JP6309161B2 - 研磨材 - Google Patents

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Description

本発明は、研磨材に関する。
近年、ハードディスク等の電子機器の精密化が進んでいる。このような電子機器の基板材料としては、小型化や薄型化に対応できる剛性、耐衝撃性及び耐熱性を考慮し、ガラスが用いられることが多い。このガラス基板は脆性材料であり、表面の傷により著しく機械的強度が損なわれる。このため、このような基板の研磨には、高い研磨レートと共に、傷の少ない平坦化精度が要求される。
さらに、工業用のガラス基板の研磨を行うには、生産性向上の観点からランニングコストの低減が要求される。このランニングコストとしては、研磨材等の消耗品のコスト、ドレスに要するコスト等が挙げられる。ここで、ドレスとは、砥粒の目つぶれにより低下した研磨レートを再生するために研磨材の表面を削り落とし新たな砥粒を表面に出す作業をいい、ドレス前後には研磨材の清掃も行われる。また、ドレスの間、被削体であるガラス基板の研磨は中断される。
このような研磨レートと平坦化精度とを両立させ、かつランニングコストを低減できる研磨材としては、研磨粒子と充填剤とを分散した研磨部を有する研磨材が提案されている(特開2015−178155号公報参照)。この従来の研磨材は、研磨時に充填剤が脱落して研磨部の頂面に球冠状の凹部を形成することで、被削体と研磨部との接触面積を低減し、研磨部の摩耗を抑止するので、研磨材が長寿命化する。このため、研磨材の交換頻度が低減され、ランニングコストのうち研磨材のコストが低減される。また、被削体と研磨部との接触面積の減少により、研磨部に効果的に研磨圧力がかかり、研磨レートと平坦化精度とが両立する。
しかし、この従来の研磨材は、研磨部の摩耗を抑止しているため、研磨部の表面に露出し、主に研磨に寄与する砥粒が比較的長期間にわたって保持される。このため、上記従来の研磨材では研磨部の表面に露出した砥粒の研磨による目つぶれが進行し易い。従って、上記従来の研磨材では、研磨の時間経過と共に研磨レートが低下し易いため、ドレスの頻度が低減されず、ランニングコストのうちドレスに要するコストに改善の余地がある。
特開2015−178155号公報
本発明はこのような不都合に鑑みてなされたものであり、比較的長期間に渡り研磨レートが低下し難い研磨材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、基材シートと、この基材シートの表面側に積層され、砥粒及びそのバインダーを含む研磨層とを備える研磨材であって、上記研磨層が複数種の砥粒を有し、上記複数種の砥粒のうち、平均粒子径が最も大きい砥粒を第1砥粒、及び平均粒子径が2番目に大きい砥粒を第2砥粒とする場合、第1砥粒の平均粒子径に対する第2砥粒の平均粒子径の比が5%以上70%以下であることを特徴とする。
当該研磨材は、複数種の砥粒を有するので、この砥粒の種類の選択により研削力と製造コストとを両立させることができる。また、当該研磨材は、第1砥粒の平均粒子径に対する第2砥粒の平均粒子径の比が上記上限以下である。このため、第1砥粒よりも平均粒子径が小さい第2砥粒が第1砥粒よりも先に研磨層から目こぼれし易い。さらに、当該研磨材は、第1砥粒の平均粒子径に対する第2砥粒の平均粒子径の比が上記下限以上であるので、第2砥粒の目こぼれにより研磨層の一部が適度に脱落する。この脱落により当該研磨材は、目つぶれが進行し研削力が比較的低下した第1砥粒を目こぼれさせ、新たな砥粒を露出させることができる。その結果、当該研磨材は、研磨層表面の砥粒における研削力の高い砥粒の割合が高まり、砥粒の目つぶれが進行し過ぎることによる研磨レートの低下を抑止できる。
上記研磨層における上記砥粒の総含有量としては、50体積%以上85体積%以下が好ましい。上記砥粒の総含有量を上記範囲内とすることで、砥粒がバインダーにより好適に保持され、砥粒を適度に目こぼれさせることができるので、研磨層の摩滅を抑止しつつ、研磨レート低下の抑止効果が高められる。
上記研磨層における上記第1砥粒の含有量としては、1体積%以上25体積%以下が好ましい。上記第1砥粒の含有量を上記範囲内とすることで、研削力を維持しつつ、第2砥粒の目こぼれによりさらに好適に第1砥粒を目こぼれさせることができるので、研磨レート低下の抑止効果が高められる。
