JP3241327U - 飛散防止装置およびダンプトラック - Google Patents

飛散防止装置およびダンプトラック Download PDF

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Abstract

【課題】荷台上の土砂等が飛散することを防止でき、しかも、設置やメンテナンスが容易である飛散防止装置およびかかる飛散防止装置を備えたダンプトラックを提供する。【解決手段】ダンプトラックDTの荷台部Lを構成する側壁L3に設けられている既設の落下防止装置FDに設置される飛散防止装置1であって、飛散防止装置1は、既設の落下防止装置FDのフラップ部材fに着脱可能に設置される、ダンプトラックDTの前後方向において間隔を空けた状態でフラップ部材fの高さ方向に沿ってフラップ部材fの上方まで延びる2本の軸フレーム2と、2本の軸フレーム間2に貼られるシート部材3と、を備えている。【選択図】図1

Description

本考案は、飛散防止装置およびダンプトラックに関する。さらに詳しくは、主に土砂を運送するダンプトラックに取り付けられ、ダンプトラックに積載された土砂が荷台から飛散することを防止する飛散防止装置およびかかる飛散防止装置を備えるダンプトラックに関する。
土砂等を運送するダンプトラックでは、積載した土砂等が荷台から落下することを防止することが求められており、現状では土砂等の飛散を防止する落下防止装置の設置が義務づけられている。具体的には、ダンプトラックの荷台の両側壁に揺動可能に設けられたフレーム部材に樹脂製のシートを張ったフラップ部材(以下単にフラップ部材という)設けておき、土砂等を積載した状態では、フラップ部材を荷台内方に傾斜した状態となるように配置することによって土砂等が荷台の両側壁を乗り越えて落下すること防止する構成となっている。
しかし、上記のよう落下防止装置ではフラップ部材によって荷台上の土砂等を完全に覆うことはできない。このため、落下防止装置を設けた場合、フラップ部材によって荷台上の土砂等が荷台の両側壁を乗り越えて落下することは防止することはできるものの、風等によって荷台上の土砂等が舞い上げられてダンプトラックの周囲へ飛散することは防止できない。
かかる荷台上の土砂等が飛散することを防止するために、荷台上の土砂等を覆うことができるフラップ部材を設けた飛散防止装置が開発されている(例えば、特許文献1~5参照)。特許文献1~5の飛散防止装置は、荷台の両側壁の長手方向、つまり、ダンプトラックの前後方向と平行な軸を介して複数枚のフラップ部材を揺動可能に連結した構造を有している。このため、複数枚のフラップ部材を伸展した状態で荷台を覆うように配置すれば、複数枚のフラップ部材によって荷台上の土砂等を覆うことができるので、荷台上の土砂等の飛散を防止することができる。
実用新案登録第3228274号公報 特許第6218458号公報 特許第5832874号公報 特開2021-011175号公報 特開平4-215536号公報
しかし、特許文献1~5の飛散防止装置は、フラップ部材を揺動させるためにモータなどの駆動源と連結された複数の軸を有しており、複数の軸のうち最も下方に位置する軸は荷台の側壁の上端に回転可能に設置されている。また、複数枚のフラップ部材は、フラップ部材同士も分離しないように軸を介して連結されている。このため、フラップ部材のフレーム部材や樹脂製のシート等が損傷した場合には、飛散防止装置自体を荷台の側壁から取り外して損傷した部材の修理や交換をしなければならないので、メンテナンスに手間と時間がかかる。
また、特許文献1~5の飛散防止装置を落下防止装置が設置されているダンプトラックに設置する場合には、既設の落下防止装置を荷台の側壁から取り外したのち、既設の落下防止装置に代えて飛散防止装置を荷台の側壁に設置しなければならず、装置の設置にも手間と時間がかかる。
本考案は上記事情に鑑みて、荷台上の土砂等が飛散することを防止でき、しかも、設置やメンテナンスが容易である飛散防止装置およびかかる飛散防止装置を備えたダンプトラックを提供する。
<飛散防止装置>
