JP6326288B2 - レーザクリーニング方法 - Google Patents

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本発明はレーザクリーニング方法に関し、特にワークの被クリーニング面に付着している付着物を除去対象物として、低出力の短パルスレーザビームを使用して除去するようにしたレーザクリーニング方法に関するものである。
この種のレーザクリーニング方法はウエット洗浄法に代わるいわゆるドライ洗浄法あるいはドライ表面クリーニング法と称される技術の一つであり、代表的なものが例えば特許文献1,2に記載されている。
特許文献1に記載された技術では、金型等の金属の被クリーニング面に短パルスレーザビームを照射するとともに、その短パルスレーザビームの照射による熱衝撃波によって微少共鳴を生起させ、その共鳴作用をもって被クリーニング面の表面の付着物を剥離除去するようにしている。
また、特許文献2に記載された技術では、例えば貴金属の被クリーニング面にレーザビームを照射することによりプラズマ衝撃波を発生させ、このプラズマ衝撃波を被クリーニング面に衝突させて、その被クリーニング面上の汚染物質を除去するにあたり、プラズマ衝撃波の発生時に生成されるプラズマ熱放射による被クリーニング面の表面損傷を防止するために熱放射防御手段を併用するようにしている。
特開平9−122939号公報 特開2006−142379号公報
しかしながら、これらの特許文献1,2に記載された技術では、機械加工後の金属の切削面に付着している水分や油分等の除去については何ら考慮されておらず、例えば自動車のエンジン部品に多用されているアルミニウム合金の機械加工後の切削面に付着している水分や油分等を除去しようとすると、レーザビームの照射に伴うプラズマ熱放射等の熱的影響で母材に損傷に与えてしまうおそれがあり、なおも改善の余地を残している。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、とりわけ機械加工後の金属の切削面に付着している水分や油分等の除去対象物の除去に適したレーザクリーニング方法を提供するものである。
本発明は、ワークの被クリーニング面に対しスキャンミラーを介してパルスレーザビームを照射しつつスキャニングして、被クリーニング面に付着している除去対象物を除去するようにしたレーザクリーニング方法である。その上で、上記被クリーニング面が段差を有していて、その被クリーニング面のうちの最大高さ位置がレーザビーム照射光学系の末端における集光レンズの公称焦点距離の焦点位置よりも外側のアウトフォーカス側に位置するように設定してあるとともに、上記被クリーニング面上でのパルスレーザビームの照射スポット径は中心側の基準エネルギー強度領域よりも拡大化されていて、上記照射スポット径のうち基準エネルギー強度領域よりも外側の領域をもってスキャニングすることで被クリーニング面に一次処理を施し、その後、上記被クリーニング面の一次処理が施された領域について、上記照射スポット径のうち基準エネルギー強度領域をもってスキャニングすることで二次処理を施すようにしたものである。この場合において、被クリーニング面は必ずしも機械加工後の金属の切削面に限定されない。
本発明によれば、パルスレーザビームの照射スポット径のうち中心側の基準エネルギー強度領域とその外側の領域とを一次処理と二次処理とで使い分けてクリーニング処理を施すようにしたため、母材であるワークの被クリーニング面に熱的影響による損傷を及ぼすことなく、除去対象物を除去することができ、特に機械加工後の金属の切削面に付着している水分や油分、さらにはDLC被膜(Diamond−Like Carbon)までも効果的に除去することができる。
本発明に係るレーザクリーニング方法を実施するためのレーザクリーニング装置の概略構造を示す説明図。 図1の光学系の要部を拡大した説明図。 図2の焦点位置でのレーザエネルギー強度を示す分布特性図。 図2の被クリーニング面におけるレーザビーム照射位置でのレーザエネルギー強度を示す分布特性図。 レーザビームの断面説明図で、(A)は図2の焦点位置でのレーザビームの断面説明図、(B)は図2の被クリーニング面におけるレーザビーム照射位置でのレーザビームの断面説明図。 被クリーニング面に対するレーザビームのスキャン開始時の説明図。 被クリーニング面に対するレーザビームのスキャンピッチとスキャニング軌跡を示すン説明図。 除去対象物を油分およびDLC被膜とした場合のレーザビームの周波数とエネルギー密度の関係を示す特性図。
