JP6324280B2 - 二輪車用バスケット - Google Patents

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Description

本発明は、自転車や自動二輪車等の二輪車用のバスケットに関するものである。
従来の二輪車用バスケットは、縦線材と横線材からなるフレーム枠状のバスケットの他、特許文献1の図1,2で示すように、全体が金網で形成された網状のバスケットが適用されている。
特許文献1で開示される金網で形成されたバスケットでは、側面と底面の端部に網を構成する多数の金属線が突き出ることから、双方の取合い部に金属線の端部を目隠しする複数の枠材を配設するといった措置が講じられており、加工手間を要している。
そこで、縦線材と横線材からなるフレーム部材と、側面の一部と底面にのみパンチングメタルからなるメッシュ部材を配設してなるバスケットが開発されている。
ところで、特許文献1で開示されるバスケットでは、底面のパンチングメタルにおいて上方に張り出した補強リブを設け、バスケットの剛性を高めることにしている。
しかしながら、上記するフレーム部材とメッシュ部材からなるバスケットにおいて、特許文献1で記載するように底面のメッシュ部材に上方に張り出した補強リブを設けてしまうと、フレーム部材によるメッシュ部材の支持構造を形成し難い。たとえば、フレーム部材を構成する線材を底面のメッシュ部材の下方に延ばし、上方に張り出した補強リブの形状に応じて線材を屈曲させる等して線材と底面のメッシュ部材を当接させ、線材にて底面のメッシュ部材を支持するような支持構造を形成する必要があり、支持構造が複雑になって加工手間を要することになる。
実公昭62−35665号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、フレーム部材とメッシュ部材からなる二輪車用バスケットに関し、メッシュ部材の剛性を高めながら、フレーム部材によるメッシュ部材の簡易な支持構造を備えた二輪車用バスケットを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による二輪車用バスケットは、複数の縦線材と横線材からなり、側面と底面を有するバスケットの骨組みを構成するフレーム部材と、前記側面の少なくとも一部を構成する側メッシュ材と、前記底面を構成する底メッシュ材とからなるメッシュ部材と、から形成される二輪車用バスケットであって、前記底メッシュ材には下方に張り出した突部が設けてあり、前記縦線材の一部は前記底メッシュ材の下方へ延び、該底メッシュ材の前記突部の下方に位置しているものである。
本発明の二輪車用バスケットは、フレーム部材とメッシュ部材からなる二輪車用バスケットに関し、メッシュ部材を構成する底メッシュ材において下方に張り出した突部が設けてあり、底メッシュ材の下方へ延びたフレーム部材を構成する縦線材の一部がこの突部の下方に位置している構成を具備することにより、高剛性の二輪車用バスケットとなっている。
ここで、縦線材の一部が突部の下方に位置している形態の中でも、縦線材の一部が底メッシュ材の突部と当接して該底メッシュ材を支持している形態が好ましい。
下方に突部が張り出していることで、底メッシュ材の剛性を向上させることができ、底メッシュ材とその下方に延びる縦線材を当接し易くすることができ、このことが簡易な支持構造の形成に繋がる。なお、「二輪車」とは、自転車や自動二輪車等を意味している。
また、「突部」としては、たとえば段押し加工にて形成された段押し部を挙げることができる。
ここで、「縦線材の一部が底メッシュ材の突部と当接」しているとは、当初から双方が当接されている形態の他にも、バスケットに荷物が収容された際に双方が当接される形態も含んでいる。いずれの形態であっても、バスケットに荷物が収容された際や、荷物を積載した状態での走行振動により、底メッシュ材の突部と底メッシュ材の下方に延びる縦線材が当接し、底メッシュ材の突部を下方の縦線材が支持することにより、荷物荷重による底メッシュ材の変形等が抑制される。
また、「縦線材」とは、バスケットの側面を形成する骨組み箇所にて縦方向に延びる線材を意味しているが、その一部の底メッシュ材の下方に延びている部分は当該下方において横方向に延びているものの、これも「縦線材」に含まれるものとする。
