JP2000216129A - 膜表面浄化方法及びその装置 - Google Patents

膜表面浄化方法及びその装置

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JP2000216129A
JP2000216129A JP11017439A JP1743999A JP2000216129A JP 2000216129 A JP2000216129 A JP 2000216129A JP 11017439 A JP11017439 A JP 11017439A JP 1743999 A JP1743999 A JP 1743999A JP 2000216129 A JP2000216129 A JP 2000216129A
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film
irradiation
energy density
melting
cleaning
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JP11017439A
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English (en)
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Hiroshi Tsutsu
博司 筒
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶表示素子、センサーアレイ、RAM等に
用いられる薄膜トランジスタの製造において、表面の不
純物、塵埃、特に硼素を除去して清浄な薄膜とし、製品
の均一性や再現性や歩留まりを改善する。 【解決手段】 薄膜表面に付着した不純物、塵埃等を、
適切な熱量のエネルギービームを照射することにより除
去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膜表面のエネルギ
ービームによる清浄化に関し、特に半導体装置や液晶表
示装置、センサーアレイ、SRAM等に用いられる薄膜
トランジスタ製造時の薄膜の表面清浄化に関する。
【0002】
【従来の技術】先ず、本明細書では、原則として半導体
とはシリコン(「Si」とも記す)等の材料、物性の面
からとらえた物をいい、同じくトランジスタとは液晶表
示装置、テレビジョン受像機等における真空管等の役割
を担う部品や画素駆動のための素子を指すものとする。
【0003】以下、従来技術の多結晶半導体を用いた薄
膜トランジスタとして、液晶表示装置用に開発が進めら
れているポリシリコン(多結晶シリコン)薄膜トランジ
スタ(以下、「poly−Si TFT」とも記す)を
例にとって説明を行う。
【0004】液晶表示装置の分野では、概ね600℃以
下の比較的低温で製造できるため、高価な石英基板では
なく安価なガラス基板が使用可能な多結晶シリコン薄膜
トランジスタ(以下、「低温poly−Si TFT」
とも記す)が注目を集めている。この低温poly−S
i TFTとして、例えば、「IEEE ELECTR
ON DEVICE LETTERS, Vol.ED
L−7, No.5(1986), p.p.276−
378」に記載されているものを参照しながら簡単に説
明する。
【0005】図1は、その概略の製造方法を示したもの
である。
【0006】本図において、1は、ガラス基板である。
2は、バッファ層である。3は非晶質(以下、「a−S
i」とも記す)シリコンである。4は、ポリシリコンで
ある。5は、ゲート絶縁層である。6は、ゲート電極で
ある。60は、Mo膜である。7は、ソース領域であ
る。8は、ドレイン領域である。9は、コンタクトホー
ルである。10は、ソース電極である。11は、ドレイ
ン電極である。20はエキシマレーザー(光)である。
30は、リンイオンである。(なお、後述の本発明の各
実施の形態においても同じ物、部分については同一の符
号を付してある。) 以下、本図の(a)より(f)までの内容を順に説明す
る。
【0007】(a)基板1上面(半導体の形成される
面)、にバッファー層2となる600ÅのSi3 4
介して、500〜1000Åの非晶質シリコン層3を全
面に堆積(平板、膜表面に別の膜を形成すること)す
る。
【0008】(b)上面よりエキシマレーザー20を照
射し、基板上の非晶質シリコン層を局所的に加熱溶融し
て結晶化させる。
【0009】(c)結晶化によって得られたポリシリコ
ン層4上にゲ−ト絶縁層5として200ÅのSi3 4
と1500ÅとのSiO2 層とゲート電極となる膜Mo
60を6000Å堆積する。
【0010】(d)Moをゲート電極の形に形成後、こ
の状態で上面より半導体の機能を発揮させるための不純
物としてリンのイオン30を電圧で加速して注入する。
【0011】(e)注入されたリンの活性化のため、再
びエキシマレーザーを照射することによってソース領域
7及びドレイン領域8を形成する。
【0012】(f)ゲート絶縁層にコンタクトホール9
を形成し、最後に3000ÅのA1を用いてソース電極
10及びドレイン電極11を形成する。
【0013】次に、図2に非晶質シリコン層を溶融、再
結晶させるのに用いられるエキシマレーザの集光系を示
す。
【0014】本図の(a)は、レーザー発振(発光)機
から出力されたレーザービームの本来の空間分布を示す
ものである。本図に示すように、ビームは走査方向やこ
れに直交する方向の中心部こそ高エネルギー密度である
が、少しはずれた部分や周辺部では低エネルギー密度で
ある。このためそのままでは、瞬時にシリコンを加熱し
て溶融するという面からも、エネルギー効率の面からも
空間分布は好ましいものでない。
【0015】そこで、本図の(b)に示すように、所定
の焦点の小さなシリンドリカルレンズ等が多数並んだ光
学系21、その他必要に応じてのスリット22等を通す
ことにより、本図の(c)に示すようなどこも同じかつ
シリコンを溶融させるのに充分な200mJ/cm2
度のエネルギー密度分布のビームにする。
【0016】そしてこのもとで、駆動回路や画素の配列
等パターンに沿って広い基板上に並んだシリコン膜を溶
融結晶化させるため、図3に示すようにレーザービーム
