JP6319371B2 - 半導体発光素子 - Google Patents

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本発明は、半導体発光素子に関し、特にその電極構造に関する。
半導体発光素子は、一般に発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)やレーザダイオード(Laser Diode:LD)等があり、バックライト等に用いる各種光源、照明、信号機、大型ディスプレイ等に幅広く利用されている。
このような半導体発光素子は、基本的に、基板上にn型半導体層、p型半導体層が積層され、n型、p型のそれぞれの半導体層に電気的に接続するn側電極、p側電極が形成された構造である。両電極を上面側に形成する場合、上層のp型半導体層の一部を除去してn型半導体層が露出した領域にn側電極を形成し、p型半導体層上にp側電極を形成する。
このような半導体発光素子の電極には、導電性に優れ、光を効率良く反射することができるAgが用いられている(以下、Ag電極とする)。しかしながら、Agは、酸素や水分などの影響で変質し易く、劣化によって反射率が低下することが知られている。このため、従来からAg電極の上面及び側面を金属層などで被覆して、外部環境からAg電極を保護することにより、Agの劣化を防止していた。また、このような金属層には、半導体発光素子として光出力(光取り出し効率)が低下しないように、できるだけ反射率に優れた材料、例えばAlを用いるための検討がなされてきた。
しかしながら、Alは比較的拡散し易い性質のため、低温であってもAg電極にAlが拡散してしまうという問題があった。Alが拡散すると、Ag電極が腐食されてしまうため、順方向電圧が上昇したり、反射率が低下したりするなどの弊害が生じる。
国際出願公開第WO2006/043422号 特開2010−267797号公報
本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、Ag含有層を有する電極構造体を覆う金属層の材料にAlを用いても、Alが電極構造体に拡散するのを抑制して、光取出し効率を向上させた半導体発光素子を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面に係る半導体発光素子によれば、半導体層と、前記半導体層の上面に設けられ、Agを含むAg含有層を有する第一電極構造体と、前記第一電極構造体の上面及び側面に配置される第二電極構造体とを備える半導体発光素子であって、前記第一電極構造体の最上層が、Ru層であり、前記第二電極構造体は、Alを主成分とする金属から構成されており、前記第二電極構造体は、前記第一電極構造体の上面を覆う膜厚よりも、側面を覆う膜厚の方が厚くなるように設けることができる。
また、本発明の第2の側面に係る半導体発光素子によれば、さらに前記第二電極構造体の上面に設けられるパッド電極を備えることができる。
さらに、本発明の第3の側面に係る半導体発光素子によれば、半導体層と、前記半導体層の上面に設けられ、Ag含有層を有する第一電極構造体と、前記第一電極構造体の上面及び側面に配置される第二電極構造体と、を備える半導体発光素子であって、前記第一電極構造体の最上層が、Ru層であり、前記第二電極構造体は、Alを主成分とする金属から構成されており、前記第二電極構造体の最上層はAl拡散防止層であり、前記第二電極構造体の上面に、パッド電極を設けることができる。
上記構成により、Al含有層のAlが、Ag含有層に拡散するのをRu層で防止することができると共に、光取り出し効率を向上させることができる。
さらにまた、本発明の第4の側面に係る半導体発光素子によれば、前記第一電極構造体が、前記Ag含有層と前記Ru層との間に、Agの拡散を防止するAg拡散防止層を有してなることができる。上記構成により、第一電極構造体からAgがパッド電極側に拡散するのを防止することができる。
さらにまた、本発明の第5の側面に係る半導体発光素子によれば、前記Ag拡散防止層が、前記Ag含有層に面したNi層と、該Ni層の上に積層されたTi層を有してなることができる。上記構成により、拡散防止層によるAgのバリア効果を高めることができる。
