JP6310244B2 - 放射性物質収納用キャスクの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、原子力発電所などから排出される使用済核燃料等の放射性物質を、貯蔵目的で、あるいは輸送目的で収納可能なキャスク(容器)に関する。
使用済核燃料などの放射性物質を例えば輸送する際に用いるキャスクは、キャスク内部に収納した放射性物質から生じる熱については外部に効率的に放熱すると共に、放射性物質から生じるガンマ線や中性子については外部に飛散しないように遮蔽する構造が求められる。
そこで、従来、例えば特許文献1には、ステンレス鋼製の内胴とその外側に配設された鋼製の中間胴との間に、ガンマ線遮蔽材として鉛層を形成した放射性物体輸送用キャスクが開示されている。また、この特許文献1のキャスクの場合、中間胴とその外側に配設された鋼製の外胴との間には、中性子遮蔽材としてシリコンゴムが充填されている。
このように通常、鉛多層型キャスクは、例えば上記特許文献1の内胴、鉛層、中間胴がそうであるように、三重構造の筒体(以下、最内側にあるものを「内筒」、最外側にあるものを「外筒」、「内筒」と「外筒」の間にあるものを「中間胴」という。)の内筒と中間胴間に溶融鉛を鋳込み、この鉛を凝固させて鋼製の内筒と中間胴の間にガンマ線の遮蔽性能に優れた鉛層を形成することで、筐体の厚みをできる限り薄くしつつ、ガンマ線に対する遮蔽性を確保している。
しかし、二重構造の鋼製の筒体の間に鉛層を形成する場合、溶融鉛を内筒と中間胴の間に流し込んで鋳込むだけでは、内筒と鋳込まれた鉛との境界部、もしくは、中間胴と鋳込まれた鉛との境界部に隙間が形成されやすい。この隙間の内部は、気体等が存在する場合と、ほぼ真空に近い状態の場合があるが、何れにしても、このような隙間(以下、気体等の有無にかかわらず「隙間層」という。)が存在していると、キャスクの放熱効果は著しく低下してしまう。そのため、このような隙間層を残したままのキャスクを使用すると、キャスクの内部温度が、想定している許容温度よりも上昇し、危険な状態となる。
そこで、上記のような隙間層の発生を防止するために、特許文献2には、溶融鉛を内筒と中間胴の間に鋳込む前に、鉛層と鋼製の筒体との密着性を高めるために、「ホモゲン処理」と一般に呼ばれている処理を行うことが提案されている。
すなわち、以前より、鉛をバーナで加熱溶解させて合金層を作りながら、この合金層にさらに鉛層を融着させて順次厚さを増して行くホモゲン処理が利用されていたが、特許文献2の製法は、鉛・錫系の溶可材の薄膜を形成することで、ホモゲン処理における密着性を改善することを目的としている。具体的には、特許文献2のホモゲン処理は、(1)内筒の外面を脱脂洗浄して付着物、油脂分等を除去し、清浄な状態とする洗浄処理工程と、(2)鋼板面をバーナで230〜270℃程度の温度に加熱し、表面が所定の温度となった後に濡れ性を改善する溶剤であるフラックスを塗布する溶剤塗布工程と、(3)溶剤塗布後、直ちに鉛・錫系の溶可材を溶解させながら表面に滴下し、均一に広げて塗布する溶可材滴下工程と、(4)溶可材塗布後一旦常温まで冷却し、内筒の内面(放射性物質収納側)をバーナ等で再加熱し、180〜250℃まで昇温させて浮き上がる溶可材を耐熱布等で拭き取り、内筒外面に溶可材の薄膜を形成する薄膜形成工程を、順次実施するものである。
しかし、上記(1)〜(4)のような工程を要するホモゲン処理は、その殆どが手作業によるもので、かつ、経験を積んだ熟練工による作業となるため、極めて非効率的で、キャスクの製造期間が長くなり、製作コストも高くなるという課題がある。
また、上記ホモゲン処理は、隙間層の発生を必ず防止できる訳ではないため、キャスクの製作後に隙間層が存在していないかを検査する必要があり、検査工程が必要という点でも、手間がかかるものであった。
