JP6320413B2 - シクロヘキサノンオキシムのベックマン転位からの精製カプロラクタムの製造方法 - Google Patents

シクロヘキサノンオキシムのベックマン転位からの精製カプロラクタムの製造方法 Download PDF

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Description

本明細書は、濃硫酸又は発煙硫酸でのシクロヘキサノンオキシムのベックマン転位により取得される、カプロラクタムを精製する方法もしくは精製カプロラクタムを製造する方法に関する。シクロヘキサノンのオキシム化に必要とされる硫酸ヒドロキシルアンモニウムは、その際に、好ましくは、パラジウム又は白金を含有する触媒での希硫酸中での水素での一酸化窒素の水素化により製造される。シクロヘキサノンの該オキシム化は、アンモニアを絶えず添加しながら、硫酸ヒドロキシルアンモニウムを用いて行われる。
硫酸又は発煙硫酸で液相中でシクロヘキサノンオキシムを転位させてカプロラクタム硫酸塩にすることによりカプロラクタムを製造するには、大工業的に2つの方法が実施される。これらは、とりわけ、そのヒドロキシルアンモニウム塩及びそのシクロヘキサノンオキシムの製造が、そのオキシム化における条件の点、及びそれに応じて該ベックマン転位の際に得られるカプロラクタム硫酸塩から純カプロラクタムへの精製における条件の点でも、相違する(J. Ritz et al., Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第6版, Vol. 6, pp. 185-205)。
硝酸イオンを、いわゆるHPO(hydroxylamine phosphate oxime)法により、パラジウム触媒及びリン酸塩緩衝液の存在下で水素で水素化して、ヒドロキシルアンモニウム塩にし、これを次いでシクロヘキサノンと反応させてシクロヘキサノンオキシムにすることは知られている。遊離するリン酸塩緩衝液は、改めて硝酸と混合され、かつ該水素化へ返送される(Hans-Juergen Arpe, Industrielle Organische Chemie, Wiley-VCH-Verlag, 第6版, pp. 280-283)。
該シクロヘキサノンオキシムのベックマン転位は、硫酸又は発煙硫酸を用いて実施される。その際に生じるカプロラクタム硫酸塩及び過剰の硫酸は、アンモニアと反応して、カプロラクタム及び硫酸アンモニウムになる。
EP 1 423 361 B1 (DSM)、第5頁、[0031]からは、オキシム化及びベックマン転位の後に、該カプロラクタム硫酸塩とアンモニアとの反応の際に得られるカプロラクタムが、抽出により分離されることがわかる。該抽出物流は、一連の処理工程において精製される。これらの工程は、イオン交換による及び接触水素化による精製を包含する。水素化は、例えばWO 03/045911に記載されたように、不飽和7員ラクタムをカプロラクタムへ変換し、こうして該カプロラクタム品質を改良するために行われる。
カプロラクタム約85質量%、水約15質量%及び少量の不純物を含有する生成物流は、一連の蒸発器中で脱水され、その際に、該蒸発器中の温度は80〜125℃である。該蒸発器中の全滞留時間は3時間である。
該水分離は、カプロラクタム1kgあたり全部で20mmol未満のカセイソーダ液の存在下で行われる。このためには、該カセイソーダ液は、該カプロラクタムに、該蒸発器の前方で添加される。このカセイソーダ液は、カプロラクタムと反応して、6−アミノカプロン酸のNa塩となる。この塩は、DD-A-202870によれば、カセイソーダ液と同じ精製効果を有するが、しかしカセイソーダ液とは異なり、カプロラクタムのオリゴマー化を引き起こさない。
水をわずかに0.5質量%のみ含有するカプロラクタム流は、二つの工程において減圧で蒸留される。第一工程において、低沸点不純物及び水は、第一蒸留塔において、175℃の塔底温度、5.2kPaの圧力及び数分(mehreren Minuten)の滞留時間で分離される。第二蒸留塔において、塔中の高沸点不純物が、133℃の塔底温度、1.2kPaの圧力及び1時間の滞留時間で、分離される。
