JP6327084B2 - 電源回路および電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、電源ノイズを除去する電源回路および電子機器に関する。
プリント基板(PCB:Printed Circuit Board)上に搭載した電源ラインが放射する高周波ノイズ対策として、例えば、チップ状のパスコンやフェライトビーズをICの電源端子に表面実装して高周波ノイズ除去する技術がある。この技術では、除去する周波数に合わせて定数の違うコンデンサを数個実装するが、実際のラインインピーダンスや負荷インピーダンスが異なり、設計時の定数選定では、所定の高周波ノイズ除去が難しい。
また、ICがバンプ端子の場合、電源端子から離れた場所にパスコンやフェライトビーズを実装することとなり、インダクタンス成分が大きくなるため、コンデンサを数種類使用することとなる。この場合、プリント基板上でのコンデンサの実装面積が増えるとともに、高周波ノイズ除去量も想定より小さくなる。
このため、多層のプリント基板内部に容量およびインダクタンス成分をもたせた構造のものがある。例えば、導体小片を内層に周期的に並べたマッシュルーム型EBG(Electromagnetic Band Gap)を用いたプリント基板の技術がある。また、マイクロストリップラインの両側に複数のスルーホールを設けた帯域阻止フィルタの技術がある。また、多層プリント基板の電源プレーンに接続される電源ビアを中心として、GNDプレーンに接続されるGNDビアを放射状に設け、ビア間に容量をもたせる技術がある。また、電源ラインとGNDを線状に形成し、電源ラインを線状の蛇行パターンにしてインダクタンスを大きくし、ローパスフィルタを形成する技術がある(例えば、下記特許文献1〜4参照。)。
特開2010−10183号公報 特開2001−111303号公報 特開平8−148368号公報 特開平9−54788号公報
しかしながら、従来の技術では、プリント基板のサイズを大型化することなく所定の周波数(例えば、数百MHz〜数GHz)の高周波ノイズを除去することができなかった。例えば、ビアを介して電源ラインをGNDに接続する構造では広い面積のGND面にビアが並列接続されるため、インダクタンス成分が小さくなり広帯域の高周波ノイズを除去できない。また、GNDを線状に形成してインダクタンス成分をもたせる構造では、良好なGND特性を得ることができない。
一つの側面では、本発明は、広帯域の高周波ノイズを除去できることを目的とする。
一つの案では、多層のプリント基板を用いて電源ノイズを除去する電源回路において、電源ラインが形成された第1層と、前記電源ラインの直下位置で、前記電源ラインの大きさに対応するランドが形成された第2層と、前記ランドの下層でグランド面が形成された第3層と、を有し、前記ランドがビアを介して前記グランド面に接続され、前記グランド面のうち前記電源ラインの直下位置に、前記電源ラインの大きさに対応して前記電源ラインの長さ方向に沿って所定のスリット幅を有して形成された複数の櫛歯状導電体と、を備え、所定のフィルタ特性を有することを要件とする。
一つの実施の形態によれば、広帯域の高周波ノイズを除去できる。
図1は、実施の形態にかかる電源回路の構成例を示す側面図である。 図2は、実施の形態にかかる電源回路のプリント基板の各層の構成例を示す斜視図である。 図3は、実施の形態にかかる電源回路の等価回路を示す図である。 図4は、実施の形態にかかる電源回路の櫛歯状導電体の電流の流れ方を説明する図である。 図5は、実施の形態にかかる電源回路の具体例を示す斜視図である。 図6は、実施の形態にかかる電源回路の櫛歯状導電体の抵抗特性を示す図表である。 図7は、実施の形態にかかる電源回路のフィルタ特性を示す図表である。 図8は、実施の形態にかかる電源回路のフィルタ特性の変化例を示す図表である。(その1) 図9は、実施の形態にかかる電源回路のフィルタ特性の変化例を示す図表である。(その2) 図10は、実施の形態にかかる電源回路のフィルタ特性の変化例を示す図表である。(その3) 図11は、実施の形態にかかる電源回路の他の構成例を示す図である。(その1) 図12は、実施の形態にかかる電源回路の他の構成例を示す図である。(その2)
