JP6310341B2 - 八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体及びその製造方法 - Google Patents

八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6310341B2
JP6310341B2 JP2014131916A JP2014131916A JP6310341B2 JP 6310341 B2 JP6310341 B2 JP 6310341B2 JP 2014131916 A JP2014131916 A JP 2014131916A JP 2014131916 A JP2014131916 A JP 2014131916A JP 6310341 B2 JP6310341 B2 JP 6310341B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxo
niobium
octanuclear
present
alkoxo
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014131916A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016008213A (ja
Inventor
祥生 浅野
祥生 浅野
靖 原
靖 原
裕太 森中
裕太 森中
賢一 多田
賢一 多田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sagami Chemical Research Institute (Sagami CRI)
Tosoh Corp
Original Assignee
Sagami Chemical Research Institute (Sagami CRI)
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sagami Chemical Research Institute (Sagami CRI), Tosoh Corp filed Critical Sagami Chemical Research Institute (Sagami CRI)
Priority to JP2014131916A priority Critical patent/JP6310341B2/ja
Publication of JP2016008213A publication Critical patent/JP2016008213A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6310341B2 publication Critical patent/JP6310341B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、優れた熱安定性を持つヘキサキス(μ−ベンジルオキソ)テトラデカキス(ベンジルオキソ)ビス(μ−オキソ)オクタキス(μ−オキソ)オクタニオブ及びその製造方法に関する。
ニオブ酸化物膜は、高い屈折率及び高い光透過性を示すことから、半導体素子や光学素子などのデバイス用材料として注目されている。現在、ニオブ酸化物膜を作製する様々な方法が検討されており、例えば溶液法などの湿式法を用いてニオブ酸化物膜を作製するための材料としてニオブアルコキソ錯体等が検討されている。一般に、製膜用材料の溶液を基板に塗布して製膜する際には、加熱処理が段階的に施され、まず第1段階として溶媒等の乾燥処理が行われ、次いで第2段階として製膜用材料の熱分解処理が行われる。このような製膜プロセスにおいて、第1段階の乾燥処理温度では分解せずに第2段階の熱分解処理においてのみ熱分解する、熱安定性の高い製膜用材料は、優れた品質の薄膜を作製する上で有用である。また、保存安定性の点でも熱安定性が高い材料は有用である。非特許文献1、2及び3にはオキソ配位子とアルコキソ配位子を持つ複核ニオブ錯体が記載されている。本発明のヘキサキス(μ−ベンジルオキソ)テトラデカキス(ベンジルオキソ)ビス(μ−オキソ)オクタキス(μ−オキソ)オクタニオブ(以下、八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体と称する)は、該文献記載の錯体とは中心金属の数または配位子の種類の点で異なる。また、これらの文献に記載の錯体の製造方法は、ニオブのアルコキソ錯体の加水分解、単核のニオブオキソ−アルコキソ錯体の縮合または金属ニオブのアルコール存在下での陽極酸化によるものであり、本発明の八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体の製造方法とは異なる。
Russian Journal of Inorganic Chemistry、第36巻、第7号、938ページ(1991年) Chemical Communications(London)、第18号、1112ページ(1968年) Inorganica Chimica Acta、第357巻、第2号、468ページ(2004年)
熱安定性に優れたニオブオキソ−アルコキソ錯体、及びその製造方法を開発することが本発明の課題である。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、化学式(1)で示される八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体が熱安定性に優れた錯体であることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、化学式(1)
Figure 0006310341
で示されることを特徴とする八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体に関する。
また本発明は、デカキス(ベンジルオキソ)ジニオブと、ジアセトンアルコールとを反応させることを特徴とする、化学式(1)
