JP6326258B2 - 修飾金属酸化物ナノ粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、難燃性あるいは撥水性に優れる、低コストで製造できる修飾金属酸化物ナノ粒子、該修飾金属酸化物ナノ粒子を含有する撥水撥油剤及び該修飾金属酸化物ナノ粒子を含有する難燃剤に関する。
近年、有機合成繊維等といった樹脂組成物に対して難燃性を付与する樹脂用難燃剤としては、例えば金属水酸化物系(水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム)難燃剤、珪素系(シリコーン、シリカ)難燃剤、ハロゲン(臭素)系難燃剤、リン系(燐酸エステル、赤燐等)難燃剤、等を挙げることができる。
そして、金属水酸化物系難燃剤は、樹脂中に添加量が多くなるため樹脂の機械的特性を損ねるといった不具合や、珪素系難燃剤は、適用可能な樹脂組成物が限られるといった不具合等がある。
また、ハロゲン系難燃剤は、動物や母乳から検出されたり、燃焼時に臭素系ダイオキシン等が発生したりする等といった不具合が生じる虞があることから使用量が減少傾向にある。
そこで、これらの難燃剤の代替として現在注目されているのがリン系難燃剤である。しかしながら、このリン系難燃剤は、樹脂組成物を射出成形する時にガスを発生させたり、樹脂組成物の耐熱性を低下させたりする等といった問題を有している。
また、例えば樹脂組成物としてポリカーボネート樹脂を用いた場合については、金属塩タイプの難燃剤であるポリスチレンスルホン酸塩型の樹脂用難燃剤が提案されている(特許文献1、特許文献2及び特許文献3)。
しかしながら、これらの提案では、適用可能な樹脂組成物がポリカーボネート樹脂に限定されることや、難燃効果が不十分であることや、樹脂組成物に略均一に分散されない、いわゆる相溶性に乏しい等といった問題があり、さらに難燃効果に優れる樹脂用難燃剤が望まれている。
特に、特許文献3で提案されている樹脂用難燃剤は、水を吸着し易いアミド基やカルボキシル基等を有しており、含有された樹脂組成物を長時間保存すると変色して外観を損なわせたり、樹脂自体が脆くなる、いわゆる機械的強度が低下したりするといった問題が生じる虞がある。
また撥水撥油剤としては、下記化合物(A)〜(D)が知られているが、基板がガラスやセラミックスに強固に接着して耐久性が良いが撥水撥油性能は不十分であり、また金属やプラスチックに対しては接着性が不十分である。
CHCHSi(OCH(A)
CHCHSi(OC(B)
13CHCHSi(OCH(C)
13CHCHSi(OC(D)
特開2001−181342号公報 特開2001−181444号公報 特開2001−2941号公報
本発明は、樹脂組成物に対する相溶性に優れ、含有された樹脂組成物を長期保存しても外観不良や機械的強度の低下が起こることを抑制できる修飾金属酸化物ナノ粒子、該修飾金属酸化物ナノ粒子を含有する撥水撥油剤及び該修飾金属酸化物ナノ粒子を含有する難燃剤を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、本発明に至った。即ち、本発明は、下記式(1)で表される官能基で修飾され、下記式(3)で表される官能基で、さらに修飾されたことを特徴とする修飾金属酸化物ナノ粒子である。
2m+1−X−R−Y−Si(CH(−O−)3−n (1)
{式中、mは1〜12の整数であり、Xは単結合、−S−、−SO−、−SO−、−CHCHS−、−CHCHSO−又は−CHCHSO−であり、Rは炭素数1〜10のアルキレン基、フェニレン基又はフェニレンオキシメチレンフェニレン基であり、Yは単結合、−OCONH(CH−、−NHCONH(CH−、−OCO(CHS(CH−、−OCO(CHSO(CH−、−OCO(CHSO(CH−、−OCOCH(CH)CHS(CH−、−OCOCH(CH)CHSO(CH−、−OCOCH(CH)CHSO(CH−、−(CHS(CH−、−(CHSO(CH−又は−(CHSO(CH−であり、nは0又は1を表す。}
MOS(=O) −R −Si(CH (−O−) 3−n (3)
{式中、Mは水素イオン、炭素数1〜4のアルキル基、金属イオン又はアンモニウム(NR )基、R は炭素数1〜10のアルキレン基(本アルキレン鎖中に、ウレタン結合又はウレア結合を含有していても良い)、−C (CH S(CH −、−C (CH SO(CH −又は−C (CH SO (CH −であり、R は同一或いは異なってもよい炭素数1〜5のアルキル基又は水素原子であり、nは0又は1を表す。}
さらに本発明は、下記式(2)で表される官能基で、さらに修飾されたことを特徴とする修飾金属酸化物ナノ粒子である。
−(R−Si(CH(−O−)3−n (2)
{式中Xは、ビニル基、チオール基、アミノ基、塩素原子、アクリル基、メタクリル基、スチリル基、フェニル基、グリシドキシ基、3,4-エポキシシクロヘキシル基及びブロック化イソシアネート基からなる群から選ばれる官能基であり、Rは炭素数1〜5のアルキレン基であり、mは0又は1であり、nは0又は1を表す。}
また本発明は、前記修飾金属酸化物ナノ粒子を含有する撥水撥油剤である。
また本発明は、前記撥水撥油剤を含有あるいはコーティングされた構造体である。
また本発明は、前記修飾金属酸化物ナノ粒子を含有する難燃剤である。
また本発明は、前記難燃剤と樹脂からなる難燃性樹脂組成物である。
また本発明は、前記難燃性樹脂組成物を成形してなる成形体である。
また本発明は、前記難燃剤を含有あるいはコーティングされた構造体である。
本発明の修飾金属酸化物ナノ粒子は、難燃効果が大きく、低コストで製造でき、添加可能という効果を奏する。
また本発明の修飾金属酸化物ナノ粒子は、撥水撥油効果が大きく、金属及びプラスチックなどへの接着性が優れ、添加あるいはコーティング可能という効果を奏する。
本発明において、修飾金属酸化物ナノ粒子は下記式(1)で表される官能基で修飾される。
2m+1−X−R−Y−Si(CH(−O−)3−n (1)
{式中、mは1〜12の整数であり、Xは単結合、−S−、−SO−、−SO−、−CHCHS−、−CHCHSO−又は−CHCHSO−であり、Rは炭素数1〜10のアルキレン基、フェニレン基又はフェニレンオキシメチレンフェニレン基であり、Yは単結合、−OCONH(CH−、NHCONH(CH−、−OCO(CHS(CH−、−OCO(CHSO(CH−、−OCO(CHSO(CH−、−OCOCH(CH)CHS(CH−、−OCOCH(CH)CHSO(CH−、−OCOCH(CH)CHSO(CH−、−(CHS(CH−、−(CHSO(CH−又は−(CHSO(CH−であり、nは0又は1を表す。}
上記式(1)において、Rの炭素数1〜10のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等が挙げられる。これらのうちコスト及び原料入手の点を考慮すると、好ましくはメチレン基及びエチレン基である。
式(1)で表される官能基の具体例としては、以下のものが挙げられる。
CHCHSi(−O-)
13CHCHSi(−O-)
17CHCHSi(−O-)
CFCHOCONHCHCHCHSi(−O-)
CHCHOCONHCHCHCHSi(−O-)
13CHCHOCONHCHCHCHSi(−O-)
17CHCHOCONHCHCHCHSi(−O-)
SCHCHOCONHCHCHCHSi(−O-)
13SCHCHOCONHCHCHCHSi(−O-)
17SCHCHOCONHCHCHCHSi(−O-)
SOCHCHOCONHCHCHCHSi(−O-)
13SOCHCHOCONHCHCHCHSi(−O-)
17SOCHCHOCONHCHCHCHSi(−O-)
SOCHCHOCONHCHCHCHSi(−O-)
13SOCHCHOCONHCHCHCHSi(−O-)
17SOCHCHOCONHCHCHCHSi(−O-)
SCHCHHNCONHCHCHCHSi(−O-)
13SCHCHHNCONHCHCHCHSi(−O-)
17SCHCHHNCONHCHCHCHSi(−O-)
SOCHCHHNCONHCHCHCHSi(−O-)
13SOCHCHHNCONHCHCHCHSi(−O-)
17SOCHCHHNCONHCHCHCHSi(−O-)
SOCHCHHNCONHCHCHCHSi(−O-)
13SOCHCHHNCONHCHCHCHSi(−O-)
17SOCHCHHNCONHCHCHCHSi(−O-)
SCHNCONHCHCHCHSi(−O-)
13SCHNCONHCHCHCHSi(−O-)
17SCHNCONHCHCHCHSi(−O-)
SOCHNCONHCHCHCHSi(−O-)
13SOCHNCONHCHCHCHSi(−O-)
17SOCHNCONHCHCHCHSi(−O-)
SOHNCONHCHCHCHSi(−O-)
13SOHNCONHCHCHCHSi(−O-)
17SOHNCONHCHCHCHSi(−O-)
CHCHOCOCHCHSCHCHCHSi(−O-)
13CHCHOCOCHCHSCHCHCHSi(−O-)
17CHCHOCOCHCHSCHCHCHSi(−O-)
SCOCHCHCHSCHCHCHSi(−O-)
13SCOCHCHCHSCHCHCHSi(−O-)
17SCOCHCHCHSCHCHCHSi(−O-)
SOCOCHCHCHSCHCHCHSi(−O-)
13SOCOCHCHCHSCHCHCHSi(−O-)
17SOCOCHCHCHSCHCHCHSi(−O-)
SOOCHCHCHSCHCHCHSi(−O-)
13SOOCHCHCHSCHCHCHSi(−O-)
17SOOCHCHCHSCHCHCHSi(−O-)
CHCHSCOCHCHCHSCHCHCHSi(−O-)
13CHCHSCOCHCHCHSCHCHCHSi(−O-)
17CHCHSCOCHCHCHSCHCHCHSi(−O-)
CHCHSOCOCHCHCHSCHCHCHSi(−O-)
13CHCHSOCOCHCHCHSCHCHCHSi(−O-)
17CHCHSOCOCHCHCHSCHCHCHSi(−O-)
CHCHSOOCHCHCHSCHCHCHSi(−O-)
13CHCHSOOCHCHCHSCHCHCHSi(−O-)
17CHCHSOOCHCHCHSCHCHCHSi(−O-)
金属酸化物ナノ粒子としては、シリカ系ナノ粒子、アルミナ系ナノ粒子、チタニア系ナノ粒子、ジルコニア系ナノ粒子が挙げられる。好ましくは、それらのゾルである。即ち、シリカ系ゾル、アルミナ系ゾル、チタニア系ゾル、ジルコニア系ゾル等である。さらに好ましいのはシリカ系ゾルであり、特に好ましくはオルガノシリカ系ゾルである。
なお、オルガノゾルとは、表面改質をしたコロイダルシリカを有機溶媒にナノレベルで安定的に分散させたコロイド溶液であり、アルコール、ケトン、エーテル、トルエン等の各種有機溶媒に分散可能である。