第1考案の飛散防止装置は、ダンプトラックの荷台部を構成する側壁に設けられている既設の落下防止装置に設置される飛散防止装置であって、該飛散防止装置は、既設の落下防止装置のフラップ部材に着脱可能に設置される、ダンプトラックの前後方向において間隔を空けた状態でフラップ部材の高さ方向に沿ってフラップ部材の上方まで延びる2本の軸フレームと、該2本の軸フレーム間に貼られるシート部材と、を備えていることを特徴とする。
第2考案の飛散防止装置は、第1考案において、前記2本の軸フレームは、一対の軸部と、該一対の軸部を連結する関節部と、を備えており、該関節部は、一対の軸部を一方向にのみ展開屈曲できるように連結するものであることを特徴とする。
第3考案の飛散防止装置は、第1考案において、前記2本の軸フレームは、互いの軸方向が平行となるように連結されており、その軸方向に沿って伸縮可能に設けられていることを特徴とする。
第4考案の飛散防止装置は、第3考案において、前記2本の軸フレームは、既設の落下防止装置のフラップ部材に着脱可能に設置されるベースフレームと、該ベースフレームの軸方向に沿って移動可能かつ所定の位置で固定可能に設けられたスライドフレームと、を備えていることを特徴とする。
第5考案の飛散防止装置は、第1考案において、前記シート部材は、既設の落下防止装置のフラップ部材および前記2本の軸フレームを鉛直に立てた状態において、前記2本の軸フレームの上部からフラップ部材の内面まで覆うことができる大きさを有していることを特徴とする。
第6考案の飛散防止装置は、第5考案において、前記シート部材は、前記2本の軸フレームのうち、既設の落下防止装置に設置した際にダンプトラックの後方側に配置される軸フレームよりも外方まで伸びた後方カバー部を備えており、該後方カバー部は、該飛散防止装置を既設の落下防止装置のフラップ部材に取り付けた状態において、その後方の端部を荷台部の後壁よりも外方に配置できる大きさに形成されていることを特徴とする。
<ダンプトラック>
第7考案のダンプトラックは、荷台部を構成する側壁に落下防止装置が設置されているダンプトラックであって、第1~第6考案のいずれかの飛散防止装置が設置されていることを特徴とする。
<飛散防止装置>
第1考案によれば、既設の落下防止装置のフラップ部材を荷台部の内方に傾ければ、シート部材によって荷台部の上面を覆うことができるので、土砂等の積載物の飛散を防止することができる。しかも、既設の落下防止装置のフラップ部材に2本の軸フレームを着脱するだけで荷台部に設置したり取り外したりできるので、設置やメンテナンスが容易である。
第2考案によれば、一対の軸部を関節部で屈曲すれば軸フレームを折りたたむことができるので、使用しない状態では、既設の落下防止装置のフラップ部材に設置した状態でも、コンパクトに収納しておくことができる。したがって、既設の落下防止装置に設置した状態でも、荷台部への積載物の積載作業やダンプトラックの走行の邪魔になることを防止できる。
第3、第4考案によれば、2本の軸フレームを伸縮させることができるので、使用しない状態では、2本の軸フレームを収縮させておけば、既設の落下防止装置のフラップ部材に設置した状態でも、コンパクトに収納しておくことができる。したがって、既設の落下防止装置に設置した状態でも、荷台部への積載物の積載作業やダンプトラックの走行の邪魔になることを防止できる。
第5考案によれば、シート部材によって既設の落下防止装置のフラップ部材を保護できるので、フラップ部材の損傷も防止できる。
第6考案によれば、土砂等の積載物の飛散を防止する効果を高くすることができる。
<ダンプトラック>
第7考案によれば、既設の落下防止装置のフラップ部材を荷台部の内方に傾ければ、シート部材によって荷台部の上面を覆うことができるので、土砂等の積載物の飛散を防止することができる。しかも、2本の軸フレームを既設の落下防止装置のフラップ部材から着脱できるので、メンテナンスが容易である。
本実施形態の飛散防止装置1を備えたダンプトラックDTの概略説明図であり、(A)は側面図であり、(B)は背面図である。 本実施形態の飛散防止装置1の作動状況の概略説明図である。 他の実施形態の飛散防止装置1の作動状況の概略説明図である。 後方カバー部3bを有するシート部材3によってダンプトラックDTの荷台部Lを覆った状態の概略説明図である。