図1〜8は本発明に係るレーザクリーニング方法を実施するためのより具体的な形態を示し、特に図1はレーザクリーニング装置全体の概略構造を示している。
図1に示すように、レーザクリーニング装置は、大きく分けて、図示を省略したファイバーレーザ発振器から比較的低出力で出力されるファイバーレーザの短パルスのパルスレーザビーム(以下、単にレーザビームと言う。)Laを導くための出力側ファイバーケーブル1と、コリメータレンズ2、およびビーム径調整装置(ビームエキスパンダ)として機能するデ・エキスパンダ装置3のほか、折り返しミラー4、スキャンミラー(ガルバノミラー)5、揺動モータ6および集光レンズ(加工レンズ)7等から構成される。なお、上記ファイバーレーザ発振器のレーザ出力は例えば50W程度とする。
そして、ここでは、レーザクリーニングの処理対象物であるワーク8として例えばアルミニウム合金製の自動車用エンジン部品を想定している。より具体的にはシリンダブロックあるいはシリンダヘッド等のアルミニウム合金製の部品であって、且つそれらの部品の機械加工後において所定の段差を有している切削面をワーク8の被クリーニング面Fとしている。なお、この被クリーニング面Fは例えば矩形状をなしているものとする。これは、機械加工後の切削面である被クリーニング面Fには機械加工の過程で水分や油分が付着しているほか、切削工具から脱落したDLC被膜(Diamond−Like Carbon)の一部が転写されるかたちで付着していて、機械加工後のワーク8に対し後工程にて例えばシール剤を塗布するような場合に、当該シール剤塗布作業に先立って上記水分や油分等を除去する必要があるからである。
デ・エキスパンダ装置3は例えば凸レンズと凹レンズ等との組み合わせをもって形成されていて、集光レンズ7への入射光径を小さくして光学系をコンパクトにするとともに、焦点径を大きくする機能を有する。このことは、デ・エキスパンダ装置3でレーザビームLaのビーム径が小さくなるように絞れば、焦点位置9および被クリーニング面F上での照射ビーム径は相対的に大きくなる。
言い換えるならば、焦点の径が小さすぎると焦点または照射位置のレーザエネルギー密度が大きくなりすぎて、プラズマ衝撃波またはプラズマ放射熱の発生を無視することができず、後述するワーク8の被クリーニング面Fへの損傷等が危惧されることから、これらの不具合の抑制のためにデ・エキスパンダ装置3が介装されている。
出力側ファイバーケーブル1を通して導かれた比較的低出力で且つ短パルスのレーザビームLaはコリメータレンズ2にて平行光に変換される。コリメータレンズ2を通過することで平行光となったレーザビームLaはデ・エキスパンダ装置3に導入され、このデ・エキスパンダ装置3でビーム径が小さくなるように絞られる。そして、レーザビームLaは折り返しミラー4およびスキャンミラー5でそれぞれ反射して折り返された後、集光レンズ7で集光された上でワーク8の被クリーニング面Fに向けて照射される。
そして、スキャンミラー5は揺動モータ6にて所定の周期で正逆転駆動され、後述するようにレーザビームLaは略矩形状の被クリーニング面F上において往動と復動を繰り返すようにスキャニング(走査)され、結果として被クリーニング面Fの全面にレーザクリーニングを目的としてほぼ均等にレーザビームLaが照射されることになる。なお、被クリーニング面FへのレーザビームLaの照射の際に、並行して被クリーニング面Fにアシストガスを吹き付けて、加工面からプルーム(煙等)を除去することが望ましい。
上記のようなレーザビームLaの照射のための光学系において、末端の集光レンズ7の公称焦点距離Lはレンズ7自体の性能からして既知ではあるものの、段差のある被クリーニング面Fのうち最も高い位置(最大高さ位置)の高さ面(最大高さ面)Faを基準とした場合に焦点位置9を意図的にずらし、焦点位置9が被クリーニング面Fの最大高さ面Faよりも所定距離だけ集光レンズ7側に位置するように設定してある。つまり、レーザビームLaの照射を受ける被クリーニング面Fのうちの最大高さ面Faが、焦点位置9から外側(集光レンズ7側とは反対側)に外れたアウトフォーカス側に位置するように予め意図的に設定してある。これにより、焦点位置9でのレーザエネルギー密度に比べ、被クリーニング面F上における実際のレーザビームLaの照射位置でのレーザエネルギー密度を相対的に低くすることができることになる。
