JP3845765B2 - アルミニウムろう付け用フラックス封入部材およびブレージングシート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、アルミニウム合金製熱交換器などに使用されるアルミニウム合金ブレージングシートに適用可能なアルミニウムろう付け用のフラックス封入部材、およびそれを用いたブレージングシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からアルミニウム製の自動車用熱交換器、例えばコンデンサやエバポレータ等においては、アルミニウムもしくはアルミニウム合金を芯材として、その片面もしくは両面に芯材よりも融点の低い合金、例えばAl−Si基合金からなるろう材をクラッドしてなる所謂ブレージングシートが用いられている。
【0003】
このようなブレージングシートを用いた熱交換器の製造にあたっては、一般にブレージングシートを所定の寸法に切断した後、所定の形状に成形し、脱脂処理を施してから熱交換器形状に組立て、フラックスを塗布してからろう付けのための加熱を行なうのが通常である。ここでフラックスの塗布は、ろう付け加熱時における表面の酸化皮膜の除去のために必要であり、一般には粉末状のフッ化物系などのフラックスを水またはアルコールなどの溶媒に懸濁させてスラリー状とし、スプレー法などの方法で塗布するのが通常である。
【0004】
ところで最近の熱交換器では、放熱性能を向上させるために、冷却媒体通路形成部材などを複雑な形状として、表面積すなわち熱交換面積を増大させたものが多くなっている。しかしながらこのような複雑な形状を有する場合、内面などにフラックスを塗布することが困難となる問題がある。また塗布後のハンドリング時などにおいて、人体に悪影響を及ぼすおそれがあるフラックス粉体の脱落飛散が生じやすく、作業環境が悪いという問題もあった。
【0005】
以上のような問題を解決するための技術として、本発明者等は既に特願2000−82821において、ろう付け前の複雑かつ大面積のフラックス塗布を省略することが可能なアルミニウム合金ブレージングシートを提案している。上記提案においては、予め40〜95%の面積率で規則的模様にフラックスを封入したアルミニウム合金材(以下、フラックス封入部材と記す)を作成しておき、そのフラックス封入部材を、ろう材と芯材との界面又はろう材の表面に配置してクラッド圧延することにより、フラックスを内蔵したブレージングシートを作成する。このようにしてフラックスを内蔵させたブレージングシートを使用すれば、ろう付け前のフラックス塗布を行なわずにろう付けすることができ、したがって前述のようなフラックス塗布に伴なって生じる問題を解決することができる。
【0006】
ここで、上述の提案においては、フラックス封入部材の具体的な製造方法として、次のような手法が開示されている。すなわち、アルミニウム系合金板上に特定間隔にアルミニウム合金スペーサを配置し、その間にフラックスを配置して、その上に別のアルミニウム系合金板を重ねてフラックス封入部材を作成する。以下では、このような手法を基にして作成されるフラックス封入部材について、Al板方式フラックス封入部材と称することとする。
【0007】
また上記提案では、作業性向上のためにフラックス封入部材の全体をアルミニウム箔で包む方法も紹介されている。
【0008】
しかしながら上述のようなAl板方式フラックス封入部材では、フラックス封入部材内部でのフラックスの移動に対する拘束力は極めて小さく、せいぜい上側に配置されたアルミニウム系合金板の重力やアルミニウム箔による拘束、およびアルミニウム系合金板とフラックス粉末との間の摩擦抵抗程度の小さな拘束力しか作用せず、そのため外部からの衝撃や傾動させた時の影響によって、均一に配置した筈の内部のフラックスが移動して、フラックス封入部材内部にフラックスの分布の偏りが生じたり、極端な場合にはフラックス封入部材からフラックスがこぼれ落ちたりすることがある。
【0009】
