JPH0727896A - 放射性物質等収納容器及びその製造方法 - Google Patents

放射性物質等収納容器及びその製造方法

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JPH0727896A
JPH0727896A JP5171641A JP17164193A JPH0727896A JP H0727896 A JPH0727896 A JP H0727896A JP 5171641 A JP5171641 A JP 5171641A JP 17164193 A JP17164193 A JP 17164193A JP H0727896 A JPH0727896 A JP H0727896A
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lead
inner cylinder
tin
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layer
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JP5171641A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kanazawa
寛 金沢
Katsuyoshi Wada
勝義 和田
Shigeo Ota
滋夫 太田
Eiji Nishioka
英治 西岡
Michinori Toyoda
道則 豊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kimura Chemical Plants Co Ltd
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kimura Chemical Plants Co Ltd
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 放射性物質等収納容器及びその製造方法に関
する。 【構成】 鋼板製の内胴及び外胴の間に遮蔽物質として
の鉛層を挟んだ構造の外壁を有する放射性物質等収納容
器において、内胴と鉛層とが鉛・錫系の溶化材の薄膜を
介して密着していることを特徴とする放射性物質等収納
容器及びその製造方法。 【効果】 簡単な操作で内胴と鉛層とが熱的に密着した
性能のよい放射性物質等収納容器を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は使用済核燃料等の放射性
物質を輸送する輸送容器(キャスク)として好適な放射
性物質等収納容器及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所から出る使用済核燃料等の
放射性物質を輸送する容器として、鋼板製の内胴及び外
胴の間に遮蔽物質としての鉛層を挟んだ構造の外壁を有
する放射性物質等収納容器(鉛キャスク)が使用されて
いる。高い崩壊熱を有する使用済核燃料等を大量に収
納、輸送することを目的とする高性能キャスクでは、如
何に内部に発生する使用済核燃料の崩壊熱を効率的にキ
ャスクの外へ放熱させるかが性能のキーポイントとな
る。言い換えれば1基のキャスクにどれだけ多くの高い
崩壊熱を有する使用済み核燃料を収納できるかというこ
とであり、またこのことは、発電所ー再処理工場間の輸
送を効率的にし、輸送コストを下げることができるかと
いうことにもなる。従来の鉛を遮蔽材とする収納容器で
は、放熱効果を高めるため、外胴には銅などの伝熱性の
よい材料からなるフィンを取り付けるか、鉛ホモゲンを
施工している。また、伝熱性をよくするため内胴と鉛層
の密着性をよくしなければならないが、その方法として
は鉛の収縮力を利用して密着させるか、内胴表面に鉛ホ
モゲンを施工したのち鉛を鋳込む方法が行われていた。
【0003】通常鉛キャスクは使用済核燃料等を収納す
る耐圧、気密を構成する内胴と外胴との間に遮蔽材とし
て溶融鉛を鋳込み、凝固させて製作される。鋼板製の内
胴及び外胴の間に溶融状態(350℃以上)の鉛を入れ
て凝固させると、鉄と鉛との熱膨張率の差により鉛が内
側に収縮して内胴に密着し、鉛層と内胴との間の隙間は
幾何学的には「0」とすることができる。また、鉛ホモ
ゲンは図5(a)に示すフローチャートのような方式