(実施の形態)
以下に添付図面を参照して、開示技術の好適な実施の形態を詳細に説明する。図1は、実施の形態にかかる電源回路の構成例を示す側面図である。図1の電源回路100は、プリント基板101を含む。プリント基板101上には、IC102,103の電源端子が表面実装用のバンプ102a,103aを介して実装されている。IC103に代えて電源のコネクタが搭載されてもよい。例えば、プリント基板101には、不図示の電源ICが搭載され、この電源ICから電源ライン105に電源が供給される。
この電源回路100は、不図示の電子機器に設けられ、電子機器の各部に電源を供給する。電子機器としては、高周波を扱う、例えば、携帯電話端末などの通信機器が含まれる。携帯電話端末は、内蔵する電源回路100の小型化が要求されている。
プリント基板101は、多層基板であり複数層を有する。プリント基板101の第1層には、電源ライン105が形成され、電源ライン105は、ビア104を介してIC102,103の電源端子(バンプ102a,103a)に接続されている。電源ライン105は、プリント基板101の平面からみて所定の配線パターンを有する。
プリント基板101の第2層には、ランド106が設けられる。ランド106は、電源ライン105の配線パターンに沿って電源ライン105と同じ形状の配線パターンを有している。
プリント基板101の第3層には、グランド(GND)面107が設けられる。GND面107は、プリント基板101の平面でみて層全面(ベタ)に設けられている。また、GND面107のうち、電源ライン105の配線パターンに対応する位置には、GND面107の一部がパターン抜きされることで、櫛歯状導電体110(図2参照)が形成される。櫛歯状導電体110は、ビア108を介してランド106の配線パターンに電気的に接続されている。
図1の例では、GND面107および櫛歯状導電体110をプリント基板101の第3層に設ける構成としたが、これに限らず、プリント基板101の表面(裏面)に設けてもよい。
図2は、実施の形態にかかる電源回路のプリント基板の各層の構成例を示す斜視図である。プリント基板101の第1層に設けられる電源ライン105は、所定の長さLおよび幅Wを有する配線パターンを有する。プリント基板101の第2層に設けられるランド106は、第1層の電源ライン105の直下位置に電源ライン105と同じ形状で配置される。すなわち、ランド106は、電源ライン105と同様の幅Wを有し、長さL方向に沿って設けられる。
プリント基板101の第3層全面には、GND面107が設けられる。また、GND面107のうち、電源ライン105の直下に位置する一部分は、電源ライン105の配線パターンの長さLの方向に沿って櫛歯状導電体110が形成される。
櫛歯状導電体110は、左手系媒体の手法(メタマテリアル)により、電源ライン105の大きさ(長さLと幅W)の範囲内に微少な形状を有して設けられる。図2の例では、櫛歯状導電体110は、電源ライン105と同じ長さLと幅Wを有して設けられている。この櫛歯状導電体110は、GND面107のうち、電源ライン105の直下位置部分を、蛇行するメアンダ状にパターン抜きを行い形成される。メアンダ状のパターン抜き部分(非導電体部分120)は、電源ライン105の幅Wと長さLの領域内で蛇行しながら連続する1本の線状である。
これにより、櫛歯状導電体110は、電源ライン105の幅W方向でみて互いに逆方向のGND面107から突出する櫛歯部110a,110bを複数有する。櫛歯部110a,110bは、電源ライン105の長さL方向に沿って交互に突出形成されたパターンとなる。隣接する櫛歯部110a,110b間は、パターン抜きにより所定の間隔(ピッチ)pを有する。スリット幅はsである。櫛歯状導電体110の櫛歯部110a,110bは、一端部(基端)がGND面107から突出し、自由端が開放(隣接する櫛歯部に接続されていない)された形状である。各櫛歯部110a,110bは、電源ライン105の長さLの方向に対して連続しない(接続されていない)形状となっている。