一方、「横線材」とは、バスケットの側面を形成する骨組み箇所にて横方向に延びる線材や、底メッシュ材の下方において、縦線材とは連続していない線材のことである。
簡易な支持構造を形成するべく、前記底メッシュ材の下方にある前記縦線材は直線状に延びており、その一部が前記突部に当接している形態が望ましい。
底メッシュ材の下方にある縦線材の一部が直線状となっていることで、突部等に対応する箇所が曲げ加工される場合に比して加工手間を省くことができる。
また、本発明による二輪車用バスケットの好ましい実施の形態は、前記底メッシュ材の端部と前記側メッシュ材の端部の取合い部の構造として以下の2つのいずれかの構造を備えているものである。
・ 少なくとも前記底メッシュ材の端部が曲げ加工されて下方を向いており、前記側メッシュ材と前記底メッシュ材のそれぞれの端部が溝を備えたガード材の該溝に収容され、該ガード材によって双方の端部同士が一体とされている、
・ 前記底メッシュ材の端部が曲げ加工されて溝を備えたガード材を形成し、前記側メッシュ材の端部が該溝に収容され、該ガード材によって一体とされているものである。
側メッシュ材と底メッシュ材のそれぞれの端部をガード材の溝に収容して一体とされていることにより、もしくは、底メッシュ材の端部を曲げ加工してできたガード材の溝に側メッシュ材の端部を収容して一体とされていることにより、端部処理を不要としながら、側メッシュ材と底メッシュ材を繋ぐことができ、外観意匠性の向上にも寄与する。なお、ここでいう「一体とされている」加工方法としては、かしめ処理などを挙げることができる。
また、前記ガード材の内側に補強線材が配設されているのが好ましい。
底メッシュ材の下方であって端部のガード材の内側にたとえば枠状の補強線材を配設することにより、補強線材による底メッシュ材の補強効果が期待できる。
また、底メッシュ材には、前記縦線材の一部が挿通される挿通孔が設けられることが好ましく、底メッシュ材の下方に補強線材を配設する形態においては、補強線材のうち、前記挿通孔に対応する箇所は該補強線材が曲げ加工されてなる逃げ部となっており、前記挿通孔に挿通された前記縦線材が前記逃げ部で溶接されている形態が好ましい。
補強線材の逃げ部によって挿通孔と補強線材の干渉が回避され、さらに逃げ部によって溶接スペースが確保できることから、補強線材と縦線材の溶接性も良好になる。
また、前記側メッシュ材と前記底メッシュ材はいずれも、金属板に複数の孔が開設されたパンチングメタルから形成されるのが好ましい。
従来のバスケット用メッシュ部材には、金網状のメッシュ部材が適用されているが、網目を細かくしないと物が落ちる心配がある。そこで、金属板に孔を打抜き加工してなるパンチングメタルを使用することで物が落ち難いといった安心感を付与できる。
また、バスケット底面にパンチングメタルを使用することで金網状のメッシュ部材に比して剛性が高くなり、荷物収容時に変形し難いといった効果が奏される。
また、金網状のメッシュ部材の表面はその製法上、細かく鋭利な凸凹が発生し、その端部をつぶす処理が必要であるが、その処理が不十分であると、バスケットに荷物を入れた際に擦れてしまい、荷物を傷付ける惧れがある。これに対し、パンチングメタルの場合にはこのような惧れは一切ない。
以上の説明から理解できるように、本発明による二輪車用バスケット材によれば、フレーム部材とメッシュ部材からなる二輪車用バスケットに関し、メッシュ部材を構成する底メッシュ材において下方に張り出した突部が設けてあり、底メッシュ材の下方へ延びたフレーム部材を構成する縦線材の一部が突部の下方に位置している構成を具備することにより、底メッシュ材の剛性を向上させることができる。さらに、縦線材の一部が底メッシュ材の突部と当接して該底メッシュ材を支持していることにより、フレーム部材によるメッシュ部材の簡易な支持構造を備えた二輪車用バスケットを提供することができる。
