JP6318583B2 - 軸受装置及び主軸装置 - Google Patents

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Description

本発明は、軸受装置及び主軸装置に関し、より詳細には、封入されたグリースにより長期間に亘って安定してグリース潤滑可能な軸受装置及び主軸装置に関する。
工作機械用主軸装置の高速化は著しく発展しており、主軸の高速化を可能にするための潤滑方法は、オイルミスト潤滑やオイルエア潤滑が主流であった。しかし、近年では環境対策・省エネ化・省資源化の要望が強く、騒音やオイル飛散による環境面への配慮が必要なこと、大量のエアが必要であること、更に、オイルミスト潤滑装置やオイルエア供給装置のような付帯設備が必要となるなど、コスト面でも不利な点がある。
これらの問題を回避するために、グリース潤滑が再度注目され始めている。グリース潤滑は軸受組込時に封入されたグリースの基油で潤滑を行うため、軸受潤滑に必要な基油の量には限りがあり、基油の量が潤滑寿命に影響する。そのため軸受に封入するグリース量を増加させることも考えられるが、この場合、粘性抵抗が大きくなるために、高速回転で使用すると軸受発熱が大きくなってしまい、逆に早期のグリース劣化により油膜切れが発生して焼き付きに至ってしまう場合がある。そのため、高速回転時の昇温特性と、グリース寿命とのバランスを鑑み、通常は軸受内部空間容積に対して、おおむね10〜20%に相当するグリースを封入している。また、過剰のグリースを封入すると、慣らし運転時間が長く必要となるため、主軸受交換後の生産ライン復帰までの時間が長くなって、生産効率にも影響してしまう。
グリース潤滑される従来の軸受としては、グリース溜り部品を転がり軸受から分離した形で形成し、固定側軌道輪に隣接して配置するようにしたグリース溜り部品及び転がり軸受が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載のグリース溜り部品100は、図5に示すように、内部がグリース溜り102となる環状の容器部101と、容器部101から突出して転がり軸受110の固定側軌道輪111の軌道面111aの近傍まで挿入される軸受内挿入部103とを有する。軸受内挿入部103の先端には、基油滲み出し口104が設けられており、容器部101に収容されたグリースGを、基油滲み出し口104から転がり軸受110に供給する。
特開2008−240828号公報
しかしながら、特許文献1に記載のグリース溜り部品100及び転がり軸受110は、構造が複雑な複数の部品の組合せからなり、製作費用が嵩む要因となる。また、グリースGの供給は、転がり軸受110の運転・停止に伴うグリース溜り102でのヒートサイクルによる圧力変動を利用して、グリースGから分離した基油をグリース基油滲み出し口104から供給している。このため、ヒートサイクルによる圧力変動だけでは、工作機械主軸用軸受のように高速回転する用途(dmn50万以上、より好ましくはdmn100万以上)において、潤滑が不足する可能性があった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単且つ安価な機構により、長期間に亘って安定したグリース潤滑が可能な軸受装置及び主軸装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 外周面に内輪軌道面を有する内輪と、内周面に外輪軌道面を有する外輪と、所定の接触角をもって前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に転動自在に配置される複数の玉と、をそれぞれ備え、前記内輪の外周面及び前記外輪の内周面との間の軸受空間にグリースが封入され、且つ、背面組合せで配置される一対のアンギュラ玉軸受と、
前記一対のアンギュラ玉軸受の外輪間に当接配置される外輪間座と、
前記一対のアンギュラ玉軸受の内輪間に当接配置されると共に、互いに当接配置される一対の内輪間座と、
を備える軸受装置であって、
