JP6321366B2 - 積層体、積層体の製造方法、及び基板の処理方法 - Google Patents

積層体、積層体の製造方法、及び基板の処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6321366B2
JP6321366B2 JP2013259497A JP2013259497A JP6321366B2 JP 6321366 B2 JP6321366 B2 JP 6321366B2 JP 2013259497 A JP2013259497 A JP 2013259497A JP 2013259497 A JP2013259497 A JP 2013259497A JP 6321366 B2 JP6321366 B2 JP 6321366B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
notch
adhesive layer
laminate
support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013259497A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015116667A (ja
Inventor
中村 彰彦
彰彦 中村
藤井 恭
恭 藤井
公宏 中田
公宏 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd filed Critical Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Priority to JP2013259497A priority Critical patent/JP6321366B2/ja
Publication of JP2015116667A publication Critical patent/JP2015116667A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6321366B2 publication Critical patent/JP6321366B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、積層体、積層体の製造方法、及び基板の処理方法に関する。
近年、携帯電話、デジタルAV機器及びICカード等の高機能化に伴い、半導体シリコンチップの小型化、薄型化及び高集積化への要求が高まっている。例えば、一つの半導体パッケージの中に複数の半導体チップを搭載するシステム・イン・パッケージ(SiP)は、搭載されるチップを小型化、薄型化及び高集積化し、電子機器を高性能化、小型化かつ軽量化を実現する上で非常に重要な技術になっている。このような薄型化及び高集積化への要求に応えるためには、従来のワイヤ・ボンディング技術のみではなく、貫通電極を形成したチップを積層し、チップの裏面にバンプを形成する貫通電極技術も必要になる。
ところで、半導体チップの製造では、半導体ウエハ自体が肉薄で脆く、また回路パターンには凹凸があるため、研削工程又はダイシング工程への搬送時に外力が加わると破損しやすい。そのため、研削するウエハにサポートプレートと呼ばれる、ガラス、硬質プラスチック等からなるプレートを貼り合わせることによって、ウエハの強度を保持し、クラックの発生及びウエハの反りを防止するウエハハンドリングシステムが開発されている。ウエハハンドリングシステムによりウエハの強度を維持することができるため、薄板化した半導体ウエハの搬送を自動化することができる。
ウエハとサポートプレートとは、粘着テープ、熱可塑性樹脂、接着剤等を用いて貼り合わせられている。サポートプレートが貼り付けられたウエハを薄板化した後、ウエハをダイシングする前にサポートプレートを基板から剥離する。
例えば、特許文献1には、第1の切り欠き部を有する半導体基板と第2の切り欠き部を有する支持基板とを、切り欠き部が互いに重なるように貼り合せた後、支持基板が貼り合わされた上記半導体基板における、支持基板に対向する面と反対側の面を加工する半導体装置の製造方法が記載されている。
また、特許文献2には、切削装置を用いて被加工物の外周縁を切削するエッジトリミング方法が記載されている。
特開2009−87970号公報(2009年4月23日公開) 特開2013−149822号公報(2013年8月1日公開)
基板の第1切り欠き部と支持体の第2切り欠き部との少なくとも一部が互いに重なるようにして、基板と支持体とを接着剤層を介して貼り付けた積層体を製造するときに、基板と支持体との間の接着剤層は、基板と支持体との外周部分の端部にまで伸展する。
これにより、積層体の第1切り欠き部及び第2切り欠き部の互いに重なる部分において接着剤層がはみ出す。このため、例えば、光学アライメント装置によって積層体の向きを特定するときに、積層体の切り欠き部の検知不良が発生するおそれがある。
特許文献1は、第1切り欠き部及び第2切り欠き部が互いに重なる部分にはみ出した接着剤層による積層体の切り欠き部の検知不良を防止する方法に関して、何ら開示していない。
また、特許文献2は、第1切り欠き部及び第2切り欠き部が互いに重なる部分に接着剤層がはみ出すことを防止する方法に関して、何ら開示していない。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、切り欠き部の検知不良を防止することができる積層体を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る積層体は、第1切り欠き部を備えた基板と、第2切り欠き部を備えた支持体とを、接着剤層を介して積層してなる積層体であって、上記基板と上記支持体とは、上記第1切り欠き部の少なくとも一部と上記第2切り欠き部の少なくとも一部とが互いに重なるように接着剤層を介して積層されており、上記基板における上記支持体の第2切り欠き部との対向部位には、上記基板と上記支持体とを積層したときに上記第2切り欠き部に向かって流動する上記接着剤層を受容する接着剤層受容部が設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、積層体の欠き部の検知不良を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る積層体及び従来の積層体の概略を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る積層体の製造方法及び基板の処理方法の概略を説明する図である。 本発明の変形例に係る積層体の概略を説明する図である。
本発明に係る積層体は、第1切り欠き部を備えた基板と、第2切り欠き部を備えた支持体とを、接着剤層を介して積層してなる積層体であって、上記基板と上記支持体とは、上記第1切り欠き部の少なくとも一部と上記第2切り欠き部の少なくとも一部とが互いに重なるように接着剤層を介して積層されており、上記基板における上記支持体の第2切り欠き部との対向部位には、上記基板と上記支持体とを積層したときに上記第2切り欠き部に向かって流動する上記接着剤層を受容する接着剤層受容部が設けられていることを特徴としている。