20が順に基板1上を走査していく。
【0017】ただし、この光学系そのものや走査機構は
周知技術であるため、その説明は省略する。
【0018】更に、これらの各作業は、各界面に空気中
の塵埃等が付着するのを防止するため、いわゆるクリー
ンルーム内で行われている。そしてクリーンルーム内の
微粒子を高効率で除去するため、いわゆるHEPA(H
igh Efficiency Particle A
bsorption)フィルタが用いられている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このH
EPAフィルタにはガラス繊維が用いられており、この
ガラス繊維はシリカ(SiO2 )だけでなく、ボロン
(硼素、B)、その他アルミニウムや砒素(As)等の
汚染物質としての不純物を含有している。また、このよ
うな薄膜トランジスタを製造するクリーンルームでは、
パターニングや仮基板の溶融除去等のためフッ酸等ガラ
スを侵す薬品が多く使われている。
【0020】従って、HEPAフィルタを使用すると、
どうしても空気中にボロン等の不純物が放出され、これ
が基板表面を汚染する。特に、非晶質シリコンの結晶化
前に汚染されると、アニール時にポリシリコン内にボロ
ンが取り込まれ、閾値電圧が変動(シフト)することが
報告されている(例えば、「1996 Interna
tional Workshop on Active
−Matrix Liquid−Crystal Di
splays, Digest of Technic
al Papers, p.p.25〜28」を参
照)。
【0021】といって、シリコン膜等の界面をクリーン
ルーム内の空気に触れないようにして製造するのは、現
在の技術レベルでは困難である。
【0022】また、界面が空気に触れる時間を厳密に制
御、調整して汚染量を極限し、少くも均一化を図ること
も極めて困難である。
【0023】また、界面の汚染物質と化学反応してこれ
を除去するような気体に晒すこと、何度も洗浄すること
等は設備費、工数等も増大する。
【0024】従って、どうしても閾値電圧の厳密な制御
に難が生じ、製品の均一性、再現性(閾値電圧やその変
動の一定性等)、歩留まり等が悪化する。
【0025】また、今後シリコンを200n(ナノ)m
以下、あるいは100nm以下と更に薄膜化しようとす
れば、表面の汚染物質の量が一定である以上不純物とし
ての濃度は増大するため、汚染による閾値電圧の変動量
はより大きくなりかねない。
【0026】そうでなくても、液品表示装置の性能を向
上させるためには、こうした変動要素を極力排除しなけ
ればならない。
【0027】以上は、非晶質シリコンの結晶化の場合で
あるが、ゲルマニウム(Ge)、Si−Ge、Si−G
e−C(炭素)半導体等の場合においても同様である。
【0028】更に、非晶質物質の結晶化に限らず、レー
ザービーム等のエネルギービームを照射し、この照射エ
ネルギーにより半導体中の不純物を活性化する場合にお
いても、表面に汚染物質が存在するのは好ましくない。
【0029】更に、膜表面に絶縁物等別の物質の膜を形
成したり、化学反応を生じさせたりする場合にも、膜表
面に汚染物質が存在するのは好ましくない。
【0030】本発明はかかる課題に鑑みなされたもので
あり、上述の汚染物、不純物、特にボロンの汚染の影響
を排除し、均一性、再現性、歩留まりに優れた半導体や
半導体装置を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明においては、適切なエネルギー密度のエキシ
マレーザー等のエネルギービームを照射して、薄膜表面
のみを瞬間的に加熱し、その表面に付着したボロン等の
不純物を瞬時に気化、蒸発等することにより、膜表面を
清浄化することとしている。具体的には、以下のごとく
している。
【0032】請求項1記載の発明においては、基板上の
非晶質シリコン等の膜(含む、基板としての膜)表面に
付着している(含む、ファンデルワールスカ等による結
合)汚染物質は蒸発、飛散等なされるが、膜そのものは
(事実上あるいは実用上)溶融、変質等しない波長とエ
ネルギー密度のエネルギービームを50m秒等所定時間
膜表面に照射する照射清浄化ステップを有していること
を特徴としている。
【0033】上記構成により、以下の作用がなされる。
【0034】照射清浄化ステップにて、膜(その広さは
不問、用途によるも表面に実用上問題のない、例えば
0.1μm程度の凹凸がある場合を含む)表面に付着し
ているB、Al、As等の汚染物質は融点が低い、放熱
が少ない等のため、蒸発、飛散等なされるが、膜そのも
のは融点が高い、背面への放熱等のため溶融、変質等し
ない波長とエネルギー密度(エネルギー強度。ただし、
波長は不問)のエネルギービームを、例えば清浄な室内
や照射用容器内におかれた膜表面に、該室内壁、天井に
設けられた石英製窓を透過するようにして(介して)照
射することにより、膜の表面が清浄化される。
【0035】請求項2記載の発明においては、前記照射
清浄化ステップに先立ち、清浄化に使用するエネルギー
ビームとしてエキシマレーザを選定するエネルギービー
ム選定ステップを有していることを特徴としている。
【0036】上記構成により以下の作用がなされる。
【0037】前記照射清浄化ステップに先立つエネルギ
ービーム選定ステップにて、エネルギービームとして非
晶質半導体の結晶化に広く採用されているエキシマレー
ザを選定する。このため、エキシマレーザーにより数十
n(ナノ)秒のパルスが30回等所定の照射がさなれ
る。
【0038】請求項3記載の発明においては、エネルギ
ービーム選定ステップの短波長レーザビーム選定ステッ
プにて、エキシマレーザとして、その波長が多くの汚染
物質に吸収され易い350nm以下のものを選定する。
【0039】上記構成により以下の作用がなされる。
【0040】短波長レーザビーム選定ステップにて、エ
キシマレーザとして、その波長が350nm以下のもの
(なお、パルス幅は数十〜数百n秒、周波数は30〜3
00Hz程度)を選定するため、特にpolyーSi
TFT製造時に問題となる微少な汚染物質にエネルギー
が吸収され易く、ひいては膜面に付着している小さな汚
染物質やその粒子の除去が効率よくなされる。