ここで、図1に示した複数のレンズやミラー等から形成されるレーザビーム照射光学系は、図示外の筐体を母体としてレーザ加工ヘッドとしてユニット化されている。また、コリメータレンズ2の後段にデ・エキスパンダ装置3を介装してレーザビームLaのビーム径を絞るようにしていることにより、集光レンズ7で集光されるレーザビームLaの焦点距離Lを短くすることができ、装置全体の小型化に寄与することができる。
図2は図1の要部拡大図であって、集光レンズ7と焦点位置9および被クリーニングF面上でのレーザビームLaの照射スポット径d2’との関係を示している。
図2において、焦点位置9でのスポット径d2は下記(1)式により表され、焦点範囲Qは下記(2)式により表される。ここで、焦点範囲Qとは中心(光軸中心)側の光の焦点と光軸よりも外側の光の焦点とのなす距離である。また、fは焦点距離(≒L)、d1は集光レンズ7への入射光径である。
・焦点位置のスポット径d2=(4/π)×f×波長/d1‥‥(1)
・焦点範囲Q=2×√2×d2‥‥(2)
また、被クリーニング面F上での焦点位置9から外れたレーザビームLaの照射スポット径d2’は下記(3)式で表される。ただし、Lは公称焦点距離、L1は焦点(焦点範囲Qの中間点)から被クリーニング面Fまでの距離である。例えばL=195mmとしたならば、L1は√2×d2以上が必要とされ、ここでは例えばL1=24mmとする。
・d2’=d1×(L1/L)‥‥(3)
ここで、図3は焦点位置9のスポット径d2のレーザエネルギー強度分布を示している。ファイバーレーザにおけるレーザビームLaの断面(光軸に沿った断面)のエネルギー強度分布(放射強度分布)は図3に示すようにガウシアンまたはガウス(正規)分布となることから、通常用いられる定義では、レーザビームLaのエネルギー強度分布がピーク値または光軸上の値の1/e2(13.5%)になるビーム径をビームの直径dとしている。そして、この通常定義のビーム直径dはφd(1/e2)と表記することもある。
本実施の形態では、先に述べた焦点位置9のスポット径d2と通常定義のビームの直径dとの関係として便宜上d=d2/1.5、すなわちd2=1.5dとした。なお、d2は図3の分布において総エネルギー量の99%をカバーし得る領域のスポット径に相当している。
これに対して、図4は焦点位置9から外れた被クリーニング面F上の照射位置(照射スポット径)でのレーザエネルギー強度分布を示していて、先に述べたように被クリーニング面F上でのレーザビームLaの照射スポット径はd2’となる。なお、後述するように、d2=1.5dの関係よりしてd2’=1.5d’となり、d’はφd’(1/e2)またはd’(1/e2)とも表記されることになる。また、ここでは、便宜上、上記スポット径dおよびd’の領域を基準エネルギー強度領域と称するものとする。
また、図5はレーザビームLaのスポット径の断面を示していて、同図(A)の図2の焦点位置9でのレーザビームLaの断面、すなわち光軸に直交する断面を示していて、同様に同図(B)は図2の被クリーニング面F上の照射位置でのレーザビームLaの断面、すなわち光軸に直交する断面を示している。
図5の(A)では基準エネルギー強度領域でもある定義上のビーム径dの円と中間直径であるd2=1.5dの円および最大直径である直径Dの円とが同心円状に描かれていて、直径d2の外側で且つ直径Dの内側は実際にレーザビームLaが照射されないにもかかわらず熱的影響を受けるであろうと予測される範囲を示している。
これらの関係は同図(B)においても全く同様であって、基準エネルギー強度領域でもある最小の直径d’の円と中間直径であるd2’=1.5d’の円および最大直径である直径D’の円とが同心円状に描かれていて、直径d2’の外側で且つ直径D’の内側は実際にレーザビームLaが照射されないにもかかわらず熱的影響を受けるであろうと予測される範囲を示している。
本実施の形態では、後述するように直径d2’の外側で且つ直径D’の内側の熱的影響範囲を積極的に有効利用することを特徴の一つとしている一方、直径Dと直径D’とは必ずしも比例関係にはないので、直径D’については光学系やその他の諸条件に応じてトライアル等を行った上で決定するものとする。
図6は被クリーニング面Fでのレーザクリーニング処理に際して、被クリーニング面Fとそれに対して照射されるレーザビームLaの実加工円M1との関係を示していて、この実加工円M1は図5の熱的影響範囲を示している直径D’の円に相当している。同様に、内側の小径円M2は同じく図5に示した直径d’の円に相当している。
