JP5949140B2 - 半導体発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体発光素子に関し、特にその電極構造に関する。
半導体発光素子は、一般に発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)やレーザダイオード(Laser Diode:LD)等があり、バックライト等に用いる各種光源、照明、信号機、大型ディスプレイ等に幅広く利用されている。
このような半導体発光素子は、基本的に、基板上にn型半導体層、p型半導体層が積層され、n型、p型のそれぞれの半導体層に電気的に接続するn側電極、p側電極が形成された構造である。両電極を上面側に形成する場合、上層のp型半導体層の一部を除去してn型半導体層が露出した領域にn側電極を形成し、p型半導体層上にp側電極を形成する。
このような半導体発光素子の電極には、導電性に優れ、光を効率良く反射することができるAgが用いられている(以下、Ag電極とする)。しかしながら、Agは、酸素や水分などの影響で変質し易く、劣化によって反射率が低下することで知られている。このため、従来からAg電極の上面及び側面を金属層などで被覆して(以下、カバー電極とする)、外部環境からAg電極を保護することにより、Agの劣化を防止していた。また、このようなカバー電極には、半導体発光素子として光出力(光取り出し効率)が低下しないように、できるだけ反射率に優れた材料、例えばAlを用いるための検討がなされてきた。
しかしながら、Alは他の金属に比較的拡散しやすい材料であるため、カバー電極に用いられているAlが、その上に積層されたパッド電極に拡散してこれを腐食させることがある。このため、カバー電極の上面に、Alの拡散を防止する層(以下、Al拡散防止層とする)を設けることが考えられる。このような拡散防止層として、従来からタングステン(W)が用いられているが、Alの拡散を防止するのには不十分であり、更なる改善が求められていた。
国際出願公開第WO2006/043422号 特開2010−267797号公報
本発明は、従来のこのような問題点を解決するためになされたものである。本発明の主な目的は、Alを用いたカバー電極を使用しつつも、Alの拡散によってパッド電極が腐食するのを抑止して、信頼性を高めた半導体発光素子を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面に係る半導体発光素子によれば、半導体層10と、前記半導体層10上に設けられ、第1のAl含有層32を有するカバー電極30と、前記カバー電極30の上面に設けられるパッド電極6p,6nと、を備える半導体発光素子であって、前記カバー電極30の最上層が、Al拡散防止層34であり、前記パッド電極6p,6nの最下層を、第2のAl含有層42とできる。さらに、前記半導体層10とカバー電極30との間に、Agを含む電極20を備えることができる。上記構成により、Al拡散防止層を間にして、パッド電極とカバー電極のいずれにも同じ系列の材質であるAl含有層を有するため、Alの拡散を抑制できる。
また、本発明の第2の側面に係る半導体発光素子によれば、前記Al拡散防止層34が、Ruを含むことができる。
さらに、本発明の第3の側面に係る半導体発光素子によれば、前記Al拡散防止層34の膜厚を、50nm以上200nm以下とできる。上記構成により、ある程度の膜厚を確保してAlの拡散抑制効果を確実に発揮できる。
さらにまた、本発明の第の側面に係る半導体発光素子によれば、前記第1のAl含有層32は、Al及びCuを含み、前記第2のAl含有層42は、Al及びSi、Cuを含むものとできる。
本発明の実施の形態1に係る半導体発光素子の平面図である。 図1の半導体発光素子のII−II線における断面図である。 図2の半導体発光素子のカバー電極を示す拡大断面図である。 半導体発光素子の製造方法を説明するフローチャートである。 変形例に係る半導体発光素子の断面図である。 実施例4〜5、比較例5〜6に係る半導体素子の耐熱性試験の結果を示すイメージ図である。 耐熱性試験によってVfが変化する様子を示すグラフである。
