JP6316553B2 - 機械式駐車場設備の制御装置およびこれを備えた機械式駐車場設備 - Google Patents

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Description

本発明は、機械式駐車場設備に係り、特に車両の入庫時および出庫時に、該車両のユーザー(ドライバー)自身がリモコン送信機を使って操作盤を遠隔操作するように構成された機械式駐車場設備の制御装置およびこれを備えた機械式駐車場設備に関するものである。
オフィスビルやマンション等に併設されている機械式駐車場設備(立体駐車場等)では、契約したユーザーだけが使用するため、予め各ユーザーに暗証番号を付与したり、リモコン送信機を貸与しておき、各ユーザーが車両を入出庫させる際には、入出庫扉の外部に設置された操作盤や、マンションのロビー等に設けられた出庫予約盤等に暗証番号を入力するか、あるいはリモコン送信機から発信される認証情報を受信させることによってユーザー認証を行い、車体を搬送するパレット、リフト等の呼び出しと、入出庫扉の開閉操作とを行わせている。
例えば、特許文献1に開示されている機械式駐車設備では、リモコン送信機で入出庫扉を閉められるようにするために、場内を見渡せる場所に操作盤(リモコン受信機)が設置され、リモコン操作で入出庫扉を閉めるようになっている。このようなリモコン送信機は、一般にボタン型の電池を動作電源としている。
一方、例えば特許文献2に記載されている機械式駐車設備のように、操作盤を部外者の悪戯や風雨等から保護するために、操作盤に開閉可能且つ施錠可能な蓋を設けたものがある。この場合、各ユーザーには蓋を解錠するための鍵が貸与されており、例えばリモコン送信機の電池が切れた時や、リモコン送信機を携帯していない時には、鍵で施錠を解錠して蓋を開き、操作盤に暗証番号を入力してユーザー認証および機械操作を行うようになっている。
特開2009−91799号公報 特許第4356230号公報
しかしながら、前記のような従来の機械式駐車場設備では、リモコン送信機で認証および機械操作を行っている最中に電池が切れると、以後の操作ができなくなるという問題があった。そうなると、例えば1回目のユーザー認証はできても、入出庫の後で2回目のユーザー認証を行うことができなくなる。そのような場合は暗証番号を手動入力してユーザー認証を行えば引き続き操作を行うことができるが、暗証番号の手動入力は煩わしい。また、暗証番号を忘れてしまうと操作ができず、入出庫扉を閉められなくなるといった不具合が発生する。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、リモコン送信機の電池が切れた時でも、暗証番号を入力することなく簡単にユーザー認証を行い、操作盤を操作することができる機械式駐車場設備の制御装置およびこれを備えた機械式駐車場設備を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
即ち、本発明に係る機械式駐車場設備の制御装置は、入出庫扉の外部に設置され、ユーザー認証と入出庫予約と前記入出庫扉の開閉操作等を含む機械操作の入力を行うための操作盤と、内蔵された電池から電力を供給され、前記ユーザー認証や前記操作盤の遠隔操作等を行う各種のリモコン信号を送信することができるリモコン送信機と、を具備し、入庫時及び出庫時のそれぞれにおいて複数回のユーザー認証を行う機械式駐車場設備の制御装置であって、前記リモコン送信機には、前記リモコン信号を送信するリモコン信号送信部と、ユーザーの認証情報を記憶し、前記電池の電力を使用することなく、前記操作盤から発信される電磁波を受信することにより自ら励磁電力を発生させて起動し、前記認証情報を無電源認証信号に変換して前記操作盤に送信する無電源認証信号送信部と、が設けられ、前記操作盤には、前記リモコン信号送信部から送信される前記リモコン信号を受信するリモコン信号受信部と、前記電磁波を発信するとともに、前記リモコン送信機が所定の距離以内に接近した時に、前記無電源認証信号送信部から送信される前記無電源認証信号を受信する無電源認証信号受信部と、が設けられ、前記操作盤は、前記リモコン信号受信部による前記リモコン信号の受信、または前記無電源認証信号受信部による前記無電源認証信号の受信の少なくとも一方が行われることによって前記ユーザー認証に関する処理を行い、前記操作盤は、前記リモコン送信機の電池残量が所定値を下回った場合に、当該ユーザーのデータベースに電池残量少のデータを記憶させ、それ以降に行われる当該ユーザーの認証操作を、前記無電源認証信号送信部を使用して行うように当該ユーザーにガイダンスすることを特徴とする。
上記構成の制御装置によれば、リモコン送信機の電池残量が充分にある時は、ユーザーは操作盤から離れた位置からリモコン送信機を使って遠隔操作し、ユーザー認証および機械操作を行うことができる。即ち、リモコン送信機のリモコン信号送信部からリモコン信号が送信され、このリモコン信号を操作盤のリモコン信号受信部が受信してユーザー認証および機械操作が行われる。
また、リモコン送信機の電池が切れた時は、リモコン信号送信部が機能しなくなり、操作盤から離れた位置からの遠隔操作ができなくなる。この場合でも、リモコン送信機を操作盤に近付ければ、リモコン送信機の無電源認証信号送信部が操作盤の無電源認証信号受信部に対して所定の距離以内に接近し、無電源認証信号送信部が無電源認証信号受信部から発信される電磁波を受信して自ら励磁電力を発生させて起動し、ユーザーの認証情報を無電源認証信号に変換して無電源認証信号受信部に送信する。操作盤は、この無電源認証信号を受信してユーザー認証を行う。
