JPH08193061A - ε−カプロラクタムの製造方法 - Google Patents
ε−カプロラクタムの製造方法Info
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- JPH08193061A JPH08193061A JP340295A JP340295A JPH08193061A JP H08193061 A JPH08193061 A JP H08193061A JP 340295 A JP340295 A JP 340295A JP 340295 A JP340295 A JP 340295A JP H08193061 A JPH08193061 A JP H08193061A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 シクロヘキセンの水和反応により得られるシ
クロヘキサノールを脱水素反応によりシクロヘキサノン
とし、次いで、ヒドロキシルアミンと反応させてシクロ
ヘキサノンオキシムとし、更にベックマン転位させてε
−カプロラクタムを製造する方法において、脱水素反応
に供されるシクロヘキサノール中に含まれるシクロペン
テンカルバルデヒドを50ppm以下とすることを特徴
とするε−カプロラクタムの製造方法。 【効果】 本発明の方法によれば、従来の品質に劣らな
いε−カプロラクタムを安価に製造することが可能とな
り、産業上有用である。
クロヘキサノールを脱水素反応によりシクロヘキサノン
とし、次いで、ヒドロキシルアミンと反応させてシクロ
ヘキサノンオキシムとし、更にベックマン転位させてε
−カプロラクタムを製造する方法において、脱水素反応
に供されるシクロヘキサノール中に含まれるシクロペン
テンカルバルデヒドを50ppm以下とすることを特徴
とするε−カプロラクタムの製造方法。 【効果】 本発明の方法によれば、従来の品質に劣らな
いε−カプロラクタムを安価に製造することが可能とな
り、産業上有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、出発原料をシクロヘキ
センとしたε−カプロラクタムの製造方法に関する。
センとしたε−カプロラクタムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ε−カプロラクタムは、シクロヘキサノ
ンオキシムをベックマン転位することにより製造されて
おり、原料となるシクロヘキサノンオキシムは、シクロ
ヘキサノンとヒドロキシルアミンとを反応させて製造す
るのが一般的である。
ンオキシムをベックマン転位することにより製造されて
おり、原料となるシクロヘキサノンオキシムは、シクロ
ヘキサノンとヒドロキシルアミンとを反応させて製造す
るのが一般的である。
【0003】従来、ε−カプロラクタムの原料となるシ
クロヘキサノンは、まず、シクロヘキサンを分子状酸素
で酸化してシクロヘキサノールとシクロヘキサノンの混
合物を製造し、さらに混合物中のシクロヘキサノールを
脱水素反応してシクロヘキサノンとする方法、または、
フェノールを部分水素還元し、転位反応によりシクロヘ
キサノンを製造する方法等により工業的に生産されてい
た。
クロヘキサノンは、まず、シクロヘキサンを分子状酸素
で酸化してシクロヘキサノールとシクロヘキサノンの混
合物を製造し、さらに混合物中のシクロヘキサノールを
脱水素反応してシクロヘキサノンとする方法、または、
フェノールを部分水素還元し、転位反応によりシクロヘ
キサノンを製造する方法等により工業的に生産されてい
た。
【0004】近年、シクロヘキサノールを工業的に生産
する方法として、シクロヘキセンをゼオライト系触媒の
存在下で水和する方法が注目されている。かかる反応自
体は昭和40年代から知られているが、工業的規模での
生産は最近になってようやく行われるようになった(化
学経済,1993年3月号,40〜45頁参照)。
する方法として、シクロヘキセンをゼオライト系触媒の
存在下で水和する方法が注目されている。かかる反応自
体は昭和40年代から知られているが、工業的規模での
生産は最近になってようやく行われるようになった(化
学経済,1993年3月号,40〜45頁参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】シクロヘキセンからシ
