JP2004055987A - Mos半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】パッケージ樹脂におけるイオン移動により誘起される表面反転に起因し、リーク電流が発生するのを防止する。
【解決手段】半導体基板21に該半導体基板と異なる導電型の拡散領域で形成したソース領域23Hとドレイン領域25Hを有するMOSFET10と、前記層間絶縁層32内に前記MOSFETのソース領域とドレイン領域周囲の半導体基板を少なくとも覆うように設けられた高電圧部の反転防止用メタル55Hとよりなり、前記高電圧の反転防止用メタルを高電位に固定して、前記半導体基板表面の反転を防止する。
【選択図】 図2
【解決手段】半導体基板21に該半導体基板と異なる導電型の拡散領域で形成したソース領域23Hとドレイン領域25Hを有するMOSFET10と、前記層間絶縁層32内に前記MOSFETのソース領域とドレイン領域周囲の半導体基板を少なくとも覆うように設けられた高電圧部の反転防止用メタル55Hとよりなり、前記高電圧の反転防止用メタルを高電位に固定して、前記半導体基板表面の反転を防止する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワーMOS集積回路において表面反転に原因し発生するリーク電流をなくなすようにしたMOS半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
PチャンネルMOSFETおよびNチャンネルMOSFETをコンプリメンタリ接続したパワー集積回路が多く用いられている。これらパワー集積回路では高電圧が加えられるため、樹脂パッケージでの可動イオンにより表面反転が誘起され、それに起因してリーク電流が生じる。
【0003】
図1はパワーMOS集積回路の回路図である。コンプリメンタリ接続したPチャンネルおよびNチャンネルのMOSFET10、11、12および13とよりなる高電圧部Hと、同じくPチャンネルおよびNチャンネルのMOSFET15、16、17および18とよりなる低電圧部Lとよりなる。
【0004】
低電圧部Lはレベルシフト回路14を介して高電圧部Hに接続されている。高電圧部HのMOSFET10、11のソース電極は515Vの高電圧源VBに接続されており、MOSFET12、13のソース電極は500Vの高電圧源VSに接続されている。
【0005】
また低電圧部LのMOSFET15、16のソース電極は15Vの低電圧源VCCに接続されており、MOSFET17、18のソース電極は接地されている。図1の回路は、GNDに対して高い電圧ゲート入力が要求されるブリッジ回路のMOSFETドライバー回路として利用される。
【0006】
図6及び図7は従来の半導体装置の断面図及び上面図で、図1の高電圧部Hを示す。
【0007】
シリコン・チップ20はP型の半導体基板21とその上にエピタキシャル法で形成されたN(−)導電型のエピタキシャル層22を有する。エピタキシャル層22には拡散し、PチャンネルのMOSFET10、11のソース領域23H、24Hおよびドレイン領域25H、26HとなるP(+)導電型拡散領域を形成している。
【0008】
またエピキタルシャル層22に拡散し、P(−)導電型の拡散層31Hを形成している。そのP(−)導電型の拡散層31Hにさらに拡散し、NチャンネルのMOSFET12、13のソース領域27H、28Hおよびドレイン領域29H、30HとなるN(+)導電型拡散領域を形成している。
【0009】
半導体基板21の表面のすべては層間絶縁層(シリコン酸化膜)32により覆われている。層間絶縁層32上にはPチャンネルのMOSFET10、11のソース電極33H、ドレイン電極34H、35Hが形成される。ゲート電極36H、37Hは半導体基板表面のゲート絶縁膜を介して設けられ周囲を層間絶縁層32で覆われる。
【0010】
ソース電極33Hはコンタクトホール38Hでソース領域23Hに接続され、コンタクトホール39Hでソース領域24Hに接続されている。またドレイン電極34Hはコンタクトホール40Hでドレイン領域25Hに接続され、ドレイン電極35Hはコンタクトホール41Hでドレイン領域26Hに接続されている。コンタクトホール38H、39H、40H、41Hには電極メタルが充填されている。
【0011】
同様にして、層間絶縁層32にはNチャンネルのMOSFET12、13のソース電極43H及びドレイン電極45H、46Hが形成される。ゲート電極47H、48Hは半導体基板表面のゲート絶縁膜を介して設けられ周囲を層周間縁層32で覆われる。
【0012】
ソース電極43Hはコンタクトホール49Hでソース領域27Hに接続され、コンタクトホール50Hでソース領域28Hに接続されている。またドレイン電極45Hはコンタクトホール51Hでドレイン領域29Hに接続され、ドレイン電極46Hはコンタクトホール52Hでドレイン領域30Hに接続されている。コンタクトホール49H、50H、51H、52Hには電極メタルが充填されている。
【0013】
このようにして形成されたパワーMOSFET全体は保護のためジャケット保護膜Pで封止されており、各電極33H、34H、35H、43H、45H、46Hは端子33S1、34D1、35D1、43S1、45D1、46D1等でジャケット保護膜Pの外部に引出される。
【0014】
ところでジャケット保護膜Pを覆うパッケージ樹脂にはイオン性不純物の含有が避けられず、これが反転層を形成する原因となる。即ちMOSFETに電圧が加わると、パッケージ樹脂に含まれているイオンの移動が生じる。電圧が低い場合はイオンの移動は鈍く問題がない。しかし例えばPチャンネルMOSFET10、11のソース電極とドレイン電極周囲に515V以上の高電圧を印加すると、パッケージ樹脂Pに含まれている陰イオンがMOSFETの表面方向に移動する分極の程度が大きくなる。このイオンの移動は層間絶縁層32を介してソース領域23H及びドレイン領域25H周囲の半導体基板21の表面へ影響を及ぼすことになる。
【0015】
