JP2006080469A - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】p型窒化物半導体と良好なオーミック接触を形成する金属以外の金属をp側電極として用いる、新規なpn接合型の窒化物半導体発光素子の構造を提供する。
【解決手段】本発明の窒化物半導体発光素子は、p型窒化物半導体層に正孔を注入するためのp側電極に、n型窒化物半導体とオーミック接触する金属を用いるとともに、かかるp側電極を形成するコンタクト層をn型窒化物半導体で形成する。Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、W(タングステン)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)といった金属が、p側電極の材料として使用可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、pn接合型の窒化物半導体発光素子に関し、とりわけ、p型窒化物半導体層に正孔を注入するための電極と、該電極が形成される窒化物半導体層であるコンタクト層に関する。
窒化物半導体発光素子は、その半導体発光素子構造の主要部分に窒化物半導体を用いた発光素子であり、p型窒化物半導体とn型窒化物半導体とをpn接合が形成されるように積層し、pn接合部で電子と正孔の再結合による発光が生じるように構成されたpn接合型の素子構造が一般的である。主要な形態としては、LED(発光ダイオード)、LD(レーザダイオード)などの形態が挙げられる。窒化物半導体発光素子は、発光領域に用いられる窒化物半導体の組成を選択することによって、可視短波長(緑色)〜近紫外領域の光を発生させることが可能である。
窒化物半導体は、一般式AlInGa1-a-bN(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)で表される化合物半導体であって、例えば、二元系のGaN、AlN、InN、三元系のAlGaN、InGaN、InAlN、四元系のAlInGaNなど、任意の組成のものが例示される。ここで、3族元素の一部を、B(ホウ素)、Tl(タリウム)等で置換したものや、N(窒素)の一部をP(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)等で置換したものも、窒化物半導体に含まれる。
窒化物半導体は、欠陥として含まれる窒素空孔から電子が供給されるために、アンドープでもn型半導体となるが、更に、Si(ケイ素)、Ge(ゲルマニウム)、Se(セレン)、Te(テルル)、C(炭素)等の元素をドープすることによってn型伝導性が向上する。すなわち、これらの元素は窒化物半導体に対してn型不純物として働く。
また、窒化物半導体は、Mg(マグネシウム)、Zn(亜鉛)、Be(ベリリウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)等の元素をドープすることにより、p型半導体とすることができる。すなわち、これらの元素は窒化物半導体に対してp型不純物として働く。
窒化物半導体発光素子の典型的な構造として、図6に示すように、結晶成長用の基板1の上に、MOVPE法(有機金属化合物気相成長法)等の気相成長法によって成長された窒化物半導体結晶からなるn型コンタクト層2、n型クラッド層3、活性層4、p型クラッド層5、p型コンタクト層6を含む積層体が形成され、n型コンタクト層2にn側電極P1、p型コンタクト層6にp側電極P2が形成された、ダブルヘテロpn接合型のLED構造が例示される(特許文献1)。ここで、n型コンタクト層2とn型クラッド層3はn型窒化物半導体で形成され、p型クラッド層5とp型コンタクト層6はp型窒化物半導体で形成される。活性層はn型窒化物半導体および/またはp型窒化物半導体で形成される。n側電極P1は、n型窒化物半導体とオーミック接触する金属で形成され、p側電極P2は、p型窒化物半導体とオーミック接触する金属で形成される。
図6に示すダブルへテロ構造のLEDにおいては、活性層4を挟むように設けられたn型クラッド層3とp型クラッド層5から、それぞれ電子と正孔が活性層4に供給され、活性層4において電子と正孔との再結合による発光が生じる。発光波長は、この再結合の場である活性層4を形成する窒化物半導体層のバンドギャップにより定まる。p型クラッド層3およびn型クラッド層5は、電子と正孔とが活性層に閉じ込められるように、活性層を形成する窒化物半導体よりもバンドギャップの大きい窒化物半導体で形成される。このようなダブルヘテロ構造の発光素子において、活性層4を単一量子井戸(SQW)構造や多重量子井戸(MQW)構造とすると、上記発光再結合の効率が更に向上し、発光効率がより一層高くなる。
発光に必要な正孔をp型クラッド層5に注入するためのp側電極P2は、p型クラッド層5に形成してもよいが、p型クラッド層5よりもp型不純物を高濃度にドープしたp型コンタクト層6に形成することが、より好ましい。その理由は、p型窒化物半導体においては、導電性が最も良好となるp型不純物濃度と、電極との接触抵抗が最も低くなるp型不純物濃度が異なり、後者の方が前者よりも高濃度であることから、p型クラッド層5にはその導電性が最も良好となる濃度にp型不純物をドープし、p型コンタクト層6にはp側電極P2との接触抵抗が最も低くなる濃度にp型不純物をドープすることにより、LEDの動作電圧である順方向電圧を最も低くすることができるからである(特許文献2)。 LDの場合も、同様に、p型窒化物半導体層のp型不純物濃度を、p側電極と接する領域で高濃度となるようにすることで、動作電圧である発振の閾値電圧を低下させることができる。
従来の窒化物半導体発光素子では、p側電極P2とp型コンタクト層6との接触抵抗を低く抑え、p型電極P2からp型コンタクト層6に正孔が効率的に注入されるようにするためには、p型窒化物半導体と良好なオーミック接触を形成する金属でp側電極P2を形成することが必須と考えられている。そのような金属としては、Ni(ニッケル)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)等が知られており、p側電極P2は、少なくともp型コンタクト層6と接する部分がこれらの金属で形成されていた。
特開平6−268259号公報 特開平8−97471号公報 特開2004−179369号公報
上述の通り、従来の窒化物半導体発光素子においては、p側電極P1の材料として用い得る金属がNi、Rh、Pd等に限られており、設計の自由度が低かった。
従って、本発明の課題は、p型窒化物半導体と良好なオーミック接触を形成する金属以外の金属をp側電極として用いる、新規な窒化物半導体発光素子の構造を提供することである。
また、従来p側電極に用いられていたNi、Rh、Pd等の金属には、窒化物半導体発光素子の典型的な発光波長である可視短波長〜近紫外波長領域の光に対する吸収が比較的大きいという問題や、貴金属であるために高価であるという問題があった。
従って、本発明の他の課題は、p側電極の材料として、可視短波長〜近紫外波長領域の光に対する吸収が小さく、また比較的安価な材料を使用し得る、窒化物半導体発光素子の構造を提供することである。
