JP2003047923A - レーザクリーニング装置および方法 - Google Patents

レーザクリーニング装置および方法

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JP2003047923A
JP2003047923A JP2001241235A JP2001241235A JP2003047923A JP 2003047923 A JP2003047923 A JP 2003047923A JP 2001241235 A JP2001241235 A JP 2001241235A JP 2001241235 A JP2001241235 A JP 2001241235A JP 2003047923 A JP2003047923 A JP 2003047923A
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laser light
irradiation
laser
fine particles
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JP2001241235A
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Kenichi Muramatsu
憲一 村松
Kenji Fukumitsu
憲志 福満
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Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対象物表面に熱損傷を及ぼすことなく安定し
たクリーニングを行うことができるレーザクリーニング
装置および方法を提供する。 【解決手段】 超音波振動子21により形成した微小液
滴を対象物5表面に噴霧して液膜50を形成し、第1の
パルスレーザー光源31から液膜50を加熱するパルス
レーザ光を照射し、これと同時あるいは相前後して第2
のパルスレーザ光源32から対象物5表面に付着してい
る微粒子を加熱するパルスレーザ光を照射することで、
微粒子を熱膨張によって対象物5から分離するととも
に、液膜50の蒸発によって対象物5表面から除去して
吸引装置4により外部へ排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対象物の表面、例
えば、ハードディスク、液晶、シリコンウエハ等の表面
に付着した汚れ等の微粒子をレーザ照射によって除去す
るレーザクリーニング装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】固体表面に付着したミクロンまたはサブ
ミクロンオーダーの微粒子を除去する方法としてレーザ
クリーニング方法が知られている。Andrew C. Tamらの"
Laser-cleaning techniques for removal of surface p
articulates" J. Appl. Phys.71(7), 1 April 1992, pp
3515-3523はこうしたレーザクリーニング方法の一例を
開示したものである。
【0003】図7は、このクリーニング方法で用いられ
る装置を示す概略構成図である。クリーニング対象物
(Siウエハ)500は、移動ステージ600上に固定
されている。そして、純水−アルコール混合液を保持し
ている密封容器201とその密封容器内に突出する突起
部を有するステンレス蓋203とステンレス蓋202を
加熱するヒータ202と、密封容器201にガスを導入
する電磁弁204とを備えるスチーム発生器200から
延びるノズル205が対象物500に向けられており、
また、対象物500には、KrFエキシマレーザ(波長
248nm)を照射するレーザ光源300が光学系30
1を介して向けられている。また、レーザ光源300と
電磁弁204はコントローラ100により制御されてい
る。
【0004】この装置を用いたクリーニング方法では、
対象物500の表面にスチーム発生器200で生成した
加熱スチームを噴射して液膜(厚さ数μm)を形成し、
液膜形成から0.5秒以内にレーザ光源300からパル
スレーザを16n秒(エネルギー0.4J)照射するこ