このため、リモコン送信機の電池が切れた時でも、暗証番号を入力することなく簡単にユーザー認証を行い、操作盤を手動で操作することができる。しかも、操作盤を遠隔操作している最中にリモコン送信機の電池が切れたとしても、リモコン送信機を操作盤に近付けることによってユーザー認証を行い、引き続き操作盤の操作を続行することができるため、入出庫扉を閉められなくなるといった不具合を解消することができる。
また、上記構成の制御装置によれば、リモコン送信機の電池残量が所定値を下回ると、操作盤は、このユーザーのデータベースに電池残量少のデータを記憶する。そして、それ以降に行われる当該ユーザーの認証操作を、リモコン送信機の無電源認証信号送信部を使用して行うようにガイダンスする。このため、ユーザーは、リモコン送信機を何度も無駄に操作することなく、速やかにリモコン送信機を操作盤に近付けて無電源認証信号送信部を使用してユーザー認証を行い、操作盤を手動操作して機械操作を行うことができる。
また、上記構成の制御装置において、前記操作盤は、前記リモコン送信機の電池残量が前記所定値を下回った場合に、前記電池の残量が少ないことを前記ユーザーに警告することとしてもよい。例えば、前記リモコン送信機は、前記電池の残量が所定値を下回った時に、前記リモコン信号の送信時に電池残量警告信号を同時に送信し、前記操作盤は、前記電池残量警告信号を受信した時に、前記電池の残量が少ないことを前記ユーザーに警告するようにしてもよい。
上記構成の制御装置によれば、リモコン送信機の電池残量が所定値を下回ると、リモコン送信機からリモコン信号の送信と同時に電池残量警告信号が送信され、操作盤は、この電池残量警告信号を受信してユーザーに電池の残量が少ないことを警告する。このため、ユーザーは、電池の残量が少ないことを早目に認識することができ、電池交換を行ってリモコン送信機の動作不良を未然に防止することができる。
また、上記構成の制御装置において、前記操作盤に、開閉可能、且つ施錠可能な蓋を設け、前記リモコン送信機には、前記蓋の施錠を解錠可能な機械式キーを付属させてもよい。
上記構成の制御装置によれば、操作盤に施錠可能な蓋を設けることにより、操作盤を部外者の悪戯や風雨等から保護して保安性を高めることができる。リモコン送信機により操作盤を遠隔操作する場合は蓋を開ける必要はない。しかし、リモコン送信機の電池が切れた時には、蓋の施錠を解錠して操作盤を手動操作する必要がある。この場合には、リモコン送信機に付属する機械式キーで蓋の施錠を解錠し、蓋を開けて操作盤を手動操作する。
このように、リモコン送信機に機械式キーを付属させることにより、操作盤の保安性を確保しながら、リモコン送信機が電池切れした時でもユーザーが操作盤を手動操作できるようにし、機械式駐車場設備の利便性を高めることができる。
上記構成の制御装置において、前記電池残量少のデータが前記ユーザーのデータベースに記憶された後に、前記リモコン送信機の電池残量が前記所定値以上となった場合には、前記ユーザーのデータベースに記憶されていた前記電池残量少のデータを消去することとしてもよい。
また、上記構成の制御装置は、前記操作盤と情報を交換し、入出庫処理を実行する主制御部を更に有し、前記ユーザーのデータベースが前記主制御部に設けられることとしてもよい。
また、本発明に係る機械式駐車場設備は、上記の制御装置を備えたことを特徴とするため、リモコン送信機の電池が切れた時でも、暗証番号を入力することなく簡単にユーザー認証を行い、操作盤を操作することができる。
また、本発明に係る機械式駐車場設備の操作盤は、内蔵された電池から電力の供給を受けて、少なくともユーザーの認証情報に関する認証信号を送信するリモコン信号送信部と、前記電池の電力を使用することなく、外部から発信される電磁波を受信することにより自ら励磁電力を発生させて起動し、前記ユーザーの認証情報に関する無電源認証信号を送信する無電源認証信号送信部とを備えるリモコン送信機との間で通信を行うとともに、入庫時及び出庫時のそれぞれにおいて複数回のユーザー認証を行う機械式駐車場設備に用いられる操作盤であって、前記リモコン信号送信部から送信された前記認証信号を受信するリモコン信号受信部と、前記電磁波を発信するとともに、前記リモコン送信機が所定の距離以内に接近した時に、前記無電源認証信号送信部から送信された前記無電源認証信号を受信する無電源認証信号受信部と、を有し、前記リモコン信号受信部によって前記認証信号が受信された場合、または、前記無電源認証信号受信部によって前記無電源認証信号が受信された場合に、ユーザー認証に関する処理を行い、前記リモコン送信機の電池残量が所定値を下回った場合に、前記機械式駐車場設備の主制御部が備える当該ユーザーのデータベースに電池残量少のデータを記憶させ、それ以降に行われる当該ユーザーの認証操作を、前記無電源認証信号送信部を使用して行うように当該ユーザーにガイダンスすることを特徴とする
上記構成の操作盤において、前記電池残量少のデータが記憶された後に、前記リモコン送信機の電池残量が前記所定値以上となった場合には、当該ユーザーのデータベースに記憶されていた前記電池残量少のデータを消去することとしてもよい。
以上のように、本発明に係る機械式駐車場設備の制御装置およびこれを備えた機械式駐車場設備によれば、リモコン送信機の電池が切れた時でも、暗証番号を入力することなく簡単にユーザー認証を行い、操作盤を操作することができる。また、ユーザーはリモコン送信機の電池が切れたことを認識することができ、早目に電池を交換してリモコン送信機の動作不良を未然に防止することができる。