すなわち、時間が経過すると半導体基板との界面の層間絶縁層32側に負の電荷が蓄積される。そして負の蓄積された電荷が作用して、ソース領域24Hとドレイン領域25Hの半導体基板に反転領域Xが起こる。そのため本来は絶縁されていなければならない隣接するMOSFET11のソース領域24HとMOSFET10のドレイン領域25Hの周囲にリーク電流が流れ正常な動作が妨げられる。シリコン・チップ20の半導体基板21には高電圧部Hと共に低電圧部も形成されているので、同様な現象が低電圧部Lでも起きる。
【0016】
図8及び図9は従来の半導体装置の断面図及び上面図で、図1の低電圧部Lを示す。低電圧部Lは高電圧部Hと同一構造をなし、エピタキシャル層22には拡散し、PチャンネルのMOSFET15、16のソース領域23L、24Lおよびドレイン領域25L、26LとなるP(+)導電型拡散領域を形成している。
【0017】
またエピキタルシャル層22にP(−)導電型の拡散層31Lを形成している。そのP(−)導電型の拡散層31LにNチャンネルのMOSFET17、18のソース領域27L、28Lおよびドレイン領域29L、30LとなるN(+)導電型拡散領域を形成している。
【0018】
層間絶縁層32上にはPチャンネルのMOSFET15、16のソース電極33L、ドレイン電極34L、35Lが形成される。ゲート電極36L、37Lは半導体基板表面のゲート絶縁膜を介して設けられ周囲を層間絶縁層32で覆われる。
【0019】
ソース電極33Lはコンタクトホール38Lでソース領域23Lに接続され、コンタクトホール39Lでソース領域24Lに接続されている。またドレイン電極34Lはコンタクトホール40Lでドレイン領域25Lに接続され、ドレイン電極35Lはコンタクトホール41Lでドレイン領域26Lに接続されている。
【0020】
同様にして、層間絶縁層32にはNチャンネルのMOSFET17、18のソース電極43L及びドレイン電極45L、46Lが形成される。ゲート電極47L、48Lは半導体基板表面のゲート絶縁膜を介して設けられ周囲を層周間縁層32で覆われる。
【0021】
ソース電極43Lはコンタクトホール49Lでソース領域27Lに接続され、コンタクトホール50Lでソース領域28Lに接続されている。またドレイン電極45Lはコンタクトホール51Lでドレイン領域29Lに接続され、ドレイン電極46Lはコンタクトホール52Lでドレイン領域30Lに接続されている。
【0022】
このようにして形成されたパワーMOSFET全体は保護のためジャケット保護膜Pで封止されており、各電極33L、34L、35L、43L、45L、46Lは端子33S2、34D2、35D2、43S2、45D2、46D2等でジャケット保護膜Pの外部に引出される。
【0023】
ところでNチャンネルMOSFET17、18のソース電極が接地電位にされると、同一半導体基板21にある高電圧部Hに高電圧が加えられていることが影響し、パッケージ樹脂に含まれている陽イオンがMOSFETの表面方向に移動する分極の程度が大きくなる。このイオンの移動は層周囲絶縁層32を介してソース領域28L及びドレイン領域29L周囲の半導体基板21の表面へ影響を及ぼすことになる。
【0024】
時間が経過すると半導体基板との界面の層間絶縁層32側に正の電荷が蓄積される。そして正の蓄積された電荷が作用して、ソース領域28Lとドレイン領域29Lの半導体基板に反転領域Yが起こる。そのため本来は絶縁されていなければならない隣接するMOSFET18のソース領域28LとMOSFET7のドレイン領域29Lの周囲にリーク電流が流れ正常な動作が妨げられる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
前述のようにして形成されたMOSFETの素子では高電圧を加えるとパッケージとなる絶縁性樹脂に含まれるイオンの移動が発生し表面反転が誘起される。絶縁性樹脂層内の不純物等が持つ電荷が半導体基板の表面に影響を与えない様にする為に、表面に形成するジャケット膜の厚みを厚くするか、または組立時にレジン等を塗布して組み立てている。
【0026】
しかしジャケット膜の厚みを増加することあるいはレンジを塗布することはあくまでも電荷の影響を緩和するだけであり、より高耐圧MOSFETの素子を形成するに必要となる表面濃度の低減化が進むと対応しきれない。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明は表面反転からのリーク電流をなくすようにした半導体装置で、
一導電型の半導体基板に該半導体基板と異なる導電型の拡散領域で形成したソース領域とドレイン領域及び前記半導体基板上の層間絶縁層に形成したゲート電極とを有するMOSFETと、前記層間絶縁層内に前記MOSFETのソース領域とドレイン領域周囲の半導体基板を少なくとも覆うように設けられた高電圧部の反転防止用メタルとよりなり、前記高電圧の反転防止用メタルを高電位に固定して、前記層間絶縁層上に設けられ前記MOSFETのソース領域とドレイン領域に夫々連なる電極に加えられた電圧による電荷の移動によって起こる前記半導体基板表面の反転を防止するMOS半導体装置を提供する。
【0028】
本発明は又同一半導体基板に高電圧部と低電圧部を形成したMOS半導体装置において、高電圧部は一導電型の半導体基板に該半導体基板と異なる導電型の拡散領域で形成したソース領域とドレイン領域及び前記半導体基板上の層間絶縁層に形成したゲート電極とを有する第1の導電型のMOSFETと、前記層間絶縁層内に前記MOSFETのソース領域とドレイン領域周囲の半導体基板を少なくとも覆うように設けられた高電圧部の反転防止用メタルとよりなり、低電圧部は前記半導体基板に形成された該半導体基板と異なる導電型の拡散層と、該拡散層に前記第1導電型のMOSFETと異なる導電型の拡散領域で形成したソース領域とドレイン領域及び前記半導体基板上の層間絶縁層に形成したゲート電極とを有する第2導電型のMOSFETと、前記層間絶縁層内に前記MOSFETのソース領域とドレイン領域周囲の半導体基板を少なくとも覆うように設けられた低電圧部の反転防止用メタルとよりなり、前記高電圧部の反転防止用メタルを第1の電位に固定して、前記層間絶縁層上に設けられ第1導電型のMOSFETのソース領域とドレイン領域に夫々連なる電極に加えられた電圧による前記半導体基板表面の電荷の反転を防止し、前記低電圧部の反転防止用メタルを第2の電位に固定して、前記層間絶縁層上に設けられ前記第2導電型のMOSFETのソース領域とドレイン領域に夫々連なる電極に加えられた電圧による前記半導体基板表面の電荷の反転を防止するMOS半導体装置を提供する。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体装置を図1〜図3に従って説明する。
