JP6312404B2 - インクジェットヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、画像を記録するなどの目的のために、記録信号に応じてインク等の記録液を吐出する記録素子を複数備えたインクジェットヘッドに関する。
個々の記録素子に備えられた発熱抵抗体に記録データに応じて電圧パルスを印加し、発生した熱エネルギを利用してインクを吐出させるインクジェットヘッドは、高精細且つ高速に画像を出力できることから、広く有用されている。特に、複数の記録素子を記録用紙の幅に対応する距離だけ高密度に配列したフルライン型のインクジェットヘッドを備えた記録装置は、更なる高速出力が可能となることから、近年急速に普及している。このような長尺のインクジェットヘッドにおいては、製造上の歩留まりを向上させるために、より少数の記録素子が配列されてなるチップの複数を、用紙の幅方向に複数配列させて構成されていることが多い。
このように多数の記録素子を備えたインクジェットヘッドにおいては、個々のチップの製造誤差よって、記録素子間で吐出量がばらつくことがある。また、記録素子それぞれの使用頻度に応じても、吐出量は経時的に変動する。更に、個々の記録素子に備えられた発熱抵抗体に電圧パルスを印加するための配線構成や印加方法によっても、個々の記録素子の吐出量は、影響を受ける。そして、インクジェットヘッド内におけるこのような吐出量のばらつきは、出力された画像において濃度ムラを引き起こす懸念が生じる。
特許文献1には、ヘッド内に発生する濃度ムラに対し、所定の測定チャートをインクジェットヘッドに記録させ、出力された測定チャートの濃度を読み取って個々のノズル(記録素子)に対する補正値を算出する方法が開示されている。このような特許文献1によれば、個々のノズルに対する記録データを夫々の補正値に基づいて補正することにより、ノズル間の濃度ばらつきを低減し、一様な画像を出力することが可能となる。
また、特許文献2には、インクジェットヘッドの昇温に伴う吐出量の増加を抑えるために、インクジェットヘッドに対しインク流入口と流出口を設け、個々の記録素子には流入口から流出口に向けて流動するインクからインクが供給される構成が開示されている。通常、個々の記録素子の吐出量は発熱素子の近傍にあるインクの温度に応じて大きくなる傾向がある。特許文献2のように、発熱素子に供給されるインクが常に流動していれば、発熱素子近傍のインクの昇温は抑制され、吐出量の上昇も抑えることが出来る。
特開2005−59351号公報 特開2009−961号公報
ところで、発熱素子を駆動してインクを吐出する形態の長尺のインクジェットヘッドにおいては、多数の発熱素子に一度に通電してしまうと大きな電圧降下が懸念される。よって、一般には、1つのチップに配列する複数の記録素子を複数のグループに分割して時間をずらして駆動することが多い。しかしながら、このようなブロック駆動においては、個々の記録素子に付与される総エネルギが、駆動の順番に応じて僅かずつ段階的に変化することがある。すなわち、複数の記録素子を、その配列方向に沿って複数に分割して駆動するようなブロック駆動を行った場合、吐出量はチップ内における配列方向に位置よって、変化することになる。そして、付与エネルギの差は吐出量の差となって現れ、吐出量の差は用紙上における濃度差となって現れる。
一方、特許文献2を採用した構成においては、確かに個々の発熱素子やインクジェットヘッド全体の昇温を抑える効果はあるが、流入口から流出口へ流れる経路においてインクの温度は徐々に上昇する傾向にある。そのため、供給されるインクの温度はインクジェットヘッド内に配置されるチップの位置や、同じチップの中で個々の記録素子が配置される位置によって異なる。具体的には、インク流路に対し上流側の記録素子よりも下流側に配置された記録素子のほうが吐出量が多くなり、チップの上流側よりも下流側の方が画像濃度が高くなる傾向がある。
しかしながら、以上のようなブロック駆動の駆動順序に伴う濃度ムラやインク流路方向に起因する濃度ムラは、インクジェットヘッドのリアルタイムの吐出頻度に大きく影響を受ける。そのため、記録動作の最中に変化しやすく、特許文献1のような方法では対応しきれない場合があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものである。よって、その目的とするところは、記録動作の最中であっても、ブロック駆動の駆動順序に起因する濃度ムラや、インク流路方向に起因する濃度ムラが目立ち難くい画像を出力可能なインクジェットヘッドを提供することである。