以下、本発明に係る実施形態及び実施例を、図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態及び実施例は、本発明の技術思想を具体化するための、半導体発光素子を例示するものであって、本発明は、半導体発光素子を以下のものに特定しない。
なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。さらに、本明細書において、層上等でいう「上」とは、必ずしも上面に接触して形成される場合に限られず、離間して上方に形成される場合も含んでおり、層と層の間に介在層が存在する場合も包含する意味で使用する。
(実施の形態1)
図1及び図2に、本発明の実施の形態1に係る半導体発光素子を示す。この半導体発光素子100は、図2の断面図に示すように、基板1と、この基板1上に積層された半導体層10と、半導体層10の上面に設けられ、Ag含有層24を有する第一電極構造体20と、第一電極構造体20の表面を覆い、かつ第1のAl含有層32およびAl拡散防止層34を有する第二電極構造体(以下、カバー電極とする)30と、カバー電極30の上面に設けられる第1のパッド電極6pと、半導体層10の上面に設けられる第2のパッド電極6nと、を少なくとも備え、さらにカバー電極30の最上層はAl拡散防止層34であり、パッド電極6pの最下層は第2のAl含有層42である。
より具体的には、半導体層10は、活性領域3を挟んで積層されたn型半導体層2及びp型半導体層4を有する。つまり半導体発光素子100は、基板1上に、n型半導体層2、活性領域3、p型半導体層4をこの順に積層して構成される。さらに半導体発光素子100は、p型半導体層4の一部を除去して露出されたn型半導体層2にn側電極7nが設けられると共に、p型半導体層4の主面にはp側電極7pを備える。このn側電極7n及びp側電極7pを介して、n型半導体層2及びp型半導体層4にそれぞれ電力が供給されると、活性領域3より光が出射し、半導体層10の下方に位置するn型半導体層4側を主発光面側として、すなわち図1に示される面とは反対側の基板1から主に光が取り出される。
本実施形態において、n型半導体層2に電気的に接続するn側電極7nは、第2のパッド電極(n側パッド電極)6nから構成され、図1の平面図に示すように、p型半導体層4及び活性領域3の一部が除去されて露出された、n型半導体層2の表面上に直接設けられる。一方、p型半導体層4に電気的に接続するp側電極7pは、p型半導体層4の上面のほぼ全面に設けられる第一電極構造体20と、第一電極構造体20の表面である上面及び側面を覆うカバー電極30と、カバー電極30の上面に複数設けられた第1のパッド電極(p側パッド電極)6pとから構成される。
第一電極構造体20は、最下層がAg含有層24であり、このAg含有層24がp型半導体層4の上面に接して設けられる。Ag含有層24は、p型半導体層4の上面端部よりも内側の領域に設けられており、Ag含有層24が設けられる領域以外の領域ではp型半導体層4の上面が露出する。また、第一電極構造体20の最上層はRu層22であり、Ru層22に接して、カバー電極30が第一電極構造体20を覆うように設けられる。このとき、カバー電極30の最下層は、第1のAl含有層32であり、この第1のAl含有層32がRu層22に接する。さらに、Ru層22に接する第1のAl含有層32は、第一電極構造体20から露出したp側半導体層4の上面まで連続して設けられる。これにより、第一電極構造体20は、カバー電極30である第1のAl含有層32によって完全に覆われるため、外部環境から遮蔽される。また、カバー電極30の最上層は、Al拡散防止層34であり、このAl拡散防止層34の上面に接して複数のp側パッド電極6pが設けられる。このとき、p側パッド電極6pは、最下層に第2のAl含有層42を有しており、Al拡散防止層34を間に挟んで、第1のAl含有層32と第2のAl含有層42が積層された状態となる。つまり、同じ系列の材質が積層された状態となるため、カバー電極30とp側パッド電極6pとの間で、Alが拡散するのを抑制することができる。
また、絶縁性の保護膜9は、n側電極7n及びp側電極7pの上面を除いた、半導体層10の全表面に被覆される。
(基板1)
