JP6319761B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置に関する。
特許文献1は、p型のシリコン基板と、シリコン基板上に形成され、高耐圧領域および低耐圧領域を互いに分離するフィールド絶縁膜と、シリコン基板上に形成された層間絶縁膜とを含む半導体装置を開示している。高耐圧領域には、さらにフィールド絶縁膜によって互いに分離された第1の高耐圧MOSトランジスタと、第2の高耐圧MOSトランジスタとが形成されている。また、低耐圧領域には、低耐圧MOSトランジスタが形成されている。
特開2010−177342号公報
一般的に、半導体装置の製造工程では、モールド樹脂によって基板を封止する最終工程が行われる。たとえば、特許文献1の半導体装置では、層間絶縁膜上にモールド樹脂が形成される。この構成において、本願発明者は、高耐圧領域に基準電圧として600V以上の高電圧を印加した場合、リーク電流が発生する問題があることを見出し、その要因が、モールド樹脂中の可動イオン(たとえば、Clイオン等の陰イオンやNaイオン等の陽イオン)であることを確認した。
このようなリーク電流の発生は、次のように説明される。すなわち、高耐圧領域に600Vの基準電圧を印加すると、モールド樹脂中の可動イオン(陰イオン)が半導体領域に引き寄せられて、モールド樹脂と層間絶縁膜との境界面に帯電する。そして、この可動イオンの電界により、フィールド絶縁膜の直下の領域に可動イオンとは反対極性のイオン(陽イオン)が引き寄せられ、フィールド絶縁膜の直下の領域でフィールド反転が生じてリークパスが形成される。その結果、当該リークパスを介して互いに隣り合う素子間が導通し、素子分離不良が生じる。しかも、このようにモールド樹脂と層間絶縁膜との境界面に帯電した可動イオンは、基準電圧が解除された後も境界面に残留し続けるため、不所望なリーク電流の発生を解消することができない。
以上のようなリーク電流の発生は、チャージクリープ現象と呼ばれており、半導体装置の信頼性を大きく低下させる要因となっている。
そこで、本発明は、モールド樹脂中の可動イオンに起因するリーク電流の発生を抑制して、優れた信頼性を有する半導体装置を提供することを目的とする。
一局面に係る半導体装置は、半導体層と、前記半導体層に形成され、複数の素子形成領域を分離する絶縁膜と、前記複数の素子形成領域のそれぞれに形成され、前記半導体層の表面部に互いに間隔を空けて形成されたソース領域およびドレイン領域と、前記ソース領域および前記ドレイン領域の間のチャネル領域にゲート絶縁膜を挟んで対向するゲート電極とをそれぞれ有する複数の電界効果トランジスタと、前記半導体層上に形成された層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜上に形成されたモールド樹脂と、前記層間絶縁膜内に形成され、前記電界効果トランジスタの前記ソース領域に電気的に接続されたソース配線膜と、前記層間絶縁膜内において前記ソース配線膜と同じ層に、前記複数の素子形成領域を覆うように連なって形成され、前記複数の素子形成領域と前記モールド樹脂との間に介在し、前記ソース配線膜と同電位に固定され導体膜とを含む。
この構成によれば、モールド樹脂中の可動イオンによる電界の影響を導体膜によって軽減することができる。つまり、モールド樹脂中で可動イオンが半導体層側に引き寄せられて帯電しても、当該帯電に対して、半導体層よりもモールド樹脂に近い位置に配置された導体膜に可動イオンと反対極性のイオンを帯電させることができる。これにより、モールド樹脂中の可動イオンによる電界が絶縁膜の直下の半導体領域に与える影響を軽減することができる。
そのため、絶縁膜の直下の領域に可動イオンと反対極性のイオンが引き寄せられてフィールド反転することを抑制することができる。その結果、互いに隣り合う素子形成領域間におけるリーク電流の発生を抑制することができるので、優れた信頼性を有する半導体装置を提供することができる。
また、この構成によれば、電界効果トランジスタとモールド樹脂との間に導体膜が介在している。これにより、可動イオンと反対極性のイオンが電界効果トランジスタのチャネル領域に引き寄せられてチャネルが反転することを抑制することができる。その結果、オフ時に電界効果トランジスタのチャネル領域が導通してリーク電流が流れることを抑制することができる。
また、この構成によれば、導体膜の電位はソース領域と同じ電圧、すなわち基準電圧が印加されている。これにより、モールド樹脂中の可動イオンによる電界を、導体膜によって強制的に終端させることができる。その結果、モールド樹脂、その他周辺部に蓄積されたイオンによらずに、不所望なリーク電流の発生を効果的に抑制することができる。
前記一局面に係る半導体装置は、前記層間絶縁膜内において前記ソース配線膜と同じ層に形成され、前記電界効果トランジスタの前記ドレイン領域に電気的に接続されたドレイン配線膜をさらに含み、前記導体膜が、前記ドレイン配線膜を取り囲むように形成されていてもよい。
この構成によれば、半導体装置の製造工程において、ソース配線膜を形成する工程と同一工程で導体膜を形成することができる。すなわち、半導体装置の製造工程においてレジストマスクのレイアウトを変更するだけでソース配線膜と導体膜とを同時に形成することができる。よって、新たな製造工程を追加する必要がないので、工程数の増加を防止することができる。
前記一局面に係る半導体装置において、前記導体膜が、前記ソース配線膜と一体的に形成された配線膜からなっていてもよい。
前記一局面に係る半導体装置において、前記導体膜が、前記半導体層の表面に垂直な方向から見た平面視において、前記絶縁膜を覆っていてもよい。この構成によれば、絶縁膜の直下の領域でフィールド反転が発生することを確実に抑制することができる。その結果、絶縁膜の直下の領域におけるリーク電流の発生を効果的に抑制することができる。
前記一局面に係る半導体装置において、前記導体膜が、前記半導体層の表面に垂直な方向から見た平面視において、前記電界効果トランジスタの前記ゲート電極を覆っていてもよい。この構成によれば、電界効果トランジスタのチャネル領域が反転することを確実に抑制することができる。その結果、チャネル領域におけるリーク電流の発生を効果的に抑制することができる。
前記一局面に係る半導体装置において、前記導体膜が、前記半導体層の表面に垂直な方向から見た平面視において、前記チャネル領域および前記ソース領域を覆っていてもよい。この構成によれば、電界効果トランジスタのチャネル領域が反転することを確実に抑制することができる。その結果、チャネル領域におけるリーク電流の発生を効果的に抑制することができる。
前記一局面に係る半導体装置において、前記半導体層が、領域分離構造によって、低基準電圧を基準に動作する低電圧領域と、前記低基準電圧よりも高い高基準電圧を基準に動作する高電圧領域とに分離されており、前記高電圧領域が、前記絶縁膜によって複数の素子形成領域に分離されており、前記導体膜が、前記高電圧領域上に配置された高電圧領域導体膜を含んでいてもよい
低電圧領域と高電圧領域とに分離された領域分離構造を有する半導体装置では、モールド樹脂中の可動イオンは、相対的に基準電圧の高い高電圧領域側に引き寄せられやすい。
したがって、この構成によれば、特にモールド樹脂中の可動イオンが半導体層側に引き寄せられやすい高電圧領域側における電界を、高電圧領域導体膜によって軽減することができる。その結果、高電圧領域側でのリーク電流の発生を効果的に抑制することができる。
前記一局面に係る半導体装置において、前記低電圧領域が、前記絶縁膜によって複数の素子形成領域に分離されており、前記導体膜が、前記低電圧領域上に配置された低電圧領域導体膜を含んでいてもよい
