JPH0940642A - ε−カプロラクタムの製造方法 - Google Patents

ε−カプロラクタムの製造方法

Info

Publication number
JPH0940642A
JPH0940642A JP19857695A JP19857695A JPH0940642A JP H0940642 A JPH0940642 A JP H0940642A JP 19857695 A JP19857695 A JP 19857695A JP 19857695 A JP19857695 A JP 19857695A JP H0940642 A JPH0940642 A JP H0940642A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cyclohexanol
caprolactam
reaction
cyclohexanone
cyclohexene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19857695A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Tezuka
真 手塚
Masato Towata
正人 砥綿
Tsutomu Yonemori
勉 米盛
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP19857695A priority Critical patent/JPH0940642A/ja
Publication of JPH0940642A publication Critical patent/JPH0940642A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 シクロヘキセンの水和反応により得られ
るシクロヘキサノールを脱水素反応によりシクロヘキサ
ノンとし、次いで、ヒドロキシルアミンと反応させてシ
クロヘキサノンオキシムとし、更にベックマン転位させ
てε−カプロラクタムを製造する方法において、脱水素
反応に供されるシクロヘキサノール中に含まれるインダ
ン類を15ppm以下とすることを特徴とするε−カプ
ロラクタムの製造方法。 【効果】 本発明の方法によれば、従来の品質に劣らな
いε−カプロラクタムを安価に製造することが可能とな
り、産業上有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、出発原料をシクロ
ヘキセンとしたε−カプロラクタムの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ε−カプロラクタムは、シクロヘキサノ
ンオキシムをベックマン転位することにより製造されて
おり、原料となるシクロヘキサノンオキシムは、シクロ
ヘキサノンとヒドロキシルアミンとを反応させて製造す
るのが一般的である。従来、ε−カプロラクタムの原料
となるシクロヘキサノンは、まず、シクロヘキサンを分
子状酸素で酸化してシクロヘキサノールとシクロヘキサ
ノンの混合物を製造し、さらに混合物中のシクロヘキサ
ノールを脱水素反応してシクロヘキサノンとする方法、
または、フェノールを部分水素還元し、転位反応により
シクロヘキサノンを製造する方法等により工業的に生産
されている。
【0003】近年、シクロヘキサノールを工業的に生産
する方法として、シクロヘキセンをゼオライト系触媒の
存在下で水和する方法が注目されている。かかる反応自
体は昭和40年代から知られているが、工業的規模での
生産は最近になってようやく行われるようになった(化
学経済,1993年3月号,40〜45頁参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】シクロヘキセンからシ
クロヘキサノールを製造する方法は、工業的規模での実
施が可能であればコスト的に非常に有利であり、シクロ
ヘキサノールの好ましい製造方法と考えられる。しかし
ながら、当該方法で得られたシクロヘキサノールを原料
とするシクロヘキサノンから製造されたε−カプロラク
タムは、従来の他の方法で得られたシクロヘキサノンか
ら製造されたε−カプロラクタムと異なり、品質におい
てシクロヘキセンからの製造方法における特有の問題が
存在することが本発明者らの研究によって明らかとなっ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
につき鋭意検討した結果、脱水素反応に供されるシクロ
ヘキサノール中のインダン類を15ppm以下に制御す
ることにより、従来の原料を用いて製造したε−カプロ
ラクタムと遜色のないε−カプロラクタムが得られるこ
とを見出し本発明に到達した。即ち、本発明の要旨は、
シクロヘキセンの水和反応により得られるシクロヘキサ
ノールを脱水素反応によりシクロヘキサノンとし、次い