Figure 0006310341
で示される八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体の製造方法に関する。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。なお、本明細書中では、Et及びBnは、それぞれエチル基及びベンジル基を示す。
次に、本発明の八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体の製造方法について説明する。本発明の八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体(1)は下記の製造方法1に従って製造することが出来る。
本発明の製造方法1はデカキス(ベンジルオキソ)ジニオブとジアセトンアルコールとを反応させることにより、本発明の八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体(1)を製造する方法である。
製造方法1
Figure 0006310341
本発明の製造方法1において、反応温度については特に限定はなく、好ましくは0℃から200℃の範囲から、更に好ましくは100℃から180℃の範囲から適宜選択することにより本発明の八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体(1)を収率よく製造することができる。
本発明の製造方法1において、好ましくは1分から24時間の範囲の中から、更に好ましくは1時間から6時間の範囲の中から適宜選択することによって、収率よく本発明の八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体(1)を製造することができる。
本発明の製造方法1におけるデカキス(ベンジルオキソ)ジニオブとジアセトンアルコールのモル比について説明する。デカキス(ベンジルオキソ)ジニオブ1モルに対して好ましくは等モル以上10モル以下、更に好ましくは2モル以上4モル以下のジアセトンアルコールを反応に用いることにより、収率よく本発明の八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体(1)を製造することができる。
製造方法1は有機溶媒中又は無溶媒のいずれの条件下でも実施することが出来る。本発明の八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体(1)の収率が良い点で、有機溶媒中で実施することが好ましい。用いることが出来る有機溶媒としては、反応を阻害することがない有機溶媒であれば制限はない。用いることが出来る有機溶媒の例としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、ベンゾトリフルオリドなどの芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,3−プロパンジオールジメチルエーテル、1,2−ブタンジオールジメチルエーテル、1,3−ブタンジオールジメチルエーテル、1,4−ブタンジオールジメチルエーテル、2,3−ブタンジオールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタンなどのハロアルカン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのカルボン酸アミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシドなどを例示することができ、これらのうち一種類を単独で用いても良く、二種類以上の有機溶媒を任意の比率で混合して用いても良い。本発明の八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体(1)の収率が良い点で、ヘプタン、トルエン及びキシレンが好ましい。製造方法1において有機溶媒を用いる場合、その使用量には特に制限はなく、適宜選択された量の有機溶媒を用いることにより収率良く本発明の八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体(1)を製造することが出来る。
本発明の製造方法1によって製造した本発明の八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体(1)は、必要に応じてろ過、抽出、沈殿、結晶化などの一般的な精製方法を適宜用いることにより精製することが出来る。
本発明の製造方法1において、合成原料として用いられるデカキス(ベンジルオキソ)ジニオブは、下記の製造方法2に従って製造することが出来る。製造方法2は、デカキス(エチルオキソ)ジニオブとベンジルアルコールとを反応させることにより、デカキス(ベンジルオキソ)ジニオブを製造する方法である。
製造方法2
Figure 0006310341
製造方法2は有機溶媒中又は無溶媒のいずれの条件下でも実施することが出来る。用いることが出来る有機溶媒としては、反応を阻害することがない有機溶媒であれば制限はなく、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、ベンゾトリフルオリドなどの芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、シクロペンチルエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,3−プロパンジオールジメチルエーテル、1,2−ブタンジオールジメチルエーテル、1,3−ブタンジオールジメチルエーテル、1,4−ブタンジオールジメチルエーテル、2,3−ブタンジオールジメチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル、ジクロロメタン、クロロホルム、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタンなどのハロアルカン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのカルボン酸アミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシドなどを例示することができる。これらのうち一種類を単独で用いても良く、二種類以上の有機溶媒を任意の比率で混合して用いても良い。デカキス(ベンジルオキソ)ジニオブの精製が容易である点で、無溶媒で実施することが好ましい。