本実施形態の飛散防止装置は、ダンプトラックに設置して使用される装置であって、ダンプトラックの荷台部に積載された土砂等の積載物の飛散を防止でき、しかも、設置やメンテナンスが容易となるようにしたことに特徴を有している。
本実施形態の飛散防止装置が設置されるダンプトラックは、荷台部に既設の落下防止装置が設けられたものであればよく、ダンプトラックの形状や用途、荷台部の構造などはとくに限定されない。
例えば、一般的に、土砂等の飛散しやすい積載物やアスファルトやコンクリート塊等を搬送するダンプトラックを本実施形態の飛散防止装置が設置されるダンプトラックとして挙げることができるが、これらに限定されない。荷台部を覆うことが求められるダンプトラックであって既設の落下防止装置が設けられたダンプトラックであれば本実施形態の飛散防止装置を採用することができる。
なお、荷台部に既設の落下防止装置が設けられたダンプトラックであって、この既設の落下防止装置のフラップ部材に本実施形態の飛散防止装置が設置されたものが、本実施形態のダンプトラックに相当するものとなる(図1参照)。そして、本実施形態のダンプトラックは、本実施形態の飛散防止装置が着脱可能に設置されているので、土砂等の積載物の飛散を防止することができるし、本実施形態の飛散防止装置や既設の落下防止装置、荷台部などのメンテナンスが容易になるという利点が得られる。
<ダンプトラックDT>
まず、本実施形態の飛散防止装置1を説明する前に、本実施形態の飛散防止装置1が設置されるダンプトラックDTを説明する。
図1に示すように、ダンプトラックDTは、運転部Pの後方に荷台部Lが設けられており、荷台部Lは、ダンプトラックDTの前後方向に長い長方形状の一対の側壁L3,L3と、一対の側壁L3,L3の前端および後端間に設けられた前壁L1および後壁L2と、を備えており、この前壁L1、後壁L2および一対の側壁L3,L3に囲まれた空間の荷台部Lにおいて積載物を収容する空間が形成されている。なお、図1(B)では、荷台部Lの構造を分かりやすくするために、荷台部Lの前壁L1および後壁L2を除いた状態で示している。この点は、後述する図2、図3でも同様である。
荷台部Lの両側壁L3,L3の上端には、それぞれ公知の落下防止装置FDが設けられている。具体的には、落下防止装置FDは、フレーム部材f1と、フレーム部材f1に張られた樹脂製シートなどのシートf2と、を有するフラップ部材fを備えており、このフラップ部材fは側壁L3に設置された、側壁L3の前後方向に沿って延びる軸(図示せず)に取り付けられている。軸は、側壁L3に対してその軸周りに回転可能に設置されており、その端部が軸を軸周りに回転させたり回転を固定したりするモータなどの駆動機構(図示せず)に連結されている。そして、公知の落下防止装置FDでは、フラップ部材fが外方に揺動するように駆動機構によって軸を軸周りに回転させれば(図1(B)の右側参照)、フラップ部材fを側壁L3の外面にほぼ重なった状態に配置できる。逆に、フラップ部材fが内方に揺動するように駆動機構によって軸を軸周りに回転させれば(図1(B)の左側参照)、フラップ部材fを所定の角度まで内方に揺動させることができるようになっている。
したがって、フラップ部材fが側壁L3の外面にほぼ重なった状態になるまで外方に揺動させてその状態で固定しておけば、落下防止装置FDのフラップ部材fが積載物の積載作業や、積載物を積載していない状態でダンプトラックDTが走行する際などに、フラップ部材fが邪魔になることを防止できる。
なお、フラップ部材fを内方に揺動させる角度はとくに限定されない。例えば、フラップ部材fがほぼ水平になる状態(言い換えれば荷台部Lの底板LBとほぼ平行になる状態、図1(B)の左側のフラップ部材f参照)となる角度や、フラップ部材fがほぼ水平から若干上方に傾斜した状態となる角度まで揺動させることができるようになっていればよい。
<本実施形態の飛散防止装置1>