クロヘキサノールを製造する方法は、工業的規模での実
施が可能であればコスト的に非常に有利であり、シクロ
ヘキサノールの好ましい製造方法と考えられる。しかし
ながら、当該方法で得られたシクロヘキサノールを原料
とするシクロヘキサノンから製造されたε−カプロラク
タムは、従来の他の方法で得られたシクロヘキサノンか
ら製造されたε−カプロラクタムと異なり、品質におい
てシクロヘキセンからの製造方法における特有の問題が
存在することが本発明者らの研究によって明らかとなっ
た。
クロヘキサノールを製造する方法は、工業的規模での実
施が可能であればコスト的に非常に有利であり、シクロ
ヘキサノールの好ましい製造方法と考えられる。しかし
ながら、当該方法で得られたシクロヘキサノールを原料
とするシクロヘキサノンから製造されたε−カプロラク
タムは、従来の他の方法で得られたシクロヘキサノンか
ら製造されたε−カプロラクタムと異なり、品質におい
てシクロヘキセンからの製造方法における特有の問題が
存在することが本発明者らの研究によって明らかとなっ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
につき鋭意検討した結果、脱水素反応に供されるシクロ
ヘキサノール中のシクロペンテンカルバルデヒド(cycl
opentencarbaldehyde、シクロペンテンカルボアルデヒ
ド)を50ppm以下に制御することにより、従来の原
料を用いて製造したε−カプロラクタムと遜色のないε
−カプロラクタムが得られることを見出し本発明に到達
した。即ち、本発明の要旨は、シクロヘキセンの水和反
応により得られるシクロヘキサノールを脱水素反応によ
りシクロヘキサノンとし、次いで、ヒドロキシルアミン
と反応させてシクロヘキサノンオキシムとし、更にベッ
クマン転位させてε−カプロラクタムを製造する方法に
おいて、脱水素反応に供されるシクロヘキサノール中に
含まれるシクロペンテンカルバルデヒドを50ppm以
下とすることを特徴とするε−カプロラクタムの製造方
法に存する。
につき鋭意検討した結果、脱水素反応に供されるシクロ
ヘキサノール中のシクロペンテンカルバルデヒド(cycl
opentencarbaldehyde、シクロペンテンカルボアルデヒ
ド)を50ppm以下に制御することにより、従来の原
料を用いて製造したε−カプロラクタムと遜色のないε
−カプロラクタムが得られることを見出し本発明に到達
した。即ち、本発明の要旨は、シクロヘキセンの水和反
応により得られるシクロヘキサノールを脱水素反応によ
りシクロヘキサノンとし、次いで、ヒドロキシルアミン
と反応させてシクロヘキサノンオキシムとし、更にベッ
クマン転位させてε−カプロラクタムを製造する方法に
おいて、脱水素反応に供されるシクロヘキサノール中に
含まれるシクロペンテンカルバルデヒドを50ppm以
下とすることを特徴とするε−カプロラクタムの製造方
法に存する。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の製造方法では、まずシクロヘキセンと水を反応さ
せてシクロヘキサノールとする。シクロヘキセンの水和
反応は触媒として、通常、固体酸触媒を用いて反応を行
う。固体酸触媒としては、通常、ゼオライトやイオン交
換樹脂などが挙げられ、ゼオライトとしては、結晶性の
アルミノシリケートやアルミノメタロシリケート、メタ
ロシリケート等の種々のゼオライトが利用でき、特にペ
ンタシル型のアルミノシリケートまたはメタロシリケー
トが好ましい。メタロシリケートに含まれる金属として
は、チタン、ガリウム、ジルコニウム、ハフニウム等の
金属元素が例示できるが、中でもガリウムが好ましい。
発明の製造方法では、まずシクロヘキセンと水を反応さ
せてシクロヘキサノールとする。シクロヘキセンの水和
反応は触媒として、通常、固体酸触媒を用いて反応を行
う。固体酸触媒としては、通常、ゼオライトやイオン交
換樹脂などが挙げられ、ゼオライトとしては、結晶性の
アルミノシリケートやアルミノメタロシリケート、メタ
ロシリケート等の種々のゼオライトが利用でき、特にペ
ンタシル型のアルミノシリケートまたはメタロシリケー
トが好ましい。メタロシリケートに含まれる金属として
は、チタン、ガリウム、ジルコニウム、ハフニウム等の