製造方法2におけるデカキス(エチルオキソ)ジニオブとベンジルアルコールのモル比については、好ましくはデカキス(エチルオキソ)ジニオブ1モルに対し10モル以上30モル以下のベンジルアルコールを用いることにより、デカキス(ベンジルオキソ)ジニオブを収率よく製造することができる。
製造方法2において、反応温度については特に限定はなく、好ましくは0℃から200℃の範囲の中から適宜選択することにより、デカキス(ベンジルオキソ)ジニオブを収率よく製造することができる。製造方法2によって製造したデカキス(ベンジルオキソ)ジニオブは、ろ過、抽出、蒸留、沈殿、結晶化などの一般的な精製方法を適宜用いることにより精製することが出来る。また、精製せずに製造方法1の原料として用いてもよい。
本発明の八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体(1)は有機溶媒に溶解するため、例えば透明導電膜、高誘電率膜又は絶縁膜として用いた半導体デバイス、及び該ニオブ酸化物膜を、反射防止膜、ハードコート材、ガラスの傷補修材、ガスバリア材又は光触媒性部材として用いた光学製品等に用いるニオブ酸化物膜を湿式法によって作製するための材料として有用である。
本発明の八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体(1)は、デカキス(ベンジルオキソ)ジニオブとジアセトンアルコールを反応させることにより簡便に合成することができ、公知物質であるニオブオキソ−エチルオキソ錯体Nb(μ−O)(μ−O)(μ−OEt)(OEt)14に比べ熱安定性に優れている。
実施例1で得られた結晶の単結晶X線構造解析の結果の分子構造を示す図である。なお、図中では、ベンジルオキシ基のフェニル基及びすべての水素原子の図示は省略している。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお全ての反応操作はアルゴンガス雰囲気下で実施した。
参考例−1
Figure 0006310341
デカキス(エチルオキソ)ジニオブ5.87g(9.23mmol)にベンジルアルコール20.4g(189mmol)を加え、室温で40分撹拌した後、減圧下で揮発成分を除去した。さらに減圧下でオイルバスにより150℃に加熱し、揮発成分を除去した。得られた残渣は加熱下では液体であったが、室温まで冷却すると白色固体となった。得られた残渣にヘプタン50mLを加えて還流した。固体が全て溶解したところで加熱をやめ、室温まで徐冷した後−20℃で冷却し、白色固体を析出させた。上澄み液を除去し、残渣を減圧下で乾燥させたところ、デカキス(ベンジルオキソ)ジニオブ(Nb(OBn)10)を白色固体として得た。収量11.5g(収率99%)。
H NMR(500MHz,C)δ7.68(d,JHH=7.3Hz,4H),7.46(br d,8H),7.27(t,JHH=7.3Hz,4H),7.2−7.0(m,34H),5.79(s,4H),5.68(br s,8H),5.12(br s,8H)。
実施例−1
Figure 0006310341
デカキス(ベンジルオキソ)ジニオブ(Nb(OBn)10)3.60g(2.86mmol)をトルエン28.5mLに溶解させ、ジアセトンアルコール0.678g(5.84mmol)を加えて4時間還流した。減圧下で溶媒を留去して得られた残渣をヘキサン15mLで3回、10mLで3回洗浄した後、残渣から目的物をトルエン20mLで抽出し、不溶解物を除去した。減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をトルエン5mLに溶解させ、該溶液の上部にアセトニトリル45mLを注いで二層とし、静置することにより白色固体を析出させた。上澄み液を除去し、残渣を減圧下で乾燥させることで、ヘキサキス(μ−ベンジルオキソ)テトラデカキス(ベンジルオキソ)ビス(μ−オキソ)オクタキス(μ−オキソ)オクタニオブ(Nb(μ−O)(μ−O)(μ−OBn)(OBn)14)を白色固体として得た。収量0.972g(収率55%)。
H NMR(500MHz,C)δ7.47−7.34(m,26H),7.21−6.93(m,68H),6.91(t,J=7.3Hz,4H),6.84(t,J=7.3Hz,2H),6.44(d,J=14.2Hz,4H),6.00−5.85(m,20H),5.58(s,4H),5.13(s,4H),4.58(s,8H)。
13C NMR(125MHz,CDCl)δ143.7,142.5,142.4,142.1,141.6,141.2,129.1,129.0,128.9,128.7,128.1,127.9,127.8,127.65,127.58,127.55,127.2,127.12,127.07,127.00,126.8,79.2,78.3,78.0,77.7,76.1,74.1,73.7。
元素分析実測値:C=54.97%、H=4.47%、N0.00%。計算値:C=55.21%、H=4.63%、N=0.00%。
該白色固体のトルエン溶液の上部にヘキサンを注いで二層とし静置することにより得た無色ブロック状単結晶を、単結晶X線構造解析装置(Rigakuイメージングプレート単結晶自動X線構造解析装置R−AXIS RAPID II)を用いて解析し、該単結晶がNb(μ−O)(μ−O)(μ−OBn)(OBn)14であること、その分子構造及び結晶構造を決定した。解析結果のORTEP(Oak Ridge Thermal Ellipsoid Plot Program)図を図1に示す。構造解析精密化における最終のR値は0.064であった。最終のRw値は0.178であった。なお、図1中では、ベンジルオキシ基のフェニル基及びすべての水素原子の図示を省略している。