本実施形態の飛散防止装置1は、上述したようなダンプトラックDTに設置されている公知の落下防止装置FDに対して着脱可能に設置するものである。
以下に、図面を参照して、本実施形態の飛散防止装置1を説明する。
図1に示すように、本実施形態の飛散防止装置1は、2本の軸フレーム2,2と、この2本の軸フレーム2,2間に張られるシート部材3と、を備えている。
軸フレーム2は、一対の軸部2a,2bと、この一対の軸部2a,2aを揺動可能に連結する関節部2cと、を備えている。
一対の軸部2a,2bは、一対の軸方向に長い剛性を有する棒状の部材で形成されている。例えば、一対の軸部2a,2bは、金属製の棒材やパイプなどによって形成されている。この一対の軸部2a,2bは、一方の軸部2aはその長さがほぼ落下防止装置FDのフラップ部材fの高さとほぼ同じ長さに形成されている。また、他方の軸部2bは、その長さが、その長さと落下防止装置FDのフラップ部材fの高さとを合わせた長さがダンプトラックDTの荷台部Lの幅(つまり一対の側壁L3,L3間の距離)の半分の長さかそれよりも若干長くなるように形成されている。
上述した一対の軸部2a,2bは、関節部2cによって揺動可能に連結されている。具体的には、関節部2cは、一対の軸部2a,2bの軸方向と交差する揺動軸を有しており、一対の軸部2a,2bを揺動軸周りに回転できるように連結している。
しかも、関節部2cは、一対の軸部2a,2bをその軸方向がほぼ平行となるように展開した状態から一方向にのみ揺動できる構造を有している。例えば、関節部2cは、一対の軸部2a,2bの軸方向がほぼほぼ平行となるように展開した状態なると(図1(B)参照)、それ以上一対の軸部2a,2b同士が揺動できないようになる構造とすることができる。
また、関節部2cは、一方向に揺動した際には、一対の軸部2a,2bがほぼ平行になった状態で重ねることができる状態まで揺動できる構造を有している(図2(A)参照)。
シート部材3は、一般的な樹脂製のシートである。
例えば、公知の落下防止装置FDのフラップfのシートf2に使用されている樹脂製のシートなどをシート部材3として採用することができる。
このシート部材3は、その長さ(図1であれば左右方向の長さ)がほぼ側壁L3の長さと同じ長さに形成されており、両端部が2本の軸フレーム2,2の軸部2b,2bにそれぞれ連結されている。つまり、シート部材3は、2本の軸フレーム2,2に両端部が連結された状態においてシート部材3が張った状態になるように2本の軸フレーム2,2を離間すると、2本の軸フレーム2,2間の距離がほぼ側壁L3の長さと同じ長さになるように形成されている。
<本実施形態の飛散防止装置1の設置について>
上述したような本実施形態の飛散防止装置1は、以下のようにして落下防止装置FDのフラップ部材fに設置することができる。
まず、2本の軸フレーム2,2の軸部2aを、フラップ部材fのフレーム部材f1の最前方と最後方の軸部材s、つまり、フレーム部材f1の高さ方向に延びる最前方と最後方に位置する軸部材sに軸部2aを連結する。
具体的には、紐部材やタイダウンストラップ等の公知の連結部材dによって軸部2aの軸方向と軸部材sの軸方向とが平行になりかつ軸部2aがフレーム部材f1の内面側(つまり荷台部L側)に位置するように軸部材sに軸部2aを連結する(図1(A)の丸囲み参照)。このとき、軸部2aの下端(図2(A)、(B)では上端)がフラップ部材fのフレーム部材f1の下端縁より若干上方になるように設置する。つまり、フレーム部材f1が揺動する際に、軸部2aが邪魔にならないように軸部2aを設置する。すると、フレーム部材f1が揺動する際に、フレーム部材f1をスムースに揺動させることができる。
しかも、2本の軸フレーム2,2の関節部2cの揺動軸がほぼ側壁L3の前後方向と平行となり、かつ、荷台部Lの内方にのみ揺動できるように軸部材sに軸部2aを連結する。
ついで、2本の軸フレーム2,2が設置されると、2本の軸フレーム2,2の軸部2bにシート部材3の両端部を連結する。具体的には、紐部材やタイダウンストラップ等の公知の連結部材によってシート部材3の両端部を、シート部材3が軸部2bの軸方向に移動しないように軸部2bに連結する。
