JP6312563B2 - 保護部材の剥離方法及び剥離装置 - Google Patents

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本発明は、インゴットから切り出されたウエーハの片面に塗布された保護部材を、研削後のウエーハから剥がす保護部材の剥離方法及び剥離装置に関する。
ワークの製造工程では、円柱状のインゴットがワイヤーソーで板状にスライスされてアズスライスウエーハ(ウエーハ)が形成される。ウエーハのスライス面には、ワイヤーソーによるスライス時に複数の線状の切削痕が形成される。また、ウエーハのスライス面には、うねりや反りが発生しており、研削加工やラップ加工が施されることでうねり等が除去される。研削加工でうねりを除去する場合、一方のスライス面を樹脂(保護部材)で平坦にし、この平坦面を研削時の基準面として他方のスライス面が研削加工され、さらに樹脂を剥がして一方のスライス面が研削加工される(例えば、特許文献1−4参照)。
ところで、ウエーハから樹脂を剥がす際に、スライス面に樹脂の一部が残ると、スライス面から残りの樹脂を剥離することが難しい。また、樹脂は、テープのような柔軟性を有していないため、折り曲げながら剥がすことはできない。従来、ウエーハから樹脂を引き剥がす剥離方法として、シート状の樹脂をR形状に曲げながら、スライス面から引き剥がす方法が知られている(例えば、特許文献5参照)。この剥離方法は、樹脂の端部を斜め上方に引き上げつつ、ウエーハを水平方向に移動させることでシート状の樹脂に所定のR形状を作り出している。
特許第4663362号公報 特許第5541681号公報 特許第5089370号公報 特許第5324212号公報 特開2014−063882号公報
ところで、上記したようにウエーハのスライス面には複数の線状の切削痕が残っており、ウエーハのスライス面を被覆するシート状の樹脂に線状の切削痕が転写されている。シート状の樹脂には切削痕の転写によって線状の凹凸形状が形成されるため、凹凸形状の延在方向、すなわち切削痕の延在方向に直交する方向からの曲げに対する樹脂の抗折強度が低くなっている。よって、切削痕の延在方向に直交する方向からシート状の樹脂が引き剥がされると、線状の凹凸形状を起点として樹脂が割れて、スライス面に樹脂の剥がし残しが生じていた。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ウエーハから保護部材を良好に剥離することができる保護部材の剥離方法及び剥離装置を提供することを目的とする。
本発明の保護部材の剥離方法は、インゴットからワイヤーソーでスライスされ一方向に形成される複数の線からなる切削痕を有するウエーハの面にシート状の保護部材を貼着し、露出面に所定の加工を施した後、該保護部材を剥離する保護部材の剥離方法であって、該保護部材は、ウエーハの外径以上の外径の樹脂シートと、該樹脂シートの全面に塗布される樹脂と、から構成され、ウエーハの面に該樹脂で貼着される該保護部材の外周縁を把持部が把持する把持工程と、該把持部をウエーハに面に形成される該切削痕に沿って外周から中央に向かいウエーハの外側に移動させ該保護部材を剥離する剥離工程と、からなっている。
本発明の剥離装置は、インゴットからワイヤーソーでスライスされ一方向に形成される複数の線からなる切削痕を有するウエーハの面にシート状の保護部材を貼着し、露出面に所定の加工を施した後、該保護部材を剥離する剥離装置であって、該保護部材は、ウエーハの外径以上の外径の樹脂シートと、該樹脂シートの全面に塗布される樹脂と、から構成され、ウエーハを保持する保持テーブルと、ウエーハの面を撮像する撮像手段と、該撮像手段が撮像したウエーハの面の該切削痕の延在方向を認識する認識手段と、該保護部材の外周縁を把持する把持部と、該認識手段が認識した該切削痕の延在方向に沿って該把持部と該保持テーブルとを相対移動させる移動手段と、を備えている。
これらの構成によれば、ウエーハの面には複数の線からなる切削痕が形成されており、ウエーハの面に保護部材が貼着されることで、ウエーハの面の切削痕が保護部材の樹脂に転写される。保護部材の樹脂には切削痕によって凹凸形状が線状に形成されるため、切削痕の延在方向からの曲げに対して保護部材の抗折強度が高くなり、切削痕の延在方向と直交する方向からの曲げに対して保護部材の抗折強度が低くなる。切削痕の延在方向に沿って保護部材が剥離されることで、剥離動作中の保護部材の割れが抑えられ、保護部材の剥がし残しを無くして良好に剥離することができる。
本発明によれば、切削痕の延在方向に沿ってウエーハから保護部材を剥離することで、剥離動作中の保護部材の割れを抑えて、ウエーハから樹脂を良好に剥離することができる。
