以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
(実施形態1)
図1及び図2を参照して、本発明の実施形態1に係る画像形成システム100について説明する。図1は、画像形成システム100を示す図である。図2は、画像形成システム100の度合テーブルWTを示す図である。
図1に示すように、画像形成システム100は、ジョブ制御装置1と、複数の画像形成装置10とを備える。ジョブ制御装置1及び複数の画像形成装置10は、ネットワークNWに接続される。従って、ジョブ制御装置1と画像形成装置10とは、ネットワークNWを介して通信することができる。また、画像形成装置10同志は、ネットワークNWを介して通信することができる。ネットワークNWは、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット、及び公衆電話網を含む。
複数の画像形成装置10の各々は、シートに画像を形成するジョブを実行する。以下、本明細書において、「ジョブ」は、シートに画像を形成するジョブを示す。画像形成装置10は、例えば、複合機である。シートは、例えば、紙製である。また、シートは、例えば、略矩形状である。複数の画像形成装置10のうちの画像形成装置10a及び画像形成装置10bの各々は、画像形成部12と、含水量センサー14と、デカーラー16とを含む。複数の画像形成装置10のうちの画像形成装置10c及び画像形成装置10dの各々は、画像形成部12と、含水量センサー14とを含む。
画像形成部12は、シートに画像を形成する。含水量センサー14は、画像形成装置10に収容されているシートの含水量を検出する。シートの含水量は、例えば、シートの単位体積当たりの水分である。含水量センサー14は、例えば、赤外線方式又はマイクロ波方式により、シートの含水量を検出する。デカーラー16は、シートに生じたカールを矯正する。
なお、実施形態1において、複数の画像形成装置10を区別して説明するときは、画像形成装置10a〜画像形成装置10dと記載している。
ジョブ制御装置1は、複数の画像形成装置10のうちのいずれかの画像形成装置10に、ジョブを実行させる。ジョブ制御装置1は、例えば、パーソナルコンピューターである。ジョブ制御装置1は、処理部3(コンピューター)と、記憶部5とを含む。
処理部3は、記憶部5に記憶されたコンピュータープログラムを実行して、画像形成装置10にジョブを実行させる。処理部3は、例えば、プロセッサーである。
処理部3は、シートにカールを生じさせないことを優先する設定がなされている場合、画像形成装置10が収容しているシートの性状に基づいて、複数の画像形成装置10から、ジョブを実行させる画像形成装置10を選択する。そして、処理部3は、選択した画像形成装置10にジョブを実行させる。
シートの性状は、シートにカールを発生させる要因になる性状を示す。実施形態1では、シートの性状は、シートの含水量を示す。シートの性状とは、シートの性質及び/又は状態のことである。
記憶部5は、コンピュータープログラム及びデータを記憶するとともに、処理部3の作業領域として機能する。記憶部5は、例えば、主記憶装置及び補助記憶装置を含む。また、記憶部5は、例えば、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。
図2に示すように、記憶部5は、度合テーブルWTを記憶する。度合テーブルWTは、シートの含水量とシートの厚みとシートにカールが生じる可能性の度合とを関連付けたテーブルである。シートにカールが生じる可能性の度合とは、例えば、所定量を超えるカールがシートに生じる確率を示す指標のことである。以下、本明細書では、「度合」は、シートにカールが生じる可能性の度合を示す。度合テーブルWTでは、シートの厚みが薄い程、シートの含水量が多い程、度合が大きく、シートにカールが生じる可能性が高くなることを示している。
具体的には、度合テーブルWTでは、シートの含水量が、5段階(つまり、含水レベル「1」〜含水レベル「5」)で示される。「含水レベル」が大きい程、含水量が多いことを示す。また、シートの厚みが、5段階(つまり、厚みレベル「1」〜厚みレベル「5」)で示される。「厚みレベル」が大きい程、厚みが薄いことを示す。
そして、度合テーブルWTでは、シートにカールが生じる可能性の度合が、9段階(つまり、度合「2」〜度合「10」)で示される。「度合」が大きい程、シートにカールが生じる可能性が高いことを示す。度合テーブルWTでは、1つの含水レベルと1つの厚みレベルとに対応して、1つの度合が定められている。例えば、含水レベル「2」と厚みレベル「2」とに対応して、度合「4」が定められている。
ジョブ制御装置1は、度合テーブルWTを参照して、画像形成装置10に収容されているシートにカールが生じる可能性の度合を決定する。そして、ジョブ制御装置1は、決定した度合に基づいて、ジョブを実行させる画像形成装置10を選択する。
図1〜図3を参照して、ジョブ制御装置1の詳細について説明する。図1に示す処理部3は、画像形成装置10にジョブを実行させるときに、シートの属性を指定している場合と指定していない場合とがある。シートの属性は、実施形態1では、シートのサイズ情報(例えば、A4又はA3)及びシートの厚み情報(例えば、普通紙又は厚紙)を含む。
まず、処理部3がシートの属性を指定している場合について説明する。図1に示すように、処理部3は、ネットワークNWを介して、ジョブを実行させる候補の画像形成装置10の各々から、含水量センサー14が検出したシートの含水量を示す情報を取得する。候補の画像形成装置10は、複数の画像形成装置10のうち、指定した属性を有するシートを収容する画像形成装置10である。候補の画像形成装置10は、単数の場合もあるし、複数の場合もある。
そして、処理部3は、候補の画像形成装置に収容されているシートの含水量に基づいて、シートにカールが生じる可能性の度合を決定する。さらに、処理部3は、度合が閾値以上か否かを判定する。つまり、シートにカールが生じる可能性が高いか否かを判定する。
そして、処理部3は、候補の画像形成装置10から、閾値よりも小さい度合のシートを収容する画像形成装置10を選択する。従って、シートにカールが生じる可能性が低くなる。一方、処理部3は、度合が閾値以上のときに、候補の画像形成装置10から、デカーラー16を有する画像形成装置10を選択する。従って、シートにカールが生じる可能性が高い場合であっても、デカーラー16でカールを矯正することができる。
そして、処理部3は、選択した画像形成装置10にジョブを実行させる。
具体例を挙げて、処理部3がシートの属性を指定している場合について説明する。図1に示すように、画像形成装置10a〜画像形成装置10dは、処理部3が指定した属性を有するシートを収容している。従って、画像形成装置10a〜画像形成装置10dは、候補の画像形成装置10に相当する。
処理部3は、画像形成装置10a〜画像形成装置10dの各々から、シートの含水量の情報を取得する。そして、処理部3は、変換テーブル又は変換式によって、シートの含水量の情報を含水レベルに変換する。例えば、画像形成装置10aに収容されたシートの含水レベルは「3」であり、画像形成装置10bに収容されたシートの含水レベルは「2」であり、画像形成装置10cに収容されたシートの含水レベルは「1」であり、画像形成装置10dに収容されたシートの含水レベルは「5」である。
また、処理部3は、変換テーブル又は変換式によって、指定した属性に含まれるシートの厚み情報を厚みレベルに変換する。例えば、厚みレベルは「3」である。