前述のようにモールド樹脂中の可動イオンは高電圧領域側に引き寄せられやすいので、当該可動イオンの移動に伴い低電圧領域では、高電圧領域側に比して可動イオンとは反対極性のイオンが多く分布することとなる。そのため、本発明とは異なり、導体膜を有さない構成の下では、低電圧領域において、可動イオンと同極性のイオンが絶縁膜の直下の領域に引き寄せられてフィールド反転し、リーク電流が発生するおそれがある。
そこで、この構成によれば、低電圧領域導体膜が低電圧領域側に形成されているので、たとえ低電圧領域側に反対極性のイオンが多く分布して、そのイオンによる電界が生じても、その電界による影響を低電圧領域導体膜によって軽減することができる。その結果、低電圧領域側におけるフィールド反転の発生を効果的に抑制することができる。
前記一局面に係る半導体装置は、前記層間絶縁膜および前記モールド樹脂の間に介在するパッシベーション膜をさらに含んでいてもよい
前記一局面に係る半導体装置において、前記パッシベーション膜の屈折率は、2.0以上であってもよい。この構成によれば、比較的小さなバンドギャップを有するパッシベーション膜が層間絶縁膜とモールド樹脂との間に介在されている。換言すれば、比較的大きな導電率を有するパッシベーション膜が形成されている。これにより、半導体装置の電圧をオフにしたときに、可動イオンの帯電量を減少させることができる。その結果、不所望なリーク電流の発生を解消することができる。
前記一局面に係る半導体装置において、前記パッシベーション膜の前記屈折率は、2.3以上であることが好ましい。前記一局面に係る半導体装置において、前記パッシベーション膜が、前記モールド樹脂に接していてもよい。前記一局面に係る半導体装置において、前記パッシベーション膜は、窒化シリコンからなることが好ましい。
他の局面に係る半導体装置は、半導体層と、前記半導体層に形成され、複数の素子形成領域を分離する絶縁膜と、前記素子形成領域において前記半導体層の表面部に互いに間隔を空けて形成されたソース領域およびドレイン領域と、前記ソース領域および前記ドレイン領域の間のチャネル領域にゲート絶縁膜を挟んで対向するゲート電極とを有する電界効果トランジスタと、前記半導体層上に形成された層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜上に形成されたモールド樹脂と、前記層間絶縁膜内に形成され、前記電界効果トランジスタの前記ドレイン領域に電気的に接続されたドレイン配線膜と、前記半導体層の表面に垂直な方向から見た平面視において前記ゲート電極および前記ドレイン配線膜と重なるように前記層間絶縁膜および前記モールド樹脂の間に介在し、前記ソース領域と同電位に固定された導体膜とを含む。
この半導体装置によれば、前述の一局面に係る半導体装置の効果と同様の効果を奏することができる。また、この半導体装置では、ドレイン配線膜およびソース配線膜とは異なる層に導体膜が形成されているので、これらドレイン配線膜およびソース配線膜を回避するように導体膜を形成する必要はない。これにより、ドレイン配線膜の配線パターンおよびソース配線膜の配線パターンに依らずに、導体膜を任意のパターンで形成できる。
前記他の局面に係る半導体装置は、前記層間絶縁膜内に形成され、前記電界効果トランジスタの前記ゲート電極に電気的に接続されたゲート配線膜をさらに含み、前記導体膜は、前記平面視において、前記ゲート電極および前記ドレイン配線膜に加えて、前記ゲート配線膜と重っていてもよい。
前記他の局面に係る半導体装置において、前記ゲート配線膜および前記ドレイン配線膜が、第1配線層に形成され、前記導体膜は、前記第1配線層とは異なる第2配線層に形成されていてもよい。
前記他の局面に係る半導体装置において、前記ゲート配線膜および前記ドレイン配線膜が、第1配線層に形成され、前記導体膜は、前記第1配線層と前記モールド樹脂との間に介在する第2配線層に形成されていてもよい。
前記他の局面に係る半導体装置において、前記層間絶縁膜内に形成され、前記電界効果トランジスタの前記ソース領域に電気的に接続されたソース配線膜をさらに含み、前記導体膜は、前記平面視において、前記ゲート電極および前記ドレイン配線膜に加えて、前記ソース配線膜と重っていてもよい。
前記他の局面に係る半導体装置において、前記導体膜が、前記平面視において、前記絶縁膜と重なっていてもよい。
前記他の局面に係る半導体装置において、前記導体膜が、前記平面視において、前記チャネル領域および前記ソース領域と重なっていてもよい。
前記他の局面に係る半導体装置は、前記モールド樹脂および前記導体膜の間に介在するパッシベーション膜をさらに含んでいてもよい。前記他の局面に係る半導体装置において、前記パッシベーション膜は、前記平面視において前記導体膜と重なっていてもよい。
前記他の局面に係る半導体装置において、前記パッシベーション膜の屈折率は、2.0以上であってもよい。前記他の局面に係る半導体装置において、前記パッシベーション膜の屈折率は、2.3以上であってもよい。前記他の局面に係る半導体装置において、前記パッシベーション膜が、前記モールド樹脂に接していてもよい。
前記他の局面に係る半導体装置において、前記半導体層が、領域分離構造によって、低基準電圧を基準に動作する低電圧領域と、前記低基準電圧よりも高い高基準電圧を基準に動作する高電圧領域とに分離されており、前記高電圧領域が、前記絶縁膜によって複数の素子形成領域に分離されており、前記導体膜が、前記高電圧領域上に配置された高電圧領域導体膜を含んでいてもよい。
前記他の局面に係る半導体装置において、前記低電圧領域が、前記絶縁膜によって複数の素子形成領域に分離されており、前記導体膜が、前記低電圧領域上に配置された低電圧領域導体膜を含んでいてもよい。
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の模式的な平面図である。図1(b)は、図1(a)の破線で囲まれた領域の拡大平面図である。 図2は、図1(b)の切断面線II−IIから見た断面図である。 図3Aは、図1の半導体装置の模式的な平面図である。 図3Bは、図3Aの切断面線IIIb−IIIbから見た断面図である。 図4Aは、参考例に係る半導体装置の模式的な平面図である。 図4Bは、図4Aの切断面線IVb−IVbから見た断面図である。 図5は、図1の半導体装置のイオンの動作を説明するための断面図である。 図6は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の模式的な断面図である。 図7Aは、参考例に係る半導体装置の模式的な断面図である。 図7Bは、図6の半導体装置の模式的な断面図である。 図8は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の模式的な平面図である。 図9は、図8の切断面線IX−IXから見た断面図である。 図10は、本発明の第4実施形態に係る半導体装置の模式的な平面図である。 図11は、図10の切断面線XI−XIから見た断面図である。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置1の模式的な平面図である。また、図1(b)は、図1(a)の破線で囲まれた領域Dの拡大平面図である。
半導体装置1は、本発明の半導体層の一例としてのSOI基板10を含む。なお、半導体層としては、SOI基板10に限らず、いわゆるバルク基板を用いてもよい。SOI基板10には、素子分離構造2によって互いに分離された高電圧領域3と低電圧領域4とが形成されている。
素子分離構造2は、高電圧領域3および低電圧領域4のそれぞれの周囲を取り囲むように形成されており、高電圧領域3と低電圧領域4とを区画している。より具体的には、高電圧領域3は、この実施形態では、SOI基板10の表面を法線方向から見た平面視において、素子分離構造2によって凸形状に取り囲まれた領域内に形成されている。一方、低電圧領域4は、素子分離構造2によって平面視矩形状に囲まれた領域内において、高電圧領域3が形成された領域以外の領域に形成されている。