そして、図6の(A)はレーザビームLaの最初のスキャニングに際して往動時の状態を、同図の(B)は復動時の状態をそれぞれ示している。図6の(A)に示すように、レーザビームLaの最初のスキャニングに際しての往動時には、実加工円M1のうち小径円M2の領域を除いた部分のみが被クリーニング面Fに重なるようにレーザビームLaの移動軌跡を制御するものとする。
つまり、図6の(A)に示すレーザビームLaの往動時には、相対的にレーザエネルギー強度が高いスポット径d’の基準エネルギー強度領域が被クリーニング面Fに当たらないようにレーザビームLaの移動軌跡を制御しながら被クリーニング面Fの処理を行い、この処理を一次処理と称するものとする。そして、被クリーニング面Fのうちこの一次処理によって処理された領域を図6の(A)に符号P1で示す。
なお、図6の(A)において、処理領域P1の幅が左側から右側に向かって漸次幅広となっているのは、例えば図示しない搬送手段によってワーク8が図6の(A)の紙面の上方側に所定速度で搬送されている過程で、被クリーニング面Fに対しレーザビームLaをスキャニングしているためである。
続いて、図6の(B)に示すように、レーザビームLaの最初のスキャニングに際しての復動時には、実加工円M1のうち小径円M2の領域のみが一次処理後の処理領域P1に重なるようにレーザビームLaの移動軌跡を制御するものとする。つまり、図6の(B)に示すレーザビームLaの復動時には、相対的にレーザエネルギー強度が高いスポット径d’の基準エネルギー強度領域のみが一次処理後の処理領域P1に重なるようにレーザビームLaの移動軌跡を制御しながら被クリーニング面Fの処理を行い、この処理を二次処理と称するものとする。そして、被クリーニング面Fのうちこの二次処理によって処理された領域を図6の(B)に符号P2で示す。
ここで、実加工円M1のうち内側の小径円M2の領域は図5に示したスポット径d’の基準エネルギー強度領域そのものであることから相対的にレーザエネルギー強度が高く、小径円M2以外の領域は図5に示した直径d2’=1.5d’の円の領域と直径D’の熱的影響領域とを含む領域であることから、小径円M2の領域に比べ相対的にレーザエネルギー強度が低いものとなっている。
そして、実加工円M1のうち小径円M2以外の領域を使って先行して一次処理を行うことにより、被クリーニング面Fに水分が付着している場合にはその水分が蒸発によって除去される。また、被クリーニング面Fに油分が付着している場合には上記一次処理をもって油分中の水分が蒸発によって除去され、油分に含まれていた炭化物(カーボン等)のみがなおも被クリーニング面Fに付着したまま残されることになる。
その一方、一次処理に続く二次処理では、実加工円M1のうち相対的にレーザエネルギー強度が高い小径円M2の領域のみを使って処理を行うことから、一次処理では除去しきれなかったところの炭化物等がレーザビームエネルギーを直接吸収することもあって、これらの炭化物等が昇華傾向を呈することで除去される。また、被クリーニング面FにDLC被膜が付着しているような場合でも二次処理の際に同様に除去される。
こうして、最初の一往復のレーザビームLaのスキャニングをもって一次処理とそれに続く二次処理とが施されたならば、以降は図7に示すように例えば小径円M2の半径分または直径分だけレーザビームLaにスキャン送りピッチを与えながらレーザビームLaの往復動に基づくスキャニングを繰り返す。こうすることにより、レーザビームLaの実加工円M1のうち小径円M2以外の領域を使った一次処理と、一次処理が施された領域について実加工円M1のうち小径円M2の領域のみを使った二次処理とがスキャン折り返し幅Wのもとで交互に繰り返されて、被クリーニング面Fの全領域について均等にレーザクリーニング処理が施されることになる。
なお、図1に示したように被クリーニング面Fが段差を有していたとしても、先に説明したように、被クリーニング面F上の最大高さ位置FaでのレーザビームLaの照射位置が焦点位置9よりもアウトフォーカス側になるように予め設定してあるため、一次処理および二次処理共に被クリーニング面Fにとって有害なプラズマの発生を抑制できるとともに、被クリーニング面F内での高低差は容易に吸収することができ、クリーニング品質の上で問題となることはない。また、上記のようないわゆるアウトフォーカス仕様とすることで照射スポット径を大きくすることができ、被クリーニング面Fの洗浄効率が向上する。