そして、図2に示すように、処理部3は、度合テーブルWTを参照して、含水レベルと厚みレベルとに基づいて、シートにカールが生じる可能性の度合を決定する。
すなわち、画像形成装置10aについては、含水レベルが「3」であり、厚みレベルが「3」であるため、処理部3は、度合テーブルWTを参照して、度合を「6」に決定する。度合と比較する閾値は、例えば、「6」である。処理部3は、度合「6」が閾値「6」以上であるため、カールの生じる可能性が高いと判定する。しかし、画像形成装置10aがデカーラー16を含むため、処理部3は、画像形成装置10aが「画像形成可能状態」であることを記憶部5に登録する。
画像形成装置10bについては、含水レベルが「2」であり、厚みレベルが「3」であるため、処理部3は、度合テーブルWTを参照して、度合を「5」に決定する。処理部3は、度合「5」が閾値「6」より小さいため、カールの生じる可能性が低いと判定する。そして、処理部3は、画像形成装置10bが「画像形成可能状態」であることを記憶部5に登録する。
画像形成装置10cについては、含水レベルが「1」であり、厚みレベルが「3」であるため、処理部3は、度合テーブルWTを参照して、度合を「4」に決定する。処理部3は、度合「4」が閾値「6」より小さいため、カールの生じる可能性が低いと判定する。そして、処理部3は、画像形成装置10cが「画像形成可能状態」であることを記憶部5に登録する。
画像形成装置10dについては、含水レベルが「5」であり、厚みレベルが「3」であるため、処理部3は、度合テーブルWTを参照して、度合を「8」に決定する。処理部3は、度合「8」が閾値「6」以上であるため、カールの生じる可能性が高いと判定する。そして、画像形成装置10dがデカーラー16を含まないため、処理部3は、画像形成装置10dが「画像形成不可状態」であることを記憶部5に登録する。
そして、処理部3は、「画像形成可能状態」である画像形成装置10a〜画像形成装置10cのうちのいずれかの画像形成装置10にジョブを実行させる。
次に、図2及び図3を参照して、処理部3がシートの属性を指定していない場合について説明する。
図3は、画像形成システム100を示す図である。図3に示すように、画像形成システム100は、複数の画像形成装置10をさらに備える。複数の画像形成装置10は、例えば、1部屋に配置された複数の画像形成装置10、1フロアに配置された複数の画像形成装置10、又は1ビルディングに配置された複数の画像形成装置10である。
画像形成装置10の各々は、画像形成装置10の上段に配置される一組の含水量センサー14及びシート収容部18と、画像形成装置10の中段に配置される一組の含水量センサー14及びシート収容部18と、画像形成装置10の下段に配置される一組の含水量センサー14及びシート収容部18とを含む。含水量センサー14は、対応するシート収容部18に収容されたシートの含水量を検出する。シート収容部18は、複数のシートを収容する。なお、1台の画像形成装置10に設けられるシート収容部18の数は、単数でもよいし、3以外の複数でもよい。含水量センサー14についても同様である。
ジョブ制御装置1の処理部3は、ネットワークNWを介して、画像形成装置10の各々から、含水量センサー14の各々が検出したシートの含水量を示す情報を取得する。そして、図2に示すように、処理部3は、複数の画像形成装置10のシート収容部18ごとに、度合テーブルWTを参照して、シート収容部18に収容されているシートの含水量と厚みとに基づいて、シートにカールが生じる可能性の度合を決定する。さらに、処理部3は、シート収容部18ごとに決定された度合に基づいて、複数の画像形成装置10の複数のシート収容部18から、シート収容部18を選択する。そして、処理部3は、複数の画像形成装置10のうち、選択したシート収容部18を含む画像形成装置10に、選択したシート収容部18を指定してジョブを実行させる。
具体例を挙げて、処理部3がシートの属性を指定していない場合について説明する。図3に示すように、処理部3は、画像形成装置10e〜画像形成装置10gの各々から、シート収容部18ごとのシートの含水量の情報を取得する。そして、処理部3は、変換テーブル又は変換式によって、シートの含水量の情報を含水レベルに変換する。
また、処理部3は、変換テーブル又は変換式によって、画像形成装置10e〜画像形成装置10gのシート収容部18ごとに、シート収容部18に収容されたシートの厚み情報を厚みレベルに変換する。
そして、図2に示すように、処理部3は、度合テーブルWTを参照して、含水レベルと厚みレベルとに基づいて、画像形成装置10e〜画像形成装置10gのシート収容部18ごとに、シートにカールが生じる可能性の度合を決定する。例えば、図3に示すように、画像形成装置10eについては、度合「3」と度合「5」と度合「7」とが決定される。例えば、画像形成装置10fについては、度合「6」と度合「7」と度合「10」とが決定される。例えば、画像形成装置10gについては、度合「5」と度合「7」と度合「8」とが決定される。
そして、処理部3は、決定された複数の度合のうち最も小さい度合のシートを収容するシート収容部18を選択する。図3では、度合「3」が最も小さいため、画像形成装置10eの上段のシート収容部18が選択される。そして、処理部3は、選択したシート収容部18を含む画像形成装置10eに、選択したシート収容部18を指定してジョブを実行させる。
なお、複数の画像形成装置10を区別して説明するときは、画像形成装置10e〜画像形成装置10gと記載している。また、シートの属性が指定されている場合に、処理部3は、度合が閾値(例えば、「6」)よりも小さいシートを収容する複数のシート収容部18のうち、任意のシート収容部18を選択することもできる。なお、度合が閾値よりも小さい場合、シートにカールが生じる可能性が低いことを示す。一方、度合が閾値以上の場合、シートにカールが生じる可能性が高いことを示す。
以上、図1を参照して説明したように、実施形態1によれば、処理部3は、シートの性状に基づいて、ジョブを実行させる画像形成装置10を選択する。シートの性状を考慮して、適切な画像形成装置10を選択することによって、シートの性状に依存してシートにカールが生じることを抑制できる。
また、実施形態1によれば、処理部3は、シートの含水量に基づいて、ジョブを実行させる画像形成装置10を選択する。シートの含水量は、シートにカールを生じさせる要因になる。従って、シートの含水量を考慮して、適切な画像形成装置10を選択することによって、シートの含水量に依存してシートにカールが生じることを抑制できる。
さらに、実施形態1によれば、ユーザーが、シートにカールを生じさせないことを優先する設定を、ジョブ制御装置1に対して実行することによって、シートにカールが生じることを抑制できる。
さらに、実施形態1によれば、シートに属性が指定されている場合、度合が閾値以上であるときは、デカーラー16を有する画像形成装置10が選択される。従って、カールが生じる可能性が高く、カールが生じた場合であっても、デカーラー16によりカールを矯正できる。
また、図2及び図3を参照して説明したように、実施形態1によれば、シートに属性が指定されていない場合、処理部3は、複数の画像形成装置10のシート収容部18ごとに、シートにカールが生じる可能性の度合を決定する。従って、処理部3は、複数の画像形成装置10の複数のシート収容部18から、最もカールが生じる可能性の低いシート収容部18を選択できる。その結果、シートにカールが生じることを更に抑制できる。
次に、図1〜図5を参照して、ジョブ制御装置1が実行するジョブ制御方法について説明する。ジョブ制御方法は、複数の画像形成装置10のうちのいずれかの画像形成装置10に、シートに画像を形成するジョブを実行させる。ジョブ制御方法は、画像形成装置10が収容しているシートの性状を示す情報を取得するステップと、シートの性状に基づいて、ジョブを実行させる画像形成装置10を選択するステップとを含む。