上記第1砥粒がダイヤモンド砥粒であり、上記第2砥粒がアルミナ砥粒であることが好ましい。ダイヤモンド砥粒はアルミナ砥粒に比べて研削力が高いが高価である。当該研磨材の研削力は主に平均粒子径の大きい第1砥粒で決まるため、第1砥粒をダイヤモンド砥粒とし、第2砥粒をアルミナ砥粒とすることで、研削力を維持しつつ、当該研磨材の製造コストをさらに低減できる。
上記研磨層における上記第1砥粒を除く砥粒の含有量としては、30体積%以上80体積%以下が好ましい。上記第1砥粒を除く砥粒の含有量を上記範囲内とすることで、研磨層の脱落量をさらに好適に制御できるので、研磨レートの低下をさらに抑止できる。
ここで、「平均粒子径」とは、レーザー回折法等により測定された体積基準の累積粒度分布曲線の50%値(50%粒子径、D50)をいう。
以上説明したように、本発明の研磨材は、比較的長期間に渡り研磨レートが低下し難い。従って、本発明の研磨材を用いた研磨は、ドレスの頻度を低減できるので、ドレスによるランニングコストを低減できる。
本発明の実施形態に係る研磨材を示す模式的断面図である。 図1とは異なる実施形態に係る研磨材を示す模式的断面図である。
以下、本発明の実施の形態を適宜図面を参照しつつ詳説する。
図1に示す研磨材1は、基材シート10と、この基材シート10の表面側に積層される研磨層20と上記基材シート10の裏面側に積層される接着層30とを備える。当該研磨材1は、基板加工のための固定砥粒研磨材として用いられる。
<基材シート>
基材シート10は、研磨層20を支持するための部材である。
基材シート10の主成分としては、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アラミド、アルミニウム、銅等が挙げられる。中でも研磨層20との接着性が良好なPET、及びアルミニウムが好ましい。また、基材シート10の表面に化学処理、コロナ処理、プライマー処理等の接着性を高める処理が行われてもよい。ここで、「主成分」とは、最も含有量の多い成分を意味し、例えば含有量が50質量%以上、好ましくは90%以上の成分をいう。
また、基材シート10は可撓性又は延性を有するとよい。このように基材シート10が可撓性又は延性を有することで、当該研磨材1が被削体の表面形状に追従し、研磨面と被削体との接触面積が大きくなるため、研磨レートがさらに高まる。このような可撓性を有する基材シート10の主成分としては、例えばPETやPI等を挙げることができる。また、延性を有する基材シート10の主成分としては、アルミニウムや銅等を挙げることができる。
上記基材シート10の形状及び大きさとしては、特に制限されないが、例えば一辺が140mm以上160mm以下の正方形状や外形200mm以上2100mm以下及び内径100mm以上660mm以下の円環状とすることができる。また、平面上に並置した複数の基材シート10が単一の支持体により支持される構成であってもよい。
上記基材シート10の平均厚さとしては、特に制限されないが、例えば50μm以上1mm以下とできる。上記基材シート10の平均厚さが上記下限未満である場合、当該研磨材1の強度や平坦性が不足するおそれがある。逆に、上記基材シート10の平均厚さが上記上限を超える場合、当該研磨材1が不要に厚くなり取扱いが困難になるおそれがある。
<研磨層>
上記研磨層20は、砥粒及びそのバインダー22を含む。また、研磨層20は、その表面に溝23により区分された複数の凸状部24を有する。
上記研磨層20の平均厚さ(凸状部24部分のみの平均厚さ)の下限としては、25μmが好ましく、30μmがより好ましく、50μmがさらに好ましい。一方、上記研磨層20の平均厚さの上限としては、4000μmが好ましく、3500μmがより好ましく、3000μmがさらに好ましい。上記研磨層20の平均厚さが上記下限未満であると、研磨層20の耐久性が不足するおそれがある。逆に、上記研磨層20の平均厚さが上記上限を超えると、上記研磨層20の均質性が低下するため、安定した研磨力の発揮が困難となるおそれがある。また、当該研磨材1が不要に厚くなり取扱いが困難になるおそれや製造コストが増大するおそれがある。