そのために本発明は、エネルギを付与することによりインクを吐出する複数の記録素子が所定方向に配列して成る複数のチップと、
前記複数のチップのそれぞれについて、前記複数の記録素子を前記所定方向に分割して成る複数のブロックを、前記所定方向に沿って順番に駆動するように構成された駆動回路と、
前記複数のチップの一部である第1チップ群に対し、前記所定方向と平行な第1の方向にインクを移動させながら前記記録素子のそれぞれにインクを供給する第1のインク流路と、
前記複数のチップの前記第1チップ群とは異なる第2チップ群に対し、前記第1の方向と反対の向きの第2の方向にインクを移動させながら前記記録素子のそれぞれにインクを供給する第2のインク流路と、
を有するインクジェットヘッドであって、
i)前記第1チップ群は、前記複数のブロックが前記第1の方向に順番に駆動されるような向きで前記第1のインク流路に対して複数のチップが配置され、且つ、前記第2チップ群は、前記複数のブロックが前記第2の方向に順番に駆動されるような向きで前記第2のインク流路に対して複数のチップが配置されている、又は
ii)前記第1チップ群は、前記複数のブロックが前記第2の方向に順番に駆動されるような向きで前記第1のインク流路に対して複数のチップが配置され、且つ、前記第2チップ群は、前記複数のブロックが前記第1の方向に順番に駆動されるような向きで前記第2のインク流路に対して複数のチップが配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、視覚的に濃度ムラは認識され難い高品位な画像を得ることが出来る。
本発明に適用可能なフルライン型のインクジェットヘッドHの斜視図である。 インクジェットヘッドHの分解斜視図である。 流路部材1の構成を説明するための分解斜視図である。 図3に示した流路部材1におけるインクの流れを示す斜視図である。 (a)および(b)は、チップの1つとその断面図を示す図である。 チップに対する配線構成を説明するための概略図である。 各種信号のタイミングチャートである。 チップに配列する記録素子と記録するドットの様子を示す図である。 (a)および(b)は、チップにおける吐出量変動を示す図である。 (a)および(b)は、チップの配置状態と吐出量変動を示す図である。 実施例2におけるチップの配置状態と吐出量変動を示す図である。
図1は、本発明に適用可能なフルライン型のインクジェットヘッドHの斜視図である。ここでは、18個のチップ2が図のように配置されている。チップ2の夫々には、z方向にインクを吐出する複数の記録素子が所定方向(ここではx方向)に所定のピッチで配列している。18個のチップ2を、図のようにy方向に重複する領域dを設けながらx方向に記録素子の配列が連続するように配置することにより、記録幅wを有するインクジェットヘッドが画成される。1つのインクジェットヘッドHから吐出されるのは同じインクである。このようなインクジェットヘッドHを固定した状態で、記録用紙をx方向とは交差するy方向に搬送することにより、記録用紙に所望の画像を記録することが出来る。
図2は、インクジェットヘッドHの分解斜視図である。インクジェットヘッドHは主に、個々の記録素子にインクを供給するための流路部材1、複数の記録素子が形成されたチップ2、チップ2に電気信号を送信するフレキシブル配線基板3、流路部材1に対しインクを供給するインク供給ユニット4から構成されている。インク供給ユニット4は、同形の2つの部材からなり、夫々にメインタンクに対するインク流入口41とインク流出口42、および流路部材1に対するインク流出口43とインク流入口44が備えられている。インク流入口41およびインク流出口42は、記録装置本体に備えられたメインタンクとポンプを介してチューブ接続されており、インク流出口43およびインク流入口44は、流路部材1に設けられたインク流入口およびインク流出口に接続されている。このような構成により、流路部材1で吐出されなかったインクをインク流出口42から回収しつつ、新たなインクを不図示のフィルタを介してインク流入口41から流動的に供給出来るようになっている。