EP 1 423 361 B1によるベックマン転位の反応流出物の後処理にとって不利であるのは、多数の精製工程:カプロラクタム抽出、カプロラクタム逆抽出、イオン交換、接触水素化、脱水、蒸留によるカプロラクタム精製である。これにより、高い投資コスト、運転コスト及び補修コストが生じる。特に強調されうるのは、その際に、触媒が高い実用寿命を有しなければならない水素化、及び定期的に再生されなければならないイオン交換体である。そのうえ、その規格仕様に対応するカプロラクタムは得られない、それというのも、そのE290値が0.05を上回るからである。
ゆえに、より少ない数の精製工程で足り、より少ない運転コストをもたらし、かつ好ましくは、その規格仕様に対応する、より高い品質のカプロラクタムを与える、硫酸又は発煙硫酸でのシクロヘキサノンオキシムのベックマン転位により製造されるカプロラクタムを後処理及び精製する方法を提供するという課題が存在していた。
前記課題は、本発明によれば、精製カプロラクタムの製造方法により解決され、該方法は、以下の工程:
a)シクロヘキサノンオキシムのベックマン転位から得られた粗カプロラクタムを、有機抽出剤で抽出する工程、
b)工程a)からの有機相を分離する工程、
c)該有機抽出剤を、工程b)からの有機相から、蒸留により分離して、含水抽出物ラクタムを得る工程、その際に、該蒸留による分離の前に、アルカリ金属水酸化物水溶液を、カプロラクタム1kgあたり0〜10mmolのアルカリ金属水酸化物の量で添加し、
d)カプロラクタム1kgあたり0〜30mmolのアルカリ金属水酸化物を、工程c)からの含水抽出物ラクタムに添加する工程、
e)工程d)からの、アルカリ金属水酸化物、好ましくはNaOHと混合された含水抽出物ラクタムを蒸留により脱水する工程、
f)工程e)からのカプロラクタムから、カプロラクタムよりも低い沸点及び高い沸点を有する副生物を、蒸留により取り除く工程
を含み、その際に、工程c)及びd)において、カプロラクタム1kgあたり併せて少なくとも1.5mmolのアルカリ金属水酸化物が添加される。本方法において全部で添加されるアルカリ金属水酸化物量は、それに応じて、カプロラクタム1kgあたり少なくとも2mmolである。
工程c)及びd)におけるアルカリ金属水酸化物の最小量は併せて、好ましくは、カプロラクタム1kgあたり1.5〜15mmolのアルカリ金属水酸化物の範囲内である。
アルカリ金属水酸化物として、好ましくはNaOH又はKOH、特にNaOHが、使用される。
その際に、好ましくは工程d)において、カプロラクタム1kgあたり、1.5〜30mmol、特に好ましくは1.75〜20mmol、特に1.75〜14mmol、殊に1.75〜10mmolのアルカリ金属水酸化物、好ましくはNaOHが添加される。
好ましくは、工程e)において、該滞留時間は、30分未満、特に好ましくは20分未満である。
好ましくは、工程a)における有機溶剤は、トルエン又はベンゼンである。
好ましくは、工程e)及び/又はf)において、その底部温度は、160℃を超えず、特に好ましくは150℃を超えない。
好ましくは、脱水されたカプロラクタムは、工程e)の終了時に、0.15〜0.25質量%の水を含有する。
好ましくは、その際に、工程e)における圧力は、少なくとも1つの蒸留段階において20〜100mbar、特に好ましくは30〜60mbar(頭部圧力)である。
好ましくは、工程f)における圧力は、2〜20mbar、特に好ましくは4〜10mbar、特に5〜8mbar(頭部圧力)である。
好ましくは、工程c)において、カプロラクタム1kgあたり、0.5〜6mmol、更に好ましくは1〜4mmol、特に好ましくは2〜3mmol、特に2.5mmolのアルカリ金属水酸化物が添加される。
本発明の実施態様によれば、工程c)及びd)において添加されるアルカリ金属水酸化物の全量は、カプロラクタム1kgあたり最大14mmol、好ましくは最大12.5mmolのアルカリ金属水酸化物、好ましくはNaOHである。
該ベックマン転位において使用されるシクロヘキサノンオキシムは、硫酸ヒドロキシルアンモニウムでのシクロヘキサノンのオキシム化により製造することができる。該硫酸ヒドロキシルアンモニウムは、その際に、好ましくは硫酸の存在下での一酸化窒素の接触水素化により、得られる。
該カプロラクタムを製造し、かつ精製する個々の工程は、以下に、より詳細に説明される。
シクロヘキサノンオキシムのベックマン転位(a)