基板1は、半導体をエピタキシャル成長させることができる基板材料であればよく、大きさや厚さ等は特に限定されない。このような基板材料としては、C面、R面、A面のいずれかを主面とするサファイアやスピネル(MgAl24)のような絶縁性基板、また炭化ケイ素(SiC)、シリコン、ZnS、ZnO、Si、GaAs、ダイヤモンド、及び半導体と格子接合するニオブ酸リチウム、ガリウム酸ネオジウム等の酸化物基板が挙げられる。
(n型半導体層2、活性領域3、p型半導体層4)
n型半導体層2、活性領域3、及びp型半導体層4としては、特に限定されるものではないが、例えばInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y<1)等の窒化ガリウム系化合物半導体が好適に用いられる。
(n側電極7n、p側電極7p)
n側電極7nはn型半導体層2に、p側電極7pはp型半導体層4に、それぞれ電気的に接続して外部から電流を供給するための部材である。
(第一電極構造体20)
p側電極7pは、p型半導体層4の上面に直接に、その全面又はそれに近い面積の領域(ほぼ全面)に設けられた、Ag含有層24を有する第一電極構造体20を備える。
本実施形態における第一電極構造体20は、最下層にAg含有層24を有しており、活性領域3からp型半導体層4側に出射された光を、基板1側に効率良く反射することができる。一方、第一電極構造体の最上層はRu層22であり、後述する第二電極構造体30に含まれるAlが、Ru層22によってAg含有層24に拡散されるのを防止することができる。
また、第一電極構造体20は、Ag含有層24とRu層22との間に、Agがp側パッド電極側に拡散するのを防止するAg拡散防止層26を有することができる。Ag拡散防止層26は、p側パッド電極6pが設けられる領域の膜厚が、その周縁領域よりも厚くなるように設けられるのが好ましく、Agの拡散をさらに抑制しつつ、p側パッド電極6pが外部回路などに接合される際に生じる応力が、Ag拡散防止層26にかかったとしても破断せずにバリア性を十分に維持することができる。このようなAg拡散防止層26は、Ag含有層24に面したNi層と、その上に積層されたTi層から構成でき、Ag拡散防止層26によるAgのバリア効果を高めることができる。
(第二電極構造体、カバー電極30)
さらに、第一電極構造20の上面及び側面にはカバー電極30が配置される。カバー電極30は、光反射率に優れるAlを主成分とする金属から構成されていれば良く、例えば、比較的に強度の高いAl−Cu系のAl合金(以下、AC層とする)から構成されるのが好ましい。本実施形態におけるカバー電極30は、最下層に第1のAl含有層32を有する多層構造である。この第1のAl含有層32が、第一電極構造体20の上面及び側面を覆うと共に、第一電極構造体20から露出したp型半導体層4の上面まで連続して覆うように設けられるのが好ましい。これにより、外部環境から第一電極構造体20のAg含有層24を遮蔽できるため、Agがn側電極7nとの間で移動するエレクトロマイグレーションの発生を防止することができる。さらに、第一電極構造体20から露出されたp型半導体層4の上面において、第1のAl含有層32が基板1の側に光を効率よく反射することができるため、光取り出し効率を向上させることができる。また、カバー電極30は、第一電極構造体20の上面を覆う膜厚よりも、側面を覆う膜厚の方が厚くなるように設けられているのが好ましく、第一電極構造体20のAg含有層24から、p型半導体層4の上面をAgが移動するのを防止することができる。
また、カバー電極30の最上層はAl拡散防止層34であり、後述するn側及びp側パッド電極6n,6pに含まれるAlが、カバー電極30側に拡散することを抑制することができる。このようなAl拡散防止層34の材質としては、Ti,Ni,W,Pt,Rh,Ru,Ir等を用いることができるが、特に好ましくはRuであり、例えばRuを単一層で構成したり、Ru及びTiを順に積層した多層構造で構成しても良い。また、Al拡散防止層34の膜厚は、50nm以上200nm以下が好ましく、さらに好ましくは70nm以上200nm以下である。Alの拡散を抑制するためには50nm以上が望ましく、また製造に際してレジスト上の金属膜に繋がる部分が厚くなってリフトオフし難くなるのを防ぐため200nm以下とすることが好ましい。