【0030】
図1は本発明の半導体装置を組み込んだパワー集積回路の回路図で、高電圧部Hと低電圧部Lとを備える。高電圧部Hはコンプリメンタリ接続されたPチャンネルおよびNチャンネルのMOSFET10、11、12および13とよりなる。同じく低電圧部Lはコンプリメンタリ接続されたPチャンネルおよびNチャンネルのMOSFET15、16、17および18とよりなる。
【0031】
低電圧部Lはレベルシフト回路14を介して高電圧部Hに接続されている。高電圧部HのMOSFET10とMOSFET11のソース電極は結合され515の高電圧源VBに接続されている。またMOSFET12とMOSFET13のソース電極は結合され、500Vの高電圧源VSに接続されている。
【0032】
低電圧部LのMOSFET15とMOSFET16のソース電極は結合され15Vの低電圧源VCCに接続されており、MOSFET17とMOSFET18のソース電極も結合され接地されている。図1の回路は、GNDに対して高い電圧ゲート入力が要求されるブリッジ回路のMOSFETドライバー回路として利用される。
【0033】
図2および図3は図1のMOSFETドライバー回路を構成するMOSFETの高電圧部Hの構造を示す半導体装置の断面図及び上面図である。図6及び図7と同一構成部分は同一符号で示す。
【0034】
シリコン・チップ20はP型の半導体基板21とその上にエピタキシャル法で形成されたN(−)導電型のエピタキシャル層22を有する。エピタキシャル層22には拡散し、PチャンネルのMOSFET10、11のソース領域23H、24Hおよびドレイン領域25H、26HとなるP(+)導電型拡散領域を形成している。
【0035】
またエピキタルシャル層22に拡散し、P(−)導電型の拡散層31Hを形成している。そのP(−)導電型の拡散層31Hにさらに拡散し、NチャンネルのMOSFET12、13のソース領域27H、28Hおよびドレイン領域29H、30HとなるN(+)導電型拡散領域を形成している。
【0036】
半導体基板21の表面のすべては層間絶縁層(シリコン酸化膜)32により覆われている。層間絶縁層32上にはPチャンネルのMOSFET10、11のソース電極33H、ドレイン電極34H、35Hが形成される。ゲート電極36H、37Hは半導体基板表面のゲート絶縁膜を介して設けられ周囲を層間絶縁層32で覆われる。
【0037】
ソース電極33Hはコンタクトホール38Hでソース領域23Hに接続され、コンタクトホール39Hでソース領域24Hに接続されている。またドレイン電極34Hはコンタクトホール40Hでドレイン領域25Hに接続され、ドレイン電極35Hはコンタクトホール41Hでドレイン領域26Hに接続されている。コンタクトホール38H、39H、40H、41Hには電極メタルが充填されている。
【0038】
同様にして、層間絶縁層32にはNチャンネルのMOSFET12、13のソース電極43H及びドレイン電極45H、46Hが形成される。ゲート電極47H、48Hは半導体基板表面のゲート絶縁膜を介して設けられ周囲を層周間縁層32で覆われる。
【0039】
ソース電極43Hはコンタクトホール49Hでソース領域27Hに接続され、コンタクトホール50Hでソース領域28Hに接続されている。またドレイン電極45Hはコンタクトホール51Hでドレイン領域29Hに接続され、ドレイン電極46Hはコンタクトホール52Hでドレイン領域30Hに接続されている。コンタクトホール49H、50H、51H、52Hには電極メタルが充填されている。
【0040】
このようにして形成されたパワーMOSFET全体は保護のためジャケット保護膜Pで封止されており、各電極33H、34H、35H、43H、45H、46Hは端子33S1、34D1、35D1、43S1、45D1、46D1等でジャケット保護膜Pの外部に引出される。
【0041】
本発明のパワー半導体装置の特徴とするところは、層間絶縁層内32にPチャンネルのMOSFET10のソース領域23Hとドレイン領域25H周囲の半導体基板及びMOSFET11のソース領域24Hとドレイン領域26H周囲の半導体基板上を少なくとも覆うように高電圧部の反転防止用メタル55Hを設ける。そして反転防止用メタル55HはPチャンネルMOSFET10、11のソース電極33Hに接続し、515V以上の電源電位VBに固定している。
【0042】
同様に層間絶縁層32にNチャンネルのMOSFET12のソース領域27Hとドレイン領域29H周囲の拡散層31H及びNチャンネルのMOSFET13のソース領域28Hとドレイン領域30H周囲の拡散層31H上を少なくとも覆うように高電圧部の反転防止用メタル56Hを設ける。そして反転防止用メタル56HはNチャンネルMOSFET12、13のソース電極43Hに接続し、500Vの電源電圧VSに固定する。
【0043】
低電圧部Lも高電圧部Hと同様に低電圧部の反転防止メタル56Lを設けている。低電圧部Lは前述したように22にはエピキタルシャル層22に拡散し、PチャンネルのMOSFET15、16のソース領域23L、24Lおよびドレイン領域25L、26LとなるP(+)導電型拡散領域を形成している。
【0044】
またエピキタルシャル層22にP(−)導電型の拡散層31Lを形成している。そのP(−)導電型の拡散層31LにNチャンネルのMOSFET17、18のソース領域27L、28Lおよびドレイン領域29L、30LとなるN(+)導電型拡散領域を形成している。
【0045】
層間絶縁層32上にはPチャンネルのMOSFET15、16のソース電極33L、ドレイン電極34L、35Lが形成される。ゲート電極36L、37Lは半導体基板表面のゲート絶縁膜を介して設けられ周囲を層間絶縁層32で覆われる。
【0046】