シクロヘキサノンオキシムの製造に必要とされるシクロヘキサノンは、シクロヘキサンを空気で酸化してシクロヘキサノール及びシクロヘキサノンの混合物(“アノロン(Anolon)”)にし、該アノロンをシクロヘキサノールとシクロヘキサノンとに蒸留により分離し、該シクロヘキサノールを脱水素してシクロヘキサノンにすることにより、取得することができる。
更に、フェノールを一段で水素化してシクロヘキサノンにすることが可能である。
最後に、シクロヘキサノンは、シクロヘキセンを水和してシクロヘキサノールにし、引き続き該シクロヘキサノールを脱水素することにより、製造することができる。
シクロヘキサノンのオキシム化に使用される硫酸ヒドロキシルアンモニウムは、好ましくは、(希)硫酸の存在下での白金又はパラジウムを含有する触媒上での水素での一酸化窒素の水素化により、取得される。
好ましくは一酸化窒素の水素化の際に得られる、硫酸ヒドロキシルアンモニウム溶液は、シクロヘキサノン及びアンモニアと、すなわちpH制御された条件下で、反応されて、シクロヘキサノンオキシム及び硫酸アンモニウムになる。
該シクロヘキサノンオキシムのベックマン転位のために、連続的に、濃(98%の)硫酸又は発煙硫酸(過剰の三酸化硫黄を含有する硫酸)を用いて変換される。
次いで、オキシム溶融物及び発煙硫酸が、冷却しながら、既に転位された生成物中へ導通される。該ベックマン転位の際に迅速な反応において生じるカプロラクタム硫酸塩及び過剰の硫酸は、アンモニア水で中和される。その際に、二相混合物が生じ、該混合物は、下相として水性硫酸アンモニウム及び上相としてカプロラクタム60〜80質量%及び水20〜40質量%を含有する。
双方の該液相は分離される。該硫酸アンモニウム相は、脱水され、かつ結晶化される。
カプロラクタム抽出及び抽出剤返送(a)、(b)、(c)
該水性粗カプロラクタム相は、有機溶剤、好ましくはトルエン又はベンゼンで、抽出される。その際に、二相抽出物が得られる。上相として、トルエン又はベンゼン中のカプロラクタムの溶液が生じる。下相として、カプロラクタムから取り除かれた水が生じ、該水は、本方法の他の箇所で使用することができるか又は廃棄される。
抽出剤及びカプロラクタムの蒸留による分離の前に、該抽出物に、好ましくは、希釈されていてよいアルカリ金属水酸化物水溶液が添加される。アルカリ金属水酸化物として、その際に、好ましくは水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム、特に水酸化ナトリウムが考慮に値する。水酸化ナトリウム溶液は、1〜30質量%、好ましくは2〜10質量%、特に2.5〜3質量%の水溶液であると理解されうる。典型的には、該アルカリ金属水酸化物は、カプロラクタム1kgあたり0〜10mmol、好ましくはカプロラクタム1kgあたり0.5〜6mmol、より好ましくはカプロラクタム1kgあたり1〜4mmolの量で、使用される。
該抽出剤は、留去され、かつ該抽出段階へ返送される。該抽出剤の蒸留による分離は、当業者に知られ、適したあらゆる装置中で実施することができる。この蒸留に適しているのは、例えば:Kirk-Othmer, Encyclopedia of Chemical Technology, 第4版, Vol. 8, John Wiley & Sons, New York, 1996, pp. 334 - 348に記載されているような装置、例えばシーブトレイ塔、バブルキャップトレイ塔、規則充填塔、不規則充填塔又は単一段蒸発器、例えば流下薄膜型蒸発器、薄膜型蒸発器、フラッシュ蒸発器、多相スパイラルチューブ蒸発器、自然循環蒸発器又は強制循環フラッシュ蒸発器である。該蒸留は、複数の、例えば2又は3つの装置、好ましくは1つの装置中で、実施することができる。
適した条件のためには、そのうえ、EP-B-1 423 361を参照することができる。再抽出及びイオン交換体での処理による及び/又は水素化による該粗カプロラクタム又は抽出物ラクタム又はカプロラクタムの精製は、本発明によれば行われない。
カプロラクタム脱水(d)、(e)
該抽出剤の蒸留による分離後に得られる抽出物ラクタムは、70〜99質量%、好ましくは85〜99質量%、特に90〜98質量%のカプロラクタム及び1〜30質量%、好ましくは1〜15質量%、特に2〜10質量%の水を含有する。
