JP6321366B2 - 積層体、積層体の製造方法、及び基板の処理方法 - Google Patents
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図1を用いてより詳細に本発明の一実施形態に係る積層体を説明する。図1の(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る積層体50の概略を説明する図である。
基板10は、接着剤層30を介してサポートプレート20に貼り付けられる。また、基板10としては、例えば、ウエハ基板、セラミックス基板、薄いフィルム基板、フレキシブル基板等の任意の基板を使用することができる。
サポートプレート20は、基板10を支持する支持部材であり、基板10の薄化、搬送、実装等のプロセス時に、基板10の破損又は変形を防止するために必要な強度を有していればよい。以上の観点から、サポートプレート、例えば、ガラス、シリコン、アクリル系樹脂からなるものが挙げられる。
接着剤層30は、基板10とサポートプレート20とを貼り付けるために用いられる接着剤によって形成される層である。
炭化水素樹脂は、炭化水素骨格を有し、単量体組成物を重合してなる樹脂である。炭化水素樹脂として、シクロオレフィン系ポリマー(以下、「樹脂(A)」ということがある)、並びに、テルペン樹脂、ロジン系樹脂及び石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂(以下、「樹脂(B)」ということがある)等が挙げられるが、これに限定されない。
アクリル−スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン又はスチレンの誘導体と、(メタ)アクリル酸エステル等とを単量体として用いて重合した樹脂が挙げられる。
マレイミド系樹脂としては、例えば、単量体として、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−sec−ブチルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−へプチルマレイミド、N−n−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミド等のアルキル基を有するマレイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロヘプチルマレイミド、N−シクロオクチルマレイミド等の脂肪族炭化水素基を有するマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−m−メチルフェニルマレイミド、N−o−メチルフェニルマレイミド、N−p−メチルフェニルマレイミド等のアリール基を有する芳香族マレイミド等を重合して得られた樹脂が挙げられる。
このようなシクロオレフィンコポリマーとしては、APL 8008T、APL 8009T、及びAPL 6013T(全て三井化学株式会社製)等を使用することができる。
エラストマーは、主鎖の構成単位としてスチレン単位を含んでいることが好ましく、当該「スチレン単位」は置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルコキシアルキル基、アセトキシ基、カルボキシル基等が挙げられる。また、当該スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内であることがより好ましい。さらに、エラストマーは、重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であることが好ましい。
接着剤層30を形成するときに使用する希釈溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、メチルオクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン等の直鎖状の炭化水素、炭素数4から15の分岐状の炭化水素、例えば、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ナフタレン、デカヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン等の環状炭化水素、p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン、ジフェニルメンタン、1,4−テルピン、1,8−テルピン、ボルナン、ノルボルナン、ピナン、ツジャン、カラン、ロンギホレン、ゲラニオール、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、イソメントール、ネオメントール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、テルピネン−1−オール、テルピネン−4−オール、ジヒドロターピニルアセテート、1,4−シネオール、1,8−シネオール、ボルネオール、カルボン、ヨノン、ツヨン、カンファー、d−リモネン、l−リモネン、ジペンテン等のテルペン系溶剤;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン(CH)、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類又は前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体(これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい);ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル等の芳香族系有機溶剤等を挙げることができる。
接着剤層30を構成する接着剤は、本質的な特性を損なわない範囲において、混和性のある他の物質をさらに含んでいてもよい。例えば、接着剤の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、接着補助剤、安定剤、着色剤、熱重合禁止剤及び界面活性剤等、慣用されている各種添加剤をさらに用いることができる。
本実施形態に係る積層体は、上記の実施形態に限定されない。例えば、変形例として、積層体51は、上記第1ノッチ(第1切り欠き部)11’が上記第2ノッチ21よりも基板10’の中心点側に位置するようにして上記基板10と上記サポートプレート20とが積層され、上記接着剤層受容部は、上記第2ノッチ21における、上記第1ノッチ11’よりも基板10’の中心点から見て外側に位置する構成にすることができる(図2の(a)及び(b))。