【0041】請求項4記載の発明においては、照射清浄
化ステップに先立って照射するエネルギー密度として5
0mJ/cm2 以上150mJ/cm2 以下の値を選定
するエネルギー密度選定ステップを有していることを特
徴としている。
【0042】上記構成により以下の作用がなされる。
【0043】照射清浄化ステップに先立つエネルギー密
度選定ステップにて、エネルギー密度として清浄化やエ
ネルギーの効率、清浄化の対象としての非晶質シリコン
膜等が溶融しないこと等の面から50mJ/cm2 以上
150mJ/cm2 以下の値を選定する。
【0044】請求項5記載の発明においては、膜の表面
浄化後の処理が膜形成物質の溶融、溶融再結晶化、化学
反応等のためにエネルギー密度の高いエネルギービーム
を照射する高エネルギービーム照射ステップであり、こ
の高エネルギービーム照射ステップと照射清浄化ステッ
プとを作業、エネルギー効率の面から同時、一体的、あ
るいは連続して行なうため、照射清浄化ステップに先立
ち、中心部が膜そのものを溶融、溶融再結晶化、化学反
応等させる高エネルギー密度、少くも走査方向の周辺部
は汚染物質は蒸発、飛散等なされるが、膜そのものは溶
融、変質等しないエネルギー密度であるエネルギー密度
分布を有するエネルギービームを形成する清浄化溶融連
続エネルギー密度分布形成ステップを有し、照射清浄化
ステップは、清浄化溶融エネルギー密度分布形成ステッ
プにて形成された基板に比較して照射面積の狭いエネル
ギービームを、半導体の配列方向等所定の走査方向に沿
って、レーザのエネルギー密度にもよるが1〜数十mm
/secで移動しつつ照射する(含む、基板が動いてい
く場合や双方とも動く場合。)走査照射ステップである
ことを特徴としている。
【0045】上記構成により以下の作用がなされる。
【0046】膜の表面浄化後の処理が膜形成物質の溶
融、溶融再結晶化、架橋や分子の切断、相の変化、膜形
成等の化学反応等のためにエネルギー密度の高いエネル
ギービームを照射する高エネルギービーム照射ステップ
であり、この高エネルギービーム照射ステップと照射清
浄化ステップとが同時、一体的な作業として行なわれ
る。
【0047】照射清浄化ステップに先立つ清浄化溶融連
続エネルギー密度分布形成ステップにて、照射用光学系
を工夫する等により、中心部が膜そのものを溶融、溶融
再結晶化、化学反応等させる高エネルギー密度であり、
少くも走査方向の周辺部は汚染物質は蒸発、飛散等なさ
れるが、膜そのものは昇温はされるものの溶融、変質等
しないエネルギー密度であるエネルギー密度分布を有す
るエネルギービームを形成する。
【0048】照射清浄化ステップは、走査照射ステップ
であり、清浄化溶融エネルギー密度分布形成ステップに
て形成された基板に比較して照射面積の狭いエネルギー
ビームを、例えば液晶表示装置用の基板上に縦横に配列
された半導体等をあらかじめ定められた走査方向に沿っ
て照射しつつ走査することにより、膜表面の清浄化、こ
れにすぐ続く膜物質の溶融、溶融再結晶化、化学反応等
が一度の作業でなされる。
【0049】請求項6記載の発明においては、清浄化溶
融連続エネルギー密度分布形成ステップは、ビームの少
くも走査方向の周辺部の、汚染物質は蒸発、飛散等なさ
れるが膜そのものは(実用上)溶融、変質等しないエネ
ルギー密度として50mJ/cm2 以上150mJ/c
2 以下の値を選定する(含む、先行して50mJ/c
2 以下のエネルギー密度でも照射を行なう場合)エネ
ルギー密度選定小ステップを有していることを特徴とし
ている。
【0050】上記構成により以下の作用がなされる。
【0051】清浄化溶融連続エネルギー密度分布形成ス
テップのエネルギー密度選定小ステップは、ビームの少
くも走査方向の周辺部の、汚染物質は蒸発、飛散等なさ
れるが膜そのものは溶融、変質等しないエネルギー密度
として50mJ/cm2 以上150mJ/cm2 以下の
値を選定する。
【0052】請求項7記載の発明においては、照射清浄
化ステップに先立ち、照射対象の膜として、半導体薄膜
を選定する半導体薄膜選定ステップを有していることを
特徴としている。
【0053】上記構成により以下の作用がなされる。
【0054】照射清浄化ステップに先立つ半導体薄膜選
定ステップにて、照射対象の膜として、多くの場合微細
な結晶からなったりアモルファス状の半導体の250n
m以下、多くの場合150nm以下、更には50〜20
nmの薄膜を選定する。
【0055】請求項8記載の発明においては、半導体薄
膜選定ステップに先立ち、照射対象の半導体薄膜とし
て、基板上に形成されたSi、Ge、Si−Ge、Si
−Ge−C、GaAs、InPの膜の少くも一を選定す
る(1つの基板にSiやGe等複数の種類の膜がある場
合を含む)照射対象特定ステップを有していることを特
徴としている。
【0056】上記構成により以下の作用がなされる。
【0057】半導体薄膜選定ステップに先立つ照射対象
特定ステップにて、照射対象の半導体薄膜として、無ア
ルカリガラス等の基板上に形成されたSi、Ge、Si
−Ge、Si−Ge−C、GaAs、InPの膜の少く
も一を選定する。
【0058】請求項9記載の発明においては、照射清浄
化ステップ(含む、清浄化溶融連続エネルギー分布形成
ステップ後の照射清浄化ステップ)終了後、清浄化され
た膜の膜形成物質のアニール等の後に続く処理に際して
の待ち時間や後に続く処理のための装置への搬入等に際
して、膜表面を再度の汚染防止のため清浄な窒素、アル
ゴン等の膜形成物質に対して不活性かつ清浄な雰囲気若
しくは真空中に保持する清浄雰囲気中保持ステップを有
していることを特徴としている。
【0059】上記構成により以下の作用がなされる。
【0060】照射清浄化ステップ終了後、清浄雰囲気中
保持ステップにて清浄化された膜の膜形成物質のアニー
ル等の後に続く処理に際しての待ち時間や後に続く処理
のための装置への搬入等に際して、膜表面を清浄な窒
素、アルゴン等の膜形成物質に対して不活性な雰囲気若
しくは真空中に保持する。そしてこの状態で、基板は次
の処理の装置に据え付けられたり、次の処理の装置のあ
る部屋へ搬送されたりする。
【0061】請求項10記載の発明においては、照射対
象膜を順次走査しつつ照射して、照射エネルギーにより