ところでフラックス封入部材は、現場的にはクレーン作業による運搬などの工程で多少なりとも衝撃を受けるのが通常であり、またクラッド圧延前には、芯材、ろう材、およびフラックス封入部材を組立てた状態で加熱炉内に投入して加熱を行なうのが通常であるが、この際には圧延方向を垂直にして立てた状態で炉内に配置することが多く、これらの工程においては、前述のように内部のフラックスに対する拘束力が小さいため、フラックス封入部材内部で上下もしくは左右方向へフラックスのずれが生じることを防止することは困難であり、そのため最終板においてフラックスの不均一分布をもたらして、熱交換器製品のろう付け不良を引き起こし、ブレージングシートとして致命的な欠陥を招くおそれがある。
【0010】
一方、フラックスはフラックス封入部材の内部に存在するため、芯材、ろう材、フラックス封入部材の組立て後にフラックスのずれが生じた場合でも、外部からはフラックスのずれの発生を認知できず、そのためそのまま圧延を行なって最終板を仕上げてしまうこともあり、このような場合、圧延等に無駄なコスト、労力を掛けてしまうことになる。
【0011】
さらに、現場的な観点からも、作業性の点でフラックス封入部材の改善が切望されている。すなわち、フラックス封入部材の作成後、芯材、ろう材との組立て、組立て品の仮止め、加熱など、クラッド圧延を開始するまでの全ての工程において、内部のフラックスの移動の発生を防止するべく、フラックス封入部材に衝撃や傾動が加わらないように細心の注意を払う必要があり、このような煩雑さを回避し得るようなフラックス封入部材の開発が求められている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、前述の提案に示されるようなAl板方式フラックス封入部材の問題点を解決することを目的とするものであり、外部からの衝撃や傾動の影響によりフラックス封入部材内部でフラックスの移動、ずれが生じてしまわないようにして、作業性の良好なフラックス封入部材を提供することを目的とし、またこのようなフラックス封入部材をブレージングシートに用いることにより、ブレージングシートの内部におけるフラックスの均一分布を安定化し、ひいては安定して良好なろう付け性を確保することができるブレージングシートを提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前述のような課題を解決するため、この発明においては、基本的には前記提案の考え方を基礎とし、フラックス封入部材を構成する2枚のアルミニウム合金板の間におけるスペーサによって区分形成される空間部分に、単にフラックスを収納するだけではなく、2枚のアルミニウム合金板およびスペーサによって、フラックス収納のための閉じた空間を取囲む外枠部分を熱間圧着により形成すると同時に、その熱間圧着時においてフラックスを圧粉することによってフラックスを固形化(圧粉体化)させておき、これによってフラックスが外部からの衝撃や傾動によって移動しないようにした。またそのようなフラックス封入部材の製造方法を開示するとともに、そのフラックス封入部材を用いたブレージングシートを開示している。
【0014】
具体的には、請求項1の発明のフラックス封入部材は、2枚のアルミニウム合金板の間にアルミニウム合金からなるスペーサが介挿されており、かつそのスペーサによって2枚のアルミニウム板の間に区画形成される空間にアルミニウムろう付け用の粉末状フラックスが充填され、しかも前記2枚のアルミニウム合金板およびスペーサが熱間圧着されるとともに、前記空間内の粉末状フラックスが圧粉されていることを特徴とするものである。
【0015】
また請求項2の発明のフラックス封入部材の製造方法は、請求項1に記載のアルミニウムろう付け用フラックス封入部材を製造するにあたり、2枚のアルミニウム合金板のうち、一方のアルミニウム板の板面上にアルミニウム合金からなるスペーサを配置し、そのスペーサによって区画形成される凹部にアルミニウムろう付け用粉末状フラックスを配置し、次いでそのスペーサおよび粉末状フラックスの上に他方のアルミニウム合金板を載置した後、全体を熱間圧延して、熱間圧着および圧粉を行なうことを特徴とするものである。
