JP6321606B2 - 荷台用幌張枠装置 - Google Patents
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Description
小型トラック、特に軽トラックは、我が国の農業に欠くことのできない作業車両であって、例えば、農作物の収穫に利用する場合、荷台に積み込んだ青物野菜類を輸送中の風雨雪や塵埃から保護したり、米や籾殻などを搬送中の風雨雪、塵埃から保護すると共に、周囲への飛散を防止したりするために、荷台内に丁度収まるよう全体をトンネル状に覆うパイプハウス型の幌を設置したものがあり、こうしたパイプハウス型の幌は、荷台上に固定するよう設置すると、急に荷台の横から搭載品を出し入れする必要が生じた時や、幌の高さを超える大きなものを乗せなければならない場合など、不都合を来してしまうという難点を残すものであった。
こうした状況を反映し、その打開策となるような提案も、これまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、本願出願人が開発した、小型トラック荷台の前枠に対して接続具により脱着自在に固定される門型固定フレームと、該門型固定フレームと同形または相似する形状のフレームで、柱相当部下端にキャスターを取着してなる門型可動フレームとからなり、門型固定フレームの後方に多数の門型可動フレームを互いに並行にして立設させると共に、これら各フレーム相互を、連動した並行移動が可能となる如く接続リンクで接続するようにし、小型トラック荷台前枠を支持部とした門型固定フレームに対し、多数の門型可動フレームが連動式に平行移動自在となるようにして、荷台を雨水から保護する場合に、後方まで一杯に拡げることによって固定式の幌と同様の機能を果すものとし、幌が不要なときには、多数の門型可動フレームを門型固定フレームに寄せるよう折り畳むことができるようにしたものや、同特許文献1(2)に見られるようなトラック荷台に搭載し、籾殻を収納可能な収納部を設けておき、該トラック荷台の左右両側部に並列状に立設可能な縦杆部および該荷台の上方位置にして該左右の縦杆部間に設けた横杆部からなる複数個の枠杆体と、該並列する複数個の枠杆体の隣り合う縦杆部間に配設し、一対のリンク杆を中心枢軸により枢着してなるX状リンクとを備えるものとし、各枠杆体を近接離反移動することができ、保管時等の不使用時においては、各枠杆体を円滑に近接移動させて畳むことができ、荷台の長さサイズに対応することもでき、更に不可避的に荷台上に残った籾殻の掻き出しに当たっては、各枠杆体を近接移動させることにより、荷台が外部に露出した状態で掻き出すことが可能となり、それだけ作業性を高めることができると共に、使用の利便性も高めて、籾殻を収納部に良好に収納することができるようにした籾殻運搬用コンテナなどが散見される。
上述したとおり、従前までに提案のある各種荷台幌用の骨格装置などは、何れも前後に配した複数の門型可動フレームの中の、例えば後端に配した1個だけを単独で折り畳む操作ができず、荷台の後方から貨物を搬出して行く作業の場合に、荷台後方の貨物を搬出し終え、さらに前方の貨物を搬出しようとする際に、荷台後端に配置した門型可動フレームだけを1個単位に折り畳み、荷台床面を露出するように操作することができず、例えばクレーンやフォークリフト、ショベルカー、ベルトコンベア、ハーベスター、コンバインなどを利用した貨物の搬入、搬出の作業が困難である上、荷台の側部から貨物の上げ下ろしをする場合などにも対応するのが困難であるという欠点が残るものであり、永年、様々な利用者に対し、柔軟に対応して多種類の農業用機器、装置類の開発、提供に携わり、既に自らにおいて前記特開平2−102820号公報などを完成、提供し続けてきている中、それらから得られた様々な知見、およびユーザーからの情報などに基づき、台幌用の骨格のより柔軟な折り畳み機能上からは勿論のこと、製造工程上からも、その搭載、設置機能を向上し、搭載および利用の作業効率を、さらに高めるための構成につき、更なる改善の可能性を痛感するに至ったものである。
そこで、この発明は、荷台上に設置した幌を、その後端から順次、簡便に折り畳み、貨物の搬入および搬出作業性を高めることができる新たな荷台幌用の骨格技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の荷台用幌張枠装置を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の荷台用幌張枠装置は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、設置対象荷台床の左右幅端に配した左右柱部の上端間に、梁部を横架してなる門型枠の複数からなる門型枠群を有し、当該門型枠群中の前後に