ソース電極33Lはコンタクトホール38Lでソース領域23Lに接続され、コンタクトホール39Lでソース領域24Lに接続されている。またドレイン電極34Lはコンタクトホール40Lでドレイン領域25Lに接続され、ドレイン電極35Lはコンタクトホール41Lでドレイン領域26Lに接続されている。
【0047】
同様にして、層間絶縁層32にはNチャンネルのMOSFET17、18のソース電極43L及びドレイン電極45L、46Lが形成される。ゲート電極47L、48Lは半導体基板表面のゲート絶縁膜を介して設けられ周囲を層周間縁層32で覆われる。
【0048】
ソース電極43Lはコンタクトホール49Lでソース領域27Lに接続され、コンタクトホール50Lでソース領域28Lに接続されている。またドレイン電極45Lはコンタクトホール51Lでドレイン領域29Lに接続され、ドレイン電極46Lはコンタクトホール52Lでドレイン領域30Lに接続されている。
【0049】
このようにして形成されたパワーMOSFET全体は保護のためジャケット保護膜Pで封止されており、各電極33L、34L、35L、43L、45L、46Lは端子33S2、34D2、35D2、43S2、45D2、46D2等でジャケット保護膜Pの外部に引出される。
【0050】
そして高電圧部Hと同様に、層間絶縁層32にNチャンネルのMOSFET15のソース領域27Lとドレイン領域29L周囲の拡散層31L及びNチャンネルのMOSFET18のソース領域28Lとドレイン領域30L周囲の拡散層31L上を少なくとも覆うように低電圧部の反転防止用メタル56Lを設ける。そして反転防止用メタル56LはNチャンネルMOSFET17、18のソース電極43に接続し、GNDに固定する。
【0051】
また層間絶縁層内32にPチャンネルのMOSFET15のソース領域23Lとドレイン領域25L周囲の半導体基板及びMOSFET16のソース領域24Lとドレイン領域26L周囲の半導体基板上を少なくとも覆うように低電圧部の反転防止用メタル55Lを設ける。そして反転防止用メタル55LはPチャンネルMOSFET17、18のソース電極33Lに接続し、15Vの電源電位VCCに固定している。
【0052】
本発明のパワーMOS半導体装置は高電圧部HのPチャンネルのMOSFET10、11のソース領域とドレイン領域周囲の半導体基板を覆うように電源電圧に固定された第1の反転防止用メタル55Hを設けたため、PチャンネルのMOSFET10、11を動作させるためソース電極とゲート電極周囲に正高電圧を印加し、パッケージ内の分極が大きくなって陰イオンが蓄積されても、反転防止用メタル55Hに正の電源電圧を与えることにより陰イオンの影響が層間絶縁膜32中の可動イオンに及ばない様にする。従ってソース領域23Hとドレイン領域25H周囲あるいはソース領域24Hとドレイン領域26H周囲のN(−)導電形型の半導体基板に反転領域が起こることはないので、隣り合うMOSFET10ソース領域24HとMOSFET11Hのドレイン領域25H間にリーク電流が流れ正常な動作が妨げられることはない。
【0053】
また低電圧部LのNチャンネルのMOSFET17、18のソース領域27L、28Lとドレイン領域29L、30周囲の拡散層31Lを少なくとも覆うように低電位に固定された低電圧部の反転防止用メタル56Hを設けたため、パッケージ内の分極が大きくなり層間絶縁層32中の陽イオンの可動が発生しても、低電圧部の反転防止用メタル56Hに吸引される。従ってソース領域27Lとドレイン領域29L周囲等の拡散領域に反転領域が起こることを防止できるので、隣合うMOSFET18のソース領域28LとMOSFET17のドレイン領域29L間にリーク電流が流れ正常な動作が妨げられることはない。
【0054】
【発明の効果】
本発明のMOS半導体装置は層間絶縁層にMOSFETのソース領域とドレイン領域の半導体基板上の拡散領域の夫々を少なくとも覆うように反転防止用メタル設け、反転防止用メタルを高電位又は低電位に固定したので、Pチャンネル及びNチャンネルのMOSFETに高電圧を加えても、パッケージ等に含まれる不純物によるイオンが可動しても、反転防止用メタルに遮断されて、その影響がシリコン表面に及ぶことがない。従って表面反転によりソースとドレイン周囲にリーク電流が発生することを防止できる。
【0055】
またCMOS−ICの様な複雑なパターンではそれぞれのMOSFETの反転防止用メタルに加える必要な電位も異なるが、本発明では個々のMOSFETにメタルを設け、ソース電位に固定したので複雑なパターンの半導体装置でも反転防止ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明および従来のMOS半導体装置に組み込まれたパワー集積回路の回路図である。
【図2】本発明のMOS半導体装置の高電圧部の断面図である。
【図3】本発明のMOS半導体装置の高電圧部の上面図である。
【図4】本発明のMOS半導体装置の低電圧部の断面図である。
【図5】本発明のMOS半導体装置の低電圧部の上面図である。
【図6】従来のMOS半導体装置の高電圧部の断面図である。
【図7】本発明のMOS半導体装置の高電圧部の上面図である。
【図8】従来のMOS半導体装置の低電圧部の断面図である。
【図9】本発明のMOS半導体装置の低電圧部の上面図である。
【符号の説明】
10、11、12、13 MOSFET
21 半導体基板
23H、24H ソース領域
25H、26H ドレイン領域
27L、28L ソース領域
29L、30L ドレイン領域
32 層間絶縁層
55H 高電圧部の反転防止用メタル
56L 低電圧部の反転防止用メタル
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワーMOS集積回路において表面反転に原因し発生するリーク電流をなくなすようにしたMOS半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
PチャンネルMOSFETおよびNチャンネルMOSFETをコンプリメンタリ接続したパワー集積回路が多く用いられている。これらパワー集積回路では高電圧が加えられるため、樹脂パッケージでの可動イオンにより表面反転が誘起され、それに起因してリーク電流が生じる。
【0003】