ここで、本実施の形態におけるワーク8の材質に着目した場合、アルミニウム合金製のワーク8の被クリーニング面Fでの熱エネルギーの過剰投与による組成の変質あるいは損傷等を考慮するならば、一次処理はもちろん二次処理の際にも例えば150℃を超えるような加熱・昇温は回避することが望ましい。そのため、レーザビームLaの1パルス当たりのエネルギー密度を適宜調整するものとする。
図8は上記被クリーニング面Fの温度条件を満たすための実験によって得られた周波数−エネルギー密度特性を示していて、被クリーニング面Fに付着している油分の除去を主眼とした場合と、被クリーニング面Fに付着しているDLC被膜の除去を主眼として場合とでは、周波数および1パルス当たりのエネルギー密度共に適正とされる値が異なることが理解できる。
また、本発明者が実験を行った結果によれば、例えばワークが乗用車の4気筒エンジンのシリンダヘッドである場合、被クリーニング面の一辺の長さは500mm以下であり、1ワーク当たり4〜5秒程度でクリーニングを終えることができることを確認できた。
このように本実施の形態によれば、レーザビームLaの照射スポット径(外側の熱的影響領域を含む。)のうち中心側の基準エネルギー強度領域とその外側の領域とを一次処理と二次処理とで使い分けてクリーニング処理を施すようにしたものである。そのため、母材であるワーク8の被クリーニング面Fに熱的影響による損傷を及ぼすことなく、水分や油分等の除去対象物を除去することができ、特に機械加工後の金属の切削面に付着しているDLC被膜までも効果的に除去することが可能となる。
2…コリメータレンズ
3…デ・エキスパンダ装置
4…折り返しミラー
5…スキャンミラー
6…揺動モータ
7…集光レンズ
8…ワーク
9…焦点位置
d’…レーザビーム照射位置での基準エネルギー強度領域の直径
d2’…レーザビーム照射位置での照射スポット径
D’…熱的影響領域の直径
F…被クリーニング面
La…パルスレーザビーム
M1…実加工円
M2…小径円
P1…一次処理領域
P2…二次処理領域

Claims (5)

  1. ワークの被クリーニング面に対しスキャンミラーを介してパルスレーザビームを照射しつつスキャニングして、被クリーニング面に付着している除去対象物を除去するようにしたレーザクリーニング方法において、
    上記被クリーニング面が段差を有していて、その被クリーニング面のうちの最大高さ位置がレーザビーム照射光学系の末端における集光レンズの公称焦点距離の焦点位置よりも外側のアウトフォーカス側に位置するように設定してあるとともに、
    上記被クリーニング面上でのパルスレーザビームの照射スポット径は中心側の基準エネルギー強度領域よりも拡大化されていて、
    上記照射スポット径のうち基準エネルギー強度領域よりも外側の領域をもってスキャニングすることで被クリーニング面に一次処理を施し、
    その後、上記被クリーニング面の一次処理が施された領域について、上記照射スポット径のうち基準エネルギー強度領域をもってスキャニングすることで二次処理を施すことを特徴とするレーザクリーニング方法。
  2. 上記被クリーニング面上でのパルスレーザビームの照射スポット径の外側に当該照射スポット径側からの熱的影響領域が設定されていて、
    上記照射スポット径のうち基準エネルギー強度領域よりも外側の領域と上記熱的影響領域とをもってスキャニングすることで被クリーニング面に一次処理を施すことを特徴とする請求項1に記載のレーザクリーニング方法。
  3. 上記基準エネルギー強度領域の照射スポット径は、ガウス分布をなすレーザエネルギー強度分布においてそのレーザエネルギー強度のピーク値または光軸上の値の1/e2(13.5%)になるビーム径であることを特徴とする請求項2に記載のレーザクリーニング方法。
  4. 上記被クリーニング面が機械加工後の金属の切削面であるとともに、その被クリーニング面に付着している除去対象物が油分であり、
    上記一次処理では油分に含まれる水分を除去し、二次処理では残された炭化物を除去することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のレーザクリーニング方法。
  5. 上記被クリーニング面に油分とともに付着している除去対象物がDLC被膜であり、二次処理をもってDLC被膜を除去することを特徴とする請求項4に記載のレーザクリーニング方法。
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