で、ヒドロキシルアミンと反応させてシクロヘキサノン
オキシムとし、更にベックマン転位させてε−カプロラ
クタムを製造する方法において、脱水素反応に供される
シクロヘキサノール中に含まれるインダン類を15pp
m以下とすることを特徴とするε−カプロラクタムの製
造方法に存する。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の製造方法では、まずシクロヘキセンと水を反応さ
せてシクロヘキサノールとする。シクロヘキセンの水和
反応は触媒として、通常、固体酸触媒を用いて反応を行
う。固体酸触媒としては、通常、ゼオライトやイオン交
換樹脂などが挙げられ、ゼオライトとしては、結晶性の
アルミノシリケートやアルミノメタロシリケート、メタ
ロシリケート等の種々のゼオライトが利用でき、特にペ
ンタシル型のアルミノシリケートまたはメタロシリケー
トが好ましい。メタロシリケートに含まれる金属として
は、チタン、ガリウム、ジルコニウム、ハフニウム等の
金属元素が例示できるが、中でもガリウムが好ましい。
【0007】水和反応方法としては、例えば、流動床
式、撹拌回分方式または連続方式等一般的に用いられる
方法で行われる。連続方式の場合は、触媒充填連続流通
式及び撹拌槽流通式のいずれも使用可能である。反応温
度は、シクロヘキセンの水和反応の平衡の面や副反応の
増大の面からは低温が、また反応速度の面からは高温が
有利である。最適温度は、触媒の性質によっても異なる
が、通常50〜250℃である。
【0008】以上のシクロヘキセンの水和反応では、水
和反応の進行とともにインダン類が生成することが明ら
かとなった。本発明者らの検討によれば、驚いたこと
に、このインダン類は、シクロヘキサノール中にごく微
量残存していても該シクロヘキサノールを用いて、最終
的にε−カプロラクタムを製造した場合に、製品ε−カ
プロラクタムの品質、特に品質規格項目として一般的で
あるUV値のみならず、VB値やPM値に悪影響を及ぼ
す。そこで、本発明では、シクロヘキサノール中のイン
ダン類の含有量が15ppm以下、好ましくは10pp
m以下、特に好ましくは5ppm以下となるようにして
脱水素反応に供すること特徴とする。
【0009】本発明におけるインダン類とは、インダン
や2−メチルインダン等のインダン骨格(ビシクロ
[4,3,0]から形成される9炭素骨格であり、6員
環が芳香環である構造)を有する化合物である。本発明
におけるインダン類を具体的に示すと次式の化合物であ
る。
【0010】
【化1】
【0011】式中、R1〜R7はそれぞれ独立に通常、水
素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケ
ニル基、炭素数4〜6のシクロアルキル基または炭素数
4〜6のシクロアルケニル基を示し、好ましくは水素ま
たはメチル基を示す。インダン類の含有量が15ppm
以下であるシクロヘキサノールを得る方法としては、水
和反応に用いる原料や触媒、反応条件等を厳選して、イ
ンダン類の含有量を15ppm以下になるようにしても
よいが、通常、インダン類を含むシクロヘキサノールの
蒸留条件を調整して精製する方法が好ましい。
【0012】インダン類の含有量が15ppm以下のシ
クロヘキサノールは脱水素反応に供されて、シクロヘキ
サノンとされる。シクロヘキサノールの脱水素反応は従
来公知の方法のいずれでもよいが、一般的には、脱水素
触媒の存在下、200〜750℃に加熱することにより
行われる。脱水素触媒としては、銅−クロム系酸化物、
銅−亜鉛系酸化物などが例示できる。この反応は平衡反
応であり、生成物はシクロヘキサノンとシクロヘキサノ
ールの混合物として得られるので、蒸留等により、シク
ロヘキサノンとシクロヘキサノールを分離して、回収さ
れたシクロヘキサノールは再度脱水素反応にリサイクル
される。
【0013】こうして得られたシクロヘキサノンは、公
知の反応条件で、ヒドロキシルアミンと反応させてシク
ロヘキサノンオキシムとする。ヒドロキシルアミンは単
独では不安定な化合物なので、通常、ヒドロキシルアン
モニウムの硫酸塩や硝酸塩の形で使用される。例えば、
水溶液中または非水溶液中でシクロヘキサノンとヒドロ
キシルアンモニウム塩を反応させ、シクロヘキサノンオ
キシムとする。
【0014】次いで、シクロヘキサノンオキシムは、公
知の方法によりベックマン転位させてε−カプロラクタ
ムとする。例えば、濃硫酸中または発煙硫酸中でベック
マン転位させてε−カプロラクタム硫酸塩とした後、ア
ルカリで中和する方法、シクロヘキサノンオキシムを固
体触媒存在下、気相もしくは液相でベックマン転位さる
方法、液相で触媒が均一に溶解した状態でベックマン転
位させる方法等が挙げられる。いずれの方法において
も、通常、得られたε−カプロラクタムは蒸留や晶析等
により精製して製品とする。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り実施例に限定