本発明を適用可能な機械式駐車場設備の一例を示す立体駐車場の縦断面図である。 乗入階、入出庫口、操作盤、主制御部等を示す斜視透視図である。 操作盤および蓋の正面図である。 蓋を開いた操作盤の斜視図である。 入出庫口、操作盤、主制御部、リモコン信号受信部(アンテナ)等を示す縦断面図である。 リモコン送信機の斜視図である。 リモコン送信機から機械式キーが取り出された状態を示す斜視図である。 立体駐車場の制御装置の全体概略構成を示すブロック図である。 リモコン送信機の電池残量が少なくなった時にディスプレイ画面に表示される警告表示およびガイダンス表示を示す図である。 リモコン送信機を使って操作盤を遠隔操作し、入庫予約および入庫操作を行う場合の流れを示すタイムチャートである。 リモコン送信機の電池が切れた時における入庫予約および入庫操作の流れを示すタイムチャートである。 リモコン送信機を使って操作盤を遠隔操作し、出庫予約および出庫操作を行う場合の出庫時の流れを示すタイムチャートである。 リモコン送信機の電池が切れた時における出庫予約および出庫操作の流れを示すタイムチャートである。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る制御装置を適用可能な立体駐車場(機械式駐車場設備)の一例を示すエレベータ式の立体駐車場の縦断面図である。なお、本発明に係る制御装置および制御方法は、以下に述べるエレベータ式の立体駐車場に限らず、複数の駐車スペースに搬送機で駐車車両を入出庫させる機械式駐車場設備であれば、他の様々な形式のものにも幅広く適用することができる。
図1に示すように、立体駐車場1は、複数の車両2を収容可能なタワー型の駐車塔3を備えている。駐車塔3の一階部分には車両2を入出庫させる入出庫口4が開設されており、その外側上部に雨よけの庇5が設けられている。入出庫口4には上下スライド式の入出庫扉4aが設けられている。
駐車塔3の地上階は図2にも示す乗入階7となっており、その床面には車両2の方向を転換させるターンテーブル8が設置されている。ターンテーブル8は、乗入階7の床面に形成された凹状のピット9内に旋回板10と旋回駆動部11が設けられた構成である。
駐車塔3の中心部には垂直な昇降通路13が形成されており、この中にリフト14(エレベータ状の搬送機)が上下に昇降可能に設けられている。リフト14は、例えば駐車塔3の上部に設けられた図示しないウインチから下方に延びる4組のワイヤロープ15に四隅を吊持され、上記ウインチが起動することにより昇降通路13内を上下に昇降することができる。
一方、昇降通路13の両側には車両格納棚17が設けられている。この車両格納棚17は、昇降通路13を挟むようにして上下に多階層状に設けられており、それぞれの車両格納棚17には車両を積載するためのパレット18が1枚ずつ収容されている。なお、車両格納棚17の支柱等は図示が省略されている。
リフト14と車両格納棚17の床面には、両者14,17の床面の高さが一致した時に、空荷のパレット18、または車両2が積載されたパレット18を、リフト14から車両格納棚17に、または車両格納棚17からリフト14に、スムーズに受け渡すことができる図示しない受渡機構が設けられている。
車両2の入庫時は、まず空のパレット18が収容されている車両格納棚17から、リフト14によって空のパレット18が乗入階7に降ろされ、このパレット18に車両2が乗り上げて、そのままパレット18ごとターンテーブル8によって90°方向転回された後、リフト14で昇降通路13を上昇し、車両格納棚17に収容される。
また、出庫時は、出庫する車両2が収容されている車両格納棚17の高さまでリフト14が上昇し、パレット18ごと出庫車両がリフト14に引き取られ、そのままパレット18はリフト14によって乗入階7に降ろされ、出庫車両が入出庫口4から出庫する。
図2は、乗入階7を示す斜視透視図である。外側から見て、入出庫口4に向かって左側に非常用出入口20があり、入出庫口4の上部に青と赤のランプを備えた入庫管制灯21が設けられている。また、図1、図2、および図5に示すように、入出庫口4に向かって右側、且つ庇5の下に操作盤22(入出庫予約盤)が設けられている。
操作盤22は、ユーザーが各自で、ユーザー認証と、入出庫予約と、入出庫扉4aの開閉操作等を含む機械操作とを行う入力部であり、庇5の下に設置されることによって風雨から保護されている。さらに、操作盤22の上方の壁面等に、緑、黄、赤の3色を有する三色灯23が設置されている。
乗入階7の内部には、中央部にパレット18が配置されるスペースがあり、入出庫口4の正面の壁には車両の位置をドライバーが確認するための鏡24と、「前進」、「停車」、「後退」の指示を行う電光式の停車位置指示灯25が設けられている。また、乗入階7の両側面の壁には、車両の大きさや前後位置を検知するための人感・車両センサ26,27や、非常停止ボタン28等が設けられている。停車位置指示灯25は、人感・車両センサ26,27により検知される車両位置のデータに基づいて、車両2のドライバーに車両位置の指示を行う。
さらに、図1、図2および図5に示すように、乗入階7の内部等に、この立体駐車場1の全体の制御を行う主制御部(CPU)30が設置されている。主制御部30は、後述する制御装置60の主要部であり、入出庫口4、ターンテーブル8、リフト14等による一連の入出庫動作(機械操作)を実行する装置である。主制御部30には操作盤22が接続されており、操作盤22と情報を交換しながら入出庫操作を実行する。
図3に示すように、操作盤22は、手前側に開口する筐体33と、この筐体33の開口部を覆う開閉可能な蓋34とを備えており、筐体33の内部には、図4に示すように、例えばタッチパネル式の液晶画面である操作画面35(表示部35aと入力部35bとを備える)と、認証用のトランスポンダリーダー36(無電源認証信号受信部:ユーザーにはIDタッチパネルと説明されている)と、非常停止ボタン37等とが配置されている。操作画面35を使用しない時には、蓋34を閉じることで操作画面35を外部から覆い、部外者の悪戯や風雨等から保護することができる。