また、従来の窒化物半導体発光素子では、動作電圧を抑えるために、p側電極が形成されるコンタクト層にはp型不純物を高濃度(Mgの場合、1×1020cm−3以上)にドープすることが好ましかったが、p側電極との接触抵抗が十分に低くなる濃度のp型不純物がドープされたp型窒化物半導体は導電性が悪くなるために、素子の直列抵抗が上昇したり、コンタクト層内部での正孔電流の拡散性が低下する結果、活性層の発光強度に面内分布が発生し易いという問題があった。
また、不純物を高濃度にドープ窒化物半導体は結晶品質が低下するために、欠陥部を介してリーク電流が流れ易くなるので、発光素子の耐電圧特性やリーク電流特性を低下させるという問題がある。
また、p型不純物を高濃度にドープしたコンタクト層からは、p型不純物の一部がクラッド層や発光層に拡散し易くなるため、素子の特性低下や、特性の不安定化が生じ易くなる。特に、p型不純物が活性層まで拡散すると、非発光再結合中心として働くことによって、素子の発光効率を著しく悪化させるという問題も生じる。このような拡散の問題は、p型不純物の中でも、原子半径が小さく拡散し易いMgにおいて顕著となる。
また、Mgは正孔の発生効率が高いという理由から、実用上最も好ましいp型不純物であるが、Mgを多量にドープしたp型窒化物半導体層は、発光層で発生される光を吸収し、発光効率を低下させるという問題がある。その理由は、Mgは窒化物半導体のバンドギャップの中に深い不純物準位を形成する傾向を有するが、ドーピング量が増加するにつれて、伝導帯とのエネルギー差が活性層のバンドギャップエネルギーよりも小さくなるような深い準位を形成するようになり、該準位に補足された電子が、活性層でのバンド間発光のエネルギーを吸収して伝導帯に励起されるようになるためである。
従って、本発明の更に他の課題は、上記問題を解決すべく、p型不純物を高濃度にドープした窒化物半導体層を必要としない、窒化物半導体発光素子を提供することである。
本発明者は、p型窒化物半導体に正孔を注入するための電極には、p型窒化物半導体と良好なオーミック接触を形成する金属を用いなくてはならないという従来の考え方から脱却することによって、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、次の特徴を有する。
(1)n型窒化物半導体からなるn型クラッド層と、窒化物半導体からなる活性層と、p型窒化物半導体からなるp型クラッド層と、n型窒化物半導体からなる厚さ15nm以下のp側コンタクト層とが、この順に積層された積層体と、上記p側コンタクト層に形成され、少なくともp側コンタクト層に接する部分がn型窒化物半導体とオーミック接触する金属からなるp側電極と、を含む窒化物半導体発光素子。
(2)上記p側コンタクト層の電子濃度が1×1018cm−3以上である、上記(1)に記載の窒化物半導体発光素子。
(3)上記p側コンタクト層にはn型不純物がドープされている、上記(1)または(2)に記載の窒化物半導体発光素子。
(4)上記p側コンタクト層がInGa1−xN(0≦x≦1)からなる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(5)上記n型窒化物半導体とオーミック接触する金属が、Al、Ti、W、NbおよびVから選ばれる1以上の金属である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(6)上記p側電極が、Auからなる表面層を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(7)上記p側電極が、AlまたはAl合金からなる最下層と、該最下層と上記表面層との間に形成された、Auよりも融点の高い金属からなるバリア層とを有する、上記(6)に記載の窒化物半導体発光素子。
(8)上記p側電極が反射性電極である、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(9)上記p側電極が開口電極である上記(8)に記載の窒化物半導体発光素子。
(10)上記p側電極が開口電極または透明電極であり、かつ、上記p側電極に透明導電膜が積層された、上記(1)〜(7)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(11)上記p型クラッド層には、Mgが濃度1×1018cm−3〜1×1020cm−3の範囲でドープされている、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(12)上記p型クラッド層は、不純物濃度および/または窒化物半導体組成が厚さ方向に一様でない、上記(1)〜(11)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(13)上記積層体が導電性基板上に成長または接合されている、上記(1)〜(12)のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
(14)pn接合を形成するように積層されたn型窒化物半導体層およびp型窒化物半導体層と、上記p型窒化物半導体層に正孔を注入する電極が形成されたコンタクト層とを有し、上記コンタクト層はn型窒化物半導体からなり、上記電極はn型窒化物半導体とオーミック接触する金属からなる、窒化物半導体発光素子。
(15)ダブルヘテロ構造を有する上記(14)に記載の窒化物半導体発光素子。
本発明の窒化物半導体発光素子は、p型窒化物半導体層に正孔を注入するためのp側電極に、n型窒化物半導体とオーミック接触する金属を用いるとともに、かかるp側電極を形成するコンタクト層をn型窒化物半導体で形成するという、新規な構成を有する。
n型窒化物半導体とオーミック接触する金属からなる電極は、p型窒化物半導体との接触抵抗が大きく、p側電極としては適切でないと従来は考えられていたのであるが、本発明のように、n型窒化物半導体からなるコンタクト層を設けることにより、素子の動作電圧を増大させることなく、p側電極としても使用することができるようになる。すなわち、Al(アルミニウム)、Ti(チタン)、W(タングステン)、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)といった金属が、p側電極の材料として使用可能となる。
また、本発明によれば、とりわけ、Al、Ti等の金属がp側電極に使用可能となるため、Ni、Rh、Pd等をp側電極として用いた場合に発生していた、緑色〜近紫外領域の光に対する吸収が大きいという問題や、貴金属であるために高価であるという問題が改善される。
また、本発明の窒化物半導体発光素子においては、p側電極を形成するコンタクト層をn型窒化物半導体で形成することから、従来の窒化物半導体発光素子におけるp型コンタクト層のように、接触抵抗を下げるためにp型不純物を非常に高い濃度(導電性が最も良好となる濃度範囲よりも高い濃度)にドープしたp型窒化物半導体層が必要でなくなる。 例えば、p型不純物としてMgを用いる場合であれば、Mgを1×1020cm−3よりも高濃度にドープした窒化物半導体を用いる必要性がない。従って、前述のような、従来の窒化物半導体素子において、p型不純物を高濃度にドープした窒化物半導体の使用により生じていた問題を、改善することができる。
本発明の窒化物半導体発光素子は、n型窒化物半導体からなるn型クラッド層と、窒化物半導体からなる活性層と、p型窒化物半導体からなるp型クラッド層と、n型窒化物半導体からなる厚さ15nm以下のp側コンタクト層とが、この順に積層された積層体と、上記p側コンタクト層に接して形成され、少なくともp側コンタクト層に接する部分がn型窒化物半導体とオーミック接触する金属からなるp側電極とを含むことを特徴とする。
