JP6310245B2 - 遊技媒体使用機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機(例えばスロットマシン等)で用いられる遊技媒体(例えばメダル等)の貸出を行う遊技媒体貸出機内に配置されている計数ホッパーなどの遊技媒体使用機に関する。
従来から、メダルを識別してメダルの真贋判定を行う機構を備えた遊技機および遊技媒体使用機の開発が盛んに行われている。また、近年、各遊技機に対して1対1対応で、メダル貸出機能だけでなく、メダル計数機能を有する各台計数機の設置が、遊技者の利便性の観点から望まれている。
前記各台計数機に用いる計数ホッパーにメダルの真贋判定を行う機構を導入する場合、所定の勢いで放出されたメダルが前記機構を経由して遊技島内のメダル回収システムに到達するようにメダルを誘導する誘導通路を、前記計数ホッパーに備える必要がある。しかし、真贋判定が正しく行われたとしても、正規と判定された正規メダルをメダル回収システムに確実に到達させることができない場合がある。例えば、手の脂などでメダルが汚れていると、メダルと誘導通路との間の摩擦が増大し、メダルの放出の勢いが低下してしまい、メダル回収システムに確実に到達しない場合がある。一方、非正規と判定された非正規メダルは確実に排除する必要がある。
特許文献1には、メダル搬送路に沿って搬送される被選別メダルが指定メダルか指定外メダルかを判別し、落下用ソレノイドを駆動させて指定外メダルを落下させて排除するメダル選別装置について開示されている。しかし、例えば、手の脂などで被選別メダルが汚れている場合には、被選別メダルとメダル搬送路との間の摩擦が増大するため、被選別メダルの搬送速度が低減し、搬送されている被選別メダルに対して、落下用ソレノイドの駆動のタイミングが合わない場合がある。その結果、被選別メダルの判別は正常に機能していても、指定メダルを排除してしまったり、指定外メダルを排除できなかったりする場合がある。
特開2001−67519号公報
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、遊技媒体の真贋判定を行う遊技媒体使用機において、正規遊技媒体を所定の箇所に確実に到達させるとともに、非正規遊技媒体を確実に排除することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、
遊技媒体を使用する遊技媒体使用機であって、
前記遊技媒体を放出する遊技媒体放出ユニットと、
前記遊技媒体放出ユニットから放出された前記遊技媒体が通過する誘導通路と、
前記誘導通路を通過する前記遊技媒体の真贋判定を行う判定部材と、
前記判定部材によって真贋判定された遊技媒体を、正規遊技媒体と非正規遊技媒体とに振分ける振分けユニットと、
前記誘導通路の一部を構成しており、前記振分けられた前記正規遊技媒体を前記誘導通路の下流端部へ送る送り出し部と、を備えており、
前記送り出し部によって、前記振分けられた前記非正規遊技媒体を所定の箇所に案内するための非正規遊技媒体案内領域が、前記誘導通路の前記下流端部よりも上流側に形成されている
ことを特徴とする。
その他の手段については後記する。
本発明によれば、遊技媒体の真贋判定を行う遊技媒体使用機において、正規遊技媒体を所定の箇所に確実に到達させるとともに、非正規遊技媒体を確実に排除することができる。
本実施形態の遊技媒体貸出機の全体構成図であり、(a)は正面図で、(b)は右側面図である。 遊技媒体貸出機の内部構造の概要図であり、右側面図である。 計数ホッパーの斜視図であり、振分けユニットが係止部材に係止されており、誘導通路が未開放状態であるときを示す図である。 計数ホッパーの斜視図であり、振分けユニットが係止部材から解放されており、誘導通路が開放状態であるときを示す図である。 図4において、計数ホッパーの右奥側を切り欠いた状態を示した図である。 図3のA−A線で切断したときの端面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する。)について、図面を参照(言及図以外の図面も適宜参照)しながら説明する。なお、本実施形態における「上」、「下」、「左」、「右」、「手前(前、正面)」、「奥(後、背面)」の各方向については、各図に示す通りとする。
図1(a)(b)に示すように、遊技媒体貸出機1は、メダル(遊技媒体)を用いて遊技を行う遊技機(不図示)に隣接して設置される装置である。
遊技媒体貸出機1は、縦長直方体形状の本体2と、貨幣投入口3と、払出機能・計数機能兼備用部材50と、ノズル4と、制御部101と、払い出しホッパー102と、計数ホッパー103と、を主に備えている。