本実施の形態に係る剥離装置の模式図である。 研削痕の延在方向と剥離方向の関係の説明図である。 本実施の形態に係る保持テーブルの向き調整動作の一例を示す図である。 本実施の形態に係る剥離装置による剥離動作の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本実施の形態に係る剥離装置について説明する。図1は、本実施の形態に係る剥離装置の模式図である。なお、剥離装置は、図1に示す構成に限定されない。剥離装置は、保護部材の外周縁を把持してウエーハから引き剥がす構成であれば、どのような構成でもよい。
図1に示すように、剥離装置1は、円形のウエーハWの上面86に貼り付けられた保護部材81を剥離するように構成されている。この剥離装置1は、保持テーブル21上にウエーハWが保持されており、ウエーハWの外周からはみ出した保護部材81の外周縁84を把持して、ウエーハWの上面86から保護部材81を引き剥がすように動作する。ウエーハWは、デバイスパターンが形成される前のアズスライスウエーハであり、円柱状のインゴットをワイヤーソーで切断して形成される。ウエーハWは、一方の面(上面86)にシート状の保護部材81が貼着され、他方の露出面(下面87)から研削によってうねり等が除去されている。
保護部材81は、ウエーハWの外径以上の外径の樹脂シート82の全面に透光性の樹脂83を塗布して構成される(図2B参照)。なお、ウエーハWは、シリコン、ガリウムヒソ、シリコンカーバイド等のワークに限定されるものではない。例えば、セラミック、ガラス、サファイア系の無機材料基板、板状金属や樹脂の延性材料、ミクロンオーダーからサブミクロンオーダの平坦度(TTV: Total Thickness Variation)が要求される各種加工材料をウエーハWとしてもよい。ここでいう平坦度とは、ウエーハWの被研削面を基準面として厚み方向を測定した高さのうち、最大値と最小値との差を示している。
ウエーハWは保護部材81によって全体的に覆われており、保護部材81の外周縁84がウエーハWの外周からはみ出している。剥離装置1は、保護部材81の外周縁84を把持した把持部51を上昇移動させると共にウエーハWを保持した保持テーブル21を水平移動させることによって、保護部材81の引き剥がし動作を実施している。剥離装置1の基台11には保持テーブル21を水平方向に移動させる移動手段31が設けられている。移動手段31は、基台11上に配置された一対のガイドレール32(1つのみ図示)と、一対のガイドレール32にスライド可能に設置されたモータ駆動のスライドテーブル33とを有している。
スライドテーブル33上には、テーブル支持台41を介して保持テーブル21が回転可能に支持されている。スライドテーブル33の背面には、ナット部34が設けられており、このナット部34に基台11内に配置されたボールネジ35が螺合されている。そして、ボールネジ35の一端部に連結された駆動モータ36が回転駆動されることで、保持テーブル21がガイドレール32に沿って水平方向に移動される。なお、水平方向とは、重力方向に対して完全に直交する方向に限らず、重力方向に対して実質的に直交と見なせる程度に傾斜する方向を含んでいる。
テーブル支持台41は、中央に開口42が形成された板状部43の周囲に複数の脚部44をネジ止めして構成されている。板状部43の開口42には、保持テーブル21の下面から突出する軸部22が挿通され、テーブル支持台41によって保持テーブル21がエアベアリングによって回転可能に支持されている。また、テーブル支持台41の内側には、保持テーブル21の向きを調整する角度調整機構(不図示)が設けられている。保持テーブル21には、ポーラスセラミックス材によってウエーハWを保持する保持面23が形成されている。保持面23は、軸部22内の流路を通じて吸引源(不図示)に接続されている。
把持部51は、保持テーブル21の外周付近に位置付けられ、ウエーハWの外周からはみ出した保護部材81の外周縁84を把持可能に構成されている。把持部51の先端には、保護部材81の外周縁84を挟み込むエアー駆動式の挟持部52が設けられている。把持部51の基端には、上昇移動手段56のシリンダ57内に収容されたピストン53が設けられている。上昇移動手段56は、シリンダ57によってピストン53をガイドすることで、把持部51を略上方向に移動可能に支持している。上昇移動手段56のシリンダ57は、鉛直姿勢に対して剥離方向に僅かに傾けられている。