図3は、流路部材1の構成を説明するための分解斜視図である。流路部材1は図のようにアルミナの5層積層板で構成されている。第1層は、インク供給ユニット4との間でインクの流入出を行うための層である。インク供給ユニット4のインク流出口43と接続するための2つのインク流入口111、113、および、インク供給ユニット4のインク流入口44と接続するための2つのインク流出口112、114が設けられている。第2層は、4つのブロックに分けられた副流路13が形成された層である。新たに供給されたインクや記録素子で吐出されなかった回収インクは、xy平面に対し平行に形成された副流路13に沿って移動する。第3層は、副流路13と主流路14を接続する層である。第2層に形成された副流路13の上流端および下流端に相当する位置と、第4層に形成された主流路14の上流端および下流端に相当する位置とを接続するための口が形成されている。第4層は、主流路14が形成された層である。流路部材1の略中央を中心とした2つの主流路14が点対称に形成されている。流路部材1の略中央に位置する主流路14の上流端から供給されたインクは、2つの主流路14によって左右方向に流れ、流路部材1の左右端夫々に位置する下流端から、副流路13へと回収される。第5層は、分配流路15が形成された層である。再度図2を参照するに、分配流路15はインクジェットヘッドHにおける18個のチップ2の位置に対応して配置され、個々のチップ2にインクを供給している。第4層における2つの主流路14は、このように互い違いに配列する18個の分配流路15に対し、それぞれ9個ずつ順番にインクを供給するために、ジグザグ型の経路を有している。
図4は、図3に示した流路部材1におけるインクの流れを示す斜視図である。インク供給ユニット4からインク流入口111、113を介して流入されたインクは、2つの副流路によってインクジェットヘッドHの略中央に移動し、それぞれ主流路14に供給される。主流路14において、これらインクは左右方向に離れるように流れ、両端部(右端部および左端部)のそれぞれで再び副流路13に回収される。
図5(a)および(b)は、本実施形態で使用するチップ2の1つとその断面図を示す図である。図5(a)を参照するに、チップ2の表面には、複数の記録素子20がx方向に所定のピッチで連続するように配列されてなる記録素子列24が、更に4列y方向に並列配置されている。チップ2は、素子基板22の上にノズル部材21が積載された構成となっている。チップ2の表面端部には、チップ2を流路部材1に位置決めする際の目印となるアライメントマーク23が形成されている。
図5(b)は同図(a)のA−A断面図である。素子基板22には、流路部材1から供給されたインクを個々の記録素子列24に供給するためのインク供給口22が、記録素子列24ごとに形成されている。ノズル部材21には個々の記録素子20が形成されている。本実施形態において、1つの記録素子20は、インク路211、発泡室212および発熱抵抗体221によって構成されている。インク供給口222から供給されたインクは、個々の記録素子に対応する発泡室212からインク路211に導かれ、吐出口近傍でメニスカスを形成する。記録データに従って発熱抵抗体221が印加されると、発泡室212のインク中に膜沸騰が生じ、生成された泡の成長エネルギによってインク路中のインクが吐出口から吐出される。この吐出に伴って消費された分のインクは、新たにインク供給口から補充される。
再度図2に戻る。流路部材1の所定の位置に以上説明した構成のチップ2が、図のように18個配置されると、更に個々のチップ2の位置に穴の開いたシート上のフレキシブル配線基板3が覆い被せられ、インクジェットヘッドHが完成する。フレキシブル配線基板3には、個々のチップ2に対して電力や記録信号を供給するための配線が形成されており、その端部31は記録装置本体の電気基板と接続されている。
ところで、本実施形態において、チップ2は発熱抵抗体221から付与される熱エネルギを用いて吐出動作を行っているので、吐出動作が連続する。従ってチップ2には徐々に熱が蓄積する。この際、再度図4を参照するに、個々のチップ2の熱は分配流路15から供給されるインクによってその昇温が抑えられるが、これと同時に、主流路14を流れるインクには分配流路15を介してチップ2からの熱が伝導する。チップ2における吐出回数が多ければ多いほど、その熱量も大きくなる。そして、チップ9、チップ8・・と順番に主流路14を流れるインクにおいては、上流端(チップ9)から下流端(チップ1)に進むに従ってその温度が徐々に上昇する。