なお図2及び図3の断面図の例では、第一電極構造体20を矩形状で示し、この上面及び側面を同じく矩形状のカバー電極30で被覆する状態を示しているが、この図は模式的に示したものであって、例えば図5に示すように、半導体層10の上面に曲面状の第一電極構造体20を積層し、さらにその上面を覆うように同じく曲面状のカバー電極30で被覆するような態様も、本願発明に包含する。
(n側パッド電極6n、p側パッド電極6p)
n側及びp側パッド電極6n,6pは、外部回路と電気的に接続するために、ハンダや共晶金属などの外部接続部材が接合されるための部材である。このため、n側及びp側パッド電極6n,6pは、外部接続部を接続するのに必要な平面視形状及び面積であれば良く、その位置についても特に限定しないが、活性領域3全体に均一な電流が供給されるように配置するのが好ましい。
また特に、p側パッド電極6pは、最下層に第2のAl含有層42を有し、対向するカバー電極30もまたAlの化合物を含むことで、同じ系列の材質からなる層がAl拡散防止層34を間に挟んで積層された状態になるため、カバー電極30との間で生じるAlの拡散がさらに抑制される。なお、図3の拡大断面図に示すp側電極の例では、第2のAl含有層42の材質として、Al−Si−Cu系のAl合金(以下、ASC層とする)から構成されるのが好ましい。
(半導体発光素子のパッド電極の製造方法)
本発明に係る半導体発光素子のパッド電極の製造方法について、前記実施形態に係る半導体発光素子の製造も含めて、図4を参照して一例を説明する。
(半導体層の形成:S10)
サファイア基板を基板1として、MOVPE反応装置を用いて、基板1上に、n型半導体層2、活性領域3、及びp型半導体層4を構成するそれぞれの半導体を成長させる(図4のS11、以下同様)。半導体の各層を成長させた基板1(以下、ウェハという)を装置の処理室内にて窒素雰囲気で、600〜700℃程度のアニールを行って、p型半導体層4を低抵抗化する(S12)。
(n側コンタクト領域の形成:S20)
n側電極(n側パッド電極)7nを接続するためのコンタクト領域として、n型半導体層2の一部を露出させる。アニール後のウェハ上にフォトレジストにて所定の形状のマスクを形成して(S21)、反応性イオンエッチング(RIE)にて、p型半導体層4及び活性領域3、さらにn型半導体層2の一部を除去して、その表面にn側コンタクト領域を形成する(S22)。エッチングの後、レジストを除去する(S23)。なお、n側コンタクト領域と同時に、半導体発光素子100(チップ)の周縁部(スクライブ領域)をエッチングしてもよい(図2参照)。
(第一電極構造体の形成:S30)
p型半導体層4の表面にp側コンタクト領域が露出するように、レジストを用いたマスクを形成する(S31)。スパッタ装置にウェハを設置し、スパッタガスとしてアルゴンガスを用いて、p側コンタクト領域のほぼ全面に、Ag層、Ni層、Ti層およびRu層を順に、それぞれ所定の膜厚ずつ連続的に成膜する(S32)。リフトオフ法を用いてレジスト及びその上に形成されたAg/Ni/Ti/Ru層を除去し、第一電極構造体20を形成する(S32)。次に、第一電極構造体20が形成されたウェハを、窒素雰囲気で熱処理(アニール)して、第一電極構造体20のp型半導体層4へのオーミック接触特性を向上させる(S33)。
(カバー電極の形成:S40)
第一電極構造体20から離間して周囲を囲むように、レジストを用いたマスクを形成し(S41)、このマスクの上からスパッタリング装置にてAC層、Ru層をそれぞれ所定の膜厚ずつ連続的に成膜する(S42)。リフトオフ法を用いてレジスト及びその上に成膜されたAC層/Ru層を除去することにより、第一電極構造体20の上面及び側面を覆うカバー電極30を形成する(S43)。
(パッド電極の形成:S50)
露出させたn型系半導体層2上、及びカバー電極30のそれぞれに所定領域を空けたマスクをレジストにて形成し(S51)、このマスクの上から、スパッタリング装置にて、p側パッド電極6p、n側パッド電極6nを構成するASC層、Ti層、Pt層、Au層をそれぞれ所定の膜厚ずつ連続的に成膜する(S52)。その後、レジストをその上のASC/Ti/Pt/Au層ごと除去する(S53)と、前記の所定領域にn側パッド電極6n、p側パッド電極6pが形成された状態となる。