【0016】
また請求項3の発明のブレージングシートは、板状のアルミニウム合金芯材と、板状のアルミニウム合金ろう材との間に、請求項1に記載のフラックス封入部材を配置し、その全体をクラッド接合してなることを特徴とするものである。
【0017】
一方請求項4の発明のブレージングシートは、板状のアルミニウム合金芯材と、板状のアルミニウム合金ろう材とを重ね合わせ、かつろう材外面に請求項1に記載のフラックス封入部材を配置し、その全体をクラッド接合してなることを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1にこの発明のフラックス封入部材を製造する過程についてその原理的な一例を概略的に示す。
【0019】
図1の(a)に示すように、先ず1枚のアルミニウム合金板1をその板面が水平となるように配置し、そのアルミニウム合金板1の上面に、条板状のアルミニウム合金からなる複数のスペーサ3を、その長さ方向が、後述するクラッド接合および圧粉のための熱間圧延時における圧延方向(図1(a)における長さ方向)と平行となるようにかつ相互に所定の間隔を置いて配置する。ここで、各スペーサ3は、その長さを、アルミニウム合金板1の圧延方向長さよりも短く定めておき、アルミニウム合金板1上における長さ方向両端部分(熱間圧延時の圧延方向トップ部およびボトム部)1A,1Bにスペーサ3が載らない領域を残すように配置することが望ましい。なお図1(a)においては、アルミニウム合金板1の上における幅方向両端部分(圧延方向に対し両側のサイド部1C,1D)にそれぞれスペーサ3が載置されている状況を示しているが、場合によっては両側のスペーサ3を若干内側に配置して、サイド部1C,1Dにスペーサが載らない領域を残しても良い。
【0020】
このようにアルミニウム合金板1上に複数のスペーサ3を配置した後、その複数のスペーサ3の相互の間に形成される凹部5に、図1の(b)に示すようにアルミニウムろう付け用の粉末状フラックス7を載置する。
【0021】
その後、図1の(c)に示すように、アルミニウム合金板1、スペーサ3、フラックス7の上面を、前記アルミニウム合金板1と実質的に同一の寸法の別のアルミニウム合金板2によって全体的に覆う。この状態で、必要に応じて全体を仮止めした後、図1の(d)に示すように全体を熱間圧延し、これによってアルミニウム合金板1、スペーサ3、アルミニウム合金板2を熱間圧着すると同時に、フラックス7を圧粉する。
【0022】
このようにして得られたフラックス封入部材9を図2に示す。
【0023】
図2に示すように、スペーサ3を配置した部分では、アルミニウム合金板1、スペーサ3、アルミニウム合金板2が接合一体化され、スペーサ3の相互間の部分(前記凹部5に由来し、スペーサ3によって区分形成される空間部分)内に位置しているフラックス7は高密度に圧粉されて固形化した状態となる。同時に、アルミニウム合金板1におけるスペーサ3およびフラックス7を配置しなかった部分、すなわちトップ部1A、ボトム部1Bでは、アルミニウム合金板1,2の板面同士が直接的に密着して接合一体化された状態となる。したがってフラックス封入部材9内においてフラックス7は、圧粉により固形化した状態(いわゆる圧粉成形体の状態)で、その周囲(四方)が、封入部材9のアルミニウム合金板/スペーサアルミニウム合金板圧着部分と、トップ部9Aおよびボトム部9Bの側のアルミニウム合金板圧着部分により囲まれて、密封された状態となる。
【0024】
このようにフラックス封入部材内部のフラックスは圧粉により密に固形化されているため、外部から衝撃を受けたり、傾動させられたりしても、内部で移動してしまうことが防止され、また外部へこぼれ落ちたりしてしまうこともない。
【0025】
さらにこの発明について具体的に説明する。
【0026】
先ずフラックス封入部材に使用される上下のアルミニウム合金板およびスペーサのアルミニウム合金としては、その種類、成分組成が限定されるものではなく、工業用純アルミニウム系やAl−Mn系、あるいはこれらにCu、Ti、Si等を添加した合金を使用することができ、要はこのフラックス封入部材を用いて最終的に得るブレージングシートの性能を損なわないように選択すれば良い。