本体2は、遊技媒体貸出機1の各装置を収納する筐体である。本体2は、底板201と、側板202,202と、背板203と、天板204と、手前側の開口部を塞ぐ複数の正面板211a,212a,213a,214aと、を含んで構成されている。また、図1(b)に示すように、本体2の内部は、上から順番に、ビルバリユニット収納部211と、制御部収納部212と、メダル補充部(遊技媒体補充部)213と、払い出しホッパー収納部214と、計数ホッパー収納部215とに仕切られている。
ビルバリユニット収納部211は、遊技者が投入する貨幣を識別するビルバリユニット(貨幣識別装置)(図示せず)を収納する部位である。ビルバリユニット収納部211は、手前側の開口部が正面板211aによって塞がれている。正面板211aには、遊技者によって投入される貨幣の投入口である貨幣投入口3が形成されている。
制御部収納部212は、遊技媒体貸出機1における各種制御を行う制御部101を収納する部位である。制御部101は、手前側の開口部を塞ぐ正面板212aに一体形成されている。正面板212aには、カード挿入口212b及びタッチパネル式モニタ212cが形成されている。カード挿入口212bには、遊技者の情報が記憶されたカードが挿入される。タッチパネル式モニタ212cには、遊技者の遊技状況(例えば、払い出しメダル枚数、獲得メダル枚数等)が表示される。
メダル補充部213は、払い出しホッパー102にメダルを補充するための部位である。メダル補充部213の手前側の開口部は、板状の開閉扉(正面板)213aで塞がれている。メダル補充部213の内部は、払い出しホッパー102に連通する中空部(図示せず)を備えている。
払い出しホッパー収納部214は、払い出しホッパー102を収納する部位である。払い出しホッパー収納部214の手前側の開口部は、払出機能・計数機能兼備用部材50に一体形成された正面板214aで塞がれている。
計数ホッパー収納部215は、計数ホッパー103を収納する部位である。計数ホッパー収納部215の手前側の開口部は、払出機能・計数機能兼備用部材50に一体形成された正面板214aで塞がれている。
ノズル4は、ノズル本体5とノズルトップ6から構成され、払い出しホッパー102から払い出されるメダルを遊技機の下皿に誘導する。
払い出しホッパー102は、制御部101の指示により所定数のメダルを払い出す。
計数ホッパー103は、計数したメダルの枚数を制御部101に伝える。
なお、制御部101は、演算手段、記憶手段、カード挿入口212b、カード読み取り部(図示せず)、タッチパネル式モニタ212c等を含んで構成されている。記憶手段は、払い出しホッパー102から払い出された払い出しメダル枚数、遊技者が遊技によって獲得した獲得メダル枚数及び計数ホッパー103によってカウントされた計数メダル枚数などを記憶する。演算手段は、記憶手段で記憶された各メダル枚数を読み出して差枚数を計算する等の演算を行う。
遊技媒体貸出機1では、遊技者によって貨幣投入口3から貨幣が投入されると、制御部101からの指示により、投入された貨幣の価値(金額)に応じて、払い出しホッパー102によって所定数のメダルを払い出す。
払出機能・計数機能兼備用部材50は、遊技者が計数のために投入するメダルを受ける計数メダル受皿部7(図2参照)と、計数メダル受皿部7から計数ホッパー103までの計数メダル通路の少なくとも一部と、払い出しホッパー102からノズル4のノズルトップ6までの払い出しメダル通路の少なくとも一部と、を一体の部材として構成したものである。なお、計数メダル受皿部7は、開口部を有する。開口部は、払出機能・計数機能兼備用部材50の上部に設けられ、上向き(真上(鉛直)方向だけでなく斜め上方向でもよい。)に開口し、遊技者が計数のために投入する遊技媒体を受ける部分である。
図2に示すように、計数メダル受皿部7から投入されたメダルが計数メダル通路におけるオートスタートセンサ11の近傍を通過すると、オートスタートセンサ11から制御部101を介して計数ホッパー103にメダルを検知した信号が送られて、計数ホッパー103が始動する。計数ホッパー103の奥の本体2の下方向にメダル落下口を有する下方向誘導部材12が設けられている場合、計数ホッパー103から放出されたメダルは、遊技媒体貸出機1の下方向に誘導され、例えば遊技媒体貸出機1の下方に設けられたメダル回収システムに回収される。下方向誘導部材12のメダル落下口は、本体2の底部を構成する底板201の奥側(背板203側)に形成された開口部201aに連通している。
払い出しホッパー102は、計数機器111と、貯留部112と、ベース部材113とを含んで構成されている。
計数機器111は、メダルを一枚ずつカウントする機器である。カウントされたメダル数は、制御部101に記憶される。