さらにまた、本発明の第6の側面に係る半導体発光素子によれば、前記第二電極構造体を、Al及びCuを含む単一層で構成することができる。上記構成により、パッド電極に接続されるワイヤなどの外部接続部材に反射された戻り光を、第二電極構造体の最表面で効率良く反射することができ、光取り出し効率の改善に寄与できる。さらに、パッド電極に外部接続部材が接合される際に生じる応力を、第二電極構造体が緩和することによって、第一電極構造体を外部環境から保護することができる。
本発明の実施形態1に係る半導体発光素子の平面図である。 図1の半導体発光素子のII−II線における断面図である。 半導体発光素子の製造方法を説明するフローチャートである。 図2の半導体発光素子における電極構造を示す拡大断面図である。 変形例に係る半導体発光素子における電極構造を示す拡大断面図である。
以下、本発明に係る実施形態及び実施例を、図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態及び実施例は、本発明の技術思想を具体化するための、半導体発光素子を例示するものであって、本発明は、半導体発光素子を以下のものに特定しない。
なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。さらに、本明細書において、層上等でいう「上」とは、必ずしも上面に接触して形成される場合に限られず、離間して上方に形成される場合も含んでおり、層と層の間に介在層が存在する場合も包含する意味で使用する。
(実施形態1)
図1及び図2に、本発明の実施形態1に係る半導体発光素子を示す。この半導体発光素子100は、図2の断面図に示すように、基板1と、この基板1上に設けられる半導体層10と、半導体層10の上面に設けられ、Agを含むAg含有層24を有する第一電極構造体20と、第一電極構造体20の表面を覆う第二電極構造体30と、第二電極構造体30の上面に設けられるパッド電極6pと、を少なくとも備えており、第一電極構造体20の最上層が、Ru層22であり、第二電極構造体30の最下層が、Al含有層32である。
より具体的には、半導体層10は、活性領域3を挟んで積層されたn型半導体層2及びp型半導体層4を有する。つまり半導体発光素子100は、基板1上に、n型半導体層2、活性領域3、p型半導体層4をこの順に積層して構成される。さらに半導体発光素子100は、p型半導体層4の一部を除去して露出されたn型半導体層2にn側電極7nが設けられると共に、p型半導体層4の主面にはp側電極7pを備える。このn側電極7n及びp側電極7pを介して、n型半導体層2及びp型半導体層4にそれぞれ電力が供給されると、活性領域3より光が出射し、半導体層10の下方に位置するn型半導体層4側を主発光面側として、すなわち図1に示される面とは反対側の基板1から主に光が取り出される。
n型半導体層2に電気的に接続するn側電極7nは、パッド電極6nから構成され、図1の平面図に示すように、p型半導体層4及び活性領域3の一部が除去されて露出された、n型半導体層2の表面上に直接設けられる。一方、p型半導体層4に電気的に接続するp側電極7pは、p型半導体層4の上面のほぼ全面に設けられる第一電極構造体20と、第一電極構造体20の表面である上面及び側面を覆う第二電極構造体30と、第二電極構造体の上面に複数設けられたパッド電極6pとから構成される。
本実施形態における第一電極構造体20は、最下層がAg含有層24であり、このAg含有層24がp型半導体層4の上面に接して設けられる。Ag含有層24は、p型半導体層4の上面端部よりも内側の領域に設けられており、Ag含有層24が設けられる領域以外の領域ではp型半導体層4の上面が露出する。また、第一電極構造体20の最上層はRu層22であり、Ru層22に接して、第二電極構造体30が第一電極構造体20を覆うように設けられる。このとき、第二電極構造体の最下層は、Al含有層32であり、Al含有層32がRu層22に接する。さらに、Ru層22に接するAl含有層32は、第一電極構造体20から露出したp側半導体層4の上面まで連続して設けられる。これにより、第一電極構造体20は、Al含有層32(第二電極構造体30)によって完全に覆われるため、外部環境から遮蔽される。第二電極構造体30の上面には、複数のp側パッド電極6pが設けられる。複数のp側パッド電極6pは、平面視において互いに離間するように配置される。
