JP6319766B2 - 粘着シートの貼付方法および貼付装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体ウェハのような被貼付部材に保護テープのような粘着シートを貼付する粘着シートの貼付方法および貼付装置に関するものである。
このような粘着シートの貼付装置として、例えば特許文献1には、半導体ウェハのような板状部材(被貼付部材)を支持するテーブルと、この板状部材に沿って配置されたシートに押圧力を付与する変形可能な押圧部材(貼付部材)とを備え、この押圧部材をシートに近接するように変形させることにより、このシートの板状部材側の接着剤層(粘着面)によってシートを板状部材に貼付するものが記載されている。
ここで、この特許文献1に記載された貼付装置では、前記テーブルを収容するケース内の第1の空間と、この第1の空間とは押圧部材を挟んで反対側に形成される第2の空間とを減圧または略真空状態とし、次いで第2の空間を減圧または略真空状態から開放することにより、その圧力差によって押圧部材をシートに近接するように変形させて板状部材に押し付け、シートを板状部材に貼付するようにしている。
特開2008−066597号公報
ところで、特に上述の半導体ウェハでは、シートが貼付される被貼付面に半球状の電極(バンプ)が形成されたものが最近多く用いられるようになってきており、こうした電極のような突起が被貼付面に形成されていると、貼付されたシートと被貼付面との間に空隙が生じ易くなってシートとの接着性が部分的に損なわれてしまう。半導体ウェハの場合、このようにシートとの接着性が損なわれると、例えばダイシング工程においてシートが貼付された半導体ウェハから半導体チップを切り出す際に半導体チップが飛散してしまったり、半導体ウェハの裏面研削時に供給される冷却水が空隙に侵入したりしてしまうおそれがある。なお、本明細書において空隙とは、粘着シートを被貼付部材に貼付した際に、粘着シートと被貼付部材との間に発生する未接着箇所(隙間)のことをいう。
本発明は、このような背景の下になされたもので、被貼付部材の被貼付面に突起が形成されていても、粘着シートとの間に空隙が生じるのを抑制することが可能な粘着シートの貼付方法および貼付装置を提供することを目的としている。
ここで、本発明の発明者が種々の研究を重ねたところ、このような粘着シートと被貼付部材との間に空隙が形成される事象について、被貼付面の中央部で発生し易いことが分かった。そして、さらに研究を進めたところ、このような被貼付面の中央部での空隙の発生を抑えるには、粘着シートを被貼付部材に圧着する貼付部材として流体の供給により膨張するものを用い、該貼付部材を膨らませる際の流体の供給量(流量)と、貼付部材と被貼付部材との間隔は大きく、また貼付部材が膨らむ部分の面積は小さくするのが効果的であるとの知見を得るに至った。
本発明は、このような知見に基づいて前記目的を達成するためになされたもので、本発明の粘着シートの貼付方法は、弾性を有する板状の貼付部材を開口部が形成されたフレームにより保持するとともに、このフレームの前記開口部内に位置する前記貼付部材の貼付面と間隔をあけて対向するように被貼付部材を配置し、前記貼付面と前記被貼付部材との間に粘着面を前記被貼付部材側に向けて粘着シートを配置して、前記貼付部材の貼付面とは反対側に流体を供給して該貼付部材を前記開口部から前記被貼付部材側に膨張させることにより、前記貼付面を前記被貼付部材に押し付けて前記粘着シートを貼付する粘着シートの貼付方法であって、膨張していない状態の前記貼付部材の貼付面と前記被貼付部材との間隔h(×10−3m)と、前記開口部に内接する円の直径D(×10−3m)と、前記流体の供給量Q(×10−3/s)とを、Q×(h/D)≧0.75(×10−6/s)を満たすように制御することを特徴とする。
また、本発明の粘着シートの貼付装置は、開口部が形成されたフレームにより保持された弾性を有する板状の貼付部材と、このフレームの前記開口部内に位置する前記貼付部材の貼付面と間隔をあけて対向するように被貼付部材を配置する貼付部と、前記貼付部材の貼付面とは反対側に流体を供給して該貼付部材を前記開口部から前記被貼付部材側に膨張させることにより前記貼付面を前記被貼付部材に押し付ける流体供給手段とを備え、前記貼付面と前記被貼付部材との間に粘着面を前記被貼付部材側に向けて配置された粘着シートを前記被貼付部材に貼付する粘着シートの貼付装置であって、前記流体供給手段は、膨張していない状態の前記貼付部材の貼付面と前記被貼付部材との間隔h(×10−3m)と、前記開口部に内接する円の直径D(×10−3m)とに基づいて、前記流体の供給量Q(×10−3/s)を、Q×(h/D)≧0.75(×10−6/s)を満たすように制御する制御手段を有することを特徴とする。
