JP6327119B2 - 乗物用シート - Google Patents

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Description

本発明は、乗物用シートに関する。詳しくは、シートパッドとシートフレームとの間にシートパッドがシートフレームのエッジに直接触れることを防止する擦れ防止部材が設けられた乗物用シートに関する。
従来、乗物用シートにおいて、シートフレームのエッジによるシートパッドの擦り切れを防止するための擦れ防止部材が設けられたものが知られている(特許文献1)。
特開2000−316667号公報
上記従来技術では、擦れ防止部材がシートパッドに一体化されてシートフレームのエッジにあてがえられた構成となっている。そのため、乗員の着座による撓み等でシートパッドがシートフレームに対して動くと、擦れ防止部材が表面の硬いシートフレームとの間で擦れて異音を生じさせることがある。また、シートパッドが大きく動くと、擦れ防止部材がシートフレームのエッジから外れた位置に移動し、シートパッドが擦り切れてしまうおそれがある。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、シートパッドとシートフレームとの間に、シートパッドの擦れを防止する擦れ防止部材を適切かつ異音を発生させない状態に設けられるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の乗物用シートは次の手段をとる。
第1の発明は、シートパッドとシートフレームとの間にシートパッドがシートフレームのエッジに直接触れることを防止する擦れ防止部材が設けられた乗物用シートである。擦れ防止部材がシートフレームに対してエッジを被覆した状態に固定されて設けられている。
この第1の発明によれば、擦れ防止部材がシートフレームに固定されて設けられることで、シートパッドがシートフレームに対して動いても、擦れ防止部材がシートフレームのエッジを被覆した状態に保持される。また、擦れ防止部材が表面の硬いシートフレームとの間で擦れて異音を生じさせることもない。したがって、擦れ防止部材を広く設けなくても、シートパッドの擦れを適切かつ異音を発生させにくい状態に設けることができる。
第2の発明は、上述した第1の発明において、次の構成とされているものである。擦れ防止部材が、シートフレームのエッジに装着されている。
この第2の発明によれば、擦れ防止部材を、シートフレームのエッジに装着されるのみのコンパクトな構成とすることができる。
第3の発明は、上述した第2の発明において、次の構成とされているものである。擦れ防止部材が、シートフレームのエッジに圧入されて装着されている。
この第3の発明によれば、擦れ防止部材を、シートフレームのエッジに簡便かつ強固に装着することができる。
実施例1の乗物用シートの概略構成を表した斜視図である。 擦れ防止部材がバックフレームに装着された状態を表した斜視図である。 図2の要部拡大図である。 擦れ防止部材の単体斜視図である。 図4のV-V線断面図である。 擦れ防止部材をバックフレームに圧入していく途中状態を表した図3のVI-VI線断面図である。 図1のVII-VII線断面図である。 図7の状態からパッドが横ズレした状態を表した断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
<<シートの全体構成について:図1>>
始めに、実施例1のシート1(乗物用シート)の構成について、図1〜図8を用いて説明する。なお、以下の説明中、「シート幅方向」「シート高さ方向」のように各種方向に「シート」を付して記載する場合には、シート1に対する方向を示し、「車両内側」「車両外側」のように「車両」を付して記載する場合には、車両に対する方向を示すものとする。本実施例のシート1は、図1に示すように、自動車の右席として構成されている。上記シート1は、着座者の背凭れとなるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、頭凭れとなるヘッドレスト(図示省略)と、を備えた構成となっている。