とにより、液体薄膜を爆発的に気化させて対象物表面に
付着したゴミを剥離除去すると記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この技
術では、対象物表面で液体薄膜を爆発的に気化させるた
めに対象物の表面が局所的に過熱されて損傷を受けるお
それがある。例えば、同文献には、液膜を臨界温度37
5℃以上に加熱し、対象物表面を瞬間的に400℃以上
に加熱すると記載されている。また、加熱スチームの噴
射では形成される液膜にムラが生じてクリーニングむら
が発生するおそれがある。
【0006】そこで、本発明は対象物表面に熱損傷を及
ぼすことなく安定したクリーニングを行うことができる
レーザクリーニング装置および方法を提供することを課
題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係るレーザクリーニング装置は、(1)対象
物表面に液膜を形成する液膜形成装置と、(2)液膜を加
熱する第1のパルスレーザ光を照射する第1のパルスレ
ーザ光源と、(3)微粒子を加熱する第2のパルスレーザ
光を照射する第2のパルスレーザ光源と、(4)第2のパ
ルスレーザ光を第1のパルスレーザ光照射中またはそれ
と相前後して照射する制御装置と、を備えていることを
特徴とする。
【0008】一方、本発明に係るレーザクリーニング方
法は、(1)対象物表面に液膜を形成する工程と、(2)形成
されている液膜に第1のパルスレーザ光を照射して液膜
を加熱する工程と、(3)第1のパルスレーザ光照射中ま
たはこれと相前後して第2のパルスレーザ光を照射して
微粒子を加熱する工程と、を備えていることを特徴とす
る。
【0009】本発明によれば、対象物表面に付着してい
る微粒子を覆って液膜が形成される。そして、第1のパ
ルスレーザ光照射により液膜は加熱され、沸騰・蒸発が
行われる。この際、あるいはこれと相前後して第2のパ
ルスレーザ光を照射することで、微粒子を加熱する。こ
の結果、微粒子が熱膨張して対象物の表面から分離され
るとともに、周囲の液膜を加熱することで沸騰・蒸発が
促進され、微粒子は蒸気とともに液膜から除去される。
したがって、対象物の過熱を抑制して汚れである微粒子
を効果的に除去することができる。
【0010】本発明に係るレーザクリーニング装置の制
御装置は、液膜形成装置を制御して形成される液膜の状
態を調整することが好ましく、本発明に係るレーザクリ
ーニング方法においては、液膜形成工程において液膜の
状態を調整することが好ましい。
【0011】液膜の状態を調整することにより、クリー
ニングの対象物に応じた適切な液膜の蒸発条件を設定
し、微粒子を効果的に除去することができる。
【0012】第1のパルスレーザ光照射による液膜の蒸
発作用中に第2のパルスレーザ光照射を行うことが好ま
しい。このようにすると、対象物表面から分離した微粒
子を効果的に液膜外へと放出してその除去を行うことが
できる。
【0013】本発明に係るレーザクリーニング装置の液
膜形成装置は、超音波振動子によって対象物表面に液体
を噴霧する噴霧装置を備えていることが好ましい。本発
明に係るレーザクリーニング方法では、液膜は、対象物
表面へ超音波振動子で形成した霧を噴霧することで形成
されることが好ましい。
【0014】超音波振動子を用いることで、粒径が細か
く均一な水滴により霧を形成することができるので、対
象物表面上に薄い液膜を形成することができ、クリーニ
ングの効果が高まる。
【0015】本発明のレーザクリーニング装置の液膜形
成装置は、クリーニング対象物の表面を親水化処理する
紫外線ランプをさらに備えていることが好ましく、本発
明のレーザクリーニング方法は、液膜の形成前に、対象
物表面に紫外線を照射して表面を親水化処理する工程を
さらに備えていることが好ましい。
【0016】対象物の表面を親水化処理することでムラ
のない液膜を形成することができ、微粒子の除去性能が
向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理
解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に
対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説