ここで、「n型窒化物半導体からなるn型クラッド層と、窒化物半導体からなる活性層と、p型窒化物半導体からなるp型クラッド層と、n型窒化物半導体からなる厚さ15nm以下のp側コンタクト層とが、この順に積層された積層体」は、積層体を構成する各層が、この順序で積層方向に配置されていればよく、各層の間に、他の窒化物半導体層が追加的に挿入されることを妨げない。また、上記の順序は、単に積層方向における各層の相対的な位置関係を規定するのみであり、積層体を保持する基板を基準とした位置関係を特定するものではないし、また、積層体を形成する際における形成の順序を意味するものでもない。
本発明の窒化物半導体発光素子においては、n型窒化物半導体からなるp側コンタクト層を設けることによって、p側電極をn型窒化物半導体とオーミック接触する金属で形成するにもかかわらず、該p側電極からp型窒化物半導体への正孔注入が容易となる。このようになる詳しい理由は定かではないが、本発明者は、正孔はp側コンタクト層をトンネリングによって通過しており、このトンネリングの障壁が低くなる何らかのメカニズムが存在するものと考えている。
なお、特許文献3(特開2004−179369号公報)には、p型半導体層の表面に金属材料等からなる低抵抗領域を形成し、更に、その上にn型半導体層を形成して、電極を該n型半導体層上に形成する半導体装置の発明が開示されているが、以下の通り、本発明は特許文献3に開示された発明とは異なる技術思想に基づくものである。
すなわち、特許文献3に開示された発明に係る半導体装置においては、p型半導体層とn型半導体層との間のpn接合は、両層の間に介在される低抵抗領域によってショートされる。このことは、n型半導体層からp型半導体層に流れる電流の殆どが、この低抵抗領域を経由して流れることを意味するものと解される。
これに対して、本発明の窒化物半導体発光素子は、p型窒化物半導体層と、p側電極が形成されるn型窒化物半導体層との間の電流を、このような低抵抗領域を介して流そうとするものではない。
また、特許文献3に開示された発明に係る発光素子においては、p型半導体層の上に低抵抗領域を挟んで形成されるn型半導体層を厚くすることで、電極から注入された電流をその厚いn型半導体層中で広げ、発光層からの発光効率を増大することができるが、このことは、該電極からn型半導体層に注入され、該n型半導体層中で電流を運ぶキャリアが電子であることを意味するものと解される。
これに対して、本発明の窒化物半導体発光素子は、p型コンタクト層を介してp側電極からp型窒化物半導体層に正孔を注入するものである。
以下、本発明を図を用いて具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るLEDの断面構造を示す模式図である。このLED10は、サファイア基板11を有しており、そのサファイア基板11上にGaNバッファ層(図示せず)、SiドープGaNからなる厚さ約2μmのn型コンタクト層12、SiドープAlGaNからなる厚さ約2μmのn型クラッド層13、厚さ10nmのアンドープGaN障壁層と厚さ2nmのアンドープInGaN井戸層とが交互に10層ずつ積層された多重量子井戸構造の活性層14、MgドープAlGaNからなる厚さ100nmのp型クラッド層15、SiドープGaNからなる厚さ10nmのp側コンタクト層16が、順に成長されている。p側コンタクト層16側からのエッチングによって、n型クラッド層13から上の層が一部除去され、露出されたn型コンタクト層12の表面にn側電極P11としてAl/Ti積層電極が形成されている。p側コンタクト層16の表面には、p側電極P12としてAl/Pd/Au積層電極が、p側コンタクト層16の表面を覆うように形成されている。このp側電極P12は、上面から見るとp側コンタクト層16が露出した開口部を有するパターンに形成された、開口電極である。
ここで、p側コンタクト層16を形成するSiドープGaNは、n型不純物であるSiがドープされたn型窒化物半導体であり、その表面に形成されたp側電極P12は、p側コンタクト層と接する部分が、n型窒化物半導体とオーミック接触する金属であるAlからなる電極である。
LED10において、電子は、n側電極P11からn型コンタクト層12に注入され、該n型コンタクト層12とn型クラッド層13を経由して活性層14に注入される。一方、正孔は、p側電極P12からp側コンタクト層16を介してp型クラッド層15に注入され、p型クラッド層15から活性層14に注入される。活性層14にて、n型クラッド層13から注入された電子と、p型クラッド層15から注入された正孔が再結合し、発光を生じる。
サファイア基板11の表面上への窒化物半導体層の成長は、MOVPE法、MBE法(分子ビームエピタキシー法)、HVPE法(ハイドライド気相成長法)等、窒化物半導体の公知の気相成長法を適宜用いて行うことができる。なお、LED10では、n側コンタクト層12から順に成長しているが、成長の順序は、逆であってもよい。一般的には、p型窒化物半導体ではドープされたp型不純物が活性化し難いので、n型窒化物半導体に比べて多量の不純物がドープされる結果、結晶品質がn型窒化物半導体よりも悪くなる傾向がある。そのため、n型コンタクト層12の方が下地となるように成長を行うことが好ましい。p型クラッド層15を先に成長し、その上に活性層14を成長すると、活性層14の品質がp型クラッド層15の結晶品質の影響を受けて悪化し、発光効率が低下する傾向がある。
n型窒化物半導体にドープするn型不純物は、導電性の制御が容易なSiが最も好ましく、p型窒化物半導体にドープするp型不純物は、正孔の生成効率(活性化率)が最も高いMgが最も好ましいが、これらに限定されるものではなく、従来公知のn型不純物、p型不純物を適宜用いてよい。p型窒化物半導体をHOVPE法やHVPE法により形成する場合には、窒化物半導体層の成長が完了した後の降温過程で、水素やアンモニアの供給を停止したり、結晶成長工程の後、不活性ガス雰囲気中で熱処理や電子線照射処理を行うと、p型不純物の活性化が促進され、好ましい。
窒化物半導体層を成長するための基板11は、サファイア基板に限定されるものではなく、SiC基板、GaN基板、AlN基板、Si基板、スピネル基板、ZnO基板、GaAs基板、NGO基板等、窒化物半導体結晶のエピタキシャル成長に使用可能な従来公知の基板を適宜用いることができる。サファイア基板、AlN基板、スピネル基板、NGO基板等の絶縁性基板を用いる場合には、図1のLED10のように、絶縁性基板の同一面側に電極を形成する必要がある(導電性を付与していないSiC基板、GaN基板、Si基板、ZnO基板、GaAs基板を用いる場合も同様である)。
窒化物半導体を成長する基板のうち、SiC基板、GaN基板、Si基板、ZnO基板、GaAs基板等、半導体材料からなる基板は、n型不純物の添加によってn型伝導性とすることができる。そのような基板を用いる場合は、n型コンタクト層12を省略し、n側電極を基板の裏面(窒化物半導体層を成長する主面の反対側の主面)に形成することができる。