また、蓋34には、引き開けるための取手を兼ねるとともに、蓋34を施錠するための施錠部38が設けられている。施錠部38は、蓋34が閉められると同時に施錠されるオートロック形式であるが、主制御部30からの解錠信号を受けると、図示しないソレノイド等の駆動機構によって解錠されるように構成されている。さらに、施錠部38は、蓋34の開閉状態を主制御部30に出力することができる。
施錠部38は、そのキーシリンダ38aに、後述するリモコン送信機50に内蔵された専用の機械式キー56を差し込んで捻ることにより、手動で解錠および施錠することができるが、リモコン送信機50を用いれば、主制御部30から解錠司令を出力させて自動解錠させることができる。さらに、蓋34には、施錠部38の解錠時に緑色に点灯し、施錠時に赤色に点灯する施錠灯39と、非常停止ボタン40と、ディスプレイ画面41と、リモコン操作専用の3色(緑、黄、赤)を有する三色灯42と、リモコン信号検知部43(赤外線リモコン信号の受信部)と、確認ボタン44と、扉開ボタン45等が設置されている。また、例えば筐体33の下面にLF送信アンテナ46が設けられている。
また、図2および図5に示すように、操作盤22にはRF受信アンテナ48(リモコン信号受信部)が設けられている。このRF受信アンテナ48は、例えば庇5の下部に設置されており、ユーザーが所持しているリモコン送信機50から発信される各種のリモコン信号SA,SB,SCを受信し、操作盤22に設けられた後述の操作盤制御部に伝送するアンテナである。一方、LF送信アンテナ46はリモコン送信機50に対してLF信号SDを送信する。
一方、図5に示すように、この立体駐車場1を利用するユーザーには、当該ユーザー自身の固有の認証情報(ID)を記憶されたリモコン送信機50が貸与され、ユーザーが機械式駐車場1を利用する時に携帯することが求められる。このリモコン送信機50は、例えばタグやキーホルダー状に形成され、車両のキーと一緒に持ち歩いたり、鞄やバック等に入れたりして持ち運ぶものである。リモコン送信機50は、電池(ボタン型電池等)を内蔵されており(図8参照)、この電池から電力を供給されて、後述するようにユーザー認証や操作盤22の遠隔操作等を行う各種のリモコン信号SA,SB,SCを送信することができる。
図6および図7に示すように、リモコン送信機50には、その本体ケース51の片面に、認証ボタン52と、起動ボタン53(呼出ボタン)と、扉開ボタン54と、送信ランプ55とが設けられるとともに、操作盤22の蓋34の施錠を解錠可能な機械式キー56が付属している。機械式キー56は、例えば本体ケース51の内部に抜き差し可能に内蔵され、図示しないロックボタンを押すことによって本体ケース51から抜き取ることができる。この機械式キー56を操作盤22のキーシリンダ38aに差し込んで捻ることにより、施錠部38の施錠を手動で解錠し、操作盤22の蓋34を開けることができる。
操作盤22のRF受信アンテナ48がリモコン送信機50から送信されるリモコン信号SA,SB,SCを受信できる距離(検知範囲)は、例えば3m程度に設定されている。これにより、遠くに居る他のユーザーのリモコン信号SA,SB,SCを無用に受信してしまうことが防止されるとともに、入出庫するユーザーが車両に乗車したままでもリモコン信号SA,SB,SCを送信できるようになっている。なお、RF受信アンテナ48を庇5の下部に設けることによって風雨や落雷等から保護することができる。
図8は、この立体駐車場1の制御装置の全体概略構成を示すブロック図である。
この制御装置60は、乗入階7の内部に設置された主要部である主制御部30と、操作盤22と、ユーザーが携帯するリモコン送信機50とを備えて構成されている。
まず、主制御部30には、データベース61、機械制御部62、施錠制御部63等が含まれている。データベース61には、立体駐車場1内の在車状況、各契約車両に対応するパレット形状、EV(電動車両)の充電の必要の有無、ユーザー登録情報等の各データが記憶されている。機械制御部62は、旋回駆動部11、リフト14、入出庫扉4a等の制御を行う。施錠制御部63は、操作盤22の蓋34の施錠状態、開閉状態を把握するとともに、蓋34の施錠部38を解錠させる解錠信号を発信する。
一方、操作盤22には、操作盤制御部65が内蔵され(図5も参照)、この操作盤制御部65に、操作画面35を構成する表示部35aおよび入力部35bと、前述の非常停止ボタン37,40、施錠部38、キーシリンダ38a、RF受信アンテナ48(リモコン信号受信部)、LF送信アンテナ46、トランスポンダリーダー36(無電源認証信号受信部)等が接続されている。操作盤22のトランスポンダリーダー36は電磁波EMWを発信している。
他方、リモコン送信機50には、リモコン制御部68が内蔵され、このリモコン制御部68に、前述の認証ボタン52、起動ボタン53、扉開ボタン54、送信ランプ55等が接続されている。また、リモコン送信機50には電源となる電池70が交換可能に内蔵され、リモコン制御部68に電力を供給している。さらに、リモコン制御部68には、電池残量センサ71、RF送信アンテナ72、LF受信アンテナ73、トランスポンダ74(無電源認証信号送信部)等が接続されている。
リモコン送信機50のRF送信アンテナ72は、操作盤22のRF受信アンテナ48に各種のリモコン信号SA,SB,SCを送信するアンテナである。ここで、SAはID信号、SBは機械操作信号、SCは電池残量警告信号である。
