JP4819453B2 - 窒化ガリウム系半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

窒化ガリウム系半導体発光素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、窒化ガリウム系などの半導体発光素子、特に電極にAgを用いて光の反射率を高めると共に、Agのマイグレーションを防止し、発光ダイオードの信頼性を高めた窒化ガリウム系半導体発光素子に関する。
窒化ガリウムなどのIII族窒化物半導体は、視光から紫外光領域に相当するエネルギーの直接遷移型のバンドギャップを持ち高効率な発光が可能であるため、発光ダイオード(LED)やレーザーダイオード(LD)としての製品化が成されている。特に蛍光体との組み合わせによる白色発光ダイオードの実現は照明用LEDとしての用途を拓き、市場が拡大している。照明用LEDの実現のためには、まず蛍光灯なみの高効率(lm/W)を得ることが要求される。
高効率なIII族窒化物半導体素子の構造として、電極面および発光領域を台座に下側にしてマウントし、サファイア基板側から光を取り出す構造のフリップチップ型が注目されている。
フリップチップ型の構造では、素子領域が下側に金属電極を介して台座にマウントされるため、基板を介してマウントするフェイスアップ型素子構造に比べて熱抵抗が小さく、パルス状の大電流を流して高い光出力を得る用途に有利な構造でもある。
フリップチップ型の構造では、電極での反射光が出力の大きな割合を占めるため、電極金属には高い反射率を持つ金属を選ぶ必要がある。金属の中でも、Agは可視領域の反射率が高いことが知られており、Ag反射電極を用いたフリップチップ素子はその他の金属を用いたフリップチップ素子に対して10〜20%出力の向上を図ることが出来る
しかしAgはエレクトロマイグレーションを起こしやすい金属としても知られており、Ag電極部が露出したような電極では、通電により素子の短絡による発光出力の低下、電流電圧特性の劣化が避けられない。
そこで一般には、Ag電極の露出した部分がない様に、Ag電極の上に更に別の金属や酸化膜を蒸着やスパッタなどの方法で設けることが提案されている。
このようにAg電極の表面を別の金属や酸化膜で被うことでAg電極からのマイグレーションを抑制することが提案されている(特許文献1〜3参照)。
特開H11−220171号公報 特開2003-168823号公報 特開2005-203618号公報
理想的には別の金属を用いた保護電極でAg電極の表面が完全に被われていれば素子特性の劣化を抑えることが可能となる筈であるが、実際には作成プロセスの問題でAgの露出を避け難い問題がある。
例えばAg電極を形成したウェハ上に別の金属を蒸着する際に、パーティクルが付着しているとパーティクルの影には金属が回りこまないため、蒸着後にそのパーティクルが脱離すると、Agが露出した部分が残るような事例も確認されている。
窒化物半導体素子では、電極の形成は蒸着やスパッタなどの方法によることが一般的である。これらは、高真空下で金属を気化させ運動エネルギーによって成膜する方法であるが、成膜時圧力の10-4Pa〜10Paでは、金属粒子の平均自由工程は数m〜0.数mmの範囲であり、パーティクルの影部への金属材の回りこみに関しては限界がある。
本発明の目的は、Agを用いた反射電極(反射層)において、工程上発生する微小な欠陥によるAgの露出を抑制して、発光素子の短絡による発光出力の低下、電流電圧特性の劣化を防止することにある。
本発明は、上記の目的を達成するためになされたもので、以下の発明からなる。
(1)基板上にn型半導体層、発光層およびp型半導体層をこの順序で含み、負極および正極がそれぞれn型半導体層およびp型半導体層に接して設けられており、該正極が少なくともp型半導体層と接する、Pt、Ir、Rh、Pd、Ru、Reの群の中から選ばれる一種あるいはこれらの合金からなるコンタクトメタル層と、該コンタクト層上にAgを主成分として含む金属乃至合金からなっている反射層と、該反射層の上面及び側面を覆う様に、Agを成分として含まない1層または2層以上の保護金属層とを有していることを特徴とする半導体発光素子。
(2)Agを主成分とする反射層のAgの含有量が、90〜99.99質量%であることを特徴とする上記(1)に記載の半導体発光素子。
