TT10を用いて積層体UU1〜UU10(比較例)を得た。
製造例1〜10で得られた組成物S1〜S10、T1〜T10、および比較製造例1〜10で得られた組成物SS1〜SS10、TT1〜TT10、更に前記組成物を用いて作成した積層体U1〜U10(実施例)、および積層体UU1〜UU10(比較例)について鉛筆硬度試験、JIS−K−5600での密着性試験、微小押込み硬さ試験機によるマルテンス硬さ、弾性変形回復率、スチールウールによる硬度試験、耐スクラッチ試験、更に耐溶剤性試験を行った。
<鉛筆硬度試験>
作成した積層体U1〜U10(実施例)、および積層体UU1〜UU10(比較例)についてJIS−K−5600に準拠し、鉛筆硬度試験機(HEIDON社製Scratching Tester HEIDON−14)を用い、鉛筆の芯の硬さを種々変えて、荷重500gにて5回試験をした。5回中、1回も傷がつかない、もしくは1回のみ傷が付く時の芯の硬さを、その塗工物の鉛筆硬度とした。実用的な要求物性は鉛筆硬度が2H以上のものである。
<JIS−K5600での密着性試験>
作成した積層体U1〜U10(実施例)、および積層体UU1〜UU10(比較例)についてJIS K5400のクロスカットテープ法で、テープ剥離後の硬化層の残存マス数を目視で評価を行なった。
○・・・・・・・100マス/100マス。
○△・・・・・・90マス/100マス。
△・・・・・・・50〜80マス/100マス。
△×・・・・・・30〜50マス/100マス。
×・・・・・・・0〜30マス/100マス。
○、○△は実用上問題がない範囲である。
<微小押込み硬さ試験機によるマルテンス硬さ>
作成した積層体U1〜U10(実施例)、および積層体UU1〜UU10(比較例)についてマルテンス硬さを微小押込み硬さ試験機にて測定を行った。実用的な要求物性は数値が100〜250N/mmである。
(測定条件)
装置:微小硬度計フィッシャースコープHM2000(フィッシャーインスツルメンツ製)
圧子:ビッカース圧子(四面ダイヤモンド錐体)
試験雰囲気:温度23℃、湿度50%
測定プログラム:層の表面に、ビッカース圧子に0.5mN/秒の条件で徐々に荷重を増加させながら荷重を加え、10mNに達した後10秒保持し、保持後0.5mN/秒の条件で荷重を減少させながら荷重を除荷した。ISO14577の規格に基づいて算出されるマルテンス硬さ(N/mm)を測定値とした。
<微小押込み硬さ試験機による弾性変形回復率>
作成した積層体U1〜U10(実施例)、および積層体UU1〜UU10(比較例)について弾性変形回復率を微小押込み硬さ試験機にて測定を行った。実用的な要求物性は70%以上のものである。
(測定条件)装置:微小硬度計フィッシャースコープHM2000(フィッシャーインスツルメンツ製)
圧子:ビッカース圧子(四面ダイヤモンド錐体)
試験雰囲気:温度23℃、湿度50%
測定プログラム:層の表面に、前記ビッカース圧子に0.5mN/秒の条件で徐々に荷重を増加させながら荷重を加え、10mNに達した後10秒保持し、保持後0.5mN/秒の条件で荷重を減少させながら荷重を除荷し、除荷後、更に10秒間保持を行う。ここで、弾性変形回復率は上記測定条件で測定され、以下の式にて得られる。