また、絶縁性の保護膜9は、n側電極7n及びp側電極7pの上面を除いた、半導体層10の全表面を被覆する。
(基板1)
基板1は、窒化物系半導体をエピタキシャル成長させることができる基板材料であればよく、大きさや厚さ等は特に限定されない。このような基板材料としては、C面、R面、A面のいずれかを主面とするサファイアやスピネル(MgAl24)のような絶縁性基板、また炭化ケイ素(SiC)、シリコン、ZnS、ZnO、Si、GaAs、ダイヤモンド、及び窒化物系半導体と格子接合するニオブ酸リチウム、ガリウム酸ネオジウム等の酸化物基板が挙げられる。
(n型半導体層2、活性領域3、p型半導体層4)
n型半導体層2、活性領域3、及びp型半導体層4としては、特に限定されるものではないが、例えばInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y<1)等の窒化ガリウム系化合物半導体が好適に用いられる。
(n側電極7n、p側電極7p)
n側電極7nはn型半導体層2に、p側電極7pはp型半導体層4に、それぞれ電気的に接続して外部から電流を供給するための部材である。
(第一電極構造体20)
p側電極7pは、p型半導体層4の上面に直接に、その全面又はそれに近い面積の領域(ほぼ全面)に設けられた、Ag含有層24を有する第一電極構造体20を備える。
本実施形態における第一電極構造体20は、最下層にAg含有層24を有しており、活性領域3からp型半導体層4側に出射された光を、基板1側に効率良く反射することができる。一方、第一電極構造体の最上層はRu層22であり、後述する第二電極構造体30に含まれるAlが、Ru層22によってAg含有層24に拡散されるのを防止することができる。
また、第一電極構造体20は、Ag含有層24とRu層22との間に、Agがp側パッド電極側に拡散するのを防止するAg拡散防止層26を有することができる。Ag拡散防止層26は、p側パッド電極6pが設けられる領域の膜厚が、その周縁領域よりも厚くなるように設けられるのが好ましく、Agの拡散をさらに抑制しつつ、p側パッド電極6pが外部回路などに接合される際に生じる応力が、Ag拡散防止層26にかかったとしても破断せずにバリア性を十分に維持することができる。このようなAg拡散防止層26は、Ag含有層24に面したNi層と、その上に積層されたTi層から構成でき、Ag拡散防止層26によるAgのバリア効果を高めることができる。図2の電極構造の拡大図を、図4に示す。この図に示す例では、第一電極構造体20を、p型半導体層4側からAg層、Ni層、Ti層、Ru層の順に同一マスク形状にて積層して構成している。
(第二電極構造体30)
さらに、第一電極構造体20の上面及び側面には、第二電極構造体30が配置される。第二電極構造体30は、光反射率に優れるAlを主成分とする金属から構成されていれば良く、例えば、比較的に強度の高いAl−Cu系のAl合金(以下、AC層という)から構成されるのが好ましい。本実施形態における第二電極構造体30は、最下層にAl含有層32を有し、さらにAl含有層32の上には、後述するパッド電極との間でAlの拡散を抑制可能なRu/Ti層(Al拡散防止層)34を有する多層構造である。このAl含有層32が、第一電極構造体20の上面及び側面を覆うと共に、第一電極構造体20から露出したp型半導体層4の上面まで連続して覆うように設けられるのが好ましい。これにより、外部環境から第一電極構造体20のAg含有層24を遮蔽できるため、Agがn側電極7nとの間で移動するエレクトロマイグレーションの発生を防止することができる。さらに、第一電極構造体20から露出されたp型半導体層4の上面において、Al含有層32が基板1の側に光を効率よく反射することができるため、光取り出し効率を向上させることができる。また、第二電極構造体30は、第一電極構造体20の上面を覆う膜厚よりも、側面を覆う膜厚の方が厚くなるように設けられているのが好ましく、第一電極構造体20のAg含有層24から、p型半導体層4の上面をAgが移動するのを防止することができる。