図1はパワーMOS集積回路の回路図である。コンプリメンタリ接続したPチャンネルおよびNチャンネルのMOSFET10、11、12および13とよりなる高電圧部Hと、同じくPチャンネルおよびNチャンネルのMOSFET15、16、17および18とよりなる低電圧部Lとよりなる。
【0004】
低電圧部Lはレベルシフト回路14を介して高電圧部Hに接続されている。高電圧部HのMOSFET10、11のソース電極は515Vの高電圧源VBに接続されており、MOSFET12、13のソース電極は500Vの高電圧源VSに接続されている。
【0005】
また低電圧部LのMOSFET15、16のソース電極は15Vの低電圧源VCCに接続されており、MOSFET17、18のソース電極は接地されている。図1の回路は、GNDに対して高い電圧ゲート入力が要求されるブリッジ回路のMOSFETドライバー回路として利用される。
【0006】
図6及び図7は従来の半導体装置の断面図及び上面図で、図1の高電圧部Hを示す。
【0007】
シリコン・チップ20はP型の半導体基板21とその上にエピタキシャル法で形成されたN(−)導電型のエピタキシャル層22を有する。エピタキシャル層22には拡散し、PチャンネルのMOSFET10、11のソース領域23H、24Hおよびドレイン領域25H、26HとなるP(+)導電型拡散領域を形成している。
【0008】
またエピキタルシャル層22に拡散し、P(−)導電型の拡散層31Hを形成している。そのP(−)導電型の拡散層31Hにさらに拡散し、NチャンネルのMOSFET12、13のソース領域27H、28Hおよびドレイン領域29H、30HとなるN(+)導電型拡散領域を形成している。
【0009】
半導体基板21の表面のすべては層間絶縁層(シリコン酸化膜)32により覆われている。層間絶縁層32上にはPチャンネルのMOSFET10、11のソース電極33H、ドレイン電極34H、35Hが形成される。ゲート電極36H、37Hは半導体基板表面のゲート絶縁膜を介して設けられ周囲を層間絶縁層32で覆われる。
【0010】
ソース電極33Hはコンタクトホール38Hでソース領域23Hに接続され、コンタクトホール39Hでソース領域24Hに接続されている。またドレイン電極34Hはコンタクトホール40Hでドレイン領域25Hに接続され、ドレイン電極35Hはコンタクトホール41Hでドレイン領域26Hに接続されている。コンタクトホール38H、39H、40H、41Hには電極メタルが充填されている。
【0011】
同様にして、層間絶縁層32にはNチャンネルのMOSFET12、13のソース電極43H及びドレイン電極45H、46Hが形成される。ゲート電極47H、48Hは半導体基板表面のゲート絶縁膜を介して設けられ周囲を層周間縁層32で覆われる。
【0012】
ソース電極43Hはコンタクトホール49Hでソース領域27Hに接続され、コンタクトホール50Hでソース領域28Hに接続されている。またドレイン電極45Hはコンタクトホール51Hでドレイン領域29Hに接続され、ドレイン電極46Hはコンタクトホール52Hでドレイン領域30Hに接続されている。コンタクトホール49H、50H、51H、52Hには電極メタルが充填されている。
【0013】
このようにして形成されたパワーMOSFET全体は保護のためジャケット保護膜Pで封止されており、各電極33H、34H、35H、43H、45H、46Hは端子33S1、34D1、35D1、43S1、45D1、46D1等でジャケット保護膜Pの外部に引出される。
【0014】
ところでジャケット保護膜Pを覆うパッケージ樹脂にはイオン性不純物の含有が避けられず、これが反転層を形成する原因となる。即ちMOSFETに電圧が加わると、パッケージ樹脂に含まれているイオンの移動が生じる。電圧が低い場合はイオンの移動は鈍く問題がない。しかし例えばPチャンネルMOSFET10、11のソース電極とドレイン電極周囲に515V以上の高電圧を印加すると、パッケージ樹脂Pに含まれている陰イオンがMOSFETの表面方向に移動する分極の程度が大きくなる。このイオンの移動は層間絶縁層32を介してソース領域23H及びドレイン領域25H周囲の半導体基板21の表面へ影響を及ぼすことになる。
【0015】
すなわち、時間が経過すると半導体基板との界面の層間絶縁層32側に負の電荷が蓄積される。そして負の蓄積された電荷が作用して、ソース領域24Hとドレイン領域25Hの半導体基板に反転領域Xが起こる。そのため本来は絶縁されていなければならない隣接するMOSFET11のソース領域24HとMOSFET10のドレイン領域25Hの周囲にリーク電流が流れ正常な動作が妨げられる。シリコン・チップ20の半導体基板21には高電圧部Hと共に低電圧部も形成されているので、同様な現象が低電圧部Lでも起きる。
【0016】
図8及び図9は従来の半導体装置の断面図及び上面図で、図1の低電圧部Lを示す。低電圧部Lは高電圧部Hと同一構造をなし、エピタキシャル層22には拡散し、PチャンネルのMOSFET15、16のソース領域23L、24Lおよびドレイン領域25L、26LとなるP(+)導電型拡散領域を形成している。
【0017】
またエピキタルシャル層22にP(−)導電型の拡散層31Lを形成している。そのP(−)導電型の拡散層31LにNチャンネルのMOSFET17、18のソース領域27L、28Lおよびドレイン領域29L、30LとなるN(+)導電型拡散領域を形成している。
【0018】
層間絶縁層32上にはPチャンネルのMOSFET15、16のソース電極33L、ドレイン電極34L、35Lが形成される。ゲート電極36L、37Lは半導体基板表面のゲート絶縁膜を介して設けられ周囲を層間絶縁層32で覆われる。
【0019】
ソース電極33Lはコンタクトホール38Lでソース領域23Lに接続され、コンタクトホール39Lでソース領域24Lに接続されている。またドレイン電極34Lはコンタクトホール40Lでドレイン領域25Lに接続され、ドレイン電極35Lはコンタクトホール41Lでドレイン領域26Lに接続されている。
【0020】
同様にして、層間絶縁層32にはNチャンネルのMOSFET17、18のソース電極43L及びドレイン電極45L、46Lが形成される。ゲート電極47L、48Lは半導体基板表面のゲート絶縁膜を介して設けられ周囲を層周間縁層32で覆われる。