LED10では、窒化物半導体の結晶品質を向上させるために、基板の直上に図示しないGaNバッファ層を形成し、その上にn型コンタクト層12を成長しているが、更に結晶品質向上のために、バッファ層とn型コンタクト層12との間に厚さ2μm〜20μm程度のアンドープGaN層を下地層として成長したり、任意の2層の間に歪み超格子層を形成してもよい。
n型コンタクト層12、n型クラッド層13の厚さや、不純物のドーピングの仕方については、公知の窒化物半導体発光素子の構造を参照することができる。
例えば、n型コンタクト層12の組成はGaNに限定されるものではないが、n側電極P11との接触抵抗の低下、n型コンタクト層内での電子移動度の向上、上方に成長される活性層14その他の窒化物半導体層の品質向上のために、n型コンタクト層12は高品質の結晶を得やすい2元結晶のGaNで形成することが好ましい。
また、LED10では、n型コンタクト層12とn型クラッド層13を異なる層として表しているが、これらの層を同じ組成の窒化物半導体層で構成してもよいし、更には、不純物のドーピング態様を含めて、連続したひとつの層(n型コンタクト層12とn型クラッド層13とを兼用した層ともいえる)としてもよい。
LED10の発光波長は、活性層14の中で電子と正孔の再結合の場として働く領域を形成する窒化物半導体のバンドギャップにより定まるので、目的とする発光波長に合わせて、該窒化物半導体の組成を定めるようにする。量子井戸構造の活性層においては、井戸層の組成をこのように定める。井戸層はIn(インジウム)を含む窒化物半導体で形成すると、発光効率が高くなり、好ましい。活性層14の井戸層および/または障壁層への、n型不純物および/またはp型不純物のドープは、任意に行い得る。活性層14は、多重量子井戸構造とすることが発光効率の点で最も好ましいが、これに限定されるものではなく、目的に応じて、単一量子井戸構造としてもよいし、量子井戸構造を採用しないことも任意である。
なお、本発明の窒化物半導体発光素子のひとつの態様として、発光効率の点では好ましくないが、製造が容易な構造として、活性層14を設けずに、単純なシングルヘテロ型や、ホモ接合型のpn接合構造を採用することもできる。
活性層14を挟むn型クラッド層13およびp型クラッド層15を構成する各窒化物半導体の組成は、バンドギャップが活性層14よりも大きくなるように定める。これによって、ダブルヘテロ構造となり、発光効率が高くなる。活性層14が量子井戸構造の場合には、n型クラッド層13とp型クラッド層15のバンドギャップが、少なくとも井戸層のバンドギャップよりも大きくなるようにすればよい。n型クラッド層13とp型クラッド層15のバンドギャップは異なっていてもよく、発光素子の動作電圧をできるだけ低く抑えつつ、活性層14におけるキャリアの再結合効率を高めるためには、p型クラッド層15のバンドギャップをn型クラッド層13のバンドギャップよりも大きくすることが好ましい。
p型クラッド層15の厚さは、活性層14にキャリアを効果的に閉じ込めるためには、10nm以上とすることが好ましく、30nm以上とすることがより好ましい。p型クラッド層15の厚さが200nmを超えると、キャリア閉じ込め効果は大きく変化しなくなる一方、成長時間が長くなることによって活性層14の劣化(InGaNの熱分解やp型クラッド層15から活性層14へのp型不純物の拡散)を引き起こし易くなるので、p型クラッド層15の厚さは200nm以下とすることが好ましい。
p型クラッド層15にドープされるp型不純物の濃度は、p型クラッド層を形成するp型窒化物半導体の導電性が最良となる範囲に設定することが好ましい。従って、p型不純物がMgの場合には、Mgの濃度を1×1018cm−3〜1×1020cm−3の範囲とすることが好ましく、5×1018cm−3〜5×1019cm−3の範囲とすることがより好ましく、5×1018cm−3〜2×1019cm−3の範囲とすることが更に好ましい。
p型クラッド層にドープするp型不純物の濃度をこのような範囲に抑えると、結晶品質の低下も抑制されるために、転位等の欠陥そのものに起因したり、あるいは、欠陥に沿ってp型不純物が拡散することに起因する、耐電圧特性やリーク電流特性の劣化や、その他発光効率の低下や特性の不安定化といった問題が軽減される。
n型クラッド層13とp型クラッド層15は、一様な構造としてもよいが、不純物濃度および/または窒化物半導体組成を厚さ方向に変化させて、2層以上の多層構造としてもよく、また、濃度傾斜領域および/または組成傾斜領域を含むように形成してもよい。
例えば、LDなどの場合に、n型クラッド層13および/またはp型クラッド層15を、活性層14に近い領域では屈折率が相対的に高くなるようにして、活性層14側への光閉じ込め効果が生じるようにしたり、活性層14に近い領域ではバンドギャップが相対的に小さくなるようにして、活性層14側へのキャリア閉じ込め効果が発生するようにすることができる。
一方、LEDの場合は、p型クラッド層15に関し、活性層14に近い領域はバンドギャップを相対的に大きくして活性層14へのキャリア閉じ込め効果を高くし、p側コンタクト層16に近い領域はバンドギャップが相対的に小さくなるようにして、p型不純物が活性化され易くなるようにしてもよい。p型不純物が活性化され易いと、ドープしたp型不純物の濃度が同じでも多数の正孔が生じて導電性が高くなり、p側電極P12から注入された正孔が拡散し易くなる。前述のように、p型不純物としてMgをドープした窒化物半導体は、Mgが深い不純物準位を形成するために、活性層14で発生される光を吸収する傾向を持つが(この傾向は、発光波長が420nm以下で特に顕著となる)、この現象が発光効率に与える悪影響を軽減するうえで、この多層構造は有効である。
また、p型クラッド層15の他の態様として、活性層14に近い領域ではMgの濃度を相対的に低くして、活性層14で発生される光の吸収を抑制する一方、p側コンタクト層16に近い領域はMg濃度を相対的に高くすることによって導電性を高めるようにしてもよい。
活性層14とn型クラッド層13との間、活性層14とp型クラッド層15との間には、各種の機能を有する窒化物半導体層を追加的に挿入してもよい。
例えば、活性層14とp型クラッド層15の間に、p型クラッド層15にドープされたMgが活性層14に拡散することを抑制するためのMg拡散防止層を設けることができる。Mg拡散防止層としては、アンドープ層、n型不純物ドープ層、多層膜(超格子層)等が例示される。
LDの場合には、キャリアを活性層に高密度に閉じ込める必要があることから、活性層とクラッド層との間に、クラッド層よりもバンドギャップが大きく、かつ、クラッド層から活性層に注入されるキャリアがトンネリングできる程度に薄いキャップ層を設けてもよい。
p側コンタクト層16を形成する窒化物半導体は、n型伝導性であれば、アンドープであってもよいし、n型不純物をドープしたものでもよく、窒化物半導体の組成にも限定はないが、トンネリング障壁を低くするためには、厚さは薄い方が好ましく、電子濃度は高い方が好ましく、バンドギャップは小さい方が好ましい。
従って、p側コンタクト層16の厚さは、好ましくは15nm以下、より好ましくは10nm以下、更に好ましくは5nm以下である。厚さが1nmより薄いと、膜が島状となって、p型クラッド層の表面が露出した部分が残り、接触抵抗が大きくなる傾向がある。