(3)保護金属層の少なくとも1層がメッキ工程で形成されたものであることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の半導体発光素子。
(4)保護金属層の厚さが100nm以上10μm以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の半導体発光素子。
(5)メッキ工程により形成される金属がNi、Cu、Au、Crの何れかの金属またはこれらの金属の少なくとも一種を主成分とする合金であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の半導体発光素子。
(6)メッキ工程によって形成された保護金属層の上にさらにメッキ工程以外の手段によって形成された金属層を有している事を特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の半導体発光素子。
(7)メッキ工程以外の手段によって形成された金属層が、Auまたは、Alを主成分とする金属ないし合金であることを特徴とする上記(6)に記載の半導体発光素子。
(8)保護金属層の下にPt、Ir、Rh、Pa、Ru、Reから選ばれる少なくとも一種の金属あるいはこれらの金属の少なくとも一種を含む合金からなるメッキ下地層が形成されていることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の半導体発光素子。
(9)半導体層の側面の少なくとも一部が半導体層表面の法線に対して傾斜した角度を有していることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の半導体発光素子。
(10)傾斜した角度が、半導体層表面の法線に対し、正の角度を有していることを特徴とする上記(9)に記載の半導体発光素子。
(11)傾斜した角度が、半導体層表面の法線に対し、負の角度を有していることを特徴とする上記(9)に記載の半導体発光素子。
(12)傾斜した角度が、半導体層表面の法線と半導体層側面の法線とのなす角度で30°〜70°であることを特徴とする上記(10)又は(11)に記載の半導体発光素子。
(13)半導体がIII−V族半導体であることを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれかに記載の半導体発光素子。
(14)III−V族半導体が窒化ガリウム系半導体である特徴とする上記(13)に記載の半導体発光素子。
(15)上記(1)〜(14)のいずれかに記載の半導体発光素子と蛍光体とを組み合わせた発光素子。
(16)上記(1)〜(15)のいずれかに記載の発光素子を用いたランプ。
(17)基板上にn型半導体層、発光層およびp型半導体層をこの順序で形成し、負極および正極をそれぞれn型半導体層およびp型半導体層に接して設け、該正極として少なくとも、p型半導体層と接する、Pt、Ir、Rh、Pd、Ru、Reの群の中から選ばれる一種あるいはこれらの合金からなるコンタクトメタル層と、該コンタクト層上にAgを成分として含む金属乃至合金からなっている反射層とを形成し、さらに該反射層の上面及び側面を覆う様に、Agを成分として含まない保護金属層を、その少なくとも一層をメッキ工程によって形成することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
本発明は基板側から光を取り出す発光素子において、p型電極にAgを含む反射層を含むので、光の反射率が高い。そして反射層をAgのマイグレーションを防止する保護金属層で覆っているので、Agのマイグレーションによる発光素子の短絡、それに基づく発光出力の低下がなく、また電流電圧特性の劣化が防止される効果がある。
以下図面を参照して本発明を詳しく説明する。
図1は本発明の発光素子の1例を示す断面図である。図示の例は半導体として窒化ガリウム系半導体(窒化物半導体)を用いて例である。
図において、201は基板でその上に窒化物半導体層202が積層される。
基板には、サファイア単結晶(Al23;A面、C面、M面、R面)、スピネル単結晶(MgAl24)等の酸化物単結晶、SiC単結晶などの公知の基板材料を何ら制限なく用いることができる。これらの中でもサファイア単結晶が好ましい。屈折率が1.7と窒化物半導体に比べて小さいので、窒化物半導体層の加工による光取出し効果が大きくなる。基板の面方位は特に限定されない。また、ジャスト基板でも良いしオフ角を付与した基板であっても良い。またサファイア基板の表面に更に凹凸加工が施されていてもよい。