具体的には日産化学社製のオルガノシリカゾル(メタノールシリカゾル、IPA−ST、IPA−ST、IPA−ST−UP、IPA−ST−ZL、EG−ST、NPC−ST−30、DMAC−ST、MEK−ST、MIBK−ST、PMA−ST及びPGM−ST)や扶桑化学社製の高純度オルガノシリカゾル(PL−1−IPA、PL−2L−PGME及びPL−2L−MEK)等が挙げられる。
これらは単独のみならず、複数で用いても良い。
本発明の修飾金属酸化物ナノ粒子は以下の製造方法により得られる。
すなわち、金属酸化物ナノ粒子に、フルオロアルキル基を有するシランカップリング剤(FSC)を添加して金属酸化物ナノ粒子上のシラノールと上記シランカップリング剤(FSC)を反応させることによって得られる。
フルオロアルキル基を有するシランカップリング剤は、市販のものか、市販の含フッ素アルコールあるいは含フッ素アミンとイソシアネート基を有するシランカップリング剤{例えば化合物(E)}とを反応させることにより得ることが出来る。また含フッ素アクリレートとあるいは含フッ素メタクリレートとチオール基とを有するシランカップリング剤{例えば化合物(F)}とを反応させることにより得ることが出来る。あるいは特開平2011−020924号公報記載の方法により得たアルコール又はアミンを、イソシアネート基を有するシランカップリング剤{例えば化合物(E)}と反応させることにより得ることが出来る。
NCOCHCHCHSi(OC (E)
HSCHCHCHSi(OCH (F)
フルオロアルキル基を有するシランカップリング剤(FSC)として具体的には以下のものが挙げられる。
CHCHSi(OCH
CHCHSi(OC
13CHCHSi(OCH
13CHCHSi(OC
17CHCHSi(OCH
17CHCHSi(OC
CFCHOCONHCHCHCHSi(OC
CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
13CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
17CHCHOCONHCHCHCHSi(OC
SCHCHOCONHCHCHCHSi(OC
13SCHCHOCONHCHCHCHSi(OC
17SCHCHOCONHCHCHCHSi(OC
SOCHCHOCONHCHCHCHSi(OC
13SOCHCHOCONHCHCHCHSi(OC
17SOCHCHOCONHCHCHCHSi(OC
SOCHCHOCONHCHCHCHSi(OC
13SOCHCHOCONHCHCHCHSi(OC
17SOCHCHOCONHCHCHCHSi(OC
SCHCHHNCONHCHCHCHSi(OC
13SCHCHHNCONHCHCHCHSi(OC
17SCHCHHNCONHCHCHCHSi(OC
SOCHCHHNCONHCHCHCHSi(OC
13SOCHCHHNCONHCHCHCHSi(OC
17SOCHCHHNCONHCHCHCHSi(OC
SOCHCHHNCONHCHCHCHSi(OC
13SOCHCHHNCONHCHCHCHSi(OC
17SOCHCHHNCONHCHCHCHSi(OC
SCHNCONHCHCHCHSi(OC
13SCHNCONHCHCHCHSi(OC
17SCHNCONHCHCHCHSi(OC
SOCHNCONHCHCHCHSi(OC
13SOCHNCONHCHCHCHSi(OC
17SOCHNCONHCHCHCHSi(OC
SOHNCONHCHCHCHSi(OC
13SOHNCONHCHCHCHSi(OC
17SOHNCONHCHCHCHSi(OC
CHCHOCOCHCHSCHCHCHSi(OCH
CHCHOCOCHCHSCHCHCHSi(OCH
13CHCHOCOCHCHSCHCHCHSi(OCH
17CHCHOCOCHCHSCHCHCHSi(OCH
SCOCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
13SCOCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
17SCOCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
SOCOCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
13SOCOCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
17SOCOCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
SOOCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
13SOOCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
17SOOCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
CHCHSCOCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
13CHCHSCOCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
17CHCHSCOCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
CHCHSOCOCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
13CHCHSOCOCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
17CHCHSOCOCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
CHCHSOOCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
13CHCHSOOCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
17CHCHSOOCHCHCHSCHCHCHSi(OCH
金属酸化物ナノ粒子にフルオロアルキル基を有するシランカップリング剤(FSC)を反応させる場合の溶媒としては、アルコール系溶媒:メタノール、エタノール、イソプロパンール、n−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及び1,4−ブタンジオール等、エーテル系溶媒:ジエチルエーテル、テトラハイドロフラン及びジオキサン等、ケトン系溶媒:アセトン及びメチルエチルケトン等、非プロトン溶媒:ジメチルスルホキサイド、N,N−ジメチルホルムアミド等及びこれらの混合溶媒等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、アルコール系溶媒であり、これらの溶媒は1種又は2種以上で使用できる。
溶媒に対する原料の金属酸化物ナノ粒子の濃度は1〜50重量%であり、好ましくは1〜30重量%である。
金属酸化物ナノ粒子に対するフルオロアルキル基を有するシランカップリング剤(FSC)の量は金属酸化物ナノ粒子1gに対して0.1〜12mmolであり、好ましくは2.0〜11mmolである。
0.1未満であるとフルオロアルキル基の濃度が低すぎ、難燃効果及び撥水撥油効果が低下し、12を超えると金属酸化物上のシラノールが不足して前記シランカップリング剤どうしが自己縮合する化合物が生成する可能性があり好ましくない。
フルオロアルキル基を有するカップリング剤(FSC)を添加する際の温度は限定されないが、常温(約20℃)から沸点が好ましい。
反応温度も限定されないが、常温(約20℃)から沸点が好ましい。
反応時間も限定されないが、10分から48時間が好ましく、6時間から24時間が特に好ましい。
本発明の修飾金属酸化物ナノ粒子は、下記式(2)で表される官能基で、さらに修飾されることが好ましい。
−(R−Si(CH(−O−)3−n (2)
{式中、Xは、炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基、ビニル基、チオール基、アミノ基、塩素原子、アクリル基、メタクリル基、スチリル基、フェニル基、グリシドキシ基、3,4-エポキシシクロヘキシル基及びブロック化イソシアネート基からなる群から選ばれる官能基であり、Rは炭素数1〜5のアルキレン基であり、mは0又は1であり、nは0又は1を表す。}
また、本発明の修飾金属酸化物ナノ粒子は、式(1)で表される官能基で修飾された修飾金属酸化物ナノ粒子と式(2)で表される官能基で修飾された修飾金属酸化物ナノ粒子との混合組成物として用いることもできる。
上記式(2)において、Xの炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、オクチル基及びオクタデシル基等が挙げられる。これらのうちコスト及び原料入手の点を考慮すると、好ましくはメチル基、オクチル基及びオクタデシル基である。
の炭素数1〜5のアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等が挙げられる。これらのうちコスト及び原料入手の点を考慮すると、好ましくは、プロピレン基である。
式(2)で表される官能基の具体例としては、以下のものが挙げられる。
CHSi(−O−)
CHSi(−O−)
17Si(−O−)
17Si(−O−)
1837Si(−O−)
1837Si(−O−)
CH=CHSi(−O−)
CH=CHSi(−O−)
NCHCHCHSi(−O−)
NCHCHCHSi(−O−)
ClCHCHCHSi(−O−)
SHCHCHCHSi(−O−)
SHCHCHCHSi(CH)(−O−)
CH=CHCOOCHCHCHSi(−O−)
CH=C(CH)COOCHCHCHSi(−O−)
Si(−O−)
(CHCOCOCHCHSCHCHCHSi(−O−)
(CHCOCOCHCHSCHCHCH(CH)Si(−O−)
さらに式(2)で表される官能基で修飾された修飾金属酸化物ナノ粒子は、以下の製造方法により得られる。
すなわち、式(1)で表される官能基で修飾された修飾金属酸化物ナノ粒子に、下記シランカップリング剤(RSC)を添加して金属酸化物ナノ粒子上のシラノールとシランカップリング剤(RSC)を反応させることによって得られる。シランカップリング剤(RSC)は、金属酸化物ナノ粒子のシラノールと縮合反応する。
また、金属酸化物ナノ粒子に前記フルオロアルキル基を有するシランカップリング剤(FSC)とシランカップリング剤(RSC)を同時に反応させることもできる。