図4及び図5は、ジョブ制御装置1が実行するジョブ制御方法を示すフローチャートである。図4に示すように、ジョブ制御方法は、ステップS1〜ステップS19を含む。
図1及び図4に示すように、ステップS1において、処理部3は、シートの属性を指定しているか否かを判定する。
処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS1でYes)、処理をステップS3に進める。
ステップS3において、処理部3は、候補の画像形成装置10からシートの含水量の情報を取得する。
ステップS5において、処理部3は、度合テーブルWTを参照して、シートの含水量と厚みとに基づいて、シートにカールが生じる可能性の度合を決定する。
ステップS7において、処理部3は、度合が閾値以上か否かを判定する。
処理部3は、否定的判定の場合(ステップS7でNo)、処理をステップS11に進める。
一方、処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS7でYes)、処理をステップS9に進める。
ステップS9において、処理部3は、候補の画像形成装置10がデカーラー16を有するか否かを判定する。
処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS9でYes)、処理をステップS11に進める。
ステップS11において、処理部3は、候補の画像形成装置10が「画像形成可能状態」であることを記憶部5に登録する。
一方、処理部3は、否定的判定の場合(ステップS9でNo)、処理をステップS13に進める。
ステップS13において、処理部3は、候補の画像形成装置10が「画像形成不可状態」であることを記憶部5に登録する。
ステップS15において、処理部3は、候補の画像形成装置10の全てについて、ステップS3〜ステップS11の処理を完了したか否かを判定する。
処理部3は、否定的判定の場合(ステップS15でNo)、処理をステップS3に進める。
一方、処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS15でYes)、処理をステップS17に進める。
ステップS17において、処理部3は、「画像形成可能状態」の画像形成装置10から1台の画像形成装置10を選択する。
ステップS19において、処理部3は、ステップS17で選択した画像形成装置10にジョブを実行させる。
一方、処理部3は、否定的判定の場合(ステップS1でNo)、処理を図5のステップS31に進める。
図5に示すように、ジョブ制御方法は、ステップS31〜ステップS39をさらに含む。
図3及び図5に示すように、ステップS31において、処理部3は、画像形成装置10から、シート収容部18ごとに、シートの含水量の情報を取得する。
ステップS33において、処理部3は、シート収容部18ごとに、度合テーブルWTを参照して、シートの含水量と厚みとに基づいて、シートにカールが生じる可能性の度合を決定する。
ステップS35において、処理部3は、複数の画像形成装置10の全てについて、ステップS31及びステップS33の処理が完了したか否かを判定する。
処理部3は、否定的判定の場合(ステップS35でNo)、処理をステップS31に進める。
一方、処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS35でYes)、処理をステップS37に進める。
ステップS37において、処理部3は、度合の最も小さいシートを収容するシート収容部18を選択する。
ステップS39において、処理部3は、ステップS37で選択したシート収容部18を指定して、画像形成装置10にジョブを実行させる。
以上、図4及び図5を参照して説明したように、実施形態1に係るジョブ制御方法によれば、シートの含水量に基づいて、ジョブを実行させる画像形成装置10を選択する。その結果、シートにカールが生じることを抑制できる。
次に、図6を参照して、画像形成装置10の詳細について説明する。図6は、画像形成装置10を示す図である。図6に示すように、画像形成装置10は、給送部20と、搬送部25と、画像形成部12と、定着部40と、デカーラー16と、排出部65と、原稿搬送部70と、画像読取部75と、操作部80と、含水量センサー14と、シートセンサー85を備える。また、画像形成装置10はシート搬送路87を有する。シートPは、シート搬送路87を搬送される。
給送部20は、シートPを収容するシート収容部18と、手差しトレイ22とを含む。給送部20は、シート収容部18又は手差しトレイ22から搬送部25へシートPを給送する。搬送部25は、画像形成部12にシートPを搬送する。搬送部25は、レジストローラー対26を含む。レジストローラー対26は、画像形成部12の画像形成工程にタイミングを合わせて、シートPを画像形成部12へ送り出す。
画像形成部12は、感光体ドラム31と、帯電部32と、露光部33と、現像部34と、転写部35と、クリーニング部36と、除電部37とを含む。感光体ドラム31、帯電部32、露光部33、現像部34、及び転写部35によって、シートPに画像が形成される。クリーニング部36は、感光体ドラム31の表面に残留しているトナーを除去する。除電部37は、感光体ドラム31の表面の残留電荷を除去する。搬送部25は、画像の形成されたシートPを定着部40に搬送する。
定着部40は、画像の形成されたシートPを加熱及び加圧して、画像をシートPに定着させる。搬送部25は、画像の定着されたシートPをデカーラー16に搬送する。
デカーラー16は、定着部40よりも、シート搬送方向の下流に配置される。そして、デカーラー16は、画像の定着されたシートPに生じたカールを矯正する。搬送部25は、カールの矯正されたシートPを排出部65に搬送する。
排出部65は画像形成装置10の外部にシートPを排出する。原稿搬送部70は、原稿を画像読取部75に向けて搬送する。画像読取部75は、原稿の画像を読み取って画像データを生成する。操作部80は、ユーザーの各種操作を受け付ける。
含水量センサー14は、シート収容部18の近傍に配置される。含水量センサー14は、例えば、シート収容部18の上方に配置される。
シートセンサー85は、シートPを構成する繊維の向きを検出する。シートセンサー85を、メディアセンサー85と記載する場合がある。シートセンサー85は、例えば、光学的に、シートPを構成する繊維の向きを検出する。シートセンサー85は、シート搬送路87に配置される。シートセンサー85は、例えば、レジストローラー対26よりも、シート搬送方向の上流において、レジストローラー対26に近接して配置される。
なお、画像形成装置10a〜画像形成装置10gは、図10に示す画像形成装置10と同様の構成を有する。ただし、画像形成装置10c〜画像形成装置10gは、デカーラー16を有しない。なお、画像形成装置10e〜画像形成装置10gは、デカーラー16を有していてもよい。
(実施形態2)
図1、図2、図7、及び図8を参照して、本発明の実施形態2に係る画像形成システム100について説明する。図1に示すように、処理部3がシートの属性を指定している場合の処理については、実施形態2は実施形態1と同様である。また、図2に示すように、度合テーブルWTを参照する点では、実施形態2は実施形態1と同様である。ただし、実施形態2では、デカーラー16の有無に基づいて度合を修正する点で、実施形態1と異なる。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