本発明は、内筒と鋳込まれた鉛との境界部、もしくは、中間胴と鋳込まれた鉛との境界部に生じる隙間層に関わる上述の課題に鑑みてなされたものであり、ホモゲン処理を全く行わないか、あるいは、仮に行う場合でも、ホモゲン処理を行う範囲を半減させることで、製造期間を短縮し、製作コストも低減できる放射性物質収納用キャスクの製造方法を提供することを目的としている。
特開昭61−198099号公報 特開平7−27896号公報
本発明が解決しようとする課題は、従来の放射性物質収納用キャスクは、ホモゲン処理を行うことが前提であるため、キャスクの製造期間が長くなり、製作コストも高くなるという点である。
上記の課題を解決するために、本発明の放射性物質収納用キャスクの製造方法は、
金属製の内筒と、この内筒の外側に配設された金属製の中間胴と、この中間胴のさらに外側を覆うように配設された外筒を備え、前記内筒の内部に放射性物質を貯蔵目的で、あるいは輸送目的で収納可能なキャスクを製造する方法であって、
前記内筒と前記中間胴の間にガンマ線遮蔽材として溶融鉛を鋳込んで冷却した後、前記内筒と鋳込まれた鉛との間の境界部に生じる第1隙間層あるいは前記中間胴と鋳込まれた鉛との間の境界部に生じる第2隙間層の、双方または何れか一方に、鉛の融点(327.5℃)よりも融点が低い低融点金属を充填することを主要な特徴の一つとしている。
上記本発明の構成によれば、キャスクの放熱を妨げる原因となる隙間層に対し、隙間層に存在する例えば空気よりも熱伝導性に優れる低融点金属が充填される。つまり、本発明の着想は、一旦生じた隙間層に対し事後的に低融点金属を密着状態で充填することで、キャスクの放熱効果を良好にし、キャスク内部の高温化を防止する点にある。
本発明の方法を用いて製造された放射性物質収納用キャスクは、ホモゲン処理を一切行わないか、仮に行うとしても内筒の外面または中間胴の内面の何れか一方の面のみで良いため、キャスクの製造期間を短縮でき、製作コストも低減できる。
なお、本発明にいう「低融点金属」という用語は、単一の金属元素からなる純金属のみならず、合金を含むものとする。また、合金を用いる場合は、複数の金属元素からなる合金に限らず、金属元素と非金属元素からなる金属様のものも含むものとする。
第1実施例のキャスクの構成を示す図であり、(a)は平面方向から見た一部切り欠き図、(b)は側面方向から見た一部切り欠き図である。 第1実施例の特徴的部分を示す拡大図であり、(a)は内筒と中間胴の間に鋳込まれた鉛が凝固した直後の状態の図、(b)は第1隙間層と第2隙間層に低融点金属を充填した状態の図である。 第2実施例のキャスクの構成を示す図であり、(a)は平面方向から見た一部切り欠き図、(b)は側面方向から見た一部切り欠き図である。 第2実施例の特徴的部分を示す拡大図であり、(a)は内筒と中間胴の間に鋳込まれた鉛が凝固した直後の状態の図、(b)はホモゲン処理部が存在しない中間胴側に生じる隙間層に低融点金属を充填した状態の図である。 第2実施例の他の構成の特徴的部分を示す拡大図であり、(a)は内筒と中間胴の間に鋳込まれた鉛が凝固した直後の状態の図、(b)はホモゲン処理部が存在しない内筒側に生じる隙間層に低融点金属を充填した状態の図である。 第3実施例のキャスクの構成を示す図であり、(a)は平面方向から見た一部切り欠き図、(b)は側面方向から見た一部切り欠き図である。 第3実施例の特徴的部分を示す拡大図であり、(a)は成形加工された鉛体を内筒と中間胴の間の空間に詰め込んだ直後の状態の図、(b)は隙間層に低融点金属を充填した状態の図である。
以下、本発明の方法を用いて製造された放射性物質収納用キャスク(以下、単に「キャスク」という。)の幾つかの実施形態を、添付図面を用いて詳細に説明する。図1に示した第1実施例のキャスク1は、以下のような構成である。
キャスク1は、例えば使用済燃料棒などの放射性物質を貯蔵目的で、あるいは輸送目的で収納可能な円筒状の容器である。キャスク1は、円筒状の内筒2と、この内筒2の外側を覆うように配設された円筒状の中間胴3と、この中間胴3のさらに外側を覆うように配設された外筒4を備えている。内筒2、中間胴3、外筒4は、各筒体の中心が同軸上に位置するように配置されている。また、外筒4には、放熱フィン(図示は省略)が取り付けられている。
