JP6310441B2 - 圧着端子、電線接続構造体、及びワイヤハーネス - Google Patents
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上記先端側は、被覆電線における先端側と、圧着端子における先端側とを含む概念であって、被覆電線と圧着端子との先端側は一致する。
詳述すると、圧着部の幅方向の一端部側に、管状状態において他端部側の径外側に重なる重合部分を設けたことで、圧着部は、管状状態において重合部分が他端部側の径外側に重なる、いわゆる寿司巻き管状となり、重合部分の圧着部において周方向から圧着部の内部への水分の侵入を防止することができる。
これにより、重合部分と止水材とが協働して、管状となる圧着部の止水性を向上させることができる。
従って、止水性を向上させながらも、圧着状態における圧着部の管径が拡大することを抑制でき、従来から用いられているコネクタのキャビティに圧着端子を装着することが可能となる。
詳述すると、被覆圧着部の重合部分に前記被配置部を設けることで、管状状態における被覆圧着部の管径を、重合部分に止水材を配置した場合における被覆圧着部の管径よりも縮径させることができる。
この発明により、導体圧着部の周方向からの止水性を確保しつつ、管径を縮径することができる。
従って、導体圧着部の周方向からの止水性を確保しつつ、管径を縮径することができる。
さらに、非配置部は圧着される止水材の逃げ部としても機能するため、例えば、圧着部の先端側の外部や、導体との接触部分に、止水材が潰れ出ることを防止できる。
上記セレーションは、圧着部の板厚方向に窪んだ凹状のセレーションや、突出した凸状のセレーションを含む概念であって、圧着部の幅方向に向けて延設するとともに軸方向に所定の間隔を隔てて複数配置したセレーション、軸方向に向けて延設するとともに幅方向に所定の間隔を隔てて複数配置したセレーション、及び軸方向及び幅方向に所定の間隔を隔てて複数配置した複数のセレーションなどを含む。
詳述すると、セレーションの一部に止水材を掛けることで、凹状又は凸状のセレーションの一部に止水材が係止し、被覆電線を囲繞するように圧着しても、止水材の位置ズレが生じることを抑制できるため、管状となる圧着部の内部への水分の侵入を防止することができ、圧着端子の止水性を向上させることができる。
この発明により、セレーションよりも先端側において止水材の位置ズレが生じることを抑制できるため、特に導体圧着部の先端側の止水材を精度よく所定の位置に配置することができる。
従って、管状となる圧着部の、特に導体圧着部の先端側からの水分の浸入を防止することができる。
上述の導体圧着部の他端部まで延設したセレーションとは、導体圧着部の他端部と一致するまで延設したセレーションや、導体圧着部の他端部とわずかに離間する位置まで延設したセレーションなどを含む概念である。
詳述すると、圧着部の管状状態において、導体圧着部の重合部分である一端部側の径内側に位置する他端部までセレーションを延設したことで、一端部側と他端部側との間にセレーションが配置されて隙間が生じることを防止し、導体圧着部の一端部側と他端部側とが密着した圧着状態を得ることができる。
従って、導体圧着部の周方向の止水性を確保しつつ、導体圧着部と導体との導通性を向上させることができる。
この発明により、管状状態において径内側に重なる被重合部分の切り欠き部には圧着部と止水材の板厚分隙間が生じるため、圧着によって潰される止水材の先端側が切り欠き部に逃げることができる。これにより、圧着部の先端側から外部に止水材が潰れ出ることを確実に防止できる。
この発明により、止水性を向上させながらも、圧着状態における圧着部の管径が拡大することを抑制できるため、従来から用いられているコネクタのキャビティに電線接続構造体の圧着端子を装着することができる。
この発明により、管状となる導体圧着部の先端側から圧着部の内部への水分の浸入を、より確実に防止することができる。
この発明により、電線接続構造体を、例えば、銅系材料で構成した導体を有する電線接続構造体よりも軽量化することができる。
この発明により、止水性を向上させながらも、圧着状態における圧着部の管径が拡大することを抑制できるため、従来から用いられているコネクタのキャビティに電線接続構造体の圧着端子を装着したワイヤハーネスを構成することができる。
この発明の第1実施形態を、図1から図4を用いて説明する。