隣接する前後門型枠の中、前柱部の下方寄りであって後柱部寄りにオフセットされた位置に後倒リンクの下端を、水平軸心回りに回動自在に軸着し、当該門型枠群中の前後に隣接する前後門型枠の中、後柱部の上方寄り適所に有って、上下摺動自在な下位スライド駒を介し、同後倒リンクの上端を前柱部寄りにオフセットされた位置に水平軸心回りに回動自在に軸着し、且つ、当該門型枠群中の前後に隣接する前後門型枠の中、後柱部の下方寄りであって前柱部寄りにオフセットされた位置に、前記後倒リンクと同一長の前倒リンク下端を水平軸心回りに回動自在に軸着し、当該門型枠群中の前後に隣接する前後門型枠の中、前柱部の前記下位スライド駒よりも上位に有って、上下摺動自在な上位スライド駒を介し、同前倒リンクの上端を後柱部寄りにオフセットされた位置に水平軸心回りに回動自在に軸着し、互いに交叉する後倒リンクおよび前倒リンク交叉点に、双方を水平軸心回りに回動自在に枢着する連結軸を設け、X字状に交叉した後倒リンクおよび前倒リンクからなる自律伸縮機構を設け、前後門型枠同士を連結して門型枠群を一体化すると共に、前後に隣接する自律伸縮機構の後倒リンク上端の下位スライド駒、および、前倒リンク上端の上位スライド駒が上下に分離、独立し、前後に隣接する門型枠間の自律伸縮機構が単独で折り畳み可能であり、門型枠の1個ずつが単独で隣接する門型枠に対して進退移動可能なものとした構成を要旨とする荷台用幌張枠装置である。
門型枠群は、荷台用幌を設置対象荷台床上の左右端間、および前後端間に所定高さの屋根付き貨物収納室を確保するよう張設可能とする機能を担うものであり、幌張設状態において設置対象荷台床上の前後端間にわたり、複数個の門型枠を適宜間隔置き毎に配列してなるものとしなければならず、荷台用幌を大きく弛ませることなく、充分な強度を持たせて支持、張設可能な形状および強度を有するものとすべきである。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
以上のような構造とした荷台用幌張枠装置1により、当該門型枠群2を支持枠として幌(図示せず)を張設可能なものとする。
以上のとおりの構成からなるこの発明の荷台用幌張枠装置1は、図1ないし図4に示すように、設置対象となる軽トラック7設置対象荷台床70に搭載し、門型枠群2最前に位置する門型枠20を、該軽トラック7鳥居部分に固定し、少なくとも最後位の門型枠20左右柱部21,21に設けた係合金具23,23を該軽トラック7煽り上端縁に係合すると、確りと荷台に固定することができ、さらに、門型枠群2左右夫々の前後に連なる各後倒リンク30および前倒リンク31からなる自律伸縮機構3,3,……を夫々拡張長さLに拡張し、その全長ALを、該拡張長さLに自律伸縮機構3,3,……数Nを掛けた長さ(AL=L×N)とし、図1および図4に示すように、設置対象荷台床70の全体をカバーすることができ、該荷台用幌張枠装置1の外がわに図示しない幌を張設することが可能となる。
叙述の如く、この発明の荷台用幌張枠装置は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの幌用骨格技術に比較して貨物の搬入および搬出の作業性を大幅に改善し得ると共に、貨物量に応じて前後伸縮可能なものとしたから、地上などに設置する場合には省スペース化を達成し、貨物車両に搭載した場合には、走行安全性を高め、空気抵抗を減らして低燃費化して遥かに経済的なものとすることができるものとなることから、倉庫、物置、車庫などの外構設備製造業界および貨物車両を製造する自動車業界は勿論のこと、自動車部品業界や、貨物車両を利用する各種産業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
2 門型枠群
20 同 門型枠
21 同 左(右)柱部
22 同 梁部
23 同 係合金具
3 自律伸縮機構
30 同 後倒リンク
31 同 前倒リンク
32 同 連結軸
33 同 下止部
34 同 高さ調節部
35 同 上止部
4 軸着部
40 同 ブラケット
41 同 支軸
5 下位スライド駒(下位スライド駒)
50 同 スライダ部
51 同 オフセット支持部
52 同 水平枢着軸
6 上位スライド駒(上位スライド駒)
60 同 スライダ部
61 同 オフセット吊り部
62 同 水平枢着軸
7 軽トラック
70 同 設置対象荷台床
8 従来型の幌張枠
9 従来型X状リンク
90 同 従来型前傾リンク
91 同 従来型後傾リンク
92 同 摺動管
AL 門型枠群2の全長
SL 門型枠群2の短縮全長
L 自律伸縮機構3の拡張長さ
E 自律伸縮機構3の折り畳み最小値
Claims (5)