図7は、実施形態2に係る画像形成システム100を示す図である。実施形態2に係る画像形成システム100は、ジョブ制御装置1と、複数の画像形成装置10とを備える。
処理部3が画像を形成するシートの属性を指定していない場合、実施形態1と同様にして、処理部3は、複数の画像形成装置10のシート収容部18ごとに、度合テーブルWTを参照して、シートの含水量と厚みとに基づいて、シートにカールが生じる可能性の度合を決定する。
さらに、処理部3は、画像形成装置10がデカーラー16を有するか否かを判定する。そして、処理部3は、デカーラー16の有無に基づいて、度合を修正する。処理部3は、決定及び修正した度合に基づいて、複数の画像形成装置10の複数のシート収容部18から、シート収容部を選択する。そして、処理部3は、複数の画像形成装置10のうち、選択したシート収容部18を含む画像形成装置10に、選択したシート収容部18を指定してジョブを実行させる。
具体例を挙げて、処理部3がシートの属性を指定していない場合について説明する。図7に示すように、画像形成装置10gはデカーラー16を含む。画像形成装置10e及び画像形成装置10fの各々はデカーラー16を含まない。
処理部3は、実施形態1と同様にして、度合テーブルWTを参照して、含水レベルと厚みレベルとに基づいて、画像形成装置10e〜画像形成装置10gのシート収容部18ごとに、シートにカールが生じる可能性の度合を決定する。例えば、図7に示すように、図3と同様に、画像形成装置10eについては、度合「3」と度合「5」と度合「7」とが決定される。例えば、画像形成装置10fについては、度合「6」と度合「7」と度合「10」とが決定される。例えば、画像形成装置10gについては、度合「5」と度合「7」と度合「8」とが決定される。
画像形成装置10gはデカーラー16を有している。そこで、処理部3は、画像形成装置10gのシート収容部18ごとに、決定した度合から、所定値を減算する。その結果、度合が小さくなるように修正される。処理部3は、例えば、画像形成装置10gの上段のシート収容部18に関し、度合「5」から所定値「3」を減算し、度合「5」を度合「2」に修正する。処理部3は、同様にして、中段のシート収容部18に関し、度合「7」から所定値「3」を減算し、度合「7」を度合「4」に修正し、下段のシート収容部18に関し、度合「8」から所定値「3」を減算し、度合「8」を度合「5」に修正する。なお、所定値は、例えば、実験的及び/又は経験的に定められる。
そして、処理部3は、決定及び修正した複数の度合のうち最も小さい度合のシートを収容するシート収容部18を選択する。図7では、度合「2」が最も小さいため、処理部3は、画像形成装置10gの上段のシート収容部18を選択する。そして、処理部3は、画像形成装置10gに、選択したシート収容部18を指定してジョブを実行させる。
以上、図7を参照して説明したように、実施形態2によれば、画像形成装置10がデカーラー16を有する場合は、実施形態1と比較して、度合を更に小さくできる。その結果、シートにカールが生じることを更に抑制できる。その他、実施形態2では、実施形態1と同様の効果を有する。
また、実施形態2によれば、処理部3は、度合が閾値(例えば、「6」)よりも小さいシートを収容する複数のシート収容部18のうち、任意のシート収容部18を選択することもできる。そして、画像形成装置10がデカーラー16を有する場合は、閾値以上の度合であっても、閾値より小さい度合に修正されることがある。従って、カールが生じる可能性の低い画像形成装置10の数が多くなる。その結果、ジョブを実行させる画像形成装置10の選択肢を増やすことができる。なお、度合が閾値よりも小さい場合、シートにカールが生じる可能性が低いことを示す。一方、度合が閾値以上の場合、シートにカールが生じる可能性が高いことを示す。例えば、図3と図7とを比較すると、閾値を「6」としたときに、図7では、カールが生じる可能性の低い画像形成装置10が2台増えている。
図4、図7、及び図8を参照して、ジョブ制御装置1が実行するジョブ制御方法について説明する。図4に示すように、実施形態2に係るジョブ制御方法は、ステップS1〜ステップS19を含む。また、実施形態2に係るジョブ制御方法は、図5に示すステップS31〜ステップS39に代えて、図8に示すステップS51〜ステップS61を含む。図8は、ジョブ制御装置1が実行するジョブ制御方法を示すフローチャートである。
図7及び図8に示すように、ステップS51において、処理部3は、画像形成装置10から、シート収容部18ごとに、シートの含水量の情報を取得する。
ステップS53において、処理部3は、シート収容部18ごとに、度合テーブルWTを参照して、シートの含水量と厚みとに基づいて、シートにカールが生じる可能性の度合を決定する。
ステップS55において、処理部3は、デカーラー16の有無に基づいて、ステップS53で決定した度合を修正する。
ステップS57において、複数の画像形成装置10の全てについて、ステップS51〜ステップS55の処理が完了したか否かを判定する。
処理部3は、否定的判定の場合(ステップS57でNo)、処理をステップS51に進める。
一方、処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS57でYes)、処理をステップS59に進める。
ステップS59において、処理部3は、度合の最も小さいシートを収容するシート収容部18を選択する。
ステップS61において、処理部3は、ステップS59で選択したシート収容部18を指定して、画像形成装置10にジョブを実行させる。
以上、図8を参照して説明したように、実施形態2に係るジョブ制御方法によれば、デカーラー16の有無に基づいて度合を修正する。従って、シートにカールが生じることを抑制できる。また、ジョブを実行させる画像形成装置10の選択肢を増やすことができる。
(実施形態3)
図9〜図18を参照して、本発明の実施形態3に係る画像形成システム100について説明する。実施形態3では、主に、シートを構成する繊維の向きに基づいて画像形成装置10を制御する点で、シートの含水量に基づいて画像形成装置10を選択する実施形態1と異なる。以下、実施形態3が実施形態1と異なる点を主に説明する。
図9は、実施形態3に係る画像形成システム100を示す図である。図9に示すように、画像形成システム100は、複数の画像形成装置10のうちの一部又は全部を備える。
複数の画像形成装置10のうちの画像形成装置10hは、画像形成部12と、デカーラー16と、シートセンサー85と、複数のシート収容部18とを含む。シート収容部18は、平面視において、略矩形状である。画像形成装置10hの構成は、図6に示す画像形成装置10の構成と同様である。
複数のシート収容部18のうちのシート収容部18aは、シートの長辺がシート搬送方向に略平行になるようにシートを収容する。つまり、シート収容部18aの長辺は、シート搬送方向に略平行である。従って、シート収容部18aは、シートの縦送りを実行する。シートの縦送りとは、シートの長辺がシート搬送方向に略平行になるようにシートを送り出すことである。シートの縦送りは、シートの送り種別の一例である。
複数のシート収容部18のうちのシート収容部18bは、シートの短辺がシート搬送方向に略平行になるようにシートを収容する。つまり、シート収容部18bの短辺は、シート搬送方向に略平行である。従って、シート収容部18bは、シートの横送りを実行する。シートの横送りとは、シートの短辺がシート搬送方向に略平行になるようにシートを送り出すことである。シートの横送りは、シートの送り種別の一例である。