また、第二電極構造体30は、本実施形態のように多層構造であっても良いが、単一層で構成しても良い。単一層で構成する場合は、特にAC層を用いるのが好ましく、後述するパッド電極6n,6pに外部接続部材(図示しない)が接合される際に生じる応力を、第二電極構造体30が緩和することによって、第一電極構造体20を外部環境から保護することができる。
なお、図2の断面図の例では、第一電極構造体20を矩形状で示し、この上面及び側面を同じく矩形状の第二電極構造体30で被覆する状態を示しているが、この図は模式的に示したものであって、例えば図5に示すように、半導体層10の上面に曲面状の第一電極構造体20を積層し、さらにその上面を覆うように同じく曲面状の第二電極構造体30で被覆するような態様も、本願発明に包含する。
(n側パッド電極6n、p側パッド電極6p)
n側パッド電極6n及びp側パッド電極6pは、外部回路と電気的に接続するために、ハンダや共晶金属などの外部接続部材が接合されるための部材である。n側パッド電極6n及びp側パッド電極6pは、外部接続部を接続するのに必要な平面視形状及び面積であれば良く、その位置についても特に限定しないが、活性領域3全体に均一な電流が供給されるように配置するのが好ましい。
(半導体発光素子のパッド電極の製造方法)
本発明に係る半導体発光素子のパッド電極の製造方法について、前記実施形態に係る半導体発光素子の製造も含めて、図3を参照して一例を説明する。
(半導体層の形成:S10)
サファイア基板を基板1として、MOVPE反応装置を用いて、基板1上に、n型半導体層2、活性領域3、及びp型半導体層4を構成するそれぞれの窒化物系半導体を成長させる(S11)。半導体層10が形成された基板1(以下、ウェハという)を装置の処理室内にて窒素雰囲気で、600〜700℃程度のアニールを行って、p型半導体層4を低抵抗化する(S12)。
(n側コンタクト領域の形成:S20)
n側電極(n側パッド電極)7nを接続するためのコンタクト領域として、n型半導体層2の一部を露出させる。アニール後のウェハ上にレジストにて所定の形状のマスクを形成して(S21)、反応性イオンエッチング(RIE)にて、p型半導体層4及び活性領域3、さらにn型半導体層2の一部を除去して、その表面にn側コンタクト領域を形成する(S22)。エッチングの後、レジストを除去する(S23)。なお、n側コンタクト領域と同時に、半導体発光素子100(チップ)の周縁部(スクライブ領域)をエッチングしてもよい(図2参照)。
(第一電極構造体の形成:S30)
p型半導体層4の表面にp側コンタクト領域が露出するように、レジストを用いたマスクを形成する(S31)。スパッタ装置にウェハを設置し、スパッタガスとしてアルゴンガスを用いて、p側コンタクト領域のほぼ全面に、Ag層、Ni層、Ti層およびRu層を順に、それぞれ所定の膜厚ずつ連続的に成膜する(S32)。リフトオフ法を用いてレジスト及びその上に形成されたAg/Ni/Ti/Ru層を除去し、第一電極構造体20を形成する(S33)。次に、第一電極構造体20が形成されたウェハを、窒素雰囲気で熱処理(アニール)して、第一電極構造体20のp型半導体層4へのオーミック接触特性を向上させる(S34)。
(第二電極構造体の形成:S40)
第一電極構造体20から離間して周囲を囲むように、レジストを用いたマスクを形成し(S41)、このマスクの上からスパッタリング装置にてAC層、Ru層およびTi層を順に、それぞれ所定の膜厚ずつ連続的に成膜する(S42)。リフトオフ法を用いてレジスト及びその上に成膜されたAC/Ru/Ti層を除去することにより、第一電極構造体20の上面及び側面を覆う第二電極構造体30を形成する(S43)。
(パッド電極の形成:S50)