最後に、2本の軸フレーム2,2の軸部2bを関節部2cで荷台部Lの内方に向かって揺動して、シート部材3とフラップ部材fとが重なるように配置し、2本の軸フレーム2,2の軸部2aと軸部2bとを紐部材やタイダウンストラップ等の公知の連結部材などによって連結する。すると、本実施形態の飛散防止装置1の落下防止装置FDのフラップ部材fへの設置が完了する(図2(A)参照)。
この状態であれば、荷台部Lに積載物を積載していない状態において、落下防止装置FDのフラップ部材fを外方に揺動させた状態でも、本実施形態の飛散防止装置1がダンプトラックDTの邪魔にならない。つまり、ダンプトラックDTが道路などを走行する場合や積載物を積載する状態でも、本実施形態の飛散防止装置1がダンプトラックDTの邪魔にならない。
なお、上記例では、2本の軸フレーム2,2を落下防止装置FDのフラップ部材fに設置してからシート部材3を2本の軸フレーム2,2間に設置する場合を説明した。しかし、シート部材3を2本の軸フレーム2,2にあらかじめ取り付けておいてから2本の軸フレーム2,2を落下防止装置FDのフラップ部材fに設置してもよい。
<本実施形態の飛散防止装置1による飛散防止について>
また、荷台部Lに積載物を積載し飛散を防止する場合には、以下のようにすれば、本実施形態の飛散防止装置1と落下防止装置FDのフラップ部材fによって積載物の飛散を防止することができる。
積載物の積載が終了すると、まず、2本の軸フレーム2,2の軸部2aと軸部2bとを連結している紐部材などを外す。そして、関節部2cを伸ばして、軸部2bを軸部2aに対して揺動させて2本の軸フレーム2,2を展開した状態とする(図2(B)参照)。
ついで、2本の軸フレーム2,2を展開した状態で、落下防止装置FDのフラップ部材fを内方に揺動させる。つまり、本実施形態の飛散防止装置1および落下防止装置FDのフラップ部材fが荷台部L内の積載物に覆いかぶさるように、落下防止装置FDのフラップ部材fを内方に揺動させる。すると、両側壁L3,L3の落下防止装置FDのフラップ部材fにそれぞれ設けられた本実施形態の飛散防止装置1のシート部材3の上端部同士が重なった状態で配置される(図2(C)参照)。
つまり、荷台部Lの積載物が両側壁L3,L3に設けられた落下防止装置FDのフラップ部材fおよび本実施形態の飛散防止装置1によって完全に覆われた状態となる。この状態で、本実施形態の飛散防止装置1をゴム紐などで荷台部Lに連結すれば、ダンプトラックDTが走行しても、積載物の飛散を本実施形態の飛散防止装置1および落下防止装置FDのフラップ部材fによって防止することができる。
また、荷台から積載物を下す場合には、ゴム紐などを外し、落下防止装置FDのフラップ部材fを外方に揺動させる。すると、積載物が露出した状態になるので、積載物を荷台から下す作業を行うことができる。このとき、2本の軸フレーム2,2を関節部2cで揺動させて、シート部材3とフラップ部材fとが重なるように配置しておけば、本実施形態の飛散防止装置1が積載物を下す作業の邪魔にならない。
そして、本実施形態の飛散防止装置1を使用しない場合には、連結部材による軸フレーム2の軸部2aとフラップ部材fのフレーム部材f1の軸部材sとの連結を外せば、簡単に本実施形態の飛散防止装置1を既設の落下防止装置FDのフラップ部材fから取り外すことができる。
以上のように、本実施形態の飛散防止装置1は、軸フレーム2の軸部2aとフラップ部材fのフレーム部材f1の軸部材sとを連結したり分離したりするだけで、本実施形態の飛散防止装置1を既設の落下防止装置FDのフラップ部材fに設置したり取り外したりすることができる。
したがって、本実施形態の飛散防止装置1や既設の落下防止装置FDのフラップ部材fのメンテナンスが容易になるし、必要なときにだけ本実施形態の飛散防止装置1を既設の落下防止装置FDに設置することも可能になる。
<軸フレーム2について>
一対の軸部2a,2bは、軸部2aの長さと落下防止装置FDのフラップ部材fの高さとを合わせた長さがほぼダンプトラックDTの荷台部Lの幅の半分の長さかそれよりも若干長くなる場合には、一対の軸部2a,2bは同じ長さのもの(つまり軸部2bに軸部2aの長さと同じもの)を使用することができる。