バスケット用メッシュ部材のうち、側メッシュ材を構成するメッシュ部材の実施の形態の平面図である。 (a)はバスケット用メッシュ部材のうち、底メッシュ材を構成するメッシュ部材の実施の形態の平面図であり、(b)は(a)のb−b矢視図である。 本発明の二輪車用バスケットの実施の形態の正面図である。 本発明の二輪車用バスケットの実施の形態の側面図である。 本発明の二輪車用バスケットの実施の形態の背面図である。 本発明の二輪車用バスケットの実施の形態の上方から見た平面図である。 (a)は本発明の二輪車用バスケットの実施の形態の下方から見た平面図であり、(b)は(a)のb−b矢視図である。 本発明の二輪車用バスケットの実施の形態の斜め上方から見た斜視図である。 本発明の二輪車用バスケットの実施の形態の斜め下方から見た斜視図である。 (a)、(b)ともに、側メッシュ材と底メッシュ材の取合い部の構造を示した縦断面図である。 側メッシュ材の上端部の構造を示した縦断面図である。
以下、図面を参照して、本発明のバスケット用メッシュ部材と、このメッシュ部材から形成される二輪車用バスケットの実施の形態を説明する。
(バスケット用メッシュ部材の実施の形態)
図1は本発明のバスケット用メッシュ部材のうち、側メッシュ材を構成するメッシュ部材の実施の形態の平面図であり、図2(a)は本発明のバスケット用メッシュ部材のうち、底メッシュ材を構成するメッシュ部材の実施の形態の平面図であり、図2(b)は図2(a)のb−b矢視図である。
バスケット用メッシュ部材には、図1で示す側メッシュ材用のメッシュ部材1Aと、図2で示す底メッシュ材用のメッシュ部材1Bがある。なお、図1はメッシュ部材1Aのうち、左側の領域を取り出して示しており、線対称の関係にある右側の領域も存在している。
図1で示すメッシュ部材1Aは、金属板1に多数の孔1bが開設されてなるパンチングメタルから構成されており、一般部1’と複数の折り曲げ部1”を備え、折り曲げ部1”で緩やかに屈曲している細長状に加工されている。
複数の折り曲げ部1”で金属板1を折り曲げることで、断面が略矩形の四つの側面を有し、各側面が下方から上方に向かってテーパー状に立設した筒状の側メッシュ材が構成される。
金属板1では、端辺1aから離れた位置に複数の孔1bが開設されており、端辺1aと複数の孔1bの間には所定幅の隙間Gが存在している。そして、金属板1を折り曲げ部1”で折り曲げて三次元形状の側メッシュ材を構成した際に側メッシュ材の上方に位置する端辺1aと複数の孔1bの間の隙間Gには、端部処理の一つである曲げ加工のための曲げ加工ラインBがあり、この曲げ加工ラインBで端辺1aが曲げ加工されるようになっている。
このように、メッシュ部材1Aは、金属板1の端辺1aから離れた位置に複数の孔1bが開設されていることにより、予め多数の孔が開設されている金属板を図示形状のように切断加工した際に、孔が切断されてバリが発生し、このバリを除去処理するための加工が余儀なくされるといった問題は生じ得ない。
また、金属板1に開設されている多数の孔1bに関し、金属板1が一以上の折り曲げ部1”で折り曲げられて三次元形状を形成した際に、三次元形状を構成する全ての側面(図示例では四つの側面)において複数の孔1bが規則性をもって配設されている。
図示例においては、図1中で示すように、複数の孔1bが所定の間隔で水平方向に並んで一列の孔を形成し、この一列の孔が金属板1の鉛直方向に間隔を置いて形成されており、より詳細には、各列の孔1bの位置が鉛直方向に千鳥状にずらされている規則性を有している。
図1で示す三次元形状に加工する前の平面状の金属板1の状態において、三次元形状に加工された際に全ての側面にある複数の孔1bが規則性をもって配列するように、金属板1の一般部1’と折り曲げ部1”に開設される孔1bの位置が調整されている。より詳細には、金属板1が三次元形状に折り曲げられた際に、一般部1’と折り曲げ部1”におけるそれぞれの各孔1bの並びが規則性をもって配列されるためには、平面状態において一般部1’と折り曲げ部1”における各孔1bの配列は異なっており、三次元形状にした際に共通の規則性で各孔1bが配列するように調整されている。
金属板1を折り曲げ部1”で折り曲げて三次元形状の側メッシュ材を構成した際に、側メッシュ材を構成する各側面(一般部1’)や隣接する側面間の折り曲げ部1”において、開設されている各孔1bが規則性をもって配列されていることにより、外観意匠性に優れた二輪車用バスケットを形成することができる。なお、図示を省略するが、三次元形状の側メッシュ材の全ての側面が共通の規則性をもった孔1bの配列を有している形態のほかに、各側面が互いに異なる固有の規則性をもった孔1bの配列を有している形態や、二つの側面、もしくは三つの側面が共通の規則性をもった孔1bの配列を有している形態などであってもよい。