また、LF受信アンテナ73は、操作盤22のLF送信アンテナ46から送信されるLF信号SDを受信するアンテナである。このLF信号SDは、リモコン送信機50に対して認証(ID)を問い合わせる司令信号である。
リモコン送信機50のトランスポンダ74は、ユーザーの認証情報を記憶しており、電池70の電力を使用することなく、操作盤22のトランスポンダリーダー36から発信される電磁波EMWを受信することにより自ら励磁電力を発生させて起動し、ユーザーの認証情報を無電源認証信号SEに変換して操作盤22に送信するように構成されている。
また、電池残量センサ71は、電池70の残量を監視する、所謂AD変換機であり、電池70の電圧のアナログ値を検出してデジタル値に変換し、その結果をリモコン制御部68に随時入力するようになっている。
操作盤22のトランスポンダリーダー36は、電磁波EMWを発信しながら、リモコン送信機50が所定の距離以内に接近した時に、リモコン送信機50のトランスポンダ74から送信される無電源認証信号SEを受信するようになっている。
そして、操作盤22は、RF受信アンテナ48によるリモコン信号(ID信号SA)の受信、またはトランスポンダリーダー36による無電源認証信号SEの受信の少なくとも一方が行われることによってユーザー認証を行うことができる。
以上のように構成された制御装置60によれば、リモコン送信機50の電池残量が充分にある時は、ユーザーは操作盤22から離れた位置からリモコン送信機50を使って遠隔操作し、ユーザー認証および機械操作を行うことができる。
この時には、リモコン送信機50のRF送信アンテナ72からID信号SAが送信され、このID信号SAを操作盤22のRF受信アンテナ48が受信することによってユーザー認証が行われる。このID認証が成功した後に、リモコン送信機50のRF送信アンテナ72から機械操作信号SBを送信することにより、パレットの呼び出しや入出庫扉4aの閉扉といった機械操作を行うことができる。
また、リモコン送信機50の電池70が切れた時は、RF送信アンテナ72が機能しなくなり、操作盤22から離れた位置からの遠隔操作ができなくなる。この場合でも、リモコン送信機50から機械式キー56を取り出し、この機械式キー56を操作盤22の蓋34のキーシリンダ38aに挿し込んで捻ることにより、施錠部38の施錠を解錠し、蓋34を開けてユーザー認証および操作盤22の操作を行うことができる。
この時には、リモコン送信機50を操作盤22のトランスポンダリーダー36にタッチすることにより、リモコン送信機50のトランスポンダ74がトランスポンダリーダー36に対して所定の距離以内に接近することになるため、トランスポンダ74がトランスポンダリーダー36から発信される電磁波EMWを受信して自ら励磁電力を発生させて起動し、ユーザーの認証情報を無電源認証信号SEに変換してトランスポンダリーダー36に送信する。操作盤22は、この無電源認証信号SEを受信してユーザー認証を行う。また、操作盤22の操作画面がタッチパネルとして起動し、ユーザーが手動で入出庫操作や入出庫扉4aの閉扉等の操作を行うことができる。
このように、リモコン送信機50の電池70が切れた時でも、暗証番号を入力することなく簡単にユーザー認証を行い、操作盤22を手動で操作することができる。しかも、操作盤22を遠隔操作している最中にリモコン送信機50の電池が切れたとしても、上記のようにモコン送信機50を操作盤22のトランスポンダリーダー36に近付ける(タッチする)ことによってユーザー認証を行い、引き続き操作盤22の操作を続行することができる。このため、入出庫扉4aを閉められなくなるといった不具合を解消することができる。
ところで、図5、図8に示すように、リモコン送信機50は、電池70の残量が所定値(例えば本来通常3Vの電圧がある電池なら2.5V程度)を下回った時に、リモコン信号の送信時に電池残量警告信号SCを同時に送信する。
一方、操作盤22(操作盤制御部65)は、この電池残量警告信号SCを受信した時に、電池70の残量が少ないことをユーザーに警告する。具体的には、図9に示すように、操作盤22の蓋34のディスプレイ画面41に「リモコンの電池を交換して下さい」と表示するとともに、音声でも警告する。同時に、例えば図2、図5に示す三色灯23を点灯表示から点滅表示に切り替えるようにしてもよい。
このように、リモコン送信50機の電池70の残量が少なくなったことがユーザーに警告されるため、ユーザーは、電池残量が少ないことを早目に認識することができ、早期に電池交換を行ってリモコン送信機50の動作不良を未然に防止することができる。
また、操作盤22(操作盤制御部65)は、リモコン送信機50から電池残量警告信号SCを受信した時に、主制御部30のデータベース61に、当該ユーザーの個人データとして、電池残量が少ないことをデータとして記憶する。そして、それ以降に行われる当該ユーザーの認証操作を、リモコン送信機50のトランスポンダ74を使用して行うように当該ユーザーにガイダンスする。具体的には、図9に示すように、ディスプレイ画面41に「リモコンをIDタッチパネル(トランスポンダリーダー36)にタッチしてユーザー認証して下さい」と表示するとともに、音声でも案内する。
このように、リモコン送信機50の電池70の残量が少なくなった時に、当該ユーザーにリモコン送信機50のトランスポンダ74を使用してユーザー認証を行うようにガイダンスが行われるため、ユーザーは、リモコン送信機50を何度も無駄に操作することなく、速やかにリモコン送信機50をトランスポンダリーダー36にタッチしてユーザー認証を行い、操作盤22を手動操作して機械操作を続行することができる。