<<シートバックの全体構成について:図1〜図2>>
上述したシートバック2は、その内部の骨格構造を構成する金属製のバックフレーム10と、バックフレーム10の前部に組み付けられて着座者の体圧を和らげて受け止める発泡ウレタン製のバックパッド20と、シートバック2全体を外周側から覆う合成皮革製のバックカバー30と、を有して構成されている。また、上記シートバック2には、その車両外側の側部箇所に、車両の衝突時にエアバッグをシート前方側に膨張展開させて、着座者の身体を衝突から保護するサイドエアバッグ装置S/Aが内装されている。
上述したバックフレーム10は、図2に示すように、左右一対の縦長状の鋼板材から成るサイドフレーム11と、各サイドフレーム11の上端部間に一体的に架橋された逆U字状の円鋼管材から成るアッパパイプ12と、各サイドフレーム11の下端部間に一体的に架橋された横長状の鋼板材から成るロアプレート13と、によって、全体が正面視四角枠状の形に組まれた構成となっている。
上述した各サイドフレーム11は、それぞれ、シートバック2の左右両側の側部領域の骨格を成す部材として構成されている。各サイドフレーム11は、それぞれ、シート高さ方向に長尺な形にカットされた1枚の鋼板材により形成されており、互いに向かい合うシート幅方向の内側に互いの内側面を向けて配設された状態とされている。各サイドフレーム11は、それぞれ、それらの前側の縁部11Bと後側の縁部11Cとがシート幅方向の内側に折り曲げられることにより、それらの縁形状がシートバック2の形状の外部に出にくいようにシート幅方向の内側に丸められていると共に、構造全体としての曲げや捩りに対する強度が高められた構成となっている。
そして、上記各サイドフレーム11の前側のエッジ11B3には、バックパッド20が前側のエッジ11B3に直接触れることを防止するための擦れ防止部材40が装着されている。上記各擦れ防止部材40は、オレフィン系熱可塑性エラストマ(TPO)の押し出し成形材によって、それぞれシート高さ方向に長尺な形に形成されている。各擦れ防止部材40は、上記各サイドフレーム11の前側のエッジ11B3を被覆するように、これら前側のエッジ11B3に沿って縦長状に装着されて設けられている。なお、各擦れ防止部材40や各サイドフレーム11の具体的な構成については後に詳しく説明することとする。
アッパパイプ12は、シートバック2の左右両側の肩口部領域と上側部領域の骨格を成す部材として、円鋼管材が逆U字状の形に折り曲げられて形成されている。上記アッパパイプ12は、その左右両側の下方側に折り曲げられた先の各端部が、上述した各サイドフレーム11の上端部に形成された半パイプ状に絞られた形状部分に嵌め込まれて、溶接により強固に一体的に結合された状態とされている。上記結合により、アッパパイプ12は、上述した各サイドフレーム11の上端部間を繋ぐ形で、これらの間に強固に一体的に架橋された状態とされている。上記アッパパイプ12のシート幅方向の中間部には、図示しないヘッドレストを下方側から支えるためのホルダ部材が左右2箇所に溶接されて結合されている。
ロアプレート13は、上述した各サイドフレーム11の下部間を繋ぐ補強部材として、これらの間にシート前後方向に面を向けて横長状の形に配設された状態とされている。詳しくは、上記ロアプレート13は、その左右両側の各端部が、上述した各サイドフレーム11のシート幅方向の内側に折り曲げられた後側の縁部11Cにそれぞれ前側からあてがわれて、溶接により強固に一体的に結合された状態とされている。上記結合により、ロアプレート13は、上述した各サイドフレーム11の下部間を繋ぐ形で、これらの間に強固に一体的に架橋された状態とされている。上記ロアプレート13は、その上下側の各縁部位の各サイドフレーム11よりシート幅方向の内側に張り出す領域となる中央部がシート前方側に折り曲げられていることにより、曲げや捩りに対する構造強度が高められていると共に、シートバック2の形状の外部(シート後方側)に対してエッジを立たせない形に丸められた構成とされている。