複数の画像形成装置10のうちの画像形成装置10iは、画像形成部12と、シートセンサー85と、複数のシート収容部18とを含む。画像形成装置10iの構成は、デカーラー16を有しない点を除き、図6に示す画像形成装置10の構成と同様である。
複数の画像形成装置10のうちの画像形成装置10jは、画像形成部12と、デカーラー16と、シートセンサー85と、シート収容部18とを含む。画像形成装置10jの構成は、単数のシート収容部18を有する点を除き、図6に示す画像形成装置10の構成と同様である。シート収容部18は、シートの縦送り及び横送りのいずれかを実行する。
複数の画像形成装置10のうちの画像形成装置10kは、画像形成部12と、デカーラー16と、複数のシート収容部18とを含む。画像形成装置10kの構成は、シートセンサー85を有しない点を除き、図6に示す画像形成装置10の構成と同様である。
複数の画像形成装置10のうちの画像形成装置10mは、画像形成部12と、デカーラー16と、シート収容部18とを含む。画像形成装置10mの構成は、単数のシート収容部18を有する点とシートセンサー85を有しない点とを除き、図6に示す画像形成装置10の構成と同様である。
複数の画像形成装置10のうちの画像形成装置10nは、画像形成部12と、複数のシート収容部18とを含む。画像形成装置10nの構成は、デカーラー16を有しない点とシートセンサー85を有しない点とを除き、図6に示す画像形成装置10の構成と同様である。
複数の画像形成装置10のうちの画像形成装置10pは、画像形成部12と、シートセンサー85と、シート収容部18とを含む。画像形成装置10pの構成は、デカーラー16を有しない点と単数のシート収容部18を有する点とを除き、図6に示す画像形成装置10の構成と同様である。
複数の画像形成装置10のうちの画像形成装置10qは、画像形成部12と、シート収容部18とを含む。画像形成装置10qの構成は、デカーラー16を有しない点とシートセンサー85を有しない点と単数のシート収容部18を有する点とを除き、図6に示す画像形成装置10の構成と同様である。
なお、実施形態3において、複数の画像形成装置10を区別して説明するときは、画像形成装置10h〜画像形成装置10qと記載している。
画像形成システム100は、ジョブ制御装置1をさらに備える。ジョブ制御装置1の処理部3は、シートにカールを生じさせないことを優先する設定がなされている場合、画像形成装置10が収容しているシートの性状に基づいて、ジョブを実行させる画像形成装置10を制御する。そして、処理部3は、制御した画像形成装置10にジョブを実行させる。
実施形態3では、シートの性状は、シートを構成する繊維の向きを示す。シートを構成する繊維の向きは、抄紙の流れ方向に略平行な方向である。繊維の向きがシートの長辺に略平行な場合、繊維の向きは縦目を示す。一方、繊維の向きがシートの短辺に略平行な場合、繊維の向きは横目を示す。シートを構成する繊維の向きは、シートセンサー85によって検出される。以下、シートを構成する繊維の向きを、シートの繊維方向と記載する場合がある。
実施形態3によれば、処理部3は、シートの性状に基づいて、ジョブを実行させる画像形成装置10を選択する。従って、実施形態1と同様に、シートの性状に依存してシートにカールが生じることを抑制できる。
また、実施形態3によれば、処理部3は、シートの繊維方向に基づいて、ジョブを実行させる画像形成装置10を制御する。シートの繊維方向は、シートにカールを生じさせる要因になる。従って、シートの繊維方向を考慮して、画像形成装置10を適切に制御することによって、シートの繊維方向に依存してシートにカールが生じることを抑制できる。
さらに、シートの繊維方向がシート搬送方向に略平行であるときは、シートの繊維方向がシート搬送方向に略直交する場合と比較して、シートにカールが生じる可能性が低い。つまり、シートにカールが生じ難い。従って、処理部3は、シートの繊維方向がシート搬送方向に略平行になるように、画像形成装置10を制御することにより、シートにカールが生じることを抑制できる。その結果、デカーラー16を動作させる回数を少なくでき、消費電力を抑制できる。つまり、カールの抑制と消費電力の抑制とを両立させることができる。また、デカーラー16の寿命を延ばすことができる。さらに、デカーラー16による矯正処理を削減できるので、単位時間当たりに画像を形成できるシートの枚数を増加できる。
さらに、実施形態3によれば、ユーザーが、シートにカールを生じさせないことを優先する設定を、ジョブ制御装置1に対して実行することによって、シートにカールが生じることを抑制できる。
具体的には、処理部3は、複数の画像形成装置10のうちジョブを実行中の画像形成装置10がシートセンサーを有するか否かを判定する。そして、処理部3は、シートセンサー85を有する画像形成装置10から、シートの繊維方向を示す情報を取得する。さらに、処理部3は、シートの繊維方向に基づいて、ジョブを実行させる画像形成装置10を制御する。
また、処理部3は、シート収容部18aとシート収容部18bとのうち、シートの繊維方向がシート搬送方向に平行になるようにシートを収容したシート収容部18を指定する。そして、処理部3は、指定したシート収容部18に収容されたシートに対してジョブを実行するように、画像形成装置10を制御する。
さらに、処理部3は、画像形成装置10に、デカーラー16をオンにして、1枚目のシートに対するジョブを実行させる。そして、処理部3は、1枚目のシートの繊維方向がシート搬送方向と平行であるときに、画像形成装置10に、デカーラー16をオフにして、2枚目以降のシートに対するジョブを実行させる。
次に、図9〜図18を参照して、ジョブ制御装置1の詳細について説明する。図9及び図10に示すように、処理部3は、複数の画像形成装置10の中に、ジョブを実行中の画像形成装置10が存在するときは、第1優先順位テーブルT1を参照して、画像形成装置10を選択及び制御する。
図9は、第1優先順位テーブルT1を示す図である。第1優先順位テーブルT1は、シートの縦送りと横送りとの双方が可能か否か(つまり、シート収容部18aとシート収容部18bとの双方を有しているか否か)と、デカーラー16の有無と、シートセンサー85の有無とに対応して、画像形成装置10の優先順位を定めている。優先順位を示す数字が小さい程、優先順位が高いことを示す。
処理部3は、第1優先順位テーブルT1を参照して、図11〜図13に示すジョブ制御方法を実行する。記憶部5は、第1優先順位テーブルT1を記憶している。
図11〜図13は、処理部3が実行するジョブ制御方法を示すフローチャートである。図11に示すように、ジョブ制御方法は、ステップS71〜ステップS83を含む。
ステップS71において、処理部3は、ネットワークNWに接続された複数の画像形成装置10のうち、ジョブを実行中の画像形成装置10が存在するか否かを判定する。ジョブを実行中の画像形成装置10は、複数の場合もあるし、単数の場合もある。この場合の実行中のジョブは、処理部3が実行させる予定のジョブと異なる。
処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS71でYes)、処理をステップS73に進める。
ステップS73において、処理部3は、ジョブを実行中の画像形成装置10の中に、処理部3が指定した属性を有するシートを収容した画像形成装置10が存在するか否かを判定する。実施形態3では、処理部3は、ジョブを実行中の画像形成装置10の中から、処理部3が指定したサイズを有するシートを収容した画像形成装置が存在するか否かを判定する。