金属元素が例示できるが、中でもガリウムが好ましい。
【0008】水和反応方法としては、例えば、流動床
式、撹拌回分方式または連続方式等一般的に用いられる
方法で行われる。連続方式の場合は、触媒充填連続流通
式及び撹拌槽流通式のいずれも使用可能である。反応温
度は、シクロヘキセンの水和反応の平衡の面や副反応の
増大の面からは低温が、また反応速度の面からは高温が
有利である。最適温度は、触媒の性質によっても異なる
が、通常50〜250℃である。
式、撹拌回分方式または連続方式等一般的に用いられる
方法で行われる。連続方式の場合は、触媒充填連続流通
式及び撹拌槽流通式のいずれも使用可能である。反応温
度は、シクロヘキセンの水和反応の平衡の面や副反応の
増大の面からは低温が、また反応速度の面からは高温が
有利である。最適温度は、触媒の性質によっても異なる
が、通常50〜250℃である。
【0009】以上のシクロヘキセンの水和反応で得られ
たシクロヘキサノールには、通常、シクロペンテンカル
バルデヒドが微量含まれている。本発明者らの検討によ
れば、驚いたことに、このシクロペンテンカルバルデヒ
ドは、シクロヘキサノール中に微量残存していても、該
シクロヘキサノールを用いて、最終的にε−カプロラク
タムを製造した場合に、製品ε−カプロラクタムの品質
を著しく損なうことが判明した。この原因の一つとし
て、シクロペンテンカルバルデヒドはシクロヘキサノー
ルから製品ε−カプロラクタムへの変換工程においてア
ルドオキシムを経てアミド化合物となって製品ε−カプ
ロラクタムに混入して、ε−カプロラクタムの品質規格
項目として一般的である揮発性塩基(VB)等に悪影響
を及ぼす。そこで、本発明では、シクロヘキサノール中
のシクロペンテンカルバルデヒドの含有量が50ppm
以下、好ましくは30ppm以下となるようにして脱水
素反応に供することを特徴とする。
たシクロヘキサノールには、通常、シクロペンテンカル
バルデヒドが微量含まれている。本発明者らの検討によ
れば、驚いたことに、このシクロペンテンカルバルデヒ
ドは、シクロヘキサノール中に微量残存していても、該
シクロヘキサノールを用いて、最終的にε−カプロラク
タムを製造した場合に、製品ε−カプロラクタムの品質
を著しく損なうことが判明した。この原因の一つとし
て、シクロペンテンカルバルデヒドはシクロヘキサノー
ルから製品ε−カプロラクタムへの変換工程においてア
ルドオキシムを経てアミド化合物となって製品ε−カプ
ロラクタムに混入して、ε−カプロラクタムの品質規格
項目として一般的である揮発性塩基(VB)等に悪影響
を及ぼす。そこで、本発明では、シクロヘキサノール中
のシクロペンテンカルバルデヒドの含有量が50ppm
以下、好ましくは30ppm以下となるようにして脱水
素反応に供することを特徴とする。
【0010】本発明におけるシクロペンテンカルバルデ
ヒドとは、1−シクロペンテンカルバルデヒド、2−シ
クロペンテンカルバルデヒドおよび3−シクロペンテン
カルバルデヒドの総称である。これらのシクロペンテン
カルバルデヒドがシクロヘキサノール中に含まれる理由
は明らかではないが、シクロヘキサノールの原料である
シキロヘキセンに不純物として含まれている有機過酸化
物がシクロヘキセンの水和反応の際にシクロペンテンカ
ルバルデヒドになるものと推測される。
ヒドとは、1−シクロペンテンカルバルデヒド、2−シ
クロペンテンカルバルデヒドおよび3−シクロペンテン
カルバルデヒドの総称である。これらのシクロペンテン
カルバルデヒドがシクロヘキサノール中に含まれる理由
は明らかではないが、シクロヘキサノールの原料である
シキロヘキセンに不純物として含まれている有機過酸化
物がシクロヘキセンの水和反応の際にシクロペンテンカ
ルバルデヒドになるものと推測される。
【0011】シクロペンテンカルバルデヒドの含有量が
50ppm以下であるシクロヘキサノールを得る方法と
しては、水和反応に用いる原料や触媒、反応条件等を厳
選して、シクロペンテンカルバルデヒドの含有量を50
ppm以下になるようにしてもよいし、シクロペンテン
カルバルデヒドを多く含むシクロヘキサノールを蒸留等
によって精製してもよい。
50ppm以下であるシクロヘキサノールを得る方法と
しては、水和反応に用いる原料や触媒、反応条件等を厳