このような粘着シートの貼付方法および貼付装置では、h/Dの分母であるフレームの開口部に内接する円の直径Dを小さくして貼付部材が膨らむ部分を小さくしたり、分子である貼付部材と被貼付部材との間隔hを大きくしたりして、上述のようにQ×(h/D)が0.75(×10−6/s)以上と大きくなるように制御すると、貼付部材は貼付面が曲率の大きな球面状をなすように膨張し、その中央部から小さな面積で被貼付部材に押し付けられる。また、流体の供給量Qを増やすことによりQ×(h/D)を大きく制御すると、貼付部材が膨張して被貼付部材に押し付けられる際の貼付速度が増大する。なお、本明細書において膨張とは、弾性を有する貼付部材が前記流体によって圧力を受けることにより、フレームの開口部およびその周辺に位置する部分が弾性変形して伸び、被貼付部材側に押し出され、風船のように膨らむことをいう。
従って、貼付部材は被貼付部材の被貼付面中央部の比較的小さな面積の部分に圧力が集中して押し付けられ始め、そこから速やかに粘着シートが貼付されることになるので、特にこの被貼付面の中央部における空隙の発生を抑制することが可能となる。ただし、前記開口部の大きさによって決まる前記開口部に内接する円の直径Dは、選択される被貼付部材や粘着シートの大きさによって影響され、また貼付部材と被貼付部材との間隔hも自在に制御しようとすると装置の大型化や複雑化を招くので、本発明の貼付装置では前記制御手段によって流体の供給量Qを制御している。
ここで、Q×(h/D)が0.75(×10−6/s)未満であると、後述する実施例で説明するように空隙の発生を十分に抑制することができない。また、空隙の発生をより確実に抑制するためには、Q×(h/D)は1.00(×10−6/s)以上であるのが好ましく、2.50(×10−6/s)以上であるのがさらに好ましい。なお、Q×(h/D)は大きいほど好ましいが、直径Dや間隔hには上述のように制約があり、また流体の供給量Qも、例えば特許文献1に記載されたように貼付部材の貼付面とは反対側の空間を減圧または略真空状態から開放することによって空気を供給する場合には上限があるので、Q×(h/D)は30.00(×10−6/s)以下とされるのが好ましく、20.00(×10−6/s)以下がさらに好ましく、10.00(×10−6/s)以下とされるのがより好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、被貼付部材の被貼付面の特に中央部において粘着シートとの間に空隙が生じるのを抑制することができ、例えば被貼付部材が半導体ウェハである場合に被貼付面に突起が形成されていても、ダイシング工程において切り出された半導体チップが未接着によって飛散したり、半導体ウェハの裏面研削時の冷却水が空隙に侵入したりするのを防ぐことができる。
本発明の粘着シートの貼付装置の一実施形態において、貼付部材が膨張していない状態を示す概略図である。 図1に示す実施形態において、貼付部材が膨張して被貼付部材に押し付けられ始めた状態を示す概略図である。
図1および図2は、本発明の粘着シートの貼付装置の一実施形態を示すものである。本実施形態の貼付装置においては、下部が開口した箱形の上ケース1と上部が開口した同じく箱形の下ケース2とが上下方向に対向して相対的に離接可能に設けられており、これら上下ケース1、2が接近して、開口した上部と下部が密着することにより、内部に密閉された閉空間が形成される。この上下ケース1、2内の閉空間は、図示されない真空ポンプ等の減圧装置に接続されていて、減圧状態または略真空状態まで減圧可能とされている。
上ケース1の天板部1Aの下面には、本実施形態における貼付部材として、ゴム等の弾性を有する板状のダイヤフラム3が、円形の開口部4Aが形成された円環板状のフレーム4によって保持されている。ダイヤフラム3は一定の厚さの円板状であり、フレーム4の開口部4Aがなす円と同心となるようにして、フレーム4と前記天板部1Aとの間に周縁部が挟み込まれるように固定されて保持される。このダイヤフラム3の下面の前記開口部4A内に位置する部分が本実施形態における貼付面3Aとされる。