そして、櫛歯状導電体110の中点部110c、すなわち、電源ライン105の長さLの中央部分直下に位置する櫛歯状導電体110の中点部110cは、ビア108を介してランド106に電気的に接続されている。図2の例では、中点部110cには、隣接する一対の櫛歯部110a,110b間を配線パターンで接続し、この配線パターン(中点部110c)にビア108の一端が接続されている。
図3は、実施の形態にかかる電源回路の等価回路を示す図である。第1層の電源ライン105と第2層のランド106との間には、電源ライン105の長さLの方向に沿ってプリント基板101の誘電体により層間に所定の容量(C1)を有する。また、プリント基板101の第3層にはGND面107が全面に形成されており、電源ライン105は、良好な特性のグランド面となる。
そして、第2層のランド106は、ビア108を介して第3層のGND面107に接続されており、ビア108は所定のインダクタL2を有する。第3層のGND面107のうち、電源ライン105直下位置は、櫛歯状導電体110であり、電源ライン105の長さLの方向に沿って複数の櫛歯部110a,110bが形成されている。これにより、櫛歯状導電体110は、電源ライン105の長さLの方向に沿って複数のインダクタL3を有する。この櫛歯状導電体110を用いて、ローパスフィルタを多段に接続するLCフィルタを得ることができ、電源ノイズの除去周波数を広帯域化できるようになる。
また、ビア108は、第1層の電源ライン105の長さLの方向の中点位置で第2層のランド106と第3層の櫛歯状導電体110の中点部110cとを接続する。これにより、広い面積のGND面107に対し、一つのビア108で接続されるため、LCフィルタにおけるインダクタL2の成分を大きくすることができ、電源ノイズの除去周波数を広帯域化できるようになる。この点、従来では広いGND面に対し複数のビアを設けることで、インダクタが並列となりインダクタンス成分が小さくなり、広帯域化できない。
図4は、実施の形態にかかる電源回路の櫛歯状導電体の電流の流れ方を説明する図である。図4には、図2の櫛歯状導電体110の部分拡大図を示す。GND面107にはリターン電流(高周波電流)が流れ、櫛歯状導電体110の櫛歯部110a,110b部分では、リターン電流は表皮効果により、櫛歯部110a,110bの端部を流れる(図中矢印401)。
これにより、リターン電流は、櫛歯状導電体110に電荷が集中して流れ、ベタのGND面107に流れる。この際、櫛歯状導電体110の隣接する櫛歯部110a,110b間で磁界結合(図中符号402)により浮遊容量が発生してコモンモード電流となり、相互インダクタンス(L3成分)を大きくできる。
以上のように、第3層のGND面107には、電源ライン105の直下位置に櫛歯状導電体110を形成することにより、第3層にGND面107とともに、櫛歯状導電体110によるインダクタL3を形成することができる。実施の形態のGND面107は、従来のように線状に形成してインダクタンス成分を得てLCローパスフィルタとしたものではなく、線状のGNDとした場合のGNDプレーンとしての特性劣化を招くことがない。
図5は、実施の形態にかかる電源回路の具体例を示す斜視図である。図5を用いて、各部の寸法例を説明する。なお、図5には、電源ライン105部分に対応する各層の構成のみを抽出して記載してある。例えば、第3層の櫛歯状導電体110の周囲にはベタのGND面107が形成されているが図示を省略してある。
電源ライン105の配線パターンは、長さL:50mm、幅W:2mm、厚さ:0.4mm
ランド106の配線パターンも電源ライン105と同じ寸法
GND面107の一部に設ける櫛歯状導電体110の領域も電源ライン105と同じ寸法
櫛歯状導電体110の櫛歯部110a,110bの幅:0.1mm、間隔(ピッチ):0.1mm、GND面107のうち櫛歯状導電体110部分をパターン抜きした際の蛇行する1本のメアンダ状の部分(非導電体部分120)の全長:475mm
プリント基板101の特性は、層数:3層、基板厚さ:0.4mm、誘電率:3.95、Tanδ:0.012
配線パターン(導体)は、材質:Cu5.8e7s/m、厚さ:0.018mm