されるものではない。なお、実施例中におけるインダン
類の定量はキャピラリーカラムによるガスクロマトグラ
フィーにより行った。
【0016】実施例1 [シクロヘキセンの水和反応]撹拌翼を備えたオートク
レーブに触媒としてガリウムシリケート(Si/Ga原
子比=25/1)、シクロヘキセン15重量部、水30
重量部、水和反応触媒10重量部を入れ、窒素雰囲気
下、120℃で1時間反応させシクロヘキサノール混合
物を得た。このシクロヘキサノール混合物はシクロヘキ
サノールに対してインダンとメチルインダンを合わせて
28ppm含有していた。なお、インダンとメチルイン
ダン以外のインダン類は検出されなかった。シクロヘキ
サノールの収率は10.8%であった。
【0017】[シクロヘキサノールの精製]上記反応で
得られたシクロヘキサノール混合物を7段蒸留してシク
ロヘキサノールを精製した。精製シクロヘキサノールは
シクロヘキサノールに対してインダンとメチルインダン
を合わせて7ppm含有していた。
【0018】[シクロヘキサノールの脱水素反応]上記
の精製シクロヘキサノールを気化して、250℃に設定
された銅−亜鉛触媒を充填した管状反応器に、反応圧力
0.07MPa、GHSV(ガス空間速度)2.4hr
-1で供給して脱水素反応を行った。シクロヘキサノンの
収率は60%であった。
【0019】[シクロヘキサノンオキシムの製造]ジャ
ケット付き撹拌槽中、45%ヒドロキシルアミン硫酸塩
を85℃に保持し、上記のシクロヘキサノンを滴下し
た。この時、反応溶液がpH4.0〜4.5となるよう
にアンモニア水を同時に滴下した。シクロヘキサノンの
滴下終了後、反応を完結させるため30分撹拌した。静
置後、油相をシクロヘキサノンオキシムとして採取し
た。シクロヘキサノンオキシム中に含まれる水分は減圧
下で脱水した。
【0020】[ベックマン転位反応]ジャケット付き撹
拌槽に上記のシクロヘキサノンオキシムと25%発煙硫
酸(オリウム)とをベックマン転位液の酸度が57%、
遊離のSO3濃度が7.5%になるような比率で、滞留
時間が1時間になるように供給し、反応温度80〜85
℃となるよう撹拌、冷却しながらベックマン転位反応を
行った。得られたベックマン転位液は温度70℃で、ア
ンモニア水を用いてpH7.0〜7.5とし中和した。
【0021】次いで、中和されたベックマン転位液は、
シクロヘキサノンオキシムが全量ε−カプロラクタムに
転位したと仮定したときの、ε−カプロラクタム濃度が
18重量%になる量のベンゼンを用いて抽出した。抽出
は分液ロートに中和液、ベンゼンを入れ、10分間震と
う後、5分間静置後、油相のみを採取した。水相はさら
に2回ベンゼンにて抽出した。次いで、常法によりベン
ゼンを留去して粗ラクタムを得た。最後に粗ラクタムを
蒸留により精製した。蒸留は粗ラクタムに適量の25%
苛性ソーダを添加した後、初留10重量%、主留80重
量%、釜残10重量%の3部分に分けて採取し、主留分
を品質評価の対象とした。
【0022】[ε−カプロラクタムの品質評価方法]得
られたε−カプロラクタムの品質を以下の方法で評価し
た。 PM(過マンガン酸塩消費量) ε−カプロラクタム100gを8M硫酸150mlに溶
解した溶液を0.1N過マンガン酸カリウム水溶液を用
いて滴定し、過マンガン酸カリウムの消費量を測定し、
ml/kg・ε−カプロラクタムの単位で表示した。
【0023】VB(揮発性塩基) 2N苛性ソーダ水溶液400mlにε−カプロラクタム
を30g溶解して1時間煮沸し、発生する分解ガスおよ
び蒸留水を、0.02N塩酸水溶液4mlを溶解した脱
塩水500ml中に吹き込ませる。その後、この脱塩水
を0.1N苛性ソーダで滴定し、塩酸の減少分をアンモ
ニア換算した数値。結果を表−1に示す。
【0024】実施例2 実施例1のシクロヘキセンを5段蒸留により精製したシ
クロヘキセンとし、実施例1のシクロヘキサノールの精
製を単蒸留とした他は実施例1と同様にした。脱水素反
応に供したシクロヘキサノールはインダンとメチルイン
ダンをあわせて8ppm含有していた。ε−カプロラク
タムの評価結果を表−1に示す。
【0025】比較例1 実施例1のシクロヘキサノールの精製のうち、蒸留を単
蒸留とした他は実施例1と同様にした。脱水素反応に供
したシクロヘキサノールはインダンとメチルインダンを
あわせて18ppm含有していた。ε−カプロラクタム
の品質評価結果を表−1に示す。
【0026】実施例3 シクロヘキサノールにインダンをシクロヘキサノールに
対して3ppm添加し、インダン類の含有量を10pp
mとした以外は実施例1と同様に行った。ε−カプロラ
クタムの品質評価結果を表−1に示す。
【0027】比較例2 シクロヘキサノールにインダンをシクロヘキサノールに
対して43ppm添加し、インダン類の含有量を50p
pmとした以外は実施例1と同様に行った。ε−カプロ