順次溶融、溶融再結晶、化学反応等させるレーザー照射
装置であって、レーザービームは、少くも走査方向端側
は照射対象膜を溶融、変質させないがその表面に付着し
ている汚染物質を蒸発、飛散等させるエネルギー密度で
あり、少くも中心部は照射対象膜を溶融、溶融再結晶、
化学反応等本来の処理対象の作用をなさせるエネルギー
密度分布である空間分布、被清浄化膜からみれば初期は
清浄化用の低エネルギー密度であり、少くも中心部は
(周辺部や後端部は不問)溶融等用の高エネルギー密度
の時間分布であるようにする清浄化溶融連続エネルギー
分布形成手段を有していることを特徴としている。
【0062】上記構成により、照射対象膜を順次走査し
つつ照射して、照射エネルギーにより順次溶融、溶融再
結晶、化学反応等させるレーザー照射装置において、以
下の作用がなされる。
【0063】清浄化溶融連続エネルギー分布形成手段
は、例えば各種焦点距離の小さなレンズを多数所定の配
列に並べた光学系等であり、この作用のもとでレーザー
ビームは、ビームの少くも走査方向端側は照射対象膜を
溶融、変質させないがその表面に付着している汚染物質
を蒸発、飛散等させるエネルギー密度であり、少くも中
心部は照射対象膜を溶融、溶融再結晶、化学反応等本来
の処理対象の作用をなさせるエネルギー密度分布である
空間分布であるようにされる。
【0064】請求項11記載の発明においては、請求項
10記載のレーザー照射装置と、該装置により表面を清
浄化後溶融、溶融再結晶、化学反応等された膜若しくは
この膜を有する基板の次の処理のための装置間に存在す
る時間調整のための保持、次の装置への搬送等の装置で
あって、請求項10記載のレーザー照射装置により処理
された膜物質(含む、膜物質の形成された基板等)を、
これと化学的に不活性かつ清浄な雰囲気若しくは真空に
保持しておくことにより、汚染された作業室内空気に晒
されるのを防止することを特徴としている。
【0065】上記構成により、請求項10記載のレーザ
ー照射装置と、該装置により表面を清浄化後溶融、溶融
再結晶、化学反応等された膜若しくはこの膜を有する基
板の次の処理のための装置間に存在する保持、搬送装置
において、以下の作用がなされる。
【0066】密閉容器、真空通路等からなる清浄保持手
段は、請求項10記載のレーザー照射装置により処理さ
れた膜物質を、次の処理までの間これと化学的に不活性
かつ清浄な雰囲気若しくは真空に保持しておくことによ
り、汚染された作業室内空気に晒されるのを防止する。
【0067】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態に
基づいて説明する。
【0068】(第1の実施の形態)図4に、本発明に係
る薄膜の表面清浄化方法の第1の実施の形態の要部の工
程を示す。
【0069】以下、本図をもとに、この製造方法の内容
説明する。
【0070】(a)ガラス基板中の不純物の拡散を防ぐ
ためのバッファー層2としてSiO 2 膜を上表面に被着
した基板1(コ−ニング社製#1737ガラス)上面
に、例えばシラン(SiH4 )を原料ガスとして用いた
プラズマCVD法により、膜厚30〜150nmの非晶
質シリコン層3を形成する。なお、15は汚染物質とし
てのボロンである。
【0071】(b)上面より非晶質シリコン層へ、所定
の濃度のエネルギービームとして、例えばXeClエキ
シマレーザ20を照射する。
【0072】この際のエネルギー密度は、非晶質シリコ
ンの膜質や膜厚によっても多少変化するが、a−Siが
溶融しない範囲の50〜150mJ/cm2 で行う。
【0073】ところでこの際のエネルギービームの密度
分布であるが、図5の(a)に示すように、所定の光学
系24を通すことにより図5の(b)に示すような山形
の空間分布を有するようにしている。
【0074】なお、この光学系であるが、レーザービー
ムの周辺のエネルギー密度の弱い部分をエネルギー効率
の面から中心部側へ集光し、中心のエネルギー密度の高
い部分を周辺の弱い部分へ拡げるだけでなく、走査時間
を短くするためビーム巾(断面積)をできるだけ大きく
(広く)するものである。なおまた、汚染物質によって
はレーザの駆動電圧等発信源のエネルギー強度を変化さ
せたり、アッテネータを使用したりしてエネルギー密度
を制御することが可能なようになっているのは勿論であ
るが、制御方法の具体的な内容は周知技術であるため、
その説明は省略する。
【0075】また本実施の形態では、基板全面の照射の
ための走査は、複雑なレーザー照射装置は固定し、基板
の方を移動させるようにしている。
【0076】ところで、清浄化のためのレーザービーム
の照射は、図3に概念的に示すように、基板上の全ての
半導体膜を照射する必要があるが、ビーム20は200
mm×0.35mm程度と小さく狭い一方で、基板は広
くかつ半導体は液晶表示装置の画素やその駆動回路の配
列に従って並んで配列されているため、半導体によって
は50回も照射されたものもある。
【0077】照射の結果であるが、当初、表面に付着し
ていたボロンは1012/cm2 のオーダーあったが、照
射によって1011/cm2 のオーダーと1桁減少するこ
とがSIMS(Secondary Ion Mass
Spectroscopy=二次イオン質量分析) で
確認できた。
【0078】但し、SIMSによる分析を行ったサンプ
ルは、照射後空気中に取り出せばボロンに再汚染される
ため、エキシマレーザーアニールチャンバの横に付属し
たプラズマCVD室へ真空中で搬送し、表面に非晶質シ
リコンを堆積した後(図示はしない)にSIMS分析を
行った。
【0079】次に、この清浄化の原理機構について簡単
に説明する。
【0080】基板上のシリコン膜は、シリコンの融点が
1420°Cと高い上、非晶質といえどもミクロ的に見
ると各シリコン原子は周囲のシリコン原子と固く結合し
ているため、周囲への大きな伝熱もある。従って膜厚や
基板材質等の条件にもよるが、大よそ160mJ/cm
2 以下のエネルギー密度では溶融しない。
【0081】更に、シリコン膜として存在しているため
複雑な形状で照射される場合と異なり、部分的な加熱に
よる溶融等の不具合も生じない。
【0082】一方、シリコン膜表面の汚染物質のボロン
はそれ自身の融点は約2200°Cと高いものの、ガラ