ビア104,108は、直径:0.06mm
図6は、実施の形態にかかる電源回路の櫛歯状導電体の抵抗特性を示す図表である。横軸は周波数(GHz)、縦軸は抵抗値(Ω)である。図5に示した寸法(長さ50mm、幅2mm)部分でみた実施の形態の抵抗の特性は、層全面をベタのGNDとした特性と数Ωの違いでほぼ同じにできる。
これに対し、同様の寸法(長さ50mm、幅2mm域)の領域内で、GNDを蛇行する1本の所定長さのメアンダ状とした場合、線幅が細いため抵抗値は50Ωと高くなる。このメアンダ状GNDは、ベタのGNDに比してGND特性が劣化する。
図7は、実施の形態にかかる電源回路のフィルタ特性を示す図表である。横軸は周波数(GHz)、縦軸は減衰量(dB)であり、ローパスフィルタ特性を示す。実施の形態の電源回路の特性によれば、櫛歯状導電体110によりインダクタL3を大きくすることができ、これによりノイズ除去の周波数帯域を広帯域化できる(例えば、図中−20dBの帯域701)。f0はフィルタの共振周波数である。
これに比して、従来(マッシュルーム型EBG)は、実施の形態に比してインダクタンス成分が小さく、ノイズ除去の帯域は狭帯域である。
図8は、実施の形態にかかる電源回路のフィルタ特性の変化例を示す図表である。図8では、電源ライン105(およびランド106と櫛歯状導電体110)の長さLを可変させることでフィルタ特性を変化させることを示している。ここで、電源ライン105の長さLに応じてランド106および櫛歯状導電体110についても電源ライン105と同じ長さとする。
電源ライン105(およびランド106,櫛歯状導電体110)の長さLを可変させることで共振周波数f0が変化する。例えば、長さL:10mmのとき、f0:1.65GHz、帯域幅801、長さL:25mmとすると、f0:0.85GHz、帯域幅802、長さL:50mmとすると、f0:0.5GHz、帯域幅803となる。
共振周波数f0は、インダクタンス成分である長さLに相当する櫛歯状導電体110でのインダクタンス成分(図3のL3)と、容量(電源ライン105の長さLと幅W)により、f0=1/2π√CLの計算式で定められる。
図9は、実施の形態にかかる電源回路のフィルタ特性の変化例を示す図表である。図9では、ビア108の個数を増やしたときのフィルタ特性の変化を示している。図5等に示したように、ビア108は1個の場合が最も減衰量が大きく広帯域である。ランド106と櫛歯状導電体110とを接続するビア108の数を長さLの方向に沿って5mm間隔で2個、3個と増やした場合、共振周波数が高周波数側に移動し、減衰量が減少し、狭帯域となることが示されている。
図10は、実施の形態にかかる電源回路のフィルタ特性の変化例を示す図表である。図10では、櫛歯状導電体110のスリット幅s(図2参照)を可変させてフィルタ特性を変化させることを示している。上述したスリット幅sを0.1mm〜0.3mmで0.05mm単位で可変することで、共振周波数、および帯域を可変させることができる。
図11は、実施の形態にかかる電源回路の他の構成例を示す図である。この図11では、上述した電源ライン105を第1層の電源ライン105a、第3層の電源ライン105b、第5層の電源ライン105cとして設ける。また、上述したランド106を第2層のランド106a、第4層のランド106b、第6層のランド106cとして設ける。第7層目にはGND面107および櫛歯状導電体110を設ける。図11の各層は、プリント基板101のうち、電源ライン105の幅Wの部分だけを示している。
各層の電源ライン105(105a〜105c)と、この電源ライン105(105a〜105c)に隣接する層のランド106(106a〜106c)との間には、上述した容量C1に相当する容量C11〜C13,C21,C22が形成される。また、上述したビア108に相当するビア108a〜108cを介して各ランド106(106a〜106c)は、GND108の一部に形成された櫛歯状導電体110の中点部110cに接続される。