前記外輪間座の内周面と前記一対の内輪間座の外周面は、互いに対向して、前記各軸受空間に連通する一対のラビリンスを形成するように、前記軸受に向かって大径となるテーパ面をそれぞれ有し、
前記外輪間座は、その内径側で、前記一対のラビリンス間に画成され、前記一対のラビリンスを介して前記軸受空間と連通する間座側グリース溜りを有し、該間座側グリース溜りにはグリースが封入されることを特徴とする軸受装置。
(2) 前記一対の内輪間座は、外周面が前記テーパ面を備え、径方向外側に延出する内輪間座側フランジ部をそれぞれ有し、
前記内輪間座側フランジ部より軸方向内側の外周面には、前記軸受に向かって大径となる他のテーパ面が形成されることを特徴とする(1)に記載の軸受装置。
(3) 前記一対の内輪間座は、軸方向内側面を前記テーパ面として、径方向外側に延出する内輪間座側フランジ部をそれぞれ有し、
前記テーパ面の傾斜角は、軸方向に対して30°以上であり、
前記外輪間座の内周面には、前記間座側グリース溜りを構成する環状の凹部が形成されることを特徴とする(1)に記載の軸受装置。
(4) 前記軸受空間及び前記間座側グリース溜りの少なくとも一方には、ゲル化剤を混入したグリースが封入されることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の軸受装置。
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載の軸受装置を備え、前記軸受装置を介して主軸をハウジングに対して回転自在に支承することを特徴とする主軸装置。
(6) 前記外輪間座には、前記ハウジングに形成された空気補給路を介して間座側グリース溜りに空気を補給するための通気孔が形成されていることを特徴とする(5)に記載の主軸装置。
本発明の軸受装置によれば、外輪間座の内周面と一対の内輪間座の外周面は、互いに対向して、各軸受空間に連通する一対のラビリンスを形成するように、軸受に向かって大径となるテーパ面をそれぞれ有し、外輪間座は、その内径側で、一対のラビリンス間に画成され、一対のラビリンスを介して軸受空間と連通する間座側グリース溜りを有し、該間座側グリース溜りにはグリースが封入される。したがって、テーパ面によるラビリンスにより、反軸受側から軸受側に向かう空気の流れが生じ、間座側グリース溜りのグリースの基油が軸受空間へ移動するので、軸受空間に供給されるグリースの量を増加することができ、グリース寿命を延長することができる。
また、本発明の主軸装置によれば、本発明の軸受装置を介して主軸をハウジングに対して回転自在に支承するため、主軸装置の高速化、長寿命化が可能となる。
本発明に係る軸受装置の第1実施形態の断面図である。 本発明に係る軸受装置の第2実施形態の断面図である。 本発明に係る軸受装置の第3実施形態の断面図である。 本発明に係る軸受装置が組み込まれた主軸装置の要部断面図である。 従来の軸受装置の断面図である。
以下、本発明に係る軸受装置の各実施形態及び主軸装置について、図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
まず、図1を参照して、本発明に係る軸受装置の第1実施形態について説明する。
図1に示す本実施形態の軸受装置10は、背面組合せで配置された一対のアンギュラ玉軸受11と、一対のアンギュラ玉軸受11間に配置される外輪間座12、及び一対の内輪間座13、13と、備える。
各アンギュラ玉軸受11は、外周面に内輪軌道面14aを有する内輪14と、内周面に外輪軌道面15aを有する外輪15と、保持器17に保持され、所定の接触角αをもって内輪軌道面14aと外輪軌道面15aとの間に転動自在に配置された複数の玉16と、を備える。外輪15の軸方向外側の内周面には、カウンターボア15bが設けられている。アンギュラ玉軸受11には、内輪14の外周面及び外輪15の内周面との間の軸受空間S1にグリースGが封入されている。
外輪間座12は、各外輪15の反カウンターボア側の軸方向端面15cに当接して配設され、また、一対の内輪間座13、13は、外輪間座12に対向し、各内輪14の軸方向端面14bにそれぞれ当接して配設されるとともに、互いに当接配置される。