内筒2と中間胴3の間の空間には、放射性物質から放出されるガンマ線がキャスク1の外部に飛散しないように、ガンマ線遮蔽材として鉛層5bが形成されている。また、中間胴3と外筒4との間には、例えばシリコンゴム系の素材からなる中性子遮蔽材6が充填されている。
キャスク1の上端は開閉自在な蓋7が設けられている。内筒2の内部には、放射性物質を収納可能な収納部2aが設けられている。また、キャスク1の下端は底板8で閉塞されている。
上記の構成を有したキャスク1によれば、収納部2aに収納された放射性物質から生じるガンマ線や中性子は、鉛層5bと中性子遮蔽部材6とで遮蔽される。なお、図1(b)の切り欠き部分は、図1(a)の切り欠き部分におけるA−A’線の断面を側面方向から見た図である(この点は、後記する図3及び図6についても同じ。)。
次に、図2を用いて、本発明の特徴的部分の構成を説明する。図2は、図1(b)の切り欠き部分における点線Bで示した四角枠の部分を拡大した図である(この点は、後記する図4、図5及び図7についても同じ。)。
第1実施例のキャスク1の製造方法は、以下に説明するとおりである。すなわち、第1実施例のキャスク1は、内筒2と中間胴3の間の空間に溶融鉛を鋳込んで、この鋳込まれた鉛5aを冷却して凝固させることで、金属製(例えばSUS等のステンレス製)の内筒2と、同じく金属製(例えばSUS等のステンレス製)の中間胴3の間に、ガンマ線の遮蔽性能に優れた鉛層5bを形成している。
そのため、図2(a)に示すように、鋳込まれた鉛5aが冷却されて凝固した直後の状態のときは、内筒2と鋳込まれた鉛5aとの境界部には第1隙間層9aが、中間胴3と鋳込まれた鉛5aとの境界部には第2隙間層9bが形成されている。
この第1隙間層9aと第2隙間層9bの内部に存在する例えば空気等の気体は、金属よりも熱伝導性が悪く、この部分が断熱層となるため、キャスク1の放熱効果を低下させる原因となる。
そこで、第1実施例のキャスク1は、内筒2と中間胴3の間にガンマ線遮蔽材として溶融鉛を鋳込んで冷却した後、内筒2と鋳込まれた鉛5aとの間の境界部に生じる第1隙間層9a、あるいは、中間胴3と鋳込まれた鉛5aとの間の境界部に生じる第2隙間層9bの、双方に、図2(b)に示すように、低融点金属10を密着状態で充填する製造方法を採用したのである。
なお、図2の例では、溶融鉛を鋳込んで冷却したときに、第1隙間層9aのみならず、第2隙間層9bも発生したために、第1隙間層9aと第2隙間層9bの双方に低融点金属10を充填している。しかし、溶融鉛を鋳込んで冷却したときに、必ず第1隙間層9aと第2隙間層9bが共に生じるとは限らず、何れか一方のみが形成される場合もある。そのような場合は、第1隙間層9aと第2隙間層9bのうち、隙間が形成された何れか一方にのみ低融点金属10を充填すれば良い。
低融点金属10の種類は、本発明においては特に限定されないが、例えばAl、Pb、Sn、Znや、これらの金属を含む合金を用いることができる。
もっとも、低融点金属10は、第1隙間層9aや第2隙間層9bに低融点金属10を溶融状態で流し込んだときに、鋳込み後に冷却されて既に固体化している鉛5aを、再び溶融状態に戻さないようにするために、鉛よりも低融点のものを選択するべきである。低融点金属10として、鉛の融点(327.5℃)よりも融点が低い金属や合金を用いた場合は、鉛の融点よりも低い温度で、低融点金属10を第1隙間層9aと第2隙間層9bに流し込むことができる。
鉛の融点よりも融点が低い低融点金属10としては、例えば、はんだ合金を用いることができる。例えばSn−Pb系のはんだ合金では、Snの配合割合によって固相線温度と液相線温度が変化するが、いずれの温度も鉛の融点よりは低いものとなる。特に、Snの配合割合が20%以上のSn−Pb系はんだ合金であれば、固相線温度と液相線温度は共に280℃よりも低くなる。また、共晶はんだ(例えばSn63%−Pb37%)を用いた場合は、固相線温度と液相線温度を共に183℃とすることができる。
