JP6324961B2 - 血清群b髄膜炎菌とd/t/pとの組み合わせワクチン - Google Patents

血清群b髄膜炎菌とd/t/pとの組み合わせワクチン Download PDF

Info

Publication number
JP6324961B2
JP6324961B2 JP2015530398A JP2015530398A JP6324961B2 JP 6324961 B2 JP6324961 B2 JP 6324961B2 JP 2015530398 A JP2015530398 A JP 2015530398A JP 2015530398 A JP2015530398 A JP 2015530398A JP 6324961 B2 JP6324961 B2 JP 6324961B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
seq
present
alkyl
toxoid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015530398A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015529212A (ja
Inventor
バールバラ バウドナー,
バールバラ バウドナー,
デレク オーヘイガン,
デレク オーヘイガン,
シン, マンモハン
マンモハン シン,
シモーネ ブファーリ,
シモーネ ブファーリ,
Original Assignee
ノバルティス アーゲー
ノバルティス アーゲー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ノバルティス アーゲー, ノバルティス アーゲー filed Critical ノバルティス アーゲー
Publication of JP2015529212A publication Critical patent/JP2015529212A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6324961B2 publication Critical patent/JP6324961B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/02Bacterial antigens
    • A61K39/095Neisseria
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/39Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by the immunostimulating additives, e.g. chemical adjuvants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/04Immunostimulants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/555Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by a specific combination antigen/adjuvant
    • A61K2039/55505Inorganic adjuvants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/555Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by a specific combination antigen/adjuvant
    • A61K2039/55511Organic adjuvants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/555Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by a specific combination antigen/adjuvant
    • A61K2039/55511Organic adjuvants
    • A61K2039/55566Emulsions, e.g. Freund's adjuvant, MF59
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/555Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by a specific combination antigen/adjuvant
    • A61K2039/55511Organic adjuvants
    • A61K2039/55572Lipopolysaccharides; Lipid A; Monophosphoryl lipid A
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/60Medicinal preparations containing antigens or antibodies characteristics by the carrier linked to the antigen
    • A61K2039/6031Proteins
    • A61K2039/6037Bacterial toxins, e.g. diphteria toxoid [DT], tetanus toxoid [TT]