次に、図3を用いて本発明の一実施形態に係る積層体50の製造方法についてより詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る積層体50の製造方法及び基板の処理方法の概略を説明する図である。
図3の(a)及び(b)に示す通り、基板加工工程では、基板10に、本発明に係る積層体50が備える接着剤層受容部12を形成する。ここで、基板加工工程では、基板10の第1ノッチ11の周縁部分を切り出すことによって接着剤層受容部12を形成する。
次に、図3の(c)に示す通り、接着剤層形成工程では、上記基板10における上記接着剤層受容部12を形成した側の面に上記接着剤層30を形成する。
次に、図3の(d)に示す通り、接着剤層外周部分除去工程では、上記基板10上に形成された上記接着剤層30の外周部分を除去する。これにより、後の積層工程において、基板10とサポートプレート20とを貼り合わせたときに、接着剤層30が積層体50からはみ出してしまうことを好適に抑制することができる。また、第1ノッチ11にまで塗布された接着剤層30を好適に除去することができる。
次に、図3の(f)に示す通り、積層工程では、上記第1ノッチ11の少なくとも一部と上記第2ノッチ21の少なくとも一部とが互いに重なるように、上記基板10と上記サポートプレート20とを接着剤層30を介して積層する(図3の(f))。これにより、基板10におけるサポートプレート20の第2ノッチ21との対向部位に接着剤層受容部12が設けられるように、積層体50が積層される。ここで、積層前の段階では、基板10に設けられた第1ノッチ11は薄化されず残っている。このため、第1ノッチ11は、貼付装置が備えている光学アライメント装置などによって光学的に検知可能である。従って、第1ノッチ11と第2ノッチ21との検知不良を生じることなく、基板10とサポートプレート20とを貼り付けることができる。
図3を用いて、本発明の一実施形態に係る基板の処理方法についてより詳細に説明する。本実施形態に係る基板10の処理方法では、本発明に係る積層体50を製造する積層体製造工程(図3の(a)〜(f))と、上記積層体製造工程の後、上記基板を研削することによって薄化する薄化工程(図3の(g))と、を包含している。
図3の(g)に示す通り、薄化工程では、積層体50の基板10を、グラインダなどの研削装置によって所望の厚さまで研削する。ここで、薄化工程では、例えば、積層体50における基板10は、図1の(b)に示す薄化ラインまで研削される。このため、サポートプレート20の第2ノッチ21は、光学アライメント装置によって照射される光を遮断することを防止することができる(図1の(c))。薄化工程は、基板10を薄化するための工程であり、積層体50の向きを特定することなく行なうことができる。従って、第1ノッチ11にまで接着剤層30がはみ出していても、薄化工程によって基板10が薄化されることで、後の工程において、第2ノッチ21を検知することができる。このため、積層体50の向きを的確に検知することができる。
薄化工程の後、基板10にはフォトリソグラフィ工程などの様々な工程を行なうことにより回路が形成される。このため、積層体50は、様々な工程を行なうために他の装置に搬送される。ここで、積層体50は、第2ノッチ21にまで接着剤層30が伸展していないため、第2ノッチ21によって積層体50の向きを的確に特定することができる。従って、様々な工程において、積層体50における基板10の表面に、的確な向きで回路を形成することができる。
10’ 基板
11 第1ノッチ(第1切り欠き部)
11’ 第1ノッチ(第1切り欠き部)
12 接着剤層受容部
20 サポートプレート(支持体)
21 第2ノッチ(第2切り欠き部)
30 接着剤層
50 積層体
51 積層体
Claims (6)
- 第1切り欠き部を備えた基板と、第2切り欠き部を備えた支持体とを、接着剤層を介して積層してなる積層体であって、
上記基板と上記支持体とは、上記第1切り欠き部の少なくとも一部と上記第2切り欠き部の少なくとも一部とが互いに重なるように接着剤層を介して積層されており、
上記基板における上記支持体の第2切り欠き部との対向部位には、上記基板と上記支持体とを積層したときに上記第2切り欠き部に向かって流動する上記接着剤層を受容する接着剤層受容部が設けられており、
上記接着剤層受容部は、上記基板の外周から上記基板の中心点に向かう方向において、上記第1切り欠き部の周縁部分を切り出した段差部からなることを特徴とする積層体。 - 上記段差部は、上記基板の外周から上記基板の中心点に向かう方向における上記第1切り欠き部の先端から、0.3mm以上、2.0mm以下の範囲内の深さで当該方向に切り出されることによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 上記段差部は、上記基板の厚さ方向において、上記基板の平面部から0.05mm以上、0.375mm以下の範囲内で上記第1切り欠き部の周縁部分が切り出されることによって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体。
- 上記第1切り欠き部の先端が上記第2切り欠き部の先端よりも基板の中心点側に位置するようにして上記基板と上記支持体とが積層され、上記接着剤層受容部は、上記基板の第1切り欠き部における、切り欠きされた面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 第1切り欠き部を備えた基板と、第2切り欠き部を備えた支持体とを、接着剤層を介して積層してなる積層体であって、
上記基板と上記支持体とは、上記第1切り欠き部の少なくとも一部と上記第2切り欠き部の少なくとも一部とが互いに重なるように接着剤層を介して積層されており、
上記基板における上記支持体の第2切り欠き部との対向部位には、上記基板と上記支持体とを積層したときに上記第2切り欠き部に向かって流動する上記接着剤層を受容する接着剤層受容部が設けられている積層体が備える接着剤層受容部を、基板に形成する基板加工工程と、
上記基板における上記接着剤層受容部を形成した側の面に上記接着剤層を形成する接着剤層形成工程と、
上記基板上に形成された上記接着剤層の外周部分を除去する接着剤層外周部分除去工程と、
上記第1切り欠き部の少なくとも一部と上記第2切り欠き部の少なくとも一部とが互いに重なるように、上記基板と上記支持体とを接着剤層を介して積層する積層工程と、を包含していることを特徴とする積層体の製造方法。 - 請求項5に記載の積層体の製造方法によって積層体を製造する積層体製造工程と、
上記積層体製造工程の後、上記基板を研削することによって薄化する薄化工程と、を包含していることを特徴とする基板の処理方法。
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