【0027】
また封入するフラックスの種類についても特に限定されるものではないが、通常は非腐食性のフッ化物系フラックスが好ましく、例えばKAlF4、K2AlF5・H2O、K3AlF6等の混合物を使用することが好ましい。
【0028】
次にフラックス封入部材の全厚みは特に限定されるものではなく、このフラックス封入部材を使用して作成するブレージングシートの用途、使用箇所等に応じて定めれば良いが、ブレージングシートにおいてフラックス封入部材をろう材と芯材との界面に挿入する場合には0.5〜5mm程度が好ましく、一方ブレージングシートにおいてフラックス封入部材をろう材の外表面に配置する場合には5〜50mm程度が好ましい。
【0029】
さらに、フラックス封入部材における上下のアルミニウム合金板の厚みについても、特に限定されるものではなく、初期の状態(熱間圧着および圧粉のための熱間圧延前の状態)で、通常は0.5〜50mm程度とする。但し上下のアルミニウム合金板の厚みは、充填したフラックスの厚みとの相対的な関係から、フラックス封入部材の圧延が容易となってしかもろう付け時に必要なフラックス量を充分に確保できる程度に定めることが必要である。具体的な目安としては、(充填したフラックスの厚さ)/(フラックス封入部材の全厚さ)の比が、約1/100〜1/2の範囲内となるように、フラックス厚みに応じて定めることが好ましい。この点についてより詳細に説明すれば、フラックス封入部材の製造時の圧延によってアルミニウムは塑性変形を生じて薄く引き伸ばされるが、フラックス粉末はそれ自身では展延性を持たず、アルミニウムと同様に圧延されることはない。しかしながら、実際には約0.5g/mm2 のフラックスを内蔵した60μmのブレージングシートなどが得られており、この機構としてフラックス粉末の回転やすべりが考えられる。すなわちフラックス粉末は、粒子間の回転やすべりを生じて、密着接触したアルミニウムの変形に引きずられ、粉体全体として延ばされていることが考えられる。但し、フラックス粉末が圧延性を阻害する因子であることに間違いはなく、したがって封入部材の圧延を容易にするためには、(フラックス厚さ)/(フラックス封入部材の全厚さ)の比が適正な範囲内に収まっている必要がある。具体的には、(フラックス厚さ)/(フラックス封入部材の全厚さ)の比が1/2を越せば、フラックス封入部材の圧延時に表面のアルミニウム合金板が剥離をおこすことが本発明者等の実験により判明している。一方、前記比が1/100未満となれば、ろう付けに有効なフラックス量を確保することが困難となる。
【0030】
一方、スペーサについても、その具体的厚みは特に限定されるものではなく、初期状態で通常は0.1〜10mm程度とすれば良いが、フラックス粉末の圧粉をより効果的に行なうためには、後の圧粉された状態でのフラックス厚さより薄いことが望ましい。すなわちスペーサの厚みが充填したフラックスの高さより高い場合、フラックス粉末の圧粉が満足に行なわれず、フラックスの固形化が不充分となるおそれがある。
【0031】
さらに、充填するフラックスの量についても、特に限定されるものではないが、通常は最終的なブレージングシートの段階で0.1〜10g/mm2 となるように調整することが望ましい。
【0032】
次にスペーサおよびフラックスの配置については、圧延しろを確保し、フラックスを内部に密封するために、図1に示したように、圧延方向両端部、すなわちトップ部9Aおよびボトム部9Bにフラックスが存在しない領域を形成しておくことが望ましい。このようにすることによって、トップ部9A、ボトム部9Bでは上下のアルミニウム合金板1,2が直接接触して圧延しろとして機能する。すなわち、上述の状態で熱間圧延することによって、トップ部9Aおよびボトム部9Bでは上下のアルミニウム合金板の板面が直接的に接合されて、フラックス封入部材の圧延方向両端部からフラックスが脱落することを防止することが可能となる。
