JP6456199B2 - 人体感知センサ付画像形成装置 - Google Patents
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Description
これに対し、省電力モード中に人感センサが人物の接近を検知すると、その接近人物が所有するRFIDタグと通信してユーザIDを取得し、該接近人物が予め設定されている除外人物か否かを判定するジョブ処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このジョブ処理装置では、除外人物でない場合は省電力モードを解除して通常モードに切換える。しかし、除外人物の場合は該人物の接近により省電力モードを解除せず、該人物による操作や原稿セットを契機に省電力モードを解除する。このような構成により、自装置を使用する目的以外で接近してきた人物は除外したうえで、人の接近に反応して省電力モードを解除することができる。
多少の誤検出があっても、より単純な構成で人の接近に反応して省電力モードから復帰し、その一方で不要な復帰を防止できる手法が望まれることもある。近年、画像形成装置は単機能のものが減少し、デジタル複合機のように複数の種類のジョブを実行するものの割合が増えている。デジタル複合機では、コピージョブやスキャナジョブのように操作部が受付けたユーザの操作に基づいて実行するジョブと、プリントジョブのように外部の機器から受信した指示に基づいて実行するジョブがある。コピージョブやスキャナジョブは、ユーザが操作部に近づく前にそのユーザを検出して省電力モードを解除することで、省電力モードからの復帰に要する見かけの時間が短縮される。しかし、プリントジョブで出力された印刷シートを単に取りにくるだけのユーザを検出して省電力モードを解除すると、不要な省電力モードからの復帰によって電力が無駄に消費されてしまう。
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、人の接近に反応して省電力モードから復帰する一方、単純な構成で不要な復帰を防止できる画像形成装置を提供する。
換言すれば、実行されたジョブの種類を履歴に基づいて判断し、人体感知センサの感度を設定することで、画像形成装置が使用される実態に即して省電力モードの解除と通常モードへの復帰、即ち両モードの切換を制御できる。例えば、プリントジョブが多いユーザに対して人体感知センサの感度を低く設定することで、省電力モードからの無駄な復帰を少なくできる。
(実施の形態1)
図1は、この発明の画像形成装置の一実施形態であるデジタル複合機の外観を示す斜視図である。図2は、図1に示すデジタル複合機の平面図である。図3は、図1に示すデジタル複合機100の本体部分の機構的構成を示す断面図である。図1および図2に示すように、デジタル複合機100は、操作部103、人体感知センサ51、排出トレイ39aおよび39bを備える。
また、これらのジョブの実行やユーザからの操作を受付けない期間が予め定められた期間を超えて続くと操作や指示を受け付けたらすぐにジョブの実行を開始できる通常モードから省電力モードに移行する。なお、省電力モードへの移行は、前述のように待機状態が所定期間続いた場合だけでなく、明示的なユーザの操作を受付けた場合や予め設定された時刻が到来した場合に行われてもよい。あるいは、周囲の環境(例えば照度や騒音の程度など)が予め設定された状態になった場合に行われてもよい。
デジタル複合機100においては、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像を印刷シートに印刷する。あるいは、単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像を印刷シートに印刷する。このため、現像装置12、感光体ドラム13、ドラムクリーニング装置14、および帯電器15等は、それぞれ4個ずつ設けられる。各色に応じた4種類のトナー像を形成するために、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、およびイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
定着装置17を通過した印刷シートは、排出ローラ36aまたは36bを経て排出トレイ39aまたは39bへ排出される。印刷シートの排出先は、後述する画像形成制御部101aによって制御され、図示しない切替え機構によって排出トレイ39aおよび39bの何れかへ印刷シートが導かれるように搬送経路が切替えられる。印刷シートの搬送経路の切替え機構は、画像形成装置の技術分野で周知であるので詳細な図示を省略している。