貯留部112は、計数機器111の上に形成され、中空部を備えた箱状体である。貯留部112の上部は開放されており、流下したメダルを貯留部112に貯留する。貯留部112の下部も開放されており、計数機器111内にメダルが落下する。
ベース部材113は、計数機器111の下部に形成される部材であって、計数ホッパー103の高さ調節のための部材である。
〔計数ホッパー103の構成〕
図2、図3、図4、図5に示すように、計数ホッパー103は、計数機器121と、貯留部122と、ベース部材123とを含んで構成されている。説明の便宜上、図2において、計数ホッパー103の内部構造を図示している。なお、図4、図5において、貯留部122の図示は省略している。
計数機器121は、メダルを一枚ずつカウントする機器である。カウントされたメダル数は、制御部101に記憶される。計数機器121は、計数回転盤131(遊技媒体放出ユニット)と、誘導通路132と、放出ローラ133と、フォトセンサ133aと、磁気センサ134(判定部材)と、振分けユニット135と、ディップスイッチ136と、送り出し板140(送り出し部)とを含んで構成されている。なお、計数回転盤131と、フォトセンサ133aと、磁気センサ134と、振分けユニット135のソレノイド135aと、ディップスイッチ136とは、通信線(図示せず)によって通信可能に接続されており、制御部101と通信可能に接続されている。
計数回転盤131は、円板状を呈し、計数機器121の上部に配置される。計数回転盤131には、板厚方向に貫通し、メダルよりも若干大きな外径からなる複数のメダル収納孔131aが形成されている。前記メダル収納孔131aの大きさは、大径メダルも収納できる大きさであり、当然小径メダルも収納できる。前記メダル収納孔131aは、本実施形態では3個形成されている。
計数回転盤131は、計数機器121内部に配置されている駆動モータ(図示せず)によって周方向に正逆回転する。計数回転盤131は、周方向に回転することにより、貯留部122に貯留されたメダルをメダル収納孔131aに一時的に収納する。計数回転盤131がさらに周方向に回転すると、メダル収納孔131aに収納されたメダルは、メダルの通過方向、つまり誘導通路132の奥端部(下流端部)に向かって放出される方向に計数回転盤131から少しずつ押し出されるが、放出ローラ133によって一時的に阻止される。その後メダルは、放出ローラ133を付勢力に抗して押し広げて外方に向けて計数回転盤131から放出され、放出ローラ133の元へ戻ろうとする付勢力により弾き出され、誘導通路132上を通過する。
誘導通路132は、計数機器121の上部にて、計数回転盤131の背面側から下方向誘導部材12にまでメダルの通過方向に延在している。誘導通路132のうち、磁気センサ134の後方、かつ、振分けユニット135の下方に位置する一部の領域は、非正規メダルを落下させるために切欠かれている。
フォトセンサ133aは、メダルの通過方向において磁気センサ134の手前側に配置されており、放出ローラ133の動きに基づいて、計数回転盤131から放出されたメダルを検知する。フォトセンサ133aがメダルを検知すると、磁気センサ134は、メダルの真贋判定のための処理を開始する。
磁気センサ134は、メダルが通過したことにより発生する電圧を検出する。磁気センサ134は、略直方体を呈する箱体を備えており、メダルの通過方向に貫通する孔を磁気センサ134の中心に有する(図4参照)。前記孔は、磁気センサ134の検知部分であるとともに誘導通路132の一部を構成しており、メダル(大径メダルも含む)を通過させる。磁気センサ134は、磁気センサ134を駆動する回路と、前記孔の周りに多重に巻かれているコイルと、前記コイルに流れる電流による電圧値を計測する電圧計測器といったハードウェアが、前記箱体に収容されている。前記コイルは、メダルを検知する環状の検知手段である。前記孔は、コイルの内側に位置する。なお、検知手段は、円形の環状であってもよいし、四角形の環状であってもよい。
メダルは、磁気センサ134の検知部分を通過し、つまりコイルの中を通過し、誘導通路132に沿って放出される。このとき、磁気センサ134は、メダルがコイルの中を通過したことに起因する電磁誘導により発生した電圧を検出できる。つまり、前記電圧計測器は、検知部分をメダルが通過したときにコイルに流れた電流の電圧値を計測する。磁気センサ134は、計測した電圧値から、メダルを特徴付ける材質、外径、厚さという3つの要素のうちの2つの要素を特定するための第1の磁気信号、第2の磁気信号を取得する。磁気センサ134は、前記第1の磁気信号、第2の磁気信号を解析することで、磁気センサ134が予め記憶している正規メダルの2種類の磁気信号との比較に基づいてメダルの真贋判定を行う。