処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS73でYes)、処理をステップS75に進める。ステップS75〜ステップS83の対象となる画像形成装置10は、ジョブを実行中であるとともに、指定された属性を有するシートを収容している。
ステップS75において、処理部3は、第1優先順位テーブルT1を参照して、画像形成装置10の中に、優先順位「1」又は「2」に該当する画像形成装置10が存在するか否かを判定する。
処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS75でYes)、処理をステップS77に進める。
ステップS77において、処理部3は、優先順位「1」又は「2」の画像形成装置10から、シートセンサー85により検出されたシートの繊維方向を示す情報を取得する。優先順位「1」の画像形成装置10は、例えば、画像形成装置10hである。優先順位「2」の画像形成装置10は、例えば、画像形成装置10iである。
ステップS79において、処理部3は、シートの繊維方向がシート搬送方向と略平行か否かを判定する。
処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS79でYes)、処理をステップS81に進める。
ステップS81において、処理部3は、優先順位「1」又は「2」の画像形成装置10が使用しているシート収容部18を指定する。そして、処理部3は、指定したシート収容部18に収容されたシートに対してジョブを実行するように、画像形成装置10にジョブを登録する。その結果、画像形成装置10は、実行中のジョブの終了後に、登録されたジョブを実行する。この場合、シート収容部18において、シートの繊維方向がシート搬送方向と略平行であるため、シートにカールが生じ難い。
一方、処理部3は、否定的判定の場合(ステップS79でNo)、つまり、繊維方向がシート搬送方向と略直交する場合、処理をステップS83に進める。
ステップS83において、処理部3は、優先順位「1」又は「2」の画像形成装置10が使用中のシート収容部18とは送り種別の異なるシート収容部18を指定する。例えば、使用中のシート収容部18が縦送りを実行している場合は、横送りを実行するシート収容部18を指定し、使用中のシート収容部18が横送りを実行している場合は、縦送りを実行するシート収容部18を指定する。その結果、カールが生じ難いシート収容部18が指定される。例えば、処理部3は、使用中のシート収容部18が、シート収容部18aである場合、シート収容部18bを指定する。そして、処理部3は、指定したシート収容部18に収容されたシートに対してジョブを実行するように、画像形成装置10にジョブを登録する。その結果、画像形成装置10は、実行中のジョブの終了後に、登録されたジョブを実行する。
一方、処理部3は、否定的判定の場合(ステップS75でNo)、処理を図12のステップS91に進める。
図12に示すように、ジョブ制御方法は、ステップS91〜ステップS103をさらに含む。ステップS91〜ステップS103の対象となる画像形成装置10は、ジョブを実行中であるとともに、指定された属性を有するシートを収容している。
ステップS91において、処理部3は、第1優先順位テーブルT1を参照して、画像形成装置10の中に、優先順位「3」に該当する画像形成装置10が存在するか否かを判定する。
処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS91でYes)、処理をステップS93に進める。
ステップS93において、処理部3は、優先順位「3」の画像形成装置10から、シートセンサー85が検出したシートの繊維方向を示す情報を取得する。優先順位「3」の画像形成装置10は、例えば、画像形成装置10jである。
ステップS95において、処理部3は、シートの繊維方向がシート搬送方向と略平行か否かを判定する。
処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS95でYes)、処理をステップS97に進める。
ステップS97において、処理部3は、優先順位「3」の画像形成装置10が使用中のシート収容部18を指定する。そして、処理部3は、デカーラー16をオフにして、指定したシート収容部18に収容されたシートに対してジョブを実行するように、画像形成装置10にジョブを登録する。その結果、画像形成装置10は、実行中のジョブの終了後に、登録されたジョブを実行する。
一方、処理部3は、否定的判定の場合(ステップS95でNo)、処理をステップS99に進める。
ステップS99において、処理部3は、他の画像形成装置10の中に、最適な画像形成装置10が存在するか否かを判定する。
処理部3は、否定的判定の場合(ステップS99でNo)、処理をステップS101に進める。
ステップS101において、処理部3は、優先順位「3」の画像形成装置10が使用中のシート収容部18を指定する。そして、処理部3は、デカーラー16をオンにして、指定したシート収容部18に収容されたシートに対してジョブを実行するように、画像形成装置10にジョブを登録する。その結果、画像形成装置10は、実行中のジョブの終了後に、登録されたジョブを実行する。
一方、処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS99でYes)、処理をステップS103に進める。
ステップS103において、処理部3は、最適な画像形成装置10にジョブを実行させる。
一方、処理部3は、否定的判定の場合(ステップS91でNo)、処理を図13のステップS111に進める。
図13に示すように、ジョブ制御方法は、ステップS111〜ステップS117をさらに含む。ステップS111〜ステップS117の対象となる画像形成装置10は、ジョブを実行中であるとともに、指定された属性を有するシートを収容している。
ステップS111において、処理部3は、第1優先順位テーブルT1を参照して、画像形成装置10の中に、優先順位「4」に該当する画像形成装置10が存在するか否かを判定する。
処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS111でYes)、処理をステップS113に進める。
ステップS113において、処理部3は、優先順位「4」の画像形成装置10から、シートセンサー85が検出したシートの繊維方向を示す情報を取得する。優先順位「4」に該当する画像形成装置10は、例えば、画像形成装置10pである。
ステップS115において、処理部3は、シートの繊維方向がシート搬送方向と略平行か否かを判定する。
処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS115でYes)、処理をステップS117に進める。
ステップS117において、処理部3は、優先順位「4」の画像形成装置10が使用中のシート収容部18を指定する。そして、処理部3は、指定したシート収容部18に収容されたシートに対してジョブを実行するように、画像形成装置10にジョブを登録する。その結果、画像形成装置10は、実行中のジョブの終了後に、登録されたジョブを実行する。
一方、処理部3は、否定的判定の場合(ステップS111でNo)又は否定的判定の場合(ステップS115でNo)、つまり、第1優先順位テーブルT1に基づく処理において、ジョブを実行させる画像形成装置10を決定できなかった場合、図14〜図18に示すように、処理をステップS131に進めて、第2優先順位テーブルT2を参照して、画像形成装置10を選択する。