で、図5(b)の概略説明図のような形で鉛の層を積み
上げて行く方法で、原理的には鉄等の母材10の表面に
融着液11を塗布し、鉛12をバーナ9で加熱溶解させ
て塗布して鉛及び鉄の合金層を作り、この合金層に順次
鉛層を融着させて厚さを増して行く施工方法であり、非
常に密着性のよい皮膜を形成させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記の鉛鋳込み法の場
合、鉛層と内胴との間の隙間を幾何学的には「0」とす
ることができるが、両者の結合は金属組織的には不連続
であるため、熱的には両者間に熱抵抗を生じ、温度差が
つく。このことが、高い崩壊熱を有する使用済核燃料を
大量に収納することを目的とする高性能キャスクでは問
題となる。また、鉛ホモゲンの場合には密着性はよい
が、作業に非常な手間がかかり、さらに性質上どうして
もある程度の厚み(数mm以上)を有する必要があり、
鉛鋳込み間隔を狭くし作業性を著しく悪くする欠点があ
った。本発明は、このような従来技術の問題点を解決
し、内胴と鉛層とが熱的に密着した性能のよい放射性物
質等収納容器及び簡単な操作で内胴と鉛層とを熱的に密
着させることができる放射性物質等収納容器の製造方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は(1)鋼板製の
内胴及び外胴の間に遮蔽物質としての鉛層を挟んだ構造
の外壁を有する放射性物質等収納容器において、内胴と
鉛層とが鉛・錫系の溶化材の薄膜を介して密着している
ことを特徴とする放射性物質等収納容器、(2)内胴と
鉛層とが両者の間に超音波検査による境界層が検出され
ない程度に密着していることを特徴とする上記(1)の
放射性物質等収納容器。(3)鋼板製の内胴及び外胴の
間に遮蔽物質としての鉛層を挟んだ構造の外壁を有する
放射性物質等収納容器を製造する方法において、内胴を
形成する鋼板の鉛層と接する側の表面にフラックスを塗
布し、次いで鉛・錫系の溶化材の薄膜を形成させ、この
内胴と外胴との間に鉛を鋳込むことを特徴とする上記
(1)又は(2)の放射性物質等収納容器の製造方法、
である。
【0006】図1ないし図3に本発明の放射性物質等収
納容器の1例を示す。図1及び図2はそれぞれ放射性物
質等収納容器の中心軸に平行な面及び垂直な面での断面
図、図3は図1のA部の詳細図である。図中1は内胴、
2は外胴、3は溶可材の薄膜、4は鉛層、5は中性子遮
蔽材、6は放熱フィンを表す。
【0007】本発明の放射性物質等収納容器の製造方法
においては、内胴と外胴との間に鉛を鋳込むに先立って
内胴の外面に下地処理を施し溶可材の薄膜を形成させて
おくことを特徴とする。この下地処理による薄膜は図4
に模式的に示す次の(1)〜(4)の工程により製造さ
れる。図4(a)はフローチャートであり、図4(b)
は概略説明図である。 (1)内胴1の外面(鋳込み面)を脱脂洗浄し付着物、
油脂分等を除去し清浄な状態とする(洗浄処理)。 (2)鋼板面をバーナ等で230〜270℃程度の温度
に加熱し、表面が所定の温度となったところで濡れ性を
改善する溶剤であるフラックス7(塩素系錫、亜鉛等を
含む)を塗布する(溶剤塗布)。 (3)溶剤塗布後直ちに溶可材8(ステンレスハンダ:
Pb−Sn系)を溶解させながら表面に滴下し、均一に
広げて塗布する(溶可材滴下)。 (4)溶可材塗布後一旦常温まで冷し、内胴の内面(放
射性物質収納側)をバーナ9等で再加熱し180〜25
0℃まで昇温させ浮き上がる溶可材を耐熱布等で拭き取
り、内胴外面に溶可材の極薄い膜3(約十分の数mm程
度)を形成させる(拭き取り、薄膜形成)。
【0008】このような下地処理を行ったのち、外胴と
組み合わせて接合後、鉛を鋳込み鉛層4を形成させる。
さらに必要により外胴の外側には中性子遮蔽材5及び放
熱性をよくするための放熱フィン6を取り付ける。
【0009】
【作用】前記のように溶可材の薄膜を形成させることで
内胴側には、鋼板の表面に溶可材の浸透によるアンカー
効果を生じるとともに鋼板中の鉄イオンと溶可材中の錫
イオンとが結合した合金薄膜が形成される。この形成さ
れた薄膜と鋳込み鉛とが融合し、金属組織となることで
熱的な密着性が大きく改善される。すなわち、前記の下
地処理により内胴表面に次式の反応が起こり、金属錫が
析出し、次いで鉄と反応してFeSn2 の中間層ができ
る。この中間層を媒体として鉛と内胴を構成する下地金