スから離脱して空気中をただよってシリコン表面に到達
するまでに酸素や水素と化合して融点や沸点の低い化合
物となっていること、たとえボロン単体の粒子であって
も単にシリコン膜表面に存在するだけであるため、照射
エネルギーを受けた際、周囲の物質への伝熱による放熱
が少ないあるいはないため、シリコン膜厚に無関係に5
0mJ/cm2 程度のエネルギー密度で充分に高温に昇
温され、飛び散るものと思われる。
【0083】そして、これらの膜の清浄化がなされるの
は、清浄化の対象の膜がゲルマニウム(融点945°
C)等他の半導体、汚染物質がアルミニウム(融点66
0°C)、As(昇華点615°C)等他の物質の場合
も同様である。
【0084】次に、照射するエネルギービームが紫外線
域の短波長であると、赤外線と異なり回析等が生じ難
く、小さな汚染物質粒子や分(原子)子に吸収され易
く、またX線と異なり透過もないため、清浄化のエネル
ギー効率もよい。
【0085】最後に、照射時の雰囲気について説明す
る。
【0086】汚染物質の溶融、蒸発という面からは、真
空が好ましい。
【0087】この一方で、レーザー照射で加熱された周
囲の雰囲気ガスによる汚染物質粒子や蒸気等の吹き飛ば
しや再度の付着防止という面からは2Torr程度の水
素ガス等が存在するのが好ましい。
【0088】結局、汚染物質の種類や存在する状態、あ
るいは清浄化と同時若しくは前後の処理との関係で適切
な方を選択すればよい。ただし、この内容そのものはケ
ースバイケースで簡単に実験や思考によりもとめられる
ものであるため、その内容の説明は省略する。
【0089】(第2の実施の形態)図6に、本発明に係
る半導体装置の第2の実施の形態の製造方法の要部の工
程を示す。
【0090】以下、本図をもとにこの製造方法の内容を
順を追って説明する。
【0091】(a)単結晶シリコン製の基板1を、加熱
した硫酸と過酸化水素水及びアンモニアと過酸化水素水
中でRCA洗浄し、表面のレーザー照射では除去され難
い有機物、金属等の汚染物を除去する。
【0092】(b)通常であれば、その後所定のトラン
ジスター形成のためのLOCOS酸化を行うために薄い
シリコン窒化膜を形成するのであるが、このシリコン窒
化膜形成直前に、シリコン製の基板表面にXeClエキ
シマレーザー20をシリコンが溶融しない範囲のエネル
ギー密度、すなわち50〜150mJ/cm2 で照射す
る。照射回数は、物質の種類と汚染の程度にもよるが、
原則1回である。ただし、前述の理由により、多ければ
50回となる。そして、これにより表面に付着した硼素
等などの汚染物質を除去する。
【0093】(c)その後、直ちにシリコン製の基板の
表面にシリコン窒化膜16を形成する。
【0094】なおこの際、エキシマレーザー照射後、直
ちにシリコン窒化膜を形成することが重要である。しか
し、実際の多量生産においては、シリコン窒化膜形成を
すぐ行ったり、形成までの待ち時間を一定かつ短くする
ことはなかなか困難である。そこで、エキシマレーザー
照射後直ちに汚染物質のない窒素雰囲気の室内や容器中
で保持したり、エキシマレーザー照射装置とシリコン窒
化膜形成装置の間を窒素で充たした通路で結んだり、エ
キシマレーザー照射装置とシリコン窒化膜形成装置間に
真空の搬送室を設けたりして、ボロンで汚染された空気
にふれないようにするのがよい。
【0095】(d)その後の基板上に各種のトランジス
ターを形成するべくなされるウェル分離のためのLOC
OS工程以降は、通常の製造方法に従ってMOSトラン
ジスタを製造する。
【0096】このエキシマレーザー照射により、界面の
ボロンが極少となって閾値電圧の変動が少なく、均一
性、再現性(閾値電圧の安定性)、性能、歩留まりに優
れたMOSトランジスタが形成できた。
【0097】(第3の実施の形態)図7に、本発明に係
る半導体装置の製造方法の第3の実施の形態の要部の工
程を示す。
【0098】以下、本図をもとにこの製造方法の内容を
順を追って説明する。
【0099】(a)ガラス製基板1中の不純物の拡散を
防ぐためのバッファー層2としてSiO2 膜を被着した
基板(コ−ニング社製#1737ガラス)上に、例えば
シラン(SiH4 )を原料ガスとして用いたプラズマC
VD法により、膜厚30〜150nmの非晶質シリコン
層3を形成する。
【0100】(b)所定の密度のエネルギービームとし
て、例えばXeClエキシマレーザー20を照射するこ
とにより表面のボロン等の汚染物質15を除去して清浄
化する。なお、この際の照射条件は、非晶質シリコンの
膜厚や膜質などの条件にもよるが、エネルギー密度が5
0〜150mJ/cm2 、照射回数は原則1回、ただし
前述の理由により、最大500回の範囲で行う。この状
態で、表面のボロン等の汚染物質が除去されて、表面は
清浄となる。
【0101】(c)引き続き、もう一度、エネルギービ
ームとして例えば、XeClエキシマレーザを照射する
ことにより非晶質シリコンを結晶化してポリシリコン4
を得る。この際の照射条件は、非晶質シリコンの膜厚や
膜質などの条件にもよるが、エネルギー密度は160〜
450mJ/cm2 、照射回数は1〜500回である。
【0102】(d)このポリシリコンを通常のフォトリ
ソ・エッチングで島状にパターニングする。そして、例
えば、TEOS{Tetra ethyl ortho
silicate:(C2 5 O)4 Si}を原料ガ
スとして用いたプラズマCVD法でゲート絶縁層5とな
るSiO2 を100nmの厚みで全面に堆積した。その
後、例えばAlを用いてゲート電極6を形成する。
【0103】そして、水素希釈ホスフィン(PH3 )の
プラズマを生成し、質量分離を行わず、加速電圧70k
V、総ドーズ量1×1015cm2 の条件で不純物のイオ
ン30をドーピングして、ソース領域7とドレイン領域
8を形成する。
【0104】なお、注入された半導体の機能発揮のため
の不純物としての燐のその後の活性化については、同時
に注入された水素による自己活性化によるものとし、ア
ニールのような工程をしないことも可能である。ただ
し、より確実な活性化を図るためには、400℃上での
アニールやエキシマレーザー照射やRTA(Rapid
Thermal Anneal)による局所的な加熱を
行うのがよいであろう。
【0105】(e)TEOS{Tetra ethyl