組成式:C14014030Nb
結晶系:単斜晶
空間群:P2/c(#14)
Z:4
計算密度:1.565 g/cm
格子定数:a=18.78Å、b=31.63Å、c=21.88Å、α=γ=90°、β=95.80°
上記測定の結果より、上記反応で得た生成物Nb(μ−O)(μ−O)(μ−OBn)(OBn)14は、8個のニオブ原子が10個の酸素原子及び6個のベンジルオキシ基により架橋され、14個のベンジルオキシ基が周囲に結合した構造であることが分かった。
参考例−2
Figure 0006310341
デカキス(エチルオキソ)ジニオブ(Nb(OEt)10)5.67g(8.91mmol)をトルエン36mLに溶解させ、ジアセトンアルコールの11.2重量%のトルエン溶液23.3g(22.4mmol)を加えて20時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去して得られた残渣をトルエン15mLに溶解させ、該溶液にアセトニトリル45mLを加えた。該溶液を−20℃で静置し、無色のブロック状単結晶を析出させた。上澄み液を除去し、残渣をアセトニトリル5mLで3回洗浄し減圧下で乾燥させることで、ヘキサキス(μ−エチルオキソ)テトラデカキス(エチルオキソ)ビス(μ−オキソ)オクタキス(μ−オキソ)オクタニオブ(Nb(μ−O)(μ−O)(μ−OEt)(OEt)14)を白色固体として得た。収量1.04g。また、該上澄み液およびアセトニトリル洗液を回収し、濃縮して−20℃で静置することで白色沈殿を生成させた。上澄み液を除去し、残渣をアセトニトリル5mLで2回洗浄し減圧下で乾燥させることで、さらに0.22gの目的物を得た。再度上澄み液およびアセトニトリル洗液を回収し、減圧下で溶媒を留去して得られた残渣をアセトニトリル15mLで3回洗浄した。得られた残渣を減圧下で乾燥させ、ヘキサン26mLに溶解させて−20℃で静置することで白色沈殿を生成させた。上澄み液を除去し、残渣をアセトニトリル5mLで2回洗浄し減圧下で乾燥させることで、さらに0.30gの目的物を得た。総収量1.56g(収率39%)。
上述の精製中に得られた無色のブロック状単結晶を、単結晶X線構造解析装置(Rigakuイメージングプレート単結晶自動X線構造解析装置R−AXIS RAPID II)を用いて解析したところ、非特許文献1および2に記載のヘキサキス(μ−エチルオキソ)テトラデカキス(エチルオキソ)ビス(μ−オキソ)オクタキス(μ−オキソ)オクタニオブ(Nb(μ−O)(μ−O)(μ−OEt)(OEt)14)と同一の分子構造であることを確認した。
H NMR(500MHz,C)δ5.07(q,J=6.9Hz,2H),5.05(q,J=6.9Hz,2H),4.86−4.72(m,12H),4.62−4.55(m,8H),4.54(q,J=6.9Hz,4H),4.40(q,J=6.9Hz,2H),4.39(q,J=6.9Hz,10H),1.54(t,J=6.9Hz,15H),1.53(t,J=6.9Hz,9H),1.45(t,J=6.9Hz,6H),1.42(t,J=6.9Hz,12H),1.40(t,J=6.9Hz,6H),1.26(t,J=6.9Hz,12H)。
13C NMR(125MHz,C)δ71.1,70.0,69.7,66.1,65.9,18.9,18.7,18.5,18.3。
試験例−1
実施例−1で得たヘキサキス(μ−ベンジルオキソ)テトラデカキス(ベンジルオキソ)ビス(μ−オキソ)オクタキス(μ−オキソ)オクタニオブ(Nb(μ−O)(μ−O)(μ−OBn)(OBn)14)412mg(1.35×10−4mol)と内部標準物質としてヘキサメチルベンゼン22.3mg(1.37×10−4mol)とをトルエン10mLに溶解させた。溶液の一部を採取して減圧下で溶媒を留去し、残渣のH NMRを測定した。該溶液を14時間還流させた後(還流温度111℃)、再度溶液の一部を採取して減圧下で溶媒を留去し、残渣のH NMRを測定したところ、内部標準物質換算で80%のNb(μ−O)(μ−O)(μ−OBn)(OBn)14が残存していることを確認した。該残存率は内部標準物質であるヘキサメチルベンゼンの2.13ppm(s,18H)のシグナルの積分強度と、本発明のヘキサキス(μ−ベンジルオキソ)テトラデカキス(ベンジルオキソ)ビス(μ−オキソ)オクタキス(μ−オキソ)オクタニオブの4.58ppm(s,8H)のシグナルの積分強度の比に基づいて算出した。
比較試験例−1
参考例−2で得たヘキサキス(μ−エチルオキソ)テトラデカキス(エチルオキソ)ビス(μ−オキソ)オクタキス(μ−オキソ)オクタニオブ(Nb(μ−O)(μ−O)(μ−OEt)(OEt)14)245mg(1.36×10−4mol)と内部標準物質としてヘキサメチルベンゼン21.7mg(1.34×10−4mol)とをトルエン10mLに溶解させた。溶液の一部を採取して減圧下で溶媒を留去し、残渣のH NMRを測定した。該溶液を14時間還流させた後(還流温度111℃)、再度溶液の一部を採取して減圧下で溶媒を留去し、残渣のH NMRを測定したところ、内部標準物質換算で19%のNb(μ−O)(μ−O)(μ−OEt)(OEt)14が残存していることを確認した。該残存率は内部標準物質であるヘキサメチルベンゼンの2.13ppm(s,18H)のシグナルの積分強度と、ヘキサキス(μ−エチルオキソ)テトラデカキス(エチルオキソ)ビス(μ−オキソ)オクタキス(μ−オキソ)オクタニオブの4.40及び4.39ppm(ともにq,J=6.9Hz,計12H)のシグナルの積分強度の比に基づいて算出した。
試験例−1及び比較試験例−1より、本発明の八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体は、ヘキサキス(μ−エチルオキソ)テトラデカキス(エチルオキソ)ビス(μ−オキソ)オクタキス(μ−オキソ)オクタニオブよりも還流後の残存率が高く、熱安定性に優れるものである。