(砥粒)
上記研磨層20は、少なくとも2種の砥粒を有する。具体的には、上記研磨層20は、平均粒子径が大きい第1砥粒21aと、第1砥粒21aより平均粒子径の小さい第2砥粒21bとを少なくとも有する。
上記砥粒としては、ダイヤモンド砥粒、アルミナ砥粒、シリカ砥粒、セリア砥粒、シリコンカーバイド砥粒、ボロンカーバイド砥粒等を挙げることができる。中でも第1砥粒21aとしては、ダイヤモンド砥粒、及びシリコンカーバイド砥粒が好ましく、第2砥粒21bとしては、アルミナ砥粒、シリカ砥粒、及びセリア砥粒が好ましい。特に、上記第1砥粒21aがダイヤモンド砥粒であり、上記第2砥粒21bがアルミナ砥粒であることが好ましい。ダイヤモンド砥粒はアルミナ砥粒に比べて研削力が高いが高価である。研削力は主に平均粒子径の大きい第1砥粒21aで決まるため、第1砥粒21aをダイヤモンド砥粒とし、第2砥粒21bをアルミナ砥粒とすることで、ダイヤモンド砥粒による研削力を維持しつつ、当該研磨材1の製造コストを低減できる。なお、砥粒をダイヤモンド砥粒とする場合のダイヤモンドとしては、単結晶でも多結晶でもよく、またNiコーティング等の処理がされたダイヤモンドであってもよい。中でも単結晶ダイヤモンド及び多結晶ダイヤモンドが好ましい。単結晶ダイヤモンドはダイヤモンドの中でも硬質であり研削力が高い。また、多結晶ダイヤモンドは多結晶を構成する微結晶単位で劈開し易く目つぶれが進行し難いので、研磨レートの低下が小さい。
上記第1砥粒21aの平均粒子径は、研磨速度と研磨後の被削体の表面粗さとの観点から適宜選択される。第1砥粒21aの平均粒子径の下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましい。一方、第1砥粒21aの平均粒子径の上限としては、45μmが好ましく、30μmがより好ましく、25μmがさらに好ましい。第1砥粒21aの平均粒子径が上記下限未満であると、当該研磨材1の研磨力が不足し、研磨効率が低下するおそれがある。逆に、第1砥粒21aの平均粒子径が上記上限を超えると、研磨精度が低下するおそれがある。
上記第2砥粒21bの平均粒子径は、上記第1砥粒21aの平均粒子径より小さい。第2砥粒21bの平均粒子径の下限としては、0.5μmが好ましく、1μmがより好ましい。一方、第2砥粒21bの平均粒子径の上限としては、20μmが好ましく、10μmがより好ましく、5μmがさらに好ましい。上記第2砥粒21bの平均粒子径が上記下限未満であると、研磨層20の脱落が早く進み過ぎるため、当該研磨材1の寿命が短くなるおそれがある。逆に、第2砥粒21bの平均粒子径が上記上限を超えると、第2砥粒21bの目こぼれによる研磨層20の脱落量が不足し、研磨レート低下の抑止効果が不十分となるおそれがある。
上記第1砥粒21aの平均粒子径に対する第2砥粒21bの平均粒子径の比の下限としては、5%であり、10%がより好ましく、15%がさらに好ましい。一方、上記第2砥粒21bの平均粒子径の比の上限としては、70%であり、65%がより好ましく、60%がさらに好ましい。上記第2砥粒21bの平均粒子径の比が上記下限未満であると、第2砥粒21bの目こぼれが発生し過ぎて、研磨層20の脱落が早く進み過ぎるため、当該研磨材1の寿命が短くなるおそれがある。逆に、上記第2砥粒21bの平均粒子径の比が上記上限を超えると、第2砥粒21bの目こぼれによる研磨層20の脱落量が不足し、研磨レート低下の抑止効果が不十分となるおそれがある。また、第2砥粒21bの平均粒子径と第1砥粒21aの平均粒子径との差異が減少するため、研磨時の研磨圧力が第2砥粒21bにも加わり易くなる。このため、研磨時に個々の第1砥粒21aにかかる研磨圧力が小さくなり、研磨レートが低下するおそれがある。
上記研磨層20における上記砥粒の総含有量の下限としては、50体積%が好ましく、55体積%がより好ましい。一方、上記砥粒の総含有量の上限としては、85体積%が好ましく、70体積%がより好ましい。上記砥粒の総含有量が上記下限未満であると、相対的にバインダー22の含有量が大きくなるため、砥粒が強固に固定され、目こぼれし難くなる。このため、研磨層20の表面の砥粒に対する目つぶれする前の研磨力が高い砥粒の割合が減少し、研磨レート低下の抑止効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記砥粒の総含有量が上記上限を超えると、相対的にバインダー22の含有量が小さくなるため、砥粒が目こぼれし易くなる。このため、研磨層20の脱落が早く進み過ぎるため、当該研磨材1の寿命が短くなるおそれがある。