また、図1で示すように、金属板1には製造会社もしくは製品のロゴマーク1cが刻印されている。
このロゴマーク1cは、金属板1に孔1bを打抜き加工する際に同時に刻印することにより、製造工数の低減を図ることができ、さらに、金属板1と別体で製作されたロゴマークを外付け(貼り付け)する場合に比して、立体感のある独特の外観意匠性を二輪車用バスケットに付与することができる。
一方、図2で示すように、底メッシュ材用のメッシュ部材1Bも、金属板1に多数の孔1bが開設されてなるパンチングメタルから構成されており、金属板1の端辺1aと各孔1bの間に所定幅の隙間Gを有しており、その内部には、下方に張り出した2箇所の突部1d、1eを備えている。
このように底メッシュ材用のメッシュ部材1Bが下方に張り出した突部1d、1eを備えていることで、メッシュ部材1Bの剛性が向上し、後述するようにメッシュ部材1Bの下方にある縦線材が突部1d、1eに当接してメッシュ部材を支持することが可能になる。
一方の突部1dは、平面視Tの字状を呈しており、その一部には、支持ステイとボルト接続されるためのボルト孔1d’が設けてある。
また、メッシュ部材1Bの端辺1aの近傍には、端辺1aの線形に沿って所定間隔で挿通孔1fが開設されている。
この挿通孔1fは、後述するフレーム部材を構成する縦線材の一部が貫通する孔である。
図1で示すバスケット用メッシュ部材1Aを四つの側面からなる断面略矩形の筒状(三次元形状)に折り曲げ加工し,図2で示すバスケット用メッシュ部材1Bを筒状のメッシュ部材1Aの一方の開口に組み付けてメッシュ部材が構成される。次に、以下、このメッシュ部材とフレーム部材からなる二輪車用バスケットを説明する。
(二輪車用バスケットの実施の形態)
図3〜図9は順に、二輪車用バスケットの実施の形態の正面図、側面図、背面図、上方から見た平面図、下方から見た平面図、斜め上方から見た斜視図、および斜め下方から見た斜視図である。また、図10は側メッシュ材と底メッシュ材の取合い部の構造を示した縦断面図であり、図11は側メッシュ材の上端部の構造を示した縦断面図である。
図示する二輪車用バスケット100は、複数の縦線材20Aと横線材20Bからなり、側面と底面を有するバスケット100の骨組みを構成するフレーム部材20と、側面の少なくとも一部を構成する側メッシュ材10Aと、底面を構成する底メッシュ材10Bとからなるメッシュ部材10と、から構成される。
フレーム部材20を構成する複数の縦線材20Aのうち、その一部は側メッシュ材10Aの内側に配設されて底メッシュ材10Bの挿通孔1fを介して底メッシュ材10Bの下方に延びている(図6、図9参照)。また、縦線材20Aのうち、特に側メッシュ材10Aの背面にある四本の縦線材20Aは、側メッシュ材10Aの外側(乗員側)に配設され、底メッシュ材10Bの下面に延びている(図6、図9参照)。
そして、図7で示すように、底メッシュ材10Bの下面に延びている縦線材の一部20A’は、底メッシュ材10Bの下方において直線状に延び、底メッシュ材10Bの下方に張り出している突部1d、1eに当接してメッシュ部材10を支持している。
ここで、底メッシュ材10Bと縦線材の一部20A’が当接している形態としては、当初から双方が当接されている形態の他にも、バスケット100内に荷物が収容された際に双方が当接される形態も含んでいる。いずれの形態であっても、バスケット100に荷物が収容された際には底メッシュ材10Bの突部1d、1eと縦線材の一部20A’が当接し、底メッシュ材10Bの突部1d、1eを下方に位置する縦線材の一部20A’が支持することにより、荷物荷重による底メッシュ材10Bの変形等が抑制される。
また、突部1dは不図示の支持ステイとボルト接続されることから、このボルト接続時に底メッシュ材10Bには外力が付与されることになる。この際に、図9で示すように、四本の縦線材20Aの一部20A’を突部1dの下方に位置決めすることで、ナット締めした際の外力を突部1dの剛性にて抗することが可能になる。