p側コンタクト層16の好ましい電子濃度は1×1018cm−3以上であり、3×1018cm−3以上とするとより好ましく、5×1018cm−3以上とすると更に好ましい。結晶品質の良好な窒化物半導体は、アンドープのときの電子濃度が低いため、1×1018cm−3以上の電子濃度を得るためにはn型不純物をドープすることが好ましく、その場合のn型不純物としては、導電性の制御が容易なSiが最も好ましい。電子濃度の上限は特にないが、n型不純物の濃度が過剰となると結晶品質が低下し、p側電極P12との密着性の低下等により接触抵抗が高くなる傾向がある。従って、p側コンタクト層16の好ましい電子濃度は1×1020cm−3以下であり、より好ましくは2×1019cm−3以下である。
p側コンタクト層16の好ましい組成は、GaN、InGaNまたはInNである。
p型コンタクト層16の厚さを上記のように薄くすることに伴う効果として、活性層14を成長した後、その上に積層する窒化物半導体層の成長時間を短くできることが挙げられる。この成長時間を短かくすると、活性層14の劣化の問題が緩和されるために好ましいことは、前述の通りである。
p側コンタクト層16は平坦な表面を有する層状に形成してもよいが、島状あるいは網目状の膜が形成される成長条件を用いて、表面が凹凸状を呈すように成長してもよい。p側コンタクト層16の表面を凹凸状に形成すると、p側電極P12とp側コンタクト層16との接触面積が大きくなり、接触抵抗を低下させることができる。また、凹凸形状は光散乱効果を発生させるために、特にLEDの場合に、光取り出し効率を改善するうえで好ましい。
p型コンタクト層16を島状または網目状に成長するには、層状成長よりも3次元的成長が優勢となる窒化物半導体の結晶成長条件を用いればよい。かかる成長条件は公知であり、定性的には、成長温度が低い程、成長雰囲気中の水素濃度が低い程、窒化物半導体の組成中のAlが多い程、3次元的成長が促進される。また、成長の下地面となる窒化物半導体層表面に対してシラン、テトラエチルシラン等のSi化合物を作用させて、層状成長を生じ難くする方法も用い得る。また、p型コンタクト層16を自発的に島状または網目状に成長させる以外に、層状に成長した後で選択的エッチングを行う方法や、成長の下地面に開口部を有するマスクを形成し、該開口部から選択成長させる方法によって、p型コンタクト層16の表面を凹凸状に形成してもよい。このような、窒化物半導体層の表面を凹凸状にする方法については、特開2003−277196号公報、特開2004−200431号公報、特開2004−193619号公報、特開2004−200523号公報等を参照することができる。
p側電極P12は、少なくともp側コンタクト層16と接する部分を、n型窒化物半導体とオーミック接触する金属で形成すればよく、単層構造としてもよいし、多層膜構造としてもよい。
n型窒化物半導体とオーミック接触する金属としては、Al、Ti、W、Nb、V並びに、これらの金属を主成分とする合金が例示される。特に、Alや、Alを主成分とするAl合金は、窒化物半導体発光素子の典型的な発光波長である可視短波長(緑色)〜近紫外波長域における反射率が高いため、電極膜を金属光沢が生じる厚さに形成した反射性電極の材料として好適に用い得る。
p側電極P12から、p側コンタクト層16を経由してp型クラッド層15に注入された正孔は、導電性の低いp型クラッド層内では、層面内方向に殆ど拡散しないために、活性層14における発光は、実質的に、活性層14の中でもp側電極P12の直下の領域でしか生じない。従って、活性層14の発光領域面積を広くするために、p側電極12をp型コンタクト層16の表面に広げて形成することが好ましい。
p側電極P12の形成にあたっては、従来のオーミック電極と同様に、電極膜を蒸着、スパッタリング、CVD等の方法で形成した後、電極膜とn型窒化物半導体層との接触抵抗を低下させるために、300℃〜500℃の熱処理を行うことが好ましい。
LED10において、活性層14で発生する光を、p側電極P12を通して素子外部に取り出す構成を採用する場合には、p側電極P12を透光性電極とする必要がある。透光性電極には、大きく分けて、電極膜自体が透明性を有する透明電極と、金属光沢を示す厚さを有する反射性電極が開口部(電極膜が形成されず、p側コンタクト層16が露出した部分)を有するパターンに形成された開口電極とがあるが、p側電極P12はこれらのいずれとしてもよい。なお、透明電極を、開口部を有するパターンに形成した電極を用いることも、妨げられない。
p側電極P12を透明電極とする場合には、金属材料からなる電極膜が、島状または網目状構造となるように形成する。そのためには、電極膜の製膜時の基板温度にもよるが、電極膜の厚さを10nmより薄くすることが好ましい。製膜時の基板温度は低温とする方が好ましい。
p側電極P12を透明電極とした場合、その導電性を補うために、その上にITO(酸化インジウム・スズ)等からなる透明導電膜を積層してもよい。
p側電極P12を反射性電極とするには、製膜時の基板温度にもよるが、電極膜の厚さを10nm以上とすることが好ましい。反射性電極の電極膜の厚さに特に上限はないが、2000nm以上に厚く形成する必要性はない。
p側電極P12を開口電極とする場合、そのパターンに限定はないが、電極部と開口部が面内に均等に分布するように形成することが好ましく、電極部および/または開口部が網目状(格子形を含む)、分岐状(櫛形を含む)、渦巻き状、ミアンダ状等を呈するパターンが例示される。電極部が開口部に取り囲まれて孤立したパターンを含む場合には、孤立した電極部にも給電されるように、更に上からITO等からなる透明導電膜を積層すればよい。
これらのパターンにおいて、電極部や開口部が線状となる場合は、その幅を1μm〜50μmとすることが好ましい。電極部や開口部が円形状や多角形状となる場合には、その差し渡しを1μm〜50μmにすることが好ましい。
電極が形成された領域の全体(電極部と開口部とを合わせた全体)に占める開口部の面積比は、50%〜80%とすることが、光取り出し効率の点で好ましい。
活性層14で発生する光の一部は、電極膜で反射を受けた後、開口部に到達して外部に出射されるので、開口電極の材料には反射性の良好なAlまたはAl合金を用いることが好ましい。
また、開口電極においても、電極の導電性を補う目的で、更にITO等からなる透明導電膜を積層したり、あるいは、開口部に上記の透明電極を形成することができる。
LED10において、活性層14で発生する光を基板側から素子外部に取り出す構成を採用する場合には、p側電極P12を反射性電極とすることが好ましく、材料としては、反射性の良好なAlまたはAl合金を用いることが好ましい。
LDの場合は、光出射面が端面となるために、電極の反射性を高くする必要性はないが、電極膜の厚さは、導電性が十分となる厚さとする。
p側電極P12を多層膜構造とする場合、図2に示すように、表面層P121、バリア層P122、最下層P123という、3種類の層からなる構造とすることが好ましい。
表面層P121は、Auからなる層とすることが好ましい。表面層P121をAuで形成すると、ワイヤボンディング用にAuからなるパッド電極をp側電極P12上に形成するときのパッド電極の接合性や、フリップチップボンディング時や支持基板との接合時に用いられるAu系のろう材(Au、Au−Sn共晶ハンダ等)との濡れ性が良好となる他、耐食性に優れるために電極全体の化学的な保護層となる。