なお、図1(a)は、高電圧領域3および低電圧領域4の配置の一例を示すものであり、これらの配置に限定されるものではない。したがって、高電圧領域3および低電圧領域4は、素子分離構造2によって取り囲まれた領域内にそれぞれが形成されていればよい。たとえば、円形状に高電圧領域3および低電圧領域4を取り囲む素子分離構造が形成されていてもよいし、多角形状に高電圧領域3および低電圧領域4を取り囲む素子分離構造が形成されていてもよい。
図1(a)における破線で囲まれた領域Dは、高電圧領域3の一部および低電圧領域4の一部を含む。領域Dは、後述するように、高電圧の半導体素子と低電圧の半導体素子とが形成された領域である。なお、この実施形態では、低電圧領域4は、低電圧の半導体素子の他、低耐圧のロジック回路等、種々の低耐圧素子が形成されている領域であるが、領域D内に低電圧の半導体素子が形成されている例について説明する。
図1(b)を参照すれば、素子分離構造2が形成された領域上には、本発明の絶縁膜の一例としてのフィールド絶縁膜5が形成されている。フィールド絶縁膜5は、平面視において、素子分離構造2よりも広い幅で、素子分離構造2に沿って形成されている。また、フィールド絶縁膜5は、高電圧領域3を第1高電圧素子形成領域6と第2高電圧素子形成領域7とに区画する部分、および低電圧領域4を第1低電圧素子形成領域8と第2低電圧素子形成領域9とに区画する部分をさらに含む。
つまり、第1高電圧素子形成領域6および第2高電圧素子形成領域7、ならびに、第1低電圧素子形成領域8および第2低電圧素子形成領域9は、フィールド絶縁膜5によって取り囲まれた領域内にそれぞれ形成されている。
なお、本実施形態では、高電圧領域3に2つの高電圧素子形成領域6,7および低電圧領域4に2つの低電圧素子形成領域8,9が含まれる構成について説明するが、高電圧領域3および低電圧領域4は、3つ、4つまたはそれ以上の高電圧素子形成領域および低電圧素子形成領域をそれぞれ有する構成であってもよい。
高電圧領域3は、比較的高い基準電圧を基準に動作する半導体素子が形成される領域であり、たとえば、100V〜1200Vの電圧が印加される。また、低電圧領域4は、高電圧領域3よりも低い基準電圧を基準に動作する半導体素子が形成される領域であり、たとえば、5V〜100Vの電圧が印加される。
次に、図2を参照して、半導体装置1の断面構造について具体的に説明する。図2は、図1(b)の切断面線II−IIから見た断面図である。
SOI基板10は、p型の支持基板11と、支持基板11上に形成された埋め込み絶縁層12と、埋め込み絶縁層12上に形成されたエピタキシャル層13とを含む。支持基板11は、たとえばシリコン基板であり、その不純物濃度は、1.0×1014cm−3〜1.0×1016cm−3である。p型の不純物としては、たとえば、B(ホウ素),Al(アルミニウム)等を挙げることができる。
埋め込み絶縁層12は、たとえば、支持基板11の表面を酸化させて形成した酸化シリコンを含むBOX層であり、3μm〜5μmの厚さで形成されている。なお、埋め込み絶縁層12の厚さは、半導体装置1の仕様(たとえば、使用電圧)により適宜変更可能であり、高電圧領域3と低電圧領域4との間で異なっていてもよい。
エピタキシャル層13は、たとえば、20μm〜30μmの厚さのシリコンで形成されている。エピタキシャル層13は、n型不純物がドーピングされたn型の領域であり、その不純物濃度は1.0×1014cm−3〜1.0×1016cm−3である。n型の不純物としては、たとえば、P(リン),As(砒素)等を挙げることができる。なお、エピタキシャル層13の層厚および濃度は一例であり、これらの値に限定されるものではない。たとえば、エピタキシャル層13の不純物濃度をより薄くすれば、エピタキシャル層13の層厚をより厚くできるし、エピタキシャル層13の不純物濃度をより濃くすれば、エピタキシャル層13の層厚をより薄く形成することができる。
素子分離構造2は、この実施形態では、DTI(Deep Trench Isolation)構造からなり、エピタキシャル層13の表面から埋め込み絶縁層12に達する素子分離用トレンチ16と、素子分離用トレンチ16に埋め込まれた絶縁材料(たとえば酸化シリコン)からなる埋設部37とを含む。これにより、SOI基板10には、埋め込み絶縁層12上において、素子分離構造2によって取り囲まれたエピタキシャル層13の一部からなる高電圧領域3および低電圧領域4が区画されている。
フィールド絶縁膜5は、たとえば、エピタキシャル層13の表面を選択的に酸化させて形成したLOCOS膜である。また、フィールド絶縁膜5上に何らかの導体膜が配置されていない場合に本発明の効果が最も得られるが、当然ながらフィールド絶縁膜5上に導体膜、抵抗、容量素子などが配置されていてもよい。
高電圧領域3の第1高電圧素子形成領域6および第2高電圧素子形成領域7には、本発明の半導体素子の一例としての高耐圧用のMOSトランジスタがそれぞれ同様の構成で形成されている。
第1高電圧素子形成領域6には、第1のHV(High Voltage)−pMOS17が形成されており、第2高電圧素子形成領域7には、第2のHV−pMOS18が形成されている。第1のHV−pMOS17および第2のHV−pMOS18は、たとえば、定格電圧がいずれも20Vを超えて40V以下の高耐圧素子である。
第1のHV−pMOS17および第2のHV−pMOS18は、それぞれ、エピタキシャル層13の表面に互いに間隔を空けて選択的に形成されたp型のHVドレイン領域19およびHVソース領域20を含む。HVドレイン領域19およびHVソース領域20の表面部にはそれぞれ、それらの内方領域にp型のHVドレインコンタクト領域21およびp型のHVソースコンタクト領域22が形成されている。そして、HVドレイン領域19とHVソース領域20との間のHVチャネル領域25に対向するように、エピタキシャル層13の表面上には、HVゲート絶縁膜23を介してHVゲート電極24が形成されている。HVゲート電極24の両側面は、窒化シリコン等の絶縁材料からなるサイドウォール26に覆われている。
HVドレイン領域19およびHVソース領域20の不純物濃度は、たとえば、1.0×1016cm−3〜1.0×1017cm−3であり、HVドレインコンタクト領域21およびHVソースコンタクト領域22の不純物濃度は、たとえば、1.0×1018cm−3〜1.0×1020cm−3である。
低電圧領域4の第1低電圧素子形成領域8および第2低電圧素子形成領域9には、本発明の半導体素子の一例としての低耐圧用のMOSトランジスタがそれぞれ同様の構成で形成されている。
第1低電圧素子形成領域8には、第1のLV(Low Voltage)−pMOS27が形成されており、第2低電圧素子形成領域9には、第2のLV−pMOS28が形成されている。第1のLV−pMOS27および第2のLV−pMOS28は、たとえば、定格電圧がいずれも40V未満の低耐圧素子である。
第1のLV−pMOS27および第2のLV−pMOS28は、それぞれ、エピタキシャル層13の表面に互いに間隔を空けて選択的に形成されたp型のLVドレイン領域29およびLVソース領域30を含む。LVドレイン領域29およびLVソース領域30の表面部にはそれぞれ、それらの内方領域にp型のLVドレインコンタクト領域31およびp型のLVソースコンタクト領域32が形成されている。そして、LVドレイン領域29とLVソース領域30との間のLVチャネル領域35に対向するように、エピタキシャル層13の表面上には、LVゲート絶縁膜33を介してLVゲート電極34が形成されている。LVゲート電極34の両側面は、窒化シリコン等の絶縁材料からなるサイドウォール36に覆われている。