ortho silicate:(C2 5 O)4
i}を原料ガスとして用いたプラズマCVD法でSiO
2 を層間絶縁層14として全面に堆積し、次にコンタク
ト・ホ−ル9を形成し、ソース電極10及びドレイン電
極11として、例えばアルミニウム(Al)をスパッタ
法で堆積し、その後フォトリソグラフィー・エッチング
でパターン化することにより、ポリシリコン TFTを
完成させる。
【0106】なお、結晶化以降においては、水素プラズ
マに晒したり水素アニールを行うことによりポリシリコ
ンの粒界や粒内のトラップ準位を補償して結晶性をあげ
てもよい、あるいはそのようにする方が望ましい。
【0107】(第4の実施の形態)本実施の形態は、基
板上に形成された非晶質シリコン膜の清浄化と溶融結晶
化とを一回のレーザービーム照射で行なうものである。
【0108】図8に、本発明に係る半導体装置の第4の
実施の形態の製造方法の要部の工程を示す。
【0109】以下、本図をもとにこの製造方法の内容を
順を追って説明する。
【0110】(a)ガラス基板中の不純物の拡散を防ぐ
ためのバッファー層2としてSiO 2 膜を被着した基板
1(コ−ニング社製#1737ガラス)上面に、例えば
シラン(SiH4 )を原料ガスとして用いたプラズマC
VD法により、膜厚30〜150nmの非晶質シリコン
層3を形成する。
【0111】(b)エネルギービームとして、図9に示
すような形状の空間強度分布を持ったXeClエキシマ
レーザを照射することにより表面の清浄化と結晶化を一
度の照射で行う。
【0112】図9は、レーザービームの走査方向断面に
おけるエネルギー密度を示したものである。
【0113】本図に示すように、走査方向及びこれに直
交する方向のエネルギー密度分布は等斜辺、上が短く下
が長い台形上である。そして、この台形の底辺は0mJ
/cm2 、上辺は450mJ/cm2 である。
【0114】このような形状の空間強度分布としたの
は、図3に示すように、基板上をレーザービームが所定
の速度で移動しつつ基板上にパターンに沿って配列され
たシリコン膜を順に照射していく場合、各シリコン膜は
必ず最初のエネルギーの弱い部分に照射され、これによ
りその非晶質シリコンは溶融せずこの一方でその表面の
汚染物質が飛ぶことによって清浄化されるからである。
【0115】更に、この清浄化直後にエネルギー密度の
高い部分で照射されることとなり、これによりシリコン
膜は溶融し、ビームが移動後結晶化されることとなる。
しかもこの際、清浄化のためのレーザービーム照射でシ
リコン膜は昇温されているため、溶融のためのレーザー
ビームの強度はその分弱くてよく、ひいてはエネルギー
効率もよくなる。あるいはビーム面積を拡げることがで
き、工数削減となる。
【0116】ここのところを、図10を参照しつつ少し
詳しく説明する。
【0117】エキシマレーザの時間的なパルス幅は、大
凡数十〜数百n・secである。そして、このパルスが
例えば30回繰り返されれば、全体の照射時間は(数十
〜数百m・sec)×30=1〜10m・secとな
る。
【0118】さて、一回の照射(スキャン)で清浄化と
結晶化をする場合、図9に示す台形状のレーザビーム
(パルス)を照射すると、A地点では最初の一発目のパ
ルスは50mJ/cm2 以下で照射されるので清浄化さ
れない。二発目のパルスは50〜160mJ/cm2
あるため清浄化され、昇温するが、溶融はしない。そし
て、三発目のパルスは160mJ/cm2 以上であるた
め、溶融、再結晶化がなされることとなる。
【0119】(c)この後は、先の第3の実施の形態と
同様の方法でTFTを作製した。
【0120】尚、本実施の形態では図9に示す形状のエ
キシマレーザービームを用いたが、他のエネルギー空間
分布を使用しても構わない。
【0121】また、結晶化以降において、水素プラズマ
に晒したり水素アニールを行うことにより、多結晶シリ
コンの粒界や粒内のトラップ準位を補償して結晶性をあ
げる工程を付加することが望ましい。
【0122】なお、この閾値電圧の変動の改善の具体的
内容であるが、トランジスターの用途、製造条件、使用
期間や使用温度等他の要因もあるが、従来技術のものが
2〜10V程度とした場合、その1/4程度(0.5V
以下)となった。
【0123】以下、本発明を幾つかの実施の形態に基づ
いて説明してきたが、本発明は何もそれらに限定されな
いのは勿論である。すなわち、例えば以下のようにして
もよい。
【0124】1)第1の実施の形態等では基板としてガ
ラス基板を用いたが、石英基板、サファイア基板、単結
晶シリコン基板、他種のガラス基板等を用いている。
【0125】2)同じく、薄膜としてa−Siを用いた
が、poly−Si、単結晶Si、GaAs、InP、
Si−Ge、Si−Ge−C等の化合物半導体としてい
る。
【0126】レーザーアニールの内容であるが、アモル
ファスシリコンや0.1μm以下の微細な結晶からなる
シリコンの1μm以上の結晶からなるシリコンや単一の
シリコン結晶とすること、数度の照射による結晶の巨大
化等としている。
【0127】3)同じく、絶縁体としてSi3 4 等を
用いる。
【0128】4)同じく、エネルギービームとしてXe
Clエキシマレーザーを用いたが、より波長の短いKr
F(約248nm)、その他ArF等の他のエキシマレ
ーザーや、YAGレーザー、Arレーザー、電子ビーム
等を利用している。
【0129】5)第2の実施の形態では、MOSトラン
ジスタ製造工程のLOCOS酸化用の窒化シリコン膜形
成工程前に清浄化を行ったが、他の工程時に行ってい
る。
【0130】あるいは、ガラス基板への非晶質シリコン
層堆積前にレーザービームによる照射、清浄化を図って
いる。
【0131】6)同じく、MOSトランジスタ以外の構
造のトランジスタやダイオード等様々な半導体素子に用
いている。
【0132】7)第1の実施の形態等では、プラズマC
VD法によるa−Siを用いたが、プラズマCVD以外
の減圧CVD法やスパッタ法等で形成している。
【0133】8)第3の実施の形態では層間絶縁層とし
てTEOSを用いたプラズマCVD法によるSiO2
用いたが、他の方法例えばAP−CVD(Atmosp
heric Pressure CVD)法によるSi