シランカップリング剤(RSC)の例としては以下のものが挙げられる。
CHSi(OCH
CHSi(OC
17Si(OCH
17Si(OC
1837Si(OCH
1837Si(OC
CH=CHSi(OCH
CH=CHSi(OC
NCHCHCHSi(OCH
NCHCHCHSi(OC
ClCHCHCHSi(OCH
SHCHCHCHSi(OCH
SHCHCHCHSi(CH)(OCH
CH=CHCOOCHCHCHSi(OCH
CH=C(CH)COOCHCHCHSi(OCH
Si(OCH
Si(OC
(CHCOCOCHCHSCHCHCHSi(OCH
(CHCOCOCHCHSCHCHCH(CH)Si(OCH
(COOC)CH−CONHCHCHCHSi(OC
Figure 0006326258
シランカップリング剤(RSC)の添加量は、原料の金属酸化物ナノ粒子1gに対して通常0.01〜12.0mmolであり、好ましくは、0.1〜12.0mmolである。
上記範囲であると、ケイ素系化合物が有する特性(例えば、分散性)がより発揮できる。
シランカップリング剤(RSC)を添加する際の温度は限定されないが、常温(約20℃)から沸点が好ましい。
反応温度も限定されないが、常温(約20℃)から沸点が好ましい。
反応時間も限定されないが、2〜48時間が好ましく、8〜24時間が特に好ましい。
本発明の修飾金属酸化物ナノ粒子は、下記式(3)で表される官能基で、さらに修飾されることが好ましい。

MOS(=O)−R−Si(CH(−O−)3−n (3)
{式中、Mは水素イオン、炭素数1〜4のアルキル基、金属イオン又はアンモニウム(NR )基、Rは炭素数1〜10のアルキレン基(本アルキレン鎖中に、ウレタン結合又はウレア結合を含有していても良い)、−C(CHS(CH−、−C(CHSO(CH−又は−C(CHSO(CH−であり、Rは同一或いは異なってもよい炭素数1〜5のアルキル基又は水素原子であり、nは0又は1を表す。}
また、本発明の修飾金属酸化物ナノ粒子は、式(1)で表される官能基で修飾された修飾金属酸化物ナノ粒子と式(3)で表される官能基で修飾された修飾金属酸化物ナノ粒子との混合組成物、又は式(1)で表される官能基で修飾された修飾金属酸化物ナノ粒子と式(2)で表される官能基で修飾された修飾金属酸化物ナノ粒子と式(3)で表される官能基で修飾された修飾金属酸化物ナノ粒子との混合組成物として用いることもできる。
上記式(3)において、Rの炭素数1〜10のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等が挙げられる。これらのうちコスト及び原料入手の点を考慮すると、好ましくはプロピレン基である。
また−C(CHS(CH−及びC(CHSO(CH−も好ましい。
Mとしては、水素イオン、炭素数1〜4のアルキル基、金属イオン(アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、銀イオン、銅イオン及びニッケルイオン等)又はアンモニウム(NR )イオンが挙げられ、難燃性などの点を考慮すると、好ましくは、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンである。
アンモニウムイオンのRとしては水素原子、炭素数1〜5のアルキル基が挙げられ、好ましくは、水素原子及び炭素数1〜2のアルキル基(メチル基及びエチル基)である。
アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、マグネシウムイオン及びカルシウムイオンなどが挙げられる。
これらのうち好ましくは、アルカリ金属イオンであり、特に好ましいのはカリウムイオンである。
式(3)で表される官能基の具体例としては、以下のものが挙げられる。
HOSO−CHCHCHSi(−O-)
LiOSO−CHCHCHSi(−O-)
NaOSO−CHCHCHSi(−O-)
KOSO−CHCHCHSi(−O-)
NHOSO−CHCHCHSi(−O-)
N(CHOSO−CHCHCHSi(−O-)
NH(COSO−CHCHCHSi(−O-)
AgOSO−CHCHCHSi(−O-)
HOSO−CHCHOCONHCHCHCHSi(−O-)
LiOSO−CHCHOCONHCHCHCHSi(−O-)
NaOSO−CHCHOCONHCHCHCHSi(−O-)
KOSO−CHCHOCONHCHCHCHSi(−O-)
NHOSO−CHCHOCONHCHCHCHSi(−O-)
N(CHOSO−CHCHOCONHCHCHCHSi(−O-)
NH(COSO−CHCHOCONHCHCHCHSi(−O-)
HOSO−CHCHNHCONHCHCHCHSi(−O-)
LiOSO−CHCHNHCONHCHCHCHSi(−O-)
NaOSO−CHCHNHCONHCHCHCHSi(−O-)
KOSO−CHCHNHCONHCHCHCHSi(−O-)
NHOSO−CHCHNHCONHCHCHCHSi(−O-)
N(CHOSO−CHCHNHCONHCHCHCHSi(−O-)
NH(COSO−CHCHNHCONHCHCHCHSi(−O-)
HOSO−CNHCONHCHCHCHSi(−O-)
LiOSO−CNHCONHCHCHCHSi(−O-)
NaOSO−CNHCONHCHCHCHSi(−O-)
KOSO−CNHCONHCHCHCHSi(−O-)
NHOSO−CNHCONHCHCHCHSi(−O-)
N(CHOSO−CNHCONHCHCHCHSi(−O-)
NH(COSO−CNHCONHCHCHCHSi(−O-)
HOSO−CHCHCHSiCH(−O-)
LiOSO−CHCHCHSiCH(−O-)
NaOSO−CHCHCHSiCH(−O-)
KOSO−CHCHCHSiCH(−O-)
NHOSO−CHCHCHSiCH(−O-)
NH(CHOSO−CHCHCHSiCH(−O-)
NH(COSO−CHCHCHSiCH(−O-)
HOSO−CHCHOCONHCHCHCHSiCH(−O-)
LiOSO−CHCHOCONHCHCHCHSiCH(−O-)
NaOSO−CHCHOCONHCHCHCHSiCH(−O-)
KOSO−CHCHOCONHCHCHCHSiCH(−O-)
NHOSO−CHCHOCONHCHCHCHSiCH(−O-)
NH(CHOSO−CHCHOCONHCHCHCHSiCH(−O-)
NH(COSO−CHCHOCONHCHCHCHSiCH(−O-)
HOSO−CHCHNHCONHCHCHCHSiCH(−O-)
LiOSO−CHCHNHCONHCHCHCHSiCH(−O-)
NaOSO−CHCHNHCONHCHCHCHSiCH(−O-)
KOSO−CHCHNHCONHCHCHCHSiCH(−O-)
NHOSO−CHCHNHCONHCHCHCHSiCH(−O-)
NH(CHOSO−CHCHNHCONHCHCHCHSiCH(−O-)
NH(COSO−CHCHNHCONHCHCHCHSiCH(−O-)
HOSO−CNHCONHCHCHCHSiCH(−O-)
LiOSO−CNHCONHCHCHCHSiCH(−O-)
NaOSO−CNHCONHCHCHCHSiCH(−O-)
KOSO−CNHCONHCHCHCHSiCH(−O-)
NHOSO−CNHCONHCHCHCHSiCH(−O-)
NH(CHOSO−CNHCONHCHCHCHSiCH(−O-)
NH(COSO−CNHCONHCHCHCHSiCH(−O-)
LiOSO−CCHCHSCHCHCHSiCH(−O-)
NaOSO−CCHCHSCHCHCHSiCH(−O-)
KOSO−CCHCHSCHCHCHSiCH(−O-)
LiOSO−CCHCHSOCHCHCHSiCH(−O-)
NaOSO−CCHCHSOCHCHCHSiCH(−O-)
KOSO−CCHCHSOCHCHCHSiCH(−O-)
LiOSO−CCHCHSOCHCHCHSiCH(−O-)
NaOSO−CCHCHSOCHCHCHSiCH(−O-)
KOSO−CCHCHSOCHCHCHSiCH(−O-)
さらに、式(3)で表される官能基で修飾された修飾金属酸化物ナノ粒子は以下の方法により得られる。
すなわち、上記式(1)又は上記式(1)及び上記式(2)で表される官能基で修飾された修飾金属酸化物ナノ粒子溶液に化学的にスルホン酸基に変換できる官能基を有する下記式(SC1)又は(SC2)で表されるシランカップリング剤を添加し、金属酸化物ナノ粒子のシラノールと縮合反応させることにより得ることが出来る。
すなわち、金属酸化物ナノ粒子に、化学的にスルホン酸基に変換できる官能基を有する下記式(SC1)又は(SC2)で表されるシランカップリング剤を添加して金属酸化物ナノ粒子上のシラノールと上記シランカップリング剤を反応させた後、チオール基を過酸化物によりスルホン酸基に変換後、必要により金属塩で中和する方法によって得られる。あるいは上記チオール基と下記式(SC3)で表される化合物を反応させることにより得ることが出来る。
また下記式(SC3)で表される化合物と下記式(SC1)又は(SC2)で表される化合物を反応させて得たシランカップリング剤を金属酸化物ナノ粒子上のシラノールと反応させることによっても得ることが出来る。
HS−R−Si(CH(−Y3−n (SC1)
(Y−)3−n(CH)Si−R−S−S−R−Si(CH(−Y3−n (SC2)
{式中、Rは炭素数1〜10のアルキレン基(本アルキレン鎖中に、ウレタン結合又はウレア結合を含有していても良い)であり、Yは同一或いは異なってもよい炭素数1〜4のアルコキシ基又は水酸基、nは0又は1を表す。}
MOS(=O)−C−CH=CH (SC3)
{式中、Mは水素イオン、炭素数1〜4のアルキル基、金属イオン又はアンモニウム(NR )基を表す}
式(SC1)又は(SC2)で表されるシランカップリング剤の具体例としては、以下のものが挙げられる。
HSCHCHCHSi(OCH
CHCH(HS)CHSi(OC
HSCHCHSi(OCH
HSCHCHSi(OC
HSCHCHOCONHCHCHCHSi(OC
HSCHCHNHCONHCHCHCHSi(OC
HSCNHCONHCHCHCHSi(OC
(OCSiCHCHCH−S−S−CHCHCHSi(OC
これらのうち、ウレタン結合やウレア結合を持つ化合物はイソシアネート基を有するシランカップリング剤に、2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン及び4−メルカプトアニリンを反応させることにより得ることが出来る。
式(SC3)で表される化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる。
LiOS(=O)−C−CH=CH
NaOS(=O)−C−CH=CH
KOS(=O)−C−CH=CH
OS(=O)−C−CH=CH
(CNOS(=O)−C−CH=CH