p側電極P12を多層膜構造とする態様において、p側コンタクト層と接する部分である最下層P123をAlまたはAl合金で形成すると、接触抵抗を低下させるための熱処理時に表面層のAuがAl層に拡散して合金化し、p側コンタクト層との接触抵抗が逆に上昇する問題が生じるので、これを抑制するために、Al(合金)層とAu層との間に、Auよりも高融点の金属からなるバリア層P122を介在させることが好ましい。バリア層に用いることのできる金属としては、Ti、W、Pd(パラジウム)、Nb、Mo(モリブデン)、Pt(白金)、Rh、Ir(イリジウム)、Zr(ジルコニウム)、Hf(ハフニウム)、Ni等の単体または合金が例示される。バリア層は上記金属からなる単層膜または多層膜とすることができる。バリア層を、上記Auより高融点の金属からなる層とAu層とを交互に積層した多層膜としてもよく、例えば、Pt層とAu層とを交互に積層した多層膜が好ましいバリア層の態様として挙げられる。
p側電極P12を多層膜構造とする態様において、n型窒化物半導体とオーミック接触する金属からなる最下層P123の厚さは、1nm〜500nmとすることができる。オーミック接触性や光反射性の点からは、最下層P123を単独で金属光沢を有する厚さに形成することが好ましいため、最下層P123の好ましい厚さは10nm以上である。バリア層の好ましい厚さは10nm〜300nmである。表面層とするAu層の好ましい厚さは、50nm〜2000nmである。
p側電極P12の全体、または多層膜構造としたときの最下層P123をAlで形成すると、Alと窒化物半導体との熱膨張係数差が大きいために、接触抵抗を低下させるための熱処理時に電極膜が変形を生じ易い傾向がある。これを抑制するためには、純AlよりもAl合金を用いることが好ましく、また、Al(合金)層の厚さを70nm以下とすることが好ましい。
好ましいAl合金としては、Al−Ti合金、Al−Nd合金、Al−Cu合金等が例示される。合金膜は、各成分金属の単体からなる膜を積層して熱処理を行う方法や、合金スパッタリングによって得ることができる。Al/Ti積層膜では、300℃〜500℃の熱処理によって、Al−Ti合金が生成される。
n側電極P11には、n型コンタクト層12とオーミック接触する公知の電極を適宜採用し得る。p側電極P12と同様の材料、構成を採用することもでき、その場合、製造の際にn側電極P11とp側電極P12を同時に形成することができるために工程数が削減できる他、フォトリソグラフィによる電極形状のパターニングに用いるフォトマスクの種類も減らすことができる。
図3は、本発明の他の実施形態に係るLED20の断面構造を示す模式図である。このLED20は、導電性の支持基板28を有しており、その支持基板28の上に導電性接着層27、n型窒化物半導体とオーミック接触する金属からなるp側電極P22、n型窒化物半導体からなるp側コンタクト層26、p型窒化物半導体からなるp型クラッド層25、窒化物半導体からなる活性層24、n型窒化物半導体からなるn型クラッド層23、n型窒化物半導体からなるn型コンタクト層22が順に積層されている。n型コンタクト層22の表面には、n型窒化物半導体とオーミック接触する金属からなるn側電極P21が形成されている。
LED20は、n側電極P21とp側電極P22とが、活性層24を含む窒化物半導体の積層体を挟んで向かい合う対向電極構造となっている。p側電極P22への給電は、導電性の支持基板28および導電性接着層27を介して行われる。図3では、支持基板28に給電するための電極の図示を省略している。
n型窒化物半導体からなるn型コンタクト層22は導電性が比較的高いために、上面形状が方形のチップを例にすると、サイズが300μm〜500μm角程度であれば、n側電極P21をn型コンタクト層22の表面全体に広げて設ける必要がなく、その面積を小さくできる。そのため、活性層24で発生される光をn型コンタクト層26を通して素子外部に取り出す構成が、光取り出し効率の点で有利な構成となる。このとき、p側電極P22をAlまたはAl合金からなる反射性電極としたり、n型コンタクト層26の表面にエッチング等の方法によって光散乱効果を有する凹凸を形成すると、更に光取り出し効率を向上させることができる。
一方、チップのサイズが500μm角を越えると、n型コンタクト層26の中で電流が一様に広がり難くなり、活性層の発光強度に面内ムラが生じる傾向がある。しかし、n型コンタクト層26の導電性を高くしようとして、その厚さを厚くすると、基板の種類や厚さにもよるが、窒化物半導体と基板との熱膨張係数差によってウエハが著しく反るために、後述の方法により製造することが困難となる。従って、500μm角を越える大サイズのチップでのこの問題を解決するには、n側電極P21を前述の透光性電極とし、n型コンタクト層の表面に広がるように形成することが好ましい。
LED20は、次の工程により製造される。
[窒化物半導体層の成長(工程1)]
図4(a)に示すように、窒化物半導体結晶のエピタキシャル成長に使用可能な成長用基板21の上に、必要に応じてバッファ層(図示せず)を介し、n型コンタクト層22、n型クラッド層23、活性層24、p型クラッド層25、p側コンタクト層26を、順に成長する。
[p電極の形成(工程2)]
図4(b)に示すように、p側コンタクト層26の表面に、n型窒化物半導体層とオーミック接触する金属からなるp側電極P22を形成する。
以上の工程1および工程2においては、LED10を作製する場合と同様の方法を用いることができる。
[支持基板の接合(工程3)]
図4(c)に示すように、p側電極P22の上に、導電性接着層27を介して、支持基板28を接合する。
導電性の支持基板としては、Cu−W基板、Cu−Mo基板、AlSiC基板、Si基板、SiC基板、GaAs基板、GaP基板、InP基板等が例示される。
導電性接着層27の材料は、p側電極P22と支持基板28とを接合できる材料であればよく、In、Au、Au−Sn共晶ハンダ等のろう材、銀ペースト等の導電性接着剤が例示される。
ろう材を用いる場合には、ろう材と支持基板28との接着性を高めるための金属層(Ti層、Au層等)を支持基板28の表面に形成したり、ろう材がp側電極P22を構成するAl層と合金化して、p側電極P22とp側コンタクト層26との接触抵抗が上昇するのを抑制するために、p側電極P22に含まれるAl層とろう材の接触を妨げるバリア層として、使用するろう材よりも高融点の金属からなる層を設けてもよい。
AuやAu−Sn共晶ハンダをろう材として用いる場合には、p側電極P22の表面層をAu層とすると濡れ性がよく、接着性が良好となる。そのため、前述の、Auからなる表面層と、バリア層と、Al(合金)からなる最下層とを含む多層膜構造のp型電極P22は、この態様においても好ましい。
[成長用基板の除去(工程4)]
図4(d)に示すように、成長用基板21を除去する。除去の方法としては、例えば、次の方法が挙げられる。
(ア)研削および/または研磨によって成長用基板21を摩滅させる。
(イ)エッチングによって成長用基板21を分解または溶解する。
(ウ)窒化物半導体層を成長させるときに、成長用基板21および窒化物半導体と異なる材料からなるバッファ層を、成長用基板21とn型コンタクト層22との間に形成しておき、そのバッファ層をエッチングにより分解または溶解することにより、成長用基板21とn型コンタクト層22との界面で剥離を生ぜしめる。
(エ)レーザ光の照射によって、成長用基板21に接するn型コンタクト層22の表面を分解し、成長用基板21とn型コンタクト層22との界面で剥離を生ぜしめる。