各内輪間座13は、各軸受11寄りの外周面に径方向外側に延出する内輪間座側フランジ部13bをそれぞれ有し、各フランジ部13bの軸方向内側面と各内輪間座13の軸方向内側の外周面とで、環状の凹部13cを形成する。なお、内輪間座13の分割位置はフランジ部13b以外であれば軸方向の位置は問わない。
また、外輪間座12の内周面と一対の内輪間座13、13の内輪間座側フランジ部13bの外周面は、互いに対向して、各軸受空間S1に連通する一対のラビリンスLを形成する。具体的に、一対の内輪間座13、13の内輪間座側フランジ部13bの外周面は、軸方向端部において一様径である円筒外周面13dと、円筒外周面13dと連続し、アンギュラ玉軸受11に向かって大径となるように軸方向に対して傾斜角θで傾斜する内輪間座側テーパ面13eを有し、また、外輪間座12の内周面は、円筒外周面13dと対向する一様径の円筒内周面12aと、内輪間座側テーパ面13eと対向し、アンギュラ玉軸受11に向かって大径となるように軸方向に対して傾斜角θで傾斜する外輪間座側テーパ面12bを有する。
なお、外輪間座12の円筒内周面12aは、外輪15の内径と略等しくなるように形成されている。また、ラビリンスLの隙間は、狭い方が後述する差圧効果を高めるためには効果的であるが、外内輪間座12,13間の干渉や、部品加工精度を考慮すると、軸方向に対して垂直な半径方向の距離において0.15〜1.0mmとすることが望ましい。
したがって、外輪間座12の内径側には、内輪間座13の凹部13cによって一対のラビリンスL間に画成され、一対のラビリンスLを介して軸受空間S1と連通する間座側グリース溜りS2が設けられ、該間座側グリース溜りS2にはグリースGが封入される。
このような軸受装置10は、アンギュラ玉軸受11の外輪15及び外輪間座12が、ハウジング30の取付孔31に内嵌して固定され、アンギュラ玉軸受11の内輪14及び内輪間座13が、回転軸32に外嵌して装着される。即ち、外輪15が固定輪であり、内輪14が回転輪となる。
軸受装置10は、ハウジング30に組み込まれる際、軸受空間S1、及び間座側グリース溜りS2に適量のグリースGが封入される。封入されるグリースGとしては、ゲル化剤を混入したグリースGが好適であり、軸受空間S1に封入されるグリースGの量は、回転に伴う粘性抵抗による昇温と、グリース寿命とのバランスから、軸受空間S1の空間容積の10〜20%とするのが好ましい。これにより、慣らし運転時間を短くすることができ、軸受交換後の生産ライン復帰時間を短縮することができる。なお、ゲル化剤を混入したグリースGは、軸受空間S1、及び間座側グリース溜りS2のいずれか一方に封入してもよい。
ゲル化剤を混入したグリースGは、回転に伴って発生するせん断力により、ゲル状から容易に油状となり、せん断力がなくなると、速やかにゲル状に回復する特性を有する。このため、グリースGがアンギュラ玉軸受11の転走面に供給される際にゲル状から油状に変化して供給されるため、グリースGのかみこみによる瞬間的なトルク変動が防止されると共に、低トルク運転が可能となる。また、転走面近傍のグリースGの油状化により、転走面からやや離れた部分のグリースGとの流体的なつながりが良くなり、より周辺部からの基油の補給が促進される。これにより、潤滑効率が向上すると共に、慣らし運転時間を短縮することが可能となる。特に、工作機械主軸用軸受のようにdmn50万以上、あるいはdmn100万以上の用途で効果が期待できる。
ゲル化剤を混入したグリースGとしては、ゲル化剤:増ちょう剤=50〜80:50〜20、ちょう度265〜275とするのが望ましい。ゲル化剤としては、高いゲル化能を有するベンジリデンソルビトール誘導体又はアミノ酸系ゲル化剤が好適である。なお、ゲル化剤を含まない一般的なグリースを使用する場合には、ちょう度220〜295とするのが望ましい。