【0021】
ソース電極43Lはコンタクトホール49Lでソース領域27Lに接続され、コンタクトホール50Lでソース領域28Lに接続されている。またドレイン電極45Lはコンタクトホール51Lでドレイン領域29Lに接続され、ドレイン電極46Lはコンタクトホール52Lでドレイン領域30Lに接続されている。
【0022】
このようにして形成されたパワーMOSFET全体は保護のためジャケット保護膜Pで封止されており、各電極33L、34L、35L、43L、45L、46Lは端子33S2、34D2、35D2、43S2、45D2、46D2等でジャケット保護膜Pの外部に引出される。
【0023】
ところでNチャンネルMOSFET17、18のソース電極が接地電位にされると、同一半導体基板21にある高電圧部Hに高電圧が加えられていることが影響し、パッケージ樹脂に含まれている陽イオンがMOSFETの表面方向に移動する分極の程度が大きくなる。このイオンの移動は層周囲絶縁層32を介してソース領域28L及びドレイン領域29L周囲の半導体基板21の表面へ影響を及ぼすことになる。
【0024】
時間が経過すると半導体基板との界面の層間絶縁層32側に正の電荷が蓄積される。そして正の蓄積された電荷が作用して、ソース領域28Lとドレイン領域29Lの半導体基板に反転領域Yが起こる。そのため本来は絶縁されていなければならない隣接するMOSFET18のソース領域28LとMOSFET7のドレイン領域29Lの周囲にリーク電流が流れ正常な動作が妨げられる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
前述のようにして形成されたMOSFETの素子では高電圧を加えるとパッケージとなる絶縁性樹脂に含まれるイオンの移動が発生し表面反転が誘起される。絶縁性樹脂層内の不純物等が持つ電荷が半導体基板の表面に影響を与えない様にする為に、表面に形成するジャケット膜の厚みを厚くするか、または組立時にレジン等を塗布して組み立てている。
【0026】
しかしジャケット膜の厚みを増加することあるいはレンジを塗布することはあくまでも電荷の影響を緩和するだけであり、より高耐圧MOSFETの素子を形成するに必要となる表面濃度の低減化が進むと対応しきれない。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明は表面反転からのリーク電流をなくすようにした半導体装置で、
一導電型の半導体基板に該半導体基板と異なる導電型の拡散領域で形成したソース領域とドレイン領域及び前記半導体基板上の層間絶縁層に形成したゲート電極とを有するMOSFETと、前記層間絶縁層内に前記MOSFETのソース領域とドレイン領域周囲の半導体基板を少なくとも覆うように設けられた高電圧部の反転防止用メタルとよりなり、前記高電圧の反転防止用メタルを高電位に固定して、前記層間絶縁層上に設けられ前記MOSFETのソース領域とドレイン領域に夫々連なる電極に加えられた電圧による電荷の移動によって起こる前記半導体基板表面の反転を防止するMOS半導体装置を提供する。
【0028】
本発明は又同一半導体基板に高電圧部と低電圧部を形成したMOS半導体装置において、高電圧部は一導電型の半導体基板に該半導体基板と異なる導電型の拡散領域で形成したソース領域とドレイン領域及び前記半導体基板上の層間絶縁層に形成したゲート電極とを有する第1の導電型のMOSFETと、前記層間絶縁層内に前記MOSFETのソース領域とドレイン領域周囲の半導体基板を少なくとも覆うように設けられた高電圧部の反転防止用メタルとよりなり、低電圧部は前記半導体基板に形成された該半導体基板と異なる導電型の拡散層と、該拡散層に前記第1導電型のMOSFETと異なる導電型の拡散領域で形成したソース領域とドレイン領域及び前記半導体基板上の層間絶縁層に形成したゲート電極とを有する第2導電型のMOSFETと、前記層間絶縁層内に前記MOSFETのソース領域とドレイン領域周囲の半導体基板を少なくとも覆うように設けられた低電圧部の反転防止用メタルとよりなり、前記高電圧部の反転防止用メタルを第1の電位に固定して、前記層間絶縁層上に設けられ第1導電型のMOSFETのソース領域とドレイン領域に夫々連なる電極に加えられた電圧による前記半導体基板表面の電荷の反転を防止し、前記低電圧部の反転防止用メタルを第2の電位に固定して、前記層間絶縁層上に設けられ前記第2導電型のMOSFETのソース領域とドレイン領域に夫々連なる電極に加えられた電圧による前記半導体基板表面の電荷の反転を防止するMOS半導体装置を提供する。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体装置を図1〜図3に従って説明する。
【0030】
図1は本発明の半導体装置を組み込んだパワー集積回路の回路図で、高電圧部Hと低電圧部Lとを備える。高電圧部Hはコンプリメンタリ接続されたPチャンネルおよびNチャンネルのMOSFET10、11、12および13とよりなる。同じく低電圧部Lはコンプリメンタリ接続されたPチャンネルおよびNチャンネルのMOSFET15、16、17および18とよりなる。
【0031】
低電圧部Lはレベルシフト回路14を介して高電圧部Hに接続されている。高電圧部HのMOSFET10とMOSFET11のソース電極は結合され515の高電圧源VBに接続されている。またMOSFET12とMOSFET13のソース電極は結合され、500Vの高電圧源VSに接続されている。
【0032】
低電圧部LのMOSFET15とMOSFET16のソース電極は結合され15Vの低電圧源VCCに接続されており、MOSFET17とMOSFET18のソース電極も結合され接地されている。図1の回路は、GNDに対して高い電圧ゲート入力が要求されるブリッジ回路のMOSFETドライバー回路として利用される。
【0033】
図2および図3は図1のMOSFETドライバー回路を構成するMOSFETの高電圧部Hの構造を示す半導体装置の断面図及び上面図である。図6及び図7と同一構成部分は同一符号で示す。
【0034】