シリンダ57の下端側には、ピストン53よりも下方空間にエアを取り込む吸気口58が形成され、シリンダ57の上端側には、ピストン53よりも上方空間からエアを排気する排気口59が形成されている。シリンダ57内はピストン53によって仕切られており、下端側の吸気口58にエアが供給されることでピストン53が略上方に押し上げられる。これにより、ピストン53に連結された把持部51が保護部材81の外周縁84を把持した状態で略上方向に移動される。このとき、シリンダ57が剥離方向に僅かに傾けられているため、把持部51の上昇に応じて保護部材81を引き剥がし易くしている。
なお、略上方向とは、鉛直上方よりも僅かに斜めに傾いた方向に限られず、ウエーハWに対して上方と見なせる方向含んでいる。したがって、略上方向とは、ウエーハWの上面に完全に垂直な鉛直上方向であってもよい。この場合、シリンダ57は、保持テーブル21の保持面23に対して鉛直姿勢で設置される。
また、保持テーブル21の上方には、保護部材81をウエーハWに押付ける押付けローラ61が設けられている。押付けローラ61は、ウエーハWの径方向において把持部51に対向しており、把持部51から所定の距離だけウエーハWの径方向内側に離間して配設されている。押付けローラ61は、押付けシリンダ62のピストン(不図示)に連結され、ウエーハWに対して離接可能に駆動される。押付けローラ61は、保持テーブル21の移動方向に対して直交する方向(紙面奥方)に延在しており、ウエーハWの全体を押し付け可能なようにウエーハWの直径よりも長く形成されている。
ウエーハWは、押付けローラ61の押付け力と保持テーブル21の保持力によって保持面23に強く保持されている。この押付け力と保持力との合力は、上昇移動手段56によって把持部51が押し上げられる上昇力よりも強く調整されている。また、この把持部51の上昇力は、ウエーハWに対する保護部材81(樹脂83)の粘着力よりも強くなるように調整されている。したがって、把持部51が保護部材81を把持した状態で上昇しても、ウエーハWが保持テーブル21の保持面23から外れることがなく、ウエーハWから保護部材81だけを引き剥がすことが可能となっている。
押付けローラ61がウエーハWの外周部分に位置付けられている状態では、押付けローラ61によって把持部51の上昇が抑えられている。これは、押付けローラ61の押付け位置と把持部51の把持位置とが近いため、保護部材81を介して押付けローラ61によって把持部51の上昇が規制されるからである。樹脂剥がし時には、保持テーブル21の水平移動によって押付けローラ61の押付け位置がウエーハWの外周部分から移動される。これにより、押付けローラ61によって抑え込まれていた把持部51の上昇が開放され、押付けローラ61の移動距離に応じて保護部材81が引き剥がされる。
このように、剥離装置1は、保持テーブル21の水平方向の移動によって、ウエーハW上の押付けローラ61の押付け位置が移動することで、ウエーハWから保護部材81を剥離している。ところで、図2A及び図2Bに示すように、ウエーハWの上面には、ワイヤーソーによるスライス切断時の切削痕(スライス模様)88が残されている(図2A参照)。切削痕88は複数の線状の凹凸形状からなっているため、ウエーハWの上面に貼着された保護部材81(樹脂83)にも切削痕88が線状の凹凸形状91として転写される。このため、切削痕88の延在方向に直交する方向からの曲げに対して、保護部材81の抗折強度が低くなっている。
図2Cに示すように、切削痕88の延在方向に直交する方向から保護部材81が引き剥がされると、保護部材81に転写された線状の凹凸形状91と保護部材81が引き剥がされる際の界面の境界89とが平行になり、剥離中に保護部材81の凹凸形状を起点として保護部材81の一部が割れてしまう。そこで、図2Dに示すように、本実施の形態では、曲げに対する抗折強度の高い切削痕88の延在方向から保護部材81を引き剥がすようにしている。線状の凹凸形状91に沿ってウエーハWから保護部材81が剥離されるため、剥離中に保護部材81が割れてウエーハW上に剥がし残しが生じることがない。
図1に戻り、本実施の形態に係る剥離装置1には、ウエーハWの切削痕88(図2A参照)の延在方向を確認するために、ウエーハWの上面を撮像する撮像手段71と、ウエーハWを側方から照明する光源72とが設けられている。ウエーハWの上面の保護部材81が光源72で側方から照明されることで、ウエーハWの切削痕88が撮像手段71に立体的に撮像されて、ウエーハW上の切削痕88が明確な撮像画像が生成される。剥離装置1には、撮像手段71によって撮像されたウエーハWの撮像画像から切削痕88の延在方向を認識する認識手段76が設けられている。
また、剥離装置1には、剥離装置1の各部を統括制御する制御手段77が設けられている。制御手段77では、ウエーハWに対する撮像動作、切削痕88(図2A参照)の延在方向の認識動作、保護部材81の剥離動作の各種動作が制御されている。なお、制御手段77及び認識手段76は、各種動作を実行するプロセッサや、メモリ等により構成されている。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体で構成される。