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

本願は、2012年9月6日に出願された米国仮特許出願第61/697,756号の優先権の利益を請求し、その全ての完全な内容は、本開示によって全ての目的について参照により本開示に組み込まれる。
本発明は、組み合わせワクチン、すなわち、ワクチンを投与することにより対象を2種以上の病原体に対して同時に免疫することができるように、2種以上の病原体由来の混合した免疫原を含有するワクチンの分野にある。
単一用量内に2種以上の病原性生物由来の抗原を含有するワクチンは、「多価」または「組み合わせ」ワクチンとして公知である。ジフテリア、破傷風および百日咳に対する防御のための三価ワクチン、または麻疹、流行性耳下腺炎および風疹に対する防御のための三価ワクチンを含めた種々の組み合わせワクチンのヒトへの使用が認可されている。これらのワクチンにより、特に小児患者において、患者に、注射を受ける回数が減るという利点がもたらされ、これにより、コンプライアンスが上昇するという臨床的な利点が生じ得る(例えば、参考文献1の29章を参照されたい)。
新しい組み合わせワクチンを提供する際の難点の1つは、混合された成分間に物理的因子または化学的因子に起因し得る有害なワクチン−ワクチン相互作用が起こる可能性があることである。例えば、参考文献2は、抗原を組み合わせた場合の免疫原性の潜在的な変更について論じており、参考文献3は、組み合わせワクチンの開発が、現存する抗原を単純に混合することをはるかに超えるものであることを報告している。同様に、参考文献4では、種々の臨床的に関連する相互作用が総説されており(参考文献5も参照されたい)、参考文献6では、組み合わせワクチンを作製する際に生じる技術的難題が総説されている。
Vaccines. (eds. Plotkin & Orenstein). 4th edition, 2004, ISBN: 0−7216−9688−0. Insel (1995) Ann N Y Acad Sci. 754:35−47. Andre (1999) Vaccine 17:1620−1627. Gizurarson (1998) BioDrugs 9:443−453. European Commission COST/STD initiative (1996) Vaccine 14:691−700. Skibinski et al. (2011) J Global Infect Dis 3:63−70.
本発明の目的は、さらなる改善された組み合わせワクチン、特に血清群B髄膜炎菌および他の病原体に対して防御することができる組み合わせワクチンを提供することである。
本発明者らは、血清群B髄膜炎菌抗原をジフテリアトキソイド、破傷風トキソイドおよび百日咳トキソイド(「DTP」)と首尾よく組み合わせて、複数の病原体に対する防御に有効な組み合わせワクチンを提供することができることを示した。種々の異なるアジュバントにより、ならびに小児型DTP比および追加免疫型DTP比の両方により、これらの組合せが有効である。アジュバントは、組成物が惹起する免疫応答を改善することができる;あるいは、アジュバントを含めることにより、組成物が、抗原の量が比較的低いが、それにもかかわらずアジュバント化していない組み合わせワクチンに匹敵する免疫原性を有することが可能になる。
したがって、本発明は、一般に、(a)血清群B髄膜炎菌免疫原、ならびに(b)ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、および/または百日咳トキソイドのうちの少なくとも1つを含む免疫原性組成物を提供する。組成物は、通常は、アルミニウム塩または水中油エマルションなどのアジュバントも含む。成分(b)はジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、および百日咳トキソイドの3つ全てを含むことが好ましい。一部の実施形態では、成分(b)は(Lf単位で測定して)破傷風トキソイドよりも多いジフテリアトキソイドを含むが、他の実施形態では、成分(b)はジフテリアトキソイドよりも多い破傷風トキソイドを含む。
第1の実施形態では、本発明は、(a)血清群B髄膜炎菌免疫原、(b)ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、および百日咳トキソイド、ならびに(c)アジュバントを含む免疫原性組成物を提供する。アジュバントは、アルミニウム塩アジュバント、TLRアゴニスト、または水中油エマルションのうちの1つまたは複数を含んでよい。
第2の実施形態では、本発明は、(a)血清群B髄膜炎菌免疫原、ならびに(b)ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、および百日咳トキソイドを含む免疫原性組成物であって、Lf単位で測定して、ジフテリアトキソイドが破傷風トキソイドと比較して過剰に存在する免疫原性組成物を提供する。この組成物はアジュバントも含んでよく、このアジュバントは、アルミニウム塩アジュバント、TLRアゴニスト、または水中油エマルションのうちの1つまたは複数を含んでよい。
第3の実施形態では、本発明は、(a)血清群B髄膜炎菌免疫原、ならびに(b)ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、および百日咳トキソイドを含む免疫原性組成物であって、Lf単位で測定して、破傷風トキソイドがジフテリアトキソイドと比較して過剰に存在する免疫原性組成物を提供する。この組成物はアジュバントも含んでよく、このアジュバントは、アルミニウム塩アジュバント、TLRアゴニスト、または水中油エマルションのうちの1つまたは複数を含んでよい。
本発明の組成物は、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、および百日咳トキソイドに加えて、抗原を含んでよく、この抗原は、例えば、Hib莢膜糖(理想的にはコンジュゲートしたもの)、HBsAg、IPV、髄膜炎菌の莢膜糖(理想的にはコンジュゲートしたもの)などを含んでよい。
本願の特定の実施形態においては、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
(a)血清群B髄膜炎菌免疫原、(b)ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、および/または百日咳トキソイドのうちの少なくとも1つ、ならびに(c)(i)アルミニウム塩とTLRアゴニストの組合せまたは(ii)水中油エマルションから選択されるアジュバントを含む免疫原性組成物。
(項目2)
成分(b)が、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、および百日咳トキソイドの3つ全てを含む、項目1に記載の組成物。
(項目3)
成分(b)が、Lf単位で測定して、破傷風トキソイドよりも多いジフテリアトキソイドを含む、項目2に記載の組成物。
(項目4)
成分(b)が、Lf単位で測定して、破傷風トキソイドよりも少ないジフテリアトキソイドを含む、項目2に記載の組成物。
(項目5)
(a)血清群B髄膜炎菌免疫原、ならびに(b)ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、および百日咳トキソイドを含む免疫原性組成物であって、Lf単位で測定して、前記ジフテリアトキソイドが破傷風トキソイドと比較して過剰に存在する、免疫原性組成物。
(項目6)
アジュバントを含む、項目5に記載の組成物。
(項目7)
(a)血清群B髄膜炎菌免疫原、ならびに(b)ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、および百日咳トキソイドを含む免疫原性組成物であって、Lf単位で測定して、前記破傷風トキソイドがジフテリアトキソイドと比較して過剰に存在する、免疫原性組成物。
(項目8)
アジュバントを含む、項目7に記載の組成物。
(項目9)
前記アジュバントが、(i)1つまたは複数のアルミニウム塩、(ii)TLRアゴニスト、または(iii)水中油エマルションを含む、項目6または8に記載の組成物。
(項目10)
成分(a)に髄膜炎菌fHbpタンパク質を含む、項目1〜9のいずれかに記載の組成物。
(項目11)
成分(a)に髄膜炎菌fHbpタンパク質、NHBAタンパク質およびNadAタンパク質を含む、項目10に記載の組成物。
(項目12)
前記fHbpが髄膜炎菌小胞に位置する、項目10に記載の組成物。
血清群B髄膜炎菌免疫原
本発明の免疫原性組成物は血清群B髄膜炎菌免疫原を含む。ヒト(または適切な動物モデル)に投与すると、免疫原は殺菌性免疫応答を惹起し得る。これらの免疫原は、タンパク質、リポ糖(liposaccharide)、または小胞であってよい。
種々の血清群B髄膜炎菌タンパク質免疫原は、これだけに限定されないが、BEXSERO(商標)製品に見いだされるNHBA、fHbpおよびNadAを含め、当技術分野で公知である[7、8]。本発明の組成物に含めることができるさらなるタンパク質免疫原は、HmbR、NspA、NhhA、App、Omp85、TbpA、TbpB、Cu,Zn−スーパーオキシドジスムターゼ、およびZnuDである。これらの免疫原のさらなる詳細を以下で論じる。
ワクチンは、これらの種々の免疫原のうちの1つまたは複数を含んでよく、例えば、ワクチンは、NHBA、fHbpおよびNadAのそれぞれを含んでよい。ワクチンは、単一の免疫原のバリアント形態も含んでよく、例えば、ワクチンは、髄膜炎菌fHbpの2つ以上のバリアント(すなわち、配列が異なる2つのfHbpタンパク質[191、9])を含んでよい。
血清群B髄膜炎菌タンパク質免疫原は融合タンパク質として存在してよい。例えば、BEXSERO(商標)製品は、2つの融合タンパク質を含む:配列番号4はNMB2091とfHbpの融合物であり、配列番号5はNHBAとNMB1030の融合物である。有用な融合タンパク質の1つは配列番号19であり、これはNMB2091およびfHbpの2つのコピーを含む。
血清群B免疫原の2つの有用な組合せは、NHBA、例えば配列番号5;fHbp、例えば配列番号4または配列番号19のいずれか;およびNadA、例えば配列番号6を含む。他の有用な組合せは、配列番号5、4、19および6とはそれぞれ最大で5アミノ酸が異なるが、配列番号5、4、19および6を認識する抗体を惹起する能力を保持するタンパク質を含む。
少なくとも1つのfHbp免疫原を含む組成物、例えば、2つの異なるfHbp配列を含有する組成物が好ましい。適切なfHbpの組合せの詳細を以下で論じる。
したがって、本発明の組成物は、(a)参考文献8において「5CVMB」として開示されている3種の血清群B髄膜炎菌タンパク質免疫原の混合物または(b)参考文献10において「rLP2086」として開示されている血清群B髄膜炎菌タンパク質免疫原の混合物を含むことが有用であり得る。
通常、血清群B髄膜炎菌免疫原は、精製された可溶性組換えタンパク質である。しかし、一部の実施形態では、血清群B髄膜炎菌免疫原は髄膜炎菌小胞中に存在してよい。したがって、組成物は、髄膜炎菌小胞、すなわち、髄膜炎菌の外膜を破壊して、または髄膜炎菌の外膜からブレブを形成して外膜由来の抗原を保持する小胞を形成することによって得られる任意のプロテオリポソーム性小胞を含んでよい。したがって、この用語は、例えば、OMV(時には「ブレブ」と称される)、微小胞(MV)および「ネイティブなOMV」(「NOMV」)を含む。種々のそのような小胞が当技術分野で公知であり(例えば、参考文献11〜25を参照されたい)、これらはいずれも、本発明の組成物の中に含めることができる。これらの小胞のさらなる詳細が以下に示されている。しかし、一部の実施形態では、組成物は小胞を含まない。
本発明の組成物は投与した後に、血清殺菌アッセイを惹起することができることが好ましい。これらの応答はマウスにおいて都合よく測定され、ワクチンの有効性に関する標準の指標である。血清殺菌活性(SBA)では補体によって媒介される細菌の死滅を測定するものであり、ヒトまたは仔ウサギの補体を使用してアッセイすることができる。例えば、組成物により、レシピエントの90%超でSBAの少なくとも4倍の上昇が誘導され得る。
本発明の組成物は、ヒトにおいて血清群B髄膜炎菌に対して防御する免疫応答を惹起することができることが好ましい。例えば、ワクチンは、少なくとも、広く入手可能であり(例えばATCC BAA−335)、参考文献26において配列決定された株であるMC58などのプロトタイプ血清群B株に対して防御する免疫応答を惹起し得る。他の株も使用することができるが、MC58に対する応答は容易に試験することができる。
ジフテリアトキソイド
ジフテリアは、胞子を形成しないグラム陽性好気性菌であるCorynebacterium diphtheriaeによって引き起こされる。この生物は、もはや毒性ではないが抗原性は残っており、注射後に特異的な抗毒素抗体の産生を刺激することができるトキソイドが生じるように処理する(例えばホルムアルデヒドを使用して)ことができる、プロファージにコードされるADPリボシル化外毒素(「ジフテリア毒素」)を発現する。ジフテリアトキソイドは、参考文献1の13章においてより詳細に開示されている。好ましいジフテリアトキソイドは、ホルムアルデヒド処理によって調製されたものである。ジフテリアトキソイドは、C.diphtheriaeを、ウシ抽出物を補充することもある増殖培地(例えばFenton培地、またはLinggoudおよびFenton培地)で増殖させ、その後、ホルムアルデヒド処理し、限外濾過し、沈殿させることによって得ることができる。次いで、トキソイド化した材料を、滅菌濾過および/または透析を含むプロセスによって処理することができる。
組成物は、少なくとも0.01IU/mlの循環ジフテリア抗毒素レベルを惹起するために十分なジフテリアトキソイドを含むべきである。ジフテリアトキソイドの分量は、一般に、1国際単位の抗毒素と混合した際に最適に凝集した混合物が生じる毒素/トキソイドの量と定義される「Lf」単位(「凝集単位(flocculating unit)」、または「限界凝集量(limes flocculating dose)」、または「凝集の限界(limit of flocculation)」)で測定される[27、28]。例えば、NIBSCにより、アンプル当たり300LFを含有する「Diphtheria Toxoid、Plain」[29]が供給されており、また、アンプル当たり900Lfを含有する「The 1st International Reference Reagent For Diphtheria Toxoid For Flocculation Test」[30]も供給されている。組成物中のジフテリアトキソイドの濃度は、凝集アッセイを使用し、そのような参照試薬に対して較正した参照材料と比較することによって容易に決定することができる。
組成物中のジフテリアトキソイドの免疫化の効力は、一般に、国際単位(IU)で表される。効力は、実験動物(典型的にはモルモット)において組成物によってもたらされる防御を、IUで較正された参照ワクチンと比較することによって評価することができる。NIBSCにより、アンプル当たり160IUを含有し、そのようなアッセイを較正するために適した「Diphtheria Toxoid Adsorbed Third International Standard 1999」[31、32]が供給されている。
IU系とLf系の間の変換は、特定のトキソイド調製物に依存する。
本発明の組成物は、典型的には、単位用量当たり1〜40Lfの間のジフテリアトキソイドを含む。小児型組成物では、ジフテリアトキソイドが破傷風トキソイドと比較して過剰に存在し(Lf単位で)、組成物は、一般に、単位用量当たり10〜35Lfの間、例えば15〜30Lfの間、15Lf、25Lfまたは30Lfなどのジフテリアトキソイドを含む。追加免疫型組成物では、破傷風トキソイドがジフテリアトキソイドと比較して過剰に存在し(Lf単位で)、組成物は、一般に、単位用量当たり1〜4Lfの間、例えば1.5〜3Lfの間、2Lfまたは2.5Lfなどのジフテリアトキソイドを含む。組成物がジフテリアトキソイドとコンジュゲートした糖類抗原(複数可)を含む場合には、そのコンジュゲート(複数可)中の担体タンパク質の量はこれらの量から除外される。
IU測定値によると、小児型組成物は、一般に、単位用量当たり≧25IUのジフテリアトキソイドを含み、追加免疫型組成物は、一般に、単位用量当たり1〜3IUを含む。
組成物がアルミニウム塩アジュバントを含む場合には、組成物中のジフテリアトキソイドは、アルミニウム塩アジュバント上に、好ましくは水酸化アルミニウムアジュバント上に吸着していることが好ましい(完全に吸着していることがより好ましい)。
破傷風トキソイド
破傷風は、胞子を形成するグラム陽性桿菌であるClostridium tetaniによって引き起こされる。この生物は、もはや毒性ではないが抗原性は残っており、注射後に特異的な抗毒素抗体の産生を刺激することができるトキソイドを生じるように処理することができるエンドペプチダーゼ(「破傷風毒素」)を発現する。破傷風トキソイドは、参考文献1の27章においてより詳細に開示されている。好ましい破傷風トキソイドは、ホルムアルデヒド処理によって調製されたものである。破傷風トキソイドは、C.tetaniを増殖培地(例えばウシカゼインに由来するLatham培地)で増殖させ、その後、ホルムアルデヒド処理し、限外濾過し、沈殿させることによって得ることができる。次いで、材料を、滅菌濾過および/または透析を含むプロセスによって処理することができる。
組成物は、少なくとも0.01IU/mlの循環破傷風抗毒素レベルを惹起するために十分な破傷風トキソイドを含むべきである。破傷風トキソイドの分量は、一般に、1国際単位の抗毒素と混合した際に、最適に凝集する混合物を生じるトキソイドの量と定義される「Lf」単位で表される(上記を参照されたい)[27]。NIBSCにより、アンプル当たり1000LFを含有する「The 1st International Reference Reagent for Tetanus Toxoid For Flocculation Test」[33]が供給されており、それによって測定値を較正することができる。
破傷風トキソイドの免疫化の効力は、国際単位(IU)で測定され、実験動物(典型的にはモルモット)において組成物によってもたらされる防御を、例えばアンプル当たり469IUを含有するNIBSCの「Tetanus Toxoid Adsorbed Third International Standard 2000」[34、35]を使用して参照ワクチンと比較することによって評価される。
IU系とLf系の間の変換は、特定のトキソイド調製物に依存する。
本発明の組成物は、典型的には、単位用量当たり2.5〜25Lfの間の破傷風トキソイドを含む。小児型組成物では、ジフテリアトキソイドが破傷風トキソイドと比較して過剰に存在し(Lf単位で)、組成物は、一般に、単位用量当たり4〜15Lfの間、例えば5〜10Lfの間、5Lfまたは10Lfなどの破傷風トキソイドを含む。追加免疫型組成物では、破傷風トキソイドがジフテリアトキソイドと比較して過剰に存在し(Lf単位で)、組成物は、一般に、単位用量当たり4〜6Lfの間、例えば5Lfの破傷風トキソイドを含む。組成物が破傷風トキソイドとコンジュゲートした糖類抗原(複数可)を含む場合には、そのコンジュゲート(複数可)中の担体タンパク質の量はこれらの量から除外される。
IU測定値によると、小児型組成物は、一般に、単位用量当たり≧40IUの破傷風トキソイドを含み、追加免疫型組成物は、一般に、単位用量当たり15〜25IUを含む。
組成物がアルミニウム塩アジュバントを含む場合には、組成物中の破傷風トキソイドは、アルミニウム塩上、好ましくは水酸化アルミニウムアジュバント上に吸着している(時には完全に吸着している)ことが好ましい。
百日咳トキソイド
Bordetella pertussisは、百日咳を引き起こす。本発明の組成物は、百日咳トキソイド(「PT」)、すなわち、無毒化した形態の百日咳毒素を含む。本発明では、PT含有全細胞百日咳抗原(「wP」)を使用することができるが、組成物はwPを含まず、その代わりに無細胞(「aP」)PT含有抗原、すなわち、精製された百日咳抗原の規定された混合物を含むことが好ましい。aP抗原を使用する場合、本発明の組成物は、典型的には、PTに加えて、線維状赤血球凝集素(FHA)および/またはパータクチン(「69キロダルトンの外膜タンパク質」としても公知である)を含む。本発明の組成物は、必要に応じて、2型線毛および3型線毛をも含んでよい。これらの種々のPa抗原の調製物は当技術分野において周知である。
PTはホルムアルデヒドおよび/またはグルタルアルデヒドを用いて処理することによって無毒化することができ、FHAおよびパータクチンも同様に処理することができる。PTの化学的無毒化の代わりに、本発明では、変異誘発によって野生型酵素活性を低下させた変異体PT、例えば9K/129G二重変異体[37]を使用することができる[36]。そのような遺伝的に無毒化したPTを使用することが好ましい。
無細胞百日咳抗原の分量は、通常はマイクログラム数で表される。本発明の組成物は、典型的には、単位用量当たり2〜30μgの間のPTを含む。小児型組成物では、PTは単位用量当たり5〜30μgの間(例えば5μg、7.5μg、20μgまたは25μg)で存在してよく、追加免疫型組成物では、組成物は、一般に、単位用量当たり2〜10μgの間(例えば2.5μgまたは8μg)のPTを含む。組成物がFHAを含む場合、単位用量当たり2〜30μgの間で存在することが典型的である。小児型組成物では、FHAは、単位用量当たり2.5〜25μgの間(例えば2.5μg、5μg、10μg、20μgまたは25μg)で存在してよく、追加免疫型組成物では、FHAは、単位用量当たり4〜10μgの間(例えば5μgまたは8μg)で存在してよい。組成物がパータクチンを含む場合、これは、典型的には単位用量当たり2〜10μgの間で存在する。小児型組成物では、パータクチンは、単位用量当たり2.5〜10μgの間(例えば2.5μg、3μg、8μgまたは10μg)で存在してよく、追加免疫型組成物では、パータクチンは、単位用量当たり2〜3μgの間(例えば2.5μgまたは3μg)で存在してよい。
組成物は、通常は、単位用量当たり≦80μgの総無細胞百日咳抗原を含有する。個々の抗原はそれぞれ、通常、単位用量当たり≦30μgで存在する。
通常はPT、FHAおよびパータクチンのそれぞれが本発明の組成物中に存在する。これらは、種々の比(質量で)で、例えば、20:20:3、25:25:8、16:16:5、5:10:6、または10:5:3のPT:FHA:p69比で存在してよい。FHAとパータクチンがどちらも存在する場合、通常はFHAがパータクチンと比較して質量過剰である。
組成物がアルミニウム塩アジュバントを含む場合には、組成物中のPTは、アルミニウム塩上、好ましくは水酸化アルミニウムアジュバント上に吸着している(時には完全に吸着している)ことが好ましい。同様にFHAのいずれもアルミニウム塩に吸着させることができる。パータクチンのいずれもアルミニウム塩アジュバントに吸着させることができるが、パータクチンが存在することは、通常、安定な吸着を確実にするために組成物に水酸化アルミニウムが存在する必要があることを意味する[38]。
Hibコンジュゲート
Haemophilus influenzae type b(「Hib」)は、細菌性髄膜炎を引き起こす。Hibワクチンは典型的には莢膜糖抗原に基づき(例えば参考文献1の14章)、その調製に関しては十分に記録されている(例えば参考文献39〜48)。特に小児に関して、Hib糖類の免疫原性を増強するためにHib糖類を担体タンパク質とコンジュゲートする。典型的な担体タンパク質は、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド、ジフテリアトキソイドのCRM197誘導体、または血清群B髄膜炎菌由来の外膜タンパク質複合体である。破傷風トキソイドは、一般に「PRP−T」と称される製品に使用されている有用な担体である。PRP−Tは、臭化シアンを使用してHib莢膜多糖を活性化し、活性化された糖類をアジピン酸リンカー((1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)など、典型的には塩酸塩)と結合させ、次いで、リンカー−糖類実体を破傷風トキソイド担体タンパク質と反応させることによって作製することができる。CRM197は本発明の組成物中のHibコンジュゲートのための別の有用な担体である。
コンジュゲートの糖類部分は、Hib細菌から調製した全長のポリリボシルリビトールリン酸(PRP)、および/または全長PRPの断片を含んでよい。糖類:タンパク質比(w/w)が1:5(すなわち、タンパク質過剰)から5:1(すなわち、糖類過剰)の間、例えば比が1:2から5:1の間、および比が1:1.25から1:2.5の間のコンジュゲートを使用することができる。しかし、好ましいワクチンでは、糖類と担体タンパク質の重量比は1:2.5から1:3.5の間である。破傷風トキソイドが抗原として、および担体タンパク質としての両方で存在するワクチンでは、コンジュゲートの糖類と担体タンパク質の重量比は1:0.3から1:2の間であってよい[49]。Hibコンジュゲートを投与することにより、≧0.15μg/mlの抗PRP抗体濃度がもたらされることが好ましく、≧1μg/mlであることがより好ましく、これらは標準の応答閾値である。
Hib抗原の分量は、典型的には、糖類のマイクログラム数で表される。本発明の組成物がHib抗原を含む場合には、単位用量当たりの分量は通常5〜15μgの間、例えば10μgまたは12μgである。
組成物がアルミニウム塩アジュバントを含む場合には、Hib抗原はアルミニウム塩アジュバント上に吸着していても吸着していなくてもよい。
B型肝炎ウイルス表面抗原
B型肝炎ウイルス(HBV)は、ウイルス性肝炎を引き起こす公知の作用因子の1つである。HBVビリオンは、外側のタンパク質外被またはカプシドで囲まれた内部のコアからなり、ウイルスのコアは、ウイルスDNAゲノムを含有する。カプシドの主要な成分は、典型的には分子量が約24kDaの226アミノ酸のポリペプチドである、HBV表面抗原またはより一般的に「HBsAg」として公知のタンパク質である。現存するB型肝炎ワクチンは全てHBsAgを含有し、ワクチン接種を受ける正常な人にこの抗原を投与すると、HBV感染に対して防御する抗HBsAg抗体の産生が刺激される。
ワクチン製造に関して、HBsAgは2つの手段で作製することができる。第1の方法は、HBV感染の間に多量のHBsAgが肝臓で合成され、血流中に放出されるので、慢性B型肝炎の保因者の血漿から抗原を粒子の形態で精製することを伴う。第2の手段は、組換えDNA法によってタンパク質を発現させることを伴う。本発明の方法で使用するためのHBsAgは、例えば酵母またはCHO細胞において組換えによって発現させる。適切な酵母としては、Saccharomyces(S.cerevisiaeなど)またはHanensula(H.polymorphaなど)の宿主が挙げられる。
ネイティブなHBsAg(すなわち、血漿から精製された産物などの場合)とは異なり、酵母で発現させたHBsAgは、一般に、グリコシル化されておらず、これは、本発明で使用するためのHBsAgの最も好ましい形態である。酵母で発現させたHBsAgは免疫原性が高く、また、血液製剤コンタミネーションのリスクを伴わずに調製することができる。
HBsAgは、一般に、リン脂質を含む脂質マトリックスを含む実質的に球状の粒子(平均直径が約20nm)の形態である。酵母で発現させたHBsAg粒子は、天然のHBVビリオンには見いだされないホスファチジルイノシトールを含み得る。免疫系を刺激するために、粒子は毒性のない量のLPSも含んでよい[50]。酵母の破壊の間に非イオン性界面活性物質(例えばポリソルベート20)を使用した場合、これは粒子に保持され得る[51]。
HBsAgを精製するための好ましい方法は、細胞を破壊した後に、限外濾過;サイズ排除クロマトグラフィー;陰イオン交換クロマトグラフィー;超遠心;脱塩;および滅菌濾過を伴う。細胞を破壊した後、溶解物を沈殿させ(例えばポリエチレングリコールを使用して)、HBsAgは溶液中に残り、限外濾過の準備ができる。
精製後、HBsAgを、HBsAg調製の間に使用された可能性があるチメロサールなどのいかなる水銀系保存剤も除去するために使用することができる透析(例えばシステインを用いて)に供することができる[52]。チメロサールを含まない調製物が好ましい。
HBsAgは、HBV亜型adw2由来であることが好ましい。
HBsAgの分量は、典型的にはマイクログラム数で表される。本発明の組成物がHBsAgを含む場合には、単位用量当たりの分量は通常5〜25μgの間、例えば10μgまたは20μgである。
組成物がアルミニウム塩アジュバントを含む場合には、HBsAgはアルミニウム塩アジュバント上に吸着していてよい(リン酸アルミニウムアジュバント上に吸着していることが好ましい)。
不活化ポリオウイルス抗原(IPV)
灰白髄炎は、3種類のポリオウイルスのうちの1つによって引き起こされる得る。この3種類は類似しており、同一の症状を引き起こすが、これらの抗原性は全く異なり、1つの型に感染することによって他の型の感染に対する防御はもたらされない。したがって、参考文献1の24章において説明されている通り、ポリオウイルス1型(例えばMahoney株)、ポリオウイルス2型(例えばMEF−1株)、およびポリオウイルス3型(例えばSaukett株)の3種のポリオウイルス抗原を本発明に使用することが好ましい。これらの株(「Salk」株)の代わりに、例えば、参考文献53および54において論じられている通り、1型〜3型のSabin株を使用することができる。これらの株は、通常のSalk株よりも強力であり得る。
ポリオウイルスは細胞培養物中で増殖させることができる。好ましい培養物では、サル腎臓に由来する継代細胞系統であるVero細胞系統を使用する。Vero細胞は、マイクロキャリアで都合よく培養することができる。ウイルス感染の前およびその間のVero細胞の培養は、仔ウシ血清などのウシ由来材料の使用、およびラクトアルブミン加水分解産物(例えばラクトアルブミンの酵素による分解によって得られる)の使用を伴ってよい。そのようなウシ由来材料は、BSEまたは他のTSEを伴わない供給源から得るべきである。
増殖させた後、限外濾過、ダイアフィルトレーション、およびクロマトグラフィーなどの技法を使用してビリオンを精製することができる。患者に投与する前に、ポリオウイルスは不活性化されていなければならず、これは、ウイルスを本発明のプロセスにおいて使用する前にホルムアルデヒドで処理することによって実現することができる。
ウイルスは個別に増殖させ、精製し、不活化し、その後に組み合わせて本発明で使用するためのバルク混合物をもたらすことが好ましい。
IPVの分量は、典型的には「DU」単位(「D抗原単位」[55])で表される。ポリオウイルス1型、2型および3型の3種全てが存在する場合、3種の抗原は、それぞれ5:1:4のDU比で、または任意の他の適切な比、例えば、Sabin株を使用する場合には15:32:45の比で存在してよい[53]。単位用量当たりのSalk IPV株の典型的な量は、1型が40DU、2型が8DUおよび3型が32DUであるが、それよりも低い用量も使用することができる。1型が≦15DU、2型が≦5DU、3型が≦25DU(単位用量当たり)である、Sabin株由来の少量の抗原が特に有用である。
組成物がアルミニウム塩アジュバントを含む場合には、IPV抗原は、多くの場合、製剤化する前にはいかなるアジュバントにも予め吸着させないが、製剤化した後に、アルミニウム塩(複数可)に吸着させることができる。
さらなる抗原
本発明の組成物は、D抗原、T抗原、およびP抗原を含む。上記の通り、本発明の組成物は、Hib、HBsAg、および/またはポリオウイルス抗原も含んでよい。本発明の免疫原性組成物は、さらなる病原体由来の抗原を含んでよい。例えば、これらの抗原は、N.meningitidis(血清群A、血清群B、血清群C、血清群W135および/または血清群Yのうちの1つまたは複数)またはS.pneumoniae由来であってよい。
髄膜炎菌の糖類
組成物がNeisseria meningitidis莢膜糖コンジュゲートを含む場合、そのようなコンジュゲートは1つまたは複数存在してよい。典型的には、血清群A、血清群C、血清群W135および血清群Yのうちの2種、3種、または4種が含まれ、例えばA+C、A+W135、A+Y、C+W135、C+Y、W135+Y、A+C+W135、A+C+Y、A+W135+Y、A+C+W135+Yなどが含まれる。MENACTRA(商標)およびMENVEO(商標)製品などのように血清群A、血清群C、血清群W135および血清群Yの4種全ての糖類を含む成分が有用である。2種以上の血清群のコンジュゲートが含まれる場合には、これらは、実質的に同等の質量、例えば、各血清群の糖類が互いに±10%以内の質量で存在してよい。血清群当たりの典型的な分量は、1μgから20μgの間、例えば、血清群当たり2μgから10μgの間、または約4μgまたは約5μgまたは約10μgである。実質的に同等の比の代わりに、2倍の質量の血清群A糖類を使用することができる。