上記基板上に、それぞれ窒化物半導体層よりなるn型半導体層、発光層およびp型半導体層をこの順序で、それぞれの層に対して最適な条件で積層させる。この際、これらの半導体およびバッファ層の成長条件、不純物ドーピング条件、熱処理の方法については公知の技術をなんら支障なく用いることが出来る。
窒化物半導体層積層後、公知のフォトリソ技術により素子分離用の領域とn型電極形成用の領域の形成を行う。フォトリソグラフによってパターニングした基板上の窒化物半導体層をRIE (リアクティブ・イオン・エッチング)を用いたドライエッチングによりエッチングする。この際、使用するガス種としては一般に塩素系ガスが用いられる。Cl2、SiCl4、BCl3等、或いはそれに対する添加ガスとしてH2、Ar等を混合したものが公知であり、それらの組み合わせを選んで使用することができる。
エッチング後に電極を形成する工程を行う。公知のフォトリソにより電極形成用のパターンを作成し、蒸着、スパッタ、メッキ法等の技術によって電極を形成する。この内、メッキ法による電極層形成は、後述の保護金属層作成時に用いることが好ましい。この時、n型電極(n電極)101aとp型電極(p電極)101bはどちらを先に形成しても問題ない。電極の配置に関しても、対角型、対辺型、偏心型の配置をいずれもなんら問題なく使用することができる。
n電極は、各種組成および構造のn電極が周知であり、これら周知のn電極を何ら制限なく用いることができる。
n型半導体層としては一般にn型クラッド層とその上(基板側)のn型コンタクト層があり、そのn型コンタクト層に接してn型電極用のパッド電極が設けられる。パッド電極の材料としては、Al、Ti、Ni、Auなどのほか、Cr、W、Vなどを用いることができる。n電極全体を多層構造としてボンディング性などを付与することができることは言うまでもない。特に、最表面をAuやAlで覆うことは、ボンディングをしやすくするために好ましい。
p型半導体のコンタクト層上に設けられるp電極としてのコンタクトメタル層は、各種組成および構造のp電極が周知であり、これら周知のp電極を何ら制限なく用いることができる。その中でもPt、Ir、Rh、Pd、Ru、Reの群の中から選ばれる一種あるいはこれらの合金は仕事関数が高く、低い接触抵抗が得られるために望ましい。コンタクトメタル層は厚さが0.5nm〜5nmの範囲が好ましい。
p電極としてのコンタクトメタル層102上には反射層103が設けられる。反射層は可視領域に対して高い反射率を持っているAgを含んでいるが、さらにネオジウム、パラジウム、銅およびビスマスからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を含んでいる合金である事が耐蝕性向上の点からさらに望ましい。
反射層のAgの含有量は90〜99.99%である合金であることが、反射率と耐蝕性の点から望ましい。
反射層103の上面および側面を覆う様に保護金属層104が設けられる。さらに好ましくは保護金属層はコンタクトメタル層の側面をも覆うように形成される。保護金属層はAgを成分として含まない金属で、公知のものが全て使用可能である。保護金属層は単一金属の層でも複数金属の層でも差し支えないが、複数金属の層であることが望ましい。保護金属層をメッキにより形成する場合、メッキ浴組成によっては反射層のAgを侵食する場合があり、メッキによる保護金属層作成の前に、Ag反射層の上にメッキ下地とAg保護層をかねて予め金属層を形成する事が望ましい。メッキ下地層としてはAgの拡散防止とメッキ浴耐性の点からPt、Ir、Rh、Pd、Ru、Reの群の中から選ばれる少なくとも一種あるいはこれらの合金が好ましい。
メッキによって形成する保護金属層としてはNi、Cu、Au、Crの何れかの金属を主成分とする合金であることが望ましい。メッキの方法としては電気メッキでも無電解メッキでも差し支えないが、設備の簡便さからは無電解メッキによるのが好ましく、Ni、Cu、Au、Crの何れかの金属を主成分とする合金は無電解メッキ工程で形成するのに適している。