上記(ア)の方法については特開2000−277804号公報等、上記(イ)の方法については特開2003−309289号公報等、上記(ウ)の方法については特開平11−35397号公報等、上記(エ)の方法については、特開2004−87775号公報等を参照することができる。
[n側電極の形成(工程5)]
図4(e)に示すように、上記工程4で露出されたn型コンタクト層22の表面にn側電極P21を形成する。なお、n側電極P21を形成する前に、必要に応じて、研磨やエッチングによりn型コンタクト層22の表面を平坦化したり、該表面に付着または残留する異物の除去を行う。
上記工程1において、成長用基板21とn型コンタクト層22との間に、n型コンタクト層22およびその上に成長する層の結晶品質を良くするために、アンドープGaN層や歪超格子層を形成してもよい。その場合には、上記工程3で成長用基板21を除去した後、研削、研磨、エッチング等によってこれらアンドープGaN層や歪超格子層の全部または一部を除去してn型コンタクト層22を露出させたうえで、n側電極P21の形成を行う。
上記工程3に代わる態様として、p側電極P22を陰極として電解メッキを行ったり、あるいは、蒸着、無電解メッキ、CVD、スパッタ等の方法を用いて、p側電極P22の表面上に厚さ10μm以上の金属膜を形成し、該金属膜を支持基板28としてもよい。この方法については、特開2004−47704号公報、特開2004−88083号公報等を参照することができる。
上記工程3で支持基板21の代わりに一時的保持材をp側電極P22に接合し、更に、工程5でn側電極P21をn型コンタクト層22の全面に形成するとともに、そのn型コンタクト層に導電性接着層27を介して支持基板28を接着し、最後に上記一時的保持材を除去してもよい。この方法により得られるLED30の構造を図5に示す。
[実施例1]
直径2インチのC面サファイア基板をMOVPE装置に装着し、水素雰囲気下で1100℃まで昇温し、表面のサーマルクリーニングを行った。その後、温度を330℃まで下げ、3族原料としてトリメチルガリウム(TMG)およびトリメチルアルミニウム(TMA)、5族原料としてアンモニアを用いて、厚さ20nmのAlGaN低温バッファ層を成長させた。なお、このAlGaN低温バッファ層の成長以降、窒化物半導体層の成長時にはサブフローガスとしてMOVPE装置内に窒素ガスを供給し、3族原料および5族原料のキャリアガスには水素ガスを用いた。続いて1000℃に昇温し、原料としてTMG、アンモニアを供給し、アンドープGaN層を2μm成長させた後、更にシランを供給し、SiドープGaNからなる厚さ3μmのn型クラッド層(n型コンタクト層を兼用)を成長させた。続いて、温度を800℃に低下させた後、Si濃度が5×1017cm−3で厚さ10nmのSiドープGaN障壁層(厚さ10nm)と、厚さ3nmのIn0.03Ga0.97N井戸層(発光波長380nm)を各6層交互に積層してなる多重量子井戸構造の活性層を形成した。井戸層の成長時にはIn原料としてはトリメチルインジウムを用いた。次に、成長温度を1000℃に昇温して、Mg原料としてのビス(エチルシクロペンタジエニル)マグネシウム(EtCp2Mg)、およびTMG、TMA、アンモニアを供給し、Mg濃度が8×1019cm−3のp型AlGaNからなる第一のp型クラッド層を30nm成長させた。その後、TMAの供給を停止して、Mg濃度が8×1019cm−3のp型GaNからなる第二のp型クラッド層を150nm成長させた。その後、シラン、TMG、NH3を供給し、Si濃度が5×1018cm−3のn型GaNからなる厚さ5nmのp側コンタクト層を成長させた。p側コンタクト層の成長完了後、加熱を停止するとともに、TMG、アンモニアの供給を停止し、窒素雰囲気で室温まで自然放冷した。このようにして発光波長380nmの近紫外LED構造が形成されたウエハを得た。
次に、このウエハの窒化物半導体層を成長させた側から、Clガスを用いたRIE(リアクティブイオンエッチング)法により、p側コンタクト層、第二のp型クラッド層、第一のp型クラッド層、活性層の一部をエッチング除去し、n型クラッド層を露出させた。
次に、p側コンタクト層表面と、RIE法で露出させたn型クラッド層の表面に、電子ビーム蒸着法によって、厚さ20nmのAl層、厚さ50nmのPd層、厚さ100nmのAu層をこの順に積層した3層構造の電極を、同時に形成した。この電極は、金属光沢を有する反射性電極となり、後に行う熱処理によっても金属光沢が失われることはなかった。
ここで、p側コンタクト層表面に設けたp側電極は、フォトリソグラフィ技術を用いて格子状パターンに形成した。この格子状パターンは、一辺6μmの正方形の開口部(p側コンタクト層の表面が露出した部分)が、縦横とも間隔2μmで正方行列状に配列したパターン、即ち、直交する2方向において、幅2μmの電極部と、幅6μmの開口部が交互に繰り返される直交網目状とした。
続いて、p側電極の上に、電子ビーム蒸着法により、厚さ30nmのTi層、厚さ300nmのAu層をこの順に積層した、ワイヤボンディング用のパッド電極を形成した。その後、RTA(ラピッドサーマルアニール)装置を用いて、このウエハに500℃×5分間の熱処理を施した。最後に、サファイア基板の裏面を厚さ90μmとなるまで研磨し、通常のスクライビングおよびブレーキングによって素子分離を行い、350mm角のLEDチップを得た。
上記手順で作製したLEDチップをステム台にダイボンドした後、ワイヤボンディングにより通電可能な状態とし、素子特性を評価したところ、発光中心波長380nm、出力4mW(20mA通電時)、順方向電圧3.3V(20mA通電時)であった。
[比較例1]
実施例1において、n型GaNからなる厚さ5nmのp側コンタクト層に代えて、Mg濃度が5×1020cm−3のp型GaNからなる厚さ5nmのp型コンタクト層を形成するとともに、p側電極を厚さ20nmのNi層、厚さ150nmのAu層をこの順に積層した2層構造とする以外、実施例1と同様の方法によりLEDチップを作製し、素子特性を評価した。なお、このNi/Au電極も、金属光沢を有する反射性電極となった。
評価の結果、発光中心波長380nm、出力3.2mW(20mA通電時)、順方向電圧3.2V(20mA通電時)であった。
比較例2のLEDチップは、順方向電圧が実施例1のLEDチップと同レベルであったが、出力が実施例1のLEDチップと比較して低下した。その理由は、Mg濃度が高いp型コンタクト層の光吸収が大きいことと、p側電極として用いたNi/Au電極の近紫外波長域における光反射性がAl/Pd/Au電極より低いためであると考えられる。
[実施例2]
実施例1において、第二のp型クラッド層のMg濃度を1×1019cm−3とする以外は、実施例1と同様の方法によりLEDチップを作製し、素子特性を評価したところ、発光中心波長380nm、出力4.8mW(20mA通電時)、順方向電圧3.3V(20mA通電時)であった。
実施例2のLEDチップは、順方向電圧が実施例1のLEDチップよりも僅かに増加し、出力は実施例1のLEDチップと比較して向上した。その理由は、第二のp型クラッド層のMg濃度を低くしたことにより、Mgドープに起因する窒化物半導体層の光吸収が減少したためと考えられる。
[比較例2]