前記真贋判定によって、磁気センサ134の検知部分を通過するメダルが、正規メダルであるか非正規メダルであるかが決定される。磁気センサ134はメダルを計数するための計数部を備えており、磁気センサ134の検知部分を通過するメダルと、正規メダルと、非正規メダルの少なくとも1つを計数する。
図4に示すように、送り出し板140は、磁気センサ134の奥側に配置されている板材である。送り出し板140は、磁気センサ134よりも下流側において略左半分の幅を有する誘導通路132を構成している。前記真贋判定によって正規と判定された正規メダルは、手の脂などで汚れていて放出ローラ133から弾き出された後の勢いが小さくなってしまい、送り出し板140に当たったとしても、誘導通路132の奥端部にまで滑っていき、計数ホッパー103の外部へ排出される。
送り出し板140は、磁気センサ134よりも奥側において誘導通路132の左側を構成している。よって、送り出し板140によって、磁気センサ134よりも奥側にある誘導通路132の右側は、非正規メダルが誘導通路132の奥端部へ送られることなく所定の箇所に案内される(具体的には、回収ボックス137に向かって落下する)ための領域(以下、「非正規メダル案内領域」(非正規遊技媒体案内領域)と称する場合がある)として形成される。つまり、非正規メダル案内領域は、誘導通路132の奥端部よりも上流側に形成されている。
送り出し板140は、例えばネジ止めによって計数ホッパー103の一部に取り付けられるブラケットを備える。送り出し板140は、金属製である。なお、計数ホッパー103の枠体は、概ね樹脂製である。
図2に戻って、振分けユニット135は、磁気センサ134によって真贋判定されたメダルを正規メダルと非正規メダルとに振分け、非正規メダルを非正規メダル案内領域に案内する。振分けユニット135は、送り出し板140および非正規メダル案内領域の上方に配置されている。振分けユニット135は、ソレノイド135aと、フラッパ135b(規制部)と、載置台135cとを備える。図3に示すように、ソレノイド135aおよびフラッパ135bは、振分けユニット135のカバー体に覆われている。
ソレノイド135aは、通電することでフラッパ135bを上下に動かす。磁気センサ134の真贋判定により、メダルが正規メダルである場合にはフラッパ135bを動かさないが、メダルが非正規メダルである場合にはフラッパ135bを下方に動かす。
図2に戻って、フラッパ135bは、非正規メダルを非正規メダル案内領域に案内するために非正規メダルの移動を上方から規制する。具体的には、フラッパ135bは、ソレノイド135aにより所定のタイミングで下方に動くと非正規メダルを上方から叩き、非正規メダル案内領域に案内するように落下させる。
図6に示すように、フラッパ135bは、非正規メダル案内領域に対向して配置されている。つまり、フラッパ135bは、非正規メダル案内領域の上方に配置されている。また、図4に示すように、非正規メダルを直接叩くフラッパ135bの平面は、奥側に向かうにつれて幅狭となる略V字状を呈している。また、フラッパ135bは、金属製である。
図2に戻って、載置台135cは、フラッパ135bが取り付けられたソレノイド135aを載置するための台である。計数機器121の上面の右側には、係止部材138が配置されている。図6に示すように、(遊技媒体貸出機1を管理する作業員の未操作中は、)係止部材138の爪部138aが振分けユニット135に対して上方から係止している。図4に示すように、振分けユニット135の左端部は、計数機器121の上面の左端部に配置されているフック139によって、一部が計数ホッパー103に取り付けられた状態で振分けユニット135を変位させることができるように回転可能に規制されている。爪部138aが右側に押し広げられ、爪部138aによる係止が解除されると、振分けユニット135は解放され、振分けユニット135の右端部は上方に変位させることができ、誘導通路132が開放される。
ディップスイッチ136は、メダルの設定用スイッチであって、複数種類あるメダルから1つ以上のメダルを正規メダルとして設定可能とする。ディップスイッチ136は、計数機器121の左側面上に取り付けられている。ディップスイッチ136は、例えばオン・オフを切り替えることが可能な8つのスイッチを備えており、各スイッチを、遊技場で通常使用されている1種類のメダルに対応させることができる。
貯留部122は、計数機器121の上に形成され、中空部を備えた箱状体である。貯留部122の上部は開放されており、流下したメダルを貯留部122に貯留する。貯留部122の下部も開放されており、計数機器121内にメダルが落下する。