図11に示した構成により、多層基板を利用して電源ライン105とランド106を多層として設けることで、容量C1(C11〜C13,C21,C22)を大きくすることができる。図11に示した計7層に限らず、より多数層を含めて多層基板の複数層を用いて電源ライン105とランド106を形成することで、所望するフィルタ特性に適合した容量を得ることができるようになる。
図12は、実施の形態にかかる電源回路の他の構成例を示す図である。図12には、3層のプリント基板101を用い、第1層の電源ライン105の大きさを変更し、電源ライン105の下層に複数のランド106a〜106fを分割配置した例を示す。図12の各層は、プリント基板101のうち、電源ライン105の幅Wの部分だけを示している。
例えば、第1層の電源ライン105は、長さL:30mm、幅W:10mmとする。第3層のGND面107も電源ライン105と同様の大きさとする。図示の例では、第2層に複数(図示の例では6個)のランド106a〜106fを設け、1個の大きさは長さが10mm、幅が2mmとしている。
第1層の電源ライン105と第2層の複数のランド106(106a〜106f)との間には、上述した容量C1に相当する容量C11〜C16が形成される。また、上述したビア108に相当するビア108a〜108fを介して各ランド106(106a〜106f)は、GND108の一部に形成された櫛歯状導電体110に接続される。
電源ライン105の幅W方向には、3つのランド106a,106c,106e(およびランド106b,106d,106f)が並んで配置されている。対応して第3層のGND面107には、電源ライン105の幅方向Wに沿って(長さLの方向に向けて)3本の櫛歯状導電体110A〜110Cが形成されている。
複数のランド106a〜106fは、ビア108a〜108f(インダクタンス成分L21〜L26)を介して櫛歯状導電体110A〜110Cに接続されている。例えば、ランド106aはビア108a(インダクタンス成分L21)を介して櫛歯状導電体110Aに接続されている。
図12の例では、一つの櫛歯状導電体110Aに対し、2つのビア108a,108b(接続点110ca,110cb)を介してランド106a,106bが接続されている。各櫛歯状導電体110A,110B,110Cは、ベタのGND面107(インダクタンス成分L31)を介して接続されている。
図12に示すように、電源ライン105の大きさに応じてランド106を分割した構成としてもよく、図11同様に容量(C11〜C16)を大きくすることができ、また、インダクタンス成分L21〜L26も大きくすることができる。このように、電源ライン105の大きさに応じて電源ライン105の下層に複数のランド106、および複数の櫛歯状導電体110A〜110Cを形成することで、所望するフィルタ特性に適合した容量およびインダクタンスを得ることができるようになる。
また、図11の構成と図12の構成とをいずれも有する構成とすることもでき、インダクタと容量成分をより柔軟に設定でき、フィルタ特性を可変できるようになる。
以上説明した実施の形態によれば、プリント基板のGNDの層に、電源ライン直下位置の層に電源ラインの大きさに対応するランドと、電源ラインの長さ方向に櫛歯が連続する櫛歯状導電体を形成し、ランドと櫛歯状電極を接続する構造としている。これにより、簡単な構造で電源ラインのノイズ除去に必要なインダクタンスと容量の成分を得ることができ、所望のローパスフィルタ特性を得ることができる。すなわち、プリント基板の内部の層間で所定の容量を得ることができる。また、櫛歯状導電体は、電源ラインの長さ方向に複数の櫛歯を有してインダクタンス成分を大きくとることができる。この櫛歯状導電体は、電源ラインとDC接続されたものではないため、電源ラインのインピーダンスや負荷インピーダンスに左右されずに電源ラインの高周波ノイズ除去が可能となり、電源ラインのDC特性を劣化させることがない。
また、プリント基板の内部の層を用いてフィルタの容量とインダクタンス成分を得る構成であり、ICの電源端子近傍にフィルタを配置することができるため、不要なインダクタ量を減少でき、回路設計を容易化できるようになる。また、プリント基板の表層にパスコン等の電子部品の実装スペースを確保する必要がなくプリント基板を小型化でき、また、外部ノイズの影響を受けにくい。