金属酸化物ナノ粒子にシランカップリング剤(SC1又はSC2)を反応させる場合の溶媒としては、アルコール系溶媒:メタノール、エタノール、イソプロパンール、n−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及び1,4−ブタンジオール等、エーテル系溶媒:ジエチルエーテル、テトラハイドロフラン及びジオキサン等、ケトン系溶媒:アセトン及びメチルエチルケトン等、非プロトン溶媒:ジメチルスルホキサイド、N,N−ジメチルホルムアミド等及びこれらの混合溶媒等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、アルコール系溶媒であり、これらの溶媒は1種又は2種以上で使用できる。
金属酸化物ナノ粒子に対するシランカップリング剤(SC1又はSC2)の量は金属酸化物ナノ粒子1gに対して0.1〜12mmolであり、好ましくは2.0〜11mmolである。
0.1未満であるとスルホン酸基の濃度が低すぎ、難燃化性能が低下し、12を超えると金属酸化物上のシラノールが不足して前記シランカップリング剤どうしが自己縮合する化合物が生成する可能性があり好ましくない。
シランカップリング剤(SC1又はSC2)を添加する際の温度は限定されないが、常温(約20℃)から沸点が好ましい。
反応温度も限定されないが、常温(約20℃)から沸点が好ましい。
反応時間も限定されないが、10分から48時間が好ましく、6時間から24時間が特に好ましい。
過酸化物としては、有機過酸化物(過酢酸、m−クロロ過安息香酸、過酸化ベンゾイル等)、無機過酸化物(オゾン、過酸化水素、過酸化カルシウム等)が挙げられる。これらのうち、好ましいのは過酸化水素と過酢酸であり、特に好ましいのは過酸化水素である。
過酸化物は前段階の製造工程{金属酸化物ナノ粒子にシランカップリング剤(SC1又はSC2)を結合させる工程}の中に一度に或は分割して投入することが出来る。
用いる過酸化物の量は、シランカップリング剤(SC1又はSC2)に対して、200〜5000モル%、好ましくは300〜5000モル%、さらに好ましくは300〜2000モル%である。
過酸化物を添加する際の温度は限定されないが、常温(約20℃)が好ましい。
反応温度も限定されないが、常温(約20℃)から沸点が好ましい。
反応時間も限定されないが、10分から48時間が好ましく、6時間から24時間が特に好ましい。
金属塩としては、水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等)、酢酸塩(酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等)、金属酸化物(酸化銀等)、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド及びカリウム-tert-ブトキサイド等が挙げられる。
金属塩で中和するときの温度は特に制限はなく、通常室温で行えばよい。
加える金属塩はそのまま加えても、溶媒(例えば、水等)で希釈してから加えても良い。
シランカップリング剤のチオール基あるいは金属酸化物ナノ粒子上のチオール基と式(SC3)で表される化合物を反応させる場合の溶媒としては、水、アルコール系溶媒:メタノール、エタノール、イソプロパンール、n−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及び1,4−ブタンジオール等、エーテル系溶媒:ジエチルエーテル、テトラハイドロフラン及びジオキサン等、ケトン系溶媒:アセトン及びメチルエチルケトン等、非プロトン溶媒:ジメチルスルホキサイド、N,N−ジメチルホルムアミド等及びこれらの混合溶媒等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、水、アルコール系溶媒及びその混合系溶媒である。
シランカップリング剤のチオール基あるいは金属酸化物ナノ粒子上のチオール基と式(SC3)で表される化合物を反応させる場合、触媒を使用するのが好ましい。触媒としては、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(メチルブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)、2,2−アゾビス〔N−(2−プロぺニル)−2−メチルプロピオンアミド〕、1−〔(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ〕ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)及び2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド等のアゾ系開始剤、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ヘキシルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトタメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−tert−ヘキシルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート及びジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート等の過酸化物系開始剤等が挙げられる。
触媒を添加する際の温度は限定されないが、常温(約20℃)から沸点が好ましい。
反応温度も限定されないが、常温(約20℃)から沸点が好ましい。
反応時間も限定されないが、10分から48時間が好ましく、6時間から24時間が特に好ましい。
用いる触媒の量は、式(SC3)で表される化合物に対して、0.01〜10モル%、好ましくは0.1〜5モル%、さらに好ましくは1〜5モル%である。
チオール基を有する化合物に対する式(SC3)で表される化合物とのモル比は通常0.95〜1.05、好ましくは0.98〜1.02、特に好ましくは0.99〜1.01である。
なお金属酸化物ナノ粒子上に結合したチオール基の場合、結合したチオール基に対してのモル比を表す。
式(1)並びに必要により式(2)及び/又は式(3)で表される官能基で修飾された本発明の修飾金属酸化物ナノ粒子は上記製造方法により製造した場合、溶液として得られる。
得られた溶液は構造体にコーティング可能な撥水撥油剤として有用である。
また成膜性を改良するため、上記溶液に金属アルコキサイド類{例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシチタン、テトラブトキシジルコニウム、テトラキス(2,4−ペンタンジオナト)ジルコニウム、テトラキス(2,4−ペンタンジオナト)チタニウム、(ビス(2,4−ペンタンジオナト)ビス(2−プロパノラト)チタニウム、トリイソプロピルアルミニウム等}、金属アルコキサイドオリゴマー類(例えば、コルコート株式会社製のメチルシリケートやエチルシリケート等)、金属酸化物ゾル{例えば、コルコート株式会社製のアルコール性シリカゾル(コルコートP及びコルコートN−103X等)や日産化学株式会社製のシリカゾル(スノーテックス及びオルガノシリカゾル等)}、金属酸化物微粒子(例えば、日本アエロジル社製のアエロジル300やアエロジルR974等)等を加えてもよい。
また溶液から得られる溶媒を除去して得られる固体は構造体に添加可能な撥水撥油剤として有用である。
金属アルコキサイドを含む場合、金属アルコキサイドの含有量(重量%)は、式(1)〜(3)で表される化合物の合計重量に基づいて5〜1000%であり、好ましくは5〜800%、さらに好ましくは10〜800%である。
金属アルコキサイドオリゴマーを含む場合、金属アルコキサイドオリゴマーの含有量(重量%)は、式(1)〜(3)で表される化合物の合計重量に基づいて5〜1000%であり、好ましくは5〜800%、さらに好ましくは10〜800%である。
金属酸化物微粒子を含む場合、金属酸化物微粒子の含有量(重量%)は、式(1)〜(3)で表される化合物の合計重量に基づいて5〜1000%であり、好ましくは5〜800%、さらに好ましくは10〜800%である。
金属酸化物ゾルを含む場合、金属酸化物ゾルの含有量(重量%)は、式(1)〜(3)で表される化合物の合計重量に基づいて5〜1000%であり、好ましくは5〜800%であり、さらに好ましくは10〜800%である。
構造体としては、繊維、樹脂、皮革、毛皮、ガラス、セラミックス及び金属などが挙げられる。
繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、セルロース繊維、ウール繊維、アクリル繊維及び絹繊維などが挙げられる。
樹脂としては、アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレート等)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ABS、ポリカーボネート(ビスフェノール系、フルオレン系等の芳香族系ポリカーボネート)ポリスチレン、エポキシ、不飽和ポリエステル、メラミン、ジアリルフタレート、ポリイミド、ウレタン、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、SBR、ニトリルラバー、EPM、EPDM、エピクロルヒドリンラバー、ネオプレンラバー、ポルサルファイド及びブチルラバー等及びこれらのアロイが挙げられる。
金属としては、鉄、銅、アルミニウム、ステンレス、黄銅、マグネシウム等及びこれらのアロイが挙げられる。
本発明の撥水撥油剤は、作業性(取扱性及び塗装性等)を向上させるために希釈溶媒を含有させてもよい。希釈溶媒としては、本発明の金属酸化物ナノ微粒子と反応せず、これらを分散するものであれば制限がなく、たとえば、エーテル{テトラヒドロフラン及びジオキサン等}、アルコール{メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール及びn−ブチルアルコール等}、ケトン{アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等}、非プロトン性溶媒{N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン及びジメチルスルホキシド等}及び水等が挙げられる。
溶液中の撥水撥油剤の濃度は通常0.001重量%から10重量%であり、好ましくは0.01重量%から10重量%であり、特に好ましくは0.1から5重量%である。