上記構成によれば、基板と支持体とを第1切り欠き部と第2切り欠き部が互いに重なるように接着剤層を介して貼り付けるときに、第1切り欠き部及び第2切り欠き部に向かって流動する接着剤層を接着剤層受容部に受容することができる。これにより、接着剤層が第2切り欠き部にまで伸展することを防止することができる。従って、後の工程において、切り欠き部の検知不良を防止することができ、積層体の向きを正確に検知することができる。
<積層体>
図1を用いてより詳細に本発明の一実施形態に係る積層体を説明する。図1の(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る積層体50の概略を説明する図である。
図1の(a)及び(b)に示す通り、本発明の一実施形態に係る積層体50は、第1ノッチ(第1切り欠き部)11を備えた基板10と、第2ノッチ(第2切り欠き部)21を備えたサポートプレート(支持体)20とを、接着剤層30を介して積層してなる積層体50であって、上記基板10と上記サポートプレート20とは、上記第1ノッチ11の少なくとも一部と上記第2ノッチ21の少なくとも一部とが互いに重なるように接着剤層30を介して積層されており、上記基板10における上記サポートプレート20の第2ノッチ21との対向部位には、上記基板10と上記サポートプレート20とを積層したときに上記第2ノッチ21に向かって流動する上記接着剤層30を受容する接着剤層受容部12が設けられている。
これにより、基板10とサポートプレート20とを第1ノッチ11と第2ノッチ21が互いに重なるように接着剤層30を介して貼り付けるときに、第2ノッチ21に向かって流動する接着剤層30を接着剤層受容部12に受容することができる。このため、接着剤層30が第2ノッチ21にまで伸展することを防止することができる(図1の(b))。従って、後の工程において、第2ノッチ21の検知不良を防止することができ、積層体50の向きを正確に検知することができる(図1の(c))。
〔基板10〕
基板10は、接着剤層30を介してサポートプレート20に貼り付けられる。また、基板10としては、例えば、ウエハ基板、セラミックス基板、薄いフィルム基板、フレキシブル基板等の任意の基板を使用することができる。
また、基板10には、第1ノッチ11、接着剤層受容部12、及びエッジトリミング部13が形成されている(図3の(b))。
第1ノッチ11は、基板10の外周部分に形成された切り欠き部であり、基板10の向きを特定するために用いられる。これにより、例えば、光学アライメント装置を用いて基板10の向きを特定することができる(図1の(a)及び図3の(a))。
エッジトリミング部13は、第1ノッチ11及び接着剤層受容部12を除く基板10の外周部分の端部に形成された段差部である。基板10にエッジトリミング部13を形成することによって、後の工程において基板10に形成された回路の端部が破損することを防止することができる(図3の(b))。
接着剤層受容部12は、上記基板10の外周から上記基板の中心点に向かう方向において、上記第1ノッチ11の周縁部分を切り出した段差部からなる。これによって、基板10とサポートプレート20とを接着剤層30を介して積層したときに、基板10の中心点から第2ノッチ21に向かって流動する接着剤層30を段差部に受容することができる(図1の(b))。
ここで、接着剤層受容部12の上記段差部は、上記基板10の外周から上記基板10の中心点に向かう方向における上記第1ノッチ11の先端11aから、0.3mm以上、2.0mm以下の範囲内の深さで当該方向に切り出されることによって形成されていることが好ましく、0.5mm以上、0.15mm以下の範囲内の深さで当該方向に切り出されることによって形成されていることがより好ましい。つまり、図1の(b)に示す接着剤層受容部12の基板10の外周から基板10の中心点に向かう方向におけるトリム深さaは、第1ノッチ11の先端11aまでのノッチ深さcより、0.3mm以上、2.0mm以下の範囲内で深いことが好ましい。接着剤層受容部12のトリム深さaが、第1ノッチ11のノッチ深さcより、0.5mm以上、1.5mm以下の範囲内の深さで切り出されていることによって、接着剤層受容部12がサポートプレート20の第2ノッチ21に向かって流動する接着剤層30を好適に受容することができる。
また、接着剤層受容部12の段差部は、上記基板10の厚さ方向において、上記基板10の平面部から0.05mm以上、0.375mm以下の範囲内で上記第1切り欠き部の周縁部分が切り出されることによって形成されていることが好ましく、上記基板10の平面部から0.1mm以上、0.25mm以下の範囲内で上記第1切り欠き部の周縁部分が切り出されることによって形成されていることがより好ましい。つまり、図1の(b)に示す、基板10の平面部からの基板10の厚さ方向におけるトリム高さbは、0.05mm以上、0.375mm以下の範囲内であることが好ましい。トリム高さbが、0.05mm以上、0.375mm以下の範囲内であることで、接着剤層受容部12の段差部が接着剤層30を充分に受容することができ、サポートプレート20の第2ノッチにまで接着剤層30が伸展することを防止することができる。また、第1ノッチ11の全てを切削せずに、第1ノッチ11を残すことによって、基板10とサポートプレート20を第1ノッチ11の少なくとも一部と第2ノッチ21の少なくとも一部とが互いに重なるようにして積層体50を積層することができる。
これにより、積層体50では、図1の(b)に示す通り、接着剤層30が基板10の接着剤層受容部12に受容される。このため、サポートプレート20の第2ノッチ21にまで接着剤層30が伸展することを防止することができる。このため、図1の(b)に示す薄化ラインまで、積層体50の基板10を薄化すれば、光学アライメント装置によって第2ノッチ21に光を照射したときに、第2ノッチにまではみ出した接着剤層30によって光が遮断されることがない(図1の(c))。従って、後の工程において第2ノッチ21を用いて、積層体50の向きを的確に検知することができる。
これに対して、図1の(d)及び(e)に示す従来の積層体52の基板10には、接着剤層受容部が形成されていない。ここで、積層体52には、エッジトリミング部17が形成されているが、基板15のエッジトリミング部17のトリム深さcは、基板15における第1ノッチ16の先端16aまでのノッチ深さaよりも浅い。このため、基板15の第1ノッチ16とサポートプレート20の第2ノッチ21とを接着剤層30を介して積層したときに、接着剤層30は基板15における第1ノッチ16の先端16aのみならず、サポートプレート20における第2ノッチ21の先端21aを超えて、第2ノッチ21にまで伸展する(図1の(e))。このため、薄化ラインまで基板15を薄化しても、サポートプレート20における第2ノッチ21の先端21aを超えてサポートプレート20の外周部分にまで伸展した接着剤層がはみ出す(図1の(f))。従って、光学アライメント装置によって第2ノッチ21に光を照射したときに、第2ノッチ21にまではみ出した接着剤層30が光を遮断することにより、積層体52の向きについて検知不良を起こす(図1の(c))。
〔サポートプレート20〕