また、GNDの層をベタな全面GNDとし、左手系媒体の手法(メタマテリアル)を用いてこのGNDの一部に、電源ラインに沿って櫛歯状導電体を形成したため、GND面は良好なGND特性を得ることができる。この点、従来、GNDを線状に形成してインダクタンス成分をもたせたLCローパスフィルタとしたGND線だとGNDプレーンとして弱くなるが、実施の形態ではこの点を改善できる。
また、櫛歯状導電体により、限られた領域内でインダクタンス成分を大きくとることができ、LCローパスフィルタを電源ラインの長さ方向に沿って多段に接続する回路構成にできる。これにより、電源ラインの高周波ノイズを広帯域(例えば、数百MHz〜数GHz)にわたり除去できるようになる。これにより、良好なGND特性を得つつ、広帯域の高周波ノイズを除去できるようになる。
櫛歯状導電体は、左手系媒体の手法でベタGNDに対してメアンダ状のパターン抜きで簡単に形成できる。以上により、プリント基板のサイズを小型化しつつ、広帯域の高周波ノイズ除去が行えるようになる。
また、電源ラインの長さ、ランドと櫛歯状導電体との間を接続するランドの数、櫛歯状導電体のスリット幅を変更することで所望する帯域の高周波ノイズを除去できる。さらに、電源ラインとランドを複数の層で形成してGNDの層に接続することで、層間の容量を大きくしフィルタ特性を可変することもできる。また、電源ラインの大きさに応じて電源ラインの直下の層に複数のランドを設けてフィルタ特性を可変することもできる。
そして、実施の形態の電子機器は、高周波を扱う電子機器に適用でき、携帯電話端末などの通信機器、コンピュータ装置などの各種電子機器に適用することができ、電源回路がこれら電子機器の各種電子回路に電源を供給する。上述した実施の形態によれば、この電源供給を受ける電源ラインが放射する高周波ノイズを低減させることができる。また、実施の形態の電源回路は、プリント基板内部でフィルタを形成する構造であるため、各種電子回路や電子機器外部から電源回路に到来するノイズの影響を受けにくい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)多層のプリント基板を用いて電源ノイズを除去する電源回路において、
電源ラインが形成された第1層と、
前記電源ラインの直下位置で、前記電源ラインの大きさに対応するランドが形成された第2層と、
前記ランドの下層でグランド面が形成された第3層と、を有し、
前記ランドがビアを介して前記グランド面に接続され、
前記グランド面のうち前記電源ラインの直下位置に、前記電源ラインの大きさに対応して前記電源ラインの長さ方向に沿って所定のスリット幅を有して形成された複数の櫛歯状導電体と、
を備え、所定のフィルタ特性を有することを特徴とする電源回路。
(付記2)前記電源ラインは、所定の長さおよび幅を有し、
前記ランドは、前記電源ラインの直下位置に、前記電源ラインと同じ長さおよび幅の範囲内に形成され、
前記櫛歯状導電体は、前記電源ラインの直下位置に、前記電源ラインの長さおよび幅の範囲内に形成されたことを特徴とする付記1に記載の電源回路。
(付記3)前記ランドは、前記電源ラインの長さ方向の中央位置で一つの前記ビアを介して前記櫛歯状導電体に接続されたことを特徴とする付記1または2に記載の電源回路。
(付記4)前記グランド面は、前記第3層の全面に形成されたことを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の電源回路。
(付記5)前記電源ラインと、前記ランドと、前記櫛歯状導電体の長さに基づき、フィルタの共振周波数が変更可能なことを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の電源回路。
(付記6)前記櫛歯状導電体の前記スリット幅に基づき、フィルタの共振周波数が変更可能なことを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の電源回路。
(付記7)前記電源ラインと、前記ランドとが互いに隣接する層となるよう、それぞれ複数の層に形成されたことを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の電源回路。