図1(a)は、第1実施形態のワイヤハーネス1の概略斜視図を示し、図1(b)は、第1実施形態のワイヤハーネス1をコネクタ2と電線接続構造体3とに分解した概略分解斜視図を示し、図2(a)は、第1実施形態の電線接続構造体3の概略斜視図を示し、図2(b)は、第1実施形態の電線接続構造体3の軸方向Xに沿った概略縦断面図を示している。
また、電線接続構造体3の長手方向を軸方向Xとし、各図における左側を先端側Xaとするとともに、右側を他端側Xbとする。
さらに、図3(b)に図示する平面側が、圧着端子20の圧着部23の内面231であり、軸方向Xに直交する方向を幅方向Yとし、図3(b)における上側を一端部側Yaとするとともに、下側を他端部側Ybとする。
詳述すると、ワイヤハーネス1は、電線接続構造体3を構成する被覆電線10の先端側Xaに圧着した圧着端子20を、コネクタ2のキャビティ2aに装着して構成している。
なお、コネクタ2は、本実施形態において雌型としているが、雄型であってもよい。ただし、雄型のコネクタを用いる場合、雄型の圧着端子をキャビティに装着しなければならない。
なお、導体11は、本実施形態においてアルミニウム系材料で構成したが、導通性を有していれば、例えば、銅系材料で構成してもよい。
ボックス部21は、先端側Xaが開口した略箱型に形成されており、底面から内部側へ折り曲げられた接続部211を備えている。
トランジション部22は、ボックス部21と圧着部23との間に介在し、ボックス部21と圧着部23とを連結している。
なお、圧着端子20は、ボックス部21を用いた雌型の圧着端子に限らず、例えば、接続タブを用いた雄型の圧着端子であってもよい。
圧着端子20を構成する圧着部23は、上述のように導体圧着部24及び被覆圧着部25とで構成されており、導体圧着部24の内面231に、幅方向Yに伸びるセレーション26を軸方向Xに沿って3つ備えるとともに、シート状の止水材27を備えている。
つまり、導体圧着部24と被覆圧着部25とは、幅方向Yの長さが異なる段差状に形成されている。
止水材連結部273は、セレーション26が形成されていない導体圧着部24の一端部側Yaにおいて軸方向に沿って延設され、止水材先端部271及び止水材他端部272を連結している。
なお、止水材27は、圧着した際に止水性を有していれば、シート状のみならず、例えば、圧着部23に合成樹脂を固着させたりを塗布したりしたものであってもよい。
これにより、被覆側重合部分251と止水材27とが協働して、管状となる圧着部23の止水性を向上させることができる。
詳述すると、先端側セレーション261に止水材27を掛けたことで、止水材27は先端側セレーション261に係止する態様となるため、圧着部23で電線先端部10aを囲繞するように圧着しても、止水材27の位置ズレが生じることを抑制することができる。
従って、寿司巻き管状となる圧着部23の内部への水分の侵入を防止することができ、圧着端子20の止水性を向上させることができる。
従って、寿司巻き管状となる圧着部23の、特に導体圧着部24の先端側Xaからの水分の浸入を防止することができる。
詳述すると、圧着部23の管状状態において、導体圧着部24の導体側重合部分241の径内側に位置する他端部までセレーション26を延設したことで、重合する導体圧着部24の一端部側Yaと他端部側Ybとの間にセレーション26が配置されて隙間が生じることを防止し、導体圧着部24の一端部側Yaと他端部側Ybとが密着した圧着状態を得ることができる。
従って、導体圧着部24の周方向の止水性を確保しつつ、導体圧着部24と導体露出部13との導通性を向上させることができる。
しかも、被覆電線10と圧着部20との圧着状態において、止水材27の位置ズレを防止することができるため、管状の圧着部23の内部への水分の浸入を防止し、導体11とイオン化傾向が異なる銅系材料で圧着部23を構成しても、導体露出部13と導体圧着部24との接触部分に、水分が付着して電食が生じることを防止できる。
ただし、上述した第1実施形態の圧着端子20と同様の構成については、同様の符号を付し、説明を省略する。
この発明の第2実施形態を、図5を用いて説明する。
図5(a)は、第3実施形態の圧着端子20aを平面展開した状態の概略平面図を示し、図5(b)は、管状状態の導体圧着部24aの概略断面図を示し、図5(c)は、管状状態の被覆圧着部25aの概略断面図を示している。
これにより、従来から用いられているコネクタ2のキャビティ2aに圧着端子20aを装着することができる。