バックパッド20は、ウレタン樹脂をシートバック2の基本的な外形を成す形に発泡成形して形成されているものである。上記バックパッド20は、上述した四角枠状に組まれたバックフレーム10にシート前方側から組み付けられることにより、バックフレーム10の四角枠全体をシート前方側から広く覆うと共に、その上下左右の各周縁部に形成されたシート後方側へ巻き込み状に延びる各延長部形状によって、バックフレーム10の四角枠全体を上下左右の各外周側からやシート後方側からも広く覆った状態にセットされた状態とされている。そして、上記バックパッド20は、上記バックフレーム10への組み付け後に、袋状に縫製されたバックカバー30が上方側から被せ付けられて、その所々の箇所がバックパッド20内に吊り込まれたり、バックフレーム10に止着されたりすることにより、バックカバー30の張設力によってバックフレーム10に押さえ付けられて保持された状態とされている。
バックカバー30は、シートバック2の各面の形に合わせてカットされた複数枚のカバーピースが1枚の袋形状に縫い合わされて形成されているものである。上記バックカバー30は、上記組み付けられたバックパッド20に上方側から袋を被せるように組み付けられた後、そのシートバック2の背裏面の背裏面に被せ付けられた背裏側の上部ピースが、シートバック2の前面側から下方側を通って後側に回し込まれた背裏側の下部ピースと止着されることにより、シートバック2の外周面に浮きや皺を生じさせない形に張設された状態とされている。
詳しくは、上述したバックカバー30は、そのシートバック2の前面側に被せ付けられた各カバー領域が、バックパッド20の中央領域21とその左右両サイドのシート前方側に山状に膨らんだ各サイドサポート領域22との間の谷状に凹んだ箇所などに窪んで形成された吊込み溝内に吊り込まれて止着されていることにより、シートバック2の外周面全体に広く密着した状態に張設された状態とされている。
サイドエアバッグ装置S/Aは、上述したバックフレーム10の車両外側のサイドフレーム11の外側部に一体的に取り付けられている。上記サイドエアバッグ装置S/Aは、常時は、上述したバックパッド20やバックカバー30によって外側から覆われて、シートバック2の内部に埋もれた状態として配設されている。上記サイドエアバッグ装置S/Aは、車両の側部衝突が起きることにより(もしくは検知されることにより)、瞬時にエアバッグをシート前方側に膨張展開させて、着座者の身体を衝突から保護するようになっている。
上記サイドエアバッグ装置S/Aは、上記エアバッグの膨張展開時には、エアバッグのシート前方側に位置するバックパッド20の車両外側のサイドサポート領域22や同領域を表側から被覆するバックカバー30に内側から強い展開圧を作用させて、これらを内側から引き裂きながらエアバッグをシート前方側に膨張展開させるようになっている。
<<シートバックの各サイドフレームの構成について:図2、図7>>
次に、上述した各サイドフレーム11やこれらに装着された擦れ防止部材40の詳しい構成について説明する。先ず、各サイドフレーム11の詳しい構成について、図2及び図7を用いて説明する。
すなわち、図2に示すように、各サイドフレーム11は、それぞれ、それらの上部領域が下部領域に対してシート後方側に反る形で、全体が弓状に湾曲した形に形成されている。このような構成となっていることにより、各サイドフレーム11は、それらの着座者の腰部を両外側から支える下部領域が、それぞれ、シート前方側に大きく張り出した形となって、着座者の腰部を両外側から強くサポートすることができる構成とされている。また、上記弓状に反った形状により、シート1の後部側座席の着座者の膝元スペースを広く確保することができるようになっている。