(付記8)前記ランドは、前記電源ラインの直下位置に、前記電源ラインの長さおよび幅の範囲内で分割された複数を有し、
前記櫛歯状導電体は、前記電源ラインの直下位置に、前記電源ラインの長さ方向に沿って、前記複数のランドに接続される複数を有する、
ことを特徴とする付記2〜7のいずれか一つに記載の電源回路。
(付記9)前記櫛歯状導電体は、前記電源ラインの長さ方向に蛇行するメアンダ状の1本の非導電体部分のパターン抜きにより形成されることを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の電源回路。
(付記10)付記1〜9のいずれか一つに記載された電源回路の前記多層のプリント基板と、前記電源回路の電源供給に基づき動作する電子回路と、を有することを特徴とする電子機器。
(付記11)前記電子機器は、高周波通信を行う携帯電話端末であることを特徴とする付記10に記載の電子機器。
100 電源回路
101 プリント基板
104,108 ビア
105 電源ライン
106 ランド
107 GND面
110 櫛歯状導電体
110a,110b 櫛歯部
110c 中点部
120 非導電体部分

Claims (9)

  1. 多層のプリント基板を用いて電源ノイズを除去する電源回路において、
    電源ラインが形成された第1層と、
    前記電源ラインの直下位置で、前記電源ラインの大きさに対応するランドが形成された第2層と、
    前記ランドの下層でグランド面が形成された第3層と、を有し、
    前記ランドがビアを介して前記グランド面に接続され、
    前記グランド面のうち前記電源ラインの直下位置に、前記電源ラインの大きさに対応して前記電源ラインの長さ方向に沿って所定のスリット幅を有して形成された複数の櫛歯状導電体と、
    を備え、所定のフィルタ特性を有することを特徴とする電源回路。
  2. 前記電源ラインは、所定の長さおよび幅を有し、
    前記ランドは、前記電源ラインの直下位置に、前記電源ラインと同じ長さおよび幅の範囲内に形成され、
    前記櫛歯状導電体は、前記電源ラインの直下位置に、前記電源ラインの長さおよび幅の範囲内に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
  3. 前記ランドは、前記電源ラインの長さ方向の中央位置で一つの前記ビアを介して前記櫛歯状導電体に接続されたことを特徴とする請求項1または2に記載の電源回路。
  4. 前記グランド面は、前記第3層の全面に形成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の電源回路。
  5. 前記電源ラインと、前記ランドと、前記櫛歯状導電体の長さに基づき、フィルタの共振周波数が変更可能なことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の電源回路。
  6. 前記櫛歯状導電体の前記スリット幅に基づき、フィルタの共振周波数が変更可能なことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の電源回路。
  7. 前記電源ラインと、前記ランドとが互いに隣接する層となるよう、それぞれ複数の層に形成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の電源回路。
  8. 前記ランドは、前記電源ラインの直下位置に、前記電源ラインの長さおよび幅の範囲内で分割された複数を有し、
    前記櫛歯状導電体は、前記電源ラインの直下位置に、前記電源ラインの長さ方向に沿って、前記複数のランドに接続される複数を有する、
    ことを特徴とする請求項2〜7のいずれか一つに記載の電源回路。
  9. 請求項1〜8のいずれか一つに記載された電源回路の前記多層のプリント基板と、前記電源回路の電源供給に基づき動作する電子回路と、を有することを特徴とする電子機器。
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