上記研磨層20における上記第1砥粒21aの含有量の下限としては、1体積%が好ましく、2体積%がより好ましい。一方、上記第1砥粒21aの含有量の上限としては、25体積%が好ましく、15体積%がより好ましく、10体積%がより好ましい。上記第1砥粒21aの含有量が上記下限未満であると、当該研磨材1の研削力が不足するおそれがある。逆に、上記第1砥粒21aの含有量が上記上限を超える場合、第2砥粒21bの含有量が相対的に小さくなるため、第2砥粒21bの目こぼれによる研磨層20の脱落量が不足し、研磨レート低下の抑止効果が不十分となるおそれがある。また、第1砥粒21aが密に詰まり過ぎるため、研磨時に個々の第1砥粒21aにかかる研磨圧力が小さくなり、研磨レートが低下するおそれがある。
研磨層20における第2砥粒21bの含有量の下限としては、30体積%が好ましく、50体積%がより好ましい。一方、上記第2砥粒21bの含有量の上限としては、80体積%が好ましく、70体積%がより好ましい。上記第2砥粒21bの含有量が上記下限未満であると、第2砥粒21bの目こぼれによる研磨層20の脱落量が不足し、研磨レート低下の抑止効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記第2砥粒21bの含有量が上記上限を超えると、研磨層20の脱落が早く進み過ぎるため、当該研磨材1の寿命が短くなるおそれがある。
上記第1砥粒21aの含有量に対する第2砥粒21bの含有量の比の下限としては、1が好ましく、5がより好ましい。一方、上記第2砥粒21bの含有量の比の上限としては、25が好ましく、15がより好ましい。上記第2砥粒21bの含有量の比が上記下限未満であると、第2砥粒21bの目こぼれによる研磨層20の脱落量が不足し、研磨レート低下の抑止効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記第2砥粒21bの含有量の比が上記上限を超えると、研磨層20の脱落が早く進み過ぎるため、当該研磨材1の寿命が短くなるおそれがある。
上記研磨層20は、第2砥粒よりも平均粒子径が小さく、かつ第1砥粒21a及び第2砥粒21bとは種類の異なる1又は複数種の第3砥粒を有してもよい。このように上記研磨層20が第3砥粒を有することで、研磨層20の脱落量の制御性が向上する。
上記第3砥粒としては、ダイヤモンド砥粒、アルミナ砥粒、シリカ砥粒、セリア砥粒、シリコンカーバイド砥粒、ボロンカーバイド砥粒等を挙げることができ、中でも比較的安価なアルミナ砥粒、シリカ砥粒、及びセリア砥粒が好ましい。
第3砥粒の平均粒子径の下限としては、0.01μmが好ましく、0.02μmがより好ましい。一方、第3砥粒の平均粒子径の上限としては、2μmが好ましく、1.5μmがより好ましい。上記第3砥粒の平均粒子径が上記下限未満であると、研磨層20の脱落が早く進み過ぎるため、当該研磨材1の寿命が短くなるおそれがある。逆に、上記第3砥粒の平均粒子径が上記上限を超えると、研磨層20の脱落量の制御性向上効果が不足するおそれがある。なお、第3砥粒が複数種の砥粒を有する場合は、第3砥粒の平均粒子径とは粒子の種類ごとの平均粒子径を指す。
上記第2砥粒21bの平均粒子径に対する第3砥粒の平均粒子径の比の下限としては、1%が好ましく、5%がより好ましい。一方、上記第3砥粒の平均粒子径の比の上限としては、75%が好ましく、65%がより好ましい。上記第3砥粒の平均粒子径の比が上記下限未満であると、研磨層20の脱落が早く進み過ぎるため、当該研磨材1の寿命が短くなるおそれがある。逆に、上記第3砥粒の平均粒子径の比が上記上限を超えると、研磨層20の脱落量の制御性向上効果が不足するおそれがある。