上記各サイドフレーム11は、それぞれ、それらのシート前後方向の板幅が、下部領域では広く、上部領域にかけて徐々に狭くなっていく先細り状の形に形成されている。これにより、各サイドフレーム11は、着座者の背凭れ荷重を受けた際に曲げモーメントの負荷がかかりやすい下部領域の構造強度が高められている一方で、曲げモーメントの負荷がかかりにくい上部領域ではシート前後方向の形状が嵩張らないコンパクトかつ軽量化された構成となっている。
各サイドフレーム11は、図2及び図7に示すように、シート幅方向に面を向ける側面部11Aと、側面部11Aの前側の縁部位からシート幅方向の内側に折り曲げられた前側の縁部11Bと、側面部11Aの後側の縁部位からシート幅方向の内側に折り曲げられた後側の縁部11Cと、を有する形に形成されている。上記前側の縁部11Bは、詳しくは、側面部11Aの前側の縁部位からシート幅方向の内側に前斜め向きの角度で折り曲げられた前側第1折面部11B1と、前側第1折面部11B1の折り曲げられた先の縁部位から更にシート幅方向の内側に後ろ斜め向きの角度まで折り曲げられた前側第2折面部11B2と、を有する2段階に山折りされた形に形成されている。各サイドフレーム11は、上記前側の縁部11Bの2段階に山折りされた形状によって、それらの前側のエッジ11B3がシートバック2の形状の外部に出にくいようにシート幅方向の内側に丸められた形状とされている。
これにより、上記各サイドフレーム11の前側の縁部11Bは、その2段目の折り曲げられた前側第2折面部11B2において、バックパッド20の着座者の身体をシート幅方向の外側斜め後方側の角度から支持するサイドサポート領域22をシート幅方向の外側斜め後方側の角度から真っ直ぐに面を向けて支持することができる構成となっている。そして、各前側の縁部11Bは、それらの折り曲げられた先の前側のエッジ11B3が、上記2段階の山折りによって、シート幅方向の内側かつ後方に向けられた状態とされて、シート前方側やシート幅方向の外側にはエッジを立たせない形に形成された状態とされている。上記各前側の縁部11Bのシート幅方向の幅長は、各サイドフレーム11のシート高さ方向の大部分の領域においてほぼ一定となっている。
各サイドフレーム11の後側の縁部11Cは、上記側面部11Aの後側の縁部位からシート幅方向の内側に後ろ斜め向きの角度で折り曲げられた後側第1折面部11C1と、後側第1折面部11C1の折り曲げられた先の縁部位から更にシート幅方向の内側に真っ直ぐな向きに折り曲げられた後側第2折面部11C2と、後側第2折面部11C2の折り曲げられた先の縁部位から更に前斜め向きの角度まで折り曲げられた後側第3折面部11C3と、を有する3段階に山折りされた形に形成されている。上記各後側の縁部11Cは、そのシート後方側に面を張り出させる後側第1折面部11C1と後側第2折面部11C2とを足し合わせたシート幅方向の幅長、すなわち1段目の折り曲げられた箇所から3段目の折り曲げられた箇所までの幅長が、上述した前側の縁部11B全体の幅長よりも長い形状となっている。
上記各サイドフレーム11の後側の縁部11Cは、上記シート幅方向の幅長が広い形とされた後側第1折面部11C1や後側第2折面部11C2によって、シート後方側から受ける荷重を広い範囲で受け止めることができるようになっている。そして、各後側の縁部11Cは、それらの折り曲げられた先の後側のエッジ11C4が、上記2段階の山折りによって、シート幅方向の内側かつ前方に向けられた状態とされて、シート後方側やシート幅方向の外側にはエッジを立たせない形に形成された状態とされている。
<<擦れ防止部材の構成について:図2〜図8>>
次に、各擦れ防止部材40の詳しい構成について、図2〜図8を用いて説明する。各擦れ防止部材40は、上述したように、オレフィン系熱可塑性エラストマ(TPO)の押し出し成形材によって形成されている。オレフィン系熱可塑性エラストマ(TPO)は、常温ではゴムのような優れた弾性を発揮するエラストマとして機能する一方、成形時には樹脂材のような優れた成形性を発揮できる材料として周知のものである。