通常、発熱抵抗体221に対し同じ駆動電圧を印加した場合でも、インク温度が高いほど泡は大きく成長し、吐出量も多くなることが知られている。つまり、主流路14に対し上流側に位置するチップの吐出量よりも下流側に位置するチップの吐出量の方が多くなってしまう。このような状況に対応するため、本実施形態では、2つの主流路14において、流路の長さすなわちインクを供給するチップの数を同数(9個ずつ)にして、2つの流路間におけるインクの温度差をなるべく抑えるようにしている。また、下流に進むほど2つの主流路の温度差ひいては吐出量差が大きくなることが懸念されるので、同等の温度のインクが供給されるインク流入口(上流端)の位置をx方向の中央部に設け、画像上で極端な濃度差が隣接しないようにしている。
さらに、このような流路方向(x方向)に対する吐出量の偏りは、チップ2それぞれの中でも存在する。同じチップ内であっても、主流路14に対し上流側に位置する記録素子よりも下流側に位置する記録素子の方がより高温のインクが供給され、吐出量も多くなる。
一方、既に背景技術の項でも説明したように、チップ2に対しブロック駆動を採用した場合には、チップ2内のx方向の位置によって吐出量が異なる現象も生じる。以下、具体的に説明する。
図6は、1つのチップ2に対する配線構成を説明するための概略図である。ここでは、複数の発熱抵抗体を7つのブロックに分割し、夫々のブロックに含まれる発熱抵抗体302a〜302gに対する配線構成を示している。発熱抵抗体302a〜302gそれぞれへの電流は、所定の電圧が維持されたVHとグランドGNDHとが通電されることにより供給される。この際、通電のタイミングすなわち個々のトランジスタ303のON/OFFを切り替えるタイミングを、7つのブロックで異ならせている。具体的には、不図示のHE生成回路にて生成されたヒートイネーブル信号が、遅延回路301によってA〜Gの7段階に遅延され、それぞれのAND回路304-a〜304-gに入力される。AND回路304-a〜304-gには、ヒートイネーブル(HE)信号のほか、データラッチ回路でラッチされた記録データ、時分割用ロジック回路からの信号が入力され、全ての信号が入力されたタイミングで、発熱素子302に通電される仕組みになっている。
図7は、各種信号のタイミングチャートである。本実施形態では、HE生成回路にて生成されたHE信号に対し、HE−g、HE−f・・・HE−aの順番で遅延信号が生成され、この順番で発電素子への通電および吐出動作が実行される。図において、VHはVHの電圧波形を、GNDHはGNDHの電圧波形を、IHはVHに流れる電流の電流波形をそれぞれ示している。
ここで、期間t1では、7つの発熱抵抗体への通電が順番に開始される期間であり、IHの値は徐々に増加していく。このIHの立ち上がり時において、駆動電源配線にIHが流れることによる寄生インダクタンスの影響で、VH及びGNDHに図に示すようなリンギングが引き起こされる。具体的にはVHの電圧波形にはアンダーシュート、GNDHの電圧波形にはオーバーシュートのリンギングが発生する。このため、期間t1において発熱抵抗体の両端に印加される電圧は、期間t2に比べ低くなり、発熱抵抗体に流れる電流も小さくなる。
一方、期間t3では、7つの発熱抵抗体への通電が順番に終了される期間であり、IHの値は徐々に減少していく。このIHの立ち下がり時において、駆動電源配線にIHが流れることによる寄生インダクタンスの影響で、VH及びGNDHにリンギングが引き起こされる。具体的にはVHの電圧波形にはアンダーシュート、GNDHの電圧波形にはオーバーシュートのリンギングが発生する。このため、期間t3において発熱抵抗体の両端に印加される電圧は、期間t2に比べ高くなり、発熱抵抗体に流れる電流も大きくなる。
すなわち、発熱抵抗体302−a〜302−gのうち、最初に駆動される発熱抵抗体302−gが発生するエネルギが最も小さく、最後に駆動される発熱抵抗体302−aが発生するエネルギが最も大きくなる。結果、最初に駆動される発熱抵抗体302−gを備える記録素子のインク吐出量が最も小さく、最後に駆動される発熱抵抗体302−aを備える記録素子のインク吐出量が最も大きくなる。
