JP3777869B2 - 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光ダイオード等に利用される半導体発光素子に係り、特に窒化ガリウム系化合物半導体からなる基板を用いた窒化ガリウム系化合物発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
窒化ガリウム系化合物半導体は、発光デバイスや高温動作電子デバイス用の半導体材料として多用されており、特に、青色や緑色等の可視領域の発光ダイオードの分野での展開が進んでいる。
【0003】
可視領域で発光可能な窒化ガリウム系化合物半導体発光素子は、基本的には、サファイアやSiC等からなる基板の上にバッファ層を介して、n型クラッド層と、発光層となるInGaNからなる活性層と、p型クラッド層とを積層させたものが主流である。特に近来、基板にサファイアを用い、有機金属気相成長法によりGaNやAlN等からなる低温成長バッファ層を介してダブルへテロ構造を成長させたものが、高輝度で信頼性が高いため屋外用のパネルディスプレイ用発光ダイオード等に広く用いられている。
【0004】
最近では、これらのInGaNからなる活性層と低温バッファ層技術とを用いたアンバー色発光素子も開発されており、Jpn.J.Appl.Phys.,Vol.37(1998)Part2,No.5A,pp.L479−L481において開示されている。この発光素子の構造は、上述した発光素子のものとほぼ同様であるが、単一のn型クラッド層の代わりに、基板に近い側からアンドープGaN層とSiドープGaN層とアンドープGaN層とからなる三層構造のn型層を設けている点が大きく異なる。この三層構造のn型層のうち、活性層とSiドープGaN層との間に設けられたアンドープGaN層は、SiドープGaNに比して高い抵抗率を有しており、これにより活性層全体に電流を均一に広げるという効果を奏するとされている。
【0005】
ところで、最近では、GaNからなる基板が作製されるようになり、これを用いた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子がいくつか提案されている。例えば、特開平7−94784号公報においては、GaNを基板とし基板の上にホモ接合構造、シングルヘテロ構造またはダブルヘテロ構造で構成されるp−n接合を含む積層体を形成させた青色発光素子が開示されている。この公報によれば、GaNを基板として用い他の赤色発光ダイオード等と同様に対向する電極の間に基板が存在する構造が可能となり、電極位置に対する制約をなくすることができるとされている。
【0006】
また、特開平10−150220号公報においては、n型GaNからなる基板を用い、基板の側を主発光面側とすることができる発光素子が開示されている。
【0007】
図2は、この特開平10−150220号公報において示された従来の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の構造を示す断面図である。n型のGaNからなる基板11の上には、Siがドープされたn型クラッド12層と、活性層13と、Mgがドープされたp型クラッド層14とが順次積層されており、基板11の積層面側でない一面上の一部にn側電極15が設けられ、一方のp型クラッド層14上の全面にわたってp側電極16が設けられている。
【0008】
p側電極16を下向きに実装することにより、n側電極15を設けた面の側を主発光面側とし、面発光を得ることができる。このような構成によれば、電流−光出力特性が改善された安価な発光素子を提供することができるとされている。さらに、例えばGaNからなる基板11を用い、n型クラッド層12をGaNで形成して、基板11とn型クラッド層12の組成を一致させると、基板11とn型クラッド層12とが一体となり、製造が容易になるとされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図2に示す構造の発光素子においては、GaNからなる基板11が活性層13からの発光に対し透明であるので、基板11に設けたn側電極15の側を主発光面とすることができる。このn側電極15は、通常、ワイヤボンディング用のパッド電極として用いられるため、発光に対し透過性を有しない程度の厚膜で形成されている。
【0010】
したがって、この電極の下の活性層13で発せられ基板11の主発光面の側へ向かう光は、厚膜のn側電極15で遮られてしまうこととなり、発光出力が制限される。
【0011】
このような発光出力の制限を回避するため、主発光面となる基板11の面積比率を大きくしようとしてn側電極15のサイズを小さくすると、ワイヤボンディングの作業が困難となる。したがって、ボンディング等の電気的接続の作業性を確保してもなお主発光面からの発光出力を改善することができる発光素子が望まれている。
【0012】
一方、GaNからなる基板にn側電極を設け、p型クラッド層に活性層からの発光に対して透過性を有するp側電極を設け、この光透過性電極を設けた側を主発光面とする構成の発光素子が提案されている。
【0013】