ベース部材123は、計数機器121の下部に形成される部材であって、計数ホッパー103の高さ調節のための部材である。ベース部材123は、回収ボックス137を含んで構成されている。
回収ボックス137は、フラッパ135bによって叩かれて非正規メダル案内領域から落下した非正規メダルを回収する。回収ボックス137は、上部が開口しており、手前方向に引き出し可能な箱状を呈する。図5に示すように、回収ボックス137における後部分は、非正規メダル案内領域から落下してきた非正規メダルを受け入れる受け入れ部分である。前記受け入れ部分の底部は、前方へ下る傾斜面を呈している。
前記受け入れ部分の底部は、非平面状の傾斜面を呈している。前記傾斜面は、例えば、半楕円球状に凸起した複数の凸部137aが形成された面である。また、前記傾斜面は、例えば、傾斜面の長手方向に平行に延在している複数本のリブが形成された面であってもよい。
〔計数ホッパー103の作用〕
図2に示すように、計数機器121の計数回転盤131のメダル収納孔131aから放出ローラ133によって弾き出されたメダルは、誘導通路132に沿ってフォトセンサ133a付近を通過する。フォトセンサ133aは、放出ローラ133の動きに基づいてメダルを検知すると、メダル検知信号を磁気センサ134に送信することで、磁気センサ134にメダルの真贋判定の処理をさせる。
もし、フォトセンサ133aがメダルを一定時間検知しない場合、制御部101の制御により、計数ホッパー103内部の環境温度変化などに対する磁気センサ134のキャリブレーション(較正)が行われる。
フォトセンサ133a付近を通過したメダルは、磁気センサ134の検知部分を通過する。すると、磁気センサ134は、コイルに電流が流れたときの電圧値を用いて、第1の磁気信号、第2の磁気信号をそれぞれ取得する。
磁気センサ134は、メダルが磁気センサ134の検知部分である孔を通過できる構成を有しているので、立体的に全方位の磁束の変化に起因する電圧を検出することができる。そのため、磁気センサ134は、メダルの材質、外径、厚さを特定するための詳細な情報も取得できる。一般的には、メダルに用いる金属の誘電率が大きいほど磁気信号のピーク強度が大きくなる。また、メダルの外径が大きいほど磁気信号のピーク強度が大きくなる。また、メダルの厚さが大きいほど磁気信号のピーク強度が大きくなる。磁気センサ134は、メダルから取得した第1の磁気信号、第2の磁気信号と、磁気センサ134が予め記憶している正規メダルの2種類の磁気信号との比較に基づいてメダルの真贋判定を行う。
磁気センサ134による真贋判定の結果は、振分けユニット135に送信される。前記真贋判定の結果は、磁気センサ134を通過したメダルが正規メダルであるか、または非正規メダルであるかということである。振分けユニット135は、正規メダルであるという判定結果を受信したときには、フラッパ135bを下方に動かさない。その結果、正規メダルと判定されたメダルは、送り出し板140よりも僅かに上方を通過して誘導通路132の奥端部に到達し、下方向誘導部材12を経由してメダル回収システムに回収される。
一方、振分けユニット135は、非正規メダルであるという判定結果を受信したときには、フラッパ135bを下方に動かす。その結果、非正規メダルと判定されたメダルは、フラッパ135bに叩かれ、誘導通路132の非正規メダル案内領域から落下して、回収ボックス137に回収される。
ここで、例えば、手の脂などでメダルが汚れていると、放出ローラ133によって所定の勢いで放出されたメダルと誘導通路132との間の摩擦が増大し、メダルの放出の勢いがある程度失われてしまう。しかし、計数ホッパー103は、誘導通路132の下流側に送り出し板140を備えているので、磁気センサ134を通過した正規メダルは、放出の勢いをある程度失ってしまい、送り出し板140に当たったとしても、誘導通路132の奥端部にまで滑っていき、計数ホッパー103の外部へ確実に排出され、メダル回収システムに確実に回収される。
なお、メダルの放出の勢いが失われる要因としては、例えば、メダル自体が元から摩擦係数の大きな材質(例えば、真鍮)でできており、誘導通路132上でのメダルの滑りがそれほど良好でないこと、があげられる。このような要因であっても、正規メダルは、送り出し板140に当たったとしても、誘導通路132の奥端部にまで滑っていき、計数ホッパー103の外部へ確実に排出される。
一方、非正規メダルは、磁気センサ134を通過した後、送り出し板140に一応当たる。しかし、非正規メダルは、振分けユニット135のフラッパ135bによって上方から叩かれるので、送り出し板140の右隣に形成された非正規メダル案内領域から案内されて排除される。このように、遊技媒体の真贋判定を行う計数ホッパー103において、正規メダルを誘導通路132の奥端部に確実に到達させるとともに、非正規メダルを確実に排除することができる。