上記各擦れ防止部材40は、図4〜図5に示すように、横断面が一様なストレートな長尺形状に形成されている。各擦れ防止部材40は、それら単体では、ストレートな形に復元する弾性を備えた構成となっている。しかし、各擦れ防止部材40は、図3に示すように、上述した各サイドフレーム11の前側のエッジ11B3に沿って圧入されて装着されることにより、各前側のエッジ11B3のシート後方側に弓状に湾曲した形に沿って撓まされた状態となって、各前側のエッジ11B3に沿って一体的に結合された状態に保持されるようになっている。
具体的には、各擦れ防止部材40は、図4〜図5に示すように、断面略U字状の形を成す本体部41と、本体部41のU字の各先端にU字内に突出する形に形成された各掛爪42と、を有する横断面形状に形成されている。上記各本体部41は、図6〜図7に示すように、それらの横断面が、横幅が狭く前後幅(各サイドフレーム11への差込み方向の幅)が広い細長なU字形状に形成されており、それらのU字の開口内に各サイドフレーム11の前側のエッジ11B3を深く差し込むことが可能な開口広さと開口深さとを備えた構成とされている。詳しくは、各本体部41は、図7に示すように、それらのU字の開口内に、各サイドフレーム11の前側第2折面部11B2を大部分の領域まで深く差し込まれて係止されるようになっている。
具体的には、図5に示すように、上記各本体部41には、それらのU字の曲げ返し部分41Cの内周面からU字の開口側に向かって突出する係止突起41Aが形成されている。これら係止突起41Aによって、図6〜図7に示すように、各本体部41の各サイドフレーム11の前側第2折面部11B2に対する差し込み位置が、各係止突起41Aが各前側第2折面部11B2の先端面に当たって係止される位置にて規制されるようになっている。上記各係止突起41Aは、各本体部41のU字の曲げ返し部分41Cの内周面上からU字の開口側に向かって真っ直ぐ板状に突出した形状となっており、それらの突出した領域部分は、各本体部41のU字の両側壁とは繋がっていない形となっている。
各掛爪42は、図4〜図5に示すように、各擦れ防止部材40の成形された初期の状態では、本体部41のU字の開口を塞ぐように、互いに内向する側に張り出した状態に保持されている。具体的には、図6に示すように、各掛爪42は、それらの本体部41のU字の開口を塞ぐ幅W1が、各サイドフレーム11の前側第2折面部11B2の板厚の幅W2よりも狭くなる形に形成されている。各掛爪42は、上記各本体部41のU字の開口を各サイドフレーム11の前側第2折面部11B2に差し込むことにより、それぞれ、各本体部41のU字の開口を開く方向(互いに離間する方向)に弾性的に押し退けられる形に変形し、各前側第2折面部11B2をU字の開口内に受け入れる形をとるようになっている。
そして、上記差し込みにより、各掛爪42は、各前側第2折面部11B2の表裏面にそれらの弾発力(反発力)を作用させた状態に押し付けられて、各前側第2折面部11B2がU字の開口から抜けにくくなるように摩擦抵抗力を作用させるようになっている。ここで、各掛爪42は、各本体部41のU字の各先端からU字内の底側方向(各前側第2折面部11B2が各本体部41のU字内に差し込まれてくる方向)に向かって先細り状に斜めに突出した横断面形状に形成されている。
これにより、各掛爪42は、各本体部41のU字内に各前側第2折面部11B2が差し込まれる時には、それらの開口側の先開き状に傾斜したガイド面42Aによって各前側第2折面部11B2を広く受け入れて、各本体部41のU字内に向けて各前側第2折面部11B2を移動案内することができるようになっている。なおかつ、各掛爪42は、各前側第2折面部11B2が各本体部41のU字内に差し込まれる動きに対しては、それらのU字内の底側方向に斜めに突出する形状特性によって、各前側第2折面部11B2の差込み力によって押し退けられやすく、かつ、弾発力(反発力)を作用させにくい態様をとるようになっている。したがって、各前側第2折面部11B2を各本体部41のU字内にスムーズに圧入することができる。