コンジュゲートを投与することにより、関連する血清群についての血清殺菌性アッセイ(SBA)力価が少なくとも4倍、好ましくは少なくとも8倍に増大することが好ましい。SBA力価は、仔ウサギ補体またはヒト補体を使用して測定することができる[56]。
血清群A髄膜炎菌の莢膜糖は、(α1→6)連結したN−アセチル−D−マンノサミン−1−ホスフェートのホモポリマーであり、C3位およびC4位に部分的なO−アセチル化を伴う。C−3位におけるアセチル化は70〜95%であり得る。糖類を精製するために使用される条件により、脱O−アセチル化をもたらすことができるが(例えば塩基性条件下で)、このC−3位にOAcを保持することが有用である。一部の実施形態では、血清群A糖類のマンノサミン残基の少なくとも50%(例えば少なくとも60%、70%、80%、90%、95%またはそれ以上)がC−3位においてO−アセチル化されている。加水分解を防止するためにアセチル基を保護基で置き換えることができ[57]、それでも、そのような改変された糖類は本発明で意味される血清群A糖類の範囲に入る。
血清群C莢膜糖は、(α2→9)連結したシアル酸(N−アセチルノイラミン酸、または「NeuNAc」)のホモポリマーである。糖類の構造は→9)−Neu p NAc 7/8 OAc−(α2→と記載される。大多数の血清群C株はシアル酸残基のC−7および/またはC−8にO−アセチル基を有するが、臨床分離株の約15%がこれらのO−アセチル基を欠く[58、59]。OAc基の有無により、独特のエピトープが生じ、糖類への抗体結合の特異性が、O−アセチル化された(OAc−)株および脱O−アセチル化された(OAc+)株に対するその殺菌活性に影響を及ぼす可能性がある[60〜62]。本発明で使用される血清群C糖類は、OAc+株またはOAc−株のいずれからも調製することができる。認可されたMenCコンジュゲートワクチンとしては、OAc−糖類(NEISVAC−C(商標))およびOAc+糖類(MENJUGATE(商標)およびMENINGITEC(商標))のどちらもある。一部の実施形態では、血清群Cコンジュゲートを産生するための株は、例えば血清型16、血清亜型P1.7a,1などのOAc+株である。したがって、C:16:P1.7a,1 OAc+株を使用することができる。C11株などの血清亜型P1.1のOAc+株も有用である。好ましいMenC糖類は、C11株などのOAc+株から取得される。
血清群W135糖類は、シアル酸−ガラクトース二糖単位のポリマーである。血清群C糖類と同様に、血清群W135糖類は可変性O−アセチル化を有するが、それはシアル酸の7位および9位におけるものである[63]。構造は、→4)−D−Neup5Ac(7/9OAc)−α−(2→6)−D−Gal−α−(1→と記載される。
血清群Y糖類は、二糖繰り返し単位がガラクトースの代わりにグルコースを含むこと以外は血清群W135糖類と同様である。血清群W135と同様に、血清群Y糖類は可変性O−アセチル化をシアル酸の7位および9位に有する[63]。血清群Yの構造は、→4)−D−Neup5Ac(7/9OAc)−α−(2→6)−D−Glc−α−(1→と記載される。
本発明に従って使用される糖類は、上記の通りO−アセチル化されていてもよく(例えば、O−アセチル化パターンがネイティブな莢膜糖において見られるものと同じである)、糖類の環の1つまたは複数の位置で部分的に、または完全に脱O−アセチル化されていてもよく、ネイティブな莢膜糖と比較して高O−アセチル化されていてもよい。例えば、参考文献64には、80%超が脱O−アセチル化されている血清群Y糖類の使用が報告されている。
髄膜炎菌コンジュゲートの糖類部分は、髄膜炎菌から調製された全長の糖類を含んでよく、かつ/または、全長の糖類の断片を含んでよい、すなわち、糖類は細菌に見られるネイティブな莢膜糖よりも短くてよい。したがって、糖類を脱重合することができ、脱重合は、糖類を精製する間またはその後であるがコンジュゲート化の前に行う。脱重合により、糖類の鎖長が短縮される。脱重合方法の1つでは過酸化水素の使用が伴う[65]。過酸化水素を糖類に加え(例えば最終的なH濃度を1%にする)、次いで、混合物を、所望の鎖長の短縮が実現されるまでインキュベートする(例えば約55℃で)。別の脱重合方法には、酸加水分解が伴う[66]。他の脱重合方法は当技術分野で公知である。本発明に従って使用するためのコンジュゲートを調製するために使用する糖類は、これらの脱重合方法のいずれによっても得ることができ得る。脱重合は、免疫原性に最適な鎖長をもたらすため、および/または鎖長を短縮して糖類を物理的に扱いやすくするために使用することができる。一部の実施形態では、糖類は以下の範囲の平均重合度(Dp)を有する:A=10〜20;C=12〜22;W135=15〜25;Y=15〜25。Dpではなく分子量の単位では、有用な範囲は、全ての血清群について、<100kDa;5kDa〜75kDa;7kDa〜50kDa;8kDa〜35kDa;12kDa〜25kDa;15kDa〜22kDaである。他の実施形態では、髄膜炎菌血清群A、血清群C、血清群W135および血清群Yのそれぞれ由来の糖類の平均分子量は、50kDa超、例えば≧75kDa、≧100kDa、≧110kDa、≧120kDa、≧130kDaなどであってよく[67]、特にMALLSによって決定して、1500kDaまでにも至ってよい。例えば、MenA糖類は、50〜500kDa、例えば60〜80kDaの範囲であってよく、MenC糖類は、100〜210kDaの範囲であってよく、MenW135糖類は、60〜190kDa、例えば120〜140kDaの範囲であってよく、かつ/または、MenY糖類は、60〜190kDa、例えば150〜160kDaの範囲であってよい。
成分または組成物がHibと髄膜炎菌コンジュゲートの両方を含む場合には、一部の実施形態では、Hib糖類の質量は、特定の髄膜炎菌血清群の糖類の質量と実質的に同じであってよい。一部の実施形態では、Hib糖類の質量は、特定の髄膜炎菌血清群の糖類の質量よりも多い(例えば少なくとも1.5倍)。一部の実施形態では、Hib糖類の質量は、特定の髄膜炎菌血清群の糖類の質量よりも少ない(例えば少なくとも1.5分の1)。
組成物が2種以上の髄膜炎菌血清群由来の糖類を含む場合、血清群当たりの平均糖類質量が存在する。各血清群を実質的に同等の質量で使用する場合には、平均質量は個々の質量と同じになり、同等でない質量で使用する場合には、平均は異なり、例えば、MenACWY混合物が10μg:5μg:5μg:5μgの量であれば、平均質量は血清群当たり6.25μgになる。一部の実施形態では、Hib糖類の質量は、血清群当たりの髄膜炎菌の糖類の平均質量と実質的に同じにする。一部の実施形態では、Hib糖類の質量は、血清群当たりの髄膜炎菌の糖類の平均質量よりも多い(例えば少なくとも1.5倍)。一部の実施形態では、Hib糖類の質量は、血清群当たりの髄膜炎菌の糖類の平均質量よりも少ない(例えば少なくとも1.5分の1)[68]。
肺炎球菌の糖類
Streptococcus pneumoniaeは、細菌性髄膜炎を引き起こし、現存するワクチンは莢膜糖に基づくものである。したがって、本発明の組成物は、担体タンパク質とコンジュゲートした少なくとも1つの肺炎球菌の莢膜糖を含んでよい。
本発明は、1種または複数の異なる肺炎球菌の血清型由来の莢膜糖を含んでよい。組成物が2種以上の血清型由来の糖類抗原を含む場合、これらは、別々に調製し、別々にコンジュゲートし、その後に、組み合わせることが好ましい。肺炎球菌の莢膜糖を精製するための方法は当技術分野で公知であり(例えば、参考文献69を参照されたい)、23種の異なる血清型から精製された糖類に基づくワクチンが長年公知である。例えば、参考文献70に記載されている血清型3についてのもの、または参考文献71に記載されている血清型1、4、5、6A、6B、7Fおよび19Aについてのものなど、これらの方法に対する改善も記載されている。
肺炎球菌の莢膜糖(複数可)は、典型的には、以下の血清型から選択される:1、2、3、4、5、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23Fおよび/または33F。したがって、全部で、組成物は、1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種、11種、12種、13種、14種、15種、16種、17種、18種、19種、20種、21種、22種、23種またはそれ以上の異なる血清型由来の莢膜糖を含んでよい。少なくとも血清型6B糖類を含む組成物が有用である。
血清型の有用な組合せは、例えば血清型4、6B、9V、14、18C、19F、および23Fのそれぞれ由来の莢膜糖を含む7価の組合せである。別の有用な組合せは、例えば血清型1、4、5、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fのそれぞれ由来の莢膜糖を含む9価の組合せである。別の有用な組合せは、例えば血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19Fおよび23Fのそれぞれ由来の莢膜糖を含む10価の組合せである。11価の組合せは、血清型3由来の糖類をさらに含んでよい。12価の組合せは、10価の混合物に、血清型6Aおよび19A;6Aおよび22F;19Aおよび22F;6Aおよび15B;19Aおよび15B;または22Fおよび15Bを追加してよい。13価の組合せは、11価の混合物に:血清型19Aおよび22F;8および12F;8および15B;8および19A;8および22F;12Fおよび15B;12Fおよび19A;12Fおよび22F;15Bおよび19A;15Bおよび22F;6Aおよび19Aなどを追加してよい。
したがって、有用な13価の組合せは、例えば参考文献72〜75に開示されている通り調製された血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19(または19A)、19Fおよび23F由来の莢膜糖を含む。そのような組合せの1つは、血清型6B糖類を約8μg/mlで含み、他の12糖類をそれぞれ約4μg/mlの濃度で含む。別のそのような組合せは、血清型6A糖類および6B糖類をそれぞれ約8μg/mlで含み、他の11糖類をそれぞれ約4μg/mlで含む。
コンジュゲートに適した担体タンパク質としては、細菌の毒素、例えば、ジフテリア毒素もしくは破傷風毒素、またはトキソイドもしくはその変異体が挙げられる。これらは一般にコンジュゲートワクチンに使用される。例えば、CRM197ジフテリア毒素変異体が有用である[76]。他の適切な担体タンパク質としては、合成ペプチド[77、78]、熱ショックタンパク質[79、80]、百日咳タンパク質[81、82]、サイトカイン[83]、リンフォカイン[83]、ホルモン[83]、増殖因子[83]、種々の病原体由来抗原由来の複数のヒトCD4T細胞エピトープを含む人工タンパク質[84]、例えば、N19[85]、H.influenzae由来のタンパク質D[86〜88]、ニューモリシン[89]またはその無毒性の誘導体[90]、肺炎球菌の表面タンパク質PspA[91]、鉄取り込みタンパク質(iron−uptake protein)[92]、C.difficile由来の毒素Aまたは毒素B[93]、Pseudomonas aeruginosaの組換えエキソプロテインA(exoprotein A)(rEPA)[94]などが挙げられる。
肺炎球菌のコンジュゲートワクチンに特に有用な担体タンパク質は、CRM197、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイドおよびH.influenzaeのタンパク質Dである。CRM197はPREVNAR(商標)に使用されている。13価の混合物では、13種のコンジュゲートのそれぞれに対してCRM197を担体タンパク質として使用することができ、CRM197は約55〜60μg/mlで存在してよい。
組成物が2種以上の肺炎球菌の血清型由来のコンジュゲートを含む場合、別々のコンジュゲートのそれぞれに対して同じ担体タンパク質を使用すること、または異なる担体タンパク質を使用することが可能である。どちらの場合にせよ、異なるコンジュゲートの混合物は、通常、各血清型コンジュゲートを別々に調製し、その後、それらを混合して別々のコンジュゲートの混合物を形成することによって形成する。参考文献95には、多価の肺炎球菌のコンジュゲートワクチンに異なる担体タンパク質を使用する場合の潜在的な利点が記載されているが、PREVNAR(商標)製品では、7種の異なる血清型のそれぞれに対して同じ担体が首尾よく使用されている。
担体タンパク質は、肺炎球菌の糖類と、直接またはリンカーを介して共有結合によりコンジュゲートすることができる。種々のリンカーが公知である。例えば、結合はカルボニルを介するものであってよく、これは、改変された糖類の遊離のヒドロキシル基をCDIと反応させ[96、97]、その後、タンパク質と反応させてカルバメート結合を形成することによって形成することができる。カルボジイミド縮合を使用することができる[98]。アジピン酸リンカーを使用することができ、これは、遊離の−NH基(例えばアミノ化によって糖類に導入される)をアジピン酸と結合させ(例えば、ジイミド活性化を使用して)、次いで、生じた糖類−アジピン酸中間体にタンパク質を結合させることによって形成することができる[99、100]。他のリンカーとしては、β−プロピオンアミド[101]、ニトロフェニル−エチルアミン[102]、ハロゲン化ハロアシル[103]、グリコシド結合[104]、6−アミノカプロン酸[105]、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオネート(SPDP)[106]、アジピン酸ジヒドラジドADH[107]、C〜C12部分[108]などが挙げられる。
還元的アミノ化を介したコンジュゲート化を使用することができる。糖類をまず過ヨウ素酸を用いて酸化してアルデヒド基を導入することができ、次いでこのアルデヒド基が、例えばリシンのεアミノ基への還元的アミノ化によって担体タンパク質と直接共有結合を形成することができる。糖類が1分子当たりに複数のアルデヒド基を含む場合には、この結合技法により、架橋された生成物が生じ得、複数のアルデヒドが複数の担体アミンと反応する。この架橋コンジュゲート化技法は、少なくとも肺炎球菌の血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23Fに対して特に有用である。
肺炎球菌の糖類は、肺炎球菌から調製された全長のインタクトな糖類を含んでよく、かつ/または、全長の糖類の断片を含んでよい、すなわち、糖類は細菌に見られるネイティブな莢膜糖よりも短くてよい。したがって、糖類を脱重合することができ、脱重合は、糖類を精製する間またはその後であるがコンジュゲート化の前に行う。脱重合により、糖類の鎖長が短縮される。脱重合は、免疫原性に最適な鎖長をもたらすため、および/または鎖長を短縮して糖類を物理的に扱いやすくするために使用することができる。2種以上の肺炎球菌の血清型を使用する場合には、各血清型に対してインタクトな糖類を使用すること、各血清型に対して断片を使用すること、または一部の血清型にインタクトな糖類を使用し、他の血清型に断片を使用することが可能である。
組成物が血清型4、6B、9V、14、19Fおよび23Fのいずれか由来の糖類を含む場合、これらの糖類は、インタクトであることが好ましい。対照的に、組成物が血清型18C由来の糖類を含む場合、この糖類は、脱重合されていることが好ましい。
血清型3糖類も脱重合することができ、例えば、血清型3糖類を、例えば酢酸を使用して、脱重合するための酸加水分解に供すことができる[72]。次いで、生じた断片を活性化のために酸化させ(例えば過ヨウ素酸酸化、二価陽イオンの存在下であってよく、例えばMgClを用いる)、担体(例えばCRM197)と還元性条件下で(例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウムを使用して)コンジュゲートし、次いで、(必要に応じて)糖類のあらゆる未反応のアルデヒドにキャップ形成することができる(例えば水素化ホウ素ナトリウムを使用して)[72]。コンジュゲート化は、例えば、活性化された糖類と担体を一緒に凍結乾燥した後に、凍結乾燥した材料に対して実施することができる。
血清型1糖類は、少なくとも部分的に脱O−アセチル化することができ、これは、例えば、炭酸水素/炭酸緩衝液を使用することなどによって、アルカリ性pH緩衝液による処理によって実現される[73]。そのような(部分的に)脱O−アセチル化された糖類は、活性化のために酸化し(例えば過ヨウ素酸酸化)、担体(例えばCRM197)と還元性条件下で(例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウムを使用して)コンジュゲートし、次いで、(必要に応じて)糖類のあらゆる未反応のアルデヒドにキャップ形成することができる(例えば水素化ホウ素ナトリウムを使用して)[73]。コンジュゲート化は、例えば、活性化された糖類と担体を一緒に凍結乾燥した後に、凍結乾燥した材料に対して実施することができる。
血清型19A糖類は、活性化のために酸化し(例えば過ヨウ素酸酸化)、担体(例えばCRM197)とDMSO中還元性条件下でコンジュゲートし、次いで、(必要に応じて)糖類のあらゆる未反応のアルデヒドにキャップ形成することができる(例えば水素化ホウ素ナトリウムを使用して)[109]。コンジュゲート化は、例えば、活性化された糖類と担体を一緒に凍結乾燥した後に、凍結乾燥した材料に対して実施することができる。
1つまたは複数の肺炎球菌の莢膜糖コンジュゲートは凍結乾燥した形態で存在してよい。
肺炎球菌のコンジュゲートは、関連する糖類に結合する抗莢膜抗体を惹起すること、例えば、≧0.20μg/mLの抗糖類抗体レベルを惹起することができることが理想的である[110]。抗体は、酵素イムノアッセイ(EIA)および/またはオプソニン活性(OPA)の測定によって評価することができる。EIA法が広範囲にわたって検証されており、抗体濃度とワクチンの有効性の間には関連性がある。
アジュバント
本発明の組成物は、アジュバント、例えば、(i)水中油エマルション、(ii)少なくとも1つのアルミニウム塩、または(iii)少なくとも1つのTLRアゴニストを含んでよい。
一部の実施形態では、組成物はアルミニウム塩とTLRアゴニストの混合物を含み、TLRアゴニストをアルミニウム塩に吸着させてアジュバント効果を改善することができる[142]。これにより、よりよい(より強力な、またはより速く実現される)免疫応答をもたらすことができ、かつ/または同等のアジュバント効果を維持しながら組成物中のアルミニウムの量を減少させることを可能にすることができる。
組成物がアルミニウム塩アジュバント(複数可)を含む場合には、組成物中の免疫原のうちの1つから全部が塩(複数可)に吸着していてよい。さらに、以下で論じられている通り、組成物がTLRアジュバントを含む場合には、これも塩(複数可)に吸着していてよい。
組成物がアルミニウム塩アジュバントを含む場合には、水中油エマルションアジュバントは含まないことも好ましい。逆に、組成物が水中油エマルションアジュバントを含む場合には、アルミニウム塩アジュバントは含まないことも好ましい。
水中油エマルションアジュバント
本発明の第2の態様によると、ワクチンも水中油エマルションを用いてアジュバント化する。種々のそのようなエマルションは、例えばMF59およびAS03として公知であり、これらはどちらもヨーロッパで認可されている。
有用なエマルションアジュバントは、典型的には、少なくとも1つの油と少なくとも1つの界面活性物質とを含み、その油(複数可)および界面活性物質(複数可)は生分解性(代謝可能)かつ生体適合性である。エマルション中の油滴は、一般に、サブミクロンの直径を有し、これらの小さなサイズは、安定なエマルションをもたらすためにマイクロフルダイザーを用いて、または代替方法、例えば転相によって容易に実現することができる。濾過滅菌に供すことができるので、液滴の少なくとも80%(数で)の直径が220nm未満であるエマルションが好ましい。
エマルションは、動物性供給源(魚など)および/または植物性供給源由来の油(複数可)を含んでよい。植物油の供給源としては、堅果、種子および穀粒が挙げられる。ピーナッツ油、ダイズ油、ヤシ油、およびオリーブ油が最も一般的に利用可能な堅果油の例である。例えばホホバマメから得たホホバ油を使用することができる。種子油としては、ベニバナ油、綿実油、ヒマワリ種子油、ゴマ種子油などが挙げられる。穀粒群では、トウモロコシ油が最も容易に利用可能であるが、コムギ、エンバク、ライムギ、イネ、テフ、ライコムギなどの他の穀類の穀粒の油も使用することができる。グリセロールおよび1,2−プロパンジオールの炭素6〜10個の脂肪酸エステルは、種子油中に天然には存在しないが、堅果油および種子油から出発する適切な材料を加水分解し、分離し、エステル化することによって調製することができる。哺乳動物の乳由来の脂肪および油は代謝可能なものであり、したがって、本発明で使用することができる。動物性供給源から純粋な油を得るために必要な分離、精製、鹸化および他の手段の手順は当技術分野で周知である。
大多数の魚は、容易に回収することができる代謝可能な油を含有する。例えば、タラ肝油、サメ肝油、および鯨油、例えば、鯨ろうが、本明細書で使用することができる魚油のいくつかの例である。いくつもの分枝鎖油が、炭素5個のイソプレン単位で生化学的に合成され、一般にテルペノイドと称される。サメ肝油は、スクアレン、2,6,10,15,19,23−ヘキサメチル−2,6,10,14,18,22−テトラコサヘキサンとして公知の分枝した不飽和テルペノイドを含有し、これは本発明で使用するために特に好ましい(以下を参照されたい)。スクアレンの飽和型類似体であるスクアランも有用な油である。スクアレンおよびスクアランを含めた魚油は商業的な供給源から容易に入手可能であるか、または、当技術分野で公知の方法によって得ることができる。他の好ましい油はトコフェロールである(以下を参照されたい)。油の混合物を使用することができる。
アジュバントエマルション中の油の好ましい総量(体積%)は、1%から20%の間、例えば2〜10%の間である。スクアレンの含有量が5体積%であることが特に有用である。
界面活性物質は、それらの「HLB」(親水性/親油性バランス)によって分類することができる。本発明の好ましい界面活性物質のHLBは少なくとも10、例えば約15である。本発明では、これだけに限定されないが、ポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性物質(一般にTweenと称される)、特に、ポリソルベート20またはポリソルベート80;商品名DOWFAX(商標)の下で販売されているエチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、および/またはブチレンオキシド(BO)の共重合体、例えば直鎖状EO/POブロック共重合体;反復エトキシ(オキシ−1,2−エタンジイル)基の数が変動し得るオクトキシノール、オクトキシノール−9(トリトンX−100、またはt−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)が特に興味深い;(オクチルフェノキシ)ポリエトキシエタノール(IGEPAL CA−630/NP−40);リン脂質、例えばホスファチジルコリン(レシチン);ノニルフェノールエトキシレート、例えばTergitol(商標)NPシリーズ;ラウリル、セチル、ステアリルおよびオレイルアルコールに由来するポリオキシエチレン脂肪エーテル(Brij界面活性物質として公知である)、例えば、トリエチレングリコールモノラウリルエーテル(Brij30);ならびにソルビタンエステル(一般にSpanとして公知である)、例えば、ソルビタントリオレエート(Span85)またはソルビタンモノラウレートなどを含めた界面活性物質を使用することができる。
本発明で使用するエマルションは、非イオン性界面活性物質(複数可)を含むことが好ましい。エマルションに含めるために好ましい界面活性物質は、ポリソルベート80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート;Tween80)、Span85(ソルビタントリオレエート)、レシチンまたはトリトンX−100である。界面活性物質の混合物、例えばポリソルベート80とソルビタントリオレエートの混合物を使用することができる。ポリソルベート80(Tween80)などのポリオキシエチレンソルビタンエステルとt−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(トリトンX−100)などのオクトキシノールの組合せも有用である。別の有用な組合せは、ラウレス9と、それに加えてポリオキシエチレンソルビタンエステルおよび/またはオクトキシノールを含む。界面活性物質の混合物を使用する場合には、混合物のHLBは、それらの相対的な重み付け(体積で)に応じて算出され、例えば、好ましいポリソルベート80とソルビタントリオレエートの体積で1:1の混合物のHLBは8.4である。
アジュバントエマルション中の界面活性物質の好ましい総量(体積%)は、0.1%から2%の間、例えば0.25〜2%の間である。1体積%の総含有量、例えば、0.5体積%のポリソルベート80および0.5体積%のソルビタントリオレエートが特に有用である。
有用なエマルションは、公知の技法を使用して調製することができる。例えば、参考文献132および111〜112117を参照されたい。
本発明で有用な特定の水中油エマルションアジュバントとしては、これだけに限定されないが、以下が挙げられる:
・スクアレン、ポリソルベート80、およびソルビタントリオレエートのサブミクロンのエマルション。当該エマルションの組成は、体積で約5%のスクアレン、約0.5%のポリソルベート80および約0.5%のソルビタントリオレエートであってよい。重量では、これらの比は4.3%のスクアレン、0.5%のポリソルベート80および0.48%のソルビタントリオレエートになる。このアジュバントは、参考文献131の10章および参考文献132の12章においてより詳細に記載されている通り、「MF59」として公知である[118〜120]。MF59エマルションは、クエン酸イオン、例えば10mMのクエン酸ナトリウム緩衝液を含むことが好都合である。
・スクアレン、トコフェロール、およびポリソルベート80のエマルション。当該エマルションはリン酸緩衝生理食塩水を含んでよい。これらのエマルションは、2〜10%のスクアレン、2〜10%のトコフェロールおよび0.3〜3%のポリソルベート80を有してよく、スクアレン:トコフェロールの重量比は、より安定なエマルションをもたらすことができる≦1(例えば0.90)であることが好ましい。スクアレンおよびポリソルベート80は約5:2の体積比で、または約11:5の重量比で存在してよい。したがって、3つの成分(スクアレン、トコフェロール、ポリソルベート80)は1068:1186:485またはおよそ55:61:25の重量比で存在してよい。このアジュバントは「AS03」として公知である。別の有用なこの種類のエマルションは、ヒト用量当たり、0.5〜10mgのスクアレン、0.5〜11mgのトコフェロール、および0.1〜4mgのポリソルベート80を、例えば上記で論じた比で含んでよい[121]。
・サポニン(例えばQuilAまたはQS21)とステロール(例えばコレステロール)がヘリックスミセルとして会合しているエマルション[122]。
・0.5〜50%の油、0.1〜10%のリン脂質、および0.05〜5%の非イオン性界面活性物質を有するエマルション。参考文献123に記載の通り、好ましいリン脂質成分は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、スフィンゴミエリンおよびカルジオリピンである。サブミクロンの液滴サイズが好都合である。
・スクアレン、水性溶媒、ポリオキシエチレンアルキルエーテル親水性非イオン性界面活性物質(例えば、ポリオキシエチレン(12)セトステアリルエーテル)および疎水性非イオン性界面活性物質(例えば、ソルビタンモノオレエートまたは「Span80」などのソルビタンエステルまたはマンニドエステル(mannide ester))を含むエマルション。当該エマルションは、熱可逆性であり、かつ/またはサイズが200nm未満の油滴を少なくとも90%(体積で)有することが好ましい[124]。当該エマルションは、アルジトール;凍結保護剤(例えば、ドデシルマルトシドおよび/もしくはスクロースなどの糖);ならびに/またはアルキルポリグリコシドのうちの1つまたは複数も含んでよい。当該エマルションは、化学構造に糖環が含まれないものなどのTLR4アゴニストも含んでよい[125]。そのようなエマルションは凍結乾燥されていてよい。「AF03」製品はそのようなエマルションの1つである。
本発明で使用する好ましい水中油エマルションは、スクアレンおよびポリソルベート80を含む。
エマルションとTdaP抗原をワクチン製造の間に混合することもでき、これらを送達時に即座に混合することもできる。したがって、一部の実施形態では、アジュバントおよび抗原は、包装または分配したワクチン中に別々に維持し、使用時に最終的な製剤の準備をすることができる。混合時に(バルク製造の間であるか使用時点であるかにかかわらず)、一般に抗原を水性形態にし、その結果、最終的なワクチンは、2つの液体を混合することによって調製される。混合する2つの液体の体積比は変動し得るが(例えば5:1から1:5の間)、一般に約1:1である。エマルションおよび抗原がキット内で別々に保管される場合には、製品はエマルションを含有するバイアルとして存在してよく、バイアルは、混合してアジュバント化液体ワクチン(単回用量または複数回用量)を提供するための水性抗原を含有する。
本発明の好ましいエマルションとしてスクアレン油が挙げられる。スクアレン油は通常、サメ油から調製されるが、代替の供給源が公知である。例えば、参考文献126(酵母)および参考文献127(オリーブ油)を参照されたい。参考文献128に開示されている通り、スクアレン(TEQ)1グラム当たり661ピコグラム未満のPCBを含有するスクアレンが本発明で使用するために好ましい。エマルションは、参考文献129に開示されている通り、例えば2回蒸留によって調製された高純度のスクアレンで構成されることが好ましい。
組成物がトコフェロールを含む場合、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、ε−トコフェロールまたはζ−トコフェロールのいずれも使用することができるが、α−トコフェロールが好ましい。トコフェロールはいくつかの形態、例えば種々の塩および/または異性体の形態をとってよい。塩としては、有機塩、例えば、コハク酸塩、酢酸塩、ニコチン酸塩などが挙げられる。D−α−トコフェロールおよびDL−α−トコフェロールのどちらも使用することができる。トコフェロールは、エマルションを安定化するために役立ち得る抗酸化特性を有する[130]。好ましいα−トコフェロールはDL−α−トコフェロールであり、このトコフェロールの好ましい塩はコハク酸塩である。
アルミニウム塩アジュバント
本発明の組成物は、アルミニウム塩アジュバントを含んでよい。ここで使用されるアルミニウム塩アジュバントは、典型的には、「水酸化アルミニウム」または「リン酸アルミニウム」アジュバントのいずれかをいう。これらは、便宜的な名称であるが、どちらも存在する実際の化学化合物について正確に記載されていない(例えば、参考文献131の9章、および参考文献132の4章を参照されたい)。本発明では、アジュバントとして有用なあらゆる「水酸化物」または「リン酸」塩を使用することができる。TLRアゴニストを吸着させることが望まれる場合には、水酸化物イオンを含むアルミニウム塩が好ましい。なぜなら、これらの水酸化物イオンは、TLRアゴニストを吸着させるためのリガンド交換を容易に行うことができるからである。したがって、TLRアゴニストを吸着させるために好ましい塩は、水酸化アルミニウムおよび/またはヒドロキシリン酸アルミニウムである。これらは、安定な吸着をもたらすためのリン含有基(例えばリン酸、ホスホン酸)とリガンド交換を容易に行うことができる表面のヒドロキシル部分を有する。したがって、水酸化アルミニウムアジュバントが最も好ましい。
「水酸化アルミニウム」として公知のアジュバントは、典型的には、オキシ水酸化アルミニウム塩であり、通常は少なくとも部分的に結晶性である。オキシ水酸化アルミニウムは、式AlO(OH)で表され、水酸化アルミニウムAl(OH)などの他のアルミニウム化合物と、赤外(IR)分光法によって、具体的には、1070cm−1に吸着バンドが存在し、3090〜3100cm−1に強力なショルダーが存在することによって区別することができる(参考文献131の9章)。水酸化アルミニウムアジュバントの結晶化度は、半分の高さにおける回折バンドの幅(WHH)に反映され、結晶性の低い粒子は、微結晶サイズがより小さいことに起因して、より大きな線幅拡大を示す。WHHが増加するにつれて表面積が増加し、WHH値がより大きいアジュバントほど抗原吸着の能力がより大きいと思われる。水酸化アルミニウムアジュバントは典型的には繊維状形態(例えば透過型電子顕微鏡写真で見られるように)であり、例えば、直径が約2nmの針様粒子を有する。水酸化アルミニウムアジュバントのPZCは、典型的には、約11である、すなわち、アジュバント自体が生理的なpHで正の表面電荷を有する。水酸化アルミニウムアジュバントに関しては、吸着容量がpH7.4においてAl+++1mg当たりタンパク質1.8〜2.6mgの間であることが報告されている。