メッキによって形成する保護金属層の厚さとしては1000Å以上とすることが望ましい。1000Å未満では工程上発生する電極の微小な欠陥の埋め込みに不十分であり、望ましくは2000Å以上、更に望ましくは5000Å以上である。しかしながらメッキ層の厚さが厚すぎると面内での厚さバラツキが問題になる場合があるので10μm以下にすることが望ましい。
メッキによる保護金属層が同時にn電極上に形成されていてもなんら差し支えない。またn電極と同様に保護金属層の上にはボンディングの点からAuまたはAlを主成分とする金属または合金が形成されていることが好ましく、ボンディング層はn電極上のボンディング層と同時に形成することが好適である。
窒化物半導体発光素子は、その周縁部の窒化物半導体層の側面の少なくとも一部が半導体層表面の法線202bに対して図2に示すように傾斜面202aを有していることが望ましい。周縁部の窒化物半導体層の側面が窒化物半導体層表面の法線に垂直であると、素子間を隔てる領域が小さいためメッキ膜作成時液の循環が不足になり、作成したメッキ膜の膜厚が素子中央で厚くなり易い。液の循環を向上させるため窒化物半導体層の少なくとも一部が傾斜した角度を有していることが望ましい。もちろん傾斜が基板にかかっていてもなんら問題はない。
窒化物半導体層側面の傾斜は半導体層の電極側が狭くなる正の角度とこれと反対電極側が広くなるの負の角度を持つことが出来る。側面が正の角度を持っていると、半導体表面側に向かって開口が広がる形状であるため、メッキ液の循環に有利になる。しかし素子サイズは小さくなる傾向があるため、傾斜面が正の角度であると、素子表面の発光領域の面積が小さくなる制限が生ずる。
窒化物半導体層側面の傾斜が表面の法線に対し、負の角度を持っていても差し支えない。前節で記した様に素子サイズから側面の傾斜が制限される場合には、側面の傾斜が負の角度であってもメッキ液が循環する領域が確保できるので好ましい。
側面の傾斜は、その角度が半導体層表面の法線202bと半導体層側面の法線202cのなす角度θが30〜70°であることが望ましい。傾斜角度が大きすぎると有効な素子面積が減少し、小さすぎると液の循環に必要な領域の確保が不足になるため、30〜70°であることが望ましい。
本発明の発光素子に用いられる半導体としては、III−V族化合物半導体が好ましく、特に窒化ガリウム系半導体が好ましい。
本発明の実施例を以下に示す。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
この例は参考例として示すものである。
基板としてサファイア(Al23)C面基板を用い、その上に特開2003−243302号公報にある方法に従ってAlNバッファを介してアンドープのGaN層を6μm、Geを周期的にドープして平均のキャリア濃度が1×1019cm-3となるようにしたn型コンタクト層を4μm、In0.1Ga0.9Nからなる厚さ12.5nmのnクラッド層、GaNからなる厚さ16nmの障壁層とIn0.2Ga0.8Nからなる厚さ2.5nmの井戸層を交互に5回積層させた後、最後に障壁層を設けた多重量子井戸構造の発光層、Mgドープ(濃度8×1019/cm3)Al0.2Ga0.8Nからなる厚さ0.05μmのpクラッド層、Mgドープ(濃度8×1019/cm3)Al0.03Ga0.97Nからなる厚さ0.15μmのpコンタクト層を順次積層して基板上の窒化物半導体層とした。
窒化物半導体層の表面に公知のリソグラフとCl2ガスによるRIEを用いて、個々の素子の境界部分およびn型コンタクト層となる部分を露出させる。その後、アセトンを用いてリソグラフに用いたレジストを除去する。
有機洗浄とHClボイルを行い、ウェハ表面の汚れと酸化物を除去した後、再度リソグラフによりレジストでp側電極領域の形成を行う。リソグラフを行ったウェハをスパッタ装置に導入し、1×10-4Paまで真空引き後、Arを導入し0.5Paに保持する。圧力制御下でコンタクトメタルとしてPtを5nm、RF方式500Wで堆積した。
引き続き同装置内でAg99質量%-Nd0.5質量%-Cu0.5質量%からなる反射層を100nm堆積し、更にメッキ下地層としてPtを10nm堆積した。金属層の堆積終了後、レジストを除去して電極のパターニングを行った。