また、上記に加え、各掛爪42は、各前側第2折面部11B2が各本体部41のU字内に差し込まれる時には、各本体部41がU字の根元側の両角部41B(前述した係止突起41Aの両脇部)をヒンジ点としてU字の開口を開くように変形するようになっていることから、比較的軽い力で各前側第2折面部11B2によって押し退けられるように変形するようになっている。すなわち、各本体部41は、それらの開口内に上述した各係止突起41Aが突出して形成されていることにより、それらの開口の両側壁が、前側第2折面部11B2を受け入れる実質的な開口深さよりも長い壁長を有した形状とされている。そのため、各本体部41は、それらの開口内に上述した各前側第2折面部11B2を差し込む際に、それらの開口の両側壁を、各前側第2折面部11B2を受け入れる実質的な開口深さよりも長い回転半径(両角部41Bを中心とした回転半径)で押し開けることができるようになっている。したがって、各前側第2折面部11B2を各本体部41のU字内に比較的軽い力でスムーズに圧入することができる。
しかしながら、各掛爪42は、各本体部41のU字内に各前側第2折面部11B2が差し込まれた後には、各本体部41に各前側第2折面部11B2から外される方向(差込み方向とは反対側の方向:図6の紙面左下方向)への力がかけられても、それらのU字内の底側方向に斜めに突出したエッジを立てた形状特性によって、各前側第2折面部11B2に対して強い弾発力(反発力)をかけて摩擦抵抗力を作用させるようになっている。したがって、一度差し込んだ各前側第2折面部11B2を各本体部41のU字内に強く保持した状態にすることができる。上記各擦れ防止部材40は、上記のように各サイドフレーム11の前側第2折面部11B2に対して横断面方向に差し込まれて装着されることにより、それらの横断面U字形状の本体部41によって、各サイドフレーム11の前側のエッジ11B3を外周側から隙間なく被覆した状態とされるようになっている。
各擦れ防止部材40は、以上の構成となっていることにより、各サイドフレーム11の前側第2折面部11B2に対して、比較的軽い力で圧入して装着することができるようになっていながらも、一度装着した各前側第2折面部11B2からは外されにくい強い弾発力を発揮することのできる構成とされている。上記各擦れ防止部材40は、図2〜図3に示すように、上述したシートバック2の各サイドフレーム11において、シート前方側に弓状に大きく張り出した形となって着座者の腰部を両外側から強くサイドサポートするシート高さ方向の下部領域と上部領域とに跨る広い範囲に亘って設けられた状態とされている。これにより、上記各擦れ防止部材40は、図7に示すように、特に、各サイドフレーム11のシート前方側に弓状に大きく張り出した領域において、バックパッド20の裏面20Aが前側のエッジ11B3に強く押圧されようとする力を受け止めて、バックパッド20の裏面20Aが擦れることを適切に抑えることができるようになっている。
各擦れ防止部材40は、上記のように各サイドフレーム11の弓状に湾曲した領域に装着されていても、それらの弾性により、これらの湾曲した形にフィットした状態に装着されて保持されるようになっている。具体的には、上記各擦れ防止部材40は、図7に示すように、各サイドフレーム11の前側第2折面部11B2に対して、シート幅方向の内側から外側に差し込まれて装着されている。上記の装着状態では、各擦れ防止部材40は、図2〜図3に示すように、各サイドフレーム11の前側第2折面部11B2に沿って、上記の差込み方向とは垂直な方向となるシート後方側に弓状に湾曲した形をとるようになっている。これにより、各擦れ防止部材40は、各サイドフレーム11の前側第2折面部11B2に対して、それらの湾曲変形に伴う復元弾発力をシート前後方向から挟み込む形で作用させて、シート前後方向や幅方向、それに高さ方向にも位置ズレしにくい状態に強く嵌合した状態に保持されるようになっている。