この発光素子においては、p側電極は光透過性を有する薄膜電極部とワイヤボンディング用のパッド電極部とで構成され、パッド電極部は発光に対し透過性を有しない程度の厚膜で形成されるため、活性層からp型クラッド層へ向かう光の一部はパッド電極部で遮られてしまい、発光効率が制限されてしまう。つまり、上述の基板に設けたn側電極の側を主発光面とする発光素子と同様の問題を有している。
【0014】
p側電極、n側電極のいずれの側を主発光面とする発光素子においても、主発光面側に設けられた電極によって遮られる光の割合を低減するためには、活性層全体へ電流を均一に広げ、活性層全体からの発光を得る必要がある。
【0015】
本発明において解決すべき課題は、窒化ガリウム系化合物半導体からなる基板を用いた発光素子において、主発光面からの発光出力を高めることができる新規な構造を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、n型の窒化ガリウム系化合物半導体からなる基板を用いた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の積層構造について鋭意検討した結果、活性層と基板との間に特定の中間層を設けることにより、主発光面からの発光出力が改善されうることを見いだし、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0017】
すなわち、本発明は、n型の窒化ガリウム系化合物半導体からなる基板の上に、少なくともインジウム(In)を含む活性層とp型クラッド層とをこの順に積層させてなる窒化ガリウム系化合物半導体発光素子であって、前記基板と前記活性層との間に、p型不純物がドープされて、あるいはアンドープとされて半絶縁性とされてなる中間層を有することを特徴とする。
【0018】
このような構成によれば、基板と活性層の間に設けられた中間層によって電流が活性層全体に広げられ、均一な発光が得られるようになり、主発光面からの発光出力が改善される。
【0019】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、n型の窒化ガリウム系化合物半導体からなる基板の一方の面上に少なくともインジウムを含む活性層とp型クラッド層とp側電極とを順に積層させ、前記基板に接してn側電極を形成させた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子であって、前記基板と活性層との間に半絶縁性の窒化ガリウム系化合物半導体からなり、前記基板との界面で前記基板に注入された電子を広げる中間層を前記基板に接するように備えたことを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子としたものであり、これにより基板と中間層との界面において電子が面内で広がりやすくなる。
【0020】
請求項2に記載の発明は、前記中間層は、p型不純物がドープされることにより半絶縁性とされたものである請求項1記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子としたものであり、中間層にp型不純物がドープされていることによる補償効果によって、半絶縁性の層が得られる。
【0021】
請求項3に記載の発明は、前記中間層は、アンドープとされた半絶縁性のものである請求項1記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子としたものであり、同系の半導体からなる基板の上に形成されて、かつアンドープとされることにより結晶性が向上し簡便に半絶縁性の層が得られる。
【0022】
以下に、本発明の実施の形態について、図1を用いて説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施の形態における窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の構造を示す断面図である。
【0024】
図1において、n型のGaNからなる基板1の上に、GaNからなる中間層2と、InGaNからなる活性層3と、GaNからなるクラッド層4と、AlGaNからなるp型クラッド層5と、InGaNからなるp型コンタクト層6とが順次積層されている。p型コンタクト層6の表面上にはp側電極7が形成されており、基板1の表面上にはn側電極8が形成されている。
【0025】
基板1としては、活性層3よりもバンドギャップの大きいn型の窒化ガリウム系化合物半導体を使用することができるが、本実施の形態においては、製造が比較的容易で、かつ比較的結晶性の良好なものが得られるGaNからなるものを使用している。さらに、基板1は、SiやGe等のn型不純物がドープされて、その電子濃度を1×1017cm-3から1×1019cm-3の範囲に制御されたものを用いている。電子濃度が1×1017cm-3よりも低くなると抵抗率が高くなり、発光素子のシリーズ抵抗が増大する傾向にあるからであり、一方、1×1019cm-3よりも高くなると、n型不純物を高濃度にドープしたことに起因して基板1の結晶性が悪くなる傾向にあるからである。
【0026】
中間層2としては、活性層3よりもバンドギャップの大きい窒化ガリウム系化合物半導体であるGaNやAlGaN等を用いることができるが、本実施の形態においては、より良好な結晶性が得られやすいGaNを使用する。