図4は、本実施形態のデジタル複合機100の電気的構成を示すブロック図である。図4において、制御部101は、デジタル複合機100を統合的に制御するものであって、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース回路等からなる。制御部101は、画像形成制御部101aおよび省電力制御部101bの機能を包含する。画像形成制御部101aは、操作部103が受付けた操作に基づくジョブの実行および通信部55が受信した指示に基づくジョブの実行を管理しかつ画像形成部102の動作を制御する。省電力制御部101bは、省電力モードと通常モードの切換えを管理しかつ人体感知センサ51を制御する。
画像形成部102は、電子写真方式により印刷画像を印刷シートに印刷する。画像形成部102は、図1における光走査装置11、現像装置12、感光体ドラム13、ドラムクリーニング装置14および帯電器15に係る電気的構成要素を含んで構成される。さらに、中間転写ベルト21、定着装置17、シート搬送経路R1、給送トレイ18、および排出トレイ39a、39bに係る電気的構成要素を含んで構成される。
通信部55は、外部の機器と通信データを送受し、例えば外部のコンピュータからプリントジョブの実行要求を受信する通信インターフェースの回路およびファームウェアである。
操作部103は、複数の入力キーや液晶表示装置からなる。メモリ104は、例えばハードディスク装置(HDD)やフラッシュメモリ等不揮発性の記憶手段であって、実行したジョブの履歴104aや人体感知センサ51の感度の設定に係る閾値104bを含む種々のデータやプログラムを格納する。
以上がデジタル複合機100の構成の概要である。
この実施形態において、画像形成部102は電子写真方式により画像形成を行うので、印刷シートに転写されたトナーを所定温度に加熱して前記印刷シートに定着させる定着装置17を有している。制御部101は、省電力モード中に定着装置17の加熱ローラ24の制御温度を通常モードに比べて下げることによって省電力を実現する。通常モードへの復帰に際して、加熱ローラ24の温度を前述の所定温度まで上昇させるために時間を要する。
省電力モード時にプリントジョブの指示を受けた場合、制御部101は省電力制御部101bとして、デジタル複合機100の各部分を一旦省電力モードから通常モードに復帰させる。さらに省電力モードからの復帰完了後に制御部101は画像形成制御部101aとして、通信部55が受信した指示に基づいてプリントジョブの実行を開始する。プリントジョブが終了した後、制御部101は省電力制御部101bとして、省電力モードへ移行させる処理を行う。
コピージョブやスキャナジョブの場合は、操作部103を介してユーザからジョブ開始の操作を受付ける。即ち、画像形成制御部101aは、操作部103が受付けた操作に基づいてコピージョブやスキャナジョブの実行を開始する。また人体感知センサ51は、ユーザが操作部103を操作するために操作部103の前にきたことを感知し、ユーザが操作部103を操作する前に省電力モードが解除されるようにする。
人体感知センサは、感知した人体までのおおよその距離を検出する。人体感知センサ51としては、超音波センサや焦電センサが適用できる。
例えば画像形成制御部101aは、プリントジョブの要求を受付けた場合、印刷シートを排出トレイ39aに排出する。一方、コピージョブの要求を受付けた場合は、排出トレイ39bへ印刷シートを排出するように制御する。
制御部101の省電力制御部101bとしての処理をさらに説明する。
図5は、図1に示すデジタル複合機の制御部101が人体感知センサ51の検知に基づき省電力モードを解除するか否かを判断する処理を示すフローチャートである。即ち、省電力モード中に人体感知センサ51が人体を感知した場合に、省電力制御部101bがメモリ104に格納された履歴104aおよび閾値104bを参照し、省電力モードを解除するか否かを判断する手順を示している。
一方、省電力モード中であれば(ステップS9のYes)、省電力制御部101bは、人体感知センサ51が人を検出したかを逐次調べる(ステップS11)。人体感知センサ51が人を検知した場合(ステップS11のYes)、省電力制御部101bはそれに応答して履歴104aを参照する(ステップS13)。履歴104aは、過去に実行したジョブの属性を示すデータである。そして、省電力制御部104aは、履歴に格納されたジョブの総数に対してプリントジョブの数が占める割合、即ちプリントジョブ率を算出する。
図6は、履歴104aに格納された履歴の内容の一例を示す説明図である。図6に示すように、履歴104aは過去のある期間(例えば6ヶ月間)に各ユーザがデジタル複合機100にプリントジョブ、コピージョブまたはスキャナジョブを何回実行させたかをユーザ毎に格納している。