また、本発明では、低融点金属10は、キャスク1の許容温度(通常、例えば150℃程度の温度に設計されることが多い。)よりも融点が低いものを選択することがより好ましい。低融点金属10の融点をキャスク1の許容温度よりも低くすれば、通常の安全性が確保されている使用状態において、低融点金属10の部分は溶融化し、液状化することになる。
このように、キャスク1の許容温度よりも低融点の低融点金属10を用いた場合は、収納部2aに放射性物質を収納しキャスク1の使用を開始した時点で、低融点金属10の部分を液状化した状態にすることができる。そのため、キャスク1の許容温度よりも低融点の低融点金属10を用いた場合は、内筒2、中間胴3、鉛層5の間の熱膨張率の違いによって生じる僅かなひずみも吸収することが可能となり、内筒2と鉛層5の間、あるいは中間胴3と鉛層5の間の密着性は、より高まり、確実に密着した状態を維持できる。また、キャスク1の放熱効果も、より一層向上させることができる。
具体的には、キャスク1の許容温度(一例として150℃)よりも融点が低い低融点金属10としては、例えば、低融点はんだを用いることができる。例えばSn−Pb−Bi系の低融点はんだ(28.5Sn−Pb−28.5Bi)では、固相線温度は99℃、液相線温度は139℃である。
また、低融点金属10は、常温において液体の金属又は合金を用いることも好ましい。低融点金属10が常温において液体であれば、低融点金属10の部分は、収納部2aに放射性物質を収納しているか否かにかかわらず、常に液体の状態となるので、内筒2と鉛層5の間、あるいは中間胴3と鉛層5の間は、常に密着性が高いものとなる。また、内筒2、中間胴3、鉛層5の間の熱膨張率の違いによって生じる僅かなひずみも確実に吸収することができるので、キャスク1の放熱効果もより一層良好となる。
具体的には、常温において液体の低融点金属10としては、例えば、水銀を用いることができる。なお、ここで、「常温」という用語は、JIS Z 8703の定義に従い、20℃±15℃(つまり5℃〜35℃)の範囲をいうものとする。
このように、第1実施例のキャスク1は、非効率的な手作業によるホモゲン処理を一切行わないので、キャスクの製造期間を短縮でき、製作コストも低減できる。
次に、図3に示す第2実施例のキャスク21の構成を、第1実施例とは異なる点を中心に説明する。
図3に示すように、第2実施例のキャスク21は、円筒状の内筒22と、この内筒22の外側を覆うように配設された円筒状の中間胴23と、この中間胴23のさらに外側を覆うように配設された外筒24を有し、内筒22の内部には、放射性物質を収納可能な収納部22aが設けられている。また、キャスク21の上端には、開閉自在な蓋27が設けられており、下端は底板28で閉塞されている。
金属製(例えばSUS製)の内筒22と、同じく金属製(例えばSUS製)の中間胴23との間には、ガンマ線遮蔽部材として鉛層25bが形成されている。また、中間胴23と、外筒24との間には、中性子遮蔽部材26(例えばシリコンゴム)が充填されている。以上の点は、第1実施例のキャスク1と同じである。
第2実施例のキャスク21の製造方法が、第1実施例と異なる点は、第2実施例のキャスク21では、内筒22と中間胴23の間に溶融鉛を鋳込む前に、内筒22の外面または中間胴23の内面の、何れか一方の面にのみ、ホモゲン処理を実施する点である。なお、図3では、内筒22の外面にのみホモゲン処理を実施する場合の例を示している。
そのため、上記の例では、図4(a)に示すように、鋳込まれた鉛25aが凝固したときに、内筒22と鋳込まれた鉛25aの境界部については、ホモゲン処理部31の作用により密着性が高まっているので隙間層は存在しないが、中間胴23と鋳込まれた鉛25aの境界部の方には隙間層29が形成された状態となる。