研磨層20における第3砥粒の含有量の下限としては、1体積%が好ましく、3体積%がより好ましい。一方、上記第3砥粒の含有量の上限としては、20体積%が好ましく、15体積%がより好ましい。上記第3砥粒の含有量が上記下限未満であると、研磨層20の脱落量の制御性向上効果が不足するおそれがある。逆に、上記第3砥粒の含有量が上記上限を超えると、研磨層20の脱落が早く進み過ぎるため、当該研磨材1の寿命が短くなるおそれがある。なお、第3砥粒が複数種の砥粒を有する場合は、第3砥粒の含有量とは粒子の種類ごとの含有量を合算した合計含有量を指す。
上記研磨層20が第3砥粒を有する場合、上記研磨層20における第2砥粒21b及び第3砥粒の合計含有量(上記第1砥粒21aを除く砥粒の含有量)の下限としては、30体積%が好ましく、50体積%がより好ましい。一方、上記第2砥粒21b及び第3砥粒の合計含有量の上限としては、80体積%が好ましく、70体積%がより好ましい。上記第2砥粒21b及び第3砥粒の合計含有量が上記下限未満であると、第2砥粒21b及び第3砥粒の目こぼれによる研磨層20の脱落量が不足し、研磨レート低下の抑止効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記第2砥粒21b及び第3砥粒の合計含有量の含有量が上記上限を超えると、研磨層20の脱落が早く進み過ぎるため、当該研磨材1の寿命が短くなるおそれがある。
(バインダー)
上記バインダー22の主成分としては、特に限定されないが、ポリウレタン、ポリフェノール、エポキシ、ポリエステル、セルロース、エチレン共重合体、ポリビニルアセタール、ポリアクリル、アクリルエステル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド等の樹脂を挙げることができる。中でも基材シート10への良好な密着性が確保しやすいポリアクリル、エポキシ、ポリエステル及びポリウレタンが好ましい。また、上記樹脂は、少なくとも一部が架橋していてもよい。
上記バインダー22には、分散剤、カップリング剤、界面活性剤、潤滑剤、消泡剤、着色剤等の各種助剤及び添加剤等を目的に応じて適宜含有させてもよい。
(凸状部)
複数の凸状部24は、研磨層20の表面に等間隔の格子状に配設される溝23により区分されている。すなわち、上記複数の凸状部24の形状は、規則的に配列されたブロックパターン状である。また、凸状部24を区分する溝23の底面は、基材シート10の表面で構成される。
上記溝23の平均幅の下限としては、0.3mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。一方、上記溝23の平均幅の上限としては、10mmが好ましく、8mmがより好ましい。上記溝23の平均幅が上記下限未満であると、研磨により発生する研磨粉が溝23に詰まるおそれがある。逆に、上記溝23の平均幅が上記上限を超えると、研磨時に被削体が溝23に落ち込み易くなるため、被削体に傷が生じるおそれがある。
上記凸状部24の平均面積の下限としては、1mmが好ましく、2mmがより好ましい。一方、上記凸状部24の平均面積の上限としては、150mmが好ましく、130mmがより好ましい。上記凸状部24の平均面積が上記下限未満であると、凸状部24が基材シート10から剥離するおそれがある。逆に、上記凸状部24の平均面積が上記上限を超えると、研磨時に研磨層20の被削体への接触面積が大きくなるため、研磨時に個々の第1砥粒21aにかかる研磨圧力が小さくなり、研磨レートが低下するおそれがある。
上記複数の凸状部24の上記研磨層20全体に対する面積占有率の下限としては、5%が好ましく、10%がより好ましい。一方、上記複数の凸状部24の上記研磨層20全体に対する面積占有率の上限としては、60%が好ましく、55%がより好ましい。上記複数の凸状部24の上記研磨層20全体に対する面積占有率が上記下限未満であると、凸状部24が基材シート10から剥離するおそれがある。逆に、上記複数の凸状部24の上記研磨層20全体に対する面積占有率が上記上限を超えると、溝23の間隔が広過ぎるため、研磨層20表面に発生する削屑が研磨層20表面に滞留し、目詰まりを生ずるおそれがある。なお、「研磨層全体の面積」は、研磨層が溝を有する場合、その溝の面積も含む概念である。
<接着層>
接着層30は、当該研磨材1を支持し研磨装置に装着するための支持体に当該研磨材1を固定する層である。