(保護膜9の形成:S60)
ウェハの全面に、保護膜9としてSiO2膜をスパッタリング装置にて成膜する(S61)。外部接続部材が接続される領域としてp側パッド電極6p、n側パッド電極6n上の所定領域を空けたマスクをレジストにて形成し(S62)、SiO2膜をエッチングした(S63)後、レジストを除去する(S64)。
最後に、ウェハをスクライブやダイシング等で分離して、1個の半導体発光素子100(チップ)となる。また、チップに分離する前に、ウェハの裏面から基板1を研削(バックグラインド)して所望の厚さとなるまで薄く加工してもよい。
以上の工程による本発明に係る半導体発光素子のパッド電極の製造方法は、前記の実施形態に係る半導体発光素子について、p側、n側のそれぞれにパッド電極を同時に形成することができるため、生産性が向上する。
なお、本発明に係る半導体発光素子のパッド電極は、p側、n側の一方のパッド電極のみに適用されて、このとき他方のパッド電極は従来公知の構造(例えば、Cr/Pt、Cr/Pt/Au、Cr/Pt/Au/Pt、Rh/W/Au等)としてもよい。また、本発明に係る半導体発光素子のパッド電極は、前記実施形態(図1参照)に係る半導体発光素子に限らず、例えばn側電極を導電性基板の裏面(下面)側に設けた半導体発光素子に適用することもできる(図示せず)。
(実施例1〜2、比較例1〜4)
従来のAg含有層を有する第一電極構造体は最表面をPtとしている。しかし、この構成では、低温下であっても第一電極構造体を覆うカバー電極に用いられるAlが、最表面のPt、さらにはAg含有層にまで拡散してしまうという問題があった。
そこで、Ag含有層を有する第一電極構造体のAl拡散防止効果を確認するために、以下の条件で作成した実施例1及び2、比較例1乃至4をそれぞれ準備し、これらのサンプルを熱処理した状態での拡散の様子を確認した。この結果を表1に示す。実施例1、2では第一電極構造体としてAg/Ni/Ti/Ruを順で積層し、また比較例1、3はAg/Ni/Ti/Pt、比較例2、4はAg/Ni/Ti/Rhとしている。各層の膜厚はそれぞれ100nmとした。またオーミックアニールは540℃で10分間行った。
さらに実施例1、比較例1〜2のグループでは、カバー電極を、AC(Al,Cu)/Ti/Au/W/Tiの順で積層しており、各層の膜厚は、100/500/1400/100/3[nm]としている。一方、実施例2、比較例3〜4のグループでは、p側パッド電極6p、n側パッド電極6nとして、ASC(Al,Si,Cu)/Ti/Pt/Auの順で積層しており、各層の膜厚は500/150/50/450[nm]としている。さらにまた、熱処理は電気炉で行い、N2雰囲気下で250〜500℃(昇温30分〜安定10分〜降温30分)とした。
表1において、○はAlの拡散が発生していないこと、×は拡散して混入が確認されたことを示している。この表に示すように、まず実施例1及び比較例1〜2に係る、第一電極構造体とカバー電極との組み合わせにおいては、Pt(比較例1)、Rh(比較例2)を最上層とした構成では共に500℃でACと拡散した。一方、Ru(実施例1)では拡散しないことが確認された。
また実施例2及び比較例3〜4に係る、第一電極構造体と、p側及びn側パッド電極の組み合わせにおいては、比較例3に係るPtは350℃で、比較例4に係るRhは500℃で、それぞれASCと拡散した。一方、実施例2に係るRuは拡散していないことが確認された。このことから、第一電極構造体の最上層をPtからRuに変更することで、Alの拡散防止効果が向上されることが確認された。
(実施例3、比較例5)
次に、第一電極構造体のAl拡散防止効果がPtとRuのいずれか優れているかを確認するため、熱処理してGDS調査を行った。ここでは実施例3として第一電極構造体にAg/Ni/Ti/Ruを使用し、比較例5として第一電極構造体にAg/Ni/Ti/Ptを用いた。各第一電極構造体は成膜後にオーミックアニール処理している。各層の膜厚は100/100/100/100[nm]としている。またカバー電極は、いずれもAC/Ru/Tiの順で積層し、各層の膜厚を2000/100/30[nm]としている。また熱処理には電気炉を用いて、500℃(昇温30分〜安定10分、30分、60分〜降温30分)に加熱した。この結果を表2に示す。