メッキ下地層の形成を行ったウェハに対し、Niをメッキ浴中で無電解メッキを行なって金属保護層を設ける。メッキ液は硫酸Niとフォスフィン酸を主としたアルカリ性液にエチレンジアミン、クエン酸、スズ酸ナトリウムなどの添加材を加えたものである。浴中に10分間の浸漬をおこない、厚さ2μmの膜を得た。
再度、リソグラフを行い、パッド電極形成用領域を設ける。nパッド電極とpパッド電極領域の形成は同時に行った。リソグラフを行ったウェハを蒸着装置に導入し、1×10-4Paにまで真空引後Cr,Ti,Auをこの順に各々40nm、100nm、1μmの厚さでEB(エレクトロン・ビーム) 蒸着を行い、パッド電極を形成した。
電極を形成した後のウェハを裏面研磨により80μmに薄くし、スクライブ/ブレークにより素子の分離を行った。分離後の素子はTO18上のサブマウントにサファイア基板側を上にしてマウントを行った。同試料を積分球で評価した結果、初期特性は出力11mW、順方向電圧Vf3.4V、逆方向電圧Vr>20Vであった。
初期評価後の素子を85℃/85%RHの雰囲気下で168時間通電試験を行ったところ、初期特性に対して出力で−10%の低下が見られたが、順方向電圧Vf、逆方向電圧Vrでは変化が見られなかった。また通電試験後の素子を基板側から観察したところ、電極の外観に変化は見られなかった。
(実施例2)
実施例として半導体側面に傾斜面を作成した場合について記す。実施例は半導体側面に正の角度の傾斜面を設けた例であるが、負の角度の傾斜面でも同様の効果がある。
傾斜面はドライエッチングによって作成した。まず実施例1と同じ条件で個々の素子の境界部分とn型コンタクト層となる部分を露出させる。このとき、エッチング量は0.8μmであった。レジストを除去した後、再度レジストを塗布し、境界部分のみが露出するようにリソグラフを行う。1回目のエッチングより、エッチング時間を延長して8μmエッチングを行い、ほぼ基板に達するまで除去する。時間の延長によりレジストの後退が無視できなくなり、端部から消失するためエッチング面には自然に傾斜面が形成される。そのときの傾斜角度θは、50°〜60°であった。
レジストを剥離後、実施例1と同じ条件でPtコンタクト層、Ag反射層、Pt保護層をスパッタ法により堆積し、引き続きNi保護層をメッキ法により2μm析出した。実施例1で作成されたNiの膜厚はウェハ面内での分布が8%程度生じていたのにたいし、実施例2においては面内分布が2%程度に改善した。
引き続き実施例1と同じ条件でAuパッド作成を行い、素子化評価を行った。同試料を積分球で評価した結果、初期特性は出力11mW、順方向電圧Vf3.4V、逆方向電圧Vr>20Vであり、85℃/85%RHでの通電試験にも順方向電圧、逆方向電圧の劣化は認められなかった。
更にメッキによる厚厚分布が低減したことから、実施例1でのマウント時のチップ配列の乱れの問題も改善がみられた。
(比較例)
比較のため、メッキ法による電極を形成しない素子の作成を行った。
試料の作成方法はスパッタによる電極形成前の工程までは実施例1に準じて作成する。その後スパッタ法により、Ptコンタクトメタル層、Ag反射層、Pt保護層を実施例1と同じ条件で作成した。
Pt層作成後に引き続き、NiをRF方式で5000Å堆積した。パッド電極の蒸着以降の工程は実施例1と同じ条件で行った。
素子化した後の初期評価では、初期特性として出力11mW、順方向電圧Vf3.4V、逆方向電圧Vr>20Vの素子が得られた。その後、実施例1と同じ85℃/85%RH雰囲気下で通電試験を行ったところ、約20%の素子で出力が50%以下に低下し、Vf、Vrにも低下がみられた。
通電試験で劣化の見られた試料を観察したところ、Ag反射電極に茶色の変色が観察され、またチップ表面やサブマウント上に変色が発生しているものも認められた。この変色を電子顕微鏡でEDX分析を行ったところ、変色部からはAgが検出された。
本発明の効果によりAgを用いた電極に対して、作成工程上発生する微小な欠陥による素子不良を抑制することが可能となり、素子の信頼性をあげることが可能となる。
本発明の発光素子は、それ自体各種の照明等のランプとして利用できるばかりでなく、蛍光体と組み合わせ、白色等を発光する素子としても利用できる。
実施例1で作成した窒化ガリウム系物半導体発光素子の断面図である。 実施例2で作成した窒化ガリウム系物半導体発光素子の断面図である。
符号の説明
101a 負極側パッド電極
101b 正極側パッド電極
102 コンタクトメタル層
103 反射層