溶液から得られる溶媒を除去して得られる固体を構造体に添加して使用する場合、添加する撥水撥油剤の量は構造体に対して通常0.01重量%から10重量%であり、好ましくは0.01重量%から5重量%であり、特に好ましくは0.1から5重量%である。
本発明の難燃剤は、式(1)並びに必要により式(2)及び/又は式(3)で表される官能基で修飾された修飾酸化物ナノ粒子を含有する。
樹脂に対する本発明の難燃剤の含有量(重量%)は0.01〜5であり、好ましくは0.05〜3であり、特に好ましくは0.1〜2である。
修飾酸化物ナノ粒子は上記製造方法により製造した場合、通常沈殿(固体)として得られる。得られた沈殿をろ過乾燥後粉砕することにより難燃剤として有用である。
また、沈殿が生じない場合はアセトン、テトラハイドロフラン、ジオキサンなど水と相溶性のある溶媒中に滴下して沈殿として得ることが出来る。
あるいは、スプレードライ又は凍結乾燥によっても固体の難燃剤を得ることが出来る。
樹脂としては、アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレート等)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ABS、ポリカーボネート(ビスフェノール系、フルオレン系等の芳香族系ポリカーボネート)ポリスチレン、エポキシ、不飽和ポリエステル、メラミン、ジアリルフタレート、ポリイミド、ウレタン、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、SBR、ニトリルラバー、EPM、EPDM、エピクロルヒドリンラバー、ネオプレンラバー、ポルサルファイド及びブチルラバー等及びこれらのアロイが挙げられる。
本発明の難燃剤は、他の難燃剤を併用しても良い。他の難燃剤としては、例えば、有機リン酸エステル系難燃剤、ハロゲン化リン酸エステル系難燃剤、無機リン系難燃剤、ハロゲン化ビスフェノール系難燃剤、その他のハロゲン化合物系難燃剤、アンチモン系難燃剤、窒素系難燃剤、ホウ酸系難燃剤、金属塩系難燃剤、無機系難燃剤、ケイ素系難燃剤及びスルホン酸系難燃剤などが挙げられ、これらのうちの何れか1種を単独で、若しくは複数種を混合して用いることができる。
有機リン酸エステル系難燃剤としては、例えば、トリフェニルホスフェート、メチルネオベンジルホスフェート、ペンタエリスリトールジエチルジホスフェート、メチルネオペンチルホスフェート、フェニルネオペンチルホスフェート、ペンタエリスリトールジフェニルジホスフェート、ジシクロペンチルハイポジホスフェート、ジネオペンチルハイポホスファイト、フェニルピロカテコールホスファイト、エチルピロカテコールホスフェート、及びジピロカテコールハイポジホスフェートなどが挙げられる。これらのうちの何れか1種を単独で、若しくは複数種を混合して用いることができる。
ハロゲン化リン酸エステル系難燃剤としては、例えば、トリス(β−クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(β−ブロモエチル)ホスフェート、トリス(ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、リス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、縮合型ポリホスフェート、及び縮合型ポリホフホネートなどが挙げられる。これらのうちの何れか1種を単独で、若しくは複数種を混合して用いることができる。
無機リン系難燃剤としては、例えば、赤リン及び無機系リン酸塩などが挙げられる。
これらのうちの何れか1種を単独で、若しくは複数種を混合して用いることができる。
ハロゲン化ビスフェノール系難燃剤としては、例えば、テトラブロモビスフェノールAとそのオリゴマー、及びビス(ブロモエチルエーテル)テトラブロモビスフェノールAなどが挙げられる。これらのうちの何れか1種を単独で、若しくは複数種を混合して用いることができる。
その他のハロゲン化合物系難燃剤としては、デカブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモベンゼン、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモ無水フタル酸、(テトラブロビスモフェノール)エポキシオリゴマー、ヘキサブロモビフェニルエーテル、トリブロモフェノール、ジブロモクレジルグリシジルエーテル、デカブロモジフェニルオキシド、ハロゲン化ポリカーボネート、ハロゲン化ポリカーボネート共重合体、ハロゲン化ポリスチレン、ハロゲン化ポリオレフィン、塩素化パラフィン、及びパークロロシクロデカンなどが挙げられる。これらのうちの何れか1種を単独で、若しくは複数種を混合して用いることができる。
アンチモン系難燃剤としては、例えば、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、及びアンチモン酸ソーダなどが挙げられる。これらのうちの何れか1種を単独で、若しくは複数種を混合して用いることができる。
窒素系難燃剤としては、例えば、メラミン、アルキル基又は芳香族置換メラミン、メラミンシアヌレート、イソシアヌレート、メラミンホスフェート、トリアジン、グアニジン化合物、尿素、各種シアヌール酸誘導体、及びホスファゼン化合物などが挙げられる。これらのうちの何れか1種を単独で、若しくは複数種を混合して用いることができる。
ホウ酸系難燃剤としては、例えば、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、及びメタホウ酸バリウムなどが挙げられる。これらのうちの何れか1種を単独で、若しくは複数種を混合して用いることができる。
金属塩系難燃剤としては、例えば、ポリスチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸と他のビニル化合物との共重合体(例えば、ポリスチレン-ポリスチレンスルホン酸共重合体及びポリスチレンの一部スルホン化物)、パーフルオロアルカンスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、ハロゲン化アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、及びナフタレンスルホン酸などのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩などが挙げられる。これらのうちの何れか1種を単独で、若しくは複数種を混合して用いることができる。
無機系難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、塩基性炭酸マグネシウム、水素化ジルコニウム、酸化スズ水和物などの無機金属化合物水和物、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化スズ、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステンなどの金属酸化物、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル、チタン、マンガン、スズ、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、タングステン、アンチモンなどの金属粉、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、及び炭酸バリウムなどの炭酸塩などが挙げられる。これらのうちの何れか1種を単独で、若しくは複数種を混合して用いることができる。
併用する他の難燃剤の樹脂に対する含有量(重量%)は、その種類や、必要とされる難燃性のレベルや、難燃性を付与しようとする樹脂組成物の種類によって異なるが、通常0〜50であり、好ましくは0〜〜30であり、さらに好ましくは0〜10である。
本発明の難燃剤と樹脂からなる難燃性樹脂組成物は、他の添加剤として、例えば、無機充填剤や耐衝撃性向上剤、酸化防止剤(ヒンダードフェノール系、リン系、硫黄系)、帯電防止剤、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒドロキシフェニルトリアジン系、環状イミノエステル系、シアノアクリレート系)、光安定化剤、可塑剤、相溶化剤、着色剤(顔料、染料)、光拡散剤、光安定剤、結晶核剤、抗菌剤、流動性改質剤、抗菌剤、赤外線吸収剤、蛍光体、加水分解防止剤、離型剤、あるいは表面処理剤などを含有していてもよい。これにより、難燃性、射出成形性、耐衝撃性、外観、耐熱性、耐候性、色あるいは剛性などが改善される。
無機充填剤は、前記樹脂組成物の力学的強度の向上や、さらなる難燃性の向上を図る目的で用いる。無機充填剤としては、例えば、結晶性シリカ、溶融シリカ、アルミナ、マグネシア、タルク、マイカ、カオリン、クレー、珪藻土、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、ガラス繊維、フッ化カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、炭素繊維、カーボンナノチューブ、チタン酸カリウム繊維などが挙げられる。これらのうちの何れか1種を単独で、若しくは複数種を混合して用いることが可能である。これらの無機充填剤のうち、タルク、マイカ、カーボン、ガラスを用いることが好ましく、特にタルクがより好ましい。
難燃性樹脂組成物中の無機充填剤の含有量(重量%)は、2.5〜20であり、より好ましくは5〜15である。20より多くなると、樹脂組成物(例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物)を射出成形する際に溶融した樹脂組成物の流動性が低下したり、耐衝撃性が低下したりするといった不具合が起こることがある。
耐衝撃性向上剤は、前記樹脂組成物の耐衝撃性を向上させる目的で添加される。耐衝撃性向上剤は、単独では、例えば、ポリカーボネート樹脂の靭性の改善や伸度の改善に効果があり、ポリカーボネート樹脂とAS樹脂の混合系では、両者に相溶して、あるいは一部反応して相溶性を改善し、樹脂混合物の力学物性や成形性を改善する。