LVドレイン領域29およびLVソース領域30の不純物濃度は、たとえば、1.0×1016cm−3〜1.0×1017cm−3であり、LVドレインコンタクト領域31およびLVソースコンタクト領域32の不純物濃度は、たとえば、1.0×1018cm−3〜1.0×1019cm−3である。
また、SOI基板10上には、高電圧領域3と低電圧領域4とを完全に覆うように第1層間絶縁膜40が形成されている。第1層間絶縁膜40上には、配線層41と、第2層間絶縁膜42と、パッシベーション膜43と、モールド樹脂44とがこの順に形成されている。第1層間絶縁膜40は、たとえば、酸化シリコン等の絶縁材料からなる。
配線層41は、HVソース配線膜59およびLVソース配線膜60と、本発明の導体膜の一例としての高電圧領域導体膜45および低電圧領域導体膜46と、HVドレイン配線膜47およびLVドレイン配線膜48と、HVゲート配線膜49およびLVゲート配線膜(図示せず)とを含み、これらの配線膜は全て同一材料および同一厚さからなる。たとえば、0.4μm〜2.0μmのアルミニウム配線膜からなる。
HVソース配線膜59およびLVソース配線膜60は、第1層間絶縁膜40を厚さ方向に貫通するHVソース用コンタクト51およびLVソース用コンタクト52を介してHVソースコンタクト領域22およびLVソースコンタクト領域32と電気的に接続されている。同様に、HVドレイン配線膜47およびLVドレイン配線膜48は、第1層間絶縁膜40を厚さ方向に貫通するHVドレイン用コンタクト53およびLVドレイン用コンタクト54を介してHVドレインコンタクト領域21およびLVドレインコンタクト領域31と電気的に接続されている。
高電圧領域導体膜45および低電圧領域導体膜46は、この実施形態では、HVソース配線膜59およびLVソース配線膜60と一体的に形成されている。より具体的には、高電圧領域導体膜45は、図2の断面視においては、HVソース配線膜59からHVゲート電極24側およびその反対側の両側に引き出された引き出し部として形成されている。また、低電圧領域導体膜46も同様に、図2の断面視においては、LVソース配線膜60からLVゲート電極34側およびその反対側の両側に引き出された引き出し部として形成されている。
また、HVソース配線膜59およびLVソース配線膜60には、いずれも高電圧領域3および低電圧領域4に対応した基準電圧が印加される。これにより、HVソース配線膜59と一体な高電圧領域導体膜45には、高電圧領域3に対応した基準電圧が印加される。また、LVソース配線膜60と一体な低電圧領域導体膜46には、低電圧領域4に対応した基準電圧が同様に印加される。なお、基準電圧は、一定の電圧に固定されていてもよいし、電気的にフローティングされていてもよい。
また、HVゲート配線膜49およびLVゲート配線膜(図示せず)は、第1層間絶縁膜40を厚さ方向に貫通するHVゲート用コンタクト(図示せず)およびLVゲート用コンタクト(図示せず)を介してHVゲート電極24およびLVゲート電極34と電気的に接続されている。
第2層間絶縁膜42は、配線層41を覆うように第1層間絶縁膜40上に形成されている。第2層間絶縁膜42は、たとえば、第1層間絶縁膜40と同一の材料からなる。
パッシベーション膜43は、たとえば窒化シリコン(SiN)からなる。パッシベーション膜43は、第2層間絶縁膜42とモールド樹脂44との間に介在されており、その上面がモールド樹脂44に接している。パッシベーション膜43の膜厚は、たとえば、1.0μm〜2.0μmであり、その屈折率は、この実施形態では約2.0である。
パッシベーション膜43は、たとえば、P−CVD(Plasma-enhanced Chemical Vapor Deposition:プラズマCVD)法によって形成される。P−CVD法は、SiH(シラン)ガスとNH(アンモニア)ガスとを含むガス雰囲気中で行われる。SiHガスとNHガスとのガス流量(ml/min)の比率(SiH:NH)は、この実施形態では、概ね1:4である。
モールド樹脂44は、たとえばエポキシ樹脂からなり、パッシベーション膜43の上方部分の厚さ(たとえば、パッシベーション膜43の上面からモールド樹脂44の上面までの厚さ)が、たとえば、5.0μm〜10.0μmである。
次に、図3Aおよび図3B、図4Aおよび図4B、ならびに図5を参照して、半導体装置1の効果を参考例に係る半導体装置57と比較して説明する。
図3Aは、図1の半導体装置1の模式的な平面図である。図3Bは、図3Aの切断面線IIIb−IIIbから見た断面図である。図4Aは、参考例に係る半導体装置57の模式的な平面図である。図4Bは、図4Aの切断面線IVb−IVbから見た断面図である。図5は、図1の半導体装置1のイオンの動作を説明するための断面図である。ここで、参考例に係る半導体装置57とは、高電圧領域導体膜45および低電圧領域導体膜46を有しない点を除いて、半導体装置1と同様の構成を備える半導体装置である。また、図3Aおよび図3B、図4Aおよび図4Bでは、低電圧領域4の図示を省略し、高電圧領域3のみを示している。
半導体装置1の説明をする前に、図3Aを参照して、高電圧領域3の平面レイアウトをより具体的に説明する。
この実施形態では、HVドレイン領域19およびHVソース領域20は、互いに間隔を空けた平面視ストライプ状に形成されており、たとえば、平面視で同一の長方形状に形成されている。このHVドレイン領域19とHVソース領域20とで挟まれた線状の領域がHVチャネル領域25であり、このHVチャネル領域25上において、HVゲート電極24が領域19,22の長手方向に沿って形成されている。
HVゲート電極24は、平面視でHVドレイン領域19、HVソース領域20およびHVチャネル領域25を回避した部分(つまり、いずれの領域19,20,25とも対向しない部分)を有している。当該回避部分にHVゲート用コンタクトが接続され、そのHVゲート用コンタクト上にHVゲート配線膜49(図3B参照)が配置されている。この実施形態では、HVゲート電極24の長手方向両端部を、HVドレイン領域19およびHVソース領域20の長手方向両端部よりも外側に配置することによって、当該両端部が領域19,20,25を回避した形態となっている。HVゲート配線膜49は、図3Aに示すようにHVゲート電極24の両端部の一方のみに形成されてもよいし、両方に形成されていてもよい(図示せず)。
HVドレイン配線膜47は、平面視でHVドレイン領域19の内方領域に収まる形状で形成されている。この実施形態では、HVドレイン配線膜47は、平面視で線状に形成されており、その周縁がHVドレイン領域19の周縁から内側に間隔を空けて画成されている。
HVソース配線膜59もHVドレイン配線膜47同様に、平面視でHVソース領域20の内方領域に収まる形状で形成されている。この実施形態では、HVソース配線膜59は、平面視で線状に形成されており、その周縁がHVソース領域20の周縁から内側に間隔を空けて画成されている。
高電圧領域導体膜45は、図3Aの平面視においては、各HVソース配線膜59からその外縁全周に亘って一体的に引き出されて形成されており、HVソース配線膜59を取り囲んでいる。この実施形態では、高電圧領域導体膜45は、その外縁の一部が内側に窪んだ凹領域74を有しており、当該凹領域74に収まるようにHVゲート配線膜49が配置されている。