シリコン・チップ20はP型の半導体基板21とその上にエピタキシャル法で形成されたN(−)導電型のエピタキシャル層22を有する。エピタキシャル層22には拡散し、PチャンネルのMOSFET10、11のソース領域23H、24Hおよびドレイン領域25H、26HとなるP(+)導電型拡散領域を形成している。
【0035】
またエピキタルシャル層22に拡散し、P(−)導電型の拡散層31Hを形成している。そのP(−)導電型の拡散層31Hにさらに拡散し、NチャンネルのMOSFET12、13のソース領域27H、28Hおよびドレイン領域29H、30HとなるN(+)導電型拡散領域を形成している。
【0036】
半導体基板21の表面のすべては層間絶縁層(シリコン酸化膜)32により覆われている。層間絶縁層32上にはPチャンネルのMOSFET10、11のソース電極33H、ドレイン電極34H、35Hが形成される。ゲート電極36H、37Hは半導体基板表面のゲート絶縁膜を介して設けられ周囲を層間絶縁層32で覆われる。
【0037】
ソース電極33Hはコンタクトホール38Hでソース領域23Hに接続され、コンタクトホール39Hでソース領域24Hに接続されている。またドレイン電極34Hはコンタクトホール40Hでドレイン領域25Hに接続され、ドレイン電極35Hはコンタクトホール41Hでドレイン領域26Hに接続されている。コンタクトホール38H、39H、40H、41Hには電極メタルが充填されている。
【0038】
同様にして、層間絶縁層32にはNチャンネルのMOSFET12、13のソース電極43H及びドレイン電極45H、46Hが形成される。ゲート電極47H、48Hは半導体基板表面のゲート絶縁膜を介して設けられ周囲を層周間縁層32で覆われる。
【0039】
ソース電極43Hはコンタクトホール49Hでソース領域27Hに接続され、コンタクトホール50Hでソース領域28Hに接続されている。またドレイン電極45Hはコンタクトホール51Hでドレイン領域29Hに接続され、ドレイン電極46Hはコンタクトホール52Hでドレイン領域30Hに接続されている。コンタクトホール49H、50H、51H、52Hには電極メタルが充填されている。
【0040】
このようにして形成されたパワーMOSFET全体は保護のためジャケット保護膜Pで封止されており、各電極33H、34H、35H、43H、45H、46Hは端子33S1、34D1、35D1、43S1、45D1、46D1等でジャケット保護膜Pの外部に引出される。
【0041】
本発明のパワー半導体装置の特徴とするところは、層間絶縁層内32にPチャンネルのMOSFET10のソース領域23Hとドレイン領域25H周囲の半導体基板及びMOSFET11のソース領域24Hとドレイン領域26H周囲の半導体基板上を少なくとも覆うように高電圧部の反転防止用メタル55Hを設ける。そして反転防止用メタル55HはPチャンネルMOSFET10、11のソース電極33Hに接続し、515V以上の電源電位VBに固定している。
【0042】
同様に層間絶縁層32にNチャンネルのMOSFET12のソース領域27Hとドレイン領域29H周囲の拡散層31H及びNチャンネルのMOSFET13のソース領域28Hとドレイン領域30H周囲の拡散層31H上を少なくとも覆うように高電圧部の反転防止用メタル56Hを設ける。そして反転防止用メタル56HはNチャンネルMOSFET12、13のソース電極43Hに接続し、500Vの電源電圧VSに固定する。
【0043】
低電圧部Lも高電圧部Hと同様に低電圧部の反転防止メタル56Lを設けている。低電圧部Lは前述したように22にはエピキタルシャル層22に拡散し、PチャンネルのMOSFET15、16のソース領域23L、24Lおよびドレイン領域25L、26LとなるP(+)導電型拡散領域を形成している。
【0044】
またエピキタルシャル層22にP(−)導電型の拡散層31Lを形成している。そのP(−)導電型の拡散層31LにNチャンネルのMOSFET17、18のソース領域27L、28Lおよびドレイン領域29L、30LとなるN(+)導電型拡散領域を形成している。
【0045】
層間絶縁層32上にはPチャンネルのMOSFET15、16のソース電極33L、ドレイン電極34L、35Lが形成される。ゲート電極36L、37Lは半導体基板表面のゲート絶縁膜を介して設けられ周囲を層間絶縁層32で覆われる。
【0046】
ソース電極33Lはコンタクトホール38Lでソース領域23Lに接続され、コンタクトホール39Lでソース領域24Lに接続されている。またドレイン電極34Lはコンタクトホール40Lでドレイン領域25Lに接続され、ドレイン電極35Lはコンタクトホール41Lでドレイン領域26Lに接続されている。
【0047】
同様にして、層間絶縁層32にはNチャンネルのMOSFET17、18のソース電極43L及びドレイン電極45L、46Lが形成される。ゲート電極47L、48Lは半導体基板表面のゲート絶縁膜を介して設けられ周囲を層周間縁層32で覆われる。
【0048】
ソース電極43Lはコンタクトホール49Lでソース領域27Lに接続され、コンタクトホール50Lでソース領域28Lに接続されている。またドレイン電極45Lはコンタクトホール51Lでドレイン領域29Lに接続され、ドレイン電極46Lはコンタクトホール52Lでドレイン領域30Lに接続されている。
【0049】
このようにして形成されたパワーMOSFET全体は保護のためジャケット保護膜Pで封止されており、各電極33L、34L、35L、43L、45L、46Lは端子33S2、34D2、35D2、43S2、45D2、46D2等でジャケット保護膜Pの外部に引出される。
【0050】
そして高電圧部Hと同様に、層間絶縁層32にNチャンネルのMOSFET15のソース領域27Lとドレイン領域29L周囲の拡散層31L及びNチャンネルのMOSFET18のソース領域28Lとドレイン領域30L周囲の拡散層31L上を少なくとも覆うように低電圧部の反転防止用メタル56Lを設ける。そして反転防止用メタル56LはNチャンネルMOSFET17、18のソース電極43に接続し、GNDに固定する。
【0051】
また層間絶縁層内32にPチャンネルのMOSFET15のソース領域23Lとドレイン領域25L周囲の半導体基板及びMOSFET16のソース領域24Lとドレイン領域26L周囲の半導体基板上を少なくとも覆うように低電圧部の反転防止用メタル55Lを設ける。そして反転防止用メタル55LはPチャンネルMOSFET17、18のソース電極33Lに接続し、15Vの電源電位VCCに固定している。