耐衝撃性向上剤としては、通常、樹脂改質の用途(ゴム状弾性体や熱可塑性エラストマー、相溶化剤など)に用いられている材料を用いることが可能である。例えば、ABS樹脂、HIPS樹脂、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、メタクリル酸メチル−スチレン樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン(MBS)樹脂、イソプレン−スチレンゴム、イソプレンゴム、ポリブタジエン(PB)、ブタジエン−アクリルゴム、イソプレン−アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴムなどのゴム状弾性体と、これ以外に、ポリスチレン系(SBC)、塩ビ系(TPVC)、ポリオレフィン系(TPO)、ポリウレタン系(PU)、ポリエステル系(TPEE)、ニトリル系、ポリアミド系(TPAE)、フッ素系、塩素化ポリエチレン系(CPE)、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、トランス−1,4−イソプレン、シリコーン系、塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイ、エステルハロゲン系ポリマーアロイなどの熱可塑性エラストマーを挙げることができる。さらに具体的には、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS:水添スチレン系熱可塑性エラストマー)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEPS:水添スチレン系熱可塑性エラストマー)、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−水素化ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ビニルオキサゾリン共重合体、エポキシ化スチレン系エラストマーなどのスチレン系と、アクリロニトリル−ブタジエンポリマーをグラフトしたポリカーボネート、C5−C9留分の重合により得られる石油系樹脂、ゴム微粒子のポリマーによる表面修飾物、粒子状のゴムの外部にグラフト層を持ったコアシェルタイプの衝撃耐向上剤でゴム成分がブタジエンゴム系、アクリルゴム系、シリコーン−アクリル複合ゴム系のものなどを好ましい組み合わせとして挙げることができる。
これら耐衝撃性向上剤のうち、ABS樹脂、HIPS樹脂、及びスチレン系熱可塑性エラストマーが特に好ましく、スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、SEBS、SEPS、SBS、スチレン−水素化ブタジエン−スチレン共重合体、SIS、スチレン−ビニルオキサゾリン共重合体、及びエポキシ化スチレン系エラストマーが挙げられる。これらの中で、SEBSが最も好適である。
なお、上述した耐衝撃性向上剤は、単独で用いてもよく複数種を組み合わせて用いてもよい。
難燃性樹脂組成物中の耐衝撃向上剤の含有量(重量%)は、0.2〜10であり、より好ましくは0.5〜7.5であり、さらに好ましくは、1〜5%である。
10より多くなると、樹脂組成物(例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物)の難燃性と流れ性が低下する。
前記樹脂組成物は、例えば、下記のようにして製造することができる。まず、前記樹脂材料及び各種添加剤を混合する。この際、例えば、タンブラー、リブレンダー、ミキサー、押出機、コニーダなどといった混練装置にて略均一に分散させる。次に、この混合物を、射出成形、射出圧縮成形、押出成形、ブロー成形、真空成形、プレス成形、発泡成形、あるいは超臨界成形などといった成形法により、所定の形状、例えば、家電、自動車、情報機器、事務機器、電話機、文房具、家具、あるいは繊維などの各種製品の筐体や部品材の形状に成形し、前記樹脂組成物を得ることが出来る。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明する。実施例は、本発明を説明するものであり、制限を加えるものではない。
実施例1
1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリメトキシシラン(アヅマックス株式会社)2.0g(5ミリモル)、3−(トリメトキシシリル)プロパン−1−チオール(チッソ株式会社)2.5g(12.8ミリモル)、フェニルトリメトキシシラン(東京化成株式会社)1.68g(8.5ミリモル)をエタノール10gに溶解させた後、オルガノシリカゾル(日産化学製、30%メタノール溶液)15.0g、水2.5gを加え24時間加熱還流した。冷却後過酸化水素水(三徳化学工業株式会社製、30%水溶液)9g(79.4ミリモル)を加え24時間加熱還流することにより、C13CHCH−Si(−O−)基、HOSCHCHCH−Si(−O−)基及びC−Si(−O−)で修飾されたシリカゾルエタノール溶液を得た。この溶液を水酸化カリウムのイソプロパノール溶液(0.5N水酸化カリウムエタノール溶液/イソプロパノール=30g/100g)の中に滴下し生じた沈殿をろ過後、イソプロパノール、アセトンで洗浄後乾燥粉砕することによりC13CHCH−Si(−O−)基、KOSCHCHCH−Si(−O−)基及びC−Si(−O−)で修飾されたシリカナノ粒子を8.3g得た。
実施例2
1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリメトキシシラン(アヅマックス株式会社)4.0g(10ミリモル)、3−(トリメトキシシリル)プロパン−1−チオール(チッソ株式会社)1.67g(8.5ミリモル)、フェニルトリメトキシシラン(東京化成株式会社)1.68g(8.5ミリモル)をエタノール10gに溶解させた後、オルガノシリカゾル(日産化学製、30%メタノール溶液)15.0g、水2.5gを加え24時間加熱還流した。冷却後過酸化水素水(三徳化学工業株式会社製、30%水溶液)6g(52.9ミリモル)を加え24時間加熱還流することにより、C13CHCH−Si(−O−)基、HOSCHCHCH−Si(O−)基及びC−Si(−O−)で修飾されたシリカゾルエタノール溶液を得た。この溶液を水酸化カリウムのイソプロパノール溶液(0.5N水酸化カリウムエタノール溶液/イソプロパノール=30g/100g)の中に滴下し生じた沈殿をろ過後、イソプロパノール、アセトンで洗浄後乾燥粉砕することにより1H,C13CHCH−Si(−O−)基、KOSCHCHCH−Si(−O−)基及びC−Si(−O−)で修飾されたシリカナノ粒子を8.9g得た。
実施例3
(1)3−(トリメトキシシリル)プロパン−1−チオール(チッソ株式会社)10.0g(51.0ミリモル)、p−スチレンスルホン酸エチルエステル(東ソー有機化学、純度90%)12.0g(51.0ミリモル)を及びアゾビスイソブチロニトリル0.42g(2.55ミリモル)をエタノール72gに溶かし反応系内をアルゴンで置換後、一晩加熱還流することにより、下記化合物(4)を含有するエタノール溶液を94g得た。
S−C−CHCHSCHCHCHSi(OCH(4)
(2)(1)で得たエタノール溶液31.5gと1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトキシシラン(アヅマックス株式会社)3.97g(0.05モル)をオルガノシリカゾル(日産化学製、30%イソプロパノール溶液)15.0gに加え、さらに水2.5gを加えて24時間加熱還流することにより、CS−C−CHCHSCHCHCH−Si(−O−)基とC13CHCH−Si(−O−)基で修飾されたエタノールシリカゾルを53g得た。
(3)(2)で得たエタノールシリカゾル26.5g(p−スチレンスルホン酸エチルエステル由来の構造として8.5ミリモル含有)に水酸化カリウム水溶液{水酸化カリウム2.24g(34ミリモル)、水5部}を加え1時間加熱還流した。生じた沈殿をろ過し、エチルアルコール及びアセトンで洗浄乾燥後粉砕することにより、KOS−C−CHCHSCHCHCH−Si(−O−)基とC13CHCH−Si(−O−)基で修飾されたシリカナノ粒子を10.4g得た。
実施例4
実施例3の(2)で得たエタノールシリカゾル26.5g(p−スチレンスルホン酸エチルエステル由来の構造として8.5ミリモル含有)に過酸化水素(三徳化学工業株式会社製、30%水溶液)3g(26ミリモル)を加え24時間加熱還流後、水酸化カリウム水溶液{水酸化カリウム2.24g(34ミリモル)、水5g}を加え1時間加熱還流した。生じた沈殿をろ過し、エチルアルコール及びアセトンで洗浄乾燥後粉砕することにより、KOS−C−CHCHSOCHCHCH−Si(−O−)基とC13CHCH−Si(−O−)基で修飾されたシリカナノ粒子を6.0g得た。
実施例5
1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトキシシラン(アヅマックス株式会社)2.6g(0.05モル)をエタノール40.4gに溶解させた後、オルガノシリカゾル(日産化学製、30%イソプロパノール溶液)6.0g、水1.0gを加え24時間加熱還流することによりC13CHCH−Si(−O−)基で修飾されたシリカナノ粒子を含むエタノール溶液50g得た。
実施例6
(1)1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトキシシラン(アヅマックス株式会社)5.2g(0.1モル)をエタノール80.8gに溶解させた後、オルガノシリカゾル(日産化学製、30%イソプロパノール溶液)12.0g、水2.0gを加え24時間加熱還流することによりC13CHCH−Si(−O−)基で修飾されたシリカゾル100.0gを得た。
(2)3,5−ジメチルピラゾール4.81g(0.05モル)と3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン12.35g(0.05モル)を脱水酢酸エチル100gに溶かし、室温で3日間撹拌した。反応終了後酢酸エチルを除去することにより3−イソシアナートプロピルトリエトキシシランのイソシアナート基を3,5−ジメチルピラゾールでブロックしたブロックドイソシアナート化合物16.8gを得た。
(3)(1)で得たC13CHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液49.0gに(2)で得たブロックドイソシアナート化合物1.0gを加えて室温で3日間撹拌することにより、C13CHCH−Si(−O−)基とブロックドイソシアナート基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
(4)(3)で得たエタノール溶液50gを水100gで希釈することにより、C13CHCH−Si(−O−)基とブロックイソシアナート基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルの水分散液を得た。
実施例7