また、高電圧領域導体膜45の外縁は、チャネル長に沿う方向(この実施形態では、HVドレイン領域19およびHVソース領域20を横切る方向)に関して、HVソース領域20に対してHVチャネル領域25およびその反対側のフィールド絶縁膜5それぞれの外縁よりも外側に設定されている。これにより、HVゲート電極24の直下のHVチャネル領域25およびその反対側にあるフィールド絶縁膜5は、高電圧領域導体膜45によって完全に覆われている。一方、HVソース領域20については、HVソース配線膜59および高電圧領域導体膜45によって完全に覆われている。なお、この実施形態では、HVソース配線膜59および高電圧領域導体膜45が一体となった配線膜に関して、これらの膜の境界がHVソース領域20の内方に設定された例を一例として説明している。しかしながら、当該境界は、あくまでも説明の便宜上当該位置に設定したものであって、どこに設定されていようが一体な配線膜であることに代わりがない。したがって、HVソース配線膜59と高電圧領域導体膜45との境界が設定される位置によって、当該一体な配線膜の特性が変化するものでもない。
また、この実施形態では、高電圧領域導体膜45は、HVドレイン配線膜47とも同一の配線層41に形成されているので、HVドレイン配線膜47との絶縁を確保する観点から、当該HVドレイン配線膜47との間に間隔が空くように形成されている。これにより、HVドレイン配線膜47の周囲には、HVドレイン領域19の直上の領域であるが配線膜が形成されていない非配線領域が設けられており、当該非配線領域によって、高電圧領域導体膜45は、平面視でHVドレイン領域19の一部を選択的に覆うが、当該一部から回避した状態で形成されている。また、この実施形態では、第1および第2のHV−pMOS17,18に形成された高電圧領域導体膜45は、互いに分離されて形成されている。
なお、前述のように図3Aでは高電圧領域3のみを示しているが、図3Aを参照して説明した高電圧領域3におけるソース、ゲートおよびドレインのレイアウトは、低電圧領域4にも適用することができる。
このような構成の下で、各半導体装置1,57の高電圧領域3に基準電圧(+V)を印加した場合について説明する。基準電圧(+V)は、電気的にフローティングされている。高電圧領域3の電圧は0V〜数百Vの間を常に変動している。また、HVドレイン配線膜47およびHVゲート配線膜49には、基準電圧(+V)よりも数十V程度高い電圧が印加されている。たとえば、高電圧領域3の電圧が600Vのとき、HVドレイン配線膜47の電圧は630Vであり、HVゲート配線膜49の電圧は630Vである。
図4Bを参照して、参考例に係る半導体装置57の高電圧領域3に高電圧が印加された場合、モールド樹脂44中の可動イオン(たとえばCl等の陰イオン)がパッシベーション膜43とモールド樹脂44との境界面B側に引き寄せられて帯電する。この帯電によって、エピタキシャル層13では、可動イオンと反対極性のイオン(すなわち陽イオン)がモールド樹脂44中の可動イオンの電界によってエピタキシャル層13と第1層間絶縁膜40との境界面B側に引き寄せられて帯電する。
可動イオンの電界に引き寄せられた陽イオンは、第1高電圧素子形成領域6と第2高電圧素子形成領域7とを分離するフィールド絶縁膜5直下の領域に帯電するため、フィールド反転が発生する。これにより、第1高電圧素子形成領域6と第2高電圧素子形成領域7とを導通させるリークパスが形成される。その結果、当該リークパスを介して第1高電圧素子形成領域6と第2高電圧素子形成領域7とが導通するおそれがある。
また、当該陽イオンはHVチャネル領域25にも帯電するため、HVチャネル領域25のチャネルが反転する。これにより、第1および第2のHV−pMOS17,18のオフ時に、各HVチャネル領域25が導通してリーク電流が流れるおそれがある。さらに、モールド樹脂44中の可動イオンは、基準電圧を解除した後も帯電し続けるため、不所望なリーク電流の発生を解消することができない。
これに対して第1実施形態における半導体装置1の構成では、パッシベーション膜43とモールド樹脂44との境界面Bにモールド樹脂44中の可動イオン(陰イオン)が引き寄せられて帯電しても、当該帯電に対して、エピタキシャル層13よりもモールド樹脂44に近い位置に配置され、基準電圧が印加された高電圧領域導体膜45に陽イオンを帯電させることができる。これにより、モールド樹脂44中の可動イオンによる電界を、高電圧領域導体膜45によって強制的に終端させることができる。さらに、モールド樹脂44中の可動イオンに限らず、高電圧領域3の周囲に蓄積されたイオンによる電界が発生していても、当該電界を同様に終端させることができる。したがって、第1高電圧素子形成領域6と第2高電圧素子形成領域7との間におけるフィールド絶縁膜5の直下の領域でのフィールド反転を確実に抑制することができる。その結果、第1高電圧素子形成領域6と第2高電圧素子形成領域7との間におけるリーク電流の発生を効果的に抑制することができる。また、第1のHV−pMOS17および第2のHV−pMOS18におけるHVチャネル領域25が反転することも確実に抑制することができる。その結果、HVチャネル領域25におけるリーク電流の発生を効果的に抑制することができる。
このように、モールド樹脂44中の可動イオンは高電圧領域3側に引き寄せられやすいので、低電圧領域4に関しては、図5に示すように、当該可動イオンの移動に伴い、高電圧領域3側に比して可動イオンと反対極性のイオン(陽イオン)が多く分布することとなる。そのため、低電圧領域4では、モールド樹脂44に帯電した陽イオンによる電界の影響によってフィールド絶縁膜5の直下に陰イオンが引き寄せられ、フィールド反転が発生するおそれがある。
そこで、第1実施形態における半導体装置1によれば、低電圧領域導体膜46が低電圧領域4側に形成されているので、たとえ低電圧領域4側に陽イオンが多く分布して、そのイオンによる電界が生じても、その電界による影響を低電圧領域導体膜46によって軽減することができる。その結果、低電圧領域4側におけるフィールド反転の発生を効果的に抑制することができる。
また、高電圧領域導体膜45および低電圧領域導体膜46は、HVソース配線膜59およびLVソース配線膜60と一体的に形成され、さらに他の配線膜47〜49と同一の配線層41の一部として形成されている。そのため、半導体装置1の製造工程において、HVソース配線膜59およびLVソース配線膜60、さらには他の配線膜47〜49と同一工程で、高電圧領域導体膜45および低電圧領域導体膜46を形成することができる。すなわち、半導体装置1の製造工程において既存のレジストマスクのレイアウトを変更するだけで、これらの配線膜45,46〜49,59,60の全てを同時に形成することができる。よって、新たな製造工程を追加する必要がないので、工程数の増加を防止することができる。
次に、図6を参照して、本発明の第2実施形態に係る半導体装置61について説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置61の模式的な断面図である。図6において、前述の図2に示された各部と対応する部分には同一の参照符号を付して、説明を省略する。
第2実施形態に係る半導体装置61は、高電圧領域導体膜45および低電圧領域導体膜46を有しない点、およびパッシベーション膜43に代えて、パッシベーション膜43よりも屈折率が高い高屈折率パッシベーション膜64を備える点を除いて、半導体装置1と同様の構成を備える半導体装置である。
高屈折率パッシベーション膜64は、前述の第1実施形態におけるパッシベーション膜43と同様に、その膜厚が、たとえば1.0μm〜2.0μmの窒化シリコン膜である。高屈折率パッシベーション膜64の屈折率は、パッシベーション膜43よりも高い2.0以上である。高屈折率パッシベーション膜64の屈折率は、好ましくは、2.3以上である。このような高屈折率パッシベーション膜64は、SiHガスのガス流量およびNHガスのガス流量の流量比率を変更することにより形成することができる。