また、底メッシュ材10Bの端部(下方に向いた端部)と側メッシュ材10Aの端部の取合い部(双方の端部同士が当接している部分)の構造に関し、図10(a),(b)に二つの実施の形態を示している。まず、図10(a)で示す取合い部の構造は、底メッシュ材10Bの端部10B’が曲げ加工されて下方を向いており、側メッシュ材10Aの下方の端部10A’もわずかに曲げ加工されて下方を向いており、双方の端部10A’、10B’同士が当接した状態で溝を備えたガード材40に収容され、ガード材40によって双方の端部10A’、10B’同士がかしめられてメッシュ部材10が製作されている。
このように側メッシュ材10Aと底メッシュ材10Bのそれぞれの端部10A’、10B’同士をガード材40の溝に収容してかしめて接続することにより、メッシュ部材同士を直接繋いだ際に生じる端部に突き出た金属線やバリ等の処理を不要にできる。
さらに、側メッシュ材10Aと底メッシュ材10Bをガード材40で包囲することで端部の線形ラインが綺麗になり、金属線等の張り出しがないことからバスケット100に対して優しい印象を付与することができ、バスケット100の外観意匠性を向上させることができる。さらに、ガード材40によってバスケット100の底端部のエッジを保護し、底端部の強度と外観意匠性を向上させることができる。
一方、図10(b)で示す取合い部の構造は、底メッシュ材10Bの端部10B’を折り曲げてガード材40Aを形成し、このガード材40Aの溝に側メッシュ材10Aの端部10A’を収容し、ガード材40Aをかしめて双方の端部同士を一体としたものである。
図10(b)で示す取合い部の構造では、図10(a)で示す取合い部の構造に比して、別体で製作されたガード材を使用する必要がないことから、図10(a)で示す取合い部の構造の有する上記効果を奏することに加えて、部品点数の削減を図ることも可能になる。
さらに、図11で示すように、側メッシュ材10Aの上端は図1で示す曲げ加工ラインBにて曲げ加工されて折り曲げ端部10A”を形成することにより、バスケット100に荷物を収容した際に荷物が側メッシュ材10Aの上端で引っ掛かる等の問題が生じなくなることに加えて、バスケット100に対して優しい印象を付与することができ、バスケット100の外観意匠性を向上させることができる。さらに、折り曲げ端部10A”によって側メッシュ材10Aの上端のエッジを保護し、上端の強度と外観意匠性を向上させることができる。
また、図7で示すように、底メッシュ材10Bの下方において、ガード材40の内側には枠状の補強線材30が配設されている。
この枠状の補強線材30を底メッシュ材10Bの端部輪郭に沿って配設することにより、底メッシュ材10Bの補強効果が期待できる。
また、この補強線材30のうち、底メッシュ材10Bに開設されている挿通孔1fに対応する箇所は、補強線材30が曲げ加工されて形成された逃げ部30aとなっている。
挿通孔1fを介して底メッシュ材10Bの下方に臨んだ縦線材20Aのうち、その一部は挿通孔1fから出た箇所で縦線材20Aの端部が止まり、縦線材20Aの端部と補強線材30の逃げ部30aで溶接される。一方、挿通孔1fを介して底メッシュ材10Bの下方にその一部20A’が直線状に延びている縦線材20Aも、補強線材30の逃げ部30aとの接触箇所で溶接されている。なお、底メッシュ材10Bの下方において、図7(a)中の左右方向に延びる線材は縦線材20Aとは別の線材20A”である。
このように、補強線材30が逃げ部30aを備えていることで、挿通孔1fから底メッシュ材10Bの下方へ延びる縦線材20Aや、挿通孔1fで端部が止まる縦線材20Aと補強線材30との干渉が回避され、双方の溶接スペースが確保できる。
ここで、図示する二輪車用バスケット100の製作方法を概説する。
まず、側メッシュ材10Aと底メッシュ材10Bが組み付けられてなるメッシュ部材10を用意する。側メッシュ材10Aの背面(乗員側)の外側に縦線材20Aを配設して溶接し、他の縦線材20Aは側メッシュ材10Aの内側に配設し、底メッシュ材10Bの挿通孔1fを介して底メッシュ材10Bの下方において補強線材30と溶接する。
次に、各縦線材20Aを包囲するようにして枠状の横線材20Bを高さ方向に所定間隔で配設し、所定箇所を溶接することにより、縦線材20Aと横線材20Bからなるフレーム部材20が構成されると同時に、フレーム部材20とメッシュ部材10からなる二輪車用バスケット100が製作される。