【0033】
次にこの発明のフラックス封入部材の製造プロセスにおいて最も重要な熱間圧延について詳細に説明する。
【0034】
この熱間圧延は、上下のアルミニウム合金板およびスペーサを熱間圧着すると同時に、フラックスを圧粉するために必要かつ重要な工程である。
【0035】
熱間圧延の条件、特に圧延温度および圧延率に関しては、一般に熱間加工とは融点(絶対温度(K))の1/2以上の温度での加工を指し、また圧着には50%以上の圧延率が好ましいとされており、この発明の場合にも同様の条件を適用すれば良い。但し、アルミニウム合金の場合、実際にはこれより高温で圧延するのが通常であり、したがってこの発明の場合も、使用するアルミニウム合金の成分組成等によっても異なるが、通常は熱間圧延温度を350〜500℃程度、圧延率を50〜90%程度とすることが好ましく、より具体的には、例えば熱間圧延温度480℃、圧延率60%程度とすれば良い。
【0036】
また一般に圧延の際には圧延性向上のために圧延油を使用することが多いが、この発明の場合、フラックス封入部材製造のための熱間圧延においては、圧延油の使用は避けることが望ましい。これは、圧延油の巻き込みによる膨れの発生を抑制するためである。ここで、圧延油の巻き込みによる膨れの発生機構は以下のように考えられる。すなわち、特に圧延ロールの入り側においては、フラックス封入部材の圧延トップ側から圧延油が巻き込まれる可能性がある。巻き込まれた圧延油は、主としてフラックス粉末粒子間に吸着されて、クラッド圧延により引き伸ばされ、圧延中途もしくは最終板において膨れとして現れてしまう。また中間焼鈍や最終焼鈍を施す場合には、このような膨れはさらに顕著になってしまう。そこでこの発明の場合は、可及的に圧延油を使用せずに熱間圧延を施すことが望ましい。
【0037】
また熱間圧延に際しては、予めフラックス封入部材全体を仮止めしておくことが望ましい。これは、主に圧延作業性の向上を目的としたものである。すなわち、組立てられたフラックス封入部材の運搬などの作業において、フラックス封入部材の取扱いを容易にし、作業性を向上させるためには、仮止めを行なっておくことが望ましい。
【0038】
仮止めの具体的な手法は特に限定されるものではないが、例えば、ワイヤフープ掛け、スポット溶接、アーク溶接などが適用でき、板厚の制限や作業性、価格などから適宜選択され得るが、後述する理由などから、ワイヤフープ掛けが最も好ましい。
【0039】
仮止め箇所は、フラックス配置箇所と重ならないことが望ましい。これは、例えば鋼製ワイヤをフープ掛けした場合、ワイヤがアルミニウム合金板に食い込み、最終的にこの部分を切捨てる必要が生じるからである。また一般にフラックスは電気絶縁性であるため、フラックスの存在する箇所ではスポット溶接が不可能となる。なおスポット溶接では、アルミニウムの有する高い電導性および比熱のために板厚の制限も受けることになる。さらにアーク溶接についても、アーク温度は1000℃を越すため、フラックスの溶融に配慮が必要になり、したがってフラックス配置箇所から遠く離す必要がある。
【0040】
以上のようにして得られたフラックス封入部材は、これをブレージングシートに好適に適用することができる。すなわち、図3に示すようにアルミニウム合金芯材21の片面(図3の(a))もしくは両面(図3の(b))にアルミニウム合金ろう材23を配置し、かつ前述のフラックス封入部材9を芯材21とろう材23との間に挿入し、その全体を熱間圧延等によりクラッド接合してブレージングシートとする。あるいは図4に示すように、アルミニウム合金芯材21の片面(図4の(a))もしくは両面(図4の(b))にアルミニウム合金ろう材23を配し、ろう材23の表側に前述のフラックス封入部材9を配置し、その全体を熱間圧延等によりクラッド接合してブレージングシートとする。
【0041】
ここで、ブレージングシートの芯材あるいはろう材の合金については、特に限定されるものではなく、一般にブレージングシートに使用されている合金はそのまま使用することができる。例えば芯材としては3003合金や3203合金などのAl−Mn系合金その他を使用することができ、またろう材としては4045合金、4343合金などのAl−Si系合金を使用することができる。