グリースGの基油は、繊維構造の増ちょう剤により保持されており、増ちょう剤の繊維間を毛細管現象により移動する。慣らし運転により軸受空間S1及び間座側グリース溜りS2に封入されたグリースG同士が接することで、基油の移動に必要な増ちょう剤がつながり、その結果、アンギュラ玉軸受11の潤滑に供されるグリースGの量を大幅に増加することができる。また、工作機械の主軸装置のように高速回転する場合、軸受周辺部の温度が上昇することで近傍のグリースGの温度も上昇して軟化するため、基油の流動が容易となり、高速回転でのグリース寿命が延びる。
また、外輪15にカウンターボア15bがあるアンギュラ玉軸受11では、保持器17と外輪15とのすきまが、カウンターボア15b側で大きく、反カウンターボア側で小さくなる。このため、アンギュラ玉軸受11に封入したグリースGは、カウンターボア15b側が溜りやすく、反カウンターボア側が少なくなるため、アンギュラ玉軸受11内部において基油潤滑に偏りがでる(特に、外輪15の内周面で保持器17を案内する外輪案内保持器の場合、外輪15と保持器17との隙間が小さいので偏りが発生し易い)。しかし、本実施形態の軸受装置10によれば、カウンターボア側と反カウンターボア側との基油供給のバランスが良くなり、潤滑の偏りを解消して、潤滑効率が向上する。
また、本実施形態のように、各内輪間座13の外周面と外輪間座23の内周面との間に、テーパ面12b、13eを有するラビリンスLが設けられているので、主軸装置の高速回転に伴い、テーパ面12b、13eに発生する遠心力は径が大きくなる方に向かって大きくなることから内輪間座側テーパ面13eを沿うように軸受に流入する空気の流れが生じる。また、テーパ形状のラビリンスLでは、回転する内輪間座13の外周面において、径が大きい軸受端面側のほうが円周方向の空気の流速が速いため、圧力が下がり、その結果、反軸受側から軸受端部に向かって空気の流れが生じる(矢印A参照)。つまり、円周方向の空気の流れと相まって、らせん状の空気の流れが生じる。特に、工作機械主軸用軸受のように、軸受dmn値が50万以上、或いは100万以上の場合、周速差による圧力低下が生じるため、効果が大きい。
更に、外輪15にカウンターボア15bを有するアンギュラ玉軸受11では、カウンターボア15bに向かって空気を吸込む現象(所謂、ポンプ作用)が発生する(矢印B参照)。
したがって、内輪間座13と外輪間座12との間のラビリンスLからアンギュラ玉軸受11に流入する空気の流れと、アンギュラ玉軸受11のポンプ作用により、空気流が流れ、間座側グリース溜りS2のグリースGの基油が、軸受空間S1へと移動して軸受空間S1内のグリースGに補給される。
なお、内輪間座側テーパ面13eと外輪間座側テーパ面12bの軸方向に対する傾斜角θは、小さすぎると差圧効果が小さくなって、潤滑油をアンギュラ玉軸受11側へ流入させる空気流が発生し難い。また、傾斜角θが大きすぎると、テーパ面13eがシャープエッジになるため、バリや欠け等が発生しやすく、さらに、間座側グリース溜りS2の体積が小さくなり保持できるグリースGが少なくなる。このため、傾斜角θは、5°以上45°以下、より好ましくは10°以上30°以下とするのがよい。
以上説明したように、本実施形態の軸受装置10によれば、外輪間座12の内周面と一対の内輪間座13の外周面は、互いに対向して、各軸受空間S1に連通する一対のラビリンスLを形成するように、アンギュラ玉軸受11に向かって大径となるテーパ面12b、13eをそれぞれ有し、外輪間座12は、その内径側で、一対のラビリンスL間に画成され、一対のラビリンスLを介して軸受空間S1と連通する間座側グリース溜りS2を有し、該間座側グリース溜りS2にはグリースGが封入される。したがって、テーパ面12b、13eによるラビリンスLにより、反軸受側から軸受側に向かう空気の流れが生じ、間座側グリース溜りS2のグリースGの基油が軸受空間S1へ移動するので、軸受空間S1に供給されるグリースの量を増加することができ、グリース寿命を延長することができる。
また、軸受空間S1及び間座側グリース溜りS2の少なくとも一方には、ゲル化剤を混入したグリースGが封入されるため、回転に伴って発生するせん断力により、容易にゲル状から油状となり、グリースGのかみこみによるトルク変動を防止すると共に、低トルク運転が可能となる。また、慣らし運転時間を短縮することができる。
(第2実施形態)