【0027】
窒化ガリウム系化合物半導体は、不純物をドープしない、すなわちアンドープの状態で一般にn型となることが知られており、その抵抗率は半導体結晶の成長条件に依存する傾向がある。アンドープとされた窒化ガリウム系化合物半導体にp型不純物を低濃度にドープすると、p型不純物によって生じた正孔が電子を補償することにより成長条件にあまり依存せず比較的容易に半絶縁性となる性質がある。本発明の第1の実施の形態は、この窒化ガリウム系化合物半導体の性質を利用してp型不純物がドープされた半絶縁性の中間層2を形成したものである。
【0028】
中間層2にドープするp型不純物としては、Zn、Mg等を用いることができるが、本実施の形態においては、上述の補償効果が生じやすくより高抵抗の層が得られるという点からMgを用いる。
【0029】
中間層2にドープされるp型不純物の濃度は、アンドープの状態のキャリア濃度にもよるが、1×1015cm-3から1×1019cm-3の範囲に調整したものを用いることが好ましい。1×1015cm-3よりも小さいと半絶縁性となりにくい傾向があり、1×1019cm-3よりも大きくなると、中間層2がp型となってしまい半絶縁性とならない傾向にあるからである。
【0030】
このように、中間層2を半絶縁性とすることにより、n側電極8から基板1に注入された電子が基板1と中間層2の界面で広がり、活性層3全体に電流が注入され、活性層3全体から均一な発光が得られる。その結果、主発光面からの発光出力が改善される。
【0031】
なお、中間層2の層厚は、2nm以上で100nm以下の範囲であることが好ましい。中間層2の層厚をこの範囲にして形成することにより、この層の形成によるシリーズ抵抗の過剰な増大を防止することができ、発光素子の動作電圧の上昇を抑えつつ活性層における発光の均一性を向上させることができる。
【0032】
活性層3としては、Inを含み、基板1、中間層2、クラッド層4およびp型クラッド層5のバンドギャップよりも小さいバンドギャップを有する窒化ガリウム系化合物半導体を用いることができるが、本実施の形態においては、青色から緑色の波長域での発光強度を高くすることができるという点からAlを含まないInGaNを用いている。さらに、膜厚を100nmよりも薄くして単一量子井戸構造とすると、活性層3の結晶性を高めることができ、発光効率をより一層高めることができる。
【0033】
また、活性層3は、層厚を100nmよりも薄いInGaNからなる量子井戸層と、この量子井戸層よりもバンドギャップの大きいInGaN、GaN等からなる障壁層とを交互に積層させた多重量子井戸構造とすることもできる。
【0034】
クラッド層4としては、活性層3よりもバンドギャップの大きい窒化ガリウム系化合物半導体を用いることができるが、本実施の形態においては、活性層3との界面の結晶性を良好に保つことができるという点からGaNを用いている。また、クラッド層4はアンドープとすることもできるが、本実施の形態においては、結晶性を高めるためにSiをドープさせる。
【0035】
このクラッド層4の層厚は、3nm以上6nm以下の範囲とすることが好ましい。3nm未満では十分な結晶性を確保することができず、6nm超では次に成長させるp型クラッド層5の電子の閉じ込め作用に悪影響を与えることがあるからである。
【0036】
p型クラッド層5としては、活性層3よりもバンドギャップの大きい窒化ガリウム系化合物半導体を用いることができるが、本実施の形態においては、クラッド層4よりもバンドギャップの大きいAlGaNを用いている。このAlGaNによれば、活性層3への電子の閉じ込めを効率的に行うことができ、発光効率を高くすることができるので好ましい。さらに、クラッド層4と接する側からp型コンタクト層6と接する側にかけて、Al組成が収斂するように組成を傾斜させ変化させた構造とすると、発光効率を高くすることができるとともに、動作電圧を低減することができるので好ましい。
【0037】
p型クラッド層5の層厚は、0.01μm以上0.3μm以下の範囲とすることが好ましい。0.01μm未満では電子の閉じ込め効率が低下し、0.3μm超では動作電圧が上昇してしまうからである。
【0038】
p型コンタクト層6としては、GaNやInGaN、AlGaNを用いることができるが、p側電極7との接触抵抗を小さくできるGaNやInGaNを用いることが好ましく、本実施の形態においてはInGaNを用いている。特に、組成傾斜させたAlGaNからなるp型クラッド層5とInGaNからなるp型コンタクト層6とを組み合わせて用いると、発光効率の向上と動作電圧の低減を同時に効果的に行うことができるので好ましい。
【0039】
p型コンタクト層6の層厚は、0.01μm以上0.2μm以下の範囲とすることが好ましい。0.01μm未満ではオーミック性コンタクトが得られにくくなり、0.2μm超では結晶性が低下し、同じくオーミック性コンタクトが得られにくくなるからである。
【0040】
クラッド層4、p型クラッド層5、およびp型コンタクト層6にドープされるp型不純物としては、Mg、ZnやCd等を用いることができるが、本実施の形態においては、比較的容易にp型とすることができるMgを用いている。