弾性変形回復率=[(hmax-hmim)/hmax ]×100

hmax:10mNで10秒保持した後の最も深く圧子が押し込まれた際の押込み深さ
hmim:除荷後、更に10秒間保持した後の押込み深さ
<スチールウールによる硬度試験>
作成した積層体U1〜U10(実施例)、および積層体UU1〜UU10(比較例)について学振試験機にセットし、スチールウールのNo.0000を用いて、荷重500gおよび1000gで10回学振させた。取り出した塗工物について、キズのつき具合を以下の5段階の目視で判断した。
○・・・・・・・キズが全くない。
○△・・・・・・僅かにキズが付いている。
△・・・・・・・キズは付いているが、基材は見えていない。
△×・・・・・・キズが付き、一部塗工物が剥がれている。
×・・・・・・・塗工物が剥がれてしまい、基材が剥き出しの状態。
○、○△は実用上問題がない範囲である。
<耐スクラッチ試験>
作成した積層体U1〜U10(実施例)、および積層体UU1〜UU10(比較例)について、ガードナー社製のHofmannスクラッチ試験機にて、荷重を変化させて塗工物表面に傷がつかない最大荷重を測定した。
○・・・・・・・荷重1000g以上で傷つきなし。
△・・・・・・・荷重500〜1000gで傷つきなし。
×・・・・・・・荷重500gで傷つきあり。
○は実用上問題がない範囲である。
<耐溶剤性試験>
作成した積層体U1〜U10(実施例)、および積層体UU1〜UU10(比較例)について、酢酸エチルあるいはイソプロピルアルコールを十分に含ませたウエスで塗工表面擦り、その外観変化とウエスの着色程度で評価した。
○・・・・・・・溶剤で擦った跡が残らない。
○△・・・・・・溶剤で擦った跡が僅かに残るが、ウエスは着色しない。
△・・・・・・・溶剤で擦った跡が残り、ウエスがやや着色する。
△×・・・・・・溶剤で擦った跡が大きく残るか、もしくはウエスが著しく着色する。
×・・・・・・・溶剤で擦った跡が大きく残り、かつウエスが著しく着色する。
○、○△は実用上問題がない範囲である。
評価結果から、本発明の、プライマー層、トップコート層の順で積層された複合層を形成するための、該プライマー層を形成するコート剤(A)および該トップコート層を形成するコート剤(B)からなる化粧材用コート剤セットを使用することにより、プラスチック基材に塗工した際の硬化性が良好で、硬さ、基材への密着性および耐スクラッチ性に優れる、化粧材用コート剤セットを提供することができた。
また、本発明のコート剤(A)およびコート剤(B)を使用した積層体は前記課題の解決に加えて、想定外に耐溶剤性が飛躍的に向上し、その効果は特にコート剤(A)においてイソシアネート化合物(a’)としてイソシアヌレート化合物(a’‐1)を使用した場合に顕著であった。

Claims (8)

  1. プラスチック基材上にプライマー層、トップコート層の順で積層された複合層を形成するための、該プライマー層を形成するコート剤(A)および該トップコート層を形成するコート剤(B)からなる化粧材用コート剤セットであり、下記(1)および(2)を満足することを特徴とする。
    (1)コート剤(A)が、水酸基価10〜120mgKOH/g、かつガラス転移温度が55.5℃〜100℃の重量平均分子量10000〜100000のアクリル樹脂(a)と、脂肪族ジイソシアネートからなるイソシアヌレート化合物(a’−1)を50重量%以上含むイソシアネート化合物(a’)とを含む。
    (2)コート剤(B)が、下記一般式(1)で表されるウレタンアクリレート(b)と、ポリエーテルジオール(b’‐1)由来の構造単位および水酸基含有アクリレート(b’‐2)由来の構造単位を有し、イソシアヌレート構造を有さないウレタンアクリレート(b’)とを含む。
    一般式(1)



    (式中R〜Rは脂肪族アルキレン基を表し、Rはそれぞれ独立に、水酸基含有アクリレート(b‐1)由来の構造単位を表す。)
  2. アクリル樹脂(a)を形成するモノマーが、メチルメタクリレートと、ガラス転移温度が30℃以下のホモポリマーを形成可能なモノマー(a‐1)とを含有し、アクリル樹脂(a)100重量%中、メチルメタクリレートを50%重量%以上含することを特徴とする請求項1に記載の化粧材用コート剤セット。
  3. イソシアネート化合物(a’)が、更にジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体化合物(a’‐2)を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の化粧材用コート剤セット。
  4. ポリエーテルジオール(b’‐1)が、ポリテトラメチレングリコールおよび/またはポリプロピレングリコールであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の化粧材用コート剤セット。
  5. 水酸基含有アクリレート(b‐1)が、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよび/またはジペンタエリスリトールペンタアクリレートであり、かつウレタンアクリレート(b)/ウレタンアクリレート(b’)の重量比率が95/5〜50/50であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の化粧材用コート剤セット。
  6. コート剤(A)およびコート剤(B)が、紫外線吸収剤および/または光安定剤を含有することを特徴とする、請求項1〜5いずれかに記載の化粧用コート剤セット。
  7. JIS−K5600に準じて測定した、硬化した複合層のオレフィン基材に対する密着性が、残存マス目数で90/100〜100/100であり、かつ前記複合層のマルテンス硬さが100N/mm以上250N/mm以下、かつ弾性変形回復率が70%以上である請求項1〜いずれかに記載の化粧材用コート剤セット。
  8. プラスチック基材上に、請求項1〜7いずれかに記載の化粧材用コート剤セットを用いて形成されたプライマー層およびトップコート層からなる複合層を有する化粧材用積層体。
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