【0042】
上述のように芯材とろう材との間、あるいはろう材表面にフラックス封入部材を配したブレージングシートを用いて熱交換器等の製造のためにろう付け加熱を行なうにあたっては、改めてフラックスの塗布を行なう必要がない。すなわち、ろう材と芯材との界面もしくはろう材表面にフラックスを内部に含むフラックス封入部材が存在しているため、そのフラックスがろう付け加熱時において酸化膜除去に寄与し、良好なろう付け性を得ることができる。
【0043】
なお、ろう付け加熱時におけるフラックスおよびろう材の挙動については、次のような現象が生じているものと考えられる。すなわち、一般にフラックスとしてはその融点がろう材の融点よりも低いものを用いるから、ろう付けのための加熱昇温過程では、ろう材の溶融に先立ってフラックスが溶融するが、この状態では溶融フラックスはフラックス封入部材のアルミニウム合金中に封入されたままとなっている。そしてその後の昇温過程でろう材が溶融した時には、フラックス封入部材のアルミニウム合金が溶融ろうによるエロージョンによって溶融し、そのアルミニウム合金が溶融ろう材に溶け込む。そして溶融フラックスが溶融ろう材中を拡散してろう材表面に移動し、フラックスによる酸化皮膜溶解作用が生じて、良好なろう付け性を得ることができると考えられる。
【0044】
【実施例】
以下にこの発明の実施例および比較例を示す。
【0045】
実施例1
フラックス封入部材の上下のアルミニウム合金板およびスペーサ用のアルミニウム合金としては、純アルミニウム系1100合金を使用した。また上下のアルミニウム合金板の厚みはそれぞれ1.0mmとし、スペーサの厚みは0.5mmとし、かつ平面的なサイズは上下のアルミニウム合金板については130mm×110mm、スペーサについては100mm×5mmとした。一方フッ化物系フラックス(KAlF4 :K2AlF5=約75:25)5.4gを秤量し、図5に示すような位置関係、寸法で下側のアルミニウム合金板1上にスペーサ3とフラックス7を配置した。ここで、トップ部1Aおよびボトム部1Bには圧延しろを設けており、フラックスはこれらの圧延しろより内側のスペーサ間に配置した。そしてこの上に上側のアルミニウム合金板(図示せず)を配置し、トップ部とボトム部を、0.5mm径の鋼線ワイヤによって仮止めした。
【0046】
上述のようにして得られた仮止め部材を加熱炉にて480℃に加熱した後、60%圧延し、フラックス封入部材を得た。このフラックス封入部材を観察したところ、圧延方向のトップ部およびボトム部と、左右両サイド部のスペーサ配置部分は、いずれも完全に圧着されており、外観上は通常のアルミニウム圧延板となんら変らないことが確認された。
【0047】
さらに、得られたフラックス封入部材の長手方向断面組織を光学顕微鏡観察したところ、トップ部からボトム部まで均一にフラックスが内蔵されていることが確認された。
【0048】
実施例2
実施例1と同一の条件によって製造されたフラックス封入部材を用い、以下に示す製造工程に従ってブレージングシートを作成した。
【0049】
フラックス封入部材はトップ部、ボトム部の圧延しろと両サイドのスペーサ部を切り捨て、厚さ1mm、長さ100mm、幅100mmに切出した。一方Al−Mn系の3003合金(厚さ28mm、長さ130mm、幅100mm)を芯材として用い、またAl−Si系の4045合金(厚さ3.5mm、長さ100mm、幅100mm)をろう材として用い、芯材両面をろう材で挟むとともに、芯材−ろう材界面にフラックス封入部材を1枚ずつ挿入して組合わせ、この組立て品のトップ部分をアーク溶接にて仮止めした。
【0050】
この仮止め部材を、圧延方向を地面に対して垂直に、圧延トップ側を下側にして高さ50mmの位置から地面に対して自由落下させた。これは、地面に打ちつけることでフラックス封入部材内部のフラックスにずれが生じるか否か、すなわちフラックス封入部材の耐衝撃性を調べるために行なった試験である。