この表に示すように、第一電極構造体で最上層に用いる金属をPtとRuとで比較したところ、実施例3に係るRu構造の方が熱拡散に優位性があることが確認された。また得られた化合物半導体のウェハを熱処理の前後で比較したところ、Agで腐食された部分が黒色に変色しており、特に裏面側に比べ、熱処理した表面側の変色が激しいことが確認された。さらにRuを用いた電極は、変色の度合いが低いことも確認できた。このことから、第一電極構造体の最上層にRuを採用する構造の優位性が確認された。
(実施例4〜5;比較例5〜6)
上述の通り、カバー電極にAlを使用することで光出力が向上されることは確認されている。一方でAlは拡散しやすい材料であるため、Alのカバー電極を採用するためには、Alの拡散を防止するための対策が必要となる。そこで、カバー電極の最上層にAl拡散防止層を設けると共に、その材質を検討するため、実施例4〜5及び比較例5〜6に係る半導体素子を試作し、その特性を評価した。ここでは、Al拡散防止層としてルテニウム(Ru)を採用した実施例4〜5と、タングステン(W)を採用した比較例6〜7に係る半導体素子をそれぞれ試作し、耐熱性試験を行ってカバー電極のAl拡散防止効果を確認した。具体的には、各実施例、比較例についてそれぞれ500℃で熱処理後、ウェハをスクライブした半導体素子の電子顕微鏡写真を撮像し、比較した。
具体的には、第一電極構造体には、いずれもAg/Ni/Ti/Ruを順に積層した電極を用い、各層の膜厚は100/100/100/100[nm]としている。またカバー電極については、それぞれ、比較例5はTi/Au/W/Ti(膜厚2/1700/100/3nm)、比較例6はAC/W/Ti(膜厚2000/70/3nm)、実施例4についてはAC/Ru(膜厚2000/10nm)、実施例5はAC/Ru(膜厚2000/70nm)としている。さらにp側パッド電極は、ASC/Ti/Pt/Au(膜厚500/150/50/450nm)とした。なお、いずれの素子もp側電極にはAl拡散防止層及びp側パッド電極を設け、n側電極はASC/Ti/Pt/Auのn側パッド電極のみとした。この結果を、図6のサファイア基板側から見た顕微鏡写真に示す。
この図に示すように、pn側電極はいずれの条件とも腐食されていることが確認できる。ただ、Al拡散防止層にWよりもRuを使用した方が、p側電極の腐食性が改善されていることが確認できた。このことから、RuからなるAl拡散防止層によって、カバー電極のACとp側パッド電極との拡散が改善されていることが判る。特に膜厚を700Åとすることで(実施例5)、膜厚100Å(実施例4)の例よりも腐食が低減され、高いバリア効果が発揮されていることが確認できた。なお比較例5ではカバー電極にAlを含まないため、Alによる腐食は少ないが、反射率が劣るため光出力が低下する。
(実施例6〜7;比較例8〜13)
次に、目視のみならずGDSによる分析により、カバー電極とp側パッド電極との間でAl拡散防止効果が得られていることを確認するため、実施例6〜7及び比較例8〜13に係る半導体素子を試作し、耐熱性試験を行った。ここでは、熱処理として、電気炉を用い300〜500℃(昇温30分〜安定10分〜降温30分)に変化させた。また第一電極構造体は、比較例8でAg/Ni/Ti/Pt(膜厚100/100/100/100nm)、比較例9及び実施例6〜7ではAg/Ni/Ti/Ru(膜厚100/100/100/100nm)とし、比較例10〜13では第一電極構造体を用いない構成とした。さらにカバー電極は、比較例8でTi/Au/W/Ti(膜厚2/1700/100/3nm)、比較例9ではAC/W/Ti(膜厚2000/70/3nm)、実施例6ではAC/Ru(膜厚2000/10nm)、実施例7ではAC/Ru(膜厚2000/70nm)とした。さらにまたp側及びn側パッド電極は、比較例8〜13及び実施例6〜7のいずれも、ASC/Ti/Pt/Au(膜厚500/150/50/450nm)とした。この結果を表3に示す。この表において、○はAlの拡散が発生していないこと、×は拡散して混入が確認されたことを示している。