露出させたn型窒化物系半導体層2上、及び第二電極構造体30上のそれぞれに所定領域を空けたマスクをレジストにて形成し(S51)、このマスクの上から、スパッタリング装置にて、p側パッド電極6p、n側パッド電極6nを構成するAl−Si−Cu系のAl合金(以下、ASC層という)、Ti層、Pt層およびAu層をそれぞれ所定の膜厚ずつ連続的に成膜する(S52)。その後、レジストをその上のASC層/Ti/Pt/Au層ごと除去する(S53)と、前記の所定領域にn側パッド電極6n、p側パッド電極6pが形成された状態となる。
(保護膜9の形成:S60)
ウェハの全面に、保護膜9としてSiO2膜をスパッタリング装置にて成膜する(S61)。外部接続部材が接続される領域としてp側パッド電極6p、n側パッド電極6n上の所定領域を空けたマスクをレジストにて形成し(S62)、SiO2膜をエッチングした(S63)後、レジストを除去する(S64)。
最後に、ウェハをスクライブやダイシング等で分離して、1個の半導体発光素子100(チップ)となる。また、チップに分離する前に、ウェハの裏面から基板1を研削(バックグラインド)して所望の厚さとなるまで薄く加工してもよい。
以上の工程による本発明に係る半導体発光素子のパッド電極の製造方法は、前記の実施形態に係る半導体発光素子について、p側、n側のそれぞれにパッド電極を同時に形成することができるため、生産性が向上する。
なお、本発明に係る半導体発光素子のパッド電極は、p側パッド電極のみに適用されて、このときn側パッド電極は従来公知の構造(例えば、Cr/PtやCr/Pt/Au、CrRh/Pt、CrRh/Pt/Au、CrRh/Pt/Au/Pt、Rh/W/Au等)としてもよい。また、本発明に係る半導体発光素子のパッド電極は、前記実施形態(図1参照)に係る半導体発光素子に限らず、例えばn側電極を導電性基板の裏面(下面)側に設けた半導体発光素子に適用することもできる(図示せず)。
(実施例1〜2、比較例1〜4)
従来のAg含有層を有する第一電極構造体は最表面をPtとしている。しかし、この構成では、低温下であっても第一電極構造体を覆う第二電極構造体に用いられるAlが、最表面のPt、さらにはAg含有層にまで拡散してしまうという問題があった。
そこで、Ag含有層を有する第一電極構造体のAl拡散防止効果を確認するために、以下の条件で作成した実施例1及び2、比較例1乃至4をそれぞれ準備し、これらのサンプルを熱処理した状態での拡散の様子を確認した。この結果を表1に示す。実施例1、2では第一電極構造体としてAg/Ni/Ti/Ruを順で積層し、また比較例1、3はAg/Ni/Ti/Pt、比較例2、4はAg/Ni/Ti/Rhとしている。各層の膜厚はそれぞれ100nmとした。またオーミックアニールは540℃で10分間行った。
さらに実施例1、比較例2〜3のグループでは、第一電極構造体を、AC(Al,Cu)/Ti/Au/W/Tiの順で積層しており、各層の膜厚は、100/500/1400/100/3[nm]としている。一方、実施例2、比較例4〜5のグループでは、p側パッド電極6p、n側パッド電極6nとして、ASC(Al,Si,Cu)/Ti/Pt/Auの順で積層しており、各層の膜厚は500/150/50/450[nm]としている。さらにまた、熱処理は電気炉で行い、N2雰囲気下で250〜500℃(昇温30分〜安定10分〜降温30分)とした。
表1において、○は拡散が発生していないこと、×は拡散して混入が確認されたことを示している。この表に示すように、まず実施例1及び比較例1〜2に係る、第一電極構造体と第二電極構造体との組み合わせにおいては、Pt(比較例1)、Rh(比較例2)を最上層とした構成では共に500℃でACと拡散した。一方、Ru(実施例1)では拡散しないことが確認された。
また実施例2及び比較例3〜4に係る、第一電極構造体とp側及びn側パッド電極の組み合わせにおいては、比較例3に係るPtは350℃で、比較例4に係るRhは500℃で、それぞれASCと拡散した。一方、実施例2に係るRuは拡散していないことが確認された。このことから、第一電極構造体の最上層をPtからRuに変更することで、Alの拡散防止効果が向上されることが確認された。
(実施例3、比較例5)