実施例2において、n型GaNからなる厚さ5nmのp側コンタクト層に代えて、Mg濃度が5×1020cm−3のp型GaNからなる厚さ5nmのp型コンタクト層を形成するとともに、p側電極を厚さ20nmのNi層、厚さ150nmのAu層をこの順に積層した2層構造とする以外、実施例2と同様の方法によりLEDチップを作製し、素子特性を評価したところ、発光中心波長380nm、出力4mW(20mA通電時)、順方向電圧3.6V(20mA通電時)であった。
比較例2のLEDチップは、出力が実施例2のLEDチップより低いものの、実施例1のLEDチップとは同レベルとなった。一方、順方向電圧は、実施例2や比較例1のLEDチップと比較して高くなった。実施例2のLEDチップとの出力の差は、やはり、Mg濃度が高いp型コンタクト層の光吸収が有ることと、p側電極として用いたNi/Au電極の近紫外波長域における光反射性がAl/Pd/Au電極より低いためであると考えられる。一方、実施例2や比較例1のLEDチップに対して順方向電圧が高くなった理由については、比較例1のチップと比べると、第二のp型クラッド層のMg濃度が低いために、p型コンタクト層から第二のp型クラッド層へのMgの拡散が著しくなってp型コンタクト層のMg濃度が低下し、電極との接触抵抗が増加したことが考えられる。
[実施例3]
実施例1において、p側電極の形状を、開口部を有さない板状としたことと、パッド電極を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法でLEDチップを作製した。作製したLEDは、リード電極パターンが形成されたセラミックパッケージ上に、電極形成面が下となるようにフリップチップボンディングした。なお、ボンディング材料にはAu−Sn共晶ハンダを用いた。
特性を評価したところ、発光中心波長380nm、出力6.2mW(20mA通電時)、順方向電圧3.2V(20mA通電時)であった。
[比較例3]
実施例3において、n型GaNからなる厚さ5nmのp側コンタクト層に代えて、Mg濃度が5×1020cm−3のp型GaNからなる厚さ5nmのp型コンタクト層を形成するとともに、p側電極を厚さ20nmのNi層、厚さ150nmのAu層をこの順に積層した2層構造とする以外、実施例3と同様の方法によりLEDチップを作製してフリップチップボンディングし、特性を評価したところ、発光中心波長380nm、出力4.8mW(20mA通電時)、順方向電圧3.2V(20mA通電時)であった。
[実施例4]
実施例1において、活性層に含まれる井戸層の組成を変更し、発光波長が405nmとなるようにしたこと以外は、実施例1と同様にしてLEDチップを作製し、素子特性を評価したところ、出力5.2mW(20mA通電時)、順方向電圧3.3V(20mA通電時)であった。
[実施例5]
実施例2において、活性層に含まれる井戸層の組成を変更し、発光波長が405nmとなるようにしたこと以外は、実施例2と同様にしてLEDチップを作製し、素子特性を評価したところ、出力5.9mW(20mA通電時)、順方向電圧3.3V(20mA通電時)であった。
実施例4との比較から、発光波長を405nmとした場合においても、第二のp型クラッド層のMg濃度を低くすることによって、出力が向上することが確認された。
本発明による窒化物半導体発光素子の構造の一例を示した説明図である。ハッチングは、領域を区別する目的で、適宜施している(他の図も同様である)。 本発明による窒化物半導体発光素子における、p側電極の好ましい構造の一例を示した説明図である。 本発明による窒化物半導体発光素子の構造の一例を示した説明図である。 図3の構造を有する窒化物半導体発光素子の製造工程を示した説明図である。 本発明による窒化物半導体発光素子の構造の一例を示した説明図である。 従来の窒化物半導体発光素子の構造を示した説明図である。
符号の説明
11 サファイア基板
12 n型コンタクト層
13 n型クラッド層
14 活性層
15 p型クラッド層
16 p側コンタクト層
P11 n側電極
P12 p側電極

Claims (15)

  1. n型窒化物半導体からなるn型クラッド層と、窒化物半導体からなる活性層と、p型窒化物半導体からなるp型クラッド層と、n型窒化物半導体からなる厚さ15nm以下のp側コンタクト層とが、この順に積層された積層体と、
    上記p側コンタクト層に形成され、少なくともp側コンタクト層に接する部分がn型窒化物半導体とオーミック接触する金属からなるp側電極と、
    を含む窒化物半導体発光素子。
  2. 上記p側コンタクト層の電子濃度が1×1018cm−3以上である、請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 上記p側コンタクト層にはn型不純物がドープされている、請求項1または2に記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 上記p側コンタクト層がInGa1−xN(0≦x≦1)からなる請求項1〜3のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 上記n型窒化物半導体とオーミック接触する金属が、Al、Ti、W、NbおよびVから選ばれる1以上の金属である、請求項1〜4のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  6. 上記p側電極が、Auからなる表面層を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  7. 上記p側電極が、AlまたはAl合金からなる最下層と、該最下層と上記表面層との間に形成された、Auよりも融点の高い金属からなるバリア層とを有する、請求項6に記載の窒化物半導体発光素子。
  8. 上記p側電極が反射性電極である、請求項1〜7のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  9. 上記p側電極が開口電極である請求項8に記載の窒化物半導体発光素子。
  10. 上記p側電極が開口電極または透明電極であり、かつ、上記p側電極に透明導電膜が積層された、請求項1〜7のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  11. 上記p型クラッド層には、Mgが濃度1×1018cm−3〜1×1020cm−3の範囲でドープされている、請求項1〜10のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  12. 上記p型クラッド層は、不純物濃度および/または窒化物半導体組成が厚さ方向に一様でない、請求項1〜11のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  13. 上記積層体が導電性基板上に成長または接合されている、請求項1〜12のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  14. pn接合を形成するように積層されたn型窒化物半導体層およびp型窒化物半導体層と、
    上記p型窒化物半導体層に正孔を注入する電極が形成されたコンタクト層とを有し、
    上記コンタクト層はn型窒化物半導体からなり、
    上記電極はn型窒化物半導体とオーミック接触する金属からなる、
    窒化物半導体発光素子。
  15. ダブルヘテロ構造を有する請求項14に記載の窒化物半導体発光素子。
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