選して、シクロペンテンカルバルデヒドの含有量を50
ppm以下になるようにしてもよいし、シクロペンテン
カルバルデヒドを多く含むシクロヘキサノールを蒸留等
によって精製してもよい。
【0012】本発明では、以上のようなシクロペンテン
カルバルデヒドの含有量が50ppm以下のシクロヘキ
サノールを脱水素反応に供し、シクロヘキサノンとす
る。シクロヘキサノールの脱水素反応は従来公知の方法
のいずれでもよいが、一般的には、脱水素触媒の存在
下、200〜750℃に加熱することにより行われる。
脱水素触媒としては、銅−クロム系酸化物、銅−亜鉛系
酸化物などが例示できる。この反応は平衡反応であり、
生成物はシクロヘキサノンとシクロヘキサノールの混合
物として得られるので、蒸留等により、シクロヘキサノ
ンとシクロヘキサノールを分離して、回収されたシクロ
ヘキサノールは再度脱水素反応にリサイクルされる。
カルバルデヒドの含有量が50ppm以下のシクロヘキ
サノールを脱水素反応に供し、シクロヘキサノンとす
る。シクロヘキサノールの脱水素反応は従来公知の方法
のいずれでもよいが、一般的には、脱水素触媒の存在
下、200〜750℃に加熱することにより行われる。
脱水素触媒としては、銅−クロム系酸化物、銅−亜鉛系
酸化物などが例示できる。この反応は平衡反応であり、
生成物はシクロヘキサノンとシクロヘキサノールの混合
物として得られるので、蒸留等により、シクロヘキサノ
ンとシクロヘキサノールを分離して、回収されたシクロ
ヘキサノールは再度脱水素反応にリサイクルされる。
【0013】こうして得られたシクロヘキサノンは、公
知の反応条件で、ヒドロキシルアミンと反応させてシク
ロヘキサノンオキシムとする。ヒドロキシルアミンは単
独では不安定な化合物なので、通常、ヒドロキシルアン
モニウムの硫酸塩や硝酸塩の形で使用される。例えば、
水溶液中または非水溶液中でシクロヘキサノンとヒドロ
キシルアンモニウム塩を反応させ、シクロヘキサノンオ
キシムとする。
知の反応条件で、ヒドロキシルアミンと反応させてシク
ロヘキサノンオキシムとする。ヒドロキシルアミンは単
独では不安定な化合物なので、通常、ヒドロキシルアン
モニウムの硫酸塩や硝酸塩の形で使用される。例えば、
水溶液中または非水溶液中でシクロヘキサノンとヒドロ
キシルアンモニウム塩を反応させ、シクロヘキサノンオ
キシムとする。
【0014】次いで、シクロヘキサノンオキシムは、公
知の方法によりベックマン転位させてε−カプロラクタ
ムとする。例えば、濃硫酸中または発煙硫酸中でベック
マン転位させてε−カプロラクタム硫酸塩とした後、ア
ルカリで中和する方法、シクロヘキサノンオキシムを固
体触媒存在下、気相もしくは液相でベックマン転位さる
方法、液相で触媒が均一に溶解した状態でベックマン転
位させる方法等が挙げられる。いずれの方法において
も、通常、得られたε−カプロラクタムは蒸留や晶析等
により精製して製品とする。
知の方法によりベックマン転位させてε−カプロラクタ
ムとする。例えば、濃硫酸中または発煙硫酸中でベック
マン転位させてε−カプロラクタム硫酸塩とした後、ア
ルカリで中和する方法、シクロヘキサノンオキシムを固
体触媒存在下、気相もしくは液相でベックマン転位さる
方法、液相で触媒が均一に溶解した状態でベックマン転
位させる方法等が挙げられる。いずれの方法において
も、通常、得られたε−カプロラクタムは蒸留や晶析等
により精製して製品とする。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り実施例に限定
されるものではない。なお、実施例中におけるシクロペ
ンテンカルバルデヒドの定量はキャピラリーカラムによ
るガスクロマトグラフィーにより行った。
するが、本発明はその要旨を越えない限り実施例に限定
されるものではない。なお、実施例中におけるシクロペ
ンテンカルバルデヒドの定量はキャピラリーカラムによ
るガスクロマトグラフィーにより行った。
【0016】実施例1 [シクロヘキセンの水和反応]撹拌翼を備えたオートク
レーブに触媒としてガリウムシリケート(Si/Ga原
子比=25/1)、シクロヘキセン15重量部、水30
重量部、水和反応触媒10重量部を入れ、窒素雰囲気
下、120℃で1時間反応させシクロヘキサノール混合
物を得た。このシクロヘキサノール混合物はシクロヘキ