次に、第一電極構造体のAl拡散防止効果がPtとRuのいずれか優れているかを確認するため、第二電極構造体を熱処理してGDS調査を行った。ここでは実施例3として第一電極構造体にAg/Ni/Ti/Ruを使用し、比較例5として第一電極構造体にAg/Ni/Ti/Ptを用いた。各第一電極構造体は成膜後にオーミックアニール処理している。各層の膜厚は100/100/100/100[nm]としている。また第二電極構造体は、いずれもAC/Ru/Tiの順で積層し、各層の膜厚を2000/100/30[nm]としている。また熱処理には電気炉を用いて、500℃(昇温30分〜安定10分、30分又は60分〜降温30分)に加熱した。この結果を表2に示す。
この表に示すように、第一電極構造体で最上層に用いる金属をPtとRuとで比較したところ、実施例3に係るRu構造の方が熱拡散に優位性があることが確認された。また得られた窒化物系化合物半導体のウェハを熱処理の前後で比較したところ、Agで腐食された部分が黒色に変色しており、特に裏面側に比べ、熱処理した表面側の変色が激しいことが確認された。さらにRuを用いた電極は、変色の度合いが低いことも確認できた。このことから、第一電極構造体の最上層にRuを採用する構造の優位性が確認された。
本発明の半導体発光素子は、照明用光源、発光素子を光源としてドットマトリックス状に配置したディスプレイ、バックライト光源、信号機、照明式スイッチ、イメージスキャナ等の各種センサ及び各種インジケータ等に好適に利用できる。
100…半導体発光素子
1…基板
2…n型半導体層
3…活性領域
4…p型半導体層
6p…p側パッド電極;6n…n側パッド電極
7n…n側電極;7p…p側電極
9…保護膜
10…半導体層
20…第一電極構造体
22…最上層
24…Ag含有層
26…Ag拡散防止層
30…第二電極構造体
32…最下層
34…Al拡散防止層

Claims (6)

  1. 半導体層と、
    前記半導体層の上面に設けられ、Ag含有層を有する第一電極構造体と、
    前記第一電極構造体の上面及び側面に配置される第二電極構造体と、
    を備える半導体発光素子であって、
    前記第一電極構造体の最上層が、Ru層であり、
    前記第二電極構造体は、Alを主成分とする金属から構成されており、
    前記第二電極構造体は、前記第一電極構造体の上面を覆う膜厚よりも、側面を覆う膜厚の方が厚くなるように設けられてなる半導体発光素子。
  2. 請求項1に記載の半導体発光素子であって、さらに
    前記第二電極構造体の上面に設けられるパッド電極を備える半導体発光素子。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体発光素子であって、さらに
    前記第一電極構造体が、前記Ag含有層と前記Ru層の間に、Agの拡散を防止するAg拡散防止層を有してなることを特徴とする半導体発光素子。
  4. 請求項に記載の半導体発光素子であって、
    前記Ag拡散防止層が、前記Ag含有層に面したNi層と、該Ni層の上に積層されたTi層を有してなることを特徴とする半導体発光素子。
  5. 請求項1〜のいずれか一に記載の半導体発光素子であって、
    前記第二電極構造体が、Al及びCuを含む単一層で構成されてなることを特徴とする半導体発光素子。
  6. 半導体層と、
    前記半導体層の上面に設けられ、Ag含有層を有する第一電極構造体と、
    前記第一電極構造体の上面及び側面に配置される第二電極構造体と、
    を備える半導体発光素子であって、
    前記第一電極構造体の最上層が、Ru層であり、
    前記第一電極構造体が、前記Ag含有層と前記Ru層の間に、Agの拡散を防止するAg拡散防止層を有し、
    前記Ag拡散防止層が、前記Ag含有層に面したNi層と、該Ni層の上に積層されたTi層を有し、
    前記第二電極構造体は、Alを主成分とする金属から構成されており、
    前記第二電極構造体の最上層はAl拡散防止層であり、
    前記第二電極構造体の上面に、パッド電極が設けられている半導体発光素子。
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