図3及び図4を参照して、剥離装置による剥離動作について説明する。図3は、本実施の形態に係る保持テーブルの向き調整動作の一例を示す図である。図4は、本実施の形態に係る剥離装置による剥離動作の一例を示す図である。なお、図3は、説明の便宜上、把持部、上昇移動手段、押付けローラ等を省略して記載している。また、図4においては、説明の便宜上、移動手段の一部の構成を省略して記載している。
図3Aに示すように、保持テーブル21上にウエーハWが保持されると、光源72によって側方から照明されながら撮像手段71によってウエーハWの上面が撮像される。ウエーハWの上面の切削痕88は線状の細かな凹凸形状からなるため、側方からの照明によって切削痕88による高低差(凹凸形状)が輝度の違いとして表される。そして、撮像画像の各画素の輝度の違いから切削痕88が線状のスライス模様として表れ、認識手段76(図1参照)によって切削痕88の延在方向が認識される。この切削痕88の延在方向の認識によって、ウエーハWから保護部材81の樹脂83に転写された凹凸形状91の向きも認識される。
この場合、保護部材81の樹脂シート82及び樹脂83が透光性を有しているため(図2B参照)、光源72からの照明光及びウエーハWの上面の反射光が保護部材81によって遮られることがない。なお、撮像手段71によるウエーハWの撮像は、ウエーハWの上面全体を撮像する必要はなく、ウエーハWの上面の少なくとも一部を撮像すればよい。すなわち、ウエーハWの上面には複数の線から成る切削痕88が平行に形成されているため、ウエーハWの上面の一部の切削痕88を撮像することで、ウエーハWの上面全体の切削痕88の延在方向を認識することが可能である。
次に、図3Bに示すように、認識手段76(図1参照)に認識された切削痕88の延在方向が、保持テーブル21の移動方向、すなわち保護部材81の剥離方向を向くように保持テーブル21の向きが調整される。この場合、保持テーブル21の移動方向と切削痕88の延在方向との成す角度θ(図3A参照)が求められ、この角度θ分だけ保持テーブル21が回転されることで切削痕88の延在方向が保持テーブル21の移動方向の向きに合わせられる。これにより、保護部材81の樹脂83に転写された線状の凹凸形状91の向きも保持テーブル21の移動方向に揃えられ、保護部材81の曲げに強い向きが剥離方向に向けられる。
次に、図4Aに示すように、保持テーブル21の向きが調整されると、ウエーハW上の保護部材81の外周縁84が把持部51に近づけられる。ウエーハWの切削痕88(図3B参照)の延在方向が把持部51側に向けられており、切削痕88の延在方向における保護部材81の外周縁84が把持部51によって把持される。このとき、上昇移動手段56によって把持部51に樹脂83(図2B参照)の粘着力よりも強い上昇力が付与されているが、押付けローラ61の押付け力によってウエーハWからの保護部材81の引き剥がしが抑えられている。よって、把持部51の上昇が押付けローラ61によってウエーハWよりも僅かに高い位置で規制されている。
図4Bに示すように、移動手段31によって保持テーブル21が把持部51に対して相対移動される。これにより、押付けローラ61の押付け位置が、ウエーハWの外周の一端側から他端に向かって所定距離だけ移動される。この押付けローラ61の押圧位置の移動によって、押付けローラ61に規制されていた把持部51の上昇が開放されて、ウエーハWから保護部材81が剥離される。保持テーブル21が水平方向に移動されつつ、把持部51が斜め上方に引き上げられることで、ウエーハWの上面から保護部材81がR形状に捲り上げられながら引き剥がされる。
このとき、認識手段76(図1参照)が認識した切削痕88(図3B参照)の延在方向に沿って把持部51と保持テーブル21とが相対移動されている。図4Cに示すように、保護部材81の線状の凹凸形状91が保護部材81を補強するように作用するため、保護部材81に強い曲げが作用しても保護部材81の凹凸形状が割れの起点になることがない。このように、曲げに強い方向から保護部材81が引き剥がされ、剥離動作中における保護部材81の割れが抑えられている。よって、ウエーハWの上面における保護部材81の剥がし残しを無くして、ウエーハWから保護部材81を良好に剥離することができる。