サノールに対してシクロペンテンカルバルデヒドを30
0ppm含有していた。シクロヘキサノールの収率は1
0.8%であった。
レーブに触媒としてガリウムシリケート(Si/Ga原
子比=25/1)、シクロヘキセン15重量部、水30
重量部、水和反応触媒10重量部を入れ、窒素雰囲気
下、120℃で1時間反応させシクロヘキサノール混合
物を得た。このシクロヘキサノール混合物はシクロヘキ
サノールに対してシクロペンテンカルバルデヒドを30
0ppm含有していた。シクロヘキサノールの収率は1
0.8%であった。
【0017】[シクロヘキサノールの精製]上記反応で
得られたシクロヘキサノール混合物を10段蒸留してシ
クロヘキサノールを精製した。精製シクロヘキサノール
はシクロヘキサノールに対してシクロペンテンカルバル
デヒドを10ppm含有していた。
得られたシクロヘキサノール混合物を10段蒸留してシ
クロヘキサノールを精製した。精製シクロヘキサノール
はシクロヘキサノールに対してシクロペンテンカルバル
デヒドを10ppm含有していた。
【0018】[シクロヘキサノールの脱水素反応]上記
の精製シクロヘキサノールを気化して、250℃に設定
された銅−亜鉛触媒を充填した管状反応器に、反応圧力
0.07MPa、GHSV(ガス空間速度)2.4hr
-1で供給して脱水素反応を行った。シクロヘキサノンの
収率は60%であった。
の精製シクロヘキサノールを気化して、250℃に設定
された銅−亜鉛触媒を充填した管状反応器に、反応圧力
0.07MPa、GHSV(ガス空間速度)2.4hr
-1で供給して脱水素反応を行った。シクロヘキサノンの
収率は60%であった。
【0019】[シクロヘキサノンオキシムの製造]ジャ
ケット付き撹拌槽中、45%ヒドロキシルアミン硫酸塩
を85℃に保持し、上記のシクロヘキサノンを滴下し
た。この時、反応溶液がpH4.0〜4.5となるよう
にアンモニア水を同時に滴下した。シクロヘキサノンの
滴下終了後、反応を完結させるため30分撹拌した。静
置後、油相をシクロヘキサノンオキシムとして採取し
た。シクロヘキサノンオキシム中に含まれる水分は減圧
下で脱水した。
ケット付き撹拌槽中、45%ヒドロキシルアミン硫酸塩
を85℃に保持し、上記のシクロヘキサノンを滴下し
た。この時、反応溶液がpH4.0〜4.5となるよう
にアンモニア水を同時に滴下した。シクロヘキサノンの
滴下終了後、反応を完結させるため30分撹拌した。静
置後、油相をシクロヘキサノンオキシムとして採取し
た。シクロヘキサノンオキシム中に含まれる水分は減圧
下で脱水した。
【0020】[ベックマン転位反応]ジャケット付き撹
拌槽に上記のシクロヘキサノンオキシムと25%発煙硫
酸(オリウム)とをベックマン転位液の酸度が57%、
遊離のSO3濃度が7.5%になるような比率で、滞留
時間が1時間になるように供給し、反応温度80〜85
℃となるよう撹拌、冷却しながらベックマン転位反応を
行った。
拌槽に上記のシクロヘキサノンオキシムと25%発煙硫
酸(オリウム)とをベックマン転位液の酸度が57%、
遊離のSO3濃度が7.5%になるような比率で、滞留
時間が1時間になるように供給し、反応温度80〜85
℃となるよう撹拌、冷却しながらベックマン転位反応を
行った。
【0021】得られたベックマン転位液は温度70℃
で、アンモニア水を用いてpH7.0〜7.5とし中和
した。次いで、中和されたベックマン転位液は、シクロ
ヘキサノンオキシムが全量ε−カプロラクタムに転位し
たと仮定したときの、ε−カプロラクタム濃度が18重
量%になる量のベンゼンを用いて抽出した。抽出は分液
ロートに中和液、ベンゼンを入れ、10分間震とう後、
5分間静置後、油相のみを採取した。水相はさらに2回
ベンゼンにて抽出した。次いで、常法によりベンゼンを
留去して粗ラクタムを得た。
で、アンモニア水を用いてpH7.0〜7.5とし中和
した。次いで、中和されたベックマン転位液は、シクロ
ヘキサノンオキシムが全量ε−カプロラクタムに転位し
たと仮定したときの、ε−カプロラクタム濃度が18重
量%になる量のベンゼンを用いて抽出した。抽出は分液
ロートに中和液、ベンゼンを入れ、10分間震とう後、
5分間静置後、油相のみを採取した。水相はさらに2回
ベンゼンにて抽出した。次いで、常法によりベンゼンを
留去して粗ラクタムを得た。