その後、当該ユーザーがリモコン送信機50の電池70を交換し、再度来場してリモコン送信機50を操作した時は、電池70の電圧が復活しているために、電池残量警告信号SCが送信されなくなる。このため、操作盤22(操作盤制御部65)は、データベース61に記憶されていた電池残量少のデータを消去(リセット)する。
ところで、操作盤22には開閉可能、且つ施錠可能な蓋34が設けられているため、この蓋34によって操作盤22を部外者の悪戯や風雨等から保護して保安性を高めることができる。リモコン送信機により操作盤22を遠隔操作する場合は蓋34を開ける必要はないが、リモコン送信機50の電池が切れた時には、リモコン送信機50に付属する機械式キー56を使って蓋34の施錠を解錠し、蓋34を開けて操作盤22を手動操作する必要がある。
このように、リモコン送信機50に機械式キー56を付属させることにより、操作盤22の保安性を確保しながら、リモコン送信機50が電池切れした時でもユーザーが操作盤22を手動操作できるようにし、立体駐車場1の利便性を高めることができる。
次に、上記のように構成された立体駐車場1において、電池70が健全なリモコン送信機50を使って操作盤22を遠隔操作し、入庫予約および入庫操作を行う場合の流れについて、図10に示すタイムチャートを参照しながら説明する。
このタイムチャートは、入出庫口4の前の状況と、操作盤22の状況と、乗入階7の状況と、立体駐車場1の動作状況とが横並びで、上方から下方に向かって時間と共に推移していく様子が表示されており、各動作(アクション)には符号A1,A2,A3…を付してある。
入庫時には、まず入庫する車両が入出庫口4の前に停車し(A1)、ユーザーは車内からリモコン送信機50の認証ボタン52を押す(A2)。これにより、リモコン送信機50からID信号SAが送信されて操作盤22に受信され、1回目のユーザー認証が行われる。このユーザー認証が成功すると、三色灯23(42)の点灯色が緑色から黄色に切り替わる。この時、主制御部30の施錠制御部63から蓋34の施錠部38を解錠させる解錠信号が発信され、蓋34の施錠が自動的に解錠されて蓋34の施錠灯39の表示色が赤色から緑色に切り替わる。
次にユーザーは、リモコン送信機50の起動ボタン53(呼出ボタン)を押す(A3)。これにより、立体駐車場1内の空きパレットが呼び出され(A4)、立体駐車場1が起動して空きパレットの搬送が開始される(A5)。この時、三色灯23(42)の点灯色が黄色から赤色に切り替わることによってユーザーに機械の起動が通知される。機械が起動すると入庫管制灯21が無点灯から青色点灯に切り替わる。
空きパレットが乗入階7に到着すると、入出庫扉4aが自動的に開く(A6)。車両内で待機していたユーザーは車両を運転して入出庫口4の前から乗入階7の中に乗り入れ(A7)、車両をパレット上の定位置に停車させた後に降車して操作盤22の前へ移動する(A8)。
次にユーザーは、リモコン送信機50の認証ボタン52を押し(A9)、これにより2回目のユーザー認証が行われる。なお、ユーザーが乗入階7の中に居る時に他のユーザーが来場して自身のリモコン送信機50の認証ボタン52を押したとしても、1回目の認証結果と2回目の認証結果とが異なるために認証は失敗し、他のユーザーは操作盤22を遠隔操作および手動操作することができない。
そして、認証されているユーザーは、自動解錠されている操作盤22の蓋34を開け(A10)、乗入階7の内部の安全を確認してから操作画面35に表示されている安全確認ボタンを押す(A11)。次に、操作画面35に表示される扉閉ボタンを押し(A12)、入出庫扉4aが閉じたのを確認したら、操作盤22の蓋34を閉じる(A13)。蓋34は施錠部38により自動施錠される。これで入庫操作が完了する。
上記の一連の操作を行う時に、リモコン送信機50の電池70の残量が少なくなっている時には、ディスプレイ画面41(または操作画面35)に、図9に示す警告やガイダンス(案内)が表示される。また、この時には、三色灯23(42)が点滅するようになっている。
次に、リモコン送信機50の電池70が切れた時(弱っている時)における入庫予約および入庫操作の流れについて、図11に示すタイムチャートを参照しながら説明する。
まず、入庫する車両が入出庫口4の前に停車し(A21)、ユーザーはリモコン送信機50の認証ボタン52を押して認証しようとするが、電池70の残量が所定値を下回っているため、前述のように操作盤22の蓋34のディスプレイ画面41に図9の警告および案内がなされる。このため、ユーザーは車両から降りて操作盤22の前に移動し(A22)、リモコン送信機50に付属している機械式キー56で操作盤22の蓋34を開ける(A23)。そして、操作画面35に表示されている認証ボタンを押す(A24)。次に、操作画面35に「リモコンをIDタッチパネル(トランスポンダリーダー36)にタッチしてユーザー認証して下さい」と表示されるため、ユーザーはリモコン送信機50を操作盤22のトランスポンダリーダー36にタッチする(A25)。これに基づいて1回目のユーザー認証が行われる。
1回目のユーザー認証が成功すると、操作画面35に起動ボタンが表示されるため、ユーザーはこの起動ボタンを押し(A26)、これによって空きパレットが呼び出され(A27)、立体駐車場1が起動して空きパレットの搬送が開始される(A28)。この時、三色灯23(42)の点灯色が黄色から赤色に切り替わることによってユーザーに機械の起動が通知される。機械が起動すると入庫管制灯21が無点灯から青色点灯に切り替わる。
空きパレットが乗入階7に到着すると、入出庫扉4aが自動的に開く(A29)。この間、ユーザーは入出庫口4の前に停車している車両に戻る(A30)。そして、車両を運転して乗入階7の中に乗り入れ(A31)、車両をパレット上の定位置に停車させた後に降車して操作盤22の前へ移動する(A32)。