より具体的に、前述の第1実施形態では、SiHガスとNHガスとのガス流量(ml/min)の比率(SiH:NH)が、概ね1:4であるところ、第2実施形態では、SiHガスとNHガスとのガス流量(ml/min)の比率(SiH:NH)を、概ね1:2としている。したがって、たとえば、前述の第1実施形態よりもSiHガスのガス流量をNHガスのガス流量に対して相対的に増やすことによって、比較的に高い屈折率(2.3以上の屈折率)を有する高屈折率パッシベーション膜64を得ることができる。
次に、図7Aおよび図7Bを参照して、半導体装置61の効果を参考例に係る半導体装置66と比較して説明する。
図7Aは、参考例に係る半導体装置66の模式的な断面図である。図7Bは、図6の半導体装置61の模式的な断面図である。ここで、参考例に係る半導体装置66とは、図4Bに示した半導体装置57と同様の構成を備える半導体装置である。また、図7Aおよび図7Bでは、低電圧領域4の図示を省略し、高電圧領域3のみを示している。
まず、図7Aを参照して、前述の第1実施形態と同様の基準電圧を参考例に係る半導体装置66の高電圧領域3に印加した場合、図4Bの半導体装置57と同様にHVチャネル領域25およびフィールド絶縁膜5直下の領域で、リーク電流が発生するおそれがある。
これに対して第2実施形態の半導体装置61では、図7Bに示すように、第2層間絶縁膜42とモールド樹脂44との間に高屈折率パッシベーション膜64が形成されており、その上面がモールド樹脂44に接している。高屈折率パッシベーション膜64は比較的小さいバンドギャップを有しており、換言すれば、比較的大きい導電率を有している。これにより、高屈折率パッシベーション膜64とモールド樹脂44との境界面Bに可動イオンが引き寄せられて帯電しても、半導体装置61の電圧をオフにしたときには、当該可動イオンの帯電量を減少させることができる。その結果、電圧が解除された後における不所望なリーク電流の発生を解消することができる。
次に、図8および図9を参照して、本発明の第3実施形態に係る半導体装置71について説明する。
図8は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置71の模式的な平面図である。図9は、図8の切断面線IX−IXから見た断面図である。図8および図9では、低電圧領域4の図示を省略し、高電圧領域3のみを示しているまた、図8および図9において、前述の図3A、図3Bおよび図7Bに示された各部と対応する部分には同一の参照符号を付して、説明を省略する。
第3実施形態に係る半導体装置71は、パッシベーション膜43に代えて図7Bで示した高屈折率パッシベーション膜64を備える点、および第1および第2のHV−pMOS17,18の高電圧領域導体膜45が互いに連なって形成されている点を除いて、半導体装置1と同様の構成を備える半導体装置である。ここでは前者の相違点の説明は第2実施形態で済ませたので省略し、後者の相違点をより具体的に説明する。
半導体装置71において、配線層41は、第1および第2のHV−pMOS17,18の高電圧領域導体膜45を互いに電気的に接続する中継膜72をさらに含む。当該中継膜72は、HVドレイン領域19の長手方向両端部において、互いに隣り合う高電圧領域導体膜45の両方と一体的に形成されている。この実施形態では、図8に示すように、中継膜72は、HVドレイン領域19の長手方向両端部よりも外側に配置されることによって、HVドレイン領域19を回避した形態となっている。一方、HVドレイン領域19は、その長手方向両端部に中継膜72が形成されることによって、平面視で配線層41(具体的には、高電圧領域導体膜45および中継膜72)に取り囲まれている。
この半導体装置71によっても、前述の半導体装置1と同様の作用効果を達成することができる。
次に、図10および図11を参照して、本発明の第4実施形態に係る半導体装置81について説明する。
図10は、本発明の第4実施形態に係る半導体装置81の模式的な平面図である。図11は、図10の切断面線XI−XIから見た断面図である。図10および図11では、低電圧領域4の図示を省略し、高電圧領域3のみを示しているまた、図10および図11において、前述の図3A、図3Bおよび図7Bに示された各部と対応する部分には同一の参照符号を付して、説明を省略する。
第4実施形態に係る半導体装置81は、パッシベーション膜43に代えて図7Bで示した高屈折率パッシベーション膜64を備える点、および各領域3,4でのリーク電流の発生を抑制するための本発明の導体膜の一例としての配線膜が、HVソース配線膜59等を含む配線層41よりも上方の配線層に形成されている点を除いて、半導体装置1と同様の構成を備える半導体装置である。ここでは前者の相違点の説明は第2実施形態で済ませたので省略し、後者の相違点をより具体的に説明する。
半導体装置81は、第2層間絶縁膜42上に形成された配線層83と、第2層間絶縁膜42上に形成された配線層83を覆うように形成された第3層間絶縁膜84とをさらに含む。
配線層83は、たとえば、1.0μm〜3.0μmのアルミニウム配線膜からなる。配線層83は、高電圧領域3の全域および低電圧領域4の全域を覆うように形成された導体膜82を含む。この導体膜82は、前述の第1〜第3実施形態と同様に、各領域3,4に対応する基準電圧が印加されている。なお、この実施形態では、配線層83の導体膜82のみを図示しているが、配線層83は、図示しない領域において導体膜82と同一材料および同一厚さからなる配線膜を含んでいてもよい。たとえば、HVソース配線膜59から引き回された配線等を含んでいてもよい。
第4実施形態の半導体装置81によれば、前述の第1および第3実施形態と同様に、エピタキシャル層13よりもモールド樹脂44に近い位置に、各領域3,4に対応する基準電圧が印加された導体膜82が形成されている。したがって、第1および第3実施形態の半導体装置1,71と同様の作用効果を達成することができる。
また、この半導体装置81では、導体膜82がHVドレイン配線膜47およびHVゲート配線膜49と異なる配線層に形成されているので、これら配線膜47,49を回避するように導体膜82を形成する必要はない。これにより、リーク電流の発生をより効果的に抑制することができるだけでなく、第1層間絶縁膜40上に形成される配線層41の配線パターンに依らずに、導体膜82を高電圧領域3の全域および低電圧領域4の全域を確実に覆うように形成することができる。
なお、この実施形態では、導体膜82は、HVソース配線膜59等の配線層41と上下方向で隣り合う配線層83の一部として形成されているが、たとえば、層間絶縁膜の数をさらに増やすことによって、導体膜82と配線層41との間に複数の層間絶縁膜が介在されていてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の第1および第3実施形態では、高電圧領域導体膜45および低電圧領域導体膜46は、HVソース配線膜59およびLVソース配線膜60それぞれと一体的に形成されているが、一体的でなくてもよい。すなわち、高電圧領域導体膜45および低電圧領域導体膜46は、HVソース配線膜59およびLVソース配線膜60が形成された領域以外の領域に、たとえば、HVソース配線膜59およびLVソース配線膜60を取り囲むように形成されていてもよい。
また、前述の第1実施形態では、パッシベーション膜43が形成された例を示したが、パッシベーション膜43が形成されていない構造であってもよい。このような構成であっても、同様の効果を奏することができる。
また、前述の第1および第3実施形態では、導体膜45,46,73は、半導体装置1,71の領域Dにおいて形成されている例を示したが、導体膜45,46,73は、領域D以外の領域にも形成されていてもよい。したがって、導体膜45,46,73は、たとえば、高電圧領域3の全域および低電圧領域4の全域を選択的に覆うように形成されていてもよい。この構成によれば、高電圧領域3および低電圧領域4に形成されている他の半導体素子に電界の影響が及ぶことを効果的に抑制することができる。