明は省略する。
【0018】図1は本発明に係るレーザクリーニング装
置の第1実施形態を示す概略構成図である。本発明に係
るレーザクリーニング装置は、Siウエハ等のクリーニ
ング対象物5の表面上に付着した例えば粒径0.1μm
程度のAl23、SiC等の微粒子を除去するものであ
る。
【0019】本実施形態は、レーザクリーニング装置全
体を制御する制御装置1と、対象物5表面に液膜50を
形成する液膜形成装置2と、液膜50部分にレーザ照射
を行う光学系3と、除去された微粒子を吸引する吸引装
置4と、対象物5を載置する回転・移動ステージ6と、
対象物5の表面に紫外線を照射する紫外線ランプ7とを
備える。
【0020】液膜形成装置2は、純水が充填されている
密封容器20の液相底部に超音波振動子21が、水位位
置に水位センサ22がそれぞれ配置され、密封容器20
の液相部にはフレキシブルチューブ23が接続され、対
象物5に向けられたその先端部がノズル23aを形成し
ている。また、密封容器20には、水配管と、窒素ガス
配管が接続されており、それぞれに電磁弁24、25が
配置されている。そして、水配管上の電磁弁25は水位
センサ22と接続されることで密封容器20内の水位を
維持している。超音波振動子21と窒素ガス配管側の電
磁弁24は制御装置1により制御される。
【0021】光学系3は、第1のパルスレーザ光源31
と第2のパルスレーザ光源32の二つのパルスレーザ光
源を備えている。両レーザ光源31、32の出力トリガ
ーとなるパルスを発生させるパルス発生器3の出力は、
第1のパルスレーザ光源31には直接、第2のパルスレ
ーザ光源32には、遅延回路33を経て入力される。第
1のパルスレーザ光源31の出力光はミラー34により
対象物5の液膜51形成部分に第2のパルスレーザ光源
32の出力光はミラー35とレンズ36を介して同じ部
分に導かれる。
【0022】ここで、第1のパルスレーザ光源31とし
ては、液膜(水)50への吸収性の良好な光、例えばC
2レーザ(波長10.6μm)が用いられる。また、
第2のパルスレーザ光源32としては、液膜50を透過
し、微粒子等への吸収性の良好な光、例えば、Qスイッ
チYAGレーザの4倍波(波長266nm)が用いられ
る。
【0023】吸引装置4は吸引ポンプ40と、これに接
続されて液膜50近くに延びるノズル41とからなる。
【0024】回転・移動ステージ6は、基台60上に水
平2次元方向に移動可能な移動部61と、移動部61上
で鉛直軸を軸中心として回転可能な回転部62と、回転
部62上に固定され、対象物5を載置する載置台63と
から構成されている。
【0025】紫外線ランプ7としては、Xeエキシマラ
ンプ(波長172nm)が好適である。
【0026】次に、本実施形態の動作、すなわち、本発
明に係るレーザクリーニング方法について具体的に説明
する。図2は、このレーザクリーニング方法を表すタイ
ムチャートであり、図3は、液膜50部分の挙動を示す
拡大模式図である。
【0027】レーザクリーニング装置全体は窒素ガスパ
ージされた環境下に設置されており、クリーニング対象
物5が回転・移動ステージ6に載置されている。まず最
初に、紫外線ランプ7により対象物5表面に紫外線を6
0秒照射することで、対象物5表面の有機膜を除去し、
その表面の濡れ性を向上させる親水化処理を行う。
【0028】次に、対象物5表面のクリーニング対象箇
所上に、液膜形成装置2によって厚さ約3μm、直径1
0mmの均一な液膜を形成する。具体的には、超音波振
動子21を周波数2.4MHzで発振させることで、密
封容器20内の水面から平均粒径3μm程度の細かい微
小水滴が発生する。ここで電磁弁24を開けて窒素ガス
を密封容器20内へと導入することで、発生した微小水
滴はフレキシブルチューブ23を介してノズル23aか
ら対象物5の表面上に霧状に噴霧される。前述したよう
に対象物5の表面は親水化処理されているため、液滴が
表面に効果的に付着して均一な液膜50を形成すること
ができる。
【0029】電磁弁24開放から1秒後、つまり液膜5
0がある程度形成された時点で、まず、第1のパルスレ
ーザ光源31から発せられたパルスレーザ光(平均出力
100W、パルス幅6m秒)をミラー34を介して液膜
50の中心部(直径約5mm)に照射する。そして、そ