そこで、第2実施例のキャスク21は、内筒22の外面または中間胴23の内面の、何れか一方の面にのみホモゲン処理を行い、内筒22と中間胴23の間にガンマ線遮蔽材として溶融鉛を鋳込んで冷却した後、内筒22の外面または中間胴23の内面のうち、前記ホモゲン処理を行わなかった方の面(上記の例では、中間胴23の内面)と鋳込まれた鉛25aとの間の境界部に生じた隙間層29に、図4(b)に示すように、低融点金属30を密着状態で充填する製造方法を採用したのである。
上記の例とは逆に、中間胴23の内面にのみホモゲン処理を実施した場合は、図5示すように、内筒22と鋳込まれた鉛25aの境界部にのみ隙間層29が形成される。よって、この場合は、この内筒22側に生じた隙間層29に対してのみ、低融点金属30を密着状態で充填する。なお、低融点金属30に関する説明は、第1実施例と特に変わる点はないので省略する。
第2実施例のキャスク21は、ホモゲン処理を行うとしても、内筒22の外面または中間胴23の内面の何れか一方の面のみで良くなる。従って、第1実施例のキャスク1ほどではないが、キャスクの製造期間と製作コストを一定程度は低減できる。
更に、図6に示す第3実施例のキャスク41の構成を、前述の第1及び第2実施例とは異なる点を中心に説明する。
図6に示すように、第3実施例のキャスク41についても、円筒状の内筒42と、この内筒42の外側を覆うように配設された円筒状の中間胴43と、この中間胴43のさらに外側を覆うように配設された外筒44を有しており、内筒42の内部に放射性物質を収納可能な収納部42aが設けられている点、キャスク41の上端には開閉自在な蓋47が設けられており、下端は底板48で閉塞されている点、また、中間胴43と外筒44との間には、中性子遮蔽部材46(例えばシリコンゴム)が充填されている点は、第1及び第2実施例と同じである。
第3実施例のキャスク41の製造方法が、前述の第1及び第2実施例と異なる点は、第3実施例のキャスク41は、溶融鉛を鋳込むのではなく、金属製(例えばSUS製)の内筒42と同じく金属製(例えばSUS製)の中間胴43との間の空間に、ガンマ線遮蔽材として、あらかじめ任意の形状及びサイズに成形加工された複数の鉛体45を詰め込む点である。なお、図6では、球状の鉛体45を詰め込む例を示している。
そのため、上記の例では、図7(a)に示すように、内筒42と中間胴43の間の空間に球状の鉛体45を詰め込んだ直後の状態においては、鉛体45同士の間に隙間層49が存在している。
そこで、第3実施例のキャスク41は、内筒42と中間胴43の間にガンマ線遮蔽材として、あらかじめ任意の形状及びサイズに成形加工されている複数の鉛体45を詰め込んだ後、前記鉛体45同士の間に生じる隙間層49に、低融点金属50を密着状態で充填する製造方法を採用したのである。なお、低融点金属50に関する説明は、第1及び第2実施例と特に変わる点はないので省略する。
この内筒42と中間胴43の間に詰め込まれる成形加工された鉛体の形状は、図7に示した球状の鉛体45に限らず、例えば、粒状、丸棒状、多角棒状、正六面体状、直方体状などでも良い。また、棒状の鉛体を用いる場合は、内筒42と中間胴43の間の空間に互いに平行となる向きに挿入しても良いし、交互に交差する向きに配置してブロック状に詰め込んでも良い。
また、この第3実施例では、鉛体45同士の間に生じる隙間層49に、低融点金属50に代えて、良熱伝導性油を充填しても良い。良熱伝導性油としては、例えばグリースを用いることができる。
第3実施例のキャスク41は、非効率的な手作業によるホモゲン処理を一切行わないので、キャスクの製造時間を短縮でき、製作コストも低減できる。なお、前述の第1実施例や第2実施例と比較すると、隙間層49の体積は大きなものとなるが、隙間層49には低溶融金属50か良熱伝導性油を充填するだけで良いので、隙間層49の体積が大きいことが特にデメリットとなることはない。また、第3実施例のキャスク41についても放熱性は良好である。
以上に説明した請求項に係る各発明に対応したキャスク1,21,41は、製造工程で一旦生じた隙間層に対し、後の工程で事後的に低融点金属又は良熱伝導性油を密着状態で充填することで、キャスクの放熱効果を良好にし、キャスク内部の高温化を防止するものである。