Claims (2)

  1. 化学式(1)
    Figure 0006310341
    (式中、Bnはベンジル基を表す。)で示されることを特徴とする八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体。
  2. デカキス(ベンジルオキソ)ジニオブと、ジアセトンアルコールとを反応させることを特徴とする、化学式(1)
    Figure 0006310341
    (式中、Bnはベンジル基を表す。)で示される八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体の製造方法。
JP2014131916A 2014-06-26 2014-06-26 八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体及びその製造方法 Active JP6310341B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014131916A JP6310341B2 (ja) 2014-06-26 2014-06-26 八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014131916A JP6310341B2 (ja) 2014-06-26 2014-06-26 八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016008213A JP2016008213A (ja) 2016-01-18
JP6310341B2 true JP6310341B2 (ja) 2018-04-11

Family

ID=55226020

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014131916A Active JP6310341B2 (ja) 2014-06-26 2014-06-26 八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6310341B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6833281B2 (ja) * 2017-03-29 2021-02-24 東ソー株式会社 酸化ニオブ被覆メソポーラスシリカ及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016008213A (ja) 2016-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2541539C2 (ru) Способ получения хлордиалкоксидов индия
CN106536641A (zh) 用于薄膜沉积的含钼及钨的前体
JP2018513953A (ja) 熱伝達流体として使用される分岐状オルガノシロキサン
CN116897158A (zh) 制备有机锡化合物的方法
KR20090115197A (ko) 코발트 함유막 형성 재료, 및 상기 재료를 이용한 코발트 실리사이드막의 제조 방법
JP2015224227A (ja) (アセチレン)ジコバルトヘキサカルボニル化合物の製造方法
JP6310341B2 (ja) 八核ニオブオキソ−アルコキソ錯体及びその製造方法
JP2009263316A (ja) 不完全縮合オリゴシルセスキオキサンの製造方法
Morstein Volatile zirconium bis (acetylacetonato) bis (alcoholato) complexes containing heterosubstituted alcoholato ligands
JP6447988B2 (ja) 環状シロキサン化合物を含む組成物、環状シロキサン化合物の製造方法、及びシロキサン重合体の製造方法
Endo et al. Stereoisomerization of cyclic silanols
KR102136440B1 (ko) 피리다지논 화합물 및 그의 제조 중간체의 제조 방법
WO2016032767A1 (en) Preparation of fluorosilicon compounds
JP4002956B2 (ja) タンタルアルコラート及びニオブアルコラートの製造方法
JP6624997B2 (ja) 三核ハフニウムオキソ−アルコキソ錯体及びその製造方法
JP6707668B2 (ja) カチオン性ケイ素(ii)化合物およびその製造方法
US1689356A (en) Method of producing complex metal alcoholates
JP4147115B2 (ja) シラノール停止オリゴマー材料の製造法
DE102011005387A1 (de) Verfahren zur Reduzierung des Aluminiumgehaltes von Neopentasilan
KR101716594B1 (ko) β-디케톤 화합물로부터의 비대칭 β-디케톤 화합물의 추출 방법
KR100830529B1 (ko) 고순도 하프늄아미드의 제조방법
JP4691084B2 (ja) 白金触媒
JP2009057297A (ja) ホスホニウムイオン液体、ビアリール化合物の製造方法およびイオン液体の使用方法
JP4767158B2 (ja) ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ストロンチウムの製造方法
JP5896356B2 (ja) ケイ素化合物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180306

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180316

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6310341

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150