の直後に第2のパルスレーザ光源32から発せられたパ
ルスレーザ光(エネルギー50mJ、パルス幅6n秒)
を第1のパルスレーザ光と同じ領域に照射する。
【0030】両パルスレーザ光源30は、同一のパルス
発生器30から発せられたパルスをトリガーとしてパル
ス照射を行うものであり、第2のパルスレーザ光源32
への入力トリガーを遅延回路33によって遅延させるこ
とで、第2のパルスレーザ光を第1のパルスレーザ光よ
り遅らせて液膜50へと照射している。
【0031】第1のパルスレーザ光は前述したように、
水への吸収性が良好なため、図3に示されるように水分
子50mの分子運動を促進し、液膜50全体(対象物5
との界面50aよりむしろ中間層および表面層50b部
分)を加熱してその蒸発を促進する。一方、第2のパル
スレーザ光は、水に対しては透過性が良好なため、液膜
50を透過して液膜50内の微粒子51や対象物5へと
到達し、これに吸収されることで、微粒子51、対象物
5の表面を加熱する。この結果、微粒子51自体の熱膨
張により、微粒子51が対象物5から分離される。そし
て、界面50aの加熱が促進されることで液膜50自体
も対象物5から剥離して爆発的に蒸発することで、微粒
子51を対象物5の表面から効果的に除去することがで
きる。こうして除去された微粒子51は、水蒸気ととも
にノズル41を介して吸引装置4により外部へと排出さ
れる。
【0032】この両パルスレーザの照射を0.1秒周期
で複数回、(例えば10回)繰り返すことにより1度の
照射では除去できなかった微粒子も効果的にクリーニン
グすることができる。
【0033】パルス照射終了後は、電磁弁24を閉じて
噴霧を終了し、回転・移動ステージ6を制御して、次の
クリーニング対象箇所を液膜50の形成位置へと移動さ
せて、同様にクリーニングを繰り返すことにより対象物
5表面全体のクリーニングを行う。
【0034】前述したように従来のレーザクリーニング
方法では、液膜を臨界温度370℃以上に加熱し、対象
物の表面温度は瞬間的に400℃まで加熱されると記載
されている。しかしながら、本実施形態によれば、対象
物の表面温度200℃程度で液膜を爆発的に蒸発させる
ことができ、さらに微粒子自体の加熱によって対象物と
微粒子を効果的に分離することができるので、高いクリ
ーニング効果が得られる。そして、対象物の熱損傷を抑
制することができる。
【0035】また、対象物の表面を予め親水化処理し、
超音波振動子によって発生させ微小水滴を噴霧している
ので、対象物の表面に薄い液膜を均一に形成することが
でき、高いクリーニング効果を得ることができる。
【0036】次に、本実施形態の装置を用いた本発明に
係るレーザクリーニング方法の別の実施形態(第2、第
3の実施形態)について説明する。これら第2、第3の
実施形態は、前述したレーザクリーニング方法の第1の
実施形態と第1、第2のパルスレーザ光源31、32の
液膜への照射タイミングのみが異なる。図4、図5はそ
れぞれの実施形態におけるレーザ光照射のタイミングを
説明するタイムチャートである。
【0037】図2に示される第1の実施形態では、第1
のパルスレーザ光照射が終了する時点Bn(添字nはn
回目のパルス照射であることを示す)と第2のパルスレ
ーザ光照射の開始時点Cnとは、同時もしくは、Cnが
Bnより若干遅いタイミングであることを特徴としてい
る。すなわち、Bn≦Cnとなる。
【0038】図4に示される第2の実施形態では、第1
のパルスレーザ光照射の継続中すなわち、An〜Bnま
での時点の間に、第2のパルスレーザ光照射が開始され
ることを特徴とする。すなわち、An<Cn<Bnとな
る。
【0039】また、図5に示される第3の実施形態で
は、第1のパルスレーザ光が照射される時点Anより前
に第2のパルスレーザ光を照射している。すなわち、C
n≦Anである。図1に示されるような装置でこの実施
形態のレーザクリーニング方法を実施するためには、遅
延回路33をパルス発生器30と第2のパルスレーザ光
源32の間にではなく、パルス発生器30と第1のパル
スレーザ光源31との間に設ける必要がある。
【0040】いずれの場合でも第1のパルスレーザ光に
よる液膜50の蒸発作用と、第2のパルスレーザ光によ
る微粒子51の加熱作用との相乗効果によって対象物5