図14は、第2優先順位テーブルT2を示す図である。第2優先順位テーブルT2は、シートの縦送りと横送りとの双方が可能か否か(つまり、シート収容部18aとシート収容部18bとの双方を有しているか否か)と、デカーラー16の有無と、シートセンサー85の有無とに対応して、画像形成装置10の優先順位を定めている。優先順位を示す数字が小さい程、優先順位が高いことを示す。
具体的には、処理部3は、第2優先順位テーブルT2を参照して、図15〜図18に示すジョブ制御方法を実行する。記憶部5は、第2優先順位テーブルT2を記憶している。
図15〜図18は、処理部3が実行するジョブ制御方法を示すフローチャートである。図15に示すように、ジョブ制御方法は、ステップS131〜ステップS143を含む。ステップS131〜ステップS143の対象となる画像形成装置10は、ジョブを実行しておらず、待機中である。
ステップS131において、処理部3は、ネットワークNWに接続された複数の画像形成装置10の中に、処理部3が指定した属性を有するシートを収容した画像形成装置10が存在するか否かを判定する。実施形態3では、処理部3は、複数の画像形成装置10の中に、処理部3が指定したサイズを有するシートを収容した画像形成装置が存在するか否かを判定する。
処理部3は、否定的判定の場合(ステップS131でNo)、処理を終了する。
一方、処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS131でYes)、処理をステップS133に進める。ステップS135〜ステップS143の対象となる画像形成装置10は、指定された属性を有するシートを収容している。
ステップS133において、処理部3は、第2優先順位テーブルT2を参照して、ネットワークNWに接続された複数の画像形成装置10の中に、優先順位「1」に該当する画像形成装置10が存在するか否かを判定する。
処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS133でYes)、処理をステップS135に進める。
ステップS135において、処理部3は、優先順位「1」の画像形成装置10のシートセンサー85を起動させる。そして、処理部3は、画像形成装置10から、シートセンサー85が検出したシートの繊維方向を示す情報を取得する。優先順位「1」の画像形成装置10は、例えば、画像形成装置10hである。
ステップS137において、処理部3は、デカーラー16をオンにして、優先順位「1」の画像形成装置10に、1枚目のシートに対するジョブを実行させる。
ステップS139において、処理部3は、シートの繊維方向がシート搬送方向と略平行か否かを判定する。
処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS139でYes)、処理をステップS141に進める。
ステップS141において、処理部3は、デカーラー16をオフにして、優先順位「1」の画像形成装置10に、2枚目以降のシートに対するジョブを実行させる。
一方、処理部3は、否定的判定の場合(ステップS139でNo)、処理をステップS143に進める。
ステップS143において、処理部3は、1枚目のシートに対するジョブを実行した画像形成装置10が使用しているシート収容部18とは送り種別の異なるシート収容部18を指定する。例えば、1枚目のシートを収容していたシート収容部18が縦送りを実行している場合は、横送りを実行するシート収容部18を指定し、1枚目のシートを収容していたシート収容部18が横送りを実行している場合は、縦送りを実行するシート収容部18を指定する。その結果、カールが生じ難いシート収容部18が指定される。例えば、処理部3は、1枚目のシートを収容していたシート収容部18が、シート収容部18aである場合、シート収容部18bを指定する。そして、処理部3は、デカーラー16をオフにして、優先順位「1」の画像形成装置10に、2枚目以降のシートに対するジョブを実行させる。
一方、処理部3は、否定的判定の場合(ステップS133でNo)、処理を図16のステップS151に進める。
図16に示すように、ジョブ制御方法は、ステップS151〜ステップS161をさらに含む。ステップS151〜ステップS161の対象となる画像形成装置10は、指定された属性を有するシートを収容している。
ステップS151において、処理部3は、第2優先順位テーブルT2を参照して、画像形成装置10の中に、優先順位「2」に該当する画像形成装置10が存在するか否かを判定する。
処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS151でYes)、処理をステップS153に進める。
ステップS153において、処理部3は、優先順位「2」の画像形成装置10のシートセンサー85を起動させる。そして、処理部3は、画像形成装置10から、シートセンサー85が検出したシートの繊維方向を示す情報を取得する。優先順位「2」に該当する画像形成装置10は、例えば、画像形成装置10iである。
ステップS155において、処理部3は、優先順位「2」の画像形成装置10に、1枚目のシートに対するジョブを実行させる。
ステップS157において、処理部3は、シートの繊維方向がシート搬送方向と略平行か否かを判定する。
処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS157でYes)、処理をステップS159に進める。
ステップS159において、処理部3は、シート収容部18を変更することなく、優先順位「2」の画像形成装置10に、2枚目以降のシートに対するジョブを実行させる。
一方、処理部3は、否定的判定の場合(ステップS157でNo)、処理をステップS161に進める。
ステップS161において、処理部3は、1枚目のシートに対するジョブを実行した画像形成装置10が使用しているシート収容部18とは送り種別の異なるシート収容部18を指定する。そして、処理部3は、優先順位「2」の画像形成装置10に、2枚目以降のシートに対するジョブを実行させる。
一方、処理部3は、否定的判定の場合(ステップS151でNo)、処理を図17のステップS171に進める。
図17に示すように、ジョブ制御方法は、ステップS171〜ステップS181をさらに含む。ステップS171〜ステップS181の対象となる画像形成装置10は、指定された属性を有するシートを収容している。
ステップS171において、処理部3は、第2優先順位テーブルT2を参照して、画像形成装置10の中に、優先順位「3」に該当する画像形成装置10が存在するか否かを判定する。
処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS171でYes)、処理をステップS173に進める。
ステップS173において、処理部3は、優先順位「3」の画像形成装置10のシートセンサー85を起動させる。そして、処理部3は、画像形成装置10から、シートセンサー85が検出したシートの繊維方向を示す情報を取得する。優先順位「3」の画像形成装置10は、例えば、画像形成装置10jである。
ステップS175において、処理部3は、デカーラー16をオンにして、優先順位「3」の画像形成装置10に、1枚目のシートに対するジョブを実行させる。
ステップS177において、処理部3は、シートの繊維方向がシート搬送方向と略平行か否かを判定する。
処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS177でYes)、処理をステップS179に進める。
ステップS179において、処理部3は、デカーラー16をオフにして、優先順位「3」の画像形成装置10に、2枚目以降のシートに対するジョブを実行させる。