【0041】
p側電極7としては、AuやNi、Pt、Pd、Mg等の単体金属、あるいはそれらの合金や積層構造を用いることができる。一方、n側電極8としては、AlやTi等の単体金属、またはAlやTi、Au、Ni、VやCr等を含む合金、若しくはそれらの積層構造を用いることができる。
【0042】
(実施の形態2)
本発明の第2実施の形態における窒化ガリウム系化合物半導体は、第1実施の形態における中間層2としてアンドープとされた半絶縁性のものを用いる。
【0043】
窒化ガリウム系化合物半導体は、結晶欠陥等が低減されて結晶性が良くなるとアンドープの状態でも半絶縁性となる。アンドープの窒化ガリウム系化合物半導体の結晶性は成長条件や基板材料に依存し、特に窒化ガリウム系化合物半導体からなる基板を用いた場合にあっては、基板と、その上に成長させる半導体材料とが同系の半導体であるので、サファイア等の異種材料を基板とする場合に比して良好な結晶性を得ることができる。また、結晶成長時の雰囲気ガスとなるキャリアガスに窒素を主成分とするものを用いることにより比較的容易に半絶縁性の窒化ガリウム系化合物半導体を得ることができる。本発明の第2の実施の形態は、このような窒化ガリウム系化合物半導体の性質を利用したものであり、不純物をドープしなくても半絶縁性の層が簡便に得られるという点で有用である。
【0044】
中間層2の層厚は、第1実施の形態において説明したようにp型不純物がドープされた場合と同様の理由から、本実施の形態におけるアンドープの場合においても、2nm以上で100nm以下の範囲であることが好ましい。
【0045】
なお、中間層2には、単一の層のみならず、p型不純物がドープされた半絶縁性の層とアンドープの半絶縁性の層とを積層させた多重層を用いても良い。
【0046】
また、中間層2は、基板1と中間層2の間にn型窒化ガリウム系化合物半導体層を挿入しても良い。この場合においても、該n型窒化ガリウム系化合物半導体層と中間層2との界面で電子の広がり効果が得られる。
【0047】
【実施例】
以下、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0048】
(実施例1)
本実施例においては、図1に示す窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を作製した。
【0049】
まず、表面を鏡面に仕上げられたGaNからなる基板1を反応管内の基板ホルダーに載置した後、基板1の表面温度を1100℃に加熱し、水素ガスと窒素ガスとアンモニアとを流しながら、基板1の表面に付着している有機物等の汚れや水分を取り除くと同時に基板1の表面の結晶性を向上させた。
【0050】
次に、基板1の表面温度を1050℃にまで降下させた後、主キャリアガスとして窒素ガスと水素ガスを流しながら、アンモニアとトリメチルガリウム(TMG)を含むTMG用のキャリアガスと、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)を含むCp2Mg用のキャリアガスとを流しながら成長させて、MgをドープしたGaNからなる中間層2を50nmの厚さで成長させた。この中間層2は、電子濃度が1×1015cm-3未満の半絶縁性であった。
【0051】
中間層2の成長後、TMG用のキャリアガスを止め、基板温度を750℃にまで降下させ、750℃において、主キャリアガスとして窒素ガスを流し、新たにTMG用のキャリアガスと、トリメチルインジウム(TMI)を含むTMI用のキャリアガスとを流しながらアンドープのIn0.2Ga0.8Nからなる単一量子井戸構造の活性層3を3nmの厚さで成長させた。
【0052】
活性層3の成長後、TMI用のキャリアガスを止め、TMG用のキャリアガスと新たにモノシラン(SiH4)とを流しながら基板温度を1050℃に向けて昇温させながら、クラッド層4として引き続きSiドープのGaNを4nmの厚さで成長させ、基板温度が1050℃に達したらSiH4を止め、新たに主キャリアガスとしての窒素ガスと水素ガスと、トリメチルアルミニウム(TMA)を含むTMA用のキャリアガスと、Cp2Mg用のキャリアガスとを流しながら成長させて、MgをドープさせたAlGaNからなるp型クラッド層5を0.1μmの厚さで成長させた。このAlGaNの成長時には、TMA用のキャリアガスを時間とともにリニアに減少させつつ、TMG用のキャリアガスを時間とともにリニアに増加させて、組成がAl0.15Ga0.85NからAl0.01Ga0.99Nまで変化した傾斜組成AlGaNとしてp型クラッド層5を成長させた。
【0053】
クラッド層4およびp型クラッド層5を形成後、基板温度を800℃にまで降下させ、800℃において、新たにTMG用のキャリアガスと、TMI用のキャリアガスと、Cp2Mg用のキャリアガスとを流しながら成長させて、MgをドープさせたIn0.05Ga0.95Nからなるp型コンタクト層6を0.1μmの厚さで成長させた。
【0054】
p型コンタクト層6の成長後、TMG用のキャリアガスとTMI用のキャリアガスとCp2Mg用のキャリアガスとを止め、主キャリアガスとアンモニアをそのまま流しながら室温程度にまで冷却させて、ウェハーを反応管から取り出した。
【0055】