【0051】
その後、仮止め部材を加熱炉内で480℃に加熱した後、熱間圧着・圧延し、全厚み2.6mmの合わせ板とした、さらに0.5mm厚まで冷間圧延し、最終焼鈍を400℃×2hで行ない、最終板(ブレージングシート)に仕上げた。なおこのブレージングシートにおけるフラックス量は、片面あたり3g/mm2 である。
【0052】
最終板の表面を目視により観察したところ、特に膨れや剥がれもなく、良好なブレージングシートが得られた。またトップ部からボトム部まで長手方向に対して均等間隔に5箇所から試料を切出し、光学顕微鏡で組織観察を行なったところ、いずれの箇所の試料にも芯材−ろう材界面にフラックスの存在が確認され、またその分布は板のトップ側、ボトム側、および左右両サイド側で同程度あって、フラックスが均一に分布していることが確認された。
【0053】
このことから、外部からの衝撃や傾動の影響を受けることがなく、フラックス封入部材内部でフラックスのずれが生じていないことが確認された。
【0054】
さらに断面組織観察と同様に、ブレージングシートのトップ部からボトム部まで、長手方向に対して均等間隔に5箇所から試料を切出し、次のようなろう付け試験に供した。すなわち、図6に示すように、上記のブレージングシート切出し試料(0.5mm×30mm×100mm)25と3003合金からなる母材板(1.0mm×30mm×100mm)27とを組合わせて、T継手試験片を組立て、各試験片を雰囲気ろう付け炉(窒素雰囲気、露点−40℃、温度600℃)に投入し、最高温度に到達後5分保持して炉から取出した。その結果、長手方向5箇所から切出した試料すべてについて、フィレット部全長にわたり良好なろう継手が形成されていることが確認された。
【0055】
このようなろう付け試験結果からも、フラックス封入部材内部でフラックスの分布に偏りが生じておらず、最終的な必須性能であるろう付け性能を充分に確保できることが確認された。
【0056】
比較例
比較材として、単体での圧延を施さない以外は同一条件としたフラックス封入部材を作成した。すなわち、実施例1に示したと同様に下側のアルミニウム合金板の上にスペーサとフラックスを配置し、この上に上側アルミニウム合金板を配置し、熱間圧延を行なわずにトップ部分およびボトム部分を0.5mm径の鋼線ワイヤによって仮止めして仕上げた。ここで、封入フラックス量は2.16gとして、最終板(ブレージングシート)におけるフラックス量が片面当り3g/mm2 となるよう調整した。またこれに合わせて、スペーサ厚さは0.2mmとした。
【0057】
このようにして得られた比較例のフラックス封入部材を用いて、実施例2と同一の工程にしたがってブレージングシートを作成した。得られた最終板表面には、特に膨れや剥がれは見られなかった。フラックス封入部材の圧延しろに相当する部分を切捨て、実施例2と同様に断面組織観察、ろう付け試験を行なった。これらの検査、試験の結果を本発明品の結果と併せて表1に示す。なお表1においてフラックス分布評価は、板幅方向においてフラックスの存在が認められた全長さによって評価し、ろう付け性評価も同様に板幅方向において健全なフィレットが形成された全長さによって評価した。なお板の表側、裏側では、ほぼ同等の結果が得られたため、表1中のデータは表裏の平均として示している。
【0058】
【表1】
【0059】
表1から明らかなように、実施例2による本発明品では、板の長手方向、幅方向へのフラックスの均一分布が確認されたのに対し、比較材ではボトム側でフラックスの存在が認められず、トップ側においても幅方向に対して部分的なフラックス欠如箇所が存在した。この結果から、比較材ではフラックス封入部材の圧延を行なわなかったために地面への打ちつけによりフラックス封入部材内部のフラックスがトップ側にずれてしまったことがうかがわれ、また同時に本発明品においては衝撃性が良好であることが確認された。
【0060】