一方、処理部3は、否定的判定の場合(ステップS177でNo)、処理をステップS181に進める。
ステップS181において、処理部3は、デカーラー16をオンにしたまま、優先順位「3」の画像形成装置10に、2枚目以降のシートに対するジョブを実行させる。
一方、処理部3は、否定的判定の場合(ステップS171でNo)、処理を図18のステップS191に進める。
図18に示すように、ジョブ制御方法は、ステップS191〜ステップS201をさらに含む。ステップS191〜ステップS201の対象となる画像形成装置10は、指定された属性を有するシートを収容している。
ステップS191において、処理部3は、第2優先順位テーブルT2を参照して、画像形成装置10の中に、優先順位「4」又は「5」に該当する画像形成装置10が存在するか否かを判定する。
処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS191でYes)、処理をステップS193に進める。
ステップS193において、処理部3は、デカーラー16をオンにして、優先順位「4」又は「5」の画像形成装置10にジョブを実行させる。優先順位「4」の画像形成装置10は、例えば、画像形成装置10kである。優先順位「5」の画像形成装置10は、例えば、画像形成装置10mである。
一方、処理部3は、否定的判定の場合(ステップS191でNo)、処理をステップS195に進める。
ステップS195において、処理部3は、第2優先順位テーブルT2を参照して、画像形成装置10の中に、優先順位「6」に該当する画像形成装置10が存在するか否かを判定する。
処理部3は、肯定的判定の場合(ステップS195でYes)、処理をステップS197に進める。
ステップS197において、処理部3は、シートセンサー85を有する画像形成装置10の過去のジョブの履歴に基づいて、優先順位「6」の画像形成装置10のシート収容部18に収容されたシートの繊維方向を推測する。具体的には、過去のジョブの履歴は、繊維方向が縦目であったシートの数と、繊維方向が横目であったシートの数とを含む。従って、処理部3は、縦目のシートの数が、横目のシートの数より多い場合は、シートの繊維方向が縦目を示すと推測する。一方、処理部3は、横目のシートの数が、縦目のシートの数より多い場合は、シートの繊維方向が横目を示すと推測する。
ステップS199において、処理部3は、推測した繊維方向がシート搬送方向と略平行になるようなシート収容部18を指定して、優先順位「6」の画像形成装置10にジョブを実行させる。優先順位「6」の画像形成装置10は、例えば、画像形成装置10nである。例えば、シートの繊維方向が縦目を示すと推測した場合、処理部3は、シート収容部18aを指定する。また、例えば、シートの繊維方向が横目を示すと推測した場合、処理部3は、シート収容部18bを指定する。
なお、ステップS191において、処理部3は、優先順位「4」に該当する画像形成装置10が存在すると判定した場合に、ステップS197及びステップS199と同様の処理を実行してもよい。
一方、処理部3は、否定的判定の場合(ステップS195でNo)、処理をステップS201に進める。
ステップS201において、処理部3は、優先順位「7」又は「8」の画像形成装置10にジョブを実行させる。優先順位「7」の画像形成装置10は、例えば、画像形成装置10pである。優先順位「8」の画像形成装置10は、例えば、画像形成装置10qである。
以上、図9〜図13を参照して説明したように、実施形態3によれば、複数の画像形成装置10の中から、第1優先順位テーブルT1で定められた優先順位「1」〜「4」に該当する画像形成装置10を検索する(ステップS75、S91、及びS111)。優先順位「1」〜「4」に該当するためには、シートセンサー85を有することが条件である(図10)。
従って、ステップS75、ステップS91、及びステップS111において、処理部3は、複数の画像形成装置10のうちジョブを実行中の画像形成装置10がシートセンサーを有するか否かを判定している。そして、処理部3は、シートセンサー85を有する画像形成装置10から、シートの繊維方向を示す情報を取得する(ステップS77、S93、及びS113)。さらに、処理部3は、シートの繊維方向に基づいて、ジョブを実行させる画像形成装置10を制御する(ステップS81、S83、S97、S101、及びS117)。
実施形態3によれば、ジョブを実行中の画像形成装置10から、シートの繊維方向を取得している。従って、シートセンサー85は既に起動しており、起動のための処理が不要である。その結果、シートセンサー85の起動回数を低減できる。起動回数を低減できるため、消費電力を抑制できるとともに、シートセンサー85の寿命を延ばすことができる。
また、図11〜図13、図15、及び図16を参照して説明したように、実施形態3によれば、処理部3は、シート収容部18aとシート収容部18bとのうち、シートの繊維方向がシート搬送方向に略平行になるようにシートを収容したシート収容部18を指定する(ステップS81、S83、S97、S117、S141、S143、S159、S161)。そして、処理部3は、指定したシート収容部18に収容されたシートに対してジョブを実行するように、画像形成装置10を制御する。
実施形態3によれば、シートの繊維方向がシート搬送方向に略平行になるように、シート収容部18を指定する。従って、シートにカールが生じる可能性が低い。処理部3は、シートの繊維方向がシート搬送方向に略平行になるように、画像形成装置10を制御することにより、カールを抑制しているため、デカーラー16を動作させる回数を少なくできる。その結果、消費電力の抑制とカールの抑制とを両立させることができる。
さらに、図15及び図17を参照して説明したように、実施形態3によれば、処理部3は、画像形成装置10に、デカーラー16をオンにして、1枚目のシートに対するジョブを実行させる(ステップS137、S175)。そして、処理部3は、1枚目のシートの繊維方向がシート搬送方向と平行であるときに、画像形成装置10に、デカーラー16をオフにして、2枚目以降のシートに対するジョブを実行させる(ステップS141、S179)。従って、デカーラー16を動作させる回数を更に少なくしつつ、カールを抑制できる。その結果、消費電力を更に抑制できる。また、デカーラー16の寿命を更に延ばすことができる。さらに、単位時間当たりに画像を形成できるシートの枚数を更に増加できる。
なお、1枚目のシートに対してデカーラー16をオンにする理由は、1枚目のシートに対するジョブの実行中では、シートの繊維方向が不明だからである。
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記(1)、(2))。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(1)実施形態1〜実施形態3において、処理部3は、シートにカールを生じさせないことを優先する設定がなされている場合に、ジョブ制御方法を実行するが、実行開始の条件は任意に設定できる。また、記憶部5は、実施形態1〜実施形態3に係るジョブ制御方法を処理部3に実行させるコンピュータープログラムを記憶している。そして、処理部3は、コンピュータープログラムを実行することによって、ジョブ制御方法を実行する。また、記憶部5は、非一時的コンピューター読取可能記録媒体の一例である。
(2)実施形態1〜実施形態3では、画像形成装置10は複合機であったが、複写機、プリンター、又はファクシミリであってもよい。また、画像形成装置10は、モノクロ対応であってもよいし、カラー対応であってもよい。