また、軸部2aの長さと落下防止装置FDのフラップ部材fの高さとを合わせた長さがダンプトラックDTの荷台部Lの幅の半分の長さよりも短くなる場合でも、一対の軸部2a,2bは同じ長さのもの(つまり軸部2bに軸部2aの長さと同じもの)を使用することができる。この場合には、一対の側壁L3に設けられている一対の落下防止装置FDのフラップ部材fを内方に揺動させても、一対の落下防止装置FDにそれぞれ設けられている一対の飛散防止装置1のシート部材3間に隙間が形成される。このような場合には、シート部材3をその上端が軸部2bの先端よりも突出するようにしておき、その突出した部分で隙間をカバーできるようにしてもよい。
また、一対の側壁L3に設けられている一対の落下防止装置FDに設置する飛散防止装置1は必ずしも全く同じ構造としなくてもよい。
例えば、一対の飛散防止装置1として、軸フレーム2の軸部2aの長さや軸部2bの長さが異なるものを使用してもよい。例えば、一対の飛散防止装置1として、軸フレーム2の軸部2aは同じ長さであるが軸部2bの長さが異なるものを使用してもよいし、軸フレーム2の軸部2bは同じ長さであるが軸部2aの長さが異なるものを使用してもよい。
つまり、上述したように、軸フレーム2が落下防止装置FDのフラップ部材fの揺動の障害とならず、また、荷台部Lを一対の飛散防止装置1によって覆い隠すことができるように設けられていれば、軸フレーム2の軸部2aの長さや軸部2bの長さは種々の長さのものを採用することができる。
また、フラップ部材fのフレーム部材f1が軸部材sを有しない場合には、フレーム部材f1に軸フレーム2を設置するブラケットなどを設けて、このブラケットを介して軸フレーム2をフレーム部材f1に着脱可能に連結してもよい。
上記例では、軸フレーム2が2本の場合を説明したが、軸フレーム2は2本に限らず3本以上設けてもよい。
例えば、フラップ部材fのフレーム部材f1がその長手方向(つまりダンプトラックDTの前後方向)に沿って鉛直方向に延びる複数本の軸部材sを有している場合には、フレーム部材f1の最前方と最後方の軸部材sに加えて、中間の軸部材sに軸フレーム2を設けてもよい。この場合、中間の軸部材sにもシート部材3が連結される。
また、フラップ部材fのフレーム部材f1が軸部材sを有しない場合には、フレーム部材f1に軸フレーム2を設置するブラケットなどを設けて、このブラケットを介して軸フレーム2をフレーム部材f1に着脱可能に連結してもよい。
また、軸フレーム2は、単なる1本の軸部材によって形成してもよい。しかし、軸フレーム2を、上述したように一対の軸部2a,2bとこの一対の軸部2a,2bを揺動可能に連結する関節部2cとを有する構造とすれば、本実施形態の飛散防止装置1をコンパクトに折りたたむことができる。
すると、荷台部Lに積載物を積載する際に落下防止装置FDのフラップ部材fを外方に揺動させた際に、本実施形態の飛散防止装置1を折りたたんでおけば、本実施形態の飛散防止装置1が占める領域を小さくできる。この場合、ダンプトラックDTやその周囲での作業に本実施形態の飛散防止装置1が邪魔になることを防止できる。例えば、本実施形態の飛散防止装置1を折りたたん状態(図2(A)参照)とすれば、ダンプトラックDTの側面側のスペースが狭くても一般的なダンプトラックと同様のスペースで積載物の積み込み作業を行うことができる。
<シート部材3について>
シート部材3の長さは、側壁L3の長さよりも長くてもよいが、あまり長いと本実施形態の飛散防止装置1を落下防止装置FDのフラップ部材fに取り付けた際に撓んでしまい飛散防止効果が低下する。したがって、シート部材3の長さは、側壁L3の長さとほぼ同じ長さか若干長い(数十cm程度まで)であることが望ましい。
なお、2本の軸フレーム2の上部間にワイヤー等を設けて、このワイヤー等とシート部材3の上端部とを連結するようにしてもよい。この場合、シート部材3の中だるみを抑制することができる。