また、前述の第1、第3および第4実施形態では、フィールド絶縁膜5の全域を導体膜45,46,73,83で覆う例を示したが、これに限らず、フィールド絶縁膜5の一部にオーバーラップしていれば効果を得ることができる。なお、フィールド絶縁膜5は、前述の第1、第3および第4実施形態のように、フィールド絶縁膜5の全域が導体膜45,46,73,83で覆われていることが好ましい。
また、前述の第1、第3および第4実施形態では、フィールド絶縁膜5上およびHVチャネル領域25およびLVチャネル領域35上の両方を覆う例を示したが、HVチャネル領域35およびLVチャネル領域35上は覆わず、フィールド絶縁膜5上のみを覆う構成でもよい。モールド樹脂44と、HVチャネル領域25およびLVチャネル領域35との間には、HVゲート電極24およびLVゲート電極34が介在しているため、フィールド反転による影響が少ないためである。
また、前述の第1〜第4実施形態では、本発明の絶縁膜の一例として、フィールド絶縁膜5が形成された例を示したが、フィールド絶縁膜5に替えて、トレンチに絶縁材料を埋め込んだトレンチ分離構造を採用してもよい。このようなトレンチ分離構造は、エピタキシャル層13の表面を選択的に掘り下げてトレンチを形成した後、窒化シリコン、酸化シリコン等の絶縁材料を埋め込むことにより形成することができる。トレンチは、開口がエピタキシャル層13の表面から厚さ方向に向けて徐々に狭まる断面視テーパ状に形成されていてもよい。また、トレンチ分離構造は、シャロートレンチアイソレーション(STI:Shallow Trench Isolation)であってもよい。
また、前述の第1〜第4実施形態では、高電圧領域3および低電圧領域4に形成された半導体素子の一例としてMOSトランジスタのみを示したが、これらに限定されるものではない。したがって、MOSトランジスタの他に、CMOS(Complementary MOS),BJT(Bipolar Junction Transistor),IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor),JFET(Junction Field Effect Transistor)、コントロールゲートおよびフローティングゲートを有する不揮発性メモリ等が形成されていてもよい。
また、高電圧領域3および低電圧領域4には、コンデンサ、抵抗等の各種回路素子が形成されていてもよい。さらに、これらの半導体素子および回路素子等の組み合わせによって、LSI(Large Scale Integration)、SSI(Small Scale Integration)、MSI(Medium Scale Integration)、VLSI(Very Large Scale Integration)、ULSI(Ultra-Very Large Scale Integration)等の集積回路を構成していてもよい。
以上のような構成であっても、基準電圧が印加された導体膜(たとえば、導体膜45,46,73,83)を形成することによって、モールド樹脂44中の可動イオンによる電界の影響を導体膜によって軽減することができる。
たとえば、高電圧領域3および低電圧領域4にポリシリコン抵抗が形成される場合には、周囲の電界の影響によってポリシリコン抵抗の抵抗値が変動しやすいという問題がある。したがって、第1〜第4実施形態のような導体膜45,46,73,83を、ポリシリコン抵抗が形成された領域上を覆うように形成することによって、より安定した抵抗値を有するポリシリコン抵抗を得ることができる。
また、前述の実施形態において、半導体装置の各半導体部分の導電型を反転した構成が採用されてもよい。たとえば、半導体装置1において、p型の部分がn型であり、n型の部分がp型であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。この明細書および図面から抽出される特徴の例を以下に示す。
[項1]半導体層と、前記半導体層に形成され、複数の素子形成領域を分離する絶縁膜と、前記素子形成領域に形成された半導体素子と、前記半導体層上に形成された層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜上に形成されたモールド樹脂と、前記層間絶縁膜内に形成され、前記素子形成領域および絶縁膜の少なくともいずれかと前記モールド樹脂との間に介在される導体膜とを含む、半導体装置。
この構成によれば、モールド樹脂中の可動イオンによる電界の影響を導体膜によって軽減することができる。つまり、モールド樹脂中で可動イオンが半導体層側に引き寄せられて帯電しても、当該帯電に対して、半導体層よりもモールド樹脂に近い位置に配置された導体膜に可動イオンと反対極性のイオンを帯電させることができる。これにより、モールド樹脂中の可動イオンによる電界が絶縁膜の直下の半導体領域に与える影響を軽減することができる。
そのため、絶縁膜の直下の領域に可動イオンと反対極性のイオンが引き寄せられてフィールド反転することを抑制することができる。その結果、互いに隣り合う素子形成領域間におけるリーク電流の発生を抑制することができるので、優れた信頼性を有する半導体装置を提供することができる。
[項2]前記半導体層が、領域分離構造によって、低基準電圧を基準に動作する低電圧領域と、前記低基準電圧よりも高い高基準電圧を基準に動作する高電圧領域とに分離されており、前記高電圧領域が、前記絶縁膜によって複数の素子形成領域に分離されており、前記導体膜が、前記高電圧領域上に配置された高電圧領域導体膜を含む、項1に記載の半導体装置。
低電圧領域と高電圧領域とに分離された領域分離構造を有する半導体装置では、モールド樹脂中の可動イオンは、相対的に基準電圧の高い高電圧領域側に引き寄せられやすい。
したがって、この構成によれば、特にモールド樹脂中の可動イオンが半導体層側に引き寄せられやすい高電圧領域側における電界を、高電圧領域導体膜によって軽減することができる。その結果、高電圧領域側でのリーク電流の発生を効果的に抑制することができる。
[項3]前記低電圧領域が、前記絶縁膜によって複数の素子形成領域に分離されており、前記導体膜が、前記低電圧領域上に配置された低電圧領域導体膜を含む、項2に記載の半導体装置。
前述のようにモールド樹脂中の可動イオンは高電圧領域側に引き寄せられやすいので、当該可動イオンの移動に伴い低電圧領域では、高電圧領域側に比して可動イオンとは反対極性のイオンが多く分布することとなる。そのため、本発明とは異なり、導体膜を有さない構成の下では、低電圧領域において、可動イオンと同極性のイオンが絶縁膜の直下の領域に引き寄せられてフィールド反転し、リーク電流が発生するおそれがある。
そこで、項3に記載の構成によれば、低電圧領域導体膜が低電圧領域側に形成されているので、たとえ低電圧領域側に反対極性のイオンが多く分布して、そのイオンによる電界が生じても、その電界による影響を低電圧領域導体膜によって軽減することができる。その結果、低電圧領域側におけるフィールド反転の発生を効果的に抑制することができる。
[項4]前記半導体素子が、前記半導体層の表面に形成されたゲート絶縁膜を含むMOSトランジスタを含む、項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置。
この構成によれば、MOSトランジスタとモールド樹脂との間に導体膜が介在している。これにより、可動イオンと反対極性のイオンがMOSトランジスタのチャネル領域に引き寄せられてチャネルが反転することを抑制することができる。その結果、オフ時にMOSトランジスタのチャネル領域が導通してリーク電流が流れることを抑制することができる。