(1)実施例6の(1)で得たC13CHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液49.0gに3−(トリメトキシシリル)プロパン−1−チオール(チッソ株式会社)1.0g(5.1ミリモル)を加えて室温で3日間撹拌することにより、C13CHCH−Si(−O−)基とHSCHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
(2)上記イソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液12.5gと、実施例6の(3)で得たイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液12.5gを混合してエタノール25gで希釈することにより、C13CHCH−Si(−O−)基とブロックドイソシアナート基及びHSCHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
実施例8
(1)実施例6の(1)において、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトキシシラン(アヅマックス株式会社)の代わりに、国際公開2009/087981号の実施例1に従って合成したC17−CHCH−OCO−CHCH−S−CHCHCH−Si(OCH3.6g、エタノール88.4gを用いて同様の操作をすることによりC17−CHCH−OCO−CHCH−S−CHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液100.0gを得た。
(2)(1)で得たC17−CHCH−OCO−CHCH−S−CHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液49.0gに実施例6の(2)で得たブロックドイソシアナート化合物1.0gを加えて室温で3日間撹拌することにより、C17−CHCH−OCO−CHCH−S−CHCHCH−Si(−O−)基とブロックドイソシアナート基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
(3)(1)で得たC17−CHCH−OCO−CHCH−S−CHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液49.0gに3−(トリメトキシシリル)プロパン−1−チオール(チッソ株式会社)1.0g(5.1ミリモル)を加えて室温で3日間撹拌することにより、C17−CHCH−OCO−CHCH−S−CHCHCH−Si(−O−)基とHSCHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
(4)上記(2)及び(3)で得たイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液それぞれ12.5gを混合してエタノール25.0gで希釈することによりC17−CHCH−OCO−CHCH−S−CHCHCH−Si(−O−)基とブロックドイソシアナート基及びHSCHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
実施例9
実施例8の(1)〜(4)において、C17−CHCH−OCO−CHCH−S−CHCHCH−Si(OCHの代わりに、国際公開2009/087981号の実施例3に従って合成したC17−CHCH−OCONH−CHCHCH−Si(OC3.6g、エタノール88.4gを用いて同様の操作をすることによりC17−CHCH−OCONH−CHCHCH−Si(−O−)基とHSCHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
実施例10
実施例8の(1)〜(4)において、C17−CHCH−OCO−CHCH−S−CHCHCH−Si(OCHの代わりに国際公開2009/087981号の実施例4に従って合成したC−CHCH−OCO−CH(CH)CH−S−CHCHCH−Si(OCH2.6g、エタノール89.4gを用いて同様の操作をすることによりC−CHCH−OCO−CH(CH)CH−S−CHCHCH−Si(−O−)基とブロックドイソシアナート基及びHSCHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
実施例11
実施例8の(1)〜(4)において、C17−CHCH−OCO−CHCH−S−CHCHCH−Si(OCHの代わりに国際公開2009/087981号の実施例8に従って合成したC−CHCH−OCONH−CHCHCH−Si(OC2.6g、エタノール89.4gを用いて同様の操作をすることによりC−CHCH−OCONH−CHCHCH−Si(O−)基とブロックドイソシアナート基及びHSCHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
実施例12
実施例8の(1)〜(4)において、C17−CHCH−OCO−CHCH−S−CHCHCH−Si(OCHの代わりに国際公開2009/087981号の実施例20に従って合成したC−SCHCHOCONH−CHCHCH−Si(OC2.7g、エタノール89.3gを用いて同様の操作をすることによりC−SCHCHOCONH−CHCHCH−Si(−O−)基とブロックドイソシアナート基及びHSCHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
実施例13
実施例8の(1)〜(4)において、C17−CHCH−OCO−CHCH−S−-CHCHCH−Si(OCHの代わりに国際公開2009/087981号の実施例23に従って合成したC−SCHCHNHCONH−CHCHCH−Si(OC2.7g、エタノール89.3gを用いて同様の操作をすることによりC−SCHCHNHCONH−CHCHCH−Si(−O−)基とブロックドイソシアナート基及びHSCHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
実施例14
実施例8の(1)〜(4)において、C17−CHCH−OCO−CHCH−S−CHCHCH−Si(OCHの代わりに国際公開2009/087981号の実施例44に従って合成したC−SO−CHCHOCONH−CHCHCH−Si(OC2.9g、エタノール89.1gを用いて同様の操作をすることによりC−SO−CHCHOCONH−CHCHCH−Si(−O−)基とブロックドイソシアナート基及びHSCHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
実施例15
実施例8の(1)〜(4)において、C17−CHCH−OCO−CHCH−S−CHCHCH−Si(OCHの代わりに国際公開2009/087981号の実施例50に従って合成したC−S−C−OCH−C−CHCH−S−CHCHCH−Si(OCH3.3g、エタノール88.7gを用いて同様の操作をすることによりC−S−C−OCH−C−CHCH−S−CHCHCH−Si(−O−)基とブロックドイソシアナート基及びHSCHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
実施例16
実施例8の(1)〜(4)において、C17−CHCH−OCO−CHCH−S−CHCHCH−Si(OCHの代わりに国際公開2009/087981号の実施例52に従って合成したCCHCH−S−C−OCH−C−CHCHSCHCHCHSi(OCH3.4g、エタノール88.6gを用いて同様の操作をすることによりCCHCH−S−C−OCH−C−CHCHSCHCHCHSi(−O−)基とブロックドイソシアナート基及びHSCHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
実施例17
実施例8の(1)〜(4)において、C17−CHCH−OCO−CHCH−S−CHCHCH−Si(OCHの代わりに国際公開2009/087981号の実施例53に従って合成したC−S−C−NHCONH−CHCHCH−Si(OC3.0g、エタノール89.0gを用いて同様の操作をすることによりC−S−C−NHCONH−CHCHCH−Si(−O−)基とブロックドイソシアナート基及びHSCHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
実施例18
実施例8の(1)〜(4)において、C17−CHCH−OCO−CHCH−S−CHCHCH−Si(OCHの代わりに国際公開2009/087981号の実施例67に従って合成したC−SO−C−OCH−C−CHCHSCHCHCHSi(OCH3.4g、エタノール88.6gを用いて同様の操作をすることによりC−SO−C−OCH−C−CHCHSCHCHCHSi(−O−)基とブロックドイソシアナート基及びHSCHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
実施例19
実施例8の(1)〜(4)において、C17−CHCH−OCO−CHCH−S−CHCHCH−Si(OCHの代わりに国際公開2009/087981号の実施例68に従って合成したC−CHCH−SO−C−OCH−C−CHCHSCHCHCHSi(OCH3.6g、エタノール88.4gを用いて同様の操作をすることによりC−CHCH−SO−C−OCH−C−CHCHSCHCHCHSi(−O−)基とブロックドイソシアナート基及びHSCHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
実施例20
(1)実施例6の(1)で得たC13CHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液49.0gに3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(チッソ株式会社)1.0g(5.1ミリモル)を加えて室温で3日間撹拌することにより、C13CHCH−Si(−O−)基と3−グルシドキシ基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
(2)上記イソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液12.5gと、実施例7の(1)で得たイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液12.5gを混合してエタノール25gで希釈することにより、C13CHCH−Si(−O−)基と3−グルシドキシ基及びHSCHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
実施例21