この含水抽出物ラクタムに、該抽出物ラクタム中のカプロラクタム1キログラムあたり、0〜30mmol、好ましくは1.5〜30mmol、更に好ましくは1.75〜20mmol、より好ましくは1.75〜10mmol、よりいっそう好ましくは1.75〜7.5mmol、特に好ましくは4〜6mmolのアルカリ金属水酸化物、好ましくはカセイソーダ液が、好ましくは1〜30質量%、好ましくは2〜10質量%の水性カセイソーダ液の形態で、計量供給される。該カプロラクタムは、次いで蒸留により脱水され、その際に、底部温度は、160℃を好ましくは超えない。好ましくは20〜100mbarの圧力範囲内で、少なくとも1つの蒸留段階において操作される。該全滞留時間は、好ましくは30分未満、特に好ましくは20分未満である。
大幅に脱水されたカプロラクタムは、好ましくは、0.15〜0.25質量%の水をなお含有する。
カプロラクタム蒸留(f)
大幅に脱水されたカプロラクタムは引き続き、その底部温度が160℃を超えないように減圧で蒸留される。該圧力は、その際に、好ましくは2〜20mbar、特に好ましくは4〜10mbar、特に5〜8mbarである。該蒸留の際に、該カプロラクタムから、カプロラクタムよりも低い沸点及び高い沸点を有する副生物が取り除かれる。
該カプロラクタム蒸留は、当業者に知られ、適したあらゆる装置中で実施することができる。この蒸留に適しているのは、例えば:Kirk-Othmer, Encyclopedia of Chemical Technology, 第4版, Vol. 8, John Wiley & Sons, New York, 1996, pp. 334 - 348に記載されているような装置、例えばシーブトレイ塔、バブルキャップトレイ塔、規則充填塔、不規則充填塔又は単一段蒸発器、例えば流下薄膜型蒸発器、薄膜型蒸発器、フラッシュ蒸発器、多相スパイラルチューブ蒸発器、自然循環蒸発器又は強制循環フラッシュ蒸発器である。
本発明は、以下の例によって、より詳細に説明される。
例1
シクロヘキサノンオキシムのベックマン転位によるカプロラクタムを製造する連続法において大幅に無水のカプロラクタムを製造するために、まず最初にシクロヘキサノンを、希硫酸とパラジウムを含有する触媒との存在下での水素での一酸化窒素の水素化により製造された硫酸ヒドロキシルアンモニウム溶液と反応させて、シクロヘキサノンオキシムにした。過剰の硫酸を、絶えずアンモニアを添加しながら、中和し、生じた硫酸アンモニウムを分離した。
こうして得られたシクロヘキサノンオキシムを、発煙硫酸を用いて転位させてカプロラクタム硫酸塩にした。カプロラクタム硫酸塩及び過剰の硫酸を、アンモニアで中和した。
その際に生じる二相混合物を分離させ、かつ硫酸アンモニウム水溶液を除去し、排出した。
該含水粗カプロラクタム相を、トルエンで、前記のように抽出した。該二相抽出物を、相分離により互いに分離させた。該水相を廃棄した。該カプロラクタムを含有する有機相から、該トルエンを、カプロラクタム1kgあたり2.5mmolのNaOHの添加後に、蒸留により分離し、該抽出段階へ返送した。こうして得られた抽出物ラクタムは、4〜10質量%の水を含有していた。
例2a〜2f
例1において得られ、4〜10質量%の含水量を有する抽出物ラクタムを、第1表に示された量の2.5質量%水性カセイソーダ液(抽出物ラクタム1kgあたり1.25〜10mmolのNaOH)と混合した。直列に接続された2つの蒸発器において、該抽出物ラクタムを前記のように脱水し、減圧で2つの塔において蒸留により精製した。第一塔において、水と、カプロラクタムよりも低い沸点を有する不純物とを、頭部生成物として除去した。
第一塔の底部生成物を、第二蒸留塔において更に精製した。その際に、カプロラクタムに比べて高沸点の不純物を、底部を介して除去し、仕様に適合されたカプロラクタムが取得された。
第1表
Figure 0006320413
PAN、E290、VB(揮発性塩基)の値の測定を、EP-B-1 423 361の第1表に記載されたように、アルカリ度の測定を、田代の指示薬に対する0.01モル濃度HCl水溶液での滴定により、行った。
Ullmann′s Encyclopedia of Industrial Chemistry, 第6版, Vol. 6, p. 200には、該カプロラクタム規格仕様について次の値が示されている:
・過マンガン酸吸収数(PAN):最大5
・吸光度290nm(E290):最大0.05