これにより、従来から用いられているコネクタ2のキャビティ2aに圧着端子20aを確実に装着することができる。
この発明の第3実施形態を、図6を用いて説明する。
図6(a)は、第3実施形態の圧着端子20bを平面展開した状態の概略平面図を示し、図6(b)は、第2実施形態の管状状態の圧着部23bのみをあらわす概略斜視図を示している。
この突出部29は、図6(b)に示すように、図示省略する電線先端部10aに囲繞するように管状に巻き回された状態において、径内側に向けて曲げられている。
これにより、導体圧着部24の先端側Xaから圧着部23bの内部への水分の浸入を、より確実に防止することができる。
これにより、上記突出部29と切り欠き部244とが協働して、圧着部23bの先端側Xaから外部に止水材先端部271が潰れ出ることを確実に防止できる。
この場合においても、管状状態において導体側重合部分241の径内側に重なる導体側被重合部分242の非配置部には、止水材先端部271の板厚分隙間が生じるため、圧着によって潰される止水材先端部271がその隙間に逃げることができる。これにより、圧着部23bの先端側Xaから外部に止水材先端部271が潰れ出ることを防止できる。
この発明の接触側の面は、実施形態の内面231に対応し、
導体接続部分は、中間セレーション262及び後端側セレーション263に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、圧着によって止水材27が圧着部23の外部に潰れ出ることを防止するために、圧着部23の外形よりも一回り小さく形成してもよい。
2…コネクタ
3…電線接続構造体
10…被覆電線
11…導体
12…絶縁被覆
20,20a,20b…圧着端子
23,23a,23b…圧着部
24,24a…導体圧着部
25,25a…被覆圧着部
26…セレーション
27…止水材
28,28a…非配置部
29…突出部
231…内面
232…重合部分
233…被重合部分
243…封止部
244…切り欠き部
Xa…先端側
Xb…他端側
Y…幅方向
Ya…一端部側
Yb…他端部側
Claims (11)
- 導体が絶縁被覆で被覆され、先端側において所定長さの前記導体が前記絶縁被覆から露出した被覆電線における露出した前記導体より前記先端側から、前記絶縁被覆の先端部分までを一体的に囲繞して管状に圧着する圧着部を有する圧着端子であって、
前記圧着部の幅方向の一端部側に、管状状態において他端部側の径外側に重なる重合部分が設けられるとともに、
前記圧着部の前記他端部側に、管状状態において前記重合部分の径内側に重なる被重合部分が設けられ、
前記圧着部における、前記被覆電線と接触する側である接触側の面において前記導体と接続する導体接続部分以外に止水材が設けられ、
前記圧着部が、
前記絶縁被覆を圧着する被覆圧着部と、
前記導体を圧着する導体圧着部とで構成され、
前記接触側の面における前記被覆圧着部の前記重合部分に、前記止水材を配置しない非配置部が設けられた
圧着端子。 - 前記導体圧着部の前記被重合部分に前記非配置部が設けられた
請求項1に記載の圧着端子。 - 前記導体圧着部における前記導体接続部分にセレーションが設けられ、
前記止水材が、前記セレーションの一部に掛けられた
請求項1又は2に記載の圧着端子。 - 前記止水材が、前記セレーションの前記先端側に掛けられた
請求項3に記載の圧着端子。 - 前記セレーションが、前記導体圧着部の前記他端部まで延設された
請求項3又は4に記載の圧着端子。 - 前記セレーションよりも前記先端側における前記被重合部分に、前記圧着部を切り欠いた切り欠き部が設けられた
請求項3から5のうちいずれか一項に記載の圧着端子。 - 前記圧着部の前記先端側の端部から前記先端側に突出するとともに、管状状態となる前記圧着部の径内側に突出する突出部が設けられた
請求項1から6のうちいずれか一項に記載の圧着端子。 - 請求項1から7のうちいずれか一項に記載の圧着端子と前記被覆電線とが圧着された
電線接続構造体。 - 前記圧着部の前記先端側に、圧着によって封止された封止部が設けられた
請求項8に記載の電線接続構造体。 - 前記導体が、アルミニウム系材料で構成された
請求項8又は9に記載の電線接続構造体。 - 請求項8から10のうちいずれか一項に記載の電線接続構造体を構成する前記圧着端子がコネクタに装着された
ワイヤハーネス。
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