図6に示すように、フラッパ135bは、非正規メダルに対して、送り出し板140に当たらない部分を上方から叩いて落下させており、送り出し板140は、フラッパ135bによる非正規メダルの落下を妨げない。よって、フラッパ135bは、非正規メダルを上方から叩くと、メダルの放出方向を軸周りとして非正規メダルを回転させ、回転した非正規メダルが計数ホッパー103の奥端部にある正規メダルの略水平に延在する排出口を通過できないようにする。その結果、非正規メダルを誘導通路132の奥端部に到達させないことを確実にし、非正規メダル案内領域から非正規メダルを確実に落下させることができる。
また、図4に示すように、非正規メダルを直接叩くフラッパ135bの平面は、奥側に向かうにつれて幅狭となる略V字状を呈している。よって、例えば、フラッパ135bの平面が矩形状であった場合と比較すると、回転する非正規メダルと当たってしまう部分が小さいため、フラッパ135bが非正規メダルを叩いたときの非正規メダルをより大きく回転させることができる。その結果、非正規メダル案内領域から非正規メダルをより確実に落下させることができる。
また、送り出し板140は、金属製であるため、手の脂などでメダルが汚れていても、送り出し板140とメダルとの間の摩擦は小さい。また、摩擦係数の大きな材質でできたメダルとの間の摩擦も小さい。また、送り出し板140が金属製であれば、度重なる金属製のメダルの通過があっても、送り出し板140が摩耗することはほとんど無い。その結果、送り出し板140は、正規メダルを誘導通路132の奥端部に送り出すという性能を長期に亘って良好に維持することができる。
非正規メダル案内領域から落下してきた非正規メダルは、図5に示す回収ボックス137における受け入れ部分に受け入れられる。複数の凸部137aによって傾斜面が非平面状に形成されているため、底部が平面状である場合と比較して、落下してきた非正規メダルと、傾斜面との接触面積は小さくなり、非正規メダルと傾斜面との間の摩擦を非常に小さくすることができる。その結果、受け入れ部分に受け入れられた非正規メダルを、回収ボックス137における手前部分にまで滑らかに移動させ、蓄積させることができる。
また、複数の凸部137aによって非平面状の傾斜面を形成しているので、受け入れ部分に受け入れられた非正規メダルを確実に寝かせる(立たせない)ことができる。その結果、非正規メダルを回収ボックス137内に効率よく蓄積させることができる。また、回収ボックス137内で積み上がったメダルの高さを検知する高さ検知センサ(満杯センサ)を計数ホッパー103に導入する場合、メダルが満杯でないのに前記高さ検知センサが満杯と検知してしまう事態を回避することができる。
本実施形態の計数ホッパー103は、磁気センサ134および振分けユニット135といった非正規メダルを排除するための部材を備えるため、誘導通路132の距離が所定の長さ以上となる。その結果、計数ホッパー103の動作中に誘導通路132を通過するメダルが途中で詰まるおそれがある。メダルが詰まる原因は、(1)所定の大きさを有するゴミなどの異物が誘導通路132上に混入すること、(2)回収ボックス137に回収された非正規メダルの数が多くなりすぎて、誘導通路132の非正規メダル案内領域に到達するほど積み上がっていること、などである。(2)については、回収ボックス137内で積み上がったメダルの高さを検知する高さ検知センサを利用してメダルの詰まりを回避できるが、前記高さ検知センサが故障していることもある。
メダルの詰まりが発生した場合、遊技媒体貸出機1の制御部101は、そのメダルの詰まりを、遊技媒体貸出機1を管理する作業員に通知することができる。前記作業員は、遊技媒体貸出機1の正面板を開けて、遊技媒体貸出機1から計数ホッパー103を取り出す。前記作業員は、係止部材138を操作して振分けユニット135に対して外側に、つまり図4中の網掛け矢印の方向(右方向)に押し広げる。すると、振分けユニット135に対する爪部138aによる係止が解除され、振分けユニット135は解放され、振分けユニット135の左端部を回転の中心軸として振分けユニット135の右端部を上方に変位させることができる。図5の白抜き矢印で示すように、前記作業員は、振分けユニット135の右端部を上方に変位させることで、誘導通路132を開放することができる。なお、前記作業員は、例えば、片手で、1つの係止部材138を押し広げるとともに、振分けユニット135の右端部を上方に変位させることができる、つまり、片手で容易に誘導通路132を開放することができる。