この接着層30に用いられる接着剤としては、特に限定されないが、例えば反応型接着剤、瞬間接着剤、ホットメルト接着剤、貼り替え可能な接着剤である粘着剤等を挙げることができる。
この接着層30に用いられる接着剤としては、粘着剤が好ましい。接着層30に用いられる接着剤として粘着剤を用いることで、支持体から当該研磨材1を剥がして貼り替えることができるため当該研磨材1及び支持体の再利用が容易になる。このような粘着剤としては、特に限定されないが、例えばアクリル系粘着剤、アクリル−ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、ブチルゴム系等の合成ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤等が挙げられる。
接着層30の平均厚さの下限としては、0.05mmが好ましく、0.1mmがより好ましい。また、接着層30の平均厚さの上限としては、0.3mmが好ましく、0.2mmがより好ましい。接着層30の平均厚さが上記下限未満である場合、接着力が不足し、当該研磨材1が支持体から剥離するおそれがある。一方、接着層30の平均厚さが上記上限を超える場合、例えば接着層30の厚みのため当該研磨材1を所望する形状に切る際に支障をきたすなど、作業性が低下するおそれがある。
<研磨材の製造方法>
当該研磨材1は、研磨層用組成物を準備する工程、上記研磨層20を研磨層用組成物の印刷により形成する工程、及び基材シート10の裏面側に接着層30を積層する工程により製造できる。
まず、研磨層用組成物準備工程において、研磨層用組成物(バインダー22の形成材料及び砥粒)を溶剤に分散させた溶液を塗工液として準備する。上記溶剤としては、バインダー22の形成材料が可溶であれば特に限定されない。具体的には、メチルエチルケトン(MEK)、イソホロン、テルピネオール、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノン、プロピレンカーボネート等を用いることができる。塗工液の粘度や流動性を制御するために、水、アルコール、ケトン、酢酸エステル、芳香族化合物等の希釈剤などを添加してもよい。
次に、研磨層形成工程において、上記研磨層用組成物準備工程で準備した塗工液を用い、基材シート10表面に印刷法により溝23で区分された複数の領域から構成される研磨層20を形成する。この溝23を形成するために、溝23の形状に対応する形状を有するマスクを用意し、このマスクを介して上記塗工液を印刷する。この印刷方式としては、例えばスクリーン印刷、メタルマスク印刷等を用いることができる。そして、印刷した塗工液を加熱脱水及び加熱硬化させることで研磨層20を形成する。具体的には、例えば塗工液を室温(25℃)で乾燥させ、100℃以上150℃以下の温度で加熱硬化させ、研磨層20を形成する。
最後に、接着層積層工程において、基材シート10の裏面側に接着層30を積層する。具体的には、例えば予め形成されたテープ状の接着層30を基材シート10の裏面に貼り付ける。
<利点>
当該研磨材1は、複数種の砥粒を有するので、この砥粒の種類の選択により研削力と製造コストとを両立させることができる。また、当該研磨材1は、第1砥粒21aの平均粒子径に対する第2砥粒21bの平均粒子径の比が70%以下である。このため、第1砥粒21aよりも平均粒子径が小さい第2砥粒21bが第1砥粒21aよりも先に研磨層20から目こぼれし易い。さらに、当該研磨材1は、第1砥粒21aの平均粒子径に対する第2砥粒21bの平均粒子径の比が5%以上であるので、第2砥粒21bの目こぼれにより研磨層20の一部が適度に脱落する。この脱落により当該研磨材1は、目つぶれが進行し研削力が比較的低下した第1砥粒21aを目こぼれさせ、新たな砥粒を露出させることができる。その結果、当該研磨材1は、研磨層20の表面の砥粒における研削力の高い砥粒の割合が高まり、砥粒の目つぶれが進行し過ぎることによる研磨レートの低下を抑止できる。
[その他の実施形態]
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
上記実施形態では、溝を等間隔の格子状に構成したが、格子の間隔及び平面形状は上記実施形態には限定されない。また、上記実施形態において、溝の底面が基材の表面である構成としたが、溝の深さが研磨層の平均厚さよりも小さく、溝が基材の表面に達さなくともよい。