上述した各擦れ防止部材40は、各サイドフレーム11の側面部11Aからシート幅方向の内側に2段階に折り返された先の前側第2折面部11B2の縁部(前側の縁部11B)にのみ装着されており、各側面部11Aのシート幅方向の外側の面と面一状の領域には形状を張り出させることのない状態に配設されている。したがって、車両外側のサイドフレーム11の外側部に取り付けられたサイドエアバッグ装置S/Aがエアバッグを膨張展開させた際に、同側のサイドフレーム11に装着された擦れ防止部材40が、エアバッグのシート前方側への膨張展開を邪魔することがない。したがって、エアバッグをスムーズに膨張展開させることができる。また、エアバッグの膨張展開に伴って、擦れ防止部材40がエアバッグと共に外側に押し出されることもない。
上述した各擦れ防止部材40は、バックパッド20にではなく、各サイドフレーム11に一体的に取り付けられた状態として設けられている。したがって、図8に示すように、着座者がシートバック2に凭れ掛かる荷重によって、バックパッド20がバックフレーム10(各サイドフレーム11)に対してシート幅方向に横ズレしたりシート高さ方向に縦ズレしたりしても、各擦れ防止部材40が各サイドフレーム11の前側のエッジ11B3を保護した状態は変わらないため、各サイドフレーム11の前側のエッジ11B3を適切に保護することができる。
<<まとめ>>
以上をまとめると、本実施例のシート1(乗物用シート)は次の構成となっている。すなわち、シートバック2のバックパッド20(シートパッド)と各サイドフレーム11(シートフレーム)との間にバックパッド20が各サイドフレーム11の前側のエッジ11B3(エッジ)に直接触れることを防止する擦れ防止部材40が設けられたシート1である。各擦れ防止部材40が各サイドフレーム11に対して前側のエッジ11B3を被覆した状態に固定されて設けられている。
このように、各擦れ防止部材40が各サイドフレーム11に固定されて設けられることで、バックパッド20が各サイドフレーム11に対して動いても、各擦れ防止部材40が各サイドフレーム11の前側のエッジ11B3を被覆した状態に保持される。また、各擦れ防止部材40が各サイドフレーム11との間で擦れて異音を生じさせることもない。したがって、各擦れ防止部材40を広く設けなくても、バックパッド20の擦れを適切かつ異音を発生させにくい状態に設けることができる。
また、各擦れ防止部材40が、各サイドフレーム11の前側のエッジ11B3(前側第2折面部11B2)に装着されている。このような構成となっていることにより、各擦れ防止部材40を、各サイドフレーム11の前側のエッジ11B3(前側第2折面部11B2)に装着されるのみのコンパクトな構成とすることができる。
また、各擦れ防止部材40が、各サイドフレーム11の前側のエッジ11B3(前側第2折面部11B2)に圧入されて装着されている。このような構成となっていることにより、各擦れ防止部材40を、各サイドフレーム11の前側のエッジ11B3(前側第2折面部11B2)に簡便かつ強固に装着することができる。
以上、本発明の実施形態を1つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、本発明の「乗物用シート」は、自動車の右席以外のシートにも適用することができる他、鉄道等の自動車以外の車両や、航空機、船舶等の種々の乗物に供されるシートにも広く適用することができるものである。
また、本発明の構成は、シートバックの他、シートクッションやヘッドレスト等の他のシート構造物に適用することができるものである。擦れ防止部材は、サイドフレーム以外のフレームのエッジ(例えば上記実施例1で示したロアプレート13の上下側のエッジなど)を被覆するために設けられるものであってもよい。また、擦れ防止部材のシートフレームへの固定の仕方は、接着やビス締結などの圧入以外の結合によるものであってもよい。また、シートフレームに掛け合わせ用の孔を空け、擦れ防止部材を上記の孔に掛け合わせて固定するようにしてもよい。その際、擦れ防止部材をシートフレームへの嵌め込みによって上記の孔に弾性的に掛け合わせて抜け止め可能に固定するものであっても、擦れ防止部材をシートフレームにセットした状態でビス等の別の差込部材を孔に差し込んで固定するものであってもよい。また、擦れ防止部材は、その差し込まれて装着されるシートフレームのエッジの延びる形状とは異なる延び方をする形に形成されることによっても、エッジに対して弾発力により嵌合してエッジの延びる方向にズレない形に装着することができる。上記擦れ防止部材をシートフレームのエッジの延びる形状とは異なる延び方をする形に形成する方法としては、擦れ防止部材の一部又は全体をエッジの延びる形とは異なる形に湾曲させることが挙げられる。