サポートプレート20は、基板10を支持する支持部材であり、基板10の薄化、搬送、実装等のプロセス時に、基板10の破損又は変形を防止するために必要な強度を有していればよい。以上の観点から、サポートプレート、例えば、ガラス、シリコン、アクリル系樹脂からなるものが挙げられる。
また、サポートプレート20には、第2ノッチ21が形成されている(図1の(a)及び図3の(e))。
第2ノッチ21は、サポートプレート20の外周部分に形成された切り欠き部であり、サポートプレート20の向きを特定するために用いられる。これにより、例えば、光学アライメント装置を用いてサポートプレート20の向きを特定することができる。また、第2ノッチ21が、基板10の第1ノッチ11と少なくとも一部と互いに重なるようにサポートプレート20を基板10に積層することによって、積層体50における基板10の向きを、光学アライメント装置によって特定することができる。
〔接着剤層30〕
接着剤層30は、基板10とサポートプレート20とを貼り付けるために用いられる接着剤によって形成される層である。
接着剤として、例えばアクリル系、ノボラック系、ナフトキノン系、炭化水素系、ポリイミド系、エラストマー等の、当該分野において公知の種々の接着剤が、本発明に係る接着剤層30を構成する接着剤として使用可能である。以下、本実施の形態における接着剤層30が含有する樹脂の組成について説明する。
接着剤層30が含有する樹脂としては、接着性を備えたものであればよく、例えば、炭化水素樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、マレイミド系樹脂、エラストマー樹脂等、又はこれらを組み合わせたもの等が挙げられる。
接着剤のガラス転移温度(Tg)は、上記樹脂の種類や分子量、及び接着剤への可塑剤等の配合物によって変化する。上記接着剤に含有される樹脂の種類や分子量は、基板及び支持体の種類に応じて適宜選択することができるが、接着剤に使用する樹脂のTgは−60℃以上、200℃以下の範囲内が好ましく、−25℃以上、150℃以下の範囲内がより好ましい。接着剤に使用する樹脂のTgが−60℃以上、200℃以下の範囲内であることによって、冷却に過剰なエネルギーを要することなく、好適に接着剤層30の接着力を低下させることができる。また、接着剤層30のTgは、適宜、可塑剤や低重合度の樹脂等を配合することによって調整してもよい。
ガラス転移温度(Tg)は、例えば、公知の示差走査熱量測定装置(DSC)を用いて測定することができる。
(炭化水素樹脂)
炭化水素樹脂は、炭化水素骨格を有し、単量体組成物を重合してなる樹脂である。炭化水素樹脂として、シクロオレフィン系ポリマー(以下、「樹脂(A)」ということがある)、並びに、テルペン樹脂、ロジン系樹脂及び石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂(以下、「樹脂(B)」ということがある)等が挙げられるが、これに限定されない。
樹脂(A)としては、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分を重合してなる樹脂であってもよい。具体的には、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分の開環(共)重合体、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分を付加(共)重合させた樹脂等が挙げられる。
樹脂(A)を構成する単量体成分に含まれる前記シクロオレフィン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、ノルボルナジエン等の二環体、ジシクロペンタジエン、ジヒドロキシペンタジエン等の三環体、テトラシクロドデセン等の四環体、シクロペンタジエン三量体等の五環体、テトラシクロペンタジエン等の七環体、又はこれら多環体のアルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチル等)置換体、アルケニル(ビニル等)置換体、アルキリデン(エチリデン等)置換体、アリール(フェニル、トリル、ナフチル等)置換体等が挙げられる。これらの中でも特に、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、又はこれらのアルキル置換体からなる群より選ばれるノルボルネン系モノマーが好ましい。
樹脂(A)を構成する単量体成分は、上述したシクロオレフィン系モノマーと共重合可能な他のモノマーを含有していてもよく、例えば、アルケンモノマーを含有することが好ましい。アルケンモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン、α−オレフィン等が挙げられる。アルケンモノマーは、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。
また、樹脂(A)を構成する単量体成分として、シクロオレフィンモノマーを含有することが、高耐熱性(低い熱分解、熱重量減少性)の観点から好ましい。樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するシクロオレフィンモノマーの割合は、5モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましく、20モル%以上であることがさらに好ましい。また、樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するシクロオレフィンモノマーの割合は、特に限定されないが、溶解性及び溶液での経時安定性の観点からは80モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることがより好ましい。
また、樹脂(A)を構成する単量体成分として、直鎖状又は分岐鎖状のアルケンモノマーを含有してもよい。樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するアルケンモノマーの割合は、溶解性及び柔軟性の観点からは10〜90モル%であることが好ましく、20〜85モル%であることがより好ましく、30〜80モル%であることがさらに好ましい。
なお、樹脂(A)は、例えば、シクロオレフィン系モノマーとアルケンモノマーとからなる単量体成分を重合させてなる樹脂のように、極性基を有していない樹脂であることが、高温下でのガスの発生を抑制する上で好ましい。
単量体成分を重合するときの重合方法や重合条件等については、特に制限はなく、常法に従い適宜設定すればよい。
樹脂(A)として用いることのできる市販品としては、例えば、ポリプラスチックス株式会社製の「TOPAS」、三井化学株式会社製の「APEL」、日本ゼオン株式会社製の「ZEONOR」及び「ZEONEX」、JSR株式会社製の「ARTON」等が挙げられる。
樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、60℃以上であることが好ましく、70℃以上であることが特に好ましい。樹脂(A)のガラス転移温度が60℃以上であると、積層体が高温環境に曝されたときに接着剤層30の軟化をさらに抑制することができる。
