JP6323707B2 - ロック装置及びこれを含むステアリング装置 - Google Patents
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Description
また、請求項2のように、前記第1カムおよび前記第2カムの互いの対向面の少なくとも一方が、カム突起(51;51P;51Q)を含み、他方が、前記カム突起とカム係合する環状のカム面(61)を含み、前記カム面は、前記中心軸線の方向の高さに関して、常用低位面(62)と、常用高位面(63)と、常用低位面と常用高位面とを接続する傾斜面(64)と、前記常用高位面よりも高い前記出荷用係合部としての出荷用高位面(65)と、を含んでいてもよい。
また、請求項4のように、前記力変換機構は、前記第2カムに対する前記第1カムの回転を前記出荷用範囲内に規制する第2ストッパ(67)を含み、前記カム面は、前記常用高位面の前記一端に隣接するストッパ突起(68)を含み、前記ストッパ突起は、頂部(68a)と、前記中心軸線の方向の高さに関して頂部よりも低い前記出荷用高位面と、前記頂部と前記出荷用高位面の他端(65b)とを接続する前記第2ストッパとしての第2接続面と、を含んでいてもよい。
請求項2の発明によれば、カム面に常用高位面よりも高位の出荷用高位面を設けることで、出荷用範囲での高いロック保持力を容易に達成することができる。
請求項4の発明によれば、常用高位面に隣接するストッパ突起に、常用範囲規制用の第1ストッパと出荷用範囲規制用の第2ストッパとを設けるので、構造を簡素化することができる。
請求項6の発明によれば、常用範囲規制用の第1ストッパおよび出荷用係合部をカム面の径方向外方に設けられたストッパ突起に配置するので、カム面の形状設計の自由度を確保することができる。
図1は本発明の第1実施形態のロック装置が適用されたステアリング装置の概略構成を示す一部破断模式的側面図である。図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2と、操舵部材2が軸方向Xの一端に連結されたステアリングシャフト3と、インターミディエイトシャフト4等を介してステアリングシャフト3と連結されたステアリング機構5と備える。
ステアリング装置1は、ステアリングシャフト3を回転可能に支持する中空のステアリングコラム8を備える。ステアリングシャフト3は、ステアリングコラム8内に挿通されており、複数の軸受9,10を介してステアリングコラム8によって回転可能に支持されている。
図2に示すように、第1ブラケット17は、図示しないカプセル機構を介して車体13に離脱可能に支持された取付板26と、取付板26に沿って固定された天板27と、天板27の両端からチルト方向Yの下方に延びる前述の一対の第1側板20とを備える。天板27と第1側板20とが、全体として溝形を形成している。
締付軸24は、第1ブラケット17の両第1側板20のチルト用長溝21およびコラムブラケット17の両第2側板22のテレスコ用長溝23を貫通するボルトからなる。締付軸24の軸部24aの一端に設けられた頭部29は、操作レバー25と一体回転可能に固定されている。締付軸24の軸部24aの他端に設けられたねじ部には、ナット30がねじ係合されている。
第1カム32は、操作レバー25と一体回転可能に連結され、締付軸24に対する軸方向Kの移動が規制されている。操作レバー25は締付軸24の頭部29に対する回転が規制されている。第1カム32は、環状板34と、環状板34から軸方向に延び操作レバー25の挿通孔に一体回転可能に挿通されたボス35とを備える。
また、ロック装置19は、他方の第1側板20を対応する第2側板22に締め付ける他方の締付部材38と、前述のナット30と、他方の締付部材38とナット30との間に介在した介在部材39とを備える。
締付軸24の軸部の外周には、例えばセレーション嵌合により締付軸24と一体回転するスリーブ44が嵌合している。スリーブ44の外周には、押上カム45が一体回転可能に設けられている。
これにより、第1ブラケット17の各第1側板20が、第2ブラケット18の対応する第2側板22に圧接されて、チルトロックおよびテレスコロックが達成される。また、押上カム45がロアージャケット12を押し上げることにより、両ジャケット11,12間のロックが達成される。