・揮発性塩基(VB):最大0.5meq/kg。
該限界値は、本発明によれば遵守される。
EP 1 423 361 B1における第1表と、前記の第1表との比較を、以下に示す:
・本発明による方法における精製段階の数がより少ないにもかかわらず、該カプロラクタム仕様を遵守するのに必要とされるカセイソーダ液量は、EP 1 423 361 B1におけるよりも、ほんの少しだけ多い(EP 1 423 361 B1におけるカプロラクタム1kgあたり0.3mmolのNaOHに比べて、例2e:カプロラクタム1kgあたり1.75mmolのNaOH)。
・そのうえ、本発明による方法は、EP 1 423 361 B1よりも良好なPAN値及びE290値を与える。
・最後に、―本発明とは異なり―EP 1 423 361 B1、例II〜IXにおけるE290値は、仕様に適合していない。
・NaOH量の低下に伴うPAN値及びE290値の改善が、確かにEP 1 423 361 B1において観察されるが、しかし本発明によれば観察されない。例V2fにおいて、カプロラクタム1kgあたり1.25mmolのNaOHの場合に、そのE290仕様は満たされない。

Claims (10)

  1. 精製カプロラクタムを製造する方法であって、以下の工程:
    a)シクロヘキサノンオキシムのベックマン転位から得られた粗カプロラクタムを、有機抽出剤で抽出する工程、
    b)工程a)からの有機相を分離する工程、
    c)該有機抽出剤を、工程b)からの有機相から、蒸留により分離して、含水抽出物ラクタムを得る工程、その際に、該蒸留による分離の前に、アルカリ金属水酸化物水溶液を、カプロラクタム1kgあたりアルカリ金属水酸化物0.5〜6mmolの量で添加し、
    d)カプロラクタム1kgあたり0〜30mmolのアルカリ金属水酸化物を、工程c)からの含水抽出物ラクタムに添加する工程、
    e)工程d)からの含水抽出物ラクタムであって、工程c)において或いは工程c)及びd)においてアルカリ金属水酸化物と混合された含水抽出物ラクタムを蒸留により脱水する工程、
    f)工程e)からのカプロラクタムから、カプロラクタムよりも低い沸点及び高い沸点を有する副生物を、蒸留により取り除く工程
    を含み、その際に、工程c)及びd)において、カプロラクタム1kgあたり併せて少なくとも1.5mmolのアルカリ金属水酸化物を添加する、
    精製カプロラクタムを製造する方法。
  2. 工程d)において、カプロラクタム1kgあたり1.5〜30mmolのアルカリ金属水酸化物を添加する、請求項1記載の方法。
  3. 工程e)において、その滞留時間が30分未満である、請求項1又は2記載の方法。
  4. 工程a)における有機溶剤が、トルエン又はベンゼンである、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 工程e)及び/又はf)において、その底部温度が160℃を超えない、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 工程e)において、その圧力が、少なくとも1つの蒸留段階において20〜100mbar(頭部圧力)である、請求項5記載の方法。
  7. 工程f)において、その圧力が、2〜20mbar(頭部圧力)である、請求項5又は6記載の方法。
  8. 該ベックマン転位において使用されるシクロヘキサノンオキシムが、硫酸の存在下での一酸化窒素の接触水素化により得られた硫酸ヒドロキシルアンモニウムでのシクロヘキサノンのオキシム化により製造される、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 工程d)において、カプロラクタム1kgあたり1.75〜14mmolのアルカリ金属水酸化物を添加する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 工程c)及びd)において添加されるアルカリ金属水酸化物の全量が、カプロラクタム1kgあたり最大14mmolである、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
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