さらに、実施例2による本発明品では、長手方向のいずれのサンプル位置においても良好なろう付け性を示すことが確認されたのに対し、比較材ではボトム側のサンプルでろう付け不良を起こした。これは、フラックスの欠如箇所ではろう切れを起こした結果と考えられ、このような比較材との対比から、本発明では安定したろう付け性を確保できることが確かめられた。
【0061】
【発明の効果】
この発明のフラックス封入部材は、単に内部にフラックスが封入されているばかりでなく、内部のフラックスが圧粉によって固形化されているため、内部のフラックスが外部からの衝撃や傾動によって移動することが防止され、そのため作業性の大幅な向上を図ることができるとともに、この発明のフラックス封入部材を用いてのろう付け時のろう付け性を安定して向上させることが可能となる。すなわち、従来は、芯材、ろう材との組立て、組立て品の仮止めなどの工程において、フラックス封入部材が傾いたり、衝撃を受けたりして内部のフラックスに偏りが生じないよう、取扱いに細心の注意が必要であり、そのため煩わしさが伴わざるを得なかったが、この発明のフラックス封入部材を用いることによって、そのような煩わしさがなくなって作業性が向上し、また外部からの衝撃や傾動による内部のフラックスの偏りが生じないため、ろう付け前のフラックス塗布なしでブレージングシートのいずれの箇所においても均一に良好なろう付け性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のフラックス封入部材の製造プロセスの一例を原理的に示す段階的な略解図である。
【図2】この発明のフラックス封入部材の一例を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線における縦断面図、(c)は(a)のC−C線における縦断面図である。
【図3】(a),(b)は、それぞれこの発明のフラックス封入部材を用いたブレージングシートの一例を示す略解的な縦断面図である。
【図4】(a),(b)は、それぞれこの発明のフラックス封入部材を用いたブレージングシートの別の例を示す略解的な縦断面図である。
【図5】この発明の実施例1によるフラックス封入部材を説明するための図で下側のアルミニウム合金板上にスペーサおよびフラックスを配置した状態の斜視図である。
【図6】この発明の実施例2におけるろう付け性試験の状況を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,2 アルミニウム合金板
3 スペーサ
7 フラックス
9 フラックス封入部材
21 芯材
23 ろう材
Claims (4)
- 2枚のアルミニウム合金板の間にアルミニウム合金からなるスペーサが介挿されており、かつそのスペーサによって2枚のアルミニウム板の間に区画形成される空間にアルミニウムろう付け用の粉末状フラックスが充填され、しかも前記2枚のアルミニウム合金板およびスペーサが熱間圧着されるとともに、前記空間内の粉末状フラックスが圧粉されていることを特徴とする、アルミニウムろう付け用フラックス封入部材。
- 請求項1に記載のアルミニウムろう付け用フラックス封入部材を製造するにあたり、
2枚のアルミニウム合金板のうち、一方のアルミニウム板の板面上にアルミニウム合金からなるスペーサを配置し、そのスペーサによって区画形成される凹部にアルミニウムろう付け用粉末状フラックスを配置し、次いでそのスペーサおよび粉末状フラックスの上に他方のアルミニウム合金板を載置した後、全体を熱間圧延して、熱間圧着および圧粉を行なうことを特徴とする、アルミニウムろう付け用フラックス封入部材の製造方法。 - 板状のアルミニウム合金芯材と、板状のアルミニウム合金ろう材との間に、請求項1に記載のフラックス封入部材を配置し、その全体をクラッド接合してなることを特徴とする、ブレージングシート。
- 板状のアルミニウム合金芯材と、板状のアルミニウム合金ろう材とを重ね合わせ、かつろう材外面に請求項1に記載のフラックス封入部材を配置し、その全体をクラッド接合してなることを特徴とする、ブレージングシート。
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