「リン酸アルミニウム」として公知のアジュバントは、典型的には、ヒドロキシリン酸アルミニウムであり、多くの場合、少量のサルフェートも含有する。これらは、沈殿によって得ることができ、沈殿の間の反応条件および濃度が塩におけるホスフェートのヒドロキシルとの置換の程度に影響を及ぼす。ヒドロキシホスフェートのPO/Alモル比は、一般に、0.3から0.99の間である。ヒドロキシホスフェートは、厳密なAlPOとは、ヒドロキシル基が存在することによって区別することができる。例えば、3164cm−1におけるIRスペクトルバンド(例えば200℃まで加熱した場合)により、構造的なヒドロキシルが存在することが示される(参考文献131の9章)。
リン酸アルミニウムアジュバントのPO/Al3+モル比は、一般に、0.3から1.2の間、好ましくは0.8から1.2の間、より好ましくは0.95±0.1である。リン酸アルミニウムは、特にヒドロキシリン酸塩に関して、一般に非結晶性である。典型的なアジュバントは、1mlあたり0.6mgのAl3+で含まれる、0.84から0.92の間のPO/Alモル比を有する非結晶性ヒドロキシリン酸アルミニウムである。リン酸アルミニウムは一般に粒子状である。任意の抗原を吸着させた後の典型的な粒子の直径は0.5〜20μmの範囲である(例えば約5〜10μm)。リン酸アルミニウムアジュバントに関しては、吸着容量がpH7.4においてAl+++1mg当たりタンパク質0.7〜1.5mgの間であることが報告されている。
リン酸アルミニウムのPZCはホスフェートのヒドロキシルとの置換の程度に反比例し、この置換の程度は、沈殿によって塩を調製するために使用する反応条件および反応物の濃度に応じて変動し得る。PZCは、溶液中の遊離リン酸イオンの濃度を変化させることによっても変わる(リン酸が多いほどPZCがより酸性になる)、またはヒスチジン緩衝液などの緩衝液を加えることによっても変わる(PZCがより塩基性になる)。本発明に従って使用されるリン酸アルミニウムのPZCは、一般に、4.0から7.0の間、より好ましくは5.0から6.5の間、例えば約5.7である。
溶液中では、リン酸アルミニウムアジュバントと水酸化物アジュバントはどちらも直径1〜10μmの安定な多孔質の凝集体を形成する傾向がある[133]。
組成物は、水酸化アルミニウムとリン酸アルミニウムの両方の混合物を含んでよく、成分をこれらの塩の一方または両方に吸着させることができる。
本発明の組成物を調製するために使用するリン酸アルミニウム溶液は、緩衝液(例えば、リン酸緩衝液またはヒスチジン緩衝液またはトリス緩衝液)を含有してよいが、これは必要であるとは限らない。リン酸アルミニウム溶液は滅菌されていることおよび発熱物質を含まないことが好ましい。リン酸アルミニウム溶液は、例えば1.0mMから20mMの間、好ましくは5mMから15mMの間、より好ましくは約10mMの濃度で存在する遊離の水性リン酸イオンを含んでよい。リン酸アルミニウム溶液は、塩化ナトリウムも含んでよい。塩化ナトリウムの濃度は、0.1〜100mg/ml(例えば0.5〜50mg/ml、1〜20mg/ml、2〜10mg/ml)の範囲であることが好ましく、約3±1mg/mlであることがより好ましい。NaClが存在することにより、抗原を吸着させる前にpHを正しく測定することが容易になる。
本発明の組成物は、単位用量当たり0.85mg未満のAl+++を含むことが理想的である。本発明の一部の実施形態では、組成物は、単位用量当たり0.5mg未満のAl+++を含む。Al+++の量はこれよりも少なくてよく、例えば、<250μg、<200μg、<150μg、<100μg、<75μg、<50μg、<25μg、<10μgなどであってよい。
本発明の組成物がアルミニウムに基づくアジュバントを含む場合、保管している間に成分の沈降が起こり得る。したがって、患者に投与する前に組成物を振とうするべきである。振とうされた組成物は混濁した白色の懸濁液になる。
TLRアゴニストとアルミニウム塩の両方が存在する場合、一般に、TLRアゴニストとAl+++の重量比は、5:1よりも小さく、例えば4:1未満、3:1未満、2:1未満、または1:1未満である。したがって、例えば、Al+++濃度が0.5mg/mlであれば、TLRアゴニストの最大濃度は2.5mg/mlになる。しかし、より高いレベルまたはより低いレベルを使用することができる。例えば、用量当たりTLRアゴニストが100μgでありAl+++が0.2mgであるなど、TLRアゴニストの質量がAl+++の質量よりも少ないことが最も典型的であり得る。例えば、FENDRIX(商標)製品は用量当たり50μgの3d−MPLと0.5mgのAl+++含む。
TLRアゴニスト
一部の実施形態では、本発明の組成物は、TLRアゴニスト、すなわち、Toll様受容体に対してアゴニスト作用し得る化合物を含む。TLRアゴニストはヒトTLRのアゴニストであることが最も好ましい。TLRアゴニストにより、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9またはTLR11のいずれをも活性化することができ、TLRアゴニストによりヒトTLR4またはヒトTLR7を活性化することできることが好ましい。
任意の特定のToll様受容体に対する化合物のアゴニスト活性は、標準のアッセイによって決定することができる。ImgenexおよびInvivogenなどの企業により、ヒトTLR遺伝子およびNFκBと、それに加えてTLR活性化経路を測定するための適切なレポーター遺伝子を安定に同時トランスフェクトした細胞系統が供給されている。これらは、高感度の広範な動作範囲ダイナミクスに対して設計されており、ハイスループットなスクリーニングのために使用することができる。そのような細胞系統では、1種または2種の特定のTLRが構成的に発現されていることが典型的である。参考文献134も参照されたい。多くのTLRアゴニストが当技術分野で公知であり、例えば、参考文献135には、TLR2アゴニストである特定のリポペプチド分子が記載されており、参考文献136〜139には、それぞれ、TLR7の小分子アゴニストのクラスが記載されており、参考文献140および141には、疾患を治療するためのTLR7アゴニストおよびTLR8アゴニストが記載されている。
本発明で使用されるTLRアゴニストは、少なくとも1つの吸着性部分を含むことが理想的である。そのような部分をTLRアゴニストに含めることにより、それらを不溶性アルミニウム塩に吸着させ(例えばリガンド交換または任意の他の適切な機構によって)、それらの免疫学的挙動を改善させる[142]。リン含有吸着性部分が特に有用であり、そのため、吸着性部分は、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、ホスホナイト、ホスフィナイトなどを含んでよい。
TLRアゴニストは少なくとも1つのホスホネート基を含むことが好ましい。
したがって、好ましい実施形態では、本発明の組成物は、ホスホネート基を含むTLRアゴニスト(TLR7アゴニストなど)を含む。このホスホネート基により、アゴニストを不溶性アルミニウム塩に吸着させることが可能になる[142]。
本発明で有用なTLRアゴニストは、単一の吸着性部分を含んでもよく、2つ以上、例えば2〜15の間の吸着性部分を含んでもよい。典型的には、化合物は1つ、2つまたは3つの吸着性部分を含む。
本発明で有用なリン含有TLRアゴニストは、式(A1)で表すことができる:
[式中、
およびRは、独立に、HおよびC〜Cアルキルから選択され、
Xは、共有結合、OおよびNHから選択され、
Yは、共有結合、O、C(O)、SおよびNHから選択され、
Lは、例えば、C〜Cアルキレン、C〜Cアルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、C〜Cアルキレンオキシおよび−((CHO)(CH−から選択され、それぞれがハロ、OH、C〜Cアルキル、−OP(O)(OH)および−P(O)(OH)から独立に選択される1〜4つの置換基で必要に応じて置換されているリンカーであり、
各pは、独立に、1、2、3、4、5および6から選択され、
qは、1、2、3および4から選択され、
nは、1、2および3から選択され、
Aは、TLRアゴニスト部分である]。
一実施形態では、式(A1)によるTLRアゴニストは以下の通りである:RおよびRはHであり、XはOであり、Lは、C〜Cアルキレンおよび−((CHO)(CH−から選択され、それぞれが1〜2つのハロゲン原子で必要に応じて置換されており、pは、1、2および3から選択され、qは、1および2から選択され、nは1である。したがって、これらの実施形態では、吸着性部分は、ホスフェート基を含む。
他の実施形態では、式(A1)によるTLRアゴニストは以下の通りである:RおよびRはHであり、Xは、共有結合であり、Lは、C〜Cアルキレンおよび−((CHO)(CH−から選択され、それぞれが1〜2つのハロゲン原子で必要に応じて置換されており、pは、1、2または3から選択され、qは、1または2から選択され、nは1である。したがって、これらの実施形態では、吸着性部分は、ホスホネート基を含む。
式(A1)の有用な「A」部分としては、これだけに限定されないが、本明細書において定義されているまたは参考文献136、137、139、140、142および177に開示されている以下の化合物のいずれかの遊離基が挙げられる:
一部の実施形態では、TLRアゴニスト部分「A」の分子量は1000Da未満である。一部の実施形態では、式(A1)のTLRアゴニストの分子量は1000Da未満である。
好ましいTLRアゴニストは水溶性である。したがって、これらは、pH7、25℃、1気圧において水性緩衝液中で水と混合すると均一な溶液を形成して濃度が少なくとも50μg/mlの溶液を生じ得る。したがって、これらの条件下でのみ難溶性の物質は「水溶性の」という用語から除外される。
有用なTLRアゴニストとしては、下でより詳細に記載されている式(C)、(D)、(E)、(F)、(G)、(H)、(I)、(II)、(J)または(K)を有するTLRアゴニストが挙げられる。他の有用なTLRアゴニストは、参考文献142において定義されている化合物1〜102である。好ましいTLR7アゴニストは、下で同定される化合物K2などの式(K)を有する。これらは、塩、例えばK2のアルギニン塩として使用することができる。
好ましいTLR4アゴニストは、下でより詳細に記載されているモノホスホリルリピドA(MPL)の類似体である。例えば、有用なTLR4アゴニストは、3d−MPLである。
本発明の組成物は、2種以上のTLRアゴニストを含んでよい。これらの2つのアゴニストは互いとは異なり、同じTLRを標的とするものであっても異なるTLRを標的とするものであってもよい。両方のアゴニストをアルミニウム塩に吸着させることができる。
組成物のTLRアゴニスト(複数可)はいずれも、その少なくとも50%(質量で)、例えば≧60%、≧70%、≧80%、≧85%、≧90%、≧92%、≧94%、≧95%、≧96%、≧97%、≧98%、≧99%、さらには100%がアルミニウム塩(存在する場合)に吸着していることが好ましい。
本発明の組成物が金属塩に吸着したTLRアゴニストを含み、緩衝液も含む場合、高濃度のリン酸イオンにより脱離が引き起こされ得るので、好ましくは、緩衝液中のいずれのリン酸イオンの濃度も50mM未満(例えば1〜15mMの間)であるべきである。ヒスチジン緩衝液を使用することが好ましい。
式(C)、(D)、(E)および(H)−TLR7アゴニスト
TLRアゴニストは、式(C)、(D)、(E)、および(H)のいずれかによる化合物であってよい:
[式中、
(a)Pは、H、C〜Cアルキル、CF、および−((CHO)(CH−および−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)から選択され、Pは、H、C〜Cアルキル、−C〜Cアルキルアリールおよび−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)から選択され、ただし、PおよびPのうちの少なくとも一方が−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)であり、
(b)Pは、H、C〜Cアルキル、および−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)から選択され、Pは、H、C〜Cアルキルから選択され、それぞれが、C〜CアルキルおよびOH、および−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)から選択される1〜3つの置換基で必要に応じて置換されており、Pは、H、C〜Cアルキル、−((CHO)(CH−、−NHC〜Cアルキルおよび−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)から選択され、ただし、P、PおよびPのうちの少なくとも1つが−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)であり、
(c)Pは、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、−NHC〜Cアルキルから選択され、それぞれがOH、および−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)で必要に応じて置換されており、PおよびP10は、それぞれ独立に、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、−NHC〜Cアルキルから選択され、それぞれがOHおよびC〜Cアルキル、および−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)で必要に応じて置換されており、ただし、P8、またはP10のうちの少なくとも1つが−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)であり、
(d)P16および各P18は、それぞれ独立に、H、C〜Cアルキル、および−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)から選択され、P17は、H、C〜Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、C〜Cアルキルアリール、C〜Cアルキルヘテロアリール、C〜Cアルキルアリール−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)および−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)から選択され、それぞれがC〜Cアルキルまたはヘテロシクリルから選択される1〜2つの置換基で必要に応じて置換されている、ただし、P16、17またはP18のうちの少なくとも1つが−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)部分を含有し、
およびRは、独立に、HおよびC〜Cアルキルから選択され、
、RおよびRは、それぞれ独立に、HおよびC〜Cアルキルから選択され、
は、CHおよびNから選択され、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C(O)C〜Cアルキル、ハロゲンおよび−((CHO)(CH−から選択され、
は、共有結合、CRE2E3およびNRE4から選択され、
E2、RE3およびRE4は、独立に、HおよびC〜Cアルキルから選択され、
H1−XH2は、−CRH2H3−、−CRH2H3−CRH2H3−、−C(O)CRH2H3−、−C(O)CRH2H3−、−CRH2H3C(O)−、−NRH4C(O)−、C(O)NRH4−、CRH2H3S(O)および−CRH2=CRH2−から選択され、
H2、RH3およびRH4は、それぞれ独立に、H、C〜CアルキルおよびP18から選択され、
H3は、NおよびCNから選択され、
Xは、共有結合、OおよびNHから選択され、
Yは、共有結合、O、C(O)、SおよびNHから選択され、
Lは、共有結合 C〜Cアルキレン、C〜Cアルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、C〜Cアルキレンオキシおよび−((CHO)(CH−から選択され、それぞれがハロ、OH、C−Cアルキル、−OP(O)(OH)および−P(O)(OH)から独立に選択される1〜4つの置換基で必要に応じて置換されており、
mは、0または1から選択され、
各pは、独立に、1、2、3、4、5および6から選択され、
qは、1、2、3および4から選択され、
sは、0および1から選択される]。
式(G)−TLR8アゴニスト
TLRアゴニストは、式(G)による化合物であってよい:
[式中、
11は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、NRおよび−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)から選択され、
12は、H、C〜Cアルキル、アリールから選択され、−C(O)NR、および−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)によって必要に応じて置換されており、
13、P14およびP15は、独立に、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシおよび−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)から選択され、
ただし、P11、P12、P13、P14またはP15のうちの少なくとも1つが−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)であり、
およびRは、独立に、H、C〜Cアルキルから選択されるか、またはそれらが結合する窒素原子と一緒になって4〜7員の複素環を形成し、
は、C、CHおよびNから選択され、
は、任意選択の二重結合を示し、
が二重結合である場合にはXはCであり、
は、HおよびC〜Cアルキルから選択され、
Xは、共有結合、OおよびNHから選択され、
Yは、共有結合、O、C(O)、SおよびNHから選択され、
Lは、共有結合 C〜Cアルキレン、C〜Cアルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、C〜Cアルキレンオキシおよび−((CHO)(CH−から選択され、それぞれがハロ、OH、C〜Cアルキル、−OP(O)(OH)および−P(O)(OH)から独立に選択される1〜4つの置換基で必要に応じて置換されており、
各pは、独立に、1、2、3、4、5および6から選択され、
qは、1、2、3および4から選択される]。
式(I)および(II)−TLR7アゴニスト[137]
TLRアゴニストは、式(I)または式(II)による化合物であってよい:
[式中、
Zは、−NHまたは−OHであり、
は、アルキレン、置換アルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、アルキニレン、置換アルキニレン、カルボシクリレン、置換カルボシクリレン、ヘテロシクリレン、または置換ヘテロシクリレンであり、
は、共有結合、アリーレン、置換アリーレン、ヘテロシクリレン、置換ヘテロシクリレン、カルボシクリレン、置換カルボシクリレン、−S−、−S(O)−、S(O)、−NR−、または−O−である。
は、共有結合、アルキレン、または置換アルキレンであり、
は、NR−、−N(R)C(O)−、−O−、−S−、−S(O)−、S(O)、または共有結合であり、
は、H、アルキル、置換アルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、または置換ヘテロシクリルアルキルであり、
およびYは、それぞれ独立に、共有結合、−O−または−NR−であり、または−Y−Rおよび−Y−Rは、それぞれ独立に、−O−N=C(R)であり、
およびRは、それぞれ独立に、H、アルキル、置換アルキル、カルボシクリル、置換カルボシクリル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロシクリルアルキル、置換ヘテロシクリルアルキル、−アルキレン−C(O)−O−R、−(置換アルキレン)−C(O)−O−R、−アルキレン−O−C(O)−R、−(置換アルキレン)−O−C(O)−R、−アルキレン−O−C(O)−O−R、または−(置換アルキレン)−O−C(O)−O−Rであり、
は、H、ハロゲン、−OH、−O−アルキル、−O−アルキレン−O−C(O)−O−R、−O−C(O)−O−R、−SH、または−NH(R)であり、
各R、R、およびRは、独立に、H、アルキル、置換アルキル、カルボシクリル、置換カルボシクリル、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロシクリルアルキル、または置換ヘテロシクリルアルキルである]。
式(J)−TLR2アゴニスト[143]
TLRアゴニストは、式(J)による化合物であってよい:
[式中、
は、H、−C(O)−C〜C18アルキルまたは−C(O)−C〜Cアルキルであり、
は、C〜C18アルキルであり、
は、C〜C18アルキルであり、
は、−CHOC(O)−、−CHO−、−CHNRC(O)−または−CHOC(O)NR−であり、
は、−OC(O)−、−O−、−NRC(O)−または−OC(O)NR−であり、
は、−Lまたは−Lであり、
は、−N(R、−OR、−P(O)(OR、−C(O)OR、−NRC(O)L、−NRC(O)L、−OL、−C(O)NR、−C(O)NR、−S(O)OR、−OS(O)OR、C〜Cアルキル、Cアリール、C10アリール、C14アリール、O、SおよびNから選択されるヘテロ原子を1〜3つ含有する5〜14員環のヘテロアリール、C〜CシクロアルキルまたはO、SおよびNから選択されるヘテロ原子を1〜3つ含有する5〜6員環のヘテロシクロアルキルであり、Rのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、それぞれ置換されていない、またはRのアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、それぞれ、−OR、−OL、−OL、−OR、および−C(O)ORから独立に選択される1〜3つの置換基で置換されており、
は、C〜C10アルキレンであり、LのC〜C10アルキレンは置換されていない、またはLのC〜C10アルキレンは1〜4つのR基で置換されている、またはLのC〜C10アルキレンは、同じ炭素原子上の2つのC〜Cアルキル基で置換されており、それらが結合している炭素原子と一緒になってC〜Cシクロアルキル(cycloakyl)を形成し、
は、−((CRO)(CR1010−または−(CR1111)((CRO)(CR1010−であり、各R11は、C〜Cアルキル基であり、それが結合している炭素原子と一緒になってC〜Cシクロアルキルを形成し、
各Rは、独立に、ハロ、C〜Cアルキル、1〜2つのヒドロキシル基で置換されたC〜Cアルキル、−OR、−N(R、−C(O)OH、−C(O)N(R、−P(O)(OR、Cアリール、C10アリールおよびC14アリールから選択され、
各Rは、独立に、HおよびC〜Cアルキルから選択され、
は、SR、−C(O)OH、−P(O)(OR、ならびにOおよびNから選択されるヘテロ原子を1〜3つ含有する5〜6員環のヘテロシクロアルキルから選択され、
は、フェニルであり、
各R10は、独立に、Hおよびハロから選択され、
各pは、独立に、1、2、3、4、5および6から選択され、
qは、1、2、3または4である]。
は、P(O)(OR、−NRC(O)L−P(O)(OR、−NRC(O)L−P(O)(OR、−OL−P(O)(OR、−C(O)NR−P(O)(OR、または−C(O)NR−P(O)(ORであることが好ましい。
(J)の一部の実施形態では、RはHである。(J)の他の実施形態では、Rは−C(O)−C15アルキルである。
(J)の一部の実施形態では、(i)Lは−CHOC(O)−であり、Lは−OC(O)−、−O−、−NRC(O)−または−OC(O)NR−であり、あるいは(ii)Lは−CHO−であり、Lは−OC(O)−、−O−、−NRC(O)−または−OC(O)NR−であり、あるいは(iii)Lは−CHNRC(O)−であり、Lは−OC(O)−、−O−、−NRC(O)−または−OC(O)NR−であり、あるいは(iv)Lは−CHOC(O)NR−であり、Lは−OC(O)−、−O−、NRC(O)−または−OC(O)NR−である。
(J)の一部の実施形態では、(i)Lは−CHOC(O)−であり、Lは−OC(O)−であり、または(ii)Lは−CHO−であり、Lは−O−であり、または(iii)Lは−CHO−であり、Lは−NHC(O)−であり、または(iv)Lは−CHOC(O)NH−であり、Lは−OC(O)NH−である。
(J)の一部の実施形態では、(i)Rは−C11アルキルであり、Rは−C11アルキルであり、または(ii)Rは−C16アルキルであり、Rは−C16アルキルであり、または(iii)Rは−C16アルキルであり、Rは−C11アルキルであり、または(iv)Rは−C12アルキルであり、Rは−C12アルキルであり、または(v)Rは−Cアルキルであり、Rは−Cアルキルであり、または(vi)Rは−Cアルキルであり、Rは−Cアルキルであり、または(vii)Rは−Cアルキルであり、Rは−Cアルキルであり、または(viii)Rは−C13アルキルであり、Rは−C13アルキルであり、または(ix)Rは−C12アルキルであり、Rは−C11アルキルであり、または(x)Rは−C12アルキルであり、Rは−C12アルキルであり、または(xi)Rは−C10アルキルであり、Rは−C10アルキルであり、または(xii)Rは−−C15アルキルであり、Rは−C15アルキルである。
(J)の一部の実施形態では、Rは−C11アルキルであり、Rは−C11アルキルである。
(J)の一部の実施形態では、LはC〜C10アルキレンであり、LのC〜C10アルキレンは置換されていない、または、1〜4つのR基で置換されている。
(J)の一部の実施形態では、Lは−((CRO)(CR1010−であり、各R10は、独立に、HおよびFから選択され、各pは、独立に、2、3、および4から選択される。
(J)の一部の実施形態では、各Rは、独立に、メチル、エチル、i−プロピル、i−ブチル、−CHOH、−OH、−F、−NH、−C(O)OH、−C(O)NH、−P(O)(OH)およびフェニルから選択される。
(J)の一部の実施形態では、各Rは、独立に、H、メチルおよびエチルから選択される。
TLR4アゴニスト
本発明の組成物は、TLR4アゴニスト、最も好ましくはヒトTLR4のアゴニストを含んでよい。TLR4は、従来の樹状細胞およびマクロファージを含めた自然免疫系の細胞で発現させる[144]。TLR4を介した誘発により、MyD88依存性経路とTRIF依存性経路の両方を利用するシグナル伝達カスケードが誘導され、それにより、NF−κBおよびIRF3/7それぞれが活性化される。TLR4の活性化により、典型的には、ロバストなIL−12p70の産生が誘導され、Th1型の細胞性免疫応答および液性免疫応答が強力に増強される。
種々の有用なTLR4アゴニストが当技術分野で公知であり、その多くは内毒素またはリポ多糖(LPS)の類似体である。例えば、TLR4アゴニストは、以下のものであってよい:
(i)3d−MPL(すなわち、3−O−脱アシル化モノホスホリルリピドA;3−de−O−アシル化モノホスホリルリピドAまたは3−O−デスアシル−4’−モノホスホリルリピドAとしても公知である)。この内毒素のモノホスホリルリピドA部分の誘導体は、グルコサミンの還元末端の脱アシル化された3位を有する。3d−MPLは、Salmonella minnesotaのヘプトース欠損変異体から調製されており、リピドAと化学的に類似しているが、酸に不安定なホスホリル基および塩基に不安定なアシル基を欠く。3d−MPLの調製物は参考文献145において最初に記載され、その製品はCorixa Corporationによって製造、販売されている。当該製品は、GSKの「AS04」アジュバント中に存在する。さらなる詳細は、参考文献146〜149において見いだすことができる。
(ii)グルコピラノシルリピドA(GLA)[150]またはそのアンモニウム塩:
(iii)アミノアルキルグルコサミニドホスフェート、例えば、RC−529またはCRX−524[151〜153]。RC−529およびCRX−524は以下の構造を有し、それらのR基が異なる:
(iv)リン酸含有非環式骨格に結合した脂質を含有する化合物、例えば、TLR4アンタゴニストE5564[154、155]:
(v)参考文献156において定義されている式I、式IIまたは式IIIの化合物、またはその塩、例えば、化合物「ER803058」、「ER803732」、「ER804053」、「ER804058」、「ER804059」、「ER804442」、「ER804680」、「ER803022」、「ER804764」または「ER804057」。ER804057は、E6020としても公知であり、以下の構造を有し:
ER803022は以下の構造を有する:
(vi)参考文献157に開示されているポリペプチドリガンドのうちの1つ。
これらのTLR4アゴニストはいずれも、本発明で使用することができる。
本発明の組成物は、TLR4アゴニストが吸着したアルミニウム塩を含んでよい。吸着性の性質を有するTLR4アゴニストは、典型的には、アルミニウム塩上の表面基と、特に、表面に水酸基を有する塩とのリガンド交換を行うことができるリン含有部分を含む。したがって、有用なTLR4アゴニストは、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、ホスホナイト、ホスフィナイト、ホスフェートなどを含んでよい。好ましいTLR4アゴニストは、少なくとも1つのリホスフェート基[142]、例えば上で列挙されているアゴニスト(i)〜(v)を含む。
本発明で使用するために好ましいTLR4アゴニストは3d−MPLである。これは、リン酸アルミニウムアジュバント、水酸化アルミニウムアジュバント、またはその両方の混合物に吸着させることができる[158]。
3d−MPLは、それらのアシル化に関して変動する(例えば、長さが異なり得るアシル鎖を3つ、4つ、5つまたは6つ有する)、関連する分子の混合物の形態をとってよい。2つのグルコサミン(2−デオキシ−2−アミノ−グルコースとしても公知である)単糖は、それらの2位の炭素において(すなわち、2位および2’位において)N−アシル化されており、3’位にO−アシル化も存在する。炭素2に結合している基は、式−NH−CO−CH−CR1’を有する。炭素2’に結合している基は、式−NH−CO−CH−CR2’を有する。炭素3’に結合している基は、式−O−CO−CH−CR3’を有する。代表的な構造は、
である。
基、R基およびR基は、それぞれ独立に、−(CH−CHである。nの値は、8から16の間であることが好ましく、9から12の間であることがより好ましく、10であることが最も好ましい。
1’基、R2’基およびR3’基は、それぞれ独立に、(a)−H;(b)−OH;または(c)−O−CO−Rであってよく、Rは−Hまたは−(CH−CHのいずれかであり、mの値は、8から16の間であることが好ましく、10、12または14であることがより好ましい。2位では、mは、14であることが好ましい。2’位では、mは、10であることが好ましい。3’位では、mは、12であることが好ましい。したがって、R1’基、R2’基およびR3’基は、ドデカン酸、テトラデカン酸またはヘキサデカン酸由来の−O−アシル基であることが好ましい。
1’、R2’およびR3’の全てが−Hである場合には、3d−MPLはアシル鎖を3つのみ有する(2位、2’位および3’位のそれぞれにあるもの)。R1’、R2’およびR3’のうちの2つのみが−Hである場合には、3d−MPLは、アシル鎖を4つ有し得る。R1’、R2’およびR3’のうちの1つのみが−Hである場合には、3d−MPLはアシル鎖を5つ有し得る。R1’、R2’およびR3’のいずれも−Hではない場合には、3d−MPLはアシル鎖を6つ有し得る。本発明に従って使用される3d−MPLは、アシル鎖を3〜6つ有するこれらの形態の混合物であってよいが、特に、アシル鎖が6つの形態が全3d−MPLの少なくとも10重量%、例えば≧20%、≧30%、≧40%、≧50%またはそれ以上を占めることが確実になるように、アシル鎖を6つ有する3d−MPLを混合物中に含めることが好ましい。アシル鎖を6つ有する3d−MPLはアジュバント活性が最も高い形態であることが見いだされている。
したがって、本発明で使用するために最も好ましい3d−MPLの形態は、
である。
3d−MPLが混合物の形態で使用される場合には、本発明の組成物中の3d−MPLの量または濃度への言及は、混合物中の複合3d−MPL種を指す。