樹脂(B)は、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂及び石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である。具体的には、テルペン系樹脂としては、例えば、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、水添テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。ロジン系樹脂としては、例えば、ロジン、ロジンエステル、水添ロジン、水添ロジンエステル、重合ロジン、重合ロジンエステル、変性ロジン等が挙げられる。石油樹脂としては、例えば、脂肪族又は芳香族石油樹脂、水添石油樹脂、変性石油樹脂、脂環族石油樹脂、クマロン・インデン石油樹脂等が挙げられる。これらの中でも、水添テルペン樹脂、水添石油樹脂がより好ましい。
樹脂(B)の軟化点は特に限定されないが、80〜160℃であることが好ましい。樹脂(B)の軟化点が80℃以上であると、積層体が高温環境に曝されたときに軟化することを抑制することができ、接着不良を生じない。一方、樹脂(B)の軟化点が160℃以下であると、積層体を剥離するときの剥離速度が良好なものとなる。
樹脂(B)の重量平均分子量は特に限定されないが、300〜3,000であることが好ましい。樹脂(B)の重量平均分子量が300以上であると、耐熱性が充分なものとなり、高温環境下において脱ガス量が少なくなる。一方、樹脂(B)の重量平均分子量が3,000以下であると、積層体を剥離するときの剥離速度が良好なものとなる。なお、本実施形態における樹脂(B)の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の分子量を意味するものである。
なお、樹脂として、樹脂(A)と樹脂(B)とを混合したものを用いてもよい。混合することにより、耐熱性及び剥離速度が良好なものとなる。例えば、樹脂(A)と樹脂(B)との混合割合としては、(A):(B)=80:20〜5545(質量比)であることが、剥離速度、高温環境時の熱耐性、及び柔軟性に優れるので好ましい。
(アクリル−スチレン系樹脂)
アクリル−スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン又はスチレンの誘導体と、(メタ)アクリル酸エステル等とを単量体として用いて重合した樹脂が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル、脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステル、芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数15〜20のアルキル基を有するアクリル系長鎖アルキルエステル、炭素数1〜14のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステル等が挙げられる。アクリル系長鎖アルキルエステルとしては、アルキル基がn−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基等であるアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。なお、当該アルキル基は、分岐状であってもよい。
炭素数1〜14のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステルとしては、既存のアクリル系接着剤に用いられている公知のアクリル系アルキルエステルが挙げられる。例えば、アルキル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ドデシル基、ラウリル基、トリデシル基等からなるアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。
脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、イソボルニルメタアクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートがより好ましい。
芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されるものではないが、芳香族環としては、例えばフェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基等が挙げられる。また、芳香族環は、炭素数1〜5の鎖状又は分岐状のアルキル基を有していてもよい。具体的には、フェノキシエチルアクリレートが好ましい。
(マレイミド系樹脂)
マレイミド系樹脂としては、例えば、単量体として、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−sec−ブチルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−へプチルマレイミド、N−n−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミド等のアルキル基を有するマレイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロヘプチルマレイミド、N−シクロオクチルマレイミド等の脂肪族炭化水素基を有するマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−m−メチルフェニルマレイミド、N−o−メチルフェニルマレイミド、N−p−メチルフェニルマレイミド等のアリール基を有する芳香族マレイミド等を重合して得られた樹脂が挙げられる。
例えば、下記化学式(1)で表される繰り返し単位及び下記化学式(2)で表される繰り返し単位の共重合体であるシクロオレフィンコポリマーを接着成分の樹脂として用いることができる。
(化学式(2)中、nは0又は1〜3の整数である。)
このようなシクロオレフィンコポリマーとしては、APL 8008T、APL 8009T、及びAPL 6013T(全て三井化学株式会社製)等を使用することができる。
(エラストマー)
エラストマーは、主鎖の構成単位としてスチレン単位を含んでいることが好ましく、当該「スチレン単位」は置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜5のアルコキシアルキル基、アセトキシ基、カルボキシル基等が挙げられる。また、当該スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内であることがより好ましい。さらに、エラストマーは、重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であることが好ましい。
スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内であり、エラストマーの重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であれば、後述する炭化水素系の溶剤に容易に溶解するので、より容易且つ迅速に接着剤層を除去することができる。また、スチレン単位の含有量及び重量平均分子量が上記の範囲内であることにより、ウエハがレジストリソグラフィー工程に供されるときに曝されるレジスト溶剤(例えばPGMEA、PGME等)、酸(フッ化水素酸等)、アルカリ(TMAH等)に対して優れた耐性を発揮する。
なお、エラストマーには、上述した(メタ)アクリル酸エステルをさらに混合してもよい。
また、スチレン単位の含有量は、より好ましくは17重量%以上であり、また、より好ましくは40重量%以下である。
重量平均分子量のより好ましい範囲は20,000以上であり、また、より好ましい範囲は150,000以下である。
エラストマーとしては、スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内であり、エラストマーの重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であれば、種々のエラストマーを用いることができる。例えば、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロックコポリマー(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SBBS)、及び、これらの水添物、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー)(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEEPS)、スチレンブロックが反応架橋型のスチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SeptonV9461(株式会社クラレ製)、SeptonV9475(株式会社クラレ製))、スチレンブロックが反応架橋型のスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(反応性のポリスチレン系ハードブロックを有する、SeptonV9827(株式会社クラレ製))、ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレンブロックコポリマー(SEEPS−OH:末端水酸基変性)等が挙げられる。エラストマーのスチレン単位の含有量及び重量平均分子量が上述の範囲内であるものを用いることができる。
また、エラストマーの中でも水添物がより好ましい。水添物であれば熱に対する安定性が向上し、分解や重合等の変質が起こりにくい。また、炭化水素系溶剤への溶解性及びレジスト溶剤への耐性の観点からもより好ましい。
また、エラストマーの中でも両端がスチレンのブロック重合体であるものがより好ましい。熱安定性の高いスチレンを両末端にブロックすることでより高い耐熱性を示すからである。
より具体的には、エラストマーは、スチレン及び共役ジエンのブロックコポリマーの水添物であることがより好ましい。熱に対する安定性が向上し、分解や重合等の変質が起こりにくい。また、熱安定性の高いスチレンを両末端にブロックすることでより高い耐熱性を示す。さらに、炭化水素系溶剤への溶解性及びレジスト溶剤への耐性の観点からもより好ましい。
接着剤層30を構成する接着剤に含まれるエラストマーとして用いられ得る市販品としては、例えば、株式会社クラレ製「セプトン(商品名)」、株式会社クラレ製「ハイブラー(商品名)」、旭化成株式会社製「タフテック(商品名)」、JSR株式会社製「ダイナロン(商品名)」等が挙げられる。
接着剤層30を構成する接着剤に含まれるエラストマーの含有量としては、例えば、接着剤組成物全量を100重量部として、50重量部以上、99重量部以下の範囲内が好ましく、60重量部以上、99重量部以下の範囲内がより好ましく、70重量部以上、95重量部以下の範囲内が最も好ましい。これら範囲内にすることにより、耐熱性を維持しつつ、ウエハと支持体とを好適に貼り合わせることができる。
また、エラストマーは、複数の種類を混合してもよい。つまり、接着剤層30を構成する接着剤は複数の種類のエラストマーを含んでいてもよい。複数の種類のエラストマーのうち少なくとも一つが、主鎖の構成単位としてスチレン単位を含んでいればよい。また、複数の種類のエラストマーのうち少なくとも一つが、スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲内である、又は、重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲内であれば、本発明の範疇である。また、接着剤層30を構成する接着剤において、複数の種類のエラストマーを含む場合、混合した結果、スチレン単位の含有量が上記の範囲内となるように調整してもよい。例えば、スチレン単位の含有量が30重量%である株式会社クラレ製のセプトン(商品名)のSepton4033と、スチレン単位の含有量が13重量%であるセプトン(商品名)のSepton2063とを重量比1対1で混合すると、接着剤に含まれるエラストマー全体に対するスチレン含有量は21〜22重量%となり、従って14重量%以上となる。また、例えば、スチレン単位が10重量%のものと60重量%のものとを重量比1対1で混合すると35重量%となり、上記の範囲内となる。本発明はこのような形態でもよい。また、接着剤層30を構成する接着剤に含まれる複数の種類のエラストマーは、全て上記の範囲内でスチレン単位を含み、且つ、上記の範囲内の重量平均分子量であることが最も好ましい。
なお、光硬化性樹脂(例えば、UV硬化性樹脂)以外の樹脂を用いて接着剤層30を形成することが好ましい。光硬化性樹脂以外の樹脂を用いることで、接着剤層30の剥離又は除去の後に、被支持基板の微小な凹凸の周辺に残渣が残ることを防ぐことができる。特に、接着剤層30を構成する接着剤としては、あらゆる溶剤に溶解するものではなく、特定の溶剤に溶解するものが好ましい。これは、基板10に物理的な力を加えることなく、接着剤層30を溶剤に溶解させることによって除去可能なためである。接着剤層30の除去に際して、強度が低下した基板10からでさえ、基板10を破損させたり、変形させたりせずに、容易に接着剤層30を除去することができる。
(希釈溶剤)