なお、デジタル複合機100の使用に際して、各ユーザはユーザ認証を行ったうえでデジタル複合機100を使用し、制御部101はそのユーザ認証に基づいて実行したジョブを各ユーザに関連付けて履歴104aに格納する。
図8は、閾値104bに格納された閾値の一例を示す説明図である。図8に示すように、閾値104bはプリントジョブ率に応じて複数の段階に分けられた値を格納している。ここで、閾値の具体的な内容は、人体感知センサの感知領域の広さおよび感知期間である。図8に示す例は、プリントジョブ率が20%未満の場合に対応する設定A、20%以上80%未満の場合に対応する設定Bおよび80%以上の場合に対応する設定Cの3つの段階に分かれた例を示している。勿論これは一例に過ぎない。
一方、人体感知センサ51の検出が前記ステップS17の条件を満たさない場合(ステップS17のNo)、ルーチンは前述のステップS11へ戻り、人体感知センサの検出結果を逐次監視する。
以上が、省電力制御部101bが人体感知センサ51の検知に基づいて省電力モードを解除する処理の流れである。
省電力制御部101bは、すべてのユーザを合計したプリントジョブ率に応じて、人感センサの感度、即ち、感知領域の広さと感知期間とを決める。例えば、算出されたプリントジョブ率が81%の場合、プリントジョブ率が80%以上の場合に対応するので、省電力制御部101bは設定Cの閾値を適用する。即ち、感知領域として予め定められた3段階の広さのうちで最小の感知領域を適用する。また、感知期間として予め定められた3段階の期間のうち最も長い期間を適用する。
具体的には、設定Cが適用された場合、図5に示すフローチャートのステップS17の判断において、長い期間にわたって人が検出された場合に省電力モードが解除される。実質的に、人を検知する感度を落とすことになるので、誤って省電力モードが解除されることがより少なくなることが期待される。また、感知領域が最小の広さ(例えば、人体感知センサ51からの距離が30cm)の範囲内でない限り人を検出しない。操作部103の付近を通り過ぎるだけの人があっても検出しにくくなるので、誤って省電力モードが解除されることがより少なくなることが期待される。
具体的には、プリントジョブ率が例えば18%で20%未満に対応する設定Aが適用された場合、図5に示すフローチャートのステップS17の判断において、短い期間に人が検出された場合であっても、人を検知したと判断する。実質的に、人体感知センサ51の感度が大きく設定されたことになる。
実施の形態1で述べたように、図8に示す閾値は感知領域の広さと感知期間の組み合わせとして人体感知センサ51の感度を定義している。しかし、これは一例に過ぎず、例えば閾値が感知領域の広さのみであってもよい。あるいは、感知期間のみであってもよいし、さらに、異なる要素であってもよい。
図9は、閾値104bに格納された閾値の図8と異なる態様を示す説明図である。図9で、人体感知センサ51の感度は感知領域の広さとして規定され、感知期間は予め定められた値に固定されている。
省電力制御部101bは、すべてのユーザのプリントジョブ率に応じて、人体感知センサ51の感知範囲の広さとして適用する値を決める。プリントジョブ率が80%以上の場合は、プリントジョブが中心の使い方と判断し、人体感知センサ51から30cm以内の範囲内に人が検出されない限り人を検出したと判断しない。これにより、操作部103の前を単に通り過ぎただけの人を検出しなくなる。その結果、近くを通過するだけの人を人体感知センサ51が検知し省電力モードを無駄に解除してしまうことが少なくなると期待される。
一方、プリントジョブ率が20%未満の場合は、コピージョブおよび/またはスキャナジョブが中心の使い方と判断できる。そのため、感知領域を最大に広げ、広い範囲で人を検知する。そして、人の検知に応答して省電力モードから通常状態へ復帰させることで、コピージョブおよびスキャナジョブを実行させるユーザの待ち時間を省略または短縮でき、利便性が向上する。
実施の形態1では、図8に示すように感知領域の広さと感知期間とは互いに関連せず、プリントジョブ率のみでそれぞれが決まるものとした。しかし、例えば、プリントジョブ率を図8よりさらに細分化し、大分類として感知領域の広さを変化させ、大分類中の小分類として感知期間を変化させるような態様で閾値を規定してもよい。その場合、大分類の異なる類に属する小分類(感知期間)の値が互いに等しくしてもよい。