【0052】
本発明のパワーMOS半導体装置は高電圧部HのPチャンネルのMOSFET10、11のソース領域とドレイン領域周囲の半導体基板を覆うように電源電圧に固定された第1の反転防止用メタル55Hを設けたため、PチャンネルのMOSFET10、11を動作させるためソース電極とゲート電極周囲に正高電圧を印加し、パッケージ内の分極が大きくなって陰イオンが蓄積されても、反転防止用メタル55Hに正の電源電圧を与えることにより陰イオンの影響が層間絶縁膜32中の可動イオンに及ばない様にする。従ってソース領域23Hとドレイン領域25H周囲あるいはソース領域24Hとドレイン領域26H周囲のN(−)導電形型の半導体基板に反転領域が起こることはないので、隣り合うMOSFET10ソース領域24HとMOSFET11Hのドレイン領域25H間にリーク電流が流れ正常な動作が妨げられることはない。
【0053】
また低電圧部LのNチャンネルのMOSFET17、18のソース領域27L、28Lとドレイン領域29L、30周囲の拡散層31Lを少なくとも覆うように低電位に固定された低電圧部の反転防止用メタル56Hを設けたため、パッケージ内の分極が大きくなり層間絶縁層32中の陽イオンの可動が発生しても、低電圧部の反転防止用メタル56Hに吸引される。従ってソース領域27Lとドレイン領域29L周囲等の拡散領域に反転領域が起こることを防止できるので、隣合うMOSFET18のソース領域28LとMOSFET17のドレイン領域29L間にリーク電流が流れ正常な動作が妨げられることはない。
【0054】
【発明の効果】
本発明のMOS半導体装置は層間絶縁層にMOSFETのソース領域とドレイン領域の半導体基板上の拡散領域の夫々を少なくとも覆うように反転防止用メタル設け、反転防止用メタルを高電位又は低電位に固定したので、Pチャンネル及びNチャンネルのMOSFETに高電圧を加えても、パッケージ等に含まれる不純物によるイオンが可動しても、反転防止用メタルに遮断されて、その影響がシリコン表面に及ぶことがない。従って表面反転によりソースとドレイン周囲にリーク電流が発生することを防止できる。
【0055】
またCMOS−ICの様な複雑なパターンではそれぞれのMOSFETの反転防止用メタルに加える必要な電位も異なるが、本発明では個々のMOSFETにメタルを設け、ソース電位に固定したので複雑なパターンの半導体装置でも反転防止ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明および従来のMOS半導体装置に組み込まれたパワー集積回路の回路図である。
【図2】本発明のMOS半導体装置の高電圧部の断面図である。
【図3】本発明のMOS半導体装置の高電圧部の上面図である。
【図4】本発明のMOS半導体装置の低電圧部の断面図である。
【図5】本発明のMOS半導体装置の低電圧部の上面図である。
【図6】従来のMOS半導体装置の高電圧部の断面図である。
【図7】本発明のMOS半導体装置の高電圧部の上面図である。
【図8】従来のMOS半導体装置の低電圧部の断面図である。
【図9】本発明のMOS半導体装置の低電圧部の上面図である。
【符号の説明】
10、11、12、13 MOSFET
21 半導体基板
23H、24H ソース領域
25H、26H ドレイン領域
27L、28L ソース領域
29L、30L ドレイン領域
32 層間絶縁層
55H 高電圧部の反転防止用メタル
56L 低電圧部の反転防止用メタル
Claims (3)
- 一導電型の半導体基板に該半導体基板と異なる導電型の拡散領域で形成したソース領域とドレイン領域及び前記半導体基板上の層間絶縁層に形成したゲート電極とを有するMOSFETと、
前記層間絶縁層内に前記MOSFETのソース領域とドレイン領域周囲の半導体基板を少なくとも覆うように設けられた反転防止用メタルとよりなり、
前記反転防止用メタルを一電位に固定して、前記層間絶縁層上に設けられ前記MOSFETのソース領域とドレイン領域に夫々連なる電極に加えられた電圧による電荷の移動によって起こる前記半導体基板表面の反転を防止することを特徴とするMOS半導体装置。 - 同一半導体基板に高電圧部と低電圧部を形成したMOS半導体装置において、
高電圧部は少なくとも一導電型の半導体基板に該半導体基板と異なる導電型の拡散領域で形成したソース領域とドレイン領域及び前記半導体基板上の層間絶縁層に形成したゲート電極とを有する第1の導電型のMOSFETと、前記層間絶縁層内に前記MOSFETのソース領域とドレイン領域周囲の半導体基板を少なくとも覆うように設けられた高電圧部の反転防止用メタルとよりなり、
低電圧部は少なくとも前記半導体基板に形成された該半導体基板と異なる導電型の拡散層と、該拡散層に前記第1導電型のMOSFETと異なる導電型の拡散領域で形成したソース領域とドレイン領域及び前記半導体基板上の層間絶縁層に形成したゲート電極とを有する第2導電型のMOSFETと、前記層間絶縁層内に前記MOSFETのソース領域とドレイン領域周囲の半導体基板を少なくとも覆うように設けられた低電圧部の反転防止用メタルとよりなり、
前記高電圧部の反転防止用メタルを第1の電位に固定して、前記層間絶縁層上に設けられ第1導電型のMOSFETのソース領域とドレイン領域に夫々連なる電極に加えられた電圧による前記半導体基板表面の電荷の反転を防止し、前記低電圧部の反転防止用メタルを第2の電位に固定して、前記層間絶縁層上に設けられ前記第2導電型のMOSFETのソース領域とドレイン領域に夫々連なる電極に加えられた電圧による前記半導体基板表面の電荷の反転を防止することを特徴とするMOS半導体装置。 - 前記高電圧部の反転防止用メタルを高電圧部のMOSFETのソース電極に接続し、500V以上の電位に固定し、低電圧部の反転防止用メタルを低電圧部のMOSFETのソース電極に接続し、GND電位に固定したことを特徴とする請求項2記載のMOS半導体装置。
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