一方、シート部材3は、後方側に配置される軸フレーム2よりも外方(軸フレーム2よりも後方)に延びる後方カバー部3bを有していてもよい(図4参照)。具体的には、本実施形態の飛散防止装置1を内方に揺動させてシート部材3によって荷台部Lが覆われた状態において、外端を荷台部Lの後壁L2よりも外方に配置できる長さの後方カバー部3bを設けてもよい。かかる後方カバー部3bを設けておけば、軸フレーム2と荷台部Lの後壁L2との間の隙間を後方カバー部3bによって覆うことができるので、本実施形態の飛散防止装置1によって土砂等の積載物の飛散をより確実に防止することができる。例えば、図4(B)に示すように、シート部材3によって荷台部Lの積載物を覆った状態で、後方カバー部3bをその外端部が後壁L2の外方に垂れるように配置し、後方カバー部3bの外端部をゴム紐などによって荷台部LやダンプトラックDTのフレームなどに連結すれば、荷台部Lの積載物をシート部材3によって完全に覆うことができるので、積載物の飛散を防止する効果を高くすることができる。
また、シート部材3の高さもとくに限定されない。
例えば、シート部材3の高さを軸フレーム2の軸部2bと同じ長さにしておけば、落下防止装置FDのフラップ部材fを内方に揺動させた状態でシート部材3とフラップ部材fによって荷台部Lの全面を覆うことができる。
また、シート部材3の高さを、落下防止装置FDのフラップ部材fと軸フレーム2を鉛直に立てた状態(図1(A)参照)においてフラップ部材fの内面まで覆うことができる大きさとしておけば、シート部材3によってフラップ部材fの内面をカバーできる。すると、シート部材3で積載物を覆った状態(図2((C)参照)において積載物によるフラップ部材fの損傷を防止できるので、落下防止装置FDが損傷したことによる落下防止装置FDの交換などを少なくできる。もちろん、シート部材3の高さを、落下防止装置FDのフラップ部材fと軸フレーム2を鉛直に立てた状態においてフラップ部材fの内面だけでなく、側壁L3の内面まで覆うことができる大きさ、つまり、その下端が荷台部Lの底板LBに届く程度の長さにすれば、シート部材3によって、フラップ部材fの内面だけでなく側壁L3の内面もカバーし保護することができる。
また、積載物が土砂等のように飛散する可能性が少ないもの(例えば、石や岩、スクラップ等)の場合、ダンプトラックDTの荷台部Lに積載した状態において、本実施形態の飛散防止装置1を展開してシート部材3で覆う必要がない。このような場合には、本実施形態の飛散防止装置1を畳んだ状態(図2(A)参照)で使用することができる。しかも、シート部材3の高さを、落下防止装置FDのフラップ部材fと軸フレーム2を鉛直に立てた状態(図1(A)参照)においてフラップ部材fの内面まで覆うことができる大きさとしておけば、シート部材3によりフラップ部材fの内面を保護することができるようになる。このため、かかる状態でフラップ部材fをダンプトラックDTの荷台部Lの内方に揺動させれば、上記積載物によるフラップ部材fへの損傷を適切に防止することができる。
<他の構造の軸フレーム2について>
上記例では、軸フレーム2を折りたたむことができる構造をしたが、軸フレーム2は伸縮可能な構造としてもよい。
例えば、図3に示すように、落下防止装置FDのフラップ部材fに連結されるベースフレーム2xを有し、このベースフレーム2xに対してベースフレーム2xの軸方向に沿って移動可能かつ所定の位置で固定可能に設けられたスライドフレーム2yと、を備えた構造とする。
かかる構成とすれば、軸フレーム2を収縮させておけば、ダンプトラックDTやその周囲での作業に本実施形態の飛散防止装置1が邪魔になることを防止できる。また、軸フレーム2を伸ばした状態で、落下防止装置FDのフラップ部材fを内方に揺動させれば、本実施形態の飛散防止装置1のシート部材3と落下防止装置FDのフラップ部材fとで荷台部Lを覆い隠すことができる。
他にも、軸フレーム2として、一本の中空な軸部材(つまりパイプ材)から一本の中空な軸部材が出没して長さを変更できるような構造としてもよいし、複数の中空な軸部材を組み合わせてテレスコピック構造としてもよい。