2 やLTO(Low Temperature Ox
ide)、プラズマ室と導波音を使用してのECR−C
VDによるSiO2 等としている。
【0134】また、材料として窒化シリコンや酸化タン
タル、酸化アルミニウム等も用いたり、これらの薄膜の
積層構造をとっている。
【0135】9)第3の実施の形態では、ゲート電極
や、ソース電極及びドレイン電極材料としてAlを用い
たがタンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、クロム
(Cr)、チタン(Ti)等の金属またはそれらの合金
でも良いし、不純物を多量に含むpoly−Siやpo
ly−SiGe合金やITO等の透明導電層等としてい
る。
【0136】10)同じく、不純物としてリンを用いた
が、アクセプタとなる硼素や砒素等、ドナーとしてリン
以外のアルミニウム等を選択的に用いることによりPチ
ャンネル及びNチャンネルトランジスタを選択的に作成
してCMOS回路を基板上につくり込むようにしてい
る。
【0137】11)必要に応じて、レーザービームの形
状の修正にスリットを使用している。
【0138】12)照射による処理、作業の内容や照射
対応物に応じてレーザーの発信源、駆動源を制御して、
レーザービームの強度の制御等を行なっている。
【0139】13)レーザービームの走査に、全反射鏡
を使用し、その角度を変更すること等を採用している。
【0140】14)レーザービームのエネルギー密度の
空間分布を形成する光学系のレンズは、その上面が面一
でなく、外周部は中心へ向かって傾斜している等してい
る。あるいは、全体の形状、その他各レンズの焦点距離
や種類の組み合せ等にも工夫を凝らしている。
【0141】15)レーザービームのエネルギー密度の
空間分布であるが、被照物の形状等の条件によっては、
分布は走査方向のみが傾斜した直角台形等他の形状とし
ている。
【0142】16)レーザービームの形状は円形として
いる。
【0143】17)半導体薄膜以外の物の表面の清浄化
に使用している。
【0144】
【発明の効果】以上の説明でわかるように、本発明によ
れば、溶融、溶融結晶化、化学反応等による膜表面上へ
の別の膜の形成等に先立って清浄な表面を持った薄膜が
得られる。
【0145】また、半導体、トランジスターを形成する
ガラス基板等の清浄化もなしうる。
【0146】また、シリコン等の半導体薄膜の溶融、再
結晶化に際して表面の汚染物質を特別な装置等用いずに
除去しうる。
【0147】また、液晶表示装置用の半導体基板上に形
成されたアモルファスシリコン等のレーザー照射による
溶融、結晶化に際して、アモルファスシリコン等の膜の
表面の清浄化と溶融結晶化とを一の工程(処理)で済ま
すことができる。
【0148】また、単なる汚染物質でなく、半導体の機
能発揮に大きく関係する不純物の濃度が低下したり、一
定化するため、均一性、再現性、歩留まりの高い薄膜ト
ランジスタを製造できる。
【0149】また、同じく均一性、再現性、歩留まりの
高い半導体装置を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術における多結晶シリコン薄膜トラン
ジスタのレーザー照射を中心とした製造工程の概略を示
す図である。
【図2】 従来技術におけるレーザービームのエネルギ
ー密度の空間(場所)分布とかかる分布を得るための光
学系の概略を示す図である。
【図3】 広い液晶表示盤用のガラス基板等にパターン
に沿って形成された非晶質の半導体薄膜を、レーザービ
ームを照射して溶融結晶化させるため、比較的狭いレー
ザービームを順に照射する際の走査の一例を示す図であ
る。
【図4】 本発明に係る半導体薄膜の浄化方法の第1の
実施の形態の工程の概略を示した図である。
【図5】 上記第1の実施の形態におけるレーザービー
ムのエネルギー密度の空間分布とその空間分布を作るた
めの光学系の概略を示した図である。
【図6】 本発明に係る半導体薄膜の浄化、その後の素
子としてのトランジスタの製造方法の第2の実施の形態
の主要工程の概略を示した図である。
【図7】 本発明に係る半導体薄膜の浄化、その後の素
子としてのトランジスタの製造方法の第3の実施の形態
の主要工程の概略を示した図である。
【図8】 本発明に係る半導体薄膜の浄化、その後の素
子としてのトランジスタの製造方法の第4の実施の形態
の主要工程の概略を示した図である。
【図9】 上記実施の形態におけるレーザビームのエネ
ルギーの空間(平面)分布を示した図である。
【図10】 上記実施の形態におけるレーザビームの走
査しつつの照射に伴う照射パルスと半導体薄膜の清浄
化、溶融、再結晶化のタイミングを示す図である。
【符号の説明】
1 ガラス等の基板 2 バッファー層 3 非晶質シリコン 4 ポリシリコン 5 ゲート絶縁層 6 ゲート電極 7 ソース領域 8 ドレイン領域 9 コンタクトホール 10 ソース電極 11 ドレイン電極 15 ボロンなどの汚染物質 16 シリコン窒化膜 20 エキシマレーザー(ビーム) 21 従来技術の光学系 22 スリット 24 本発明の光学系 30 リンイオン 60 モリブデン膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B23K 101:40 Fターム(参考) 4E068 AC01 CD06 CE02 CE11 CK01 DA09 5F052 AA02 BA02 BA04 BB07 DA02 DA03 DA04 DA05 DB02 DB03 DB07 FA00 JA04 JA10 5F110 AA08 AA19 AA30 BB04 BB07 BB09 CC02 DD02 DD03 DD04 DD05 DD13 DD14 DD25 EE03 EE04 EE06 EE07 EE09 EE44 FF02 FF30 GG01 GG02 GG03 GG04 GG12 GG13 GG16 GG24 GG25 GG43 GG45 GG47 HJ01 HJ04 HJ18 HJ23 HL03 HL04 HL06 HL07 HL08 NN03 NN22 NN23 NN24 NN35 NN62 NN66 PP02 PP03 PP05 PP06 PP10 QQ11 QQ25