次にユーザーは、乗入階7の安全を確認し(A33)、操作盤22の表示画面に表示されている認証ボタンを押し(A34)、次にリモコン送信機50をトランスポンダリーダー36にタッチする(A35)。これに基づいて2回目のユーザー認証が行われる。その後ユーザーは、操作画面35に表示される扉閉ボタンを押し(A36)、入出庫扉4aが閉じたのを確認したら、操作盤22の蓋34を閉じる(A37)。蓋34は施錠部38により自動施錠され、入庫操作が完了する。
次に、電池70が健全なリモコン送信機50を使って操作盤22を遠隔操作し、出庫予約および出庫操作を行う場合の流れについて、図12に示すタイムチャートを参照しながら説明する。
まず、立体駐車場1に来場したユーザーが操作盤22の前に到着し(A41)、リモコン送信機50の認証ボタン52を押す(A42)。これにより、1回目のユーザー認証が行われ、このユーザー認証が成功すると、三色灯23(42)の点灯色が緑色から黄色に切り替わる。この時、主制御部30の施錠制御部63から蓋34の施錠部38を解錠させる解錠信号が発信され、蓋34の施錠が自動的に解錠されて蓋34の施錠灯39の表示色が赤色から緑色に切り替わる。
次にユーザーは、リモコン送信機50の起動ボタン(呼出ボタン)53を押す(A43)。これにより、立体駐車場1内の出庫パレットが呼び出され(A44)、立体駐車場1が起動して出庫パレットの搬送が開始される(A45)。この時、三色灯23(42)の点灯色が黄色から赤色に切り替わることによってユーザーに機械の起動が通知される。機械が起動すると入庫管制灯21が無点灯から赤色点灯に切り替わる。
出庫パレットが乗入階7に到着すると、入出庫扉4aが自動的に開く(A46)。待機していたユーザーは乗入階7内の車両に乗車し(A47)、車両を運転して乗入階7の外へ移動させる(A48)。その後、ユーザーは車両から降りて操作盤22の前へ移動する(A49)。そして、リモコン送信機50の認証ボタン52を押し(A50)、これにより2回目のユーザー認証が行われる。
次にユーザーは、自動解錠されている操作盤22の蓋34を開け(A51)、乗入階7の内部の安全を確認してから操作画面35に表示されている安全確認ボタンを押す(A52)。次に、操作画面35に表示される扉閉ボタンを押し(A53)、入出庫扉4aが閉じたのを確認したら、操作盤22の蓋34を閉じる(A54)。蓋34は施錠部38により自動施錠される。これで出庫操作が完了する。
次に、リモコン送信機50の電池70が切れた時(弱っている時)における出庫予約および出庫操作の流れについて、図13に示すタイムチャートを参照しながら説明する。
まず、立体駐車場1に来場したユーザーが操作盤22の前に到着し(A61)、リモコン送信機50の認証ボタン52を押して認証しようとするが、電池70の残量が所定値を下回っているため、前述のように操作盤22の蓋34のディスプレイ画面41に図9の警告および案内がなされる。このため、ユーザーはリモコン送信機50に付属している機械式キー56で操作盤22の蓋34を開ける(A62)。そして、操作画面35に表示されている認証ボタンを押す(A63)。次に、操作画面35に「リモコンをIDタッチパネル(トランスポンダリーダー36)にタッチしてユーザー認証して下さい」と表示されるため、ユーザーはリモコン送信機50を操作盤22のトランスポンダリーダー36にタッチする(A64)。これに基づいて1回目のユーザー認証が行われる。
1回目のユーザー認証が成功すると、操作画面35に起動ボタンが表示されるため、ユーザーはこの起動ボタンを押し(A65)、これによって出庫パレットが呼び出され(A66)、立体駐車場1が起動して出庫パレットの搬送が開始される(A67)。機械が起動すると入庫管制灯21が無点灯から赤色点灯に切り替わる。出庫パレットが乗入階7に到着すると、入出庫扉4aが自動的に開く(A68)。待機していたユーザーは乗入階7内の車両に乗車し(A69)、車両を運転して乗入階7の外へ移動させる(A70)。その後、ユーザーは車両から降りて操作盤22の前へ移動する(A71)。
次にユーザーは、乗入階7の安全を確認し(A72)、操作盤22の表示画面に表示されている認証ボタンを押し(A73)、次にリモコン送信機50をトランスポンダリーダー36にタッチする(A74)。これに基づいて2回目のユーザー認証が行われる。その後ユーザーは、操作画面35に表示される扉閉ボタンを押し(A75)、入出庫扉4aが閉じたのを確認したら、操作盤22の蓋34を閉じる(A76)。蓋34は施錠部38により自動施錠され、出庫操作が完了する。
以上説明したように、この制御装置60によれば、リモコン送信機50の電池70が切れた時でも、暗証番号を入力することなく簡単にユーザー認証を行い、操作盤22を操作することができる。また、リモコン送信機50の電池70が弱ってきたことがユーザーに警告されるため、ユーザーは早目に電池70を交換してリモコン送信機50の動作不良を未然に防止することができる。
ところで、本発明に係る機械式駐車場設備の制御装置は、上記実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更や改良を加えることができ、このように変更や改良を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。
例えば、上記実施形態では、本発明に係る制御装置を、タワー型の駐車塔3を持つエレベータ式の立体駐車場1に適用した例について説明したが、本発明に係る制御装置は、タワー型、エレベータ式に限らず、平面循環式、多層循環式、垂直循環式、コンベア搬送式等、搬送機により車両が搬送され、入出庫扉を備えたあらゆる種類の機械式駐車場設備に適用することができる。