図8は、チップに配列する記録素子と個々の記録素子が紙面で記録するドットの様子を示す図である。同じブロックで記録されるドットの大きさは略等しいが、異なるブロックで記録されるドットの大きさは互いに異なっている。本実施形態のインクジェットヘッドHでは、記録素子の配列方向(x方向)に対して、A〜Gにブロック分けされ、GからAに向かう順番で駆動されている。よって、図の右側に記録されるブロックGで記録したドットが最も小さく、左側に進むほどドットが大きくなる。すなわち、チップの右端で記録された領域が薄くチップの左端で記録された領域が濃くなっており、記録素子の配列方向における位置に応じて一定の傾向で濃度差が生じることになる。なお、1つのチップで上述のブロックA〜Gを複数設けた場合でも記録素子の配列方向における位置に応じて一定の傾向で濃度差が生じることになる。例えば、チップの駆動をチップの中央で2分割し、上述のブロックA〜Gをチップ内に2つ設けるような構成であってもよい。
以上説明したように、本実施形態で採用する長尺のインクジェットヘッドHでは、個々のチップにおいてブロックの駆動順序に伴う濃度ムラと、インク流路方向に起因する濃度ムラとを含んでいる。そして、これらいずれの濃度ムラについても、チップ内においてその特徴に方向性を有する。すなわち、記録素子の配列方向に対し濃度が徐々に高くなるあるいは低くなると言った特徴を有している。更にこのような特徴は、同じ条件の下では全てのチップで同様の一定の傾向を示す。
図9(a)および(b)は、1つのチップ2における記録素子の配列方向に対する吐出量変動を示す図である。ここでは、主流路14におけるインクの流路方向を右から左に固定した状態において、アライメントマーク23が右上に位置するように配置した場合(図9(a))と左下に位置するように配置にした場合(同図(b))とで比較している。本実施形態では、アライメントマーク23とは反対の側から順番にブロック駆動が行われるので、図9(a)では左から右へ即ちインク循環方向と逆方向の駆動順序となり、図9(b)では右から左へ即ちインク循環方向と同じ方向の駆動順序となる。
図9(a)および(b)ともに、インクは右側から左側に流れているので、インクの温度も右から左に向けて上昇し、吐出量も右側から左側に徐々に上昇する。よって、グラフaのような吐出量変動の曲線が得られる。一方、ブロック駆動においては、図9(a)の場合は、左側のブロックから右側のブロックに向けて順番に駆動されるので、左側のブロックから右側のブロックに向けて吐出量は上がり、グラフbのような吐出量変動の曲線が得られる。そして、インクの流路方向と駆動の順番の2つの条件を組み合わせた状態では、グラフaとグラフbを重ね合わせたグラフa+bのような吐出量変動の曲線が得られる。すなわち、これら2つの条件に起因する吐出量の変動が互いに相殺し合い、結果として、個々のチップ内では、グラフa+bのように、記録素子の位置に対する吐出量の変動が抑えられた状態が得られる。
一方、図9(b)の場合、右側のブロックから左側のブロックに向けて順番に駆動されるので、右側のブロックから左側のブロックに向けて吐出量は上がり、グラフb2のような吐出量変動の曲線が得られる。そして、インクの流路方向と駆動の順番の2つの条件を組み合わせた状態では、グラフaとグラフb2を重ね合わせたグラフa+2bのような吐出量変動の曲線が得られる。すなわち、これら2つの条件に起因する吐出量の変動が互いに増長し合い、結果として、個々のチップ内では、グラフa+b2のように、記録素子の位置に対する吐出量の変動が増幅された状態が得られる。
本発明者らは、このようなブロック駆動の方向や主流路の方向に応じた濃度ムラの特徴を鑑み、画像全体で濃度ムラを目立たせないようにするためは、駆動順と主流路の方向に応じて複数のチップの向きを調整することに効果があるという知見に到った。以下、本実施形態のインクジェットヘッドHにおける、複数のチップ2の配置方法例を2つの実施例を例に説明する。
図10(a)および(b)は、実施例1における18個のチップChip1〜Chip18の配置状態と、x方向に対する吐出量変動の様子を示す図である。左側に示す9個のチップChip1〜Chip9は、アライメントマーク23が右上に位置するように配置されており、中央から左方向に向かって流れる主流路14から供給されたインクを吐出する。一方、右側に示す9個のチップChip10〜Chip18は、アライメントマーク23が左下に位置するように配置されており、中央から右方向に向かって流れる主流路14から供給されたインクを吐出する。結果、いずれのチップについても、流路の方向とブロック駆動の方向が一致し、図9(a)のグラフa+bのように、流路の方向に伴う吐出量の変化とブロック駆動の順番に伴う吐出量の変化とが相殺し合う状態となる。