また、擦れ防止部材は、オレフィン系熱可塑性エラストマ(TPO)以外の樹脂材料やゴム材料から成るものであってもよい。具体的には、擦れ防止部材は、少なくとも、シートフレームのエッジと比べてシートパッドに対する擦れが少ない形状又は軟らかさを備えた構成となっているものであればよく、シートフレームと同程度の剛性を備えるような硬質材から成るものであっても構わない。このような形質を備えた擦れ防止部材を設けることにより、少なくともシートフレームのエッジが直接、シートパッドに当たる構成と比べて、シートパッドの擦れを抑えることができる。
また、擦れ防止部材は、シートフレームに対して、エッジの延びる方向に垂直な横断面方向から差し込まれて装着されるものの他、エッジの延びる方向に沿う縦断面方向から差し込まれて装着されるものであってもよい。また、擦れ防止部材によるエッジの被覆の仕方は、特定の形態に限定されるものではない。擦れ防止部材は、少なくともシートフレームのエッジがシートパッドに直接当たることを防止できる程度にエッジを被覆していればよく、被覆した先の領域部がシートフレームに係合することなく自由端の状態で設けられるものであってもよい。その具体例としては、例えば、擦れ防止部材が、その横断面方向の先端に、シートフレームの縁部に引掛けられてエッジを覆うフック部を備えており、上記フック部によってエッジを覆った状態として、その横断面方向の末端がシートフレームに固定されるようになっているものが挙げられる。また、擦れ防止部材は、上記のようにエッジから離れた箇所でシートフレームに固定されるようになっていてもよい。
また、擦れ防止部材は、シートフレームのシートパッドが被せられる表側のエッジを被覆するように設けられるものに限らず、シートパッドが被せられる側とは反対側のエッジなど、その他のエッジを被覆するように設けられるものであってもよい。このようにしても、シートパッドが着座者の体圧を受けて撓んだ際、或いは予期しない方向からの外荷重を受けて撓んだ際に、シートフレームのその他のエッジに当たって擦れることを適切に防止することができる。
1 シート
2 シートバック
3 シートクッション
10 バックフレーム
11 サイドフレーム(シートフレーム)
11A 側面部
11B 前側の縁部
11B1 前側第1折面部
11B2 前側第2折面部
11B3 前側のエッジ
11C 後側の縁部
11C1 後側第1折面部
11C2 後側第2折面部
11C3 後側第3折面部
11C4 後側のエッジ
12 アッパパイプ
13 ロアプレート
20 バックパッド(シートパッド)
20A 裏面
21 中央領域
22 サイドサポート領域
30 バックカバー
40 擦れ防止部材
41 本体部
41A 係止突起
41B 角部
41C 曲げ返し部分
42 掛爪
42A ガイド面
S/A サイドエアバッグ装置
W1,W2 幅

Claims (1)

  1. シートパッドとシートフレームとの間に前記シートパッドが前記シートフレームのエッジに直接触れることを防止する擦れ防止部材が設けられた乗物用シートであって、
    前記擦れ防止部材が、前記シートフレームの前記エッジを臨ませる縁部への差し込みにより該縁部を弾性的に押し挟む形に圧入されて前記エッジを被覆する一対の掛爪と、当該一対の掛爪の差し込みにより前記縁部に突き当てられて差し込みを係止する係止突起と、を有し、
    前記係止突起と前記一対の掛爪とが、互いに共通の領域から前記縁部への差込方向に個別に突出する張り出し形状を有する乗物用シート。
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