また、研磨層は、溝を有しない構成であってもよい。当該研磨材は、溝を有しなくとも、比較的長期間に渡り研磨レートが低下し難い。
さらに、図2に示すように当該研磨材2は裏面側の接着層30を介して積層される支持体40及びその支持体40の裏面側に積層される第二接着層31を備えてもよい。当該研磨材2が支持体40を備えることにより、当該研磨材2の取扱いが容易となる。
上記支持体40の主成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性を有する樹脂やポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等のエンジニアリングプラスチックを挙げることができる。上記支持体40の主成分にこのような材料を用いることにより上記支持体40が可撓性を有し、当該研磨材2が被削体の表面形状に追従し、研磨面と被削体とが接触し易くなるため研磨レートがさらに向上する。
上記支持体40の平均厚さとしては、例えば0.5mm以上3mm以下とすることができる。上記支持体40の平均厚さが上記下限未満である場合、当該研磨材2の強度が不足するおそれがある。一方、上記支持体40の平均厚さが上記上限を超える場合、上記支持体40を研磨装置に取り付け難くなるおそれや上記支持体40の可撓性が不足するおそれがある。
上記第二接着層31は、接着層30と同様の接着剤を用いることができる。また、第二接着層31は、接着層30と同様の平均厚さとできる。
なお、平均粒子径が最大である砥粒が2種類以上存在する場合が生じ得るが、それらはいずれも第1砥粒に含まれるものとする。同様に平均粒子径が2番目に大きい砥粒が2種類以上存在する場合、それらはいずれも第2砥粒に含まれるものとする。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、当該発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
エポキシ樹脂に、希釈溶剤(イソホロン)、硬化剤、及び硬化触媒を加えた組成物を準備した。この組成物に第1砥粒としての単結晶ダイヤモンド砥粒(平均粒子径9μm)及び第2砥粒としてのアルミナ砥粒(平均粒子径2.0μm)を加えて混合し、第1砥粒の研磨層に対する含有量が20体積%となり、かつ第2砥粒の研磨層に対する含有量が32体積%となるよう調製し塗工液を得た。
基材シートとして平均厚さ75μmのPETフィルムを準備した。この基材シートの表面に上記塗工液を用いた印刷法により研磨層を形成した。なお、印刷のパターンとして溝に対応するマスクを用いることで、研磨層に溝で区分された凸状部を形成した。溝は平均幅が1mmの格子状とし、凸状部は平面視で1辺1.5mmの正方形状(平均面積2.25mm)とした。また、凸状部の研磨層全体に対する面積占有率は36%とした。研磨層の平均厚さは、300μmとした。
なお、塗工液は、室温(25℃)で乾燥させ、120℃の温度で加熱硬化させた。
また、基材シートを支持し研磨装置に固定する支持体として平均厚さ1mmの硬質塩化ビニル樹脂板を用い、上記基材の裏面と上記支持体の表面とを平均厚さ130μmの粘着剤で貼り合わせた。上記粘着剤としては、両面テープを用いた。このようにして実施例1の研磨材を得た。
[実施例2]
実施例1の組成物と同様の組成物に第1砥粒としての単結晶ダイヤモンド砥粒(平均粒子径9μm)及び第2砥粒としてのアルミナ砥粒(平均粒子径5.7μm)を加えて混合し、第1砥粒の研磨層に対する含有量が5体積%となり、かつ第2砥粒の研磨層に対する含有量が60体積%となるよう調製し塗工液を得た。
上記塗工液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の研磨材を得た。
[実施例3]
実施例1の組成物と同様の組成物に第1砥粒としての単結晶ダイヤモンド砥粒(平均粒子径12μm)及び第2砥粒としてのアルミナ砥粒(平均粒子径2.0μm)を加えて混合し、第1砥粒の研磨層に対する含有量が2.5体積%となり、かつ第2砥粒の研磨層に対する含有量が55体積%となるよう調製し塗工液を得た。