図10(b)の実線は、個々のチップの吐出量変動をグラフa+bに揃えた状態での、インクジェットヘッド全体に亘っての吐出量変動を示す図である。全体に亘って緩やかな変化は存在するものの、局所的に大きく吐出量が変化する箇所が存在しないので、画像全体としても目立った濃度ムラが確認されることは無い。
ここで比較例として、主流路の流路方向は維持したまま、全てのチップを同じ方向で配置した場合を考える。具体的には、図10(a)において、左側の9個のチップChip1〜Chip9の向きを右側の9個のチップChip10〜Chip18に合わせた場合を示す。この場合、左側の9個のチップChip1〜Chip9では、流路の方向とブロック駆動の方向が逆方向となる。結果、図9(b)のグラフa+b2のように、流路の方向に伴う吐出量の変化とブロック駆動の順番に伴う吐出量の変化とが増長し合う状態となる。
図10(b)の破線は、Chip1〜Chip9の吐出量変動をグラフa+b2にした場合の吐出量変動を示している。左半分の変動量が、緩やかに変動する右半分に比べて大きくなっていることが分かる。この様な画像を目視で確認した場合、左端の高濃度領域が際立ち、濃度ムラとして認識されるおそれがある。これに対し、図10(b)の実線で示した曲線が得られる本実施例を採用すれば、濃度変動の状態が左右で大きく異なることは無く、且つ全領域に亘って緩やかである。結果、視覚的に濃度ムラは認識され難い高品位な画像を得ることが出来る。
実施例1では、流路の方向とブロック駆動の方向を全てのチップで一致させる構成について説明した。しかしながら、本発明はこのような構成に限定されるものではない。流路の方向とブロック駆動の方向を逆転させた構成であっても、このような条件を全てのチップで揃えることにより本発明の効果を得ることは出来る。
図11は、本実施例における18個のチップChip1〜Chip18の配置状態と、各チップ20における吐出量変動を示す図である。左側に示す9個のチップChip1〜Chip9は、アライメントマーク23が左下に位置するように配置されており、中央から左方向に向かって流れる主流路14から供給されたインクを吐出する。一方、右側に示す9個のチップChip10〜Chip18は、アライメントマーク23が右上に位置するように配置されており、中央から右方向に向かって流れる主流路14から供給されたインクを吐出する。結果、いずれのチップについても、流路の方向とブロック駆動の方向が反対方向となり、図の各グラフに示すように、流路の方向に伴う吐出量の変化とブロック駆動の順番に伴う吐出量の変化とが増長し合う状態となる。そして、インクジェットヘッドH全域においては、図10(b)の破線で示した曲線が左右対称に現れるような吐出量変動が得られることになる。
このような場合であっても、片側の端部のみで高濃度が際立つことは回避され、全領域に亘って濃度変動の傾向は統一される。結果、視覚的に濃度ムラは認識され難い画像を得ることが出来る。
なお、以上では、チップ内に方向性を有する吐出量変動をもたらす要因として、ブロック駆動の順番を例に説明したが、このような要因はこれに限定されるものではない。例えば、吐出口の面積が記録素子の位置に応じて徐々に変化する場合や、発熱抵抗体から吐出口までの距離が徐々に変化している場合にも、吐出量変動はチップ内において方向性を有する。このような要因が更に存在する場合でも、これら複数の要因が有する方向性の組み合わせを、全てのチップで揃えることが出来れば、ヘッド全領域に亘って濃度変動の傾向を統一し、濃度ムラを認識され難くするという本発明の効果を得ることは出来る。
更に、以上では図1に示したようなフルライン型のインクジェットヘッドを例に説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものでもない。複数のチップを組み合わせて、比較的長尺なインクジェットヘッドを用いる場合であれば、シリアル型の記録装置に搭載しても本発明の効果を得ることは出来る。
1 流路部材
2 チップ
14 主流路
20 記録素子
H インクジェットヘッド

Claims (7)

  1. エネルギを付与することによりインクを吐出する複数の記録素子が所定方向に配列して成る複数のチップと、
    前記複数のチップのそれぞれについて、前記複数の記録素子を前記所定方向に分割して成る複数のブロックを、前記所定方向に沿って順番に駆動するように構成された駆動回路と、