(1)実施例6の(1)において、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトキシシラン(アヅマックス株式会社)の代わりに、国際公開2009/087981号の実施例1に従って合成したC17−CHCH−OCO−CHCH−S−CHCHCH−Si(OCH3.6g、過酸化水素水(三徳化学工業株式会社製、30%水溶液)2.0g、エタノール86.4gを用いて同様の操作をすることによりC17−CHCH−OCO−CHCH−SO−CHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液100.0gを得た。
(2)(1)で得たC17−CHCH−OCO−CHCH−SO−CHCHCH−Si(O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液49.0gに実施例6の(2)で得たブロックドイソシアナート化合物1.0gを加えて室温で3日間撹拌することにより、C17−CHCH−OCO−CHCH−SO−CHCHCH−Si(−O−)基とブロックドイソシアナート基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
(3)(1)で得たC17−CHCH−OCO−CHCH−SO−CHCHCH−Si(O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液49.0gに3−(トリメトキシシリル)プロパン−1−チオール(チッソ株式会社)1.0g(5.1ミリモル)を加えて室温で3日間撹拌することにより、C17−CHCH−OCO−CHCH−SO−CHCHCH−Si(−O−)基とHSCHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
(4)上記(2)及び(3)で得たイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液それぞれ12.5gを混合してエタノール25.0gで希釈することによりC17−CHCH−OCO−CHCH−SO−CHCHCH−Si(−O−)基とブロックドイソシアナート基及びHSCHCHCH−Si(−O−)基で修飾されたイソプロパノールシリカゾルを含むエタノール溶液50.0gを得た。
比較例1
1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトキシシラン(アヅマックス株式会社)2.6g(0.01モル)をエタノール溶液(エタノール45.9g、水1g、酢酸0.5g)に溶解させ24時間還流させることにより、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクチルトリエトキシシランの加水分解物を含有するエタノール溶液50.0gを得た。
[樹脂ペレットの製造]
上記実施例1〜4で得た修飾シリカナノ粒子及びポリカーボネート樹脂(パンライトL−1225L:帝人化成工業社製)を表2に示した割合でドライブレンドし、2軸混練機(テクノベル社製 KZW15−30MG)に供給し、スクリュー回転数100rpm、吐出量15g/分、シリンダー温度200〜230℃の条件で混練した。ストランド状に押し出された溶融樹脂をペレタイザーでペレット化して、ポリカーボネート樹脂組成物(難燃性樹脂組成物)のペレットを得た。
[試験片の作製]
上述の製造方法で得られたペレットを真空ホットプレス機(テスター産業社製)により、減圧下(0.01MPa),135℃で5分間予熱した後、1分間プレスすることにより厚み1.6mmのポリカーボネート樹脂組成物の板を得た。ステージが155℃、カッターの刃が150℃に加熱したダンベルカッター(Dumb Bell SDL−200)で長さ125mm、幅13mm、厚さ1.6mmのUL94試験用試験片を成形した。
[難燃性評価]
各ポリカーボネート樹脂組成物の難燃性評価は、上述の方法で得られた試験片を米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)が定めているUL94試験に準拠して行った。UL94Vとは、鉛直に保持した所定の大きさの試験片に高さ20mmの炎を10秒間節煙した後の残炎時間やドリップによる脱脂綿の綿着火から難燃性を評価する方法であり、V−0,V−1およびV−2の難燃性を有するためには、以下の表1に示す基準を満たすことが必要となる。
Figure 0006326258
ここでの残炎時間とは着火源を遠ざけた後の、試験片の有炎燃焼を続ける時間である。また、ドリップによる綿着火とは、試験片の下端から約300mm下にある標識用の綿が、試験片からの滴下(ドリップ)物によって着火されるか否かによって決定される。さらに5試料のうち、1つでも上記基準を満たさないものがある場合、V−2を満足しないとしてNot Vと評価した。結果を表2に示した。なお、表2中にはUL94試験結果を「難燃性」として表記した。
[透明性評価]
上述の製造方法で得た厚み1.6mmのポリカーボネート樹脂組成物の板を目視し、ヘイズがないもしくは非常に少ないポリカーボネート組成物は「高い」とし、ヘイズがあるものは「ヘイズ有り」として、表2中の「透明性」に表記した。
Figure 0006326258
[撥水性評価]
(1)スライドガラス{76mm、26mm、1.2mm;水酸化ナトリウムの2−プロパノール飽和溶液に24時間浸漬した後、水洗し、乾燥(60℃、2時間)したもの}を実施例5および比較例1で得た溶液(表面撥水剤)を塗布し、130℃、1間加熱処理した表面撥水化スライドガラスを得た。
(2)ポリエステル布(100mm四方)を実施例6および比較例1で得た溶液に浸し、130℃、1時間加熱処理して撥水化ポリエステル布を得た。
(3)研磨した鉄板(50mm×20mm、厚さ1mm)を実施例7〜12および比較例1で得た溶液を塗布し、150℃、1時間加熱処理して撥水化鉄板を得た。
(4)ポリカーボネート板(25mm×85mm、厚さ1mm)を実施例13〜16および比較例1で得た溶液を塗布し、130℃、1時間加熱処理して撥水化ポリカーボネート板を得た。
(5)ポりエチレンテレフタレートシート(25mm×85mm、厚さ100μm)を実施例17〜21および比較例1で得た溶液を塗布し、130℃、1時間加熱処理して撥水化ポリエチレンテレフタレートシートを得た。
接触角測定装置{協和界面化学株式会社、DROP MASTER 500、液適量2μL、測定間隔1000ms、測定回数30回}で、表面撥水化スライドガラス及び撥水化ポリエステル布の表面の任意の5箇所について、接触角(度)を測定し、平均値を算出した。結果を表3に示した。
Figure 0006326258
表2から、本発明の難燃剤は難燃効果が大きく、また表3から、本発明の撥水剤は従来の撥水剤より撥水効果が高いことが明らかである。また実施例7〜20の場合布で擦っても撥水性は低下しなかったが、比較例1で構造体が鉄板、ポリカーボネート板及びポリエチレンテレフタレートシートの場合撥水性が低下した。本発明の撥水剤は基板との密着性が良く耐久性が高いことが明らかである。
本発明の修飾金属酸化物ゾルは難燃効果及び撥水効果が大きく、添加あるいはコーティング可能で安価に製造出来るため、難燃化剤、撥水剤として好適である。また撥水剤としてコーティングする場合、金属やプラスチックに対する接着性が高い。

Claims (13)

  1. 下記式(1)で表される官能基で修飾され、下記式(3)で表される官能基で、さらに修飾されたことを特徴とする修飾金属酸化物ナノ粒子。
    2m+1−X−R−Y−Si(CH(−O−)3−n (1)
    {式中、mは1〜12の整数であり、Xは単結合、−S−、−SO−、−SO−、−CHCHS−、−CHCHSO−又は−CHCHSO−であり、Rは炭素数1〜10のアルキレン基、フェニレン基又はフェニレンオキシメチレンフェニレン基であり、Yは単結合、−OCONH(CH−、NHCONH(CH−、−OCO(CHS(CH−、−OCO(CHSO(CH−、−OCO(CHSO(CH−、−OCOCH(CH)CHS(CH−、−OCOCH(CH)CHSO(CH−、−OCOCH(CH)CHSO(CH−−(CHS(CH−、−(CHSO(CH−又は−(CHSO(CH−であり、nは0又は1を表す。}
    MOS(=O) −R −Si(CH (−O−) 3−n (3)
    {式中、Mは水素イオン、炭素数1〜4のアルキル基、金属イオン又はアンモニウム(NR )基、R は炭素数1〜10のアルキレン基(本アルキレン鎖中に、ウレタン結合又はウレア結合を含有していても良い)、−C (CH S(CH −、−C (CH SO(CH −又は−C (CH SO (CH −であり、R は同一或いは異なってもよい炭素数1〜5のアルキル基又は水素原子であり、nは0又は1を表す。}
  2. 下記式(2)で表される官能基で、さらに修飾された請求項1に記載の修飾金属酸化物ナノ粒子。
    −(R−Si(CH(−O−)3−n (2)
    {式中、Xは、炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基、ビニル基、チオール基、アミノ基、塩素原子、アクリル基、メタクリル基、スチリル基、フェニル基、グリシドキシ基、3,4-エポキシシクロヘキシル基及びブロック化イソシアネート基からなる群から選ばれる官能基であり、Rは炭素数1〜5のアルキレン基であり、mは0又は1であり、nは0又は1を表す。}
  3. 金属酸化物ナノ粒子がオルガノシリカゾルである請求項1又は2に記載の修飾金属酸化物ナノ粒子。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の修飾金属酸化物ナノ粒子を含有する撥水撥油剤。
  5. 形態が溶液又は固体である請求項に記載の撥水撥油剤。
  6. 請求項又はに記載の撥水撥油剤を含有あるいはコーティングされた構造体。
  7. 構造体が繊維、樹脂、皮革、毛皮、ガラス、セラミックス又は金属である請求項に記載の構造体。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の修飾金属酸化物ナノ粒子を含有する難燃剤。
  9. 形態が溶液又は固体である請求項に記載の難燃剤。
  10. 請求項又はに記載の難燃剤と樹脂からなる難燃性樹脂組成物。
  11. 請求項10に記載の難燃性樹脂組成物を成形してなる成形体。
  12. 請求項又はに記載の難燃剤を含有あるいはコーティングされた構造体。
  13. 構造体が繊維、樹脂、皮革、毛皮、ガラス、セラミックス又は金属である請求項12に記載の構造体。
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