【0022】最後に粗ラクタムを蒸留により精製した。
蒸留は粗ラクタムに適量の25%苛性ソーダを添加した
後、初留10重量%、主留80重量%、釜残10重量%
の3部分に分けて採取し、主留分を品質評価の対象とし
た。
蒸留は粗ラクタムに適量の25%苛性ソーダを添加した
後、初留10重量%、主留80重量%、釜残10重量%
の3部分に分けて採取し、主留分を品質評価の対象とし
た。
【0023】[ε−カプロラクタムの品質評価方法]得
られたε−カプロラクタムの品質を以下の方法で評価し
た。 PZ(過マンガン酸塩価) ε−カプロラクタム試料1gを水100mlに溶解し、
これに0.01N−過マンガン酸カリウム水溶液1ml
を加え撹拌し、比較標準液(塩化コバルト(CoCl2
・6H2O)3.000gと硫酸銅(CuSO4・5H2
O)2.000gを水で1000mlに希釈したもの)
と同一色になるまでの秒数。
られたε−カプロラクタムの品質を以下の方法で評価し
た。 PZ(過マンガン酸塩価) ε−カプロラクタム試料1gを水100mlに溶解し、
これに0.01N−過マンガン酸カリウム水溶液1ml
を加え撹拌し、比較標準液(塩化コバルト(CoCl2
・6H2O)3.000gと硫酸銅(CuSO4・5H2
O)2.000gを水で1000mlに希釈したもの)
と同一色になるまでの秒数。
【0024】PM(過マンガン酸塩消費量) ε−カプロラクタム100gを8M硫酸150mlに溶
解した溶液を0.1N過マンガン酸カリウム水溶液を用
いて滴定し、過マンガン酸カリウムの消費量を測定し、
ml/kg・ε−カプロラクタムの単位で表示した。
解した溶液を0.1N過マンガン酸カリウム水溶液を用
いて滴定し、過マンガン酸カリウムの消費量を測定し、
ml/kg・ε−カプロラクタムの単位で表示した。
【0025】VB(揮発性塩基) 2N苛性ソーダ水溶液400mlにε−カプロラクタム
を30g溶解して1時間煮沸し、発生する分解ガスおよ
び蒸留水を、0.02N塩酸水溶液4mlを溶解した脱
塩水500ml中に吹き込ませる。その後、この脱塩水
を0.1N苛性ソーダで滴定し、塩酸の減少分をアンモ
ニア換算した数値。結果を表−1に示す。
を30g溶解して1時間煮沸し、発生する分解ガスおよ
び蒸留水を、0.02N塩酸水溶液4mlを溶解した脱
塩水500ml中に吹き込ませる。その後、この脱塩水
を0.1N苛性ソーダで滴定し、塩酸の減少分をアンモ
ニア換算した数値。結果を表−1に示す。
【0026】実施例2 実施例1のシクロヘキセンの精製を5段蒸留とし、シク
ロヘキサノールの精製を単蒸留とした他は実施例1と同
様に行った。脱水素反応に供したシクロヘキサノール中
のシクロヘキサノールに対するシクロペンテンカルバル
デヒドの含有量は20ppmであった。ε−カプロラク
タムの品質評価結果を表−1に示す。
ロヘキサノールの精製を単蒸留とした他は実施例1と同
様に行った。脱水素反応に供したシクロヘキサノール中
のシクロヘキサノールに対するシクロペンテンカルバル
デヒドの含有量は20ppmであった。ε−カプロラク
タムの品質評価結果を表−1に示す。
【0027】比較例1 実施例1のシクロヘキサノールの精製のうち、蒸留を単
蒸留とした他は実施例1と同様に行った。脱水素反応に
供したシクロヘキサノール中のシクロヘキサノールに対
するシクロペンテンカルバルデヒドの含有量は160p
pmであった。ε−カプロラクタムの品質評価結果を表
−1に示す。
蒸留とした他は実施例1と同様に行った。脱水素反応に
供したシクロヘキサノール中のシクロヘキサノールに対
するシクロペンテンカルバルデヒドの含有量は160p
pmであった。ε−カプロラクタムの品質評価結果を表
−1に示す。
【0028】実施例3 精製シクロヘキサノールにシクロペンテンカルバルデヒ
ド20ppm添加し、シクロヘキサノール中のシクロヘ
キサノールに対するシクロペンテンカルバルデヒドの含
有量を30ppmとした他は実施例1と同様に行った。
ε−カプロラクタムの品質評価結果を表−1に示す。
ド20ppm添加し、シクロヘキサノール中のシクロヘ
キサノールに対するシクロペンテンカルバルデヒドの含
有量を30ppmとした他は実施例1と同様に行った。
ε−カプロラクタムの品質評価結果を表−1に示す。
【0029】比較例2 精製シクロヘキサノールにシクロペンテンカルバルデヒ