典型的な組成物は、3d−MPLを、25μg/mlから200μg/mlの間、例えば、50〜150μg/ml、75〜125μg/ml、90〜110μg/mlの範囲、または約100μg/mlの濃度で含む。通常は、用量当たり25〜75μgの間の3d−MPL、例えば、用量当たり45〜55μgの間、または約50μgの3d−MPLが投与される。
水性条件では、3d−MPLは、サイズが異なり、例えば直径が<150nmまたは>500nmのミセル状の凝集体または粒子を形成し得る。これらのいずれかまたは両方を本発明で使用することができ、よりよい粒子は慣例的なアッセイによって選択することができる。より小さな粒子(例えば、3d−MPLの清澄な水性懸濁液を生じるために十分に小さい粒子)は、活性が優れているので、本発明に従って使用するために好ましい[159]。好ましい粒子の平均直径は、150nm未満、より好ましくは120nm未満であり、さらには100nm未満の平均直径であってもよい。しかし、ほとんどの場合、平均直径は50nmを下回らない。3d−MPLがアルミニウム塩に吸着している場合には、3D−MPLの粒子サイズを直接測定することが可能でない場合があるが、粒子サイズは、吸着が起こる前に測定することができる。粒子の直径は、粒子の直径の平均を明らかにする動的光散乱の慣例的な技法によって評価することができる。粒子の直径がxnmであるといわれる場合、一般に、粒子の分布はおよそこの平均であるが、数で少なくとも50%(例えば≧60%、≧70%、≧80%、≧90%、またはそれ以上)の粒子の直径がx±25%の範囲内である。
式(K)[160]
TLRアゴニストは、式(K)による化合物であってよい:
[式中、
は、H、C〜Cアルキル、−C(ROH、−L、−L、−L、−L、−OL、または−OLであり、
は、−C(O)−または−O−であり、
は、C〜Cアルキレン、C〜Cアルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレンまたは−((CRO)(CHであり、LのC〜CアルキレンおよびC〜Cアルケニレンは、1〜4つのフルオロ基で必要に応じて置換されており、
各Lは、独立に、C〜Cアルキレンおよび−((CRO)(CH−から選択され、LのC〜Cアルキレンは、1〜4つのフルオロ基で必要に応じて置換されており、
は、アリーレンまたはヘテロアリーレンであり、
は、HまたはC〜Cアルキルであり、
は、C〜Cアルキル、−L、−L、−L、−L、−L、−L、−OL、−OL、−OL、−OL、−OR、−OL、−OLおよび−C(ROHから選択され、
各Rは、独立に、Hおよびフルオロから選択され、
は、−P(O)(ORであり、
は、−CFP(O)(ORまたは−C(O)OR10であり、
は、−CFP(O)(ORまたは−C(O)OR10であり、
は、HまたはC〜Cアルキルであり、
各Rは、独立に、HおよびC〜Cアルキルから選択され、
10は、HまたはC〜Cアルキルであり、
各pは、独立に、1、2、3、4、5および6から選択され、
qは、1、2、3または4である]。
式(K)の化合物は、式(K’)の化合物であることが好ましい:
[式中、
は、H、C〜Cアルキルから選択され、COOHおよび−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)で必要に応じて置換されており、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシおよび−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)から選択され、
ただし、PおよびPのうちの少なくとも一方が−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)であり、
は、HおよびC〜Cアルキルから選択され、
およびRは、独立に、HおよびC〜Cアルキルから選択され、
Xは、共有結合、OおよびNHから選択され、
Yは、共有結合、O、C(O)、SおよびNHから選択され、
Lは、共有結合 C〜Cアルキレン、C〜Cアルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、C〜Cアルキレンオキシおよび−((CHO)(CH−から選択され、それぞれが、ハロ、OH、C〜Cアルキル、−OP(O)(OH)および−P(O)(OH)から独立に選択される1〜4つの置換基で必要に応じて置換されており、
各pは、独立に、1、2、3、4、5および6から選択され、
qは、1、2、3および4から選択される]。
式(K’)の一部の実施形態では、Pは、C〜Cアルキルから選択され、COOHおよび−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)で必要に応じて置換されており、Pは、C〜Cアルコキシおよび−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)から選択され、Rは、C〜Cアルキルであり、Xは、共有結合であり、Lは、C〜Cアルキレンおよび−((CHO)(CH−から選択され、それぞれが、ハロ、OH、C〜Cアルキル、−OP(O)(OH)および−P(O)(OH)から独立に選択される1〜4つの置換基で必要に応じて置換されており、各pは、独立に、1、2および3から選択され、qは、1および2から選択される。
好ましい式KのTLR7アゴニストは、3−(5−アミノ−2−(2−メチル−4−(2−(2−(2−ホスホノエトキシ)エトキシ)エトキシ)フェネチル)ベンゾ[f]−[1,7]ナフチリジン−8−イル)プロパン酸であり、本明細書では、化合物「K2」と称される:
K2化合物は、アルギニン塩一水和物としても使用することができる。
式(F)−TLR7アゴニスト[138]
TLRアゴニストは、式(F)による化合物であってよい:
[式中、
は、Nであり、
は、NまたはCRであり、
は、−CR=CR−であり、
およびRは、Hであり、
は、Hであり、
およびRは、それぞれ独立に、H、ハロゲン、−C(O)OR、−C(O)R、−C(O)N(R1112)、−N(R1112)、−N(R2、−NHN(R、−SR、−(CHOR、−(CH、−LR、−LR10、−OLR、−OLR10、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケン、C〜Cアルキン、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、C〜Cシクロアルキル、およびC〜Cヘテロシクロアルキルから選択され、RおよびRのC〜Cアルキル基、C〜Cヘテロアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケン基、C〜Cアルキン基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cハロアルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、C〜Cシクロアルキル基、およびC〜Cヘテロシクロアルキル基は、それぞれが、独立に、ハロゲン、−CN、−NO、−R、−OR、−C(O)R、−OC(O)R、−C(O)OR、−N(R、−P(O)(OR、−OP(O)(OR、−P(O)(0R10.−OP(O)(OR10、−C(O)N(R、−S(O)、−S(O)R、−S(O)N(R、および−NRS(O)から選択される1〜3つの置換基で必要に応じて置換されており、
あるいは、RとR、またはRとR、またはRとRが近接する環原子上に存在する場合、必要に応じて一緒になって結合して5〜6員環を形成していてもよく、5〜6員環は、Rで必要に応じて置換されており、
各Lは、独立に、結合、−(O(CH−、C〜Cアルキル、C〜CアルケニレンおよびC〜Cアルキニレンから選択され、LのC〜Cアルキル、C〜Cアルケニレン、およびC〜Cアルキニレンは、それぞれが、ハロゲン、−R、−OR、−N(R、−P(O)(OR、−OP(O)(OR、−P(O)(OR10、および−OP(O)(OR10から独立に選択される1〜4つの置換基で必要に応じて置換されており、
は、H、C〜Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルケン、C〜Cアルキン、C〜Cアルコキシ、C〜Cハロアルコキシ、およびC〜Cヘテロシクロアルキルから選択され、RのC〜Cアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、C〜Cシクロアルキル基、C〜Cヘテロアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルケン基、C〜Cアルキン基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cハロアルコキシ基、およびC〜Cヘテロシクロアルキル基は、それぞれが1〜3つのR13基で必要に応じて置換されており、各R13は、ハロゲン、−CN、−LR、−LOR、−OLR、−LR10、−LOR10、−OLR10、−LR、−LOR、−OLR、−LSR、−LSR10、−LC(O)R、−OLC(O)R、−LC(O)OR、−LC(O)R10、−LOC(O)OR、−LC(O)NR11、−LC(O)NR、−LN(R、−LNR、−LNR10、−LC(O)N(R、−LS(O)、−LS(O)R、−LC(O)NROH、−LNRC(O)R、−LNRC(O)OR、−LS(O)N(R、−OLS(O)N(R、−LNRS(O)、−LC(O)NRLN(R、−LP(O)(OR、−LOP(O)(OR、−LP(O)(OR10および−OLP(O)(OR10から独立に選択され、
各Rは、H、−CH(R10、C〜Cアルキル、C〜Cアルケン、C〜Cアルキン、C〜Cハロアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、C〜CヒドロキシアルキルおよびC〜Cハロアルコキシから独立に選択され、RのC〜Cアルキル基、C〜Cアルケン基、C〜Cアルキン基、C〜Cヘテロアルキル基、C〜Cハロアルキル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cシクロアルキル基、C〜Cヘテロシクロアルキル基、C〜Cヒドロキシアルキル基およびC〜Cハロアルコキシ基は、それぞれが、−CN、R11、−OR11、−SR11、−C(O)R11、−OC(O)R11、−C(O)N(R、−C(O)OR11、−NRC(O)R11、−NR10、−NR1112、−N(R、−OR、−OR10、−C(O)NR1112、−C(O)NR11OH、−S(O)11、−S(O)R11、−S(O)NR1112、−NR11S(O)11、−P(O)(OR11、および−OP(O)(OR11から独立に選択される1〜3つの置換基で必要に応じて置換されており、
各Rは、H、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)R10、−C(O)OR10、−S(O)10、−C〜Cアルキル、C〜CヘテロアルキルおよびC〜Cシクロアルキルから独立に選択される、または各Rは、独立に、それが結合しているNと一緒にC〜Cヘテロシクロアルキルを形成するC〜Cアルキルであり、C〜Cヘテロシクロアルキル環は、N、OおよびSから選択される追加的なヘテロ原子を必要に応じて含有しており、RのC〜Cアルキル基、C〜Cヘテロアルキル基、C〜Cシクロアルキル基、またはC〜Cヘテロシクロアルキル基は、それぞれが、−CN、R11、−OR11、−SR11、−C(O)R11、OC(O)R11、−C(O)0R11、−NR1112、−C(O)NR1112、−C(O)NR11OH、−S(O)11、−S(O)R11、−S(O)NR1112、−NR11S(O)11、−P(O)(OR11および−OP(O)(OR11から独立に選択される1〜3つの置換基で必要に応じて置換されており、
各R10は、アリール、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキルおよびヘテロアリールから独立に選択され、アリール基、C〜Cシクロアルキル基、C〜Cヘテロシクロアルキル基およびヘテロアリール基は、ハロゲン、−R、−OR、−LR、−LOR、−N(R、−NRC(O)R、−NRCO、−CO、−C(O)Rおよび−C(O)N(Rから選択される1〜3つの置換基で必要に応じて置換されており、
11およびR12は、独立に、H、C〜Cアルキル、C〜Cヘテロアルキル、C〜Cハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C〜Cシクロアルキル、およびC〜Cヘテロシクロアルキルから選択され、R11およびR12のC〜Cアルキル基、C〜Cヘテロアルキル基、C〜Cハロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、C〜Cシクロアルキル基、およびC〜Cヘテロシクロアルキル基は、それぞれが、ハロゲン、−CN、R、−OR、C(O)R、OC(O)R、−C(O)OR、−N(R、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−C(O)N(R、C〜Cヘテロシクロアルキル、−S(O)、−S(O)N(R、−NRS(O)、C〜CハロアルキルおよびC〜Cハロアルコキシから独立に選択される1〜3つの置換基で必要に応じて置換されており、
または、R11およびR12は、それぞれ独立に、C〜Cアルキルであり、それらが結合しているN原子と一緒になって、N、OおよびSから選択される追加的なヘテロ原子を必要に応じて含有している、必要に応じて置換されているC〜Cヘテロシクロアルキル環を形成し、
環Aは、アリールまたはヘテロアリールであり、環Aのアリール基およびヘテロアリール基は、1〜3つのR基で必要に応じて置換されており、各Rは、−R、−R、−OR、−OR、−R10、−OR10、−SR、−NO、−CN、−N(R、−NRC(O)R、−NRC(S)R、−NRC(O)N(R、−NRC(S)N(R、−NRCO、−NRNRC(O)R、−NRNRC(O)N(R、−NRNRCO、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−CO、−(CHCO、−C(O)R、−C(S)R、−C(O)N(R、−C(S)N(R、−OC(O)N(R、−OC(O)R、−C(O)N(OR)R、−C(NOR)R、−S(O)、−S(O)、−SON(R、−S(O)R、−NRSON(R、−NRSO、−P(O)(OR、−OP(O)(OR、−P(O)(OR10、−OP(O)(OR10、−N(0R)R、−CH=CHCO、−C(=NH)−N(R、および−(CHNHC(O)Rから独立に選択される、または環Aの2つの近接するR置換基は、最大2つのヘテロ原子を環員として含有する5〜6員環を形成し、
nは、独立に、各出現時に、0、1、2、3、4、5、6、7または8であり、
各mは、独立に、1、2、3、4、5および6から選択され、
tは、1、2、3、4、5、6、7または8である]。
式(C)、(D)、(E)、(G)および(H)
上記で論じた通り、TLRアゴニストは、式(C)、(D)、(E)、(G)または(H)のTLRアゴニストであってよい。
式(C)、(D)、(E)および(H)の「親」化合物は有用なTLR7アゴニストであるが(参考文献136〜139および161〜177を参照されたい)、本明細書では、リン含有部分を結合させることによって改変されていることが好ましい。
式(C)、(D)および(E)の一部の実施形態では、化合物は、以下に示されている式(C`)、(D`)および(E`)による構造を有する:
式(C)、(D)、(E)および(H)の本発明の実施形態は、式(C`)、(D`)、(E`)および(H`)にも当てはまる。
式(C)、(D)、(E)、および(H)の一部の実施形態では、XはOであり、Lは、C〜Cアルキレンおよび−((CHO)(CH−から選択され、それぞれが、ハロ、OH、C〜Cアルキル、−OP(O)(OH)および−P(O)(OH)から独立に選択される1〜4つの置換基で必要に応じて置換されており、各pは、独立に、1、2および3から選択され、qは、1および2から選択される。
式(C)の他の実施形態では、Pは、C〜Cアルキル、CF、および−((CHO)(CH−および−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)から選択され、Pは、−C〜Cアルキルアリールおよび−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)から選択され、Xは、CHであり、Xは、共有結合であり、Lは、C〜Cアルキレンおよび−((CHO)(CH−から選択され、それぞれが、ハロ、OH、C〜Cアルキル、−OP(O)(OH)および−P(O)(OH)から独立に選択される1〜4つの置換基で必要に応じて置換されており、各pは、独立に、1、2および3から選択され、qは、1または2である。
式(C)、(D)、(E)、および(H)の他の実施形態では、Xは、共有結合であり、Lは、C〜Cアルキレンおよび−((CHO)(CH−から選択され、それぞれが、ハロ、OH、C〜Cアルキル、−OP(O)(OH)および−P(O)(OH)から独立に選択される1〜4つの置換基で必要に応じて置換されており、各pは、独立に、1、2および3から選択され、qは、1および2から選択される。
式(C)の他の実施形態では、Pは、C〜Cアルキル、CF、および−((CHO)(CH−および−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)から選択され、Pは、−C〜Cアルキルアリールおよび−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)から選択され、Xは、Nであり、Xは、共有結合であり、Lは、C〜Cアルキレンおよび−((CHO)(CH−から選択され、それぞれが、ハロ、OH、C〜Cアルキル、−OP(O)(OH)および−P(O)(OH)から独立に選択される1〜4つの置換基で必要に応じて置換されており、各pは、独立に、1、2および3から選択され、qは、1および2から選択される。
式(D)の他の実施形態では、Pは、C〜Cアルキル、および−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)から選択される。
式(D)の他の実施形態では、Xは、Oであり、Lは、C〜Cアルキレンおよび−((CHO)(CH−から選択され、それぞれが、ハロ、OH、C〜Cアルキル、−OP(O)(OH)および−P(O)(OH)から独立に選択される1〜4つの置換基で必要に応じて置換されており、各pは、独立に、1、2および3から選択され、qは、1および2から選択される。
式(D)の他の実施形態では、Xは、共有結合であり、Lは、C〜Cアルキレンおよび−((CHO)(CH−から選択され、それぞれが、ハロ、OH、C〜Cアルキル、−OP(O)(OH)および−P(O)(OH)から独立に選択される1〜4つの置換基で必要に応じて置換されており、各pは、独立に、1、2および3から選択され、qは、1および2から選択される。
式(E)の他の実施形態では、Xは、Oであり、Lは、C〜Cアルキレンおよび−((CHO)(CH−から選択され、それぞれが、ハロ、OH、C〜Cアルキル、−OP(O)(OH)および−P(O)(OH)から独立に選択される1〜4つの置換基で必要に応じて置換されており、各pは、独立に、1、2および3から選択され、qは、1および2から選択される。
式(E)の他の実施形態では、Xは、共有結合であり、Lは、C〜Cアルキレンおよび−((CHO)(CH−から選択され、それぞれが、ハロ、OH、C〜Cアルキル、−OP(O)(OH)および−P(O)(OH)から独立に選択される1〜4つの置換基で必要に応じて置換されており、各pは、独立に、1、2および3から選択され、qは、1および2から選択される。
式(E)の他の実施形態では、Xは、CHであり、Pは、C〜Cアルコキシであり、−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)で必要に応じて置換されている。
式(E)の他の実施形態では、Pは、−NHC〜Cアルキルであり、OHおよびC〜Cアルキル、および−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)で必要に応じて置換されている。
一部の実施形態では、式(C)の化合物は、Pが−Y−L−X−P(O)(OR)(OR)である化合物ではない。
一部の実施形態では、式(C)の化合物において、Pは、H、C〜Cアルキル、−C〜Cアルキルアリールから選択される。
式(H)の一部の実施形態では、XH1−XH2は、CRH2H3であり、RH2およびRH3は、Hであり、XH3は、Nであり、Xは、共有結合であり、Lは、C〜Cアルキレンおよび−((CHO)(CH−から選択され、それぞれが、ハロ、OH、C〜Cアルキル、−OP(O)(OH)および−P(O)(OH)から独立に選択される1〜4つの置換基で必要に応じて置換されており、各pは、独立に、1、2および3から選択され、qは、1および2から選択される。
式(H)の一部の実施形態では、XH1−XH2は、CRH2H3であり、RH2およびRH3は、Hであり、XH3は、Nであり、XはOであり、Lは、C〜Cアルキレンおよび−((CHO)(CH−から選択され、それぞれが、ハロ、OH、C〜Cアルキル、−OP(O)(OH)および−P(O)(OH)から独立に選択される1〜4つの置換基で必要に応じて置換されており、各pは、独立に、1、2および3から選択され、qは、1および2から選択される。
式(G)の「親」化合物は、有用なTLR8アゴニストであるが(参考文献140および141を参照されたい)、本明細書では、吸着を可能にするために、リン含有部分を結合させることによって改変されていることが好ましい。式(G)の一部の実施形態では、化合物は式(G`)による構造を有する;
式(G)または(G`)の一部の実施形態では、Xは、Cであり
は、二重結合を示す。
式(G)または(G`)の一部の実施形態では、Xは、共有結合であり、Lは、C〜Cアルキレンおよび−((CHO)(CH−から選択され、それぞれが、ハロ、OH、C〜Cアルキル、−OP(O)(OH)および−P(O)(OH)から独立に選択される1〜4つの置換基で必要に応じて置換されており、各pは、独立に、1、2および3から選択され、qは、1および2から選択される。
式(G)または(G`)の一部の実施形態では、XはOであり、Lは、C〜Cアルキレンおよび−((CHO)(CH−から選択され、それぞれが、ハロ、OH、C〜Cアルキル、−OP(O)(OH)および−P(O)(OH)から独立に選択される1〜4つの置換基で必要に応じて置換されており、各pは、独立に、1、2および3から選択され、qは、1および2から選択される。
免疫原性組成物
本発明の組成物は、上記で論じた抗原およびアジュバント成分に加えて、さらなる非抗原性成分(複数可)を含んでよい。これらとしては、担体、賦形剤、緩衝液などが挙げられる。これらの非抗原性成分は、種々の供給源を有してよい。例えば、それらは、製造の間に使用される抗原またはアジュバント材料のうちの1つの中に存在してもよく、それらの成分から別々に添加することもできる。
本発明の好ましい組成物は、1種または複数の医薬担体(複数可)および/または賦形剤(複数可)を含む。
浸透圧を制御するために、ナトリウム塩などの生理学的塩を含めることが好ましい。塩化ナトリウム(NaCl)が好ましく、これは1mg/mlから20mg/mlの間で存在してよい。
一般に、組成物の重量オスモル濃度は、200mOsm/kgから400mOsm/kgの間、好ましくは240〜360mOsm/kgの間であり、280〜320mOsm/kgの範囲内であることがより好ましい。重量オスモル濃度はワクチン接種によって引き起こされる疼痛には影響しないことが以前報告されているが[178]、それにもかかわらず重量オスモル濃度をこの範囲に保つことが好ましい。
本発明の組成物は、1種または複数の緩衝液を含んでよい。典型的な緩衝液としては、リン酸緩衝液;トリス緩衝液;ホウ酸緩衝液;コハク酸塩緩衝液;ヒスチジン緩衝液;またはクエン酸緩衝液が挙げられる。緩衝液は、典型的には、5〜20mMの範囲で含まれる。
本発明の組成物のpHは、一般に、6.0から7.5の間である。したがって、製造プロセスは、包装する前に組成物のpHを調整するステップを含んでよい。患者に投与される水性組成物のpHは、5.0から7.5の間であり得、より典型的には、最適な安定性のために5.0から6.0の間であり、ジフテリアトキソイドおよび/または破傷風トキソイドが存在する場合には、pHは6.0から7.0の間であることが理想的である。
本発明の組成物は、滅菌されていることが好ましい。
本発明の組成物は、非発熱性であることが好ましく、例えば、用量当たり<1EU(内毒素単位、標準の尺度;1EUはFDA参照標準内毒素EC−2「RSE」0.2ngと等しい)、好ましくは用量当たり<0.1EUを含有する。
本発明の組成物は、グルテンを含まないことが好ましい。
組成物が吸着した成分を含む場合には、組成物は、濁った外観を有する懸濁液であり得る。この外観は、微生物のコンタミネーションを容易に見ることができないことを意味し、そのため、ワクチンは、抗菌剤を含有することが好ましい。これは、ワクチンが複数回用量用の容器に包装される場合には特に重要である。含めるために好ましい抗菌薬は、2−フェノキシエタノールおよびチメロサールである。しかし、本発明のプロセスの間に水銀系保存剤(例えばチメロサール)は使用しないことが好ましい。したがって、プロセスにおいて混合される成分のうちの1つから全てが水銀系保存剤を実質的に含まなくてもよい。しかし、成分を、本発明において使用する前にそのような保存剤で処理した場合には、微量で存在することは避けられない場合がある。しかし、安全性のために、最終的な組成物が含有する水銀は約25ng/ml未満であることが好ましい。最終的なワクチン製品は、検出可能チメロサールを含有しないことがより好ましい。これは、一般に、本発明のプロセスにおいて抗原調製物を添加する前に水銀系保存剤を除去することによって、または組成物を作製するために使用する成分を調製する間のチメロサールの使用を回避することによって実現される。水銀を含まない組成物が好ましい。
本発明の組成物は、通常、水性形態である。
製造の間に、通常、所望の最終濃度にするためにWFI(注射用水)、または緩衝液を用いた成分の希釈が実施される。
本発明は、患者への投与のためにその後分配することができる個々の用量に包装するために適したバルク材料を提供し得る。上記で論じた濃度は、典型的には、最終的に包装された用量の濃度であり、そのため、バルクワクチン中の濃度はそれよりも高くなり得る(例えば希釈によって最終濃度を低下させる)。
本発明の組成物は、患者に単位用量、すなわち、単一の患者に単回投与で与えられる組成物の量で投与される(例えば単回注射は、単位用量である)。組成物を液体として投与する場合には、単位用量の体積は、典型的には0.5mlである。この体積は、通常の変動、例えば0.5ml±0.05mlを含むものと理解されよう。複数回用量の状況では、複数の投薬量を抽出し、単一の容器、例えば、10用量の複数回用量用の容器に5ml(または10%過充填で5.5ml)を一緒に包装する。
本発明のプロセスによって産生される最終的なワクチン中には、個々の抗原性成分由来の残留材料も微量で存在してよい。例えば、ジフテリア、破傷風および百日咳のトキソイドを調製するためにホルムアルデヒドを使用する場合には、最終的なワクチン製品は、微量(例えば10μg/ml未満、好ましくは<5μg/ml)のホルムアルデヒドを保持してよい。ポリオウイルスの調製の間に培地または安定剤が使用されていてもよく(例えば培地199)、これらは最終的なワクチンまで持越してよい。同様に、遊離アミノ酸(例えばアラニン、アルギニン、アスパラギン酸、システインおよび/またはシスチン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、プロリンおよび/またはヒドロキシプロリン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンならびに/あるいはバリン)、ビタミン(例えばコリン、アスコルビン酸など)、リン酸二ナトリウム、リン酸一カリウム、カルシウム、グルコース、硫酸アデニン、フェノールレッド、酢酸ナトリウム、塩化カリウムなどが最終的なワクチン中に、それぞれ≦100μg/ml、好ましくは≦10μg/mlで保持されてよい。抗原調製物由来の他の成分、例えば、ネオマイシン(例えば硫酸ネオマイシン、特に、ポリオウイルス成分由来)、ポリミキシンB(例えば硫酸ポリミキシンB、特に、ポリオウイルス成分由来)なども、用量当たりナノグラム以下の量で存在してよい。抗原調製物中の起源の最終的なワクチンのさらに考えられる成分は、抗原の精製が完全でないことから生じる。したがって、少量のB.pertussis、C.diphtheriae、C.tetaniおよびS.cerevisiaeのタンパク質ならびに/またはゲノムDNAが存在し得る。これらの残留成分の量を最小限にするために、抗原を本発明で使用する前に、抗原調製物を処理してこれらの残留成分を除去することが好ましい。
ポリオウイルス成分を使用する場合、それは、一般に、Vero細胞で増殖させたものである。最終的なワクチンが含有するVero細胞のDNAは10ng/ml未満、好ましくは≦1ng/ml、例えば≦500pg/mlまたは≦50pg/mlであること、例えば、長さが≧50塩基対のVero細胞のDNAが10ng/ml未満であることが好ましい。
本発明の組成物は、使用するために容器中に提示される。適切な容器としてはバイアルおよび使い捨てのシリンジ(好ましくは滅菌されたもの)が挙げられる。本発明のプロセスは、使用のためにワクチンを容器中に包装するステップを含んでよい。適切な容器としては、バイアルおよび使い捨てのシリンジ(好ましくは滅菌されたもの)が挙げられる。
本発明は、本発明の医薬組成物を含有する、例えば単位用量を含有する送達デバイス(例えばシリンジ、ネブライザー、噴霧器、吸入器、皮膚パッチなど)も提供する。このデバイスを使用して、組成物を脊椎動物対象に投与することができる。
本発明は、本発明の医薬組成物を含有する、例えば、単位用量を含有する滅菌容器(例えば、バイアル)も提供する。
本発明は、本発明の医薬組成物の単位用量も提供する。
本発明は、本発明の医薬組成物を含有する密封容器も提供する。適切な容器としては、例えば、バイアルが挙げられる。
本発明の組成物をバイアルに提示する場合、バイアルは、ガラスまたはプラスチック材料製であることが好ましい。バイアルに組成物を加える前にバイアルを滅菌することが好ましい。ラテックス感受性患者に伴う問題を回避するために、ラテックスを含まない止め栓でバイアルを密封することができる。バイアルは、単一用量のワクチンを含んでもよく、2以上の用量、例えば10用量を含んでもよい(「複数回用量」バイアル)。複数回用量バイアルを使用する場合、各用量を厳密な無菌条件の下で、滅菌された針およびシリンジを用いて取り出し、バイアルの内容物へのコンタミネーションが回避されるように注意を払うべきである。好ましいバイアルは無色のガラス製である。
バイアルは、充填済みシリンジをキャップに挿入し、シリンジの内容物をバイアル中に出すこと(例えば凍結乾燥した材料をバイアル中に再構成するために)ができ、バイアルの内容物をシリンジに戻すことができるように適合させたキャップ(例えば、ルアーロック)を有し得る。バイアルからシリンジを取り外した後、針を取り付け得、組成物を患者に投与することができる。キャップは、シールまたはカバーの内側に位置させ、キャップに触ることができるようにする前に、シールまたはカバーを取り外さなければならないようにすることが好ましい。
組成物をシリンジ中に包装する場合、通常シリンジに針は取り付けられていないが、組み立て、使用するための独立した針をシリンジと一緒に供給することができる。安全針が好ましい。1インチ23ゲージ、1インチ25ゲージおよび5/8インチ25ゲージの針が典型的である。シリンジは、記録保持を容易にするために、内容物のロット番号および有効期限が印刷されていてよい剥離式ラベルと共に提供することができる。シリンジ中のプランジャーは、吸引中にプランジャーが偶発的に外れることを防止するために止め栓を有することが好ましい。シリンジは、ラテックスゴムキャップおよび/またはプランジャーを有してよい。使い捨てのシリンジは、単一用量のワクチンを含有する。シリンジは、一般に、針を取り付ける前に先端を密封するための先端キャップを有し、先端キャップは、ブチルゴム製であることが好ましい。シリンジおよび針が別々に包装されている場合には、針は、ブチルゴムシールドにフィットすることが好ましい。灰色のブチルゴムが好ましい。好ましいシリンジは、商品名「Tip−Lok」(商標)の下で販売されているシリンジである。
ガラス容器(例えば、シリンジまたはバイアル)を使用する場合には、ソーダ石灰ガラス製の容器よりもホウケイ酸ガラス製の容器を使用することが好ましい。