接着剤層30を形成するときに使用する希釈溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、メチルオクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン等の直鎖状の炭化水素、炭素数4から15の分岐状の炭化水素、例えば、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ナフタレン、デカヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン等の環状炭化水素、p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン、ジフェニルメンタン、1,4−テルピン、1,8−テルピン、ボルナン、ノルボルナン、ピナン、ツジャン、カラン、ロンギホレン、ゲラニオール、ネロール、リナロール、シトラール、シトロネロール、メントール、イソメントール、ネオメントール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、テルピネン−1−オール、テルピネン−4−オール、ジヒドロターピニルアセテート、1,4−シネオール、1,8−シネオール、ボルネオール、カルボン、ヨノン、ツヨン、カンファー、d−リモネン、l−リモネン、ジペンテン等のテルペン系溶剤;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン(CH)、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類又は前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体(これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい);ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル等の芳香族系有機溶剤等を挙げることができる。
(その他の成分)
接着剤層30を構成する接着剤は、本質的な特性を損なわない範囲において、混和性のある他の物質をさらに含んでいてもよい。例えば、接着剤の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、接着補助剤、安定剤、着色剤、熱重合禁止剤及び界面活性剤等、慣用されている各種添加剤をさらに用いることができる。
〔変形例〕
本実施形態に係る積層体は、上記の実施形態に限定されない。例えば、変形例として、積層体51は、上記第1ノッチ(第1切り欠き部)11’が上記第2ノッチ21よりも基板10’の中心点側に位置するようにして上記基板10と上記サポートプレート20とが積層され、上記接着剤層受容部は、上記第2ノッチ21における、上記第1ノッチ11’よりも基板10’の中心点から見て外側に位置する構成にすることができる(図2の(a)及び(b))。
上記構成の場合には、基板10’におけるサポートプレート20の第2ノッチ21との対向部位、つまり、基板10’における第1ノッチ11’の切り欠きされた面に接着剤層受容部が形成される。
ここで、基板10’の第1ノッチ11’の先端11’aは、サポートプレート20における第2ノッチ21の先端21aより基板10’の中心点側に位置している。また、基板10’におけるトリム深さaが浅くても、ノッチ深さcが、サポートプレート20の第2ノッチ21の先端21aよりも深い。これによって、基板10’とサポートプレート20とを接着剤層30を介して積層するときに、接着剤層30が第2ノッチ21にまで伸展する前に、接着剤層30を接着剤層受容部に受容することができる。このため、接着剤層30が第2ノッチ21にまで伸展することを防止することができる(図2の(b))。
その後、積層体51の基板10’を薄化すれば、光学アライメント装置によって第2ノッチ21に光を照射したときに、第2ノッチにまではみ出した接着剤層30によって光が遮断されることがない(図2の(c))。従って、第2ノッチ21を用い、積層体50の向きを検知することができる。
また、一例として、積層体における基板とサポートプレートとの間には、貼り付けを妨げない限り、接着剤層以外の他の層がさらに形成されていてもよい。例えば、サポートプレートと接着剤層との間に、光を照射することによって変質する分離層が形成されていてもよい。分離層が形成されていることにより、基板の薄化、搬送、実装等のプロセス後に光を照射することで、基板とサポートプレートとを容易に分離することができる。
<積層板の製造方法>
次に、図3を用いて本発明の一実施形態に係る積層体50の製造方法についてより詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る積層体50の製造方法及び基板の処理方法の概略を説明する図である。
図3の(a)〜(f)に示す通り、本実施形態に係る積層体50の製造方法は、基板10に、本発明に係る積層体50が備える接着剤層受容部12を形成する基板加工工程(図1の(a)及び(b))と、上記基板10における上記接着剤層受容部12を形成した側の面に上記接着剤層30を形成する接着剤層形成工程(図3の(c))と、上記基板10上に形成された上記接着剤層30の外周部分を除去する接着剤層外周部分除去工程(図3の(d))と、上記第1ノッチ(切り欠き部)11の少なくとも一部と上記第2ノッチ(切り欠き部)21の少なくとも一部とが互いに重なるように、上記基板10と上記サポートプレート(支持体)20とを接着剤層30を介して積層する積層工程(図1の(f))と、を包含している。
〔基板加工工程〕
図3の(a)及び(b)に示す通り、基板加工工程では、基板10に、本発明に係る積層体50が備える接着剤層受容部12を形成する。ここで、基板加工工程では、基板10の第1ノッチ11の周縁部分を切り出すことによって接着剤層受容部12を形成する。
接着剤層受容部12は、〔積層体〕の欄に示す通り、トリム深さaが、図1の(b)に示す第1ノッチ11の先端11aから、0.3mm以上、2.0mm以下の範囲内の深さを得られるように基板を切り出することによって形成するとよい。また、基板10の平面部からの基板10の厚さ方向において、トリム高さbが、0.05mm以上、0.375mm以下の範囲内になるように基板10を切り出すことにより形成するとよい。
基板10の第1ノッチ11の周縁部分を切り出すためには、例えば、周知のダイシングに用いられる切削装置を用いることができる。また、基板10の平面部から所定のトリム高さbまでを切削するように切削装置のブレードの位置を調整し、基板10における第1ノッチ11の周縁部分を切削するように、第1ノッチ11から基板10の中心点に向かって移動させることで、接着剤層受容部12を所定のトリム深さaにまで切削すればよい。
なお、基板加工工程では、一例として、基板10の第1ノッチ11’がサポートプレートの第2ノッチ21よりも大きくなるように基板10を加工してもよい。これによって、第2ノッチ21よりも基板10の中心点側に基板10’の第1ノッチ11’を位置させることができる。これによって、本実施形態の変形例である積層体51に用いる基板10’を形成することができる。
〔接着剤層形成工程〕
次に、図3の(c)に示す通り、接着剤層形成工程では、上記基板10における上記接着剤層受容部12を形成した側の面に上記接着剤層30を形成する。
接着剤層形成工程では、例えば、スピンコート、ディッピング、ローラーブレード、スプレー塗布、スリット塗布等の方法により、接着剤層30を形成することができる。また、接着剤層30は、例えば、接着剤を直接、基板10に塗布する代わりに、接着剤が両面に予め塗布されているフィルム(いわゆる、両面テープ)を、基板10に貼付することで形成してもよい。