前記作業員は、開放された誘導通路132を調べて、メダルが詰まる原因を特定し、メダルの詰まりを解消する。例えば、異物が誘導通路132上に混入していた場合には、誘導通路132を清掃して前記異物を取り除く。また、非正規メダルが誘導通路132の非正規メダル案内領域に到達するほど積み上がっていた場合には、計数ホッパー103から回収ボックス137を引き出し、回収ボックス137内の非正規メダルを取り除く。
前記作業員は、メダルの詰まりを解消すると、振分けユニット135を上方から押す。すると、係止部材138は一時的に振分けユニット135の右側へ撓んだ後、係止部材138の付勢力によって元の位置に戻る。このとき、爪部138aが振分けユニット135に対して上方から係止する。前記作業員は、計数ホッパー103を遊技媒体貸出機1内に戻し、遊技媒体貸出機1の正面板を閉めて、作業を終える。
以上の説明から、本実施形態によれば、メダルの真贋判定を行う計数ホッパー103において、誘導通路132上のメダルの詰まりを容易に解消することができる。
特に、図4、図5に示すように、回収ボックス137が誘導通路132よりも右方に配置されているため、振分けユニット135は、誘導通路132よりも左方に移動するように計数ホッパー103に取り付けられている。その結果、メダルの詰まりが生じる回収ボックス137の受け入れ部分を大きく開放することができ、作業員は、詰まったメダルを容易に取り除くことができる。
また、送り出し板140は、係止部材138から解放された振分けユニット135の移動方向と同じ側に配置されるように、誘導通路132の左側に配置されている。よって、非正規メダル案内領域は、送り出し板140と回収ボックス137との間に形成される。その結果、メダルの詰まりが生じる回収ボックス137の受け入れ部分をより大きく開放することができ、作業員は、詰まったメダルをより容易に取り除くことができる。
(その他)
本実施形態では、メダルを特徴付ける複数の要素として、メダルの材質、外径、厚さという3つの要素を採り上げた。しかしながら、本実施形態で取り扱う、メダルを特徴付ける要素は上記に限定されない。また、本実施形態のメダルの識別を行うのに必要とする要素の個数は、2つでもよいし、4つ以上でもよい。
また、本実施形態では、磁気センサ134が取得する第1の磁気信号と、第2の磁気信号という、少なくとも2種類の磁気信号を用いて、磁気センサ134の検知部分を通過するメダルの識別が行われる。しかしながら、3種類以上の磁気信号を用いてメダルの識別が行われてもよく、したがって、メダルを特徴付けるすべてまたは一部の要素を用いてメダルの識別が行われればよい。
また、図1を参照すると、払い出しホッパー102は、計数ホッパー103の上方に配置されている。しかしながら、例えば、計数ホッパー103が、払い出しホッパー102の上方に配置されるようにし、払い出しホッパー102と計数ホッパー103との配置を逆にしてもよい。
また、図2を参照すると、計数メダル受皿部7から投入されたメダルがオートスタートセンサ11の近傍を通過すると、計数ホッパー103にメダルを検知した信号が送られて、計数ホッパー103が始動する。しかしながら、オートスタートセンサ11の代替手段となる計数ホッパー103始動用のボタンを用いて、前記ボタンを操作することで、計数ホッパー103を始動させてもよい。前記ボタンは、例えば、遊技媒体貸出機1の外側表面やその内部に配置することができる。
また、図2を参照すると、計数回転盤131および誘導通路132などは、奥方向に向かって下方に進むように、計数機器121の上部が傾斜している。しかしながら、例えば、計数機器121の上部が水平であっても、本発明を適用できる。
また、送り出し板140は、誘導通路132の左側を構成するように配置することに限定されず、正規メダルを誘導通路132の下流端部に誘導させるとともに、非正規メダル案内領域に非正規メダルを案内することを妨げないのであれば、例えば、誘導通路132の右側を構成するように配置してもよいし、中央に配置してもよい。また、正規メダルを誘導通路132の下流端部に誘導させるとともに、非正規メダル案内領域に非正規メダルを案内することを妨げないのであれば、送り出し板140の幅は、誘導通路132の幅の半分よりも大きくしてもよいし、小さくしてもよい。
本実施形態では、送り出し板140は、誘導通路132のメダルの通過方向において、磁気センサ134の奥側から計数ホッパー103の奥端部にまで延在している。しかし、磁気センサ134の奥側と計数ホッパー103の奥端部との間の一部区間に延在するように送り出し板140を構成してもよい。