次に、図2を参照して、本発明に係る軸受装置の第2実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態において、第1実施形態と同一又は同等部分については、図面に同一符号を付してその説明を省略或いは簡略化する。
本実施形態においても、一対の内輪間座13は、外周面が内輪間座側テーパ面13eを備え、径方向外側に延出する内輪間座側フランジ部13bをそれぞれ有する一方、内輪間座側フランジ部13bより軸方向内側の外周面には、アンギュラ玉軸受11に向かって大径となるように軸方向に対して傾斜角θ´を有する他のテーパ面13fが形成される。この他のテーパ面13fにより、主軸装置の運転時に外輪間座12に盛り付けられたグリースGが内輪間座13に付着した際、遠心力効果による他のテーパ面13fに沿うように流れる空気流によって、ラビリンスLの近傍にグリースGを移動させることができる。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。即ち、テーパ面12b、13eによるラビリンスLにより、反軸受側から軸受側に向かう空気の流れが生じ、間座側グリース溜りS2のグリースGの基油が軸受空間S1へ移動するので、軸受空間S1に供給されるグリースの量を増加することができ、グリース寿命を延長することができる。また、間座側グリース溜りS2におけるグリースGが毛細管現象により軸受空間S1に加わってグリース寿命を伸ばすことができ、さらに、カウンターボア側と反カウンターボア側でのグリース量がバランスすることができる。
(第3実施形態)
次に、図3を参照して、本発明に係る軸受装置の第3実施形態について説明する。
本実施形態では、一対の内輪間座13は、軸方向内側面を内輪間座側テーパ面13eとして、径方向外側に延出する内輪間座側フランジ部13bをそれぞれ有し、これに対応して、外輪間座12は、一対のラビリンスLを構成するように、軸方向外側面を外輪間座側テーパ面12bとして、径方向内側に延出する外輪間座側フランジ部12cを有する。したがって、本実施形態では、第1及び第2実施形態よりもテーパ状のラビリンスLを長く形成している。
なお、これらテーパ面12b、13eの傾斜角θは、軸方向に対して30°以上、望ましくは、45°以上とされている。また、本実施形態では、ラビリンスLの径方向隙間は、第1及び第2実施形態の半径方向の距離における0.15〜1.0mmよりも大きく形成されてもよい。
また、本実施形態では、間座側グリース溜りS2の体積を増加させるため、外輪間座12の内周面には、間座側グリース溜りS2を構成する環状の凹部12dが形成され、グリース寿命延長の効果を発揮することができる。
その他の構成及び作用効果については、上記第1実施形態と同様である。即ち、テーパ面12b、13eによるラビリンスLにより、反軸受側から軸受側に向かう空気の流れが生じ、間座側グリース溜りS2のグリースGの基油が軸受空間S1へ移動するので、軸受空間S1に供給されるグリースの量を増加することができ、グリース寿命を延長することができる。また、間座側グリース溜りS2におけるグリースGが毛細管現象により軸受空間S1に加わってグリース寿命を伸ばすことができ、さらに、カウンターボア側と反カウンターボア側でのグリース量がバランスすることができる。
(第4実施形態)
次に、図4を参照して、本発明に係る軸受装置が組み込まれた工作機械用の主軸装置について説明する。
本実施形態の主軸装置40は、第1実施形態で説明した軸受装置10が組み込まれており、背面組合せで配置した一対のアンギュラ玉軸受11により、主軸32を回転自在に支承している。背面組合せで配置された一対のアンギュラ玉軸受11は、一対の内輪14間に配置した内輪間座13、及び位置決めスリーブ13A,13Bで位置決めされて、内輪固定ナット33により主軸32に締め付け固定されている。また、一対のアンギュラ玉軸受11の外輪15は、ハウジング30に嵌合すると共に、一対の外輪15間に配置した外輪間座12、及び位置決めスリーブ14Aで位置決めされ、外輪押え蓋34によりハウジング30内に位置決め固定されている。