104 保護金属層
201 基板
202 n型半導体層
202a 傾斜面
202b 半導体層面に対する法線
202c 半導体側面に対する法線

Claims (14)

  1. 基板上にn型半導体層、発光層およびp型半導体層をこの順序で含み、負極および正極がそれぞれn型半導体層およびp型半導体層に接して設けられており、該正極が少なくともp型半導体層と接する、Pt、Ir、Rh、Pd、Ru、Reの群の中から選ばれる一種あるいはこれらの合金からなるコンタクトメタル層と、該コンタクトメタル層上にAgを主成分として含む金属乃至合金からなっている反射層と、該反射層の上面及び側面を覆う様に、Agを成分として含まない1層または2層以上の保護金属層とを有し、保護金属層の少なくとも1層がメッキにより100nm以上10μm以下の厚さに形成されたものであり、半導体層の側面の少なくとも一部が半導体層表面の法線に対して傾斜した角度を有していることを特徴とする半導体発光素子。
  2. Agを主成分とする反射層のAgの含有量が、90〜99.99質量%であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. メッキ工程により形成される金属がNi、Cu、Au、Crの何れかの金属またはこれらの金属の少なくとも一種を主成分とする合金であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光素子。
  4. メッキ工程によって形成された保護金属層の上にさらにメッキ工程以外の手段によって形成された金属層を有している事を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体発光素子。
  5. メッキ工程以外の手段によって形成された金属層が、Auまたは、Alを主成分とする金属ないし合金であることを特徴とする請求項4に記載の半導体発光素子。
  6. 保護金属層の下にPt、Ir、Rh、Pa、Ru、Reから選ばれる少なくとも一種の金属あるいはこれらの金属の少なくとも一種を含む合金からなるメッキ下地層が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の半導体発光素子。
  7. 傾斜した角度が、半導体層表面の法線に対し、正の角度を有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の半導体発光素子。
  8. 傾斜した角度が、半導体層表面の法線に対し、負の角度を有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の半導体発光素子。
  9. 傾斜した角度が、半導体層表面の法線と半導体層側面の法線とのなす角度で30°〜70°であることを特徴とする請求項7に記載の半導体発光素子。
  10. 半導体がIII−V族半導体であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の半導体発光素子。
  11. III−V族半導体が窒化ガリウム系半導体である特徴とする請求項10に記載の半導体発光素子。
  12. 上記請求項1〜11のいずれかに記載の半導体発光素子と蛍光体とを組み合わせた発光素子。
  13. 上記請求項1〜12のいずれかに記載の発光素子を用いたランプ。
  14. 基板上にn型半導体層、発光層およびp型半導体層をこの順序で形成し、半導体層の側面の少なくとも一部が半導体層表面の法線に対して傾斜するように傾斜面を形成し、負極および正極をそれぞれn型半導体層およびp型半導体層に接して設け、該正極として少なくとも、p型半導体層と接する、Pt、Ir、Rh、Pd、Ru、Reの群の中から選ばれる一種あるいはこれらの合金からなるコンタクトメタル層と、該コンタクトメタル層上にAgを成分として含む金属乃至合金からなっている反射層とを形成し、さらに該反射層の上面及び側面を覆う様に、Agを成分として含まない保護金属層を、その少なくとも一層をメッキ工程によって100nm以上10μm以下の厚さに形成することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
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