の表面から微粒子51を分離して液膜50の蒸発に伴っ
て微粒子を対象物5表面から効果的に除去できる点は同
一である。
【0041】したがって、第1のパルスレーザ光と第2
のパルスレーザ光を相前後して照射する場合には、一方
の光の照射による効果が残存するうちに他方の光を照射
する必要がある。
【0042】次に、本発明に係るレーザクリーニング装
置の第2の実施形態について説明する。図6はこの第2
の実施形態を示す概略構成図である。この第2の実施形
態では、第2のパルスレーザ光源32から発せられたパ
ルスレーザ光を対象物5を透過させて第1のパルスレー
ザ光源31から発せられたパルスレーザ光とは反対側か
ら液膜50に照射している点が相違する。
【0043】したがって、本装置は図1に示される装置
と第2のパルスレーザ光源32とミラー35の配置、お
よび回転・移動ステージ6および6xの構成が異なって
いる。
【0044】本装置の回転・移動ステージ6xは、対象
物5を挟み込み回転可能に支持する回転ステージ62x
と、回転ステージ62xを水平2次元方向に移動可能に
保持する移動ステージ61xとが基台60x上に配置さ
れている。
【0045】ここで、本装置でクリーニングを行う対象
物5は厚さ1mmのガラス基板である。このガラス基板
はハードディスク用円盤や液晶基板として用いられるも
のである。そして、第1のパルスレーザ光源31は、第
1の実施形態と同様であるが、第2のパルスレーザ光源
としては、ガラス基板を透過するQスイッチYAGレー
ザ(波長1064nm、パルス幅6n秒、エネルギー4
00mJ)が用いられる。
【0046】この実施形態におけるレーザクリーニング
方法は前述した第1〜第3の実施形態のいずれを用いて
もよい。いずれの場合でも、第1のパルスレーザ光照射
によって液膜50全体を加熱する効果と、第2のパルス
レーザ光照射によって微粒子51および液膜50と対象
物5の界面を加熱する効果の相乗効果によって微粒子5
1を対象物5から効率よく除去することができる。第3
の実施形態の場合には遅延回路33の配置位置を異なら
せる必要があることも同様である。
【0047】以上の説明では、液膜を純水によって形成
したが、エチルアルコールを用いて液膜を形成してもよ
い。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ク
リーニング対象物の表面に液膜を形成し、液膜を加熱す
るパルスレーザと、微粒子を加熱するパルスレーザとを
同時または相前後して照射することで、照射エリアを局
所加熱して、微粒子の熱膨張によって対象物と微粒子と
を分離させ、液膜の爆発的蒸発によって分離した微粒子
を効果的に対象物表面から除去することができ、高いク
リーニング効果が得られる。また、対象物表面の過熱が
抑制されるので、表面に回路等が形成されていてもそれ
に損傷を及ぼすことがなく、安定したクリーニングを行
うことができる。
【0049】超音波振動子によって対象物表面に液体を
噴霧して液膜を形成すると、均一で薄い液膜を形成する
ことができ、クリーニング効果を向上させることができ
る。
【0050】また、クリーニング対象物の表面を予め紫
外線ランプによって親水化処理すればムラのない液膜が
形成され、クリーニング効果を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーザクリーニング装置の第1実
施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1の装置を利用した本発明に係るレーザクリ
ーニング方法のタイムチャートである。
【図3】本発明において対象物表面に形成された液膜の
クリーニング時の挙動を説明する図である。
【図4】図1の装置を利用した本発明に係るレーザクリ
ーニング方法の別の形態を示すタイムチャートである。
【図5】図1の装置を利用した本発明に係るレーザクリ
ーニング方法のさらに別の形態を示すタイムチャートで
ある。
【図6】本発明に係るレーザクリーニング装置の第2実
施形態を示す概略構成図である。
【図7】従来のレーザクリーニング装置を示す概略構成
図である。
【符号の説明】 1…制御装置、2…液膜形成装置、3…光学系、4…吸
引装置、5…クリーニング対象物、6…回転・移動ステ