組成物を容器内に包装した後、容器を分配用の箱、例えば内側がボール紙の箱に封入することができ、箱には、ワクチンの詳細、例えばその商品名、ワクチン中の抗原の一覧(例えば「B型肝炎組換え体」など)、容器表示(例えば「使い捨ての充填済みTip−Lokシリンジ」または「10×0.5mlの単一用量バイアル」)、その用量(例えば「それぞれが0.5ml用量を1つ含有する」)、警告(例えば「成人使用専用」または「小児使用専用」)、有効期限、指示、特許番号などのラベルが貼られている。各箱は、2個以上の包装されたワクチン、例えば5個または10個の包装されたワクチン(特にバイアルに関して)を含有してよい。
ワクチンは、ワクチンの詳細、例えば投与の説明書、ワクチン中の抗原の詳細などを含むリーフレットと一緒に(例えば同じ箱の中に)包装されていてよい。説明書は、例えば、ワクチン接種後にアナフィラキシー反応が起こった場合に備えてアドレナリンの溶液を容易に利用可能にしておくことなどの警告も含有してよい。
包装されたワクチンは、2℃から8℃の間で保管することが好ましい。包装されたワクチンは凍結させるべきではない。
ワクチンは、製造後に完全に液体の形態(すなわち、全ての抗原性成分が水性溶液または水性懸濁液中にある状態)で提供することもでき、使用する時/時点で2つの成分を一緒に混合することによってワクチンを即座に調製することができる形態で調製することもできる。そのような2成分の実施形態は、例えば水性材料を凍結乾燥した材料と混合することによる液体/液体混合および液体/固体混合を含む。例えば、一実施形態では、ワクチンは、(a)水性抗原および/またはアジュバントを含む第1の成分と、(b)凍結乾燥した抗原を含む第2の成分を混合することによって作製することができる。別の実施形態では、ワクチンは、(a)水性抗原および/またはアジュバントを含む第1の成分と、(b)水性抗原を含む第2の成分を混合することによって作製することができる。別の実施形態では、ワクチンは、(a)水性抗原を含む第1の成分と、(b)水性アジュバントを含む第2の成分を混合することによって作製することができる。2つの成分は、別々の容器(例えばバイアルおよび/またはシリンジ)に入れられていることが好ましく、また、本発明は、成分(a)および(b)を含むキットを提供する。
別の有用な液体/凍結乾燥した形式は、(a)アルミニウム塩とTLRアゴニストの水性複合体および(b)1つまたは複数の抗原を含む凍結乾燥した成分を含む。患者に投与するために適したワクチン組成物は成分(a)と(b)を混合することによって得られる。一部の実施形態では、成分(a)は抗原を含まず、その結果、最終的なワクチン中の全ての抗原性成分は、成分(b)に由来する。他の実施形態では、成分(a)は1つまたは複数の抗原を含み、その結果、最終的なワクチン中の抗原性成分は、成分(a)と(b)の両方に由来する。
したがって、本発明は、上記の成分(a)および(b)を含む組み合わせワクチンを調製するためのキットを提供する。キットの構成要素は、典型的には、バイアルまたはシリンジであり、単一のキットがバイアルとシリンジの両方を含有してよい。本発明は、そのようなキットを調製するためのプロセスであって、以下:(i)上記の水性成分ワクチンを調製するステップと、(ii)前記水性組み合わせワクチンを第1の容器、例えば、シリンジ中に包装するステップと、(iii)抗原含有成分を凍結乾燥した形態に調製するステップと、(iv)前記凍結乾燥した抗原を第2の容器、例えば、バイアル中に包装するステップと、(v)第1の容器と第2の容器を一緒にキット中に包装するステップとを含むプロセスも提供する。次いで、キットを医師に分配することができる。
コンジュゲート成分、特に、Hibおよび/または髄膜炎菌および/または肺炎球菌のコンジュゲートを含むワクチンは凍結乾燥した形態でより安定であり得るので、液体/凍結乾燥した形式が特に有用である。したがって、コンジュゲートは本発明で使用する前に凍結乾燥されていてよい。
成分が凍結乾燥されている場合、一般に、成分は、凍結乾燥前に添加された活性のない成分、例えば安定剤を含む。含めるために好ましい安定剤は、ラクトース、スクロースおよびマンニトール、ならびにそれらの混合物、例えばラクトース/スクロース混合物、スクロース/マンニトール混合物などである。したがって、凍結乾燥した材料を水を含むように再構成することによって得られる最終的なワクチンは、ラクトースおよび/またはスクロースを含有し得る。凍結乾燥したワクチンを調製する場合には非結晶性の賦形剤および/または非結晶性の緩衝剤を使用することが好ましい[179]。
本発明の組成物の大多数は、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイドおよび百日咳トキソイドを含む。小児型組成物では、組成物は、破傷風トキソイドと比較してジフテリアトキソイドを過剰に含む(Lf単位で測定して)。過剰とは、少なくとも1.5:1、例えば、破傷風トキソイド2Lfごとにジフテリアトキソイド5Lf(すなわち、2.5:1比)であることが理想的である。これらの実施形態は乳児および小児において最も有用である。青年および成人において最も有用である追加免疫型組成物では、組成物は、ジフテリアトキソイドと比較して破傷風トキソイドを過剰に含む(Lf単位で測定して)。過剰とは、少なくとも1.5:1、例えばジフテリアトキソイド1Lfごとに破傷風トキソイド2Lf(すなわち、2:1比)であることが理想的である。さらなる実施形態では、等量のジフテリアトキソイドおよび破傷風トキソイドを使用する(Lf単位で)。ジフテリアまたは破傷風の一方が過剰に存在する場合、過剰とは、理想的には、少なくとも1.5倍、例えば2倍または2.5倍であるべきであるが、過剰とは、通常は5倍を超えない。
本発明の組成物は、血清群B髄膜炎菌免疫原、ならびにジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、および/または百日咳トキソイドのうちの少なくとも1つを含む。組成物が血清群B髄膜炎菌免疫原、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、および百日咳トキソイドの4種全てを含むことが理想的である。一部の実施形態では、本発明の組成物は、この一覧にあるもの以外の免疫原を含まない。他の実施形態では、本発明の組成物は、この一覧にあるもの以外の免疫原を含む。したがって、例えば、いくつかの組成物は、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイドおよび百日咳トキソイド、1型、2型および3型に対する不活化ポリオウイルス、B型肝炎ウイルス表面抗原およびHibコンジュゲートを含む。これらの組成物の抗原性部分は、この一覧中の抗原からなってもよく、追加的な病原体(例えば髄膜炎菌)由来の抗原をさらに含んでもよい。したがって、組成物は、ワクチン自体として使用することもでき、さらなる組み合わせワクチンの成分として使用することもできる。
本発明の特定の実施形態は、免疫原が(a)D−T−aP−MenB;(b)D−T−aP−MenB−IPV;(c)D−T−aP−MenB−HBsAg;(d)D−T−aP−MenB−Hib;(e)D−T−aP−MenB−HBsAg−Hib;(f)D−T−aP−MenB−HBsAg−IPV;(g)D−T−aP−MenB−IPV−Hib;(h)D−T−aP−MenB−IPV−Hib−HBsAg;(i)D−T−MenBからなる組成物を含み、ここで、「D」はジフテリアトキソイドであり、「T」は破傷風トキソイドであり、「aP」は無細胞百日咳抗原または混合物であり、MenBは血清群B髄膜炎菌抗原または混合物であり、「IPV」は不活化ポリオウイルス抗原または混合物であり、「HBsAg」はB型肝炎ウイルス表面抗原であり、「Hib」は、コンジュゲートしたH.influenzae type B莢膜糖である。
処置方法、およびワクチンの投与
本発明の組成物は、ヒト患者に投与するために適しており、本発明は、本発明の組成物を患者に投与するステップを含む、患者における免疫応答を上昇させる方法を提供する。
本発明は、医薬に使用するための本発明の組成物も提供する。組成物は、例えば一部の実施形態では、乳児には2回の用量以下の組み合わせワクチンを与えることにより、本明細書に多様に記載されている通り投与することができる。
本発明は、患者における免疫応答を上昇させるための医薬の製造における、血清群B髄膜炎菌免疫原、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、および百日咳トキソイド(ならびに、必要に応じて、アジュバント)の使用も提供する。医薬は、本明細書の他の箇所に多様に記載されている組成物であることが理想的であり、また、医薬は、本明細書に多様に記載されている通り投与することができる。
これらの方法、使用および組成物によって生じた免疫応答は、防御的なものであることが理想的であり、本発明の免疫原性組成物は、少なくともジフテリア、破傷風、および百日咳の予防において使用するためのワクチンであることが好ましい。ワクチンは、その抗原成分に応じて、細菌性髄膜炎、ポリオ、肝炎などに対しても防御し得る。
有効性を完全にするために、典型的な一次免疫スケジュール(特に、小児用)は、2回以上の投薬を行うことを伴ってよい。例えば、投薬は、0ヶ月および6ヶ月(時間0が最初の投薬になる);0ヶ月、1ヶ月、2ヶ月および6ヶ月;0日、21日、次いで、6ヶ月から12ヶ月の間に3回目の投薬;2ヶ月、4ヶ月、および6ヶ月;3ヶ月、4ヶ月、および5ヶ月;6週間、10週間および14週間;2ヶ月、3ヶ月、および4ヶ月;または0ヶ月、1ヶ月、2ヶ月、6ヶ月、および12ヶ月に行うことができる。
組成物は、例えば生後2年の小児、青年、または成人に対する追加免疫投薬としても使用することができる。
本発明の組成物は、筋肉内注射により、例えば腕または脚に投与することができる。
任意選択の要件および放棄事項[180]
一部の実施形態では、本発明は、(i)ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、および百日咳トキソイド、ならびに(ii)アルミニウム塩アジュバントを含む単位用量の形態の組成物であって、単位用量中のAl+++の量が0.2mg未満である組成物を包含しない。他の実施形態では、組成物が単位用量の形態であり、(i)ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、および百日咳トキソイド、ならびに(ii)アルミニウム塩アジュバントを含むが、単位用量中のAl+++の量が0.2mg未満である場合には、(a)組成物は、Lf単位で測定して、ジフテリアトキソイドを破傷風トキソイドに対して少なくとも1.5倍過剰で含む;または(b)組成物は、Lf単位で測定して、破傷風トキソイドをジフテリアトキソイドに対して少なくとも1.5倍過剰で含む;または(c)組成物は、全細胞百日咳抗原ではなく無細胞PT含有百日咳抗原(acellular PT−containing antigen pertussis antigen)を含む。
一部の実施形態では、本発明は、(i)ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、および百日咳トキソイド、ならびに(ii)アルミニウム塩アジュバントを含む組成物であって、Al+++の濃度が0.4mg/ml未満である組成物を包含しない。他の実施形態では、組成物が(i)ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、および百日咳トキソイド、ならびに(ii)アルミニウム塩アジュバントを含むが、単位用量中のAl+++の濃度が0.4mg/ml未満である場合には、(a)組成物は、Lf単位で測定して、ジフテリアトキソイドを破傷風トキソイドに対して少なくとも1.5倍過剰で含む;または(b)組成物は、Lf単位で測定して、破傷風トキソイドをジフテリアトキソイドに対して少なくとも1.5倍過剰で含む;または(c)組成物は、全細胞百日咳抗原ではなく無細胞PT含有百日咳抗原を含む。
一部の実施形態では、本発明は、(i)アルミニウム塩アジュバントならびに(ii)≦8Lf/mlのジフテリアトキソイド、≦3.5Lf/mlの破傷風トキソイド、および≦5μg/mlの百日咳トキソイドを含む組成物を包含しない。他の実施形態では、組成物が(i)アルミニウム塩アジュバントならびに(ii)≦8Lf/mlのジフテリアトキソイド、≦3.5Lf/mlの破傷風トキソイド、および≦5μg/mlの百日咳トキソイドを含む場合には、(a)組成物は、Lf単位で測定して、ジフテリアトキソイドを破傷風トキソイドに対して少なくとも1.5倍過剰で含む;または(b)組成物は、Lf単位で測定して、破傷風トキソイドをジフテリアトキソイドに対して少なくとも1.5倍過剰で含む;または(c)組成物は、全細胞百日咳抗原ではなく無細胞PT含有百日咳抗原を含む。
一部の実施形態では、本発明は、(i)水中油エマルションアジュバント(ii)ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、百日咳トキソイド、およびHibコンジュゲート、ならびに(iii)B型肝炎ウイルス表面抗原および/または不活化ポリオウイルス抗原を含む組成物を包含しない。他の実施形態では、組成物が(i)水中油エマルションアジュバント(ii)ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、百日咳トキソイド、およびHibコンジュゲートを含む場合には、(a)組成物は、B型肝炎ウイルス表面抗原を含まない;または(b)組成物は、不活化ポリオウイルス抗原を含まない;または(c)組成物は、不活化ポリオウイルス抗原もB型肝炎ウイルス表面抗原も含まない;または(d)組成物は、Lf単位で測定して、ジフテリアトキソイドを破傷風トキソイドに対して少なくとも1.5倍過剰で含む;または(e)組成物は、Lf単位で測定して、破傷風トキソイドをジフテリアトキソイドに対して少なくとも1.5倍過剰で含む;または(f)組成物は、全細胞百日咳抗原ではなく無細胞PT含有百日咳抗原を含む。
一部の実施形態では、本発明は、H.influenzae type b莢膜糖抗原と血清群B髄膜炎菌由来の外膜タンパク質複合体のコンジュゲートを含む組成物を包含しない。他の実施形態では、本発明の組成物がH.influenzae type b莢膜糖抗原と血清群B髄膜炎菌由来の外膜タンパク質複合体のコンジュゲートを含む場合には、当該組成物は、血清群B髄膜炎菌由来のさらなる免疫原も含まなければならない。
一部の実施形態では、本発明は、アルミニウム塩アジュバントとTLR4アゴニストの両方を含む組成物を包含しない。
一般
「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」ならびに「からなる(consisting)」を包含し、例えば、Xを「含む(comprising)」組成物は、排他的にXからなってもよく、追加的な何かを含み、例えばX+Yであってもよい。
「実質的に」という単語により、「完全に」は排除されず、例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含まなくてよい。必要であれば、「実質的に」という単語は本発明の定義から省くことができる。
「約」という用語は、数値xとの関連では、例えば、x±10%を意味する。
特に明記されていなければ、2つ以上の成分を混合するステップを含むプロセスは、いかなる特定の混合の順序も必要としない。したがって、成分を任意の順序で混合することができる。3つの成分が存在する場合には、例えば、2つの成分を互いと組み合わせることができ、次いで、その組合せを、第3の成分と組み合わせることができる。
抗原がアジュバントに「吸着している」と記載されている場合、その抗原の少なくとも50%(重量で)、例えば50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%またはそれ以上が吸着していることが好ましい。ジフテリアトキソイドおよび破傷風トキソイドの両方が完全に吸着している、すなわち、上清中で検出可能なものがないことが好ましい。HBsAgの完全な吸着を使用することができる。
コンジュゲートの量は、一般に、担体の選択に起因する変動を回避するために糖類の質量に関して示されている(すなわち、全体としてのコンジュゲートの用量(担体+糖類)は明示されている用量よりも多い)。
本発明で使用される亜リン酸含有基は、周囲環境のpH、例えばそれらが溶解している溶媒のpHに応じて、いくつものプロトン化された形態および脱プロトン化された形態で存在してよい。したがって、本明細書では特定の形態が例示されている場合があるが、別段の言及がない限り、これらの例示は、ただ単に代表的なものであり、特定のプロトン化された形態または脱プロトン化された形態に限定するものではないことが意図されている。例えば、ホスフェート基の場合は、これは−OP(O)(OH)として例示されているが、定義には、酸性条件下で存在し得るプロトン化された形態の−[OP(O)(OH)(OH)]および−[OP(O)(OH2+ならびに塩基性条件下で存在し得る脱プロトン化された形態の−[OP(O)(OH)(O)]および[OP(O)(O)2−が含まれる。本発明は、そのような形態の全てを包含する。
TLRアゴニストは薬学的に許容される塩として存在してもよい。したがって、当該化合物は、それらの薬学的に許容される塩、すなわち、生理的にまたは毒物学的に許容される塩(適切な場合、薬学的に許容される塩基付加塩および薬学的に許容される酸付加塩を含む)の形態で使用することができる。
本明細書において示されているTLRアゴニストの場合は、互変異性の形態で存在する可能性があり、当該化合物はそのような互変異性の形態の全てで使用することができる。
化合物を身体に組成物の一部として投与する場合には、その化合物は、その代わりに、適切なプロドラッグで置き換えることができる。
動物(特に、ウシ)材料を細胞の培養に使用する場合、当該材料は、伝達性海綿状脳症(TSE)を伴わない、特にウシ海綿状脳症(BSE)を伴わない供給源から得るべきである。
髄膜炎菌タンパク質免疫原
NHBA(ナイセリアのヘパリン結合性抗原)
NHBA[181]は、髄膜炎菌血清群B株MC58の公開されたゲノム配列[26]に遺伝子NMB2132(GenBank受託番号GI:7227388;本明細書では配列番号9)として含まれていた。それ以来、多くの株由来のNHBAの配列が公開されている。例えば、NHBAの対立形質(タンパク質「287」と称される)は、参考文献182の図5および図15において、ならびに参考文献183の実施例13および図21(その中の配列番号3179〜3184)において見ることができる。NHBAの種々の免疫原性断片も報告されている。
本発明で使用するために好ましいNHBA抗原は、(a)配列番号9に対して50%以上(例えば60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれ以上)の同一性を有するアミノ酸配列;および/または(b)配列番号9の少なくとも「n」個の連続したアミノ酸の断片であって、「n」が7以上(例えば8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれ以上)であるアミノ酸の断片を含むアミノ酸配列を含む。(b)の好ましい断片は、配列番号9からのエピトープを含む。
最も有用なNHBA抗原は、対象に投与された後に配列番号9のアミノ酸配列からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合することができる抗体を惹起することができる。本発明で使用するために都合の良いNHBA抗原は、対象に投与された後に殺菌性の抗髄膜炎菌抗体を惹起することができる。
有用なNHBA抗原の1つは配列番号4を含み、これは、BEXSERO(商標)製品に存在するNHBAとNMB1030の融合物である。
NadA(ナイセリアアドヘシンA)
NadA抗原は、髄膜炎菌血清群B株MC58の公開されたゲノム配列[26]に遺伝子NMB1994(GenBank受託番号GI:7227256;本明細書では配列番号10)として含まれていた。それ以来、多くの株由来のNadA抗原の配列が公開されており、ナイセリアアドヘシンとしてのタンパク質の活性が十分に記録されている。NadAの種々の免疫原性断片も報告されている。
本発明で使用するために好ましいNadA抗原は、(a)配列番号10に対して50%以上(例えば60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれ以上)の同一性を有するアミノ酸配列;および/または(b)配列番号10の少なくとも「n」個の連続したアミノ酸の断片であって、「n」が7以上(例えば8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれ以上)であるアミノ酸の断片を含むアミノ酸配列を含む。(b)の好ましい断片は、配列番号10からのエピトープを含む。
NadAは、通常、組成物中にオリゴマー形態、例えば三量体で存在する[184]。
最も有用なNadA抗原は、対象に投与された後に配列番号10のアミノ酸配列からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合することができる抗体を惹起することができる。本発明で使用するために都合の良いNadA抗原は、対象に投与された後に殺菌性の抗髄膜炎菌抗体を惹起することができる。配列番号6は、BEXSERO(商標)製品に存在するそのような断片の1つである。
fHbp(H因子結合性タンパク質)
fHbp抗原は詳細に特徴付けられている。fHbp抗原は、タンパク質「741」[参考文献183の配列番号2535および2536]、「NMB1870」、「GNA1870」[185、186、207]、「P2086」、「LP2086」または「ORF2086」[187〜188]としても公知である。fHbp抗原は天然ではリポタンパク質であり、髄膜炎菌血清群の全てにわたって発現される。fHbpのC末端の免疫優性ドメイン(「fHbpC」)の構造は、NMRによって決定されている[190]。当該タンパク質のこの部分は、8本鎖のβバレルを形成し、その鎖は種々の長さのループによって接続されている。バレルの前には短いα−へリックスおよび柔軟なN末端尾部がある。
fHbp抗原は、3つの別個のバリアントに入り[191]、所与のファミリーに対して生じた血清は同じファミリーの範囲内では殺菌性であるが、他の2つのファミリーのうちの1つを発現する株に対しては活性ではない、すなわち、ファミリー内交差防御は存在するが、ファミリー間交差防御は存在しないことが見いだされている。本発明では、単一のfHbpバリアントを使用することができるが、バリアントのうちの2つまたは3つに由来するfHbpを含めることが有用である。
組成物が単一のfHBPバリアントを含む場合、組成物は、以下のうちの1つを含んでよい:
(a)第1のアミノ酸配列を含む第1のポリペプチドであって、第1のアミノ酸配列が、(i)配列番号1に対して少なくともa%の配列同一性を有するアミノ酸配列および/または(ii)配列番号1からの少なくともx個の連続したアミノ酸の断片からなるアミノ酸配列を含む、第1のポリペプチド;
(b)第2のアミノ酸配列を含む第2のポリペプチドであって、第2のアミノ酸配列が、(i)配列番号2に対して少なくともb%の配列同一性を有するアミノ酸配列および/または(ii)配列番号2からの少なくともy個の連続したアミノ酸の断片からなるアミノ酸配列を含む、第2のポリペプチド;
(c)第3のアミノ酸配列を含む第3のポリペプチドであって、第3のアミノ酸配列が、(i)配列番号3に対して少なくともc%の配列同一性を有するアミノ酸配列および/または(ii)配列番号3からの少なくともz個の連続したアミノ酸の断片からなるアミノ酸配列を含む、第3のポリペプチド。
aの値は、少なくとも80、例えば82、84、86、88、90、92、94、95、96、97、98、99またはそれ以上である。bの値は、少なくとも80、例えば82、84、86、88、90、92、94、95、96、97、98、99またはそれ以上である。cの値は、少なくとも80、例えば82、84、86、88、90、92、94、95、96、97、98、99またはそれ以上である。a、bおよびcの値は同じであっても異なってもよい。一部の実施形態では、a、bおよびcは同一である。
xの値は、少なくとも7、例えば8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、225、250)である。yの値は、少なくとも7、例えば8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、225、250)である。zの値は、少なくとも7、例えば8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、225、250)である。x、yおよびzの値は同じであっても異なってもよい。一部の実施形態では、x、yおよびzは同一である。
断片は、それぞれの配列番号の配列からのエピトープを含むことが好ましい。他の有用な断片は、それぞれの配列番号のC末端からの1つもしくは複数のアミノ酸(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25もしくはそれ以上)および/またはそれぞれの配列番号のN末端からの1つもしくは複数のアミノ酸(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25もしくはそれ以上)を欠くが、その少なくとも1つのエピトープを保持する。
一部の実施形態では、配列番号1からの少なくともx個の連続したアミノ酸の断片は、配列番号2内または配列番号3内にも存在しない。同様に、配列番号2からの少なくともy個の連続したアミノ酸の断片は、配列番号1内または配列番号3内にも存在しなくてよい。同様に、配列番号3からの少なくともz個の連続したアミノ酸の断片は、配列番号1内または配列番号2内にも存在しなくてよい。一部の実施形態では、配列番号1〜3のうちの1つからの前記断片を連続した配列として他の2つの配列番号に対してアラインメントした場合、当該断片と他の2つの配列番号のそれぞれの間の同一性は、75%未満、例えば70%未満、65%未満、60%未満などである。
組成物が2つの異なる髄膜炎菌fHBP抗原を含む場合、組成物は、(i)上で定義されている第1のポリペプチドと第2のポリペプチドの組合せ;(ii)上で定義されている第1のポリペプチドと第3のポリペプチドの組合せ;または(iii)上で定義されている第2のポリペプチドと第3のポリペプチドの組合せを含んでよい。第1のポリペプチドと第3のポリペプチドの組合せが好ましい。組成物が2つの異なる髄膜炎菌fHBP抗原を含む場合、これらはいくつかの共通の配列を共有し得るが、第1のポリペプチド、第2のポリペプチドおよび第3のポリペプチドは異なるfHBPアミノ酸配列を有する。
第1のアミノ酸配列を含むポリペプチドは、対象に投与すると、新生の配列番号20のアミノ酸配列を有する野生型髄膜炎菌タンパク質(MC58)に結合する抗体を含む抗体応答を惹起する。一部の実施形態では、これらの抗体の一部または全部は、新生の配列番号21のアミノ酸配列を有する野生型髄膜炎菌タンパク質または新生の配列番号22のアミノ酸配列を有する野生型髄膜炎菌タンパク質には結合しない。
第2のアミノ酸配列を含むポリペプチドは、対象に投与すると、新生の配列番号21のアミノ酸配列を有する野生型髄膜炎菌タンパク質(2996)に結合する抗体を含む抗体応答を惹起する。一部の実施形態では、これらの抗体の一部または全部は、新生の配列番号20のアミノ酸配列を有する野生型髄膜炎菌タンパク質または新生の配列番号22のアミノ酸配列を有する野生型髄膜炎菌タンパク質には結合しない。
第3のアミノ酸配列を含むポリペプチドは、対象に投与すると、新生の配列番号22のアミノ酸配列を有する野生型髄膜炎菌タンパク質(M1239)に結合する抗体を含む抗体応答を惹起する。一部の実施形態では、これらの抗体の一部または全部は、新生の配列番号20のアミノ酸配列を有する野生型髄膜炎菌タンパク質または新生の配列番号21のアミノ酸配列を有する野生型髄膜炎菌タンパク質には結合しない。
有用な第1のアミノ酸配列は、配列番号1(MC58株)に対して少なくとも85%(例えば>95%または100%)の同一性を有する。別の有用な第1のアミノ酸配列は、配列番号23(CDC1573株)に対して少なくとも95%(例えば>98%または100%)の同一性を有する。
有用な第3のアミノ酸配列は、配列番号3(M1239株)に対して少なくとも85%(例えば>95%または100%)の同一性を有する。別の有用な第3のアミノ酸配列は、配列番号25(M98−250771株)に対して少なくとも95%(例えば>98%または100%)の同一性を有する。
配列番号23および配列番号25(またはそれらの近いバリアント)に基づく第1の配列と第3の配列の混合物を含む組合せが特に有用である。したがって、組成物は、配列番号24のアミノ酸配列を含むポリペプチドおよび配列番号26のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含んでよい。
組成物が2つの髄膜炎菌fHBP抗原を含む場合、これは二価のfHBP組成物中にあってもよく、例えば三価または四価のfHBP組成物中に3つ以上の異なるfHBP抗原が存在してもよい。
本発明に従って使用することができる別の有用なfHbpは、例えば、参考文献192において開示されている、例えばその配列番号20または配列番号23を含む改変された形態の1つである。これらの改変された形態は、複数のfHbpバリアントを認識することにより髄膜炎菌に対して広範に殺菌性である抗体応答を惹起することができる。そのような改変された形態の1つは、本明細書では配列番号28(参考文献192の配列番号23)であり、これは、参考文献193に開示されている非fHbp配列と融合して、例えば、下記の実施例において使用される配列番号19(NMB2091および配列番号28の2つのコピーを含有する)をもたらすことができる。
参考文献192からの配列番号77は、広範な株間反応性をもたらすために使用することができる別の有用なfHbp配列である。
一部の実施形態では、fHBPポリペプチド(複数可)は、例えばN末端システインに脂質付加されている。しかし、他の実施形態では、fHBPポリペプチド(複数可)は脂質付加されていない。脂質付加fHBPについては、システインに結合した脂質は、通常、パルミトイル残基、例えばトリパルミトイル−S−グリセリル−システイン(Pam3Cys)、ジパルミトイル−S−グリセリルシステイン(Pam2Cys)、N−アセチル(ジパルミトイル−S−グリセリルシステイン)などを含む。成熟脂質付加fHBP配列の例は、配列番号24(配列番号23を含む)および配列番号26(配列番号25を含む)である。fHbpタンパク質(複数可)が小胞内に位置する場合には、そのfHbpタンパク質は通常、脂質付加されている。
fHBPの投与により、配列番号1、配列番号2または配列番号3のアミノ酸配列からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合することができる抗体が惹起されることが好ましい。本発明で使用するために都合の良いfHBP抗原は、対象に投与された後に殺菌性の抗髄膜炎菌抗体を惹起することができる。
fHBPポリペプチドの総量は、通常、単位用量当たり1μgから500μgの間、例えば、単位当たり60μgから200μgの間である。各fHBPポリペプチドについて単位用量当たり10μg、20μg、40μg、50μg、60μg、80μg、100μgまたは200μgの量がヒトワクチン用量では典型的である。
組成物が異なる髄膜炎菌fHBP抗原を含む場合、これらは上記の通り別々のポリペプチド(例えば、第1のポリペプチドおよび第2のポリペプチド)として存在してもよく、単一の融合ポリペプチドの一部として存在してもよい、すなわち、参考文献194において髄膜炎菌抗原について開示されている通り、少なくとも2種(例えば2種、3種、4種、5種、またはそれ以上)のfHBP抗原が単一のポリペプチド鎖として発現されていてよい。最も有用には、融合ポリペプチドは、上記で論じた第1の配列、第2の配列および第3の配列、例えば配列番号27のそれぞれを含んでよい。
HmbR
全長のHmbR配列は、髄膜炎菌血清群B株MC58の公開されたゲノム配列[26]に遺伝子NMB1668(本明細書では配列番号7)として含まれていた。参考文献195では、種々の株由来のHmbR配列(本明細書では配列番号8)が報告されており、参考文献196では、さらなる配列が報告されている(本明細書では配列番号15)。配列番号7と配列番号8は、長さが1アミノ酸分異なり、これらの同一性は94.2%である。配列番号15は配列番号7よりも1アミノ酸分短く、これらの同一性は99%である(1つの挿入、7つの差異)。本発明では、そのようなHmbRポリペプチドのいずれも使用することができる。