ラクタムの品質評価結果を表−1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明の方法によれば、従来の品質に劣
らないε−カプロラクタムを安価に製造することが可能
となり、産業上有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロヘキセンの水和反応により得られ
    るシクロヘキサノールを脱水素反応によりシクロヘキサ
    ノンとし、次いで、ヒドロキシルアミンと反応させてシ
    クロヘキサノンオキシムとし、更にベックマン転位させ
    てε−カプロラクタムを製造する方法において、脱水素
    反応に供されるシクロヘキサノール中に含まれるインダ
    ン類を15ppm以下とすることを特徴とするε−カプ
    ロラクタムの製造方法。
JP19857695A 1995-08-03 1995-08-03 ε−カプロラクタムの製造方法 Pending JPH0940642A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19857695A JPH0940642A (ja) 1995-08-03 1995-08-03 ε−カプロラクタムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19857695A JPH0940642A (ja) 1995-08-03 1995-08-03 ε−カプロラクタムの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0940642A true JPH0940642A (ja) 1997-02-10

Family

ID=16393479

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19857695A Pending JPH0940642A (ja) 1995-08-03 1995-08-03 ε−カプロラクタムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0940642A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2282624C2 (ru) Получение соединений оксирана
EP0735017A1 (en) Integrated process for cyclohexanone oxime production
US5304643A (en) Process for producing epsilon-caprolactam
JP2001064213A (ja) 気相における芳香族化合物のアルキル化法
US5354859A (en) ε-caprolactam
US5900482A (en) Process for the preparation of ε-caprolactam
JP3789504B2 (ja) ε−カプロラクタムの製造方法
EP0785188A1 (en) Process for the preparation of epsilon-caprolactam
JP3254753B2 (ja) ε−カプロラクタムの製造法
JPH08176102A (ja) ε−カプロラクタムの製造方法
JPH11322661A (ja) シクロヘキサノンの製造方法及びε−カプロラクタムの製造方法
US6245907B1 (en) Process for producing a high purity caprolactam
JPH0940642A (ja) ε−カプロラクタムの製造方法
JPH05140093A (ja) ケトオキシム又はアルドオキシム含有アミド混合物の処理法
JPH08193061A (ja) ε−カプロラクタムの製造方法
US4480127A (en) Process for the production of variable amounts of DPA and aniline using only phenol and ammonia as the feedstock
JPH08198845A (ja) ε−カプロラクタムの製造方法
JP4226084B2 (ja) ε−カプロラクタムの製造方法
KR101155354B1 (ko) ε-카프롤락탐의 제조방법
JP4226083B2 (ja) ε−カプロラクタムの製造方法
JPH0931052A (ja) ε−カプロラクタムの製造方法
JPH0987247A (ja) ε−カプロラクタムの製造方法
JP3444636B2 (ja) 1,3−シクロヘキサジエンの製造法
JP4239288B2 (ja) ε−カプロラクタムの製造方法
JPH08253434A (ja) 高純度1,3−シクロヘキサジエンの製造法