ージ、7…紫外線ランプ、20…密封容器、21…超音
波振動子、22…水位センサ、23…フレキシブルチュ
ーブ、23a…ノズル、24、25…電磁弁、30…パ
ルス発生器、31…第1のパルスレーザ光源、32…第
2のパルスレーザ光源、33…遅延回路、40…吸引ポ
ンプ、50…液膜、51…微粒子、61…移動ステー
ジ、62…回転ステージ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/13 101 G02F 1/13 101 1/1333 500 1/1333 500 G11B 23/50 G11B 23/50 C H01L 21/304 645 H01L 21/304 645D // B23K 101:36 B23K 101:36 Fターム(参考) 2H088 FA21 HA01 MA20 2H090 HC18 JB02 JC19 3B116 AA01 AB33 AB37 AB47 BB21 BB72 BB82 BB83 BC01 3B201 AA01 AB33 AB37 AB47 BB21 BB72 BB82 BB83 BB92 BB99 BC01 4E068 AA05 CA03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物表面に付着している微粒子をレー
    ザ照射によって除去するレーザクリーニング装置におい
    て、 対象物表面に液膜を形成する液膜形成装置と、 液膜を加熱する第1のパルスレーザ光を照射する第1の
    パルスレーザ光源と、 微粒子を加熱する第2のパルスレーザ光を照射する第2
    のパルスレーザ光源と、 前記第2のパルスレーザ光を前記第1のパルスレーザ光
    の照射中またはそれと相前後して照射する制御装置と、 を備えているレーザクリーニング装置。
  2. 【請求項2】 前記制御装置は、前記液膜形成装置を制
    御して形成される液膜の状態を調整することを特徴とす
    る請求項1記載のレーザクリーニング装置。
  3. 【請求項3】 前記制御装置は、前記第1のパルスレー
    ザ光照射による液膜の蒸発作用中に前記第2のパルスレ
    ーザ光を照射することを特徴とする請求項1または2の
    いずれかに記載のレーザクリーニング装置。
  4. 【請求項4】 前記液膜形成装置は、超音波振動子によ
    って対象物表面に液体を噴霧する噴霧装置を備えている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレー
    ザクリーニング装置。
  5. 【請求項5】 前記液膜形成装置は、クリーニング対象
    物の表面を親水化処理する紫外線ランプをさらに備えて
    いる請求項1〜4のいずれかに記載のレーザクリーニン
    グ装置。
  6. 【請求項6】 対象物表面に付着している微粒子をレー
    ザ照射によって除去するレーザクリーニング方法におい
    て、 対象物表面に液膜を形成する工程と、 形成されている液膜に第1のパルスレーザ光を照射して
    液膜を加熱する工程と、 前記第1のパルスレーザ光照射中またはこれと相前後し
    て第2のパルスレーザ光を照射して微粒子を加熱する工
    程と、 を備えているレーザクリーニング方法。
  7. 【請求項7】 前記液膜形成工程において液膜の状態を
    調整することを特徴とする請求項6記載のレーザクリー
    ニング方法。
  8. 【請求項8】 前記第1のパルスレーザ光照射による液
    膜の蒸発作用中に前記第2のパルスレーザ光を照射する
    ことを特徴とする請求項6または7のいずれかに記載の
    レーザクリーニング方法。
  9. 【請求項9】 前記液膜は、対象物表面へ超音波振動子
    で生成した霧を噴霧することで形成されることを特徴と
    する請求項6〜8のいずれかに記載のレーザクリーニン
    グ方法。
  10. 【請求項10】 前記液膜の形成前に、前記対象物表面
    に紫外線を照射して表面を親水化処理する工程をさらに
    備えている請求項5〜9のいずれかに記載のレーザクリ
    ーニング方法。
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