また、送り出し板140の表面は平面に限定されず、メダルとの摩擦を減らすために、表面の全体または一部を凹面、凸面、凹凸面などの非平面にしてもよい。送り出し板140の機能を果たす部材は1または複数あってもよく、前記部材の形状は、板状に限定されず、1または複数の、棒状、筒状、糸状などであってもよい。非正規メダル案内領域は、メダルを誘導通路132の下流端部と異なる箇所に案内させることができれば、送り出し板140の形状に応じて別の形に適宜形成することができる。
本実施形態では、金属製の送り出し板140を用いることによって、誘導通路132のうち、磁気センサ134の奥側から計数ホッパー103の奥端部までの部分が金属製となる。しかし、送り出し板140は、計数ホッパー103と同様に樹脂製であってもよい。また、例えば、誘導通路132の全体が金属製となるように計数ホッパー103を設計してもよい。また、樹脂製の誘導通路132の表面に被せる金属製のアタッチメントを用いてもよい。
本実施形態では、振分けユニット135の右端部を持ち上げて左方向に開く場合について説明したが、振分けユニット135が開く方向は任意であり、例えば、右方向、奥方向、手前方向であってもよい。
本実施形態では、非正規メダルを受け入れて回収する回収ボックス137について説明したが、非正規メダルを排出するシュートを用いてもよい。シュートのうち、非正規メダルを受け入れる部分の底部は、本実施形態と同様に、非平面の傾斜面にしてもよい。また、回収ボックス137の受け入れ部分の底部の全体または一部を凹面にしてもよい。
また、払出機能・計数機能兼備用部材50を備えない遊技媒体貸出機1内に配置されている遊技媒体使用機に対して本発明を適用できることは当然である。
なお、図3に示されている、遊技媒体貸出機1内に配置されている計数ホッパー103は、遊技媒体を使用して動作する遊技媒体使用機の具体例の一つである。遊技媒体使用機の他の具体例としては、遊技媒体貸出機1内に配置されている払い出しホッパー102、遊技機内に配置されている払い出しホッパー、ジェットカウンタなどの計数機内に配置されている計数機ホッパーなどがある。本発明の遊技媒体識別装置は、これらの具体例にも適用できる。
本実施形態で説明した技術を組み合わせた技術を実現できる。
その他、本発明の装置を構成する部材の形状、配置などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更できる。
1 遊技媒体貸出機
2 本体
3 貨幣投入口
4 ノズル
5 ノズル本体
6 ノズルトップ
7 計数メダル受皿部
11 オートスタートセンサ
12 下方向誘導部材
50 払出機能・計数機能兼備用部材
101 制御部
102 払い出しホッパー
103 計数ホッパー
111 計数機器
112 貯留部
113 ベース部材
121 計数機器
122 貯留部
123 ベース部材
131 計数回転盤
131a メダル収納孔
132 誘導通路
133 放出ローラ
133a フォトセンサ
134 磁気センサ(判定部材)
135 振分けユニット
135a ソレノイド
135b フラッパ(規制部)
135c 載置台
136 ディップスイッチ
137 回収ボックス(回収部)
137a 凸部
138 係止部材
138a 爪部
139 フック
140 送り出し板(送り出し部)

Claims (2)

  1. 遊技媒体を使用する遊技媒体使用機であって、
    前記遊技媒体を放出する遊技媒体放出ユニットと、
    前記遊技媒体放出ユニットから放出された前記遊技媒体が通過する誘導通路と、
    前記誘導通路を通過する前記遊技媒体の真贋判定を行う判定部材と、
    前記判定部材によって真贋判定された遊技媒体を、正規遊技媒体と非正規遊技媒体とに振分ける振分けユニットと、
    前記誘導通路の一部を構成しており、前記振分けられた前記正規遊技媒体を前記誘導通路の下流端部へ送る送り出し部と、を備えており、
    前記送り出し部によって、前記振分けられた前記非正規遊技媒体を所定の箇所に案内するための非正規遊技媒体案内領域が、前記誘導通路の前記下流端部よりも上流側に形成されており、
    前記振分けユニットは、前記非正規遊技媒体を前記非正規遊技媒体案内領域に案内するために前記非正規遊技媒体の移動を規制する規制部、を備えており、
    前記規制部は、前記非正規遊技媒体案内領域に対向して配置されている
    ことを特徴とする遊技媒体使用機。
  2. 前記非正規遊技媒体を回収する回収部、をさらに備えており、
    前記非正規遊技媒体案内領域から案内されてきた前記非正規遊技媒体を受け入れる、前記回収部の受け入れ部分は、非平面状の傾斜面を呈している底部を備えている
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体使用機。
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