4つのカム突起51は、対向面34aの周方向に等間隔を隔てて環状に配列されている。4つのカム突起51は、中心軸線C1の方向(軸方向Kに相当)の高さに関して、互いに等しい高さhに設定されている。各カム突起51はベース面50と平行な平坦な頂部51aを備える。
図6および図7に示すように、第2カム33の環状板36は、第1カム32の環状板34に対向する対向面36aを備えている。第2カム33の環状板36の対向面36aは、軸方向Kと直交する平坦な環状のベース面60と、ベース面60を取り囲み、第1カム32の4つのカム突起51にそれぞれ係合するように環状に配列された4つのカム面61ととを備える。
具体的には、各カム面61は、常用高位面63の一端63aに隣接するストッパ突起68を備える。ストッパ突起68は、頂部68aと、頂部68aよりも高さの低い出荷用高位面65と、出荷用高位面65の一端65aと常用高位面63の一端63aとを接続する斜面からなる第1ストッパ66(第1接続面)と、頂部68aと出荷用高位面65の他端65bとを接続する斜面からなる第2ストッパ67(第2接続面)とを含む。
この通常使用時のロック状態では、第1カム32のカム突起51の係合部52が、第1ストッパ66に係合することにより、第1カム32が常用範囲JA1の終端に規制される。
また、図6および図8に示すように、カム面61に常用高位面63よりも高位の出荷用高位面65を設けることで、出荷用範囲SA(SA1)での高いロック保持力を容易に達成することができる。
また、常用高位面63に隣接するストッパ突起68に、常用範囲規制用の第1ストッパ66と出荷用範囲規制用の第2ストッパ67とを設けるので、構造を簡素化することができる。
(第2実施形態)
図9(a)および(b)は、本発明の第2実施形態のロック装置19Pの力変換機構31Pの第1カム32Pと第2カム33との係合状態を示す概略図である。
カム突起51Pは、頂部51Paと、頂部51Paよりも高さの低い平坦な段部53Pと含む。第1係合部52P1は、頂部51Paと段部53Pとを接続する傾斜面である。第2係合部52P2は、段部53Pとベース面50とを接続する傾斜面である。
図9の第2実施形態の構成要素において、図8の第1実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図8の第1実施形態の構成要素の参照符号と同じ参照符号を付してある。
(第3実施形態)
図10は、本発明の第3実施形態のロック装置19Qの力変換機構31Qの第2カム33Qの概略正面図である。図11(a)および(b)は、力変換機構31Qの第1カム32Qと第2カム33Qとの係合状態を示す概略図である。
第2カム33Qのストッパ突起68Qは、頂部68Qaと、頂部68Qaに設けられた凹部であって頂部68Qaよりも高さが低く且つベース面69aよりも高さの高い出荷用高位面65Qとを含む。また、ストッパ突起68Qは、第2カム33Qに対する第1カム32Qの回転を常用範囲内に規制する第1ストッパ66Qと、第2カム33Qに対する第1カム32Qの回転を出荷用範囲内に規制する第2ストッパ67Qとを含む。
図11(a)に示す通常使用時において、第1カム32Qのカム突起51Qの頂部51Qaが、常用高位面63に係合するロック状態では、第1カム32Qのストッパ突起54Qの係合部55Qが、第1ストッパ66Qに係合することにより、第1カム32Qが常用範囲JA1の終端に規制される。
第3実施形態によれば、常用範囲規制用の第1ストッパ66Qおよび出荷用高位面65Q部をカム面61Qの径方向外方に設けられたストッパ突起68Qに配置するので、カム面61Qの形状設計の自由度を確保することができる。
(参考形態)
図12は、本発明の参考形態のロック装置19Rが適用されたステアリング装置の要部の断面図である。図13は、ロック装置19Rに用いる介在板の斜視図である。
ロック解除状態で、介在板70を第2カム33Rの環状板36Rと第1側板20との間に挿入した後、操作レバー25を常用範囲内でロック方向に回転操作し、ロック状態とする。これにより、締付軸24に高い軸力を生じさせて、高いロック保持力を達成した出荷状態とする。