- 設置対象荷台床の左右幅端に配した左右柱部の上端間に、梁部を横架してなる門型枠の複数からなる門型枠群を有し、当該門型枠群中の前後に隣接する前後門型枠の中、前柱部の下方寄りであって後柱部寄りにオフセットされた位置に後倒リンクの下端を、水平軸心回りに回動自在に軸着し、当該門型枠群中の前後に隣接する前後門型枠の中、後柱部の上方寄り適所に有って、上下摺動自在な下位スライド駒を介し、同後倒リンクの上端を前柱部寄りにオフセットされた位置に水平軸心回りに回動自在に軸着し、且つ、当該門型枠群中の前後に隣接する前後門型枠の中、後柱部の下方寄りであって前柱部寄りにオフセットされた位置に、前記後倒リンクと同一長の前倒リンク下端を水平軸心回りに回動自在に軸着し、当該門型枠群中の前後に隣接する前後門型枠の中、前柱部の前記下位スライド駒よりも上位に有って、上下摺動自在な上位スライド駒を介し、同前倒リンクの上端を後柱部寄りにオフセットされた位置に水平軸心回りに回動自在に軸着し、互いに交叉する後倒リンクおよび前倒リンク交叉点に、双方を水平軸心回りに回動自在に枢着する連結軸を設け、X字状に交叉した後倒リンクおよび前倒リンクからなる自律伸縮機構を設け、前後門型枠同士を連結して門型枠群を一体化すると共に、前後に隣接する自律伸縮機構の後倒リンク上端の下位スライド駒、および、前倒リンク上端の上位スライド駒が上下に分離、独立し、前後に隣接する門型枠間の自律伸縮機構が単独で折り畳み可能であり、門型枠の1個ずつが単独で隣接する門型枠に対して進退移動可能なものとしてなることを特徴とする荷台用幌張枠装置。
- 設置対象荷台床の左右幅端に配した左右柱部の上端間に、梁部を横架してなる門型枠の複数からなる門型枠群を有し、当該門型枠群中の前後に隣接する前後門型枠の中、前柱部の上方寄りであって後柱部寄りにオフセットされた位置に前倒リンクの上端を水平軸心回りに回動自在に軸着し、当該門型枠群中の前後に隣接する前後門型枠の中、後柱部の下方寄り適所に有って上下摺動自在な上位スライド駒を介し、同前倒リンクの下端を前柱部寄りにオフセットされた位置に水平軸心回りに回動自在に軸着し、且つ、当該門型枠群中の前後に隣接する前後門型枠の中、後柱部の上方寄りであって前柱部寄りにオフセットされた位置に、後倒リンクの上端を水平軸心回りに回動自在に軸着し、当該門型枠群中の前後に隣接する前後門型枠の中、前柱部の前記上位スライド駒よりも下位に有って、上下摺動自在な下位スライド駒を介し、同後倒リンクの下端を後柱部寄りにオフセットされた位置に水平軸心回りに回動自在に軸着し、互いに交叉する前倒リンクおよび後倒リンク交叉点に、双方を水平軸心回りに回動自在に枢着する連結軸を設け、X字状に交叉した前倒リンクおよび後倒リンクからなる自律伸縮機構を設け、前後門型枠同士を連結して門型枠群を一体化すると共に、前後に隣接する自律伸縮機構の前倒リンク下端の上位スライド駒、および、後倒リンク下端の下位スライド駒が上下に分離、独立し、前後に隣接する門型枠間の自律伸縮機構が単独で折り畳み可能であり、門型枠の1個ずつが単独で隣接する門型枠に対して進退移動可能なるものとしてなることを特徴とする荷台用幌張枠装置。
- 自律伸縮機構が、その下位スライド駒が、後柱部の上方に上下摺動自在に嵌合するスライダ部と、該スライダ部の上端よりも上方に突出し、同後柱部から僅かに同前柱部寄りにオフセットした配置関係としてなる水平枢着軸を有するオフセット支持部とを一体化してなると共に、上位スライド駒が、前柱部の上方に、前記下位スライド駒よりも上位に上下摺動自在に嵌合するスライダ部と、該スライダ部の下端に垂下し、同前柱部から僅かに同後柱部寄りにオフセットした配置関係としてなる水平枢着軸を有するオフセット吊り部とを一体化し、前後に隣接する自律伸縮機構の双方が展開され、下位スライド駒の上端と上位スライド駒の下端とが接合した場合に、下位スライド駒の水平枢着軸、および、上位スライド駒の水平枢着軸が、互いに同一水平面上に並ぶように配されてなるものとした、請求項1記載の荷台用幌張枠装置。
- 自律伸縮機構が、門型枠群中の門型枠各柱部上下間の下位スライド駒の下止点付近に、該下位スライド駒の降下を規制する下止部を配し、該下止部の上下位置を変更可能に仮固定する高さ調節部を設け、上位スライド駒の上止点付近に、該上位スライド駒の上昇を規制する上止部を配し、該上止部の上下位置を変更可能に仮固定する高さ調節部を設けてなるものとした請求項1ないし3何れか一記載の荷台用幌張枠装置。
- 自律伸縮機構が、その下位スライド駒に、前・後柱部の中、何れか装着する一方に対して任意に選択した高さ位置に仮固定可能とする摺動仮止め部、および、その上位スライド駒に、前・後柱部の中、何れか装着する他方に対して任意に選択した高さ位置に仮固定可能とする摺動仮止め部を設けてなるものとした、請求項1ないし4何れか一記載の荷台用幌張枠装置。
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