図示する二輪車用バスケット100は、パンチングメタルから形成されるメッシュ部材10とフレーム部材20から構成されることにより、線材のみからなるバスケットに比して線材数量を低減することができる。また、線材のみからなるバスケットに比して、メッシュ部材10がバスケット側面の下方から底面に亘って配設されていることから、特に小物に代表される荷物が落ち難いといった安心感が付与できる。
また、メッシュ部材10がパンチングメタルから形成されていることから、メッシュ部材10の剛性も確保でき、孔1bを介して良好な排水性を付与しながら、耐荷重性に優れたバスケットとなる。
さらに、メッシュ部材10の端部処理が不要となることから製作工数の低減を図ることができ、端部の見栄えをはじめ、メッシュ部材10の孔が規則性を持って配列されていることが相俟って、外観意匠性に優れた二輪車用バスケット100となる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…金属板、1A…メッシュ部材(側メッシュ材用のメッシュ部材、バスケット用メッシュ部材)、1B…メッシュ部材(底メッシュ材用のメッシュ部材、バスケット用メッシュ部材)、1’…一般部、1”…折り曲げ部、1a…端辺、1b…孔、1c…ロゴマーク、1d…突部、1d’…取付け孔、1e…突部、1f…挿通孔、10…メッシュ部材、10A…側メッシュ材、10B…底メッシュ材、20…フレーム部材、20A…縦線材、20A’…縦線材の一部、20B…横線材、30…補強線材、30a…逃げ部、40,40A…ガード材、100…バスケット(二輪車用バスケット)、G…隙間、B…曲げ加工ライン

Claims (7)

  1. 複数の縦線材と横線材からなり、側面と底面を有するバスケットの骨組みを構成するフレーム部材と、
    前記側面の少なくとも一部を構成する側メッシュ材と、前記底面を構成する底メッシュ材とからなるメッシュ部材と、から形成される二輪車用バスケットであって、
    前記底メッシュ材には下方に張り出した突部が設けてあり、
    前記突部は、前記底メッシュ材の縁部から所定幅の隙間を有した内部に前記複数の縦線材に跨って設けられており、
    前記縦線材の一部は前記底メッシュ材の下方へ延び、該底メッシュ材の前記突部の下方に位置し、該突部と当接して該底メッシュ材を支持している二輪車用バスケット。
  2. 前記底メッシュ材の下方にある前記縦線材が直線状に延びており、その一部が前記突部に当接している請求項1に記載の二輪車用バスケット。
  3. 前記底メッシュ材の端部と前記側メッシュ材の端部の取合い部の構造が以下の2つのいずれかの構造を備えている、
    (1)少なくとも前記底メッシュ材の端部が曲げ加工されて下方を向いており、前記側メッシュ材と前記底メッシュ材のそれぞれの端部が溝を備えたガード材の該溝に収容され、該ガード材によって双方の端部同士が一体とされている、
    (2)前記底メッシュ材の端部が曲げ加工されて溝を備えたガード材を形成し、前記側メッシュ材の端部が該溝に収容され、該ガード材によって一体とされている、
    請求項1または2に記載の二輪車用バスケット。
  4. 前記ガード材の内側に補強線材が配設されている請求項3に記載の二輪車用バスケット。
  5. 前記底メッシュ材に前記縦線材の一部が挿通される挿通孔が設けられている請求項1〜4のいずれかに記載の二輪車用バスケット。
  6. 前記ガード材の内側に補強線材が配設されており、
    前記底メッシュ材に前記縦線材の一部が挿通される挿通孔が設けられており、
    前記補強線材のうち、前記挿通孔に対応する箇所は該補強線材が曲げ加工されてなる逃げ部となっており、
    前記挿通孔に挿通された前記縦線材が前記逃げ部で溶接されている請求項3に記載の二輪車用バスケット。
  7. 前記側メッシュ材と前記底メッシュ材はいずれも、金属板に複数の孔が開設されたパンチングメタルからなる請求項1〜6のいずれかに記載の二輪車用バスケット。
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