なお、貼付部材としては、流体により伸縮可能な弾性体であれば特に限定されないが、天然ゴムや合成ゴムなどが好ましく、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどの合成ゴムが特に好ましい。また、貼付部材の形状は、板状であれば外形は特に限定されず、フレーム4の開口部4Aを包含する大きさがあれば、円形、楕円形、三角形、四角形、多角形、不定形等、装置の構造などに合わせて適宜選択すればよく、フレーム4の開口部4Aも同様に貼付部材に包含される大きさであれば円形に限定されることはない。
さらに、貼付部材の厚さは、流体により伸縮可能であれば特に限定されないが、1mm以上20mm以下が好ましく、2mm以上10mm以下がさらに好ましい。当該貼付部材は伸ばされて変形した後に元のサイズに戻る必要があり、経年での耐久性が要求されるが、厚さが1mm未満であると当該耐久性に劣る場合がある。また、厚さが20mmを超えると板が硬くなり、流体によって所望のサイズまで伸びない場合がある。なお、この貼付部材は貼付面3Aが平坦とされるとともに、貼付面3Aとは反対側の面は、貼付面3Aの中央部の裏側に位置する部分が突出した凸状に形成されているのが好ましい。
こうして保持されたダイヤフラム3の前記貼付面3Aとは反対側の天板部1Aとの間の部分は、上下ケース1、2内の前記閉空間に対して気密とされるとともに、天板部1Aに接続された本実施形態における流体供給手段の一部としての配管5に連通している。配管5は、流量調整弁5Aを介して図示されない流体供給手段としての真空ポンプ等の減圧装置に接続されており、この流量調整弁5Aは、本実施形態における制御手段5Bとしてのコンピュータ等に接続されていて、配管5を通って供給される流体の流量が制御可能とされている。
さらに、本実施形態では、粘着シート6はダイヤフラム3の前記貼付面3Aに取り付けられて次述する被貼付部材との間に配置される。この粘着シート6は、前記開口部4Aよりも小径の円形に予め裁断されたもので、本実施形態では静電気により貼付面3Aに吸着されて配置される。こうして配置された粘着シート6の貼付面3Aとは反対側の下面は粘着剤が塗布された粘着面6Aとされている。
一方、ダイヤフラム3の直下において下ケース2の底部上面には貼付部としてのテーブル7が設置されており、このテーブル7上には本実施形態における被貼付部材として半導体ウェハ8が、ダイヤフラム3の前記貼付面3Aと間隔をあけて対向するように配設される。この半導体ウェハ8も円板状であって、円形をなす貼付面3Aおよびフレーム4の開口部4Aと同心に配設され、その外径は粘着シート6と同一とされている。
このように構成された本実施形態の貼付装置によって半導体ウェハ8(被貼付部材)に粘着シート6を貼付する本発明の一実施形態の粘着シート6の貼付方法においては、まず上下ケース1、2を離間して内部の前記閉空間を開放した状態で、テーブル7上に半導体ウェハ8を配設するとともに、ダイヤフラム3の貼付面3Aに粘着シート6を吸着して配置する。次いで、上下ケース1、2を接近させて互いの上部と下部を密着させることにより、図1に示すように内部に密閉された閉空間を形成する。
しかる後、この閉空間に接続された減圧装置と前記配管5に接続された減圧装置により、該閉空間と、ダイヤフラム3と上ケース1の天板部1Aとの間をそれぞれ徐々に減圧し、互いに等しい圧力の減圧状態または略真空状態にする。そして、所定の圧力となったなら、流量調整弁5Aを開けてダイヤフラム3の貼付面3Aとは反対側の天板部1Aとの間を大気圧下に開放することにより、上下ケース1、2内の貼付面3A側の前記閉空間との差圧によって図2に示すように貼付面3Aが球面状をなしてダイヤフラム3が半導体ウェハ8側に膨張する。すなわち、本実施形態では、ダイヤフラム(貼付部材)3を膨張させる流体は空気(大気)である。
こうして膨張したダイヤフラム3は貼付面3Aの中央部から半導体ウェハ8に押し付けられ、粘着シート6が半導体ウェハ8の上面(被貼付面)にその中央部から貼付させられる。このときの空気の供給量Q(×10−3/s)は、流量調整弁5Aとダイヤフラム3との間の配管5の途中に設置された図示しない流量計によって測定され、配管5に設けられた流量調整弁5Aの開閉を調整する前記制御手段5Bにより制御される。さらに図2に示した状態からダイヤフラム3が膨張すると、ダイヤフラム3が全体的に半導体ウェハ8に密着して粘着シート6の全面が半導体ウェハ8に貼付させられるので、上下ケース1、2を開いて半導体ウェハ8を取り出し、ダイシング工程等の後工程に移送する。