もっとも、他の構成として、次のような製法も実現可能と考えられる。すなわち、上述の第3実施例とは逆に、内筒42と中間胴43の間の空間に、あらかじめ低溶融金属50か良熱伝導性油を充填しておき、その後に鉛体45を詰め込む製造方法である。
この順序を逆転させた製造方法でも、鉛は比重が大きいことから、低溶融金属50や良熱伝導性油の粘度等によらず、内筒42と中間胴43の間の空間に鉛体45を詰め込むことは可能と考えられる。また、この順序を逆転させた製造方法においても、鉛よりも融点が低い低溶融金属50を用いれば、鉛体45を溶融させずに低溶融金属50中で密着させることができる。
本発明は上記の例に限らず、各請求項に記載された技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
例えば、上記実施例では、円筒状の筒体からなる内筒、中間胴及び外筒の例を開示したが、内筒、中間胴、外筒の形状はこれに限らず、例えば直方体状の筒体であっても良い。
1,21,41 キャスク
2,22,42 内筒
3,23,43 中間胴
4,24,44 外筒
5a,25a 鋳込まれた鉛
5b,25b 鉛層
45 鉛体
9a 第1隙間層
9b 第2隙間層
29,49 隙間層
10,30,50 低融点金属

Claims (5)

  1. 金属製の内筒と、この内筒の外側に配設された金属製の中間胴と、この中間胴のさらに外側を覆うように配設された外筒を備え、前記内筒の内部に放射性物質を貯蔵目的で、あるいは輸送目的で収納可能なキャスクを製造する方法であって、
    前記内筒と前記中間胴の間にガンマ線遮蔽材として溶融鉛を鋳込んで冷却した後、前記内筒と鋳込まれた鉛との間の境界部に生じる第1隙間層あるいは前記中間胴と鋳込まれた鉛との間の境界部に生じる第2隙間層の、双方または何れか一方に、鉛の融点(327.5℃)よりも融点が低い低融点金属を充填することを特徴とする放射性物質収納用キャスクの製造方法。
  2. 金属製の内筒と、この内筒の外側に配設された金属製の中間胴と、この中間胴のさらに外側を覆うように配設された外筒を備え、前記内筒の内部に放射性物質を貯蔵目的で、あるいは輸送目的で収納可能なキャスクを製造する方法であって、
    前記内筒の外面または前記中間胴の内面の、何れか一方の面にのみホモゲン処理を行い、前記内筒と前記中間胴の間にガンマ線遮蔽材として溶融鉛を鋳込んで冷却した後、前記内筒の外面または前記中間胴の内面のうち、前記ホモゲン処理を行わなかった方の面と鋳込まれた鉛との間の境界部に生じた隙間層に、鉛の融点(327.5℃)よりも融点が低い低融点金属を充填することを特徴とする放射性物質収納用キャスクの製造方法。
  3. 金属製の内筒と、この内筒の外側に配設された金属製の中間胴と、この中間胴のさらに外側を覆うように配設された外筒を備え、前記内筒の内部に放射性物質を貯蔵目的で、あるいは輸送目的で収納可能なキャスクを製造する方法であって、
    前記内筒と前記中間胴の間にガンマ線遮蔽材として、あらかじめ任意の形状及びサイズに成形加工されている複数の鉛体を詰め込んだ後、前記鉛体同士の間に生じる隙間層に、鉛の融点(327.5℃)よりも融点が低い低融点金属を充填することを特徴とする放射性物質収納用キャスクの製造方法。
  4. 前記低融点金属は、放射性物質収納用キャスクの許容温度よりも融点が低いものであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の放射性物質収納用キャスクの製造方法。
  5. 前記低融点金属は、常温において液体の金属又は合金であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の放射性物質収納用キャスクの製造方法。
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