ド90ppm添加し、シクロヘキサノール中のシクロヘ
キサノールに対するシクロペンテンカルバルデヒドの含
有量を100ppmとした他は実施例1と同様に行っ
た。ε−カプロラクタムの品質評価結果を表−1に示
す。
ド90ppm添加し、シクロヘキサノール中のシクロヘ
キサノールに対するシクロペンテンカルバルデヒドの含
有量を100ppmとした他は実施例1と同様に行っ
た。ε−カプロラクタムの品質評価結果を表−1に示
す。
【0030】比較例3 精製シクロヘキサノールにシクロペンテンカルバルデヒ
ド290ppm添加し、シクロヘキサノール中のシクロ
ヘキサノールに対するシクロペンテンカルバルデヒドの
含有量を300ppmとした他は実施例1と同様に行っ
た。ε−カプロラクタムの品質評価結果を表−1に示
す。
ド290ppm添加し、シクロヘキサノール中のシクロ
ヘキサノールに対するシクロペンテンカルバルデヒドの
含有量を300ppmとした他は実施例1と同様に行っ
た。ε−カプロラクタムの品質評価結果を表−1に示
す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来の品質に劣
らないε−カプロラクタムを安価に製造することが可能
となり、産業上有用である。
らないε−カプロラクタムを安価に製造することが可能
となり、産業上有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】 シクロヘキセンの水和反応により得られ
るシクロヘキサノールを脱水素反応によりシクロヘキサ
ノンとし、次いで、ヒドロキシルアミンと反応させてシ
クロヘキサノンオキシムとし、更にベックマン転位させ
てε−カプロラクタムを製造する方法において、脱水素
反応に供されるシクロヘキサノール中に含まれるシクロ
ペンテンカルバルデヒドを50ppm以下とすることを
特徴とするε−カプロラクタムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP340295A JPH08193061A (ja) | 1995-01-12 | 1995-01-12 | ε−カプロラクタムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP340295A JPH08193061A (ja) | 1995-01-12 | 1995-01-12 | ε−カプロラクタムの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08193061A true JPH08193061A (ja) | 1996-07-30 |
Family
ID=11556390
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP340295A Pending JPH08193061A (ja) | 1995-01-12 | 1995-01-12 | ε−カプロラクタムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08193061A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997003956A1 (fr) * | 1995-07-20 | 1997-02-06 | Mitsubishi Chemical Corporation | PROCEDE DE PREPARATION DE ε-CAPROLACTAME |
-
1995
- 1995-01-12 JP JP340295A patent/JPH08193061A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997003956A1 (fr) * | 1995-07-20 | 1997-02-06 | Mitsubishi Chemical Corporation | PROCEDE DE PREPARATION DE ε-CAPROLACTAME |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051122 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060322 |