図12の参考形態の構成要素において、図2の第1実施形態の構成要素と同じ構成要素には、図1の第1実施形態の構成要素と同じ参照符号を付してある。
本発明は各前記実施形態に限定されるものではない。例えば各前記実施形態では、第1カムにカム突起を設け、第2カムにカム面を設けるが、これに限らず、第1カムにカム面を設け、第2カムにカム突起を設けてもよい。また、第1カムのカム突起が第2カムのカム面に係合し、第2カムのカム突起が第1カムのカム面に係合するようにしてもよい。
また、本発明をステアリング装置以外の装置のロック装置に適用してもよい。その他、本発明は、特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
Claims (7)
- 挿通溝が形成された締付対象と、
前記締付対象の挿通溝を挿通する締付軸と、
前記締付軸の中心軸線回りに前記締付軸と一体回転する操作レバーと、
前記操作レバーの操作トルクを前記締付対象を締め付けるための前記締付軸の軸力に変換する力変換機構と、を備えるロック装置であって、
前記力変換機構は、前記締付軸の外周によって支持され前記操作レバーと一体回転する第1カムと、前記締付軸の外周によって支持され前記第1挿通溝によって回転規制された第2カムと、を含み、
前記中心軸線回りの前記操作レバーおよび前記第1カムの回転範囲は、常用範囲と、前記常用範囲外の出荷用範囲と、を含み、
前記第1カムおよび前記第2カムの少なくとも一方は、前記出荷用範囲で他方と係合することにより、前記常用範囲で前記締付軸に生ずる軸力よりも高い軸力を前記締付軸に生じさせる出荷用係合部を含むロック装置。 - 請求項1において、前記第1カムおよび前記第2カムの互いの対向面の少なくとも一方が、カム突起を含み、他方が、前記カム突起とカム係合する環状のカム面を含み、
前記カム面は、前記中心軸線の方向の高さに関して、常用低位面と、常用高位面と、常用低位面と常用高位面とを接続する傾斜面と、前記常用高位面よりも高い前記出荷用係合部としての出荷用高位面と、を含むロック装置。 - 請求項2において、前記力変換機構は、前記第2カムに対する前記第1カムの回転を前記常用範囲内に規制する第1ストッパを含み、
前記カム面は、前記カム面の周方向に関する前記常用高位面の一端と前記出荷用高位面の一端とを接続する前記第1ストッパとしての第1接続面を含むロック装置。 - 請求項3において、前記力変換機構は、前記第2カムに対する前記第1カムの回転を前記出荷用範囲内に規制する第2ストッパを含み、
前記カム面は、前記常用高位面の前記一端に隣接するストッパ突起を含み、
前記ストッパ突起は、頂部と、前記中心軸線の方向の高さに関して頂部よりも低い前記出荷用高位面と、前記頂部と前記出荷用高位面の他端とを接続する前記第2ストッパとしての第2接続面と、を含むロック装置。 - 請求項4において、前記カム突起は、第1係合部と、第2係合部と、を含み、
前記第1係合部が前記第1ストッパに係合し且つ前記第2係合部が前記第2ストッパに係合した状態で、前記第1カムが常用範囲内に規制され、
前記第1係合部が前記第2ストッパに係合した状態で、前記第1カムが前記出荷用範囲内に規制されるように構成されているロック装置。 - 請求項1において、前記力変換機構は、前記第2カムに対する前記第1カムの回転を前記常用範囲内に規制する第1ストッパを含み、
前記第1カムおよび前記第2カムの互いの対向面の少なくとも一方が、カム突起を含み、他方が、前記カム突起とカム係合する環状のカム面を含み、
前記第1ストッパは、前記カム面の径方向外方に配置されたストッパ突起の周方向の端面に設けられ、
前記出荷用係合部は、前記ストッパ突起の頂部に設けられるロック装置。 - 操舵部材が連結されたステアリングシャフトと、
前記ステアリングシャフトを回転可能に支持するステアリングコラムと、
第1挿通溝が形成された締付対象としての第1側板を含み、車体に固定される第1ブラケットと、
第2挿通溝が形成された締付対象としての第2側板を含み、前記ステアリングコラムに固定された第2ブラケットと、
請求項1から6の何れか1項に記載のロック装置と、を備えるステアリング装置。
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