次に、フォトリソグラフィーと蒸着法により、基板1の表面上にAlからなるn側電極8を蒸着形成させた。さらに、同様にしてp型コンタクト層6の表面上にPtとAuとからなるp側電極7を蒸着形成させた。
【0056】
この後、ダイシングによりチップ状に分離した。このようにして、図1に示す窒化ガリウム系化合物半導体発光素子が得られた。
【0057】
この発光素子を、n側電極8の側を下向きにして、Agペーストによりステム上に載置し、p側電極7とステムとをワイヤで結線し、その後樹脂モールドして発光ダイオードを作製した。この発光ダイオードを20mAの順方向電流で駆動したところ、ピーク発光波長470nmの青色で発光し、基板1の側から均一な面発光が得られた。このときの発光出力は1.0mWであり、順方向動作電圧は3.44Vであった。
【0058】
(実施例2)
本実施例においては、実施例1において中間層2を成長させる際に、主キャリアガスとして水素ガスを5%、窒素ガスを95%の割合で流しながら、TMGを含むTMG用のキャリアガスを流して成長させて、アンドープのGaNからなる中間層2を50nmの厚さで成長させ、その他は実施例1と同様にして、発光ダイオードを作製した。本実施例における中間層2は、電子濃度が1×1015cm-3未満の半絶縁性であった。
【0059】
この発光ダイオードを20mAの順方向電流で駆動したところ、ピーク発光波長470nmの青色で発光し、基板1の側から均一な面発光が得られた。このときの発光出力は0.95mWであり、順方向動作電圧は3.43Vであった。
【0060】
(実施例3)
本実施例においては、実施例1において中間層2を成長させる際に、主キャリアガスとして窒素ガスと水素ガスを流しながら、TMGを含むTMG用のキャリアガスと、Cp2Mg用のキャリアガスとを流しながら成長させて、MgをドープしたGaNからなる層を25nmの厚さで成長させ、引き続き、主キャリアガスとして窒素ガスのみを流しながら、TMG用のキャリアガスを流して成長させて、アンドープのGaNからなる層を25nmの厚さで成長させ、その他は実施例1と同様にして、発光ダイオードを作製した。本実施例における中間層2はp型不純物がドープされた層とアンドープの層とからなる多重層であり、それぞれの層の電子濃度は共に1×1015cm-3未満の半絶縁性であった。
【0061】
この発光ダイオードを20mAの順方向電流で駆動したところ、ピーク発光波長470nmの青色で発光し、基板1の側から均一な面発光が得られた。このときの発光出力は1.1mWであり、順方向動作電圧は3.43Vであった。
【0062】
以上において説明した実施例については、主として有機金属気相成長法を用いた窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法を示すものであるが、成長方法はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、分子線エピタキシー法や有機金属分子線エピタキシー法等を用いることも可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、窒化ガリウム系化合物半導体からなる基板を用いた発光素子において、p側電極あるいはn側電極いずれの面を主発光面とする場合でも発光出力を改善することができるので、従来の砲弾型樹脂レンズ付き発光ダイオードや、表面実装型発光ダイオード、発光素子を基板上に複数配列させたライン状光源など、広範な用途に好適に用いることができる。
【0064】
また、中間層の厚さを薄くして形成できるので、積層構造の成長時間を短くすることができ、製造コストの低減にも寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の構造を示す断面図
【図2】従来の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の構造を示す断面図
【符号の説明】
1 基板
2 中間層
3 活性層
4 クラッド層
5 p型クラッド層
6 p型コンタクト層
7 p側電極
8 n側電極

Claims (3)

  1. n型の窒化ガリウム系化合物半導体からなる基板の一方の面上に少なくともインジウムを含む活性層とp型クラッド層とp側電極とを順に積層させ、前記基板に接してn側電極を形成させた窒化ガリウム系化合物半導体発光素子であって、前記基板と活性層との間に、半絶縁性の窒化ガリウム系化合物半導体からなり、前記基板との界面で前記基板に注入された電子を広げる中間層を前記基板に接するように有することを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  2. 前記中間層は、p型不純物がドープされることにより半絶縁性とされたものである請求項1記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  3. 前記中間層は、アンドープとされた半絶縁性のものである請求項1記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
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