そして、本実施形態の粘着シート6の貼付方法では、図1に示す膨張していない状態のダイヤフラム3の貼付面3Aと半導体ウェハ8との間隔h(×10−3m)と、フレーム4の前記開口部4Aの直径D(×10−3m)と、空気の前記供給量(流量)Q(×10−3/s)とを、Q×(h/D)≧0.75(×10−6/s)を満たすように制御する。また、本実施形態の粘着シート6の貼付装置では、これら間隔h(×10−3m)と直径D(×10−3m)に基づいて、上述のように制御手段5Bにより供給量Q(×10−3/s)を、Q×(h/D)≧0.75(×10−6/s)を満たすように制御している。なお、フレーム4の開口部4Aが円形でない場合には、前記直径Dは、開口部4Aに内接する円の直径D、すなわち開口部4Aに包含される最大の円の直径Dとすればよい。
このような粘着シート6の貼付方法および貼付装置において、Q×(h/D)が0.75(×10−6/s)以上と大きくなるように制御するには、供給量Qを増大させるか、間隔hを大きくするか、直径Dを小さくするか、あるいはこれらの手段のうち2つまたは3つすべてを併せて採用することになる。間隔hを大きくしたり、直径Dを小さくしたりすると、図2に示す膨張したダイヤフラム3が半導体ウェハ8に押し付けられ始める際の貼付面3Aがなす球面の曲率が大きくなり、より小さな面積で圧力が集中して貼付面3Aが半導体ウェハ8の被貼付面中央部を押圧し、粘着シート6が貼付させられる。また、供給量Qを増大させることは、こうしてダイヤフラム3を半導体ウェハ8に押し付けて粘着シート6を貼付する際の貼付速度を増大させることになる。
従って、前記構成の粘着シート6の貼付方法および貼付装置によれば、特にダイヤフラム3が半導体ウェハ8の被貼付面の中央部から押し付けられる際の面積を小さくして粘着シート6を速やかに貼付することができるので、半導体ウェハ8の被貼付面中央部に発生し易い空隙を抑制することができる。このため、例えば被貼付面にバンプが形成された半導体ウェハ8が被貼付部材であっても、ダイシング工程において切り出された半導体チップが飛散したり、空隙に冷却水が侵入したりするような事態を防止することができる。
また、Q×(h/D)≧0.75(×10−6/s)を満たすようにするには、例えば供給量Qを一定として、テーブル7の高さを変えて間隔hを調整したり、フレーム4を開口部4Aの直径Dが異なるものと交換したりして制御することも可能であるが、間隔hを可変に調整しようとすると装置が大型化したり複雑化するおそれがあり、また開口部4Aの直径Dは被貼付部材や粘着シート6の大きさによって制限されることが多い。これに対して、本実施形態の粘着シート6の貼付装置においては、流体(空気)の供給量Qを制御手段5Bによって制御しており、装置構造の複雑化を招いたり、被貼付部材や粘着シート6の大きさに制限されたりすることなく、確実かつ精密な制御を行うことができる。
なお、特に本実施形態のようにダイヤフラム3の貼付面3Aとは反対側を減圧状態または略真空状態から大気に開放することによって流体としての空気を供給する場合には、供給量Qに上限があるので、Q×(h/D)は30.00(×10−6/s)以下とされるのが好ましく、20.00(×10−6/s)以下がさらに好ましく、10.00(×10−6/s)以下とされるのがより好ましい。ただし、供給する流体として空気以外の窒素、酸素、アルゴンなどのガスや水、オイル等の液体を供給してもよく、また上下ケース1、2内の閉空間を減圧することなく、流体を加圧して供給することによりダイヤフラム3を膨張させてもよい。
また、本実施形態では、被貼付部材として半導体ウェハ8に粘着シート6を貼付する場合について説明したが、ガラス、偏光板、ビン、ボトル、段ボール箱、その他の物品等、半導体ウェハ8以外の被貼付部材に粘着シートを貼付するのに本発明を適用することも可能である。さらに、本実施形態では、貼付部材としてのダイヤフラム3の貼付面3Aに予め円形に裁断した粘着シート6を吸着させて被貼付部材に貼付しているが、例えばロールに巻いたテープ状の粘着シートを貼付部材と被貼付部材の間に繰り出して被貼付部材に貼付した後に裁断したり、あるいは裁断した粘着シートを支持テープに貼り付けて被貼付部材に貼付した後に支持テープを剥がしたりしてもよい。