本発明では、全長のHmbR配列を含むポリペプチドを使用することができるが、多くの場合、部分的なHmbR配列を含むポリペプチドを使用する。したがって、一部の実施形態では、本発明に従って使用されるHmbR配列は、配列番号7に対して少なくともi%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでよく、iの値は、50、60、70、80、90、95、99またはそれ以上である。他の実施形態では、本発明に従って使用されるHmbR配列は、配列番号7からの少なくともj個の連続したアミノ酸の断片を含んでよく、jの値は、7、8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれ以上である。他の実施形態では、本発明に従って使用されるHmbR配列は、(i)配列番号7に対して少なくともi%の配列同一性を有するアミノ酸配列および/または(ii)配列番号7からの少なくともj個の連続したアミノ酸の断片を含むアミノ酸配列を含んでよい。
j個のアミノ酸の好ましい断片は、配列番号7からのエピトープを含む。そのようなエピトープは、通常は、HmbRの表面に位置するアミノ酸を含む。HmbRのヘモグロビンとの結合に関与するアミノ酸を有するエピトープが有用なエピトープとして挙げられる。なぜなら、これらのエピトープに結合する抗体により、細菌が宿主のヘモグロビンに結合する能力を遮断することができるからである。参考文献197においてHmbRのトポロジー、およびその重大な機能性残基が調査された。膜貫通配列を保持する断片は、細菌の表面上、例えば小胞内に提示され得るので、有用である。しかし、可溶性HmbRを使用する場合、膜貫通配列が省略されているが、典型的には、細胞外部分由来のエピトープ(複数可)を保持する配列を使用することができる。
最も有用なHmbR抗原は、対象に投与された後に配列番号7のアミノ酸配列からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合することができる抗体を惹起することができる。本発明で使用するために都合の良いHmbR抗原は、対象に投与された後に殺菌性の抗髄膜炎菌抗体を惹起することができる。
NspA(ナイセリアの表面タンパク質A)
NspA抗原は、髄膜炎菌血清群B株MC58の公開されたゲノム配列[26]に遺伝子NMB0663(GenBank受託番号GI:7225888;本明細書では配列番号11)として含まれていた。この抗原は、以前に参考文献198および199により公知になった。それ以来、多くの株由来のNspA抗原の配列が公開されている。NspAの種々の免疫原性断片も報告されている。
本発明で使用するために好ましいNspA抗原は、(a)配列番号11に対して50%以上(例えば60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれ以上)の同一性を有するアミノ酸配列;および/または(b)配列番号11の少なくとも「n」個の連続したアミノ酸の断片であって、「n」が7以上(例えば8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれ以上)であるアミノ酸の断片を含むアミノ酸配列を含む。(b)の好ましい断片は、配列番号11からのエピトープを含む。
最も有用なNspA抗原は、対象に投与された後に配列番号11のアミノ酸配列からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合することができる抗体を惹起することができる。本発明で使用するために都合の良いNspA抗原は、対象に投与された後に殺菌性の抗髄膜炎菌抗体を惹起することができる。
NhhA(Neisseria hia相同体)
NhhA抗原は、髄膜炎菌血清群B株MC58の公開されたゲノム配列[26]に遺伝子NMB0992(GenBank受託番号GI:7226232;本明細書では配列番号12)として含まれていた。例えば参考文献182および200以来、多くの株由来のNhhA抗原の配列が公開されており、NhhAの種々の免疫原性断片が報告されている。NhhAは、Hsfとしても公知である。
本発明で使用するために好ましいNhhA抗原は、(a)配列番号12に対して50%以上(例えば60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれ以上)の同一性を有するアミノ酸配列;および/または(b)配列番号12の少なくとも「n」個の連続したアミノ酸の断片であって、「n」が7以上(例えば8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれ以上)であるアミノ酸の断片を含むアミノ酸配列を含む。(b)の好ましい断片は、配列番号12からのエピトープを含む。
最も有用なNhhA抗原は、対象に投与された後に配列番号12のアミノ酸配列からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合することができる抗体を惹起することができる。本発明で使用するために都合の良いNhhA抗原は、対象に投与された後に殺菌性の抗髄膜炎菌抗体を惹起することができる。
App(接着および透過タンパク質)
App抗原は、髄膜炎菌血清群B株MC58の公開されたゲノム配列[26]に遺伝子NMB1985(GenBank受託番号GI:7227246;本明細書では配列番号13)として含まれていた。それ以来、多くの株由来のApp抗原の配列が公開されている。これは、「ORF1」および「Hap」としても公知である。Appの種々の免疫原性断片も報告されている。
本発明で使用するために好ましいApp抗原は、(a)配列番号13に対して50%以上(例えば60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれ以上)の同一性を有するアミノ酸配列;および/または(b)配列番号13の少なくとも「n」個の連続したアミノ酸の断片であって、「n」が7以上(例えば8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれ以上)であるアミノ酸の断片を含むアミノ酸配列を含む。(b)の好ましい断片は、配列番号13からのエピトープを含む。
最も有用なApp抗原は、対象に投与された後に配列番号13のアミノ酸配列からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合することができる抗体を惹起することができる。本発明で使用するために都合の良いApp抗原は、対象に投与された後に殺菌性の抗髄膜炎菌抗体を惹起することができる。
Omp85(85kDaの外膜タンパク質)
Omp85抗原は、髄膜炎菌血清群B株MC58の公開されたゲノム配列[26]に遺伝子NMB0182(GenBank受託番号GI:7225401;本明細書では配列番号14)として含まれていた。それ以来、多くの株由来のOmp85抗原の配列が公開されている。Omp85に関するさらなる情報は、参考文献201および202において見いだすことができる。Omp85の種々の免疫原性断片も報告されている。
本発明で使用するために好ましいOmp85抗原は、(a)配列番号14に対して50%以上(例えば60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれ以上)の同一性を有するアミノ酸配列;および/または(b)配列番号14の少なくとも「n」個の連続したアミノ酸の断片であって、「n」が7以上(例えば8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれ以上)であるアミノ酸の断片を含むアミノ酸配列を含む。(b)の好ましい断片は、配列番号14からのエピトープを含む。
最も有用なOmp85抗原は、対象に投与された後に配列番号14のアミノ酸配列からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合することができる抗体を惹起することができる。本発明で使用するために都合の良いOmp85抗原は、対象に投与された後に殺菌性の抗髄膜炎菌抗体を惹起することができる。
TbpA
TbpA抗原は、髄膜炎菌血清群B株MC58の公開されたゲノム配列[26]に遺伝子NMB0461(GenBank受託番号GI:7225687;本明細書では配列番号23)として含まれていた。それ以来、多くの株由来のTbpAの配列が公開されている。TbpAの種々の免疫原性断片も報告されている。
本発明で使用するために好ましいTbpA抗原は、(a)配列番号23に対して50%以上(例えば60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれ以上)の同一性を有するアミノ酸配列;および/または(b)配列番号23の少なくとも「n」個の連続したアミノ酸の断片であって、「n」が7以上(例えば8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれ以上)であるアミノ酸の断片を含むアミノ酸配列を含む。(b)の好ましい断片は、配列番号23からのエピトープを含む。
最も有用なTbpA抗原は、対象に投与された後に配列番号23のアミノ酸配列からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合することができる抗体を惹起することができる。本発明で使用するために都合の良いTbpA抗原は、対象に投与された後に殺菌性の抗髄膜炎菌抗体を惹起することができる。
TbpB
TbpB抗原は、髄膜炎菌血清群B株MC58の公開されたゲノム配列[26]に遺伝子NMB0460(GenBank受託番号GI:7225686;本明細書では配列番号24)として含まれていた。それ以来、多くの株由来のTbpBの配列が公開されている。TbpBの種々の免疫原性断片も報告されている。
本発明で使用するために好ましいTbpB抗原は、(a)配列番号24に対して50%以上(例えば60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれ以上)の同一性を有するアミノ酸配列;および/または(b)配列番号24の少なくとも「n」個の連続したアミノ酸の断片であって、「n」が7以上(例えば8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれ以上)であるアミノ酸の断片を含むアミノ酸配列を含む。(b)の好ましい断片は、配列番号24からのエピトープを含む。
最も有用なTbpB抗原は、対象に投与された後に配列番号24のアミノ酸配列からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合することができる抗体を惹起することができる。本発明で使用するために都合の良いTbpB抗原は、対象に投与された後に殺菌性の抗髄膜炎菌抗体を惹起することができる。
Cu,Zn−スーパーオキシドジスムターゼ
Cu,Zn−スーパーオキシドジスムターゼ抗原は、髄膜炎菌血清群B株MC58の公開されたゲノム配列[26]に遺伝子NMB1398(GenBank受託番号GI:7226637;本明細書では配列番号25)として含まれていた。それ以来、多くの株由来のCu,Zn−スーパーオキシドジスムターゼの配列が公開されている。Cu,Zn−スーパーオキシドジスムターゼの種々の免疫原性断片も報告されている。
本発明で使用するために好ましいCu,Zn−スーパーオキシドジスムターゼ抗原は、(a)配列番号25に対して50%以上(例えば60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれ以上)の同一性を有するアミノ酸配列;および/または(b)配列番号25の少なくとも「n」個の連続したアミノ酸の断片であって、「n」が7以上(例えば8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれ以上)であるアミノ酸の断片を含むアミノ酸配列を含む。(b)の好ましい断片は、配列番号25からのエピトープを含む。
最も有用なCu,Zn−スーパーオキシドジスムターゼ抗原は、対象に投与された後に配列番号25のアミノ酸配列からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合することができる抗体を惹起することができる。本発明で使用するために都合の良いCu,Zn−スーパーオキシドジスムターゼ抗原は、対象に投与された後に殺菌性の抗髄膜炎菌抗体を惹起することができる。
ZnuD
ZnuD抗原は、髄膜炎菌血清群B株MC58の公開されたゲノム配列[26]に遺伝子NMB0964(GenBank受託番号GI:15676857;本明細書では配列番号29)として含まれていた。それ以来、多くの株由来のZnuDの配列が公開されている。例えば、参考文献203および204を参照されたい。
本発明で使用するために好ましいZnuD抗原は、(a)配列番号29に対して50%以上(例えば60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%またはそれ以上)の同一性を有するアミノ酸配列;および/または(b)配列番号29の少なくとも「n」個の連続したアミノ酸の断片であって、「n」が7以上(例えば8、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250またはそれ以上)であるアミノ酸の断片を含むアミノ酸配列を含む。(b)の好ましい断片は、配列番号29からのエピトープを含む。
最も有用なZnuD抗原は、対象に投与された後に配列番号29のアミノ酸配列からなる髄膜炎菌ポリペプチドに結合することができる抗体を惹起することができる。本発明で使用するために都合の良いZnuD抗原は、対象に投与された後に殺菌性の抗髄膜炎菌抗体を惹起することができる。
髄膜炎菌小胞
本発明は、Neisseria meningitidisについて公知のさまざまな種類の小胞と共に使用することができる。
参考文献22には、6種の異なるPorA亜型を発現するように改変された髄膜炎菌株からの小胞の構成が開示されている。参考文献205〜207では、fHbp(GN1870としても公知である)を過剰発現させた(また、この過剰発現をLpxL1のノックアウトと組み合わせることができる[208])OMVワクチンの前臨床試験が報告されている。参考文献209では、最近、PorAおよびFrpBをノックアウトし、HsfおよびTbpAを過剰発現させたOMVワクチンの5種の製剤の臨床研究が報告された。参考文献210では、synX遺伝子、lpxL1遺伝子、およびlgtA遺伝子を不活化した細菌から調製されたネイティブな外膜小胞ワクチンが報告されている。そのような小胞の全てを本明細書において使用することができる。
OMVは、遺伝子改変により所望の抗原(複数可)を過剰発現する髄膜炎菌から調製することができる。目的の抗原(複数可)の過剰発現を引き起こす遺伝子改変(複数可)に加えて、細菌は、1つまたは複数のさらなる改変を含んでよい。例えば、細菌は、lpxL1、lgtB、porA、frpB、synX、lgtA、mltAおよび/またはlstのうちの1つまたは複数がノックアウトされていてよい。
細菌は低い内毒素レベルを有してよく、これはLPS生合成に関与する酵素をノックアウトすることにより実現される[211、212]。
細菌は、任意の血清型(例えば1、2a、2b、4、14、15、16など)、任意の血清亜型、および任意の免疫型(例えばL1;L2;L3;L3,3,7;L10;など)のものであってよい。小胞は、以下の亜型のうちの1つを有する株から有用に調製することができる:P1.2;P1.2,5;P1.4;P1.5;P1.5,2;P1.5,c;P1.5c,10;P1.7,16;P1.7,16b;P1.7h,4;P1.9;P1.15;P1.9,15;P1.12,13;P1.13;P1.14;P1.21,16;P1.22,14。
細菌は、高侵襲性(hyperinvasive)かつ強毒性(hypervirulent)の系統、例えば以下の7種の強毒性系統のいずれか:サブグループI;サブグループIII;サブグループIV−1;ET−5複合体;ET−37複合体;A4クラスター;系統3を含めた任意の適切な系統由来であってよい。これらの系統は、多座酵素電気泳動(MLEE)によって定義されたものであるが、多座位配列タイピング(MLST)も髄膜炎菌を分類するために使用されており[参考文献213]、例えばET−37複合体はMLSTによるとST−11複合体であり、ET−5複合体はST−32(ET−5)であり、系統3はST−41/44などである。
一部の実施形態では、細菌は、参考文献226および参考文献214〜216に開示されているノックアウト変異および/または高発現変異のうちの1つまたは複数を含んでよい。改変に適した遺伝子としては、(a)Cps、CtrA、CtrB、CtrC、CtrD、FrpB、GalE、HtrB/MsbB、LbpA、LbpB、LpxK、Opa、Opc、PilC、PorB、SiaA、SiaB、SiaC、SiaD、TbpA、および/またはTbpB[214];(b)CtrA、CtrB、CtrC、CtrD、FrpB、GalE、HtrB/MsbB、LbpA、LbpB、LpxK、Opa、Opc、PhoP、PilC、PmrE、PmrF、SiaA、SiaB、SiaC、SiaD、TbpA、および/またはTbpB;(c)ExbB、ExbD、rmpM、CtrA、CtrB、CtrD、GalE、LbpA、LpbB、Opa、Opc、PilC、PorB、SiaA、SiaB、SiaC、SiaD、TbpA、および/またはTbpB;ならびに(d)CtrA、CtrB、CtrD、FrpB、OpA、OpC、PilC、PorB、SiaD、SynA、SynB、および/またはSynCが挙げられる。
細菌は、以下の特性のうちの1つもしくは複数あるいは全てを有してよい:(i)髄膜炎菌LOSが切断されるようにLgtBおよび/またはGalEが下方制御またはノックアウトされていること;(ii)TbpAが上方制御されていること;(iii)NhhAが上方制御されていること;(iv)Omp85が上方制御されていること;(v)LbpAが上方制御されていること;(vi)NspAが上方制御されていること;(vii)PorAがノックアウトされていること;(viii)FrpBが下方制御またはノックアウトされていること;(ix)Opaが下方制御またはノックアウトされていること;(x)Opcが下方制御またはノックアウトされていること;(xi)cps遺伝子複合体が欠失していること;(xi)NHBAが上方制御されていること;(xii)NadAが上方制御されていること;(xiii)NHBAおよびNadAが上方制御されていること;(xiv)fHbpが上方制御されていること;(xv)LpxL1が下方制御されていること。切断されたLOSは、シアリル−ラクト−N−ネオテトラオースエピトープを含まないものであってよく、例えば、ガラクトース欠損LOSであってよい。LOSはα鎖を有さなくてよい。
リポオリゴ糖(LOS)が小胞内に存在する場合、そのLOSとタンパク質成分が連結するように小胞を処理することが可能である(「ブレブ内」コンジュゲート化[216])。
小胞は、LOSを全く欠いてもよく、ヘキサ−アシル化LOSを欠いてもよく、例えば、小胞内のLOSは、LOS分子当たりの二次的なアシル鎖の数が減少していてよい[217]。例えば、小胞は、lpxL1欠失またはペンタ−アシル化LOSの産生をもたらす変異を有する株由来であってよい[206、210]。株内のLOSは、ラクト−N−ネオテトラオースエピトープを欠いてよく、例えば、lstおよび/またはlgtBノックアウト株であってよい[209]。LOSは、少なくとも1つの野生型の主要なO結合脂肪酸を欠いてよい[218]。LOSは有する。LOSはα鎖を有さなくてよい。LOSは、GlcNAc−Hepホスホエタノールアミン−KDO−リピドAを含んでよい[219]。
上記の上方制御の結果として、改変された髄膜炎菌から調製された小胞は、上方制御された抗原(複数可)をより高レベルで含有する。小胞における発現の増加(対応する野生型株と比較して測定して)は、小胞の単位質量当たりの関連する抗原の質量で測定して少なくとも10%であることが有用であり、少なくとも20%、30%、40%、50%、75%、100%またはそれ以上であることがより有用である。
抗原の上方制御を引き起こすために使用することができる適切な組換えによる改変としては、これだけに限定されないが、(i)プロモーターの置換;(ii)遺伝子の付加;(iii)遺伝子の置換;または(iv)抑制因子のノックアウトが挙げられる。プロモーターの置換では、細菌における抗原の遺伝子の発現を制御するプロモーターを、より高レベルの発現をもたらすプロモーターで置き換える。例えば、遺伝子をハウスキーピング代謝遺伝子由来のプロモーターの制御下に置くことができる。他の実施形態では、抗原の遺伝子を構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターの制御下に置く。同様に、遺伝子を改変して、その発現が相変異に供されないことを確実にすることができる。髄膜炎菌における遺伝子発現の相変異性を低下させるまたは排除するための方法は、参考文献220に開示されている。これらの方法は、プロモーターの置換、または遺伝子の相変異性に関与するDNAモチーフの除去もしくは置換を含む。遺伝子の付加では、抗原をすでに発現している細菌は、関連する遺伝子の第2のコピーを受け取る。この第2のコピーは、細菌の染色体に組み込むこともでき、エピソームのエレメント、例えば、プラスミドに置くこともできる。第2のコピーは現存するコピーよりも強力なプロモーターを有し得る。この遺伝子は構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。遺伝子の付加の効果は、発現される抗原の量が増加することである。遺伝子の置換えでは、遺伝子の付加が起こるが、遺伝子の現存するコピーの欠失が伴う。例えば、参考文献207においてこの手法が使用され、そこでは、細菌の内在性染色体fHbp遺伝子を欠失させ、プラスミドにコードされるコピーで置き換えている(参考文献221も参照されたい)。置き換えられたコピーからの発現は以前のコピーよりも高く、したがって、上方制御がもたらされる。抑制因子のノックアウトでは、目的の抗原の発現を抑制するタンパク質をノックアウトする。したがって、抑制は起こらず、目的の抗原をより高レベルで発現させることができる。上方制御される遺伝子に対するプロモーターは、CRENを含むことが好都合であり得る[222]。
改変された株は、一般に、遺伝子改変以外はその親株と同質遺伝子的である。改変の結果として、改変された株における対象の目的の発現は親株よりも高くなる(同じ条件下で)。典型的な改変は、天然には見いだされないプロモーターの制御下に遺伝子を置くこと、および/または抑制因子をコードする遺伝子をノックアウトすることである。
NHBAを上方制御する実施形態では、種々の手法を使用することができる。便宜上、参考文献181においてすでに報告されている手法、すなわち、NHBA遺伝子をIPTG誘導性プロモーターの制御下に導入することを使用することができる。この手法により、NHBAの発現レベルは、培養物に添加するIPTGの濃度と比例し得る。プロモーターは、CRENを含んでよい。
NadAを上方制御する実施形態では、種々の手法を使用することができる。1つの有用な手法は、試験した全ての株においてNadAをコードする遺伝子を下方制御または抑制する転写抑制因子タンパク質であるNadR(NMB1843)をコードする遺伝子を欠失させることを伴う[223]。NadRをノックアウトすることにより、NadAの高レベルの構成的発現がもたらされる。NadAの上方制御を実現するための代替手法は、4−ヒドロキシフェニル酢酸(hydroxyphenylacetic)を培養培地に添加することである。さらなる手法は、NadA遺伝子をIPTG誘導性プロモーターの制御下に導入することである。
NhhAの上方制御は、すでに参考文献209および224において報告されている。TbpAの上方制御は、すでに参考文献209、224および225において報告されている。HmbRの上方制御は、すでに参考文献196において報告されている。TbpBの上方制御は、すでに参考文献225において報告されている。NspAの上方制御は、porAおよびcpsのノックアウトとの組合せですでに参考文献226において報告されている。Cu,Zn−スーパーオキシドジスムターゼの上方制御は、すでに参考文献225において報告されている。fHbpの上方制御は、すでに参考文献205〜207および221において報告されており、また、異なる手法(構成的に活性な変異体FNRを発現させる)によるものが参考文献227および228において報告されている。
一部の実施形態では、NHBA、NadAおよびfHbpのそれぞれを上方制御する。これらの3種の抗原は、参考文献8に開示されている「普遍的なワクチン」または「4CMenB」の成分である[229、230]。一実施形態では、NHBAの発現を強力なプロモーターによって制御し、NadRをノックアウトし、株に構成的に活性な変異体FNRを発現させる。別の実施形態では、NHBAの発現を強力なプロモーターによって制御し、fHbpの発現を強力なプロモーターによって制御し、NadRをノックアウトする。細菌は、活性なMltA(GNA33)を発現せず、その結果、NHBA、NadAおよびfHbpを含有する小胞を自然に放出する細菌であってもよい。細菌は、ネイティブなLPSを発現しないこと、例えばLpxL1の変異体またはノックアウトを有することが理想的である。
小胞は、1つ、2つ以上、または(好ましくは)0のPorA血清亜型を含んでよい。多PorA OMVをもたらすための髄膜炎菌の改変は、例えば参考文献22および23から公知である。逆に、PorAを除去するための改変も、例えば参考文献209から公知である。
小胞は、PorAおよびFrpBの一方または両方を含まなくてよい。好ましい小胞はPorAを含まない。
本発明は、種々の株由来の小胞の混合物と共に使用することができる。例えば、参考文献24には、使用される国で蔓延している血清亜型を有する髄膜炎菌株に由来する第1の小胞と、使用される国で蔓延している血清亜型を必ずしも有さない株に由来する第2の小胞とを含む多価の髄膜炎菌小胞組成物を含むワクチンが開示されている。参考文献25にも、種々の小胞の有用な組合せが開示されている。L2免疫型およびL3免疫型のそれぞれの株由来の小胞の組合せを一部の実施形態において使用することができる。
別の有用な小胞の組合せは参考文献231および232に開示されている。この種類の三価の混合物は、(a)NadAを過剰発現する第1の株;(b)バリアント1、すなわち、上で定義されている第1のfHbpポリペプチド配列由来のfHbp配列を過剰発現する第2の株;および(c)バリアント2、すなわち、上で定義されている第2のfHbpポリペプチド配列由来のfHbp配列を過剰発現する第3の株のそれぞれから調製された小胞を含んでよい。これらの株は、他の改変、例えば、参考文献231に開示されているようにsynXおよびLpxL1のノックアウトも有してよい。
図1〜8は、(1)破傷風トキソイド;(2)ジフテリアトキソイド;(3)百日咳トキソイド;(4)パータクチン;(5)FHA;(6)NadA;(7)NHBA;および(8)fHbpに対する血清総IgG応答を示す。図がパネル(A)および(B)を含む場合、パネル(A)のデータは35日目のものであり、パネル(B)のデータは49日目のものである。すべての場合において、y軸の目盛りは0.01〜10,000である。 図1〜8は、(1)破傷風トキソイド;(2)ジフテリアトキソイド;(3)百日咳トキソイド;(4)パータクチン;(5)FHA;(6)NadA;(7)NHBA;および(8)fHbpに対する血清総IgG応答を示す。図がパネル(A)および(B)を含む場合、パネル(A)のデータは35日目のものであり、パネル(B)のデータは49日目のものである。すべての場合において、y軸の目盛りは0.01〜10,000である。 図1〜8は、(1)破傷風トキソイド;(2)ジフテリアトキソイド;(3)百日咳トキソイド;(4)パータクチン;(5)FHA;(6)NadA;(7)NHBA;および(8)fHbpに対する血清総IgG応答を示す。図がパネル(A)および(B)を含む場合、パネル(A)のデータは35日目のものであり、パネル(B)のデータは49日目のものである。すべての場合において、y軸の目盛りは0.01〜10,000である。 図1〜8は、(1)破傷風トキソイド;(2)ジフテリアトキソイド;(3)百日咳トキソイド;(4)パータクチン;(5)FHA;(6)NadA;(7)NHBA;および(8)fHbpに対する血清総IgG応答を示す。図がパネル(A)および(B)を含む場合、パネル(A)のデータは35日目のものであり、パネル(B)のデータは49日目のものである。すべての場合において、y軸の目盛りは0.01〜10,000である。 図1〜8は、(1)破傷風トキソイド;(2)ジフテリアトキソイド;(3)百日咳トキソイド;(4)パータクチン;(5)FHA;(6)NadA;(7)NHBA;および(8)fHbpに対する血清総IgG応答を示す。図がパネル(A)および(B)を含む場合、パネル(A)のデータは35日目のものであり、パネル(B)のデータは49日目のものである。すべての場合において、y軸の目盛りは0.01〜10,000である。 図1〜8は、(1)破傷風トキソイド;(2)ジフテリアトキソイド;(3)百日咳トキソイド;(4)パータクチン;(5)FHA;(6)NadA;(7)NHBA;および(8)fHbpに対する血清総IgG応答を示す。図がパネル(A)および(B)を含む場合、パネル(A)のデータは35日目のものであり、パネル(B)のデータは49日目のものである。すべての場合において、y軸の目盛りは0.01〜10,000である。 図1〜8は、(1)破傷風トキソイド;(2)ジフテリアトキソイド;(3)百日咳トキソイド;(4)パータクチン;(5)FHA;(6)NadA;(7)NHBA;および(8)fHbpに対する血清総IgG応答を示す。図がパネル(A)および(B)を含む場合、パネル(A)のデータは35日目のものであり、パネル(B)のデータは49日目のものである。すべての場合において、y軸の目盛りは0.01〜10,000である。 図1〜8は、(1)破傷風トキソイド;(2)ジフテリアトキソイド;(3)百日咳トキソイド;(4)パータクチン;(5)FHA;(6)NadA;(7)NHBA;および(8)fHbpに対する血清総IgG応答を示す。図がパネル(A)および(B)を含む場合、パネル(A)のデータは35日目のものであり、パネル(B)のデータは49日目のものである。すべての場合において、y軸の目盛りは0.01〜10,000である。
以下の成分を含有する、免疫原の組合せを調製した:
比較の目的のために、同等であるがMenBタンパク質を伴わない組合せを調製した。これらの2つの免疫原の組合せを「TdaP−MenB」および「TdaP」と称する。
これらの2つの組合せに、以下を用いてアジュバント化した:
(a)水酸化アルミニウム、1mg/用量(「Al−H」)
(b)水酸化アルミニウム、1mg/用量、100μgの「K2」TLR7アゴニストが吸着したもの
(c)水酸化アルミニウム、1mg/用量、100μgの合成MPL TLR4アゴニストが吸着したもの
(d)MF59スクアレン含有水中油エマルション。
TdaPとTdaP−MenBのどちらについても組成物(a)〜(c)において全ての抗原がAl−Hに吸着したが、パータクチンはMenB免疫原を含む組成物中で完全には吸着しなかった。
これらの4対のアジュバント化組成物に加えて、さらなる対はアジュバント化されなかった。これにより、全部で10種の組成物(C1)〜(C10)が生じた:
さらに、比較のために、2.5Lfのジフテリアトキソイド、5Lfの破傷風トキソイド、および18.5μgの無細胞百日咳抗原(精製されたPT、FHAおよびp69パータクチンの混合物)を含有し(0.5ml当たり)、リン酸アルミニウムと水酸化物塩の混合物を用いてアジュバント化されたBOOSTRIX(商標)製品も試験した(「C11」)。最後に、緩衝液単独の免疫原を含まない陰性対照も調製した(「C12」)。
これらの12種の組成物を、雌のBalb/Cマウス(6週齢)に、0日目、21日目および35日目に100μlを筋肉内に投薬した(2×50μl)。各投薬の2週間後に血清を試験し、8種の免疫原のそれぞれに対する特異的なIgG応答について評価した(C6〜C10およびC12のみは3種のMenB免疫原に対する応答について試験した以外は)。これらの力価が図1〜8に示されている。図1〜5には、35日目(1A〜5A)および49日目(1B〜5B)のデータが示されており、図6〜8には35日目のデータのみが示されている。
データにより、MenB抗原が、2回または3回の投薬後に、ジフテリア抗原、破傷風抗原および無細胞百日咳抗原に対するIgG応答に悪影響を及ぼさないことが示されている。さらに、TLRアゴニストをAl−Hアジュバントと一緒に含めることにより、全ての抗原に対するIgG応答が改善された。エマルションアジュバントでも、Al−H単独よりもよい結果がもたらされた。しかし、全ての場合において、アジュバントによって抗PT応答に大きな影響はなかった。
ワクチンの2回目の投薬(21日目)により、全ての抗原に対するIgG応答が増大したが、3回目の投薬(35日目)ではさらなる有意な増大はもたらされなかった。したがって、試験したアジュバントにより、再注射された抗原に対してより急速な応答がもたらされ、これは、追加免疫の状況において非常に有用であり得る。
したがって、D抗原、T抗原、aP抗原およびMenB抗原の混合物により、新規の有効な組み合わせワクチンがもたらされる。
本発明は単に例として記載されており、本発明の範囲および精神から逸脱せずに改変を行うことができることが理解されよう。