表3から、カバー電極とp側パッド電極との間のAl拡散防止層を、WからRuに変更することで、p側及びn側パッド電極との間でバリア効果が改善されたことが確認できた。特に比較例8、10に示すように、カバー電極をTi/Au/W/Tiとすると、比較的低温で拡散が発生し、カバー電極のAuとp側及びn側パッド電極のASCが拡散していることが確認できた。一方で、カバー電極の構造を、p側及びn側パッド電極のASC層と混ざりやすいAuから、同種材料であるAC層とすることで(比較例9、実施例6〜7)、拡散が軽減することも確認された。
(実施例8〜9;比較例14〜15)
最後に、実施例8〜9及び比較例14〜15に係る半導体素子を試作し、カバー電極ごとの耐熱性評価を実施して、順方向電圧Vfが悪化する傾向を確認した。ここでは、いずれの素子も第一電極構造体としてAg/Ni/Ti/Ruを、p側及びn側パッド電極としてASC/Ti/Pt/Auを、それぞれ用いた。またカバー電極として、比較例14はTi/Au/W/Ti、比較例15はAC/W/Ti、実施例8はAC/Ru(膜厚10nm)、実施例9はAC/Ru(膜厚70nm)を、それぞれ使用した。各素子はウェハをスクライブ後、得られた各素子チップを電気炉でN2雰囲気下で昇温30分、安定10分で、温度を変化させて熱処理した。また電圧は、カーブトレーサーで駆動電流300mAでの電圧値を測定した。図7に示すように、RuからなるAl拡散防止層は70nmでVfの熱特性が向上していることが確認できた。
このように、カバー電極のAl拡散防止層をWからRuに変更することで、拡散バリア性が向上し、またVfの熱特性が改善できた。このことから、Alを含む電極構造において、RuからなるAl拡散防止層が最も拡散バリア効果を発揮できる。またp側及びn側パッド電極のASCと同種材料のACをカバー電極構造に使用することで、拡散抑制効果がさらに向上する。
本発明の半導体発光素子は、照明用光源、発光素子を光源としてドットマトリックス状に配置したディスプレイ、バックライト光源、信号機、照明式スイッチ、イメージスキャナ等の各種センサ及び各種インジケータ等に好適に利用できる。
100…半導体発光素子
1…基板
2…n型半導体層
3…活性領域
4…p型半導体層
6p…p側パッド電極
6n…n側パッド電極
7n…n側電極
7p…p側電極
9…保護膜
10…半導体層
20…第一電極構造体
22…Ru層
24…Ag含有層
26…Ag拡散防止層
30…第二電極構造体(カバー電極)
32…第1のAl含有層
34…Al拡散防止層
42…第2のAl含有層

Claims (4)

  1. 半導体層(10)と、
    前記半導体層(10)上に設けられ、第1のAl含有層(32)を有するカバー電極(30)と、
    前記カバー電極(30)の上面に設けられるパッド電極(6p,6n)と、
    を備える半導体発光素子であって、
    前記カバー電極(30)の最上層が、Al拡散防止層(34)であり、
    前記パッド電極(6p,6n)の最下層が、第2のAl含有層(42)であり、
    さらに、前記半導体層(10)とカバー電極(30)との間に、Agを含む電極(20)を備えることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 請求項1に記載の半導体発光素子であって、
    前記Al拡散防止層(34)が、Ruを含むことを特徴とする半導体発光素子。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体発光素子であって、
    前記Al拡散防止層(34)の膜厚が、50nm以上200nm以下であることを特徴とする半導体発光素子。
  4. 請求項1からのいずれか一つに記載の半導体発光素子であって、
    前記第1のAl含有層(32)は、Al及びCuを含み、
    前記第2のAl含有層(42)は、Al及びSi、Cuを含むことを特徴とする半導体発光素子。
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