以下、本発明の実施例を挙げて、本発明の効果について実証する。本実施例では、フレームの開口部の直径Dが375(×10−3m)、膨張していない状態のダイヤフラムと半導体ウェハとの間隔hが15(×10−3m)と20(×10−3m)の2種の前記実施形態の貼付装置を用いて、上下ケース内の閉空間とダイヤフラムと天板部との間の閉空間を略真空状態にまで減圧してから、制御手段によって流量調整弁の開閉を調整することにより空気の供給量Q(×10−3/s)がQ×(h/D)≧0.75(×10−6/s)を満たすように種々に制御しつつ、ダイヤフラムと天板部との間を大気圧下に開放し、直径8インチの半導体ウェハに直径8インチの粘着シート(リンテック株式会社製Adwill(登録商標)型番LE5000S)を貼付した。なお、ダイヤフラムは厚さ7mm、硬度65度のゴム製である。
また、これらの実施例に対する比較例として、間隔hが15(×10−3m)の前記貼付装置を用いて、Q×(h/D)が0.75(×10−6/s)未満となるように空気の供給量Q(×10−3/s)を制御して前記と同じ粘着シートを半導体ウェハに貼付した。そして、これらの実施例と比較例とで、貼付した粘着シートと半導体ウェハとの間に空隙が発生した部分の面積と粘着シートの面積との割合を目視で評価した。これらの結果を間隔h、供給量Q、およびQ×(h/D)とともに表1に示す。なお、評価は、空隙の発生が認められなかった場合を丸印、前記割合が1%未満で僅かな発生が認められた場合を三角印、前記割合が1〜3%の場合をバツ印としてある。
Figure 0006319766
この表1の結果より、Q×(h/D)<0.75(×10−6/s)である比較例1では、空隙が粘着シートの面積の1%を超えて発生しているのに対して、Q×(h/D)≧0.75(×10−6/s)を満たす実施例1〜11では、空隙が発生している部分の面積は1%未満に抑制されていた。特に、Q×(h/D)≧2.50(×10−6/s)である実施例1〜5では、空隙は発生していなかった。
3 ダイヤフラム(貼付部材)
3A 貼付面
4 フレーム
4A フレーム4の開口部
5 配管(流体供給手段)
5A 流量調整弁
5B 制御手段
6 粘着シート
6A 粘着面
7 テーブル(貼付部)
8 半導体ウェハ(被貼付部材)
D フレーム4の開口部4Aの直径
h 膨張していない状態のダイヤフラム3と半導体ウェハ8との間隔

Claims (2)

  1. 弾性を有する板状の貼付部材を開口部が形成されたフレームにより保持するとともに、このフレームの前記開口部内に位置する前記貼付部材の貼付面と間隔をあけて対向するように被貼付部材を配置し、前記貼付面と前記被貼付部材との間に粘着面を前記被貼付部材側に向けて粘着シートを配置して、前記貼付部材の貼付面とは反対側に流体を供給して該貼付部材を前記開口部から前記被貼付部材側に膨張させることにより、前記貼付面を前記被貼付部材に押し付けて前記粘着シートを貼付する粘着シートの貼付方法であって、
    膨張していない状態の前記貼付部材の貼付面と前記被貼付部材との間隔h(×10−3m)と、前記開口部に内接する円の直径D(×10−3m)と、前記流体の供給量Q(×10−3/s)とを、Q×(h/D)≧0.75(×10−6/s)を満たすように制御することを特徴とする粘着シートの貼付方法。
  2. 開口部が形成されたフレームにより保持された弾性を有する板状の貼付部材と、このフレームの前記開口部内に位置する前記貼付部材の貼付面と間隔をあけて対向するように被貼付部材を配置する貼付部と、前記貼付部材の貼付面とは反対側に流体を供給して該貼付部材を前記開口部から前記被貼付部材側に膨張させることにより前記貼付面を前記被貼付部材に押し付ける流体供給手段とを備え、前記貼付面と前記被貼付部材との間に粘着面を前記被貼付部材側に向けて配置された粘着シートを前記被貼付部材に貼付する粘着シートの貼付装置であって、
    前記流体供給手段は、膨張していない状態の前記貼付部材の貼付面と前記被貼付部材との間隔h(×10−3m)と、前記開口部に内接する円の直径D(×10−3m)とに基づいて、前記流体の供給量Q(×10−3/s)を、Q×(h/D)≧0.75(×10−6/s)を満たすように制御する制御手段を有することを特徴とする粘着シートの貼付装置。
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