上記塗工液を用い、実施例1と同様にして基材シートの表面に研磨層を形成した。なお、研磨層の溝は平均幅が5mmの格子状とし、凸状部は平面視で1辺2.5mmの正方形状(平均面積6.25mm)とした。また、凸状部の研磨層全体に対する面積占有率は11.1%とした。
また、実施例1と同様にして基材シートを支持体に固定し、実施例3の研磨材を得た。
[実施例4]
実施例1の組成物と同様の組成物に第1砥粒としての単結晶ダイヤモンド砥粒(平均粒子径12μm)、第2砥粒としてのアルミナ砥粒(平均粒子径2.0μm)、及び第3砥粒としてのシリカ砥粒(平均粒子径0.040μm)を加えて混合し、第1砥粒の研磨層に対する含有量が2.5体積%となり、第2砥粒の研磨層に対する含有量が50体積%となり、かつ第3砥粒の研磨層に対する含有量が5体積%となるよう調製し塗工液を得た。
上記塗工液を用いた以外は実施例3と同様にして、実施例4の研磨材を得た。
[実施例5、実施例12〜14]
実施例1の組成物と同様の組成物に第1砥粒としての単結晶ダイヤモンド砥粒(平均粒子径9μm)及び第2砥粒としてのアルミナ砥粒(平均粒子径2.0μm)を加えて混合し、第1砥粒の研磨層に対する含有量が5体積%となり、かつ第2砥粒の研磨層に対する含有量が60体積%となるよう調製し塗工液を得た。
上記塗工液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5及び実施例12〜14の研磨材を得た。
[実施例6]
実施例1の組成物と同様の組成物に第1砥粒としての単結晶ダイヤモンド砥粒(平均粒子径9μm)、第2砥粒としてのアルミナ砥粒(平均粒子径2.0μm)、及び第3砥粒としてのセリア砥粒(平均粒子径1.2μm)を加えて混合し、第1砥粒の研磨層に対する含有量が5体積%となり、第2砥粒の研磨層に対する含有量が48体積%となり、かつ第3砥粒の研磨層に対する含有量が12体積%となるよう調製し塗工液を得た。
上記塗工液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例6の研磨材を得た。
[実施例7]
実施例1の組成物と同様の組成物に第1砥粒としての単結晶ダイヤモンド砥粒(平均粒子径9μm)及び第2砥粒としてのアルミナ砥粒(平均粒子径2.0μm)を加えて混合し、第1砥粒の研磨層に対する含有量が5体積%となり、かつ第2砥粒の研磨層に対する含有量が55体積%となるよう調製し塗工液を得た。
上記塗工液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例7の研磨材を得た。
[実施例8]
実施例1の組成物と同様の組成物に第1砥粒としての単結晶ダイヤモンド砥粒(平均粒子径9μm)及び第2砥粒としてのアルミナ砥粒(平均粒子径2.0μm)を加えて混合し、第1砥粒の研磨層に対する含有量が5体積%となり、かつ第2砥粒の研磨層に対する含有量が75体積%となるよう調製し塗工液を得た。
上記塗工液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例8の研磨材を得た。
[実施例9]
実施例1の組成物と同様の組成物に第1砥粒としての単結晶ダイヤモンド砥粒(平均粒子径14μm)及び第2砥粒としてのアルミナ砥粒(平均粒子径2.0μm)を加えて混合し、第1砥粒の研磨層に対する含有量が5体積%となり、かつ第2砥粒の研磨層に対する含有量が60体積%となるよう調製し塗工液を得た。
上記塗工液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例9の研磨材を得た。
[実施例10]
実施例1の組成物と同様の組成物に第1砥粒としての多結晶ダイヤモンド砥粒(平均粒子径9μm)及び第2砥粒としてのアルミナ砥粒(平均粒子径2.0μm)を加えて混合し、第1砥粒の研磨層に対する含有量が5体積%となり、かつ第2砥粒の研磨層に対する含有量が55体積%となるよう調製し塗工液を得た。
上記塗工液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例10の研磨材を得た。
[実施例11]
実施例1の組成物と同様の組成物に第1砥粒としての多結晶ダイヤモンド砥粒(平均粒子径15μm)及び第2砥粒としてのアルミナ砥粒(平均粒