なお、伸縮する構造を有する場合、スライドフレーム2yの基端がベースフレーム2xから露出している場合には、シート部材3は、その高さ方向の一端(上端)をスライドフレーム2yの先端に連結し、その高さ方向の他端(下端)やその途中の部分をスライドフレーム2yに連結しておけばよい。
また、スライドフレーム2yの基端がベースフレーム2xから露出していない場合には、シート部材3の高さ方向の他端(下端)はベースフレーム2xに沿って移動できるように設けてもよいし、自由端としてもよい。
さらに、シート部材3の高さが、落下防止装置FDのフラップ部材fと軸フレーム2を伸長した状態においてフラップ部材fの内面まで覆う大きさとした場合には、シート部材3の高さ方向の他端は落下防止装置FDのフラップ部材fの下端部(つまり荷台部Lの側壁L3の上端近傍の端部)に連結しておいてもよいし、自由端にしていてもよい。なお、シート部材3の高さ方向の他端を自由端にした場合には、軸フレーム2を収縮した際にシート部材3を折り畳んでおくことができるので、軸フレーム2を収縮した状態におけるシート部材3の納まりをよくすることができる。
本考案の飛散防止装置は、土砂等の飛散しやすい積載物を積載するダンプトラックに設置して土砂等の飛散を防止する装置に適している。
1 飛散防止装置
2 軸フレーム
2a 軸部
2b 軸部
2c 関節部
2x ベースフレーム
2y スライドフレーム
3 シート部材
DT ダンプトラック
L 荷台部
L2 後壁
L3 側壁
FD 落下防止装置
f フラップ部材

Claims (7)

  1. ダンプトラックの荷台部を構成する側壁に設けられている既設の落下防止装置に設置される飛散防止装置であって、
    該飛散防止装置は、
    既設の落下防止装置のフラップ部材に着脱可能に設置される、ダンプトラックの前後方向において間隔を空けた状態でフラップ部材の高さ方向に沿ってフラップ部材の上方まで延びる2本の軸フレームと、
    該2本の軸フレーム間に貼られるシート部材と、を備えている
    ことを特徴とする飛散防止装置。
  2. 前記2本の軸フレームは、
    一対の軸部と、該一対の軸部を連結する関節部と、を備えており、
    該関節部は、
    一対の軸部を一方向にのみ展開屈曲できるように連結するものである
    ことを特徴とする請求項1記載の飛散防止装置。
  3. 前記2本の軸フレームは、
    互いの軸方向が平行となるように連結されており、
    その軸方向に沿って伸縮可能に設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の飛散防止装置。
  4. 前記2本の軸フレームは、
    既設の落下防止装置のフラップ部材に着脱可能に設置されるベースフレームと、
    該ベースフレームの軸方向に沿って移動可能かつ所定の位置で固定可能に設けられたスライドフレームと、を備えている
    ことを特徴とする請求項3記載の飛散防止装置。
  5. 前記シート部材は、
    既設の落下防止装置のフラップ部材および前記2本の軸フレームを鉛直に立てた状態において、前記2本の軸フレームの上部からフラップ部材の内面まで覆うことができる大きさを有している
    ことを特徴とする請求項1記載の飛散防止装置。
  6. 前記シート部材は、
    前記2本の軸フレームのうち、既設の落下防止装置に設置した際にダンプトラックの後方側に配置される軸フレームよりも外方まで伸びた後方カバー部を備えており、
    該後方カバー部は、
    該飛散防止装置を既設の落下防止装置のフラップ部材に取り付けた状態において、その後方の端部を荷台部の後壁よりも外方に配置できる大きさに形成されている
    ことを特徴とする請求項5記載の飛散防止装置。
  7. ダンプトラックの荷台部を構成する側壁に落下防止装置が設置されているダンプトラックであって、
    落下防止装置のフラップ部材に請求項1~6のいずれかに記載の飛散防止装置が設置されている
    ことを特徴とするダンプトラック。
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