[項5]前記導体膜が、前記MOSトランジスタのソース領域と同電位である、項4に記載の半導体装置。
この構成によれば、導体膜の電位はソース領域と同じ電圧、すなわち基準電圧が印加されている。これにより、モールド樹脂中の可動イオンによる電界を、導体膜によって強制的に終端させることができる。その結果、モールド樹脂、その他周辺部に蓄積されたイオンによらずに、不所望なリーク電流の発生を効果的に抑制することができる。
[項6]前記導体膜が、前記MOSトランジスタの前記ソース領域に接続されたソース配線膜と同じ層に前記ソース配線膜と一体的に形成された配線膜からなり、前記MOSトランジスタのゲート上および前記絶縁膜上の領域にまで延びている、項4または5に記載の半導体装置。
この構成によれば、絶縁膜の直下の領域でフィールド反転が発生することを確実に抑制することができるだけでなく、MOSトランジスタのチャネル領域が反転することも確実に抑制することができる。その結果、絶縁膜の直下の領域およびチャネル領域におけるリーク電流の発生を効果的に抑制することができる。
また、この構成によれば、半導体装置の製造工程において、ソース配線膜を形成する工程と同一工程で導体膜を形成することができる。すなわち、半導体装置の製造工程においてレジストマスクのレイアウトを変更するだけでソース配線膜と導体膜とを同時に形成することができる。よって、新たな製造工程を追加する必要がないので、工程数の増加を防止することができる。
[項7]前記導体膜が、前記MOSトランジスタのゲートの直上の配線層に配置されている、項4〜6のいずれか一項に記載の半導体装置。
[項8]前記導体膜が、前記半導体層の表面に垂直な方向から見た平面視において、前記素子形成領域内の前記MOSトランジスタのチャネル領域および前記ソース領域を覆うように形成されている、項4〜7のいずれか一項に記載の半導体装置。
[項9]前記導体膜が、前記半導体層の表面に垂直な方向から見た平面視において、前記MOSトランジスタのドレイン領域の一部を回避した領域に形成されている、項8に記載の半導体装置。
[項10]前記層間絶縁膜と前記モールド樹脂との間に、屈折率が2.0以上の窒化シリコンからなるパッシベーション膜が介在されている、項1〜9のいずれか一項に記載の半導体装置。
この構成によれば、比較的小さなバンドギャップを有するパッシベーション膜が層間絶縁膜とモールド樹脂との間に介在されている。換言すれば、比較的大きな導電率を有するパッシベーション膜が形成されている。これにより、半導体装置の電圧をオフにしたときに、可動イオンの帯電量を減少させることができる。その結果、不所望なリーク電流の発生を解消することができる。
[項11]前記パッシベーション膜の前記屈折率は、2.3以上である、項10に記載の半導体装置。
[項12]前記パッシベーション膜が前記モールド樹脂に接している、項10または11に記載の半導体装置。
1 半導体装置
2 素子分離構造
3 高電圧領域
4 低電圧領域
5 フィールド絶縁膜
6 第1高電圧素子形成領域
7 第2高電圧素子形成領域
8 第1低電圧素子形成領域
9 第2低電圧素子形成領域
10 SOI基板
17 第1のHV−pMOS
18 第2のHV−pMOS
19 HVドレイン領域
20 HVソース領域
23 HVゲート絶縁膜
24 HVゲート電極
27 第1のLV−pMOS
28 第2のLV−pMOS
29 LVドレイン領域
30 LVソース領域
33 LVゲート絶縁膜
34 LVゲート電極
41 配線層
42 第2層間絶縁膜
43 パッシベーション膜
44 モールド樹脂
45 高電圧領域導体膜
46 低電圧領域導体膜
59 HVソース配線膜
60 LVソース配線膜
61 半導体装置
64 高屈折率パッシベーション膜
71 半導体装置
81 半導体装置
82 導体膜
83 配線層

Claims (13)

  1. 半導体層と、
    前記半導体層に形成され、複数の素子形成領域を分離する絶縁膜と、
    前記複数の素子形成領域のそれぞれに形成され、前記半導体層の表面部に互いに間隔を空けて形成されたソース領域およびドレイン領域と、前記ソース領域および前記ドレイン領域の間のチャネル領域にゲート絶縁膜を挟んで対向するゲート電極とをそれぞれ有する複数の電界効果トランジスタと、
    前記半導体層上に形成された層間絶縁膜と、
    前記層間絶縁膜上に形成されたモールド樹脂と、
    前記層間絶縁膜内に形成され、前記電界効果トランジスタの前記ソース領域に電気的に接続されたソース配線膜と、
    前記層間絶縁膜内において前記ソース配線膜と同じ層に、前記複数の素子形成領域を覆うように連なって形成され、前記複数の素子形成領域と前記モールド樹脂との間に介在し、前記ソース配線膜と同電位に固定された導体膜とを含む、半導体装置。
  2. 前記層間絶縁膜内において前記ソース配線膜と同じ層に形成され、前記電界効果トランジスタの前記ドレイン領域に電気的に接続されたドレイン配線膜をさらに含み、
    前記導体膜が、前記ドレイン配線膜を取り囲むように形成されている、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記導体膜が、前記ソース配線膜と一体的に形成された配線膜からなる、請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記導体膜が、前記半導体層の表面に垂直な方向から見た平面視において、前記絶縁膜を覆っている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置。
  5. 前記導体膜が、前記半導体層の表面に垂直な方向から見た平面視において、前記電界効果トランジスタの前記ゲート電極を覆っている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置。
  6. 前記導体膜が、前記半導体層の表面に垂直な方向から見た平面視において、前記チャネル領域および前記ソース領域を覆っている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置。
  7. 前記半導体層が、領域分離構造によって、低基準電圧を基準に動作する低電圧領域と、前記低基準電圧よりも高い高基準電圧を基準に動作する高電圧領域とに分離されており、
    前記高電圧領域が、前記絶縁膜によって複数の素子形成領域に分離されており、
    前記導体膜が、前記高電圧領域上に配置された高電圧領域導体膜を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置。
  8. 前記低電圧領域が、前記絶縁膜によって複数の素子形成領域に分離されており、
    前記導体膜が、前記低電圧領域上に配置された低電圧領域導体膜を含む、請求項7に記載の半導体装置。
  9. 前記層間絶縁膜および前記モールド樹脂の間に介在するパッシベーション膜をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の半導体装置。
  10. 前記パッシベーション膜の屈折率は、2.0以上である、請求項9に記載の半導体装置。
  11. 前記パッシベーション膜の屈折率は、2.3以上である、請求項9に記載の半導体装置。
  12. 前記パッシベーション膜が前記モールド樹脂に接している、請求項9〜11のいずれか一項に記載の半導体装置。
  13. 前記パッシベーション膜は、窒化シリコンからなる、請求項9〜12のいずれか一項に記載の半導体装置。
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