また、上記実施形態における操作盤22は、必ずしも入出庫口4の近傍に設けられたものでなくてもよく、例えばマンションのエントランスロビーのような遠隔位置に設けられた出庫予約盤や、駐車場設備の入口ゲートに設けられた遠隔入庫予約盤等であってもよい。
1 立体駐車場(機械式駐車場設備)
4 入出庫口
4a 入出庫扉
7 乗入階
22 操作盤
34 蓋
36 トランスポンダリーダー(無電源認証信号受信部)
48 RF受信アンテナ(リモコン信号受信部)
50 リモコン送信機
56 機械式キー
60 制御装置
61 データベース
70 電池
72 RF送信アンテナ(リモコン信号送信部)
74 トランスポンダ(無電源認証信号送信部)
EMW 電磁波
SA ID信号(リモコン信号)
SB 機械操作信号(リモコン信号)
SC 電池残量警告信号(リモコン信号)
SE 無電源認証信号

Claims (8)

  1. 入出庫扉の外部に設置され、ユーザー認証と入出庫予約と前記入出庫扉の開閉操作等を含む機械操作の入力を行うための操作盤と、
    内蔵された電池から電力を供給され、前記ユーザー認証や前記操作盤の遠隔操作等を行う各種のリモコン信号を送信することができるリモコン送信機と、
    を具備し、入庫時及び出庫時のそれぞれにおいて複数回のユーザー認証を行う機械式駐車場設備の制御装置であって、
    前記リモコン送信機には、
    前記リモコン信号を送信するリモコン信号送信部と、
    ユーザーの認証情報を記憶し、前記電池の電力を使用することなく、前記操作盤から発信される電磁波を受信することにより自ら励磁電力を発生させて起動し、前記認証情報を無電源認証信号に変換して前記操作盤に送信する無電源認証信号送信部と、
    が設けられ、
    前記操作盤には、
    前記リモコン信号送信部から送信される前記リモコン信号を受信するリモコン信号受信部と、
    前記電磁波を発信するとともに、前記リモコン送信機が所定の距離以内に接近した時に、前記無電源認証信号送信部から送信される前記無電源認証信号を受信する無電源認証信号受信部と、
    が設けられ、
    前記操作盤は、前記リモコン信号受信部による前記リモコン信号の受信、または前記無電源認証信号受信部による前記無電源認証信号の受信の少なくとも一方が行われることによって前記ユーザー認証を行い
    前記操作盤は、前記リモコン送信機の電池残量が所定値を下回った場合に、当該ユーザーのデータベースに電池残量少のデータを記憶させ、それ以降に行われる当該ユーザーの認証操作を、前記無電源認証信号送信部を使用して行うように当該ユーザーにガイダンスすることを特徴とする機械式駐車場設備の制御装置。
  2. 記操作盤は、前記リモコン送信機の電池残量が前記所定値を下回った場合に、前記電池の残量が少ないことを前記ユーザーに警告することを特徴とする請求項1に記載の機械式駐車場設備の制御装置。
  3. 前記操作盤には、開閉可能、且つ施錠可能な蓋が設けられ、
    前記リモコン送信機には、前記蓋の施錠を解錠可能な機械式キーが付属していることを特徴とする請求項1または2に記載の機械式駐車場設備の制御装置。
  4. 前記電池残量少のデータが前記ユーザーのデータベースに記憶された後に、前記リモコン送信機の電池残量が前記所定値以上となった場合には、前記ユーザーのデータベースに記憶されていた前記電池残量少のデータを消去する請求項1から3のいずれかに記載の機械式駐車場設備の制御装置。
  5. 前記操作盤と情報を交換し、入出庫処理を実行する主制御部を有し、
    前記ユーザーのデータベースは、前記主制御部に設けられている請求項1から4のいずれかに記載の機械式駐車場設備の制御装置。
  6. 請求項1からのいずれかに記載の機械式駐車場設備の制御装置を備えたことを特徴とする機械式駐車場設備。
  7. 内蔵された電池から電力の供給を受けて、少なくともユーザーの認証情報に関する認証信号を送信するリモコン信号送信部と、前記電池の電力を使用することなく、外部から発信される電磁波を受信することにより自ら励磁電力を発生させて起動し、前記ユーザーの認証情報に関する無電源認証信号を送信する無電源認証信号送信部とを備えるリモコン送信機との間で通信を行うとともに、入庫時及び出庫時のそれぞれにおいて複数回のユーザー認証を行う機械式駐車場設備に用いられる操作盤であって、
    前記リモコン信号送信部から送信された前記認証信号を受信するリモコン信号受信部と、
    前記電磁波を発信するとともに、前記リモコン送信機が所定の距離以内に接近した時に、前記無電源認証信号送信部から送信された前記無電源認証信号を受信する無電源認証信号受信部と、
    を有し、
    前記リモコン信号受信部によって前記認証信号が受信された場合、または、前記無電源認証信号受信部によって前記無電源認証信号が受信された場合に、ユーザー認証を行い、
    前記リモコン送信機の電池残量が所定値を下回った場合に、前記機械式駐車場設備の主制御部が備える当該ユーザーのデータベースに電池残量少のデータを記憶させ、それ以降に行われる当該ユーザーの認証操作を、前記無電源認証信号送信部を使用して行うように当該ユーザーにガイダンスすることを特徴とする機械式駐車場設備の操作盤
  8. 前記電池残量少のデータが記憶された後に、前記リモコン送信機の電池残量が前記所定値以上となった場合には、当該ユーザーのデータベースに記憶されていた前記電池残量少のデータを消去する請求項7記載の機械式駐車場設備の操作盤。
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