実施の形態1では、プリントジョブ率に応じて人体感知センサ51の感度を変更しているが、いずれも人体感知センサ51が機能している。しかし、例えばプリントジョブ率が90%以上の場合は、人体感知センサ51をオフして機能させない態様が考えられる。この態様によれば、プリントジョブ率が90%以上の場合は、ユーザが操作部103に近接しても省電力モードは解除されず、操作部103を操作することによって省電力モードが解除される。
(i)この発明による人体感知センサ付画像形成装置は、画像形成の処理に係るユーザからの操作を受付ける操作部と、外部の機器から指示を受信する通信部と、前記操作または前記指示に基づいて画像形成に係るジョブを実行する画像形成部と、実行したジョブを履歴として格納する記憶部と、前記操作部から予め定められた範囲内の感知領域に位置する人体を感知し、感度が設定可能な人体感知センサと、省電力モード中に前記人体の感知あるいは前記操作に応答して前記省電力モードを解除し、前記操作あるいは新たに受付けた操作に基づいて前記画像形成部にジョブを実行させるかまたは前記指示に応答して前記省電力モードを解除してジョブを実行させる制御部とを備え、前記制御部は、前記操作に基づくジョブの前記履歴に占める割合が予め定められた閾値より低い場合は前記人体感知センサの感度を通常の設定よりも低くすることを特徴とする。
この発明において、画像形成装置は、画像形成に係る処理をジョブの単位で実行するものである。ジョブの具体的な態様として、プリントジョブ、コピージョブ、スキャナジョブが一例として挙げられる。前述の実施形態におけるコピージョブは、操作に基づき実行したジョブに相当し、プリントジョブは受信に基づき実行したジョブに相当する。
また、前述の実施形態におけるメモリは、この発明の記憶部に相当する。
(ii)前記制御部は、前記割合を予め定められた少なくとも2つの閾値と比較することにより、前記人体感知センサを少なくとも3段階の感度の何れかに設定してもよい。
このようにすれば、人体感知センサの感度を多段階に設定することにより、前記操作に基づくジョブの全体に占める割合に応じたきめ細かな調整が実現される。
このようにすれば、操作に基づくジョブの全体に占める割合が非常に小さな場合に、人体感知センサの感知に応答した省電力モードの解除をなくし、前記操作部が受付けた操作または指示の受信の何れかに応答して省電力モードを解除するようにでき、引いては無駄な省電力モードからの復帰をなくすことができる。
このようにすれば、履歴に格納されたジョブの処理状況に応じて、人体感知センサの感度を低くするだけでなく高くすることもできる。
(vi)前記人体感知センサは、感度の設定に応じて前記感知領域内に人体が位置するか否かの判断の基礎となる感知期間を変えるものであってもよい。
この発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
Pa、Pb、Pc、Pd:画像ステーション、 R1:シート搬送経路
Claims (5)
- 画像形成の処理に係るユーザからの操作を受付ける操作部と、
外部の機器から指示を受信する通信部と、
前記操作または前記指示に基づいて画像形成に係るジョブを実行する画像形成部と、
実行したジョブを履歴として格納する記憶部と、
前記操作部から予め定められた範囲内の感知領域に位置する人体を感知し、感度が設定可能な人体感知センサと、
省電力モード中に前記人体の感知あるいは前記操作に応答して前記省電力モードを解除し、前記操作あるいは新たに受付けた操作に基づいて前記画像形成部にジョブを実行させるかまたは前記指示に応答して前記省電力モードを解除してジョブを実行させる制御部とを備え、
前記制御部は、前記指示に基づくジョブの前記履歴に占める割合が予め定められた閾値以上の場合は前記閾値未満の場合よりも前記人体感知センサの感度を低くする人体感知センサ付画像形成装置。 - 前記閾値として、異なる値の少なくとも2つの閾値が予め定められており、
前記制御部は、前記割合をそれぞれの閾値と比較することにより、前記人体感知センサを少なくとも3段階の感度の何れかに設定する請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御部は、前記割合を、前記閾値と別に予め定められた前記閾値より大きいオフ判定用の閾値と比較し、前記割合がオフ判定用の閾値以上の場合に前記人体感知センサをオフする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記人体感知センサは、感度の設定に応じて前記感知領域の広さを変える請求項1〜3の何れか一つに記載の画像形成装置。
- 前記人体感知センサは、感度の設定に応じて前記感知領域内に人体が位置するか否かの判断の基礎となる感知期間を変える請求項1〜4の何れか一つに記載の画像形成装置。
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