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜表面に付着している汚染物質は蒸発、
    飛散等なされるが、膜そのものは溶融、変質等しない波
    長とエネルギー密度のエネルギービームを膜表面に照射
    する照射清浄化ステップを有していることを特徴とする
    膜の表面浄化方法。
  2. 【請求項2】 前記照射清浄化ステップに先立ち、 エネルギービームとしてエキシマレーザを選定するエネ
    ルギービーム選定ステップを有していることを特徴とす
    る請求項1記載の膜の表面浄化方法。
  3. 【請求項3】 前記エネルギービーム選定ステップは、 エキシマレーザとして、その波長が350nm以下のも
    のを選定する短波長レーザビーム選定ステップであるこ
    とを特徴とする請求項2記載の膜の表面浄化方法。
  4. 【請求項4】 前記照射清浄化ステップに先立ち、 エネルギー密度として50mJ/cm2 以上150mJ
    /cm2 以下の値を選定するエネルギー密度選定ステッ
    プを有していることを特徴とする請求項1、請求項2若
    しくは請求項3記載の膜の表面浄化方法。
  5. 【請求項5】 上記膜の表面浄化後の処理が膜形成物質
    の溶融、溶融再結晶化、化学反応等のためにエネルギー
    密度の高いエネルギービームを照射する高エネルギービ
    ーム照射ステップであり、この高エネルギービーム照射
    ステップと前記照射清浄化ステップとを同時、一体的に
    行なうため、前記照射清浄化ステップに先立ち、 中心部が膜そのものを溶融、溶融再結晶化、化学反応等
    させる高エネルギー密度、少くも走査方向の周辺部は汚
    染物質は蒸発、飛散等なされるが、膜そのものは溶融、
    変質等しないエネルギー密度であるエネルギー密度分布
    を有するエネルギービームを形成する清浄化溶融連続エ
    ネルギー密度分布形成ステップを有し、 前記照射清浄化ステップは、 前記清浄化溶融エネルギー密度分布形成ステップにて形
    成されたエネルギービー3を、走査方向に沿って照射す
    る走査照射ステップであることを特徴とする請求項1、
    請求項2若しくは請求項3記載の膜の表面浄化方法。
  6. 【請求項6】 前記清浄化溶融連続エネルギー密度分布
    形成ステップは、 ビームの少くも走査方向の周辺部の、汚染物質は蒸発、
    飛散等なされるが膜そのものは溶融、変質等しないエネ
    ルギー密度として50mJ/cm2 以上150mJ/c
    2 以下の値を選定するエネルギー密度選定小ステップ
    を有していることを特徴とする請求項5記載の膜の表面
    浄化方法。
  7. 【請求項7】 前記照射清浄化ステップに先立ち、 照射対象の膜として、半導体薄膜を選定する半導体薄膜
    選定ステップを有していることを特徴とする請求項1、
    請求項2、請求項3、請求項4、請求項5若しくは請求
    項6記載の膜の表面浄化方法。
  8. 【請求項8】 前記半導体薄膜選定ステップは、 照射対象の半導体薄膜として、基板上に形成されたS
    i、Ge、Si−Ge、Si−Ge−C、GaAs、I
    nPの膜の少くも一を選定する照射対象特定ステップを
    有していることを特徴とする請求項1、請求項2、請求
    項3、請求項4、請求項5、請求項6若しくは請求項7
    記載の膜の表面浄化方法。
  9. 【請求項9】 前記照射清浄化ステップ終了後、 清浄化された膜の膜形成物質のアニール等後に続く処理
    に際しての待ち時間や後に続く処理のための装置への搬
    入等に際して、膜表面を清浄な窒素、アルゴン等の膜形
    成物質に対して不活性な雰囲気若しくは真空中に保持す
    る清浄雰囲気中保持ステップを有していることを特徴と
    する請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項
    5、請求項6、請求項7若しくは請求項8記載の膜の表
    面浄化方法。
  10. 【請求項10】 照射対象膜を順次走査しつつ照射し
    て、照射エネルギーにより順次溶融、溶融再結晶、化学
    反応等させるレーザー照射装置であって、 レーザービームは、少くも走査方向端側は照射対象膜を
    溶融、変質させないがその表面に付着している汚染物質
    を蒸発、飛散等させるエネルギー密度であり、中心部は
    照射対象膜を溶融、溶融再結晶、化学反応等本来の処理
    対象の作用をなさせるエネルギー密度分布であるように
    する清浄化溶融連続エネルギー分布形成手段を有してい
    ることを特徴とするレーザー照射装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のレーザー照射装置と
    該装置により、表面を清浄化後溶融、溶融再結晶、化学
    反応等された膜若しくはこの膜を有する基板の次の処理
    のための装置間に存在する保持、搬送装置であって、 請求項10記載のレーザー照射装置により処理された膜
    物質を、これと化学的に不活性かつ清浄な雰囲気若しく
    は真空に保持しておくことにより、汚染された作業室内
    空気にて再汚染されるのを防止することを特徴とする清
    浄保持手段。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010099716A (ja) * 2008-10-24 2010-05-06 Disco Abrasive Syst Ltd チャックテーブルの付着物除去方法およびレーザー加工装置
JP2013096971A (ja) * 2011-11-07 2013-05-20 Toppan Printing Co Ltd 検査方法および検査装置
JP2015217427A (ja) * 2014-05-21 2015-12-07 日産自動車株式会社 レーザクリーニング方法
CN111386172A (zh) * 2017-11-27 2020-07-07 日东电工株式会社 塑料膜的激光加工方法和塑料膜

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