ところで、保護部材81の剥がし終わりでは、押付けローラ61の押付け状態で保持テーブル21が水平移動されると、ウエーハWから保護部材81が剥がれた反動でウエーハWが滑って、ウエーハWが保持テーブル21上から外れる場合がある。そこで本実施の形態では、保護部材81の剥がし終わりの直前では、保持テーブル21が停止されて、押付けローラ61が保護部材81の表面から上方に離間される。これにより、把持部51の上昇力だけでウエーハWから保護部材81が剥がされるため、保護部材81の剥離時の反動を抑えてウエーハWが保持テーブル21上から外れることがない。
以上のように、本実施の形態に係る剥離装置1では、ウエーハWの上面には複数の線からなる切削痕88が形成されており、ウエーハWの上面に保護部材81が貼着されることで、ウエーハWの上面の切削痕88が保護部材81の樹脂83に転写される。保護部材81の樹脂83には切削痕88によって凹凸形状91が線状に形成されるため、切削痕88の延在方向からの曲げに対して保護部材81の抗折強度が高くなる一方で、切削痕88の延在方向と直交する方向からの曲げに対して保護部材81の抗折強度が低くなる。切削痕88の延在方向に沿って保護部材81が剥離されることで、剥離動作中の保護部材81の割れが抑えられ、保護部材81の剥がし残しを無くして良好に剥離することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記した実施の形態においては、ボールネジ式の移動手段31を例示したが、この構成に限定されない。移動手段31は、保持テーブル21を把持部51に対して相対的に移動させる構成であれば、どのように構成されてもよい。
また、上記した実施の形態においては、エアシリンダ式の上昇移動手段56を例示したが、この構成に限定されない。上昇移動手段56は、把持部51を上昇可能であれば、どのように構成されてもよい。
また、上記した実施の形態においては、ウエーハWを吸引保持する保持テーブル21を例示したが、この構成に限定されない。保持テーブル21は、ウエーハWを保持可能であれば、どのように構成されてもよい。
また、上記した実施の形態においては、保護部材81の剥がし終わりの直前に、保持テーブル21が停止されると共に、押付けローラ61が保護部材81の表面から離間される構成としたが、この構成に限定されない。半分以上の保護部材81がウエーハWから剥がされていれば、把持部51の上昇力だけでウエーハWから保護部材81を剥がすことが可能である。
また、上記した実施の形態においては、保持テーブル21の回転によって剥離方向とウエーハWの切削痕の延在方向を揃える構成にしたが、この構成に限定されない。ウエーハWの切削痕の延在方向を剥離方向に作業者が揃えるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明は、ウエーハから保護部材を良好に剥離することができるという効果を有し、特に、インゴットから切り出されたウエーハの一方の面に貼着された保護部材を、ウエーハの他方の面の研削後に剥がす保護部材の剥離方法及び剥離装置に有用である。
1 剥離装置
21 保持テーブル
31 移動手段
51 把持部
71 撮像手段
76 認識手段
81 保護部材
82 樹脂シート
83 樹脂
84 外周縁
86 上面(ウエーハの面)
87 下面(ウエーハの露出面)
88 切削痕
W ウエーハ

Claims (2)

  1. インゴットからワイヤーソーでスライスされ一方向に形成される複数の線からなる切削痕を有するウエーハの面にシート状の保護部材を貼着し、露出面に所定の加工を施した後、該保護部材を剥離する保護部材の剥離方法であって、
    該保護部材は、ウエーハの外径以上の外径の樹脂シートと、該樹脂シートの全面に塗布される樹脂と、から構成され、
    ウエーハの面に該樹脂で貼着される該保護部材の外周縁を把持部が把持する把持工程と、
    該把持部をウエーハに面に形成される該切削痕に沿って外周から中央に向かいウエーハの外側に移動させ該保護部材を剥離する剥離工程と、からなる保護部材の剥離方法。
  2. インゴットからワイヤーソーでスライスされ一方向に形成される複数の線からなる切削痕を有するウエーハの面にシート状の保護部材を貼着し、露出面に所定の加工を施した後、該保護部材を剥離する剥離装置であって、
    該保護部材は、ウエーハの外径以上の外径の樹脂シートと、該樹脂シートの全面に塗布される樹脂と、から構成され、
    ウエーハを保持する保持テーブルと、
    ウエーハの面を撮像する撮像手段と、
    該撮像手段が撮像したウエーハの面の該切削痕の延在方向を認識する認識手段と、
    該保護部材の外周縁を把持する把持部と、
    該認識手段が認識した該切削痕の延在方向に沿って該把持部と該保持テーブルとを相対移動させる移動手段と、を備える剥離装置。
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