なお、本実施形態の外輪間座12には、軸方向中央に設けられた外輪間座側フランジ部12cに径方向に延びる通気孔35が形成されている。また、ハウジング30には、外輪間座12の通気孔35に連通する空気補給路36が設けられている。
そして、主軸32の回転に伴って生じる空気流により、軸受空間S1及び間座側グリース溜りS2に封入されたグリースGの基油が、空気流と共に外輪15の転走面に流れ込んで潤滑する。外内輪間座12,13の隙間から一対のアンギュラ玉軸受11に吸込まれた空気は、空気補給路36から常時補給される。
以上説明したように、本実施形態の主軸装置40によれば、軸受装置10は、外輪間座12及び内輪間座13の軸方向両側に、背面組合せされて配置される一対のアンギュラ玉軸受11を備え、軸受装置10を介して主軸32をハウジング30に対して回転自在に支承するため、背面組合せされた一対のアンギュラ玉軸受11に安定してグリースを供給し、主軸装置40の高速化、長寿命化が可能となる。
また、外輪間座12には、ハウジング30に形成された空気補給路36を介して間座側グリース溜りS2に空気を補給するための通気孔35が形成されているので、通気孔35から空気が常時供給され、空気流を安定して発生させることができる。
なお、主軸装置40に組み込まれる軸受装置10は、上記実施形態のものに限定されず、第2及び第3実施形態の軸受装置10も同様に適用可能であり、同様の効果を奏する。
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
10 軸受装置
11 アンギュラ玉軸受
12 外輪間座
12b 外輪間座側テーパ面
12c 外輪間座側フランジ部
12d 凹部
13 内輪間座
13b 内輪間座側フランジ部
13e 内輪間座側テーパ面
14 内輪
14a 内輪軌道面
15 外輪
15a 外輪軌道面
16 玉
30 ハウジング
32 回転軸(主軸)
40 主軸装置
G グリース
L ラビリンス
S1 軸受空間
S2 間座側グリース溜り
α 接触角

Claims (4)

  1. 外周面に内輪軌道面を有する内輪と、内周面に外輪軌道面を有する外輪と、所定の接触角をもって前記内輪軌道面と前記外輪軌道面との間に転動自在に配置される複数の玉と、をそれぞれ備え、前記内輪の外周面及び前記外輪の内周面との間の軸受空間にグリースが封入され、且つ、背面組合せで配置される一対のアンギュラ玉軸受と、
    前記一対のアンギュラ玉軸受の外輪間に当接配置される外輪間座と、
    前記一対のアンギュラ玉軸受の内輪間に当接配置されると共に、互いに当接配置される一対の内輪間座と、
    を備える軸受装置であって、
    前記外輪間座の内周面と前記一対の内輪間座の外周面は、互いに対向して、前記各軸受空間に連通する一対のラビリンスを形成するように、前記軸受に向かって大径となるテーパ面をそれぞれ有し、
    前記外輪間座は、その内径側で、前記一対のラビリンス間に画成され、前記一対のラビリンスを介して前記軸受空間と連通する間座側グリース溜りを有し、該間座側グリース溜りにはグリースが封入され
    前記一対の内輪間座は、外周面が前記テーパ面を備え、径方向外側に延出する内輪間座側フランジ部をそれぞれ有し、
    前記内輪間座側フランジ部より軸方向内側の外周面には、前記軸受に向かって大径となる他のテーパ面が形成されることを特徴とする軸受装置。
  2. 前記軸受空間及び前記間座側グリース溜りの少なくとも一方には、ゲル化剤を混入したグリースが封入されることを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。
  3. 請求項1又は2に記載の軸受装置を備え、前記軸受装置を介して主軸をハウジングに対して回転自在に支承することを特徴とする主軸装置。
  4. 前記外輪間座には、前記ハウジングに形成された空気補給路を介して間座側グリース溜りに空気を補給するための通気孔が形成されていることを特徴とする請求項に記載の主軸装置。
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