ここで、接着剤層30の厚さは、貼り付けの対象となる基板10及びサポートプレート20の種類、貼り付け後の基板10に施される処理等に応じて適宜設定すればよい。ここで、接着剤層30の厚さは、10μm以上、150μm以下の範囲内であることが好ましく、15μm以上、100μm以下の範囲内であることがより好ましい。接着剤層30の厚さが10μm以上、150μm以下の範囲内であれば、基板10とサポートプレート20との間に隙間を形成することなく、基板10とサポートプレート20とを貼り付けることができる。また、基板10の接着剤層受容部12に過剰な接着剤層が流入することを防止することができる。
〔接着剤層外周部分除去工程〕
次に、図3の(d)に示す通り、接着剤層外周部分除去工程では、上記基板10上に形成された上記接着剤層30の外周部分を除去する。これにより、後の積層工程において、基板10とサポートプレート20とを貼り合わせたときに、接着剤層30が積層体50からはみ出してしまうことを好適に抑制することができる。また、第1ノッチ11にまで塗布された接着剤層30を好適に除去することができる。
一例において、接着剤層30の膜厚を例えば50μmとした場合、基板の外周部分の端部から2mm以下、好ましくは0.5mm以上、0.8mm以下の範囲の幅で、接着剤層30の基板10上における外周部分を除去することが好ましい。これにより、積層工程において、接着剤層30が積層体50からはみ出すことを好適に抑制することができる。
基板10上における外周部分に形成された接着剤層30を除去する方法としては、公知の方法を用いればよく、特に限定されないが、例えば、接着剤層30の外周部分に対して溶解液をスプレーしてもよいし、ディスペンスノズルを用いて溶解液を供給してもよい。また、溶解液のスプレー、供給等は、基板10を回転させながら行ってもよい。
なお、接着剤層30の溶解液は、接着剤の種類に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、例えば、上述した希釈溶剤として使用される溶剤を用いることができ、特に、直鎖状の炭化水素、炭素数4から15の分岐状の炭化水素、モノテルペン類、ジテルペン類等の環状の炭化水素(テルペン類)を好適に使用することができる。
〔積層工程〕
次に、図3の(f)に示す通り、積層工程では、上記第1ノッチ11の少なくとも一部と上記第2ノッチ21の少なくとも一部とが互いに重なるように、上記基板10と上記サポートプレート20とを接着剤層30を介して積層する(図3の(f))。これにより、基板10におけるサポートプレート20の第2ノッチ21との対向部位に接着剤層受容部12が設けられるように、積層体50が積層される。ここで、積層前の段階では、基板10に設けられた第1ノッチ11は薄化されず残っている。このため、第1ノッチ11は、貼付装置が備えている光学アライメント装置などによって光学的に検知可能である。従って、第1ノッチ11と第2ノッチ21との検知不良を生じることなく、基板10とサポートプレート20とを貼り付けることができる。
また、基板10とサポートプレート20とを第1ノッチ11と第2ノッチ21とが互いに重なるように接着剤層30を介して貼り付けるときに、第1ノッチ11と第2ノッチ21に向かって流動する接着剤層30を接着剤層受容部12に受容することができる。これにより、接着剤層30が第2ノッチ21にまで伸展することを防止することができる。従って、後の工程において、第2ノッチ21の検知不良を防止することができる。従って、積層体50の向きを正確に検知することができる。
<基板の処理方法>
図3を用いて、本発明の一実施形態に係る基板の処理方法についてより詳細に説明する。本実施形態に係る基板10の処理方法では、本発明に係る積層体50を製造する積層体製造工程(図3の(a)〜(f))と、上記積層体製造工程の後、上記基板を研削することによって薄化する薄化工程(図3の(g))と、を包含している。
〔薄化工程〕
図3の(g)に示す通り、薄化工程では、積層体50の基板10を、グラインダなどの研削装置によって所望の厚さまで研削する。ここで、薄化工程では、例えば、積層体50における基板10は、図1の(b)に示す薄化ラインまで研削される。このため、サポートプレート20の第2ノッチ21は、光学アライメント装置によって照射される光を遮断することを防止することができる(図1の(c))。薄化工程は、基板10を薄化するための工程であり、積層体50の向きを特定することなく行なうことができる。従って、第1ノッチ11にまで接着剤層30がはみ出していても、薄化工程によって基板10が薄化されることで、後の工程において、第2ノッチ21を検知することができる。このため、積層体50の向きを的確に検知することができる。
〔他の工程〕
薄化工程の後、基板10にはフォトリソグラフィ工程などの様々な工程を行なうことにより回路が形成される。このため、積層体50は、様々な工程を行なうために他の装置に搬送される。ここで、積層体50は、第2ノッチ21にまで接着剤層30が伸展していないため、第2ノッチ21によって積層体50の向きを的確に特定することができる。従って、様々な工程において、積層体50における基板10の表面に、的確な向きで回路を形成することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、例えば、微細化された半導体装置の製造工程において広範に利用することができる。
10 基板
10’ 基板
11 第1ノッチ(第1切り欠き部)
11’ 第1ノッチ(第1切り欠き部)
12 接着剤層受容部
20 サポートプレート(支持体)
21 第2ノッチ(第2切り欠き部)
30 接着剤層
50 積層体
51 積層体

Claims (6)

  1. 第1切り欠き部を備えた基板と、第2切り欠き部を備えた支持体とを、接着剤層を介して積層してなる積層体であって、
    上記基板と上記支持体とは、上記第1切り欠き部の少なくとも一部と上記第2切り欠き部の少なくとも一部とが互いに重なるように接着剤層を介して積層されており、
    上記基板における上記支持体の第2切り欠き部との対向部位には、上記基板と上記支持体とを積層したときに上記第2切り欠き部に向かって流動する上記接着剤層を受容する接着剤層受容部が設けられており、
    上記接着剤層受容部は、上記基板の外周から上記基板の中心点に向かう方向において、上記第1切り欠き部の周縁部分を切り出した段差部からなることを特徴とする積層体。
  2. 上記段差部は、上記基板の外周から上記基板の中心点に向かう方向における上記第1切り欠き部の先端から、0.3mm以上、2.0mm以下の範囲内の深さで当該方向に切り出されることによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 上記段差部は、上記基板の厚さ方向において、上記基板の平面部から0.05mm以上、0.375mm以下の範囲内で上記第1切り欠き部の周縁部分が切り出されることによって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 上記第1切り欠き部の先端が上記第2切り欠き部の先端よりも基板の中心点側に位置するようにして上記基板と上記支持体とが積層され、上記接着剤層受容部は、上記基板の第1切り欠き部における、切り欠きされた面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  5. 第1切り欠き部を備えた基板と、第2切り欠き部を備えた支持体とを、接着剤層を介して積層してなる積層体であって、