Claims (2)

  1. (a)髄膜炎菌H因子結合性タンパク質(fHbp)、ナイセリアのヘパリン結合性抗原(NHBA)およびナイセリアアドヘシンA(NadA)タンパク質を含む血清群B髄膜炎菌免疫原、(b)ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、および百日咳トキソイド、ならびに(c)(i)アルミニウム塩とTLRアゴニストの組合せまたは(ii)水中油エマルションから選択されるアジュバント、を含む免疫原性組成物であって、Lf単位で測定して、前記破傷風トキソイドがジフテリアトキソイドと比較して過剰に存在する、免疫原性組成物。
  2. 前記fHbpが髄膜炎菌小胞に位置する、請求項に記載の組成物。
JP2015530398A 2012-09-06 2013-09-06 血清群b髄膜炎菌とd/t/pとの組み合わせワクチン Active JP6324961B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201261697756P 2012-09-06 2012-09-06
US61/697,756 2012-09-06
PCT/EP2013/068414 WO2014037472A1 (en) 2012-09-06 2013-09-06 Combination vaccines with serogroup b meningococcus and d/t/p

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015529212A JP2015529212A (ja) 2015-10-05
JP6324961B2 true JP6324961B2 (ja) 2018-05-16

Family

ID=49117859

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015530398A Active JP6324961B2 (ja) 2012-09-06 2013-09-06 血清群b髄膜炎菌とd/t/pとの組み合わせワクチン

Country Status (10)

Country Link
US (3) US9526776B2 (ja)
EP (1) EP2892553A1 (ja)
JP (1) JP6324961B2 (ja)
CN (1) CN104602705A (ja)
AU (1) AU2013311702A1 (ja)
BR (1) BR112015005056A2 (ja)
CA (1) CA2882619A1 (ja)
MX (1) MX2015002717A (ja)
RU (1) RU2015106930A (ja)
WO (1) WO2014037472A1 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001031019A2 (en) * 1999-10-29 2001-05-03 Chiron Spa Neisserial antigenic peptides
GB0227346D0 (en) 2002-11-22 2002-12-31 Chiron Spa 741
WO2010109323A1 (en) 2009-03-24 2010-09-30 Novartis Ag Adjuvanting meningococcal factor h binding protein
CN102844047B (zh) 2009-09-02 2017-04-05 诺华股份有限公司 含tlr活性调节剂的免疫原性组合物
ES2458355T3 (es) 2010-09-01 2014-05-05 Novartis Ag Adsorción de inmunopotenciadores sobre sales metálicas insolubles
US20140112950A1 (en) 2011-03-02 2014-04-24 Manmohan Singh Combination vaccines with lower doses of antigen and/or adjuvant
IN2014CN02152A (ja) * 2011-09-01 2015-09-04 Novartis Ag
AU2013229432A1 (en) 2012-03-08 2014-10-16 Novartis Ag Adjuvanted formulations of booster vaccines
WO2013186753A1 (en) 2012-06-14 2013-12-19 Novartis Ag Vaccines for serogroup x meningococcus
JP6324961B2 (ja) * 2012-09-06 2018-05-16 ノバルティス アーゲー 血清群b髄膜炎菌とd/t/pとの組み合わせワクチン
SI3506935T1 (sl) * 2016-09-02 2024-06-28 Sanofi Pasteur, Inc. Cepivo proti neisseriji meningitidis
EP3890770A4 (en) * 2018-12-05 2022-09-28 Sanofi Pasteur, Inc. PERTUSSIS BOOST VACCINE

Family Cites Families (135)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4057685A (en) 1972-02-02 1977-11-08 Abbott Laboratories Chemically modified endotoxin immunizing agent
DE2848965A1 (de) 1978-11-11 1980-05-22 Behringwerke Ag Verfahren zur herstellung von membranproteinen aus neisseria meningitidis und diese enthaltende vaccine
US4673574A (en) 1981-08-31 1987-06-16 Anderson Porter W Immunogenic conjugates
EP0114787B1 (de) 1983-01-25 1991-09-25 Ciba-Geigy Ag Neue Peptidderivate
US4459286A (en) 1983-01-31 1984-07-10 Merck & Co., Inc. Coupled H. influenzae type B vaccine
US4663160A (en) 1983-03-14 1987-05-05 Miles Laboratories, Inc. Vaccines for gram-negative bacteria
US4761283A (en) 1983-07-05 1988-08-02 The University Of Rochester Immunogenic conjugates
US4808700A (en) 1984-07-09 1989-02-28 Praxis Biologics, Inc. Immunogenic conjugates of non-toxic E. coli LT-B enterotoxin subunit and capsular polymers
IT1187753B (it) 1985-07-05 1987-12-23 Sclavo Spa Coniugati glicoproteici ad attivita' immunogenica trivalente
US5204098A (en) 1988-02-16 1993-04-20 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Polysaccharide-protein conjugates
US4912094B1 (en) 1988-06-29 1994-02-15 Ribi Immunochem Research Inc. Modified lipopolysaccharides and process of preparation
NL8802046A (nl) 1988-08-18 1990-03-16 Gen Electric Polymeermengsel met polyester en alkaansulfonaat, daaruit gevormde voorwerpen.
ES2055785T3 (es) 1989-01-17 1994-09-01 Eniricerche Spa Peptidos sinteticos y su uso como vehiculos universales para la preparacion de conjugados inmunogenos aptos para el desarrollo de vacunas sinteticas.
HU212924B (en) 1989-05-25 1996-12-30 Chiron Corp Adjuvant formulation comprising a submicron oil droplet emulsion
JPH04506662A (ja) 1989-07-14 1992-11-19 アメリカン・サイアナミド・カンパニー 接合体ワクチンのためのサイトカイニンおよびホルモンのキヤリヤー
IT1237764B (it) 1989-11-10 1993-06-17 Eniricerche Spa Peptidi sintetici utili come carriers universali per la preparazione di coniugati immunogenici e loro impiego per lo sviluppo di vaccini sintetici.
SE466259B (sv) 1990-05-31 1992-01-20 Arne Forsgren Protein d - ett igd-bindande protein fraan haemophilus influenzae, samt anvaendning av detta foer analys, vacciner och uppreningsaendamaal
EP0471177B1 (en) 1990-08-13 1995-10-04 American Cyanamid Company Filamentous hemagglutinin of bordetella pertussis as a carrier molecule for conjugate vaccines
US5153312A (en) 1990-09-28 1992-10-06 American Cyanamid Company Oligosaccharide conjugate vaccines
IT1262896B (it) 1992-03-06 1996-07-22 Composti coniugati formati da proteine heat shock (hsp) e oligo-poli- saccaridi, loro uso per la produzione di vaccini.
IL102687A (en) 1992-07-30 1997-06-10 Yeda Res & Dev Conjugates of poorly immunogenic antigens and synthetic pepide carriers and vaccines comprising them
US5425946A (en) 1992-08-31 1995-06-20 North American Vaccine, Inc. Vaccines against group C Neisseria meningitidis
PT658118E (pt) 1992-08-31 2002-05-31 Baxter Healthcare Sa Vacinas contra neisseria meningitidis do grupo c
SG48309A1 (en) 1993-03-23 1998-04-17 Smithkline Beecham Biolog Vaccine compositions containing 3-0 deacylated monophosphoryl lipid a
AU5543294A (en) 1993-10-29 1995-05-22 Pharmos Corp. Submicron emulsions as vaccine adjuvants
US5698438A (en) 1994-10-18 1997-12-16 Oregon Health Sciences University Bacterial hemoglobin receptor gene
IL117483A (en) 1995-03-17 2008-03-20 Bernard Brodeur MENINGITIDIS NEISSERIA shell protein is resistant to proteinase K.
US6180111B1 (en) 1995-05-18 2001-01-30 University Of Maryland Vaccine delivery system
CZ390297A3 (cs) 1995-06-07 1998-05-13 Smithkline Beecham Biologicals S. A. Kombinovaná vakcína
US6299881B1 (en) 1997-03-24 2001-10-09 Henry M. Jackson Foundation For The Advancement Of Military Medicine Uronium salts for activating hydroxyls, carboxyls, and polysaccharides, and conjugate vaccines, immunogens, and other useful immunological reagents produced using uronium salts
GB9713156D0 (en) 1997-06-20 1997-08-27 Microbiological Res Authority Vaccines
AU755462B2 (en) 1997-08-21 2002-12-12 De Staat Der Nederlanden Vertegenwoordigd Door De Minister Van Welzijn, Volksgezonheid En Cultuur Novel mutants of gram negative mucosal bacteria and application thereof in vaccines
US6645503B1 (en) 1998-03-10 2003-11-11 Wyeth Holdings Corporation Antigenic conjugates of conserved lipopolysaccharides of gram negative bacteria
JP5102414B2 (ja) 1998-05-01 2012-12-19 ノバルティス バクシンズ アンド ダイアグノスティックス,インコーポレーテッド 髄膜炎菌抗原および組成物
ATE375803T1 (de) 1998-05-07 2007-11-15 Corixa Corp Adjuvanszusammensetzung und methoden zu deren verwendng
US8007815B1 (en) 1998-05-29 2011-08-30 Novartis Ag Combination meningitidis B/C vaccines
EP1109576B1 (en) 1998-08-19 2009-10-21 Baxter Healthcare SA Immunogenic beta-propionamido-linked polysaccharide protein conjugate useful as a vaccine produced using an n-acryloylated polysaccharide
CA2347849C (en) 1998-10-22 2013-06-25 The University Of Montana Omp85 proteins of neisseria gonorrhoeae and neisseria meningitidis, compositions containing same and methods of use thereof
GB9823978D0 (en) 1998-11-02 1998-12-30 Microbiological Res Authority Multicomponent meningococcal vaccine
CA2348928C (en) 1998-11-03 2010-01-26 De Staat Der Nederlanden, Vertegenwoordigd Door De Minister Van Welzijn,Volksgezondheid En Cultuur Lps with reduced toxicity from genetically modified gram negative bacteria
WO2000033882A1 (en) 1998-12-04 2000-06-15 The Government Of The United States Of America As Represented By The Secretary, Department Of Health And Human Services A vi-repa conjugate vaccine for immunization against salmonella typhi
US20030130212A1 (en) 1999-01-14 2003-07-10 Rossignol Daniel P. Administration of an anti-endotoxin drug by intravenous infusion
US6551600B2 (en) 1999-02-01 2003-04-22 Eisai Co., Ltd. Immunological adjuvant compounds compositions and methods of use thereof
HU228499B1 (en) * 1999-03-19 2013-03-28 Smithkline Beecham Biolog Streptococcus vaccine
CA2365914A1 (en) 1999-04-09 2000-10-19 Techlab, Inc. Recombinant clostridium toxin a protein carrier for polysaccharide conjugate vaccines
CN100392082C (zh) 1999-04-30 2008-06-04 启龙股份公司 保守的奈瑟球菌抗原
GB9918319D0 (en) 1999-08-03 1999-10-06 Smithkline Beecham Biolog Vaccine composition
US6531131B1 (en) 1999-08-10 2003-03-11 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Conjugate vaccine for Neisseria meningitidis
WO2001034642A2 (en) 1999-11-12 2001-05-17 University Of Iowa Research Foundation Control of neisserial membrane synthesis
GB9928196D0 (en) 1999-11-29 2000-01-26 Chiron Spa Combinations of B, C and other antigens
WO2001038350A2 (en) 1999-11-29 2001-05-31 Chiron Spa 85kDa NEISSERIAL ANTIGEN
WO2001041800A2 (en) 1999-12-02 2001-06-14 Chiron Corporation Compositions and methods for stabilizing biological molecules upon lyophilization
JP2003523208A (ja) 2000-01-25 2003-08-05 ザ ユニバーシティ オブ クイーンズランド 髄膜炎菌表面抗原NhhAの保存領域を含むタンパク質
GB0007432D0 (en) 2000-03-27 2000-05-17 Microbiological Res Authority Proteins for use as carriers in conjugate vaccines
NO20002828D0 (no) 2000-06-02 2000-06-02 Statens Inst For Folkehelse Proteinholdig vaksine mot Neisseria meningtidis serogruppe samt fremgangsmÕte ved fremstilling derav
MXPA03000822A (es) 2000-07-27 2004-11-01 Childrens Hosp & Res Ct Oak Vacunas para proteccion de espectro amplio contra enfermedades causadas por neisseria meningitidis.
GB0103170D0 (en) 2001-02-08 2001-03-28 Smithkline Beecham Biolog Vaccine composition
RO122761B1 (ro) 2001-01-23 2010-01-29 Aventis Pasteur Vaccin multivalent antimeningococic conţinând polizaharid-proteină
GB0103171D0 (en) 2001-02-08 2001-03-28 Smithkline Beecham Biolog Vaccine composition
US20030035806A1 (en) 2001-05-11 2003-02-20 D'ambra Anello J. Novel meningitis conjugate vaccine
GB0115176D0 (en) 2001-06-20 2001-08-15 Chiron Spa Capular polysaccharide solubilisation and combination vaccines
MX339524B (es) 2001-10-11 2016-05-30 Wyeth Corp Composiciones inmunogenicas novedosas para la prevencion y tratamiento de enfermedad meningococica.
GB0202901D0 (en) 2002-02-07 2002-03-27 Glaxosmithkline Biolog Sa Novel vaccine
PT1490409E (pt) 2002-03-26 2009-04-03 Novartis Vaccines & Diagnostic Sacáridos modificados possuindo uma estabilidade melhorada em água
GB0213622D0 (en) 2002-06-13 2002-07-24 Glaxosmithkline Biolog Sa Vaccine Corporation
WO2004015099A2 (en) 2002-08-02 2004-02-19 Glaxosmithkline Biologicals Sa Vaccine composition comprising lipooligosaccharide with reduced phase variability
GB0220194D0 (en) 2002-08-30 2002-10-09 Chiron Spa Improved vesicles
CA2501812C (en) 2002-10-11 2012-07-10 Mariagrazia Pizza Polypeptide-vaccines for broad protection against hypervirulent meningococcal lineages
GB0227346D0 (en) 2002-11-22 2002-12-31 Chiron Spa 741
BRPI0411815A (pt) 2003-06-23 2006-08-08 Baxter Int vacinas contra neisseria meningitidis do tipo y e suas combinações meningocócicas
GB0316560D0 (en) 2003-07-15 2003-08-20 Chiron Srl Vesicle filtration
GB0323103D0 (en) 2003-10-02 2003-11-05 Chiron Srl De-acetylated saccharides
KR20090051129A (ko) 2004-04-05 2009-05-20 화이자 프로덕츠 인코포레이티드 미세유체화된 수중유 유화액 및 백신 조성물
GB0419627D0 (en) 2004-09-03 2004-10-06 Chiron Srl Immunogenic bacterial vesicles with outer membrane proteins
GB0424092D0 (en) 2004-10-29 2004-12-01 Chiron Srl Immunogenic bacterial vesicles with outer membrane proteins
HUE033196T2 (en) 2005-01-27 2017-11-28 Children's Hospital & Res Center At Oakland GNA1870-based vesicle vaccines for broad-spectrum protection against diseases caused by Neisseria meningitidis
DK3466982T3 (da) 2005-04-08 2020-08-03 Wyeth Llc Separation af forurenende kontaminanter fra streptococcus pneumoniae-polysaccharid ved ph-manipulation
EP2425855A1 (en) 2005-04-08 2012-03-07 Wyeth LLC Multivalent pneumococcal polysaccharide-protein conjugate composition
US7955605B2 (en) 2005-04-08 2011-06-07 Wyeth Llc Multivalent pneumococcal polysaccharide-protein conjugate composition
US7709001B2 (en) 2005-04-08 2010-05-04 Wyeth Llc Multivalent pneumococcal polysaccharide-protein conjugate composition
US20070184072A1 (en) 2005-04-08 2007-08-09 Wyeth Multivalent pneumococcal polysaccharide-protein conjugate composition
PT2351578T (pt) 2005-06-27 2017-04-07 Glaxosmithkline Biologicals Sa Processo para o fabrico de vacinas
US8703095B2 (en) 2005-07-07 2014-04-22 Sanofi Pasteur S.A. Immuno-adjuvant emulsion
TWI382019B (zh) 2005-08-19 2013-01-11 Array Biopharma Inc 作為類鐸受體(toll-like receptor)調節劑之胺基二氮雜呯
TW200801003A (en) 2005-09-16 2008-01-01 Astrazeneca Ab Novel compounds
JPWO2007034817A1 (ja) 2005-09-22 2009-03-26 大日本住友製薬株式会社 新規アデニン化合物
EP1939201A4 (en) 2005-09-22 2010-06-16 Dainippon Sumitomo Pharma Co NEW ADENINE CONNECTION
US20090192153A1 (en) 2005-09-22 2009-07-30 Dainippon Sumitomo Pharma Co., Ltd. a corporation of Japan Novel adenine compound
TW200745114A (en) 2005-09-22 2007-12-16 Astrazeneca Ab Novel compounds
WO2007034916A1 (ja) 2005-09-22 2007-03-29 Dainippon Sumitomo Pharma Co., Ltd. 新規アデニン化合物
WO2007053455A2 (en) 2005-10-28 2007-05-10 Vaxinnate Corporation Polypeptide ligans for toll-like receptor 4 (tlr4)
GB0522765D0 (en) 2005-11-08 2005-12-14 Chiron Srl Combination vaccine manufacture
LT3017827T (lt) 2005-12-22 2019-01-10 Glaxosmithkline Biologicals S.A. Pneumokokinė polisacharidinė konjuguota vakcina
FR2896162B1 (fr) 2006-01-13 2008-02-15 Sanofi Pasteur Sa Emulsion huile dans eau thermoreversible
MX2008010611A (es) 2006-02-17 2008-11-12 Pfizer Ltd Derivados de 3-desazapurina como moduladores de receptores similares a toll.
EP2357184B1 (en) * 2006-03-23 2015-02-25 Novartis AG Imidazoquinoxaline compounds as immunomodulators
EP2041135A4 (en) 2006-07-05 2010-12-01 Astrazeneca Ab As TLR7 MODULATORS, 8-OXOADENINE DERIVATIVES WORK
WO2008005555A1 (en) 2006-07-07 2008-01-10 Gilead Sciences, Inc. Modulators of toll-like receptor 7
MX2009002560A (es) * 2006-09-07 2009-03-20 Glaxosmithkline Biolog Sa Vacuna.
ATE473289T1 (de) 2006-10-10 2010-07-15 Wyeth Llc Verbesserte verfahren zur trennung von streptococcus pneumoniae-3-polysacchariden
PT2086582E (pt) 2006-10-12 2013-01-25 Glaxosmithkline Biolog Sa Vacina compreendendo uma emulsão adjuvante óleo em água
GB0622282D0 (en) 2006-11-08 2006-12-20 Novartis Ag Quality control methods
DE602008003764D1 (de) 2007-02-19 2011-01-13 Glaxosmithkline Llc Purinderivate als immunmodulatoren
AR065784A1 (es) 2007-03-20 2009-07-01 Dainippon Sumitomo Pharma Co Derivados de 8-oxo adenina,medicamentos que los contienen y usos como agentes terapeuticos para enfermedades alergicas, antivirales o antibacterianas.
BRPI0811125A2 (pt) 2007-05-08 2017-05-09 Astrazeneca Ab imidazoquinolinas com propriedades imunomoduladoras
CA2695467A1 (en) 2007-08-02 2009-03-26 Children's Hospital & Research Center At Oakland Fhbp- and lpxl1-based vesicle vaccines for broad spectrum protection against diseases caused by neisseria meningitidis
CA2707030A1 (en) 2007-08-03 2009-02-12 Pfizer Limited Imidazopyridinones
PE20091236A1 (es) 2007-11-22 2009-09-16 Astrazeneca Ab Derivados de pirimidina como immunomoduladores de tlr7
US8092813B1 (en) 2007-12-28 2012-01-10 Novartis Ag Polychlorinated biphenyls and squalene-containing adjuvants
EP2245048B1 (en) 2008-02-21 2014-12-31 Novartis AG Meningococcal fhbp polypeptides
WO2009111337A1 (en) * 2008-03-03 2009-09-11 Irm Llc Compounds and compositions as tlr activity modulators
PT2276486E (pt) 2008-03-24 2013-12-04 4Sc Discovery Gmbh Novas imidazoquinolinas substituídas
CN101559223B (zh) * 2008-04-18 2013-02-13 重庆智仁生物技术有限公司 流脑白百破联合疫苗
EP2313111B1 (en) 2008-08-01 2013-09-04 Ventirx Pharmaceuticals, Inc. Toll-like receptor agonist formulations and their use
PL2268823T3 (pl) 2008-08-28 2012-03-30 Novartis Ag Wytwarzanie skwalenu z wykorzystaniem drożdży nadprodukujących skwalen
GB0816447D0 (en) 2008-09-08 2008-10-15 Glaxosmithkline Biolog Sa Vaccine
EA021377B9 (ru) 2008-12-09 2015-09-30 Джилид Сайэнс, Инк. Модуляторы толл-подобных рецепторов
CN102300585A (zh) 2008-12-17 2011-12-28 诺华有限公司 包含血红蛋白受体的脑膜炎球菌疫苗
AU2010288240B2 (en) 2009-08-27 2014-03-27 Novartis Ag Hybrid polypeptides including meningococcal fHBP sequences
CN102844047B (zh) 2009-09-02 2017-04-05 诺华股份有限公司 含tlr活性调节剂的免疫原性组合物
GB0917003D0 (en) 2009-09-28 2009-11-11 Novartis Vaccines Inst For Global Health Srl Purification of bacterial vesicles
WO2011039631A2 (en) 2009-09-30 2011-04-07 Novartis Ag Expression of meningococcal fhbp polypeptides
BR112012013426B8 (pt) 2009-12-03 2021-05-25 Novartis Ag métodos para a fabricação de uma emulsão de óleo-em-água, para preparar uma composição de vacina e para preparar um kit de vacina
CN104688687A (zh) 2009-12-03 2015-06-10 诺华股份有限公司 疫苗佐剂制备中的亲水过滤
KR101523215B1 (ko) 2009-12-03 2015-05-27 노파르티스 아게 에멀션 미세 액화 및/또는 균질화 동안 성분들의 순환
US9365624B2 (en) 2010-03-11 2016-06-14 Glaxosmithkline Biologicals, S.A. Vaccine
BR112012022896A2 (pt) * 2010-03-18 2018-03-27 Novartis Ag vacinas adjuvantes para meningococos do sorogrupo b
EA031379B1 (ru) 2010-03-23 2018-12-28 Новартис Аг Соединения (липопептиды на основе цистеина) и композиции в качестве агонистов tlr2, применяемые для лечения инфекционных, воспалительных, респираторных и других заболеваний
EA027142B1 (ru) 2010-05-12 2017-06-30 Новартис Аг Улучшенные способы получения сквалена
GB201009676D0 (en) 2010-06-10 2010-07-21 Glaxosmithkline Biolog Sa Novel process
GB201009673D0 (en) 2010-06-10 2010-07-21 Glaxosmithkline Biolog Sa Novel process
GB201009671D0 (en) 2010-06-10 2010-07-21 Glaxosmithkline Biolog Sa Novel process
ES2458355T3 (es) 2010-09-01 2014-05-05 Novartis Ag Adsorción de inmunopotenciadores sobre sales metálicas insolubles
US20140112950A1 (en) 2011-03-02 2014-04-24 Manmohan Singh Combination vaccines with lower doses of antigen and/or adjuvant
JP6324961B2 (ja) * 2012-09-06 2018-05-16 ノバルティス アーゲー 血清群b髄膜炎菌とd/t/pとの組み合わせワクチン

Also Published As

Publication number Publication date
WO2014037472A1 (en) 2014-03-13
US20170100472A1 (en) 2017-04-13
BR112015005056A2 (pt) 2017-11-21
EP2892553A1 (en) 2015-07-15
US20150190493A1 (en) 2015-07-09
MX2015002717A (es) 2015-05-15
AU2013311702A1 (en) 2015-02-19
CN104602705A (zh) 2015-05-06
RU2015106930A (ru) 2016-10-20
US20180318410A1 (en) 2018-11-08
CA2882619A1 (en) 2014-03-13
US9526776B2 (en) 2016-12-27
JP2015529212A (ja) 2015-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10603369B2 (en) Combination vaccines with lower doses of antigen and/or adjuvant
JP6324961B2 (ja) 血清群b髄膜炎菌とd/t/pとの組み合わせワクチン
JP5925736B2 (ja) 髄膜炎菌ワクチン処方物
CA2688268A1 (en) Formulation of meningitis vaccines
US20200138927A1 (en) Non-cross-linked acellular pertussis antigens for use in combination vaccines
US20150125486A1 (en) Adjuvanted formulations of pediatric antigens
CA2894260A1 (en) Conjugates for protecting against diphtheria and/or tetanus

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170619

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170904

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20171106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180214

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180411

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6324961

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350