    前記複数のチップの一部である第1チップ群に対し、前記所定方向と平行な第1の方向にインクを移動させながら前記記録素子のそれぞれにインクを供給する第1のインク流路と、
    前記複数のチップの前記第1チップ群とは異なる第2チップ群に対し、前記第1の方向と反対の向きの第2の方向にインクを移動させながら前記記録素子のそれぞれにインクを供給する第2のインク流路と、
    を有するインクジェットヘッドであって、
    i)前記第1チップ群は、前記複数のブロックが前記第1の方向に順番に駆動されるような向きで前記第1のインク流路に対して複数のチップが配置され、且つ、前記第2チップ群は、前記複数のブロックが前記第2の方向に順番に駆動されるような向きで前記第2のインク流路に対して複数のチップが配置されている、又は
    ii)前記第1チップ群は、前記複数のブロックが前記第2の方向に順番に駆動されるような向きで前記第1のインク流路に対して複数のチップが配置され、且つ、前記第2チップ群は、前記複数のブロックが前記第1の方向に順番に駆動されるような向きで前記第2のインク流路に対して複数のチップが配置されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記エネルギは前記駆動回路が発熱抵抗体に電圧を印加することによって生成されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. エネルギを付与することによりインクを吐出する記録素子が所定方向に配列し、且つ等しいエネルギを付与した際に前記記録素子の前記所定方向における位置に応じて前記所定方向に吐出量が増大するように構成された複数のチップと
    前記複数のチップの一部である第1チップ群に対し、前記所定方向と平行な第1の方向にインクを移動させながら前記記録素子のそれぞれにインクを供給する第1のインク流路と、
    前記複数のチップの一部であり前記第1チップ群とは異なる第2チップ群に対し、前記第1の方向と反対の向きの第2の方向にインクを移動させながら前記記録素子のそれぞれにインクを供給する第2のインク流路と、
    を有するインクジェットヘッドであって、
    i)前記第1チップ群は、等しいエネルギを付与した際に前記第1の方向に吐出量が増大する向きで前記第1のインク流路に対して複数のチップが配置され、且つ、前記第2チップ群は、等しいエネルギを付与した際に前記第2の方向に吐出量が増大する向きで前記第2のインク流路に対して複数のチップが配置されている、又は
    ii)前記第1チップ群は、等しいエネルギを付与した際に前記第2の方向に吐出量が増大する向きで前記第1のインク流路に対して複数のチップが配置され、且つ、前記第2チップ群は、等しいエネルギを付与した際に前記第1の方向に吐出量が増大する向きで前記第2のインク流路に対して複数のチップが配置されている
    ことを特徴とするインクジェットヘッド。
  4. 前記複数のチップは、吐出口の面積前記所定方向における位置に応じて異ならせることにより、前記所定方向に吐出量が増大するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記エネルギは発熱抵抗体に電圧を印加することによって生成され、
    前記複数のチップは、前記発熱抵抗体からインクが吐出される吐出口までの距離前記記録素子の前記所定方向における位置に応じて異ならせることにより、前記所定方向に吐出量が増大するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記第1のインク流路および前記第2のインク流路は、前記インクジェットヘッドの前記所定方向における中央部が上流端、両端部がそれぞれの下流端となるようにインクを移動させることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記複数のチップは、前記所定方向と交差する方向に搬送される用紙の前記所定方向における幅に対応する距離だけ、前記所定方向に配列されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
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