    上記基板と上記支持体とは、上記第1切り欠き部の少なくとも一部と上記第2切り欠き部の少なくとも一部とが互いに重なるように接着剤層を介して積層されており、
    上記基板における上記支持体の第2切り欠き部との対向部位には、上記基板と上記支持体とを積層したときに上記第2切り欠き部に向かって流動する上記接着剤層を受容する接着剤層受容部が設けられている積層体が備える接着剤層受容部を、基板形成する基板加工工程と、
    上記基板における上記接着剤層受容部を形成した側の面に上記接着剤層を形成する接着剤層形成工程と、
    上記基板上に形成された上記接着剤層の外周部分を除去する接着剤層外周部分除去工程と、
    上記第1切り欠き部の少なくとも一部と上記第2切り欠き部の少なくとも一部とが互いに重なるように、上記基板と上記支持体とを接着剤層を介して積層する積層工程と、を包含していることを特徴とする積層体の製造方法。
  6. 請求項5に記載の積層体の製造方法によって積層体を製造する積層体製造工程と、
    上記積層体製造工程の後、上記基板を研削することによって薄化する薄化工程と、を包含していることを特徴とする基板の処理方法。
JP2013259497A 2013-12-16 2013-12-16 積層体、積層体の製造方法、及び基板の処理方法 Active JP6321366B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013259497A JP6321366B2 (ja) 2013-12-16 2013-12-16 積層体、積層体の製造方法、及び基板の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013259497A JP6321366B2 (ja) 2013-12-16 2013-12-16 積層体、積層体の製造方法、及び基板の処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015116667A JP2015116667A (ja) 2015-06-25
JP6321366B2 true JP6321366B2 (ja) 2018-05-09

Family

ID=53529878

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013259497A Active JP6321366B2 (ja) 2013-12-16 2013-12-16 積層体、積層体の製造方法、及び基板の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6321366B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2715176B2 (ja) * 1990-03-13 1998-02-18 富士写真フイルム株式会社 光記録媒体
JPH0472322U (ja) * 1990-10-31 1992-06-25
JP2004119943A (ja) * 2002-09-30 2004-04-15 Renesas Technology Corp 半導体ウェハおよびその製造方法
JP2010287816A (ja) * 2009-06-15 2010-12-24 Canon Inc 基板の位置合わせ装置、及び基板の位置合わせ方法
JP5406257B2 (ja) * 2011-09-07 2014-02-05 東京エレクトロン株式会社 接合方法、プログラム、コンピュータ記憶媒体及び接合システム
JP4981190B1 (ja) * 2011-12-08 2012-07-18 信越エンジニアリング株式会社 貼合デバイスの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015116667A (ja) 2015-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6446290B2 (ja) 接着剤組成物、積層体及び剥離方法
US9837298B2 (en) Method for manufacturing laminate, method for manufacturing sealed substrate laminate, sealed substrate laminate, and sealed substrate
JP6470414B2 (ja) 支持体分離装置及び支持体分離方法
JP6128970B2 (ja) 接着剤組成物、接着フィルム、貼付方法、および処理方法
JP2014037458A (ja) 接着剤組成物、接着フィルムおよび貼付方法
US20190091979A1 (en) Laminate production method, substrate processing method, and laminate
JP6030358B2 (ja) 積層体
JP6353662B2 (ja) 接着剤積層体及びその利用
KR102356894B1 (ko) 첩부 방법
TWI643922B (zh) 接著劑組成物及接著薄膜
JP6194394B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP6321366B2 (ja) 積層体、積層体の製造方法、及び基板の処理方法
JP6244183B2 (ja) 処理方法
JP6055354B2 (ja) 基板の処理方法
JP6247871B2 (ja) 積層体、積層体形成キットおよび積層体形成方法
JP2017144615A (ja) 積層体、積層体の製造方法、及び基板の処理方法
JP6871337B2 (ja) 積層体の製造方法および基板の処理方法
JP6606406B2 (ja) 積層体の製造方法および基板の処理方法
JP6295066B2 (ja) 処理方法
JP2015046514A (ja) 積層体の製造方法及び積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160912

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170619

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170718

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180320

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180405

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6321366

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350