属とが接合し、あたかも一体化したような状態を呈す
る。 Fe+SnCl2 →FeCl2 +Sn Fe+2Sn→FeSn2 一方還元された金属錫が炭素鋼等の下地金属のパーライ
ト部分に浸透し食い込んでアンカー効果をもたらし強固
に接合する。
【0010】内胴と鉛との境界面を微視的に見ると、本
発明の下地処理なしで鉛を鋳込んだ場合には鉛の収縮に
より機械的には密着した状態となっている。しかしなが
らこのような作製方法では内胴と鉛との間にはどうして
も、真空や気体の層が介在してしまい境界面付近での熱
伝導性が悪くなる。
【0011】鉛と下地金属との密着度は超音波検査によ
り確認することができる。超音波は伝播している媒体の
密度が急激に変化すると、その変化の度合いが大きいほ
ど超音波の反射する割合は大きくなる。下地金属(密
度:約8)と空気層(密度は略0)との密度の差のほう
が下地金属と鉛(密度:約11)との密度差よりはるか
に大きい。鉛と下地金属(炭素鋼、ステンレス鋼など)
とが見かけ上隙間なく接触していても、間に空気層があ
ると下地金属と空気との界面を通って伝播する超音波の
反射程度は、冶金的に結合している(空気層が存在しな
い)鉛と下地金属との界面に比較してはるかに大きくな
る。超音波は境界面で一部は反射し、一部は通過してい
く。したがって、境界面の部分で完全に密着(冶金的に
結合している)していると大部分の超音波は通過して行
く。これに対し密着が十分でない(下地金属と鉛とが機
械的に接触し、その隙間がμmオーダであっても)と超
音波は大部分が反射してくる。そのため、反射してくる
超音波の量を測定することにより、密着の程度を確認す
ることができる。
【0012】
【発明の効果】本発明の放射性物質等収納容器は、内胴
と鉛層とが熱的にも密着しているので、内部に発生する
熱を効率的に外へ放熱させることができ、高い崩壊熱を
有する使用済み核燃料等の放射性物質を大量に輸送する
ための高性能キャスクとして有用である。また、本発明
の方法によれば従来の鉛鋳込み方法に加えて、内胴の表
面に簡単な下地処理を施すだけで、内胴と鉛との密着性
のよい収納容器を低コストで製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射性物質等収納容器の1例を示す、
容器の中心軸に平行な面での断面図。
【図2】図1のA部の詳細図。
【図3】図1の容器の中心軸に垂直な面での断面図。
【図4】本発明における薄膜形成の概要を模式的に示す
説明図。
【図5】鉛ホモゲンの製作の概要を模式的に示す説明
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 8607−2G G21F 5/00 D (72)発明者 太田 滋夫 兵庫県尼崎市杭瀬寺島2丁目1番2号 木 村化工機株式会社内 (72)発明者 西岡 英治 兵庫県尼崎市杭瀬寺島2丁目1番2号 木 村化工機株式会社内 (72)発明者 豊田 道則 兵庫県尼崎市杭瀬寺島2丁目1番2号 木 村化工機株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板製の内胴及び外胴の間に遮蔽物質と
    しての鉛層を挟んだ構造の外壁を有する放射性物質等収
    納容器において、内胴と鉛層とが鉛・錫系の溶化材の薄
    膜を介して密着していることを特徴とする放射性物質等
    収納容器。
  2. 【請求項2】 内胴と鉛層とが両者の間に超音波検査に
    よる境界層が検出されない程度に密着していることを特
    徴とする請求項1に記載の放射性物質等収納容器。
  3. 【請求項3】 鋼板製の内胴及び外胴の間に遮蔽物質と
    しての鉛層を挟んだ構造の外壁を有する放射性物質等収
    納容器を製造する方法において、内胴を形成する鋼板の
    鉛層と接する側の表面にフラックスを塗布し、次いで鉛
    ・錫系の溶化材の薄膜を形成させ、この内胴と外胴との
    間に鉛を鋳込むことを特徴とする請求項1又は2に記載
    の放射性物質等収納容器の製造方法。
JP5171641A 1993-07-12 1993-07-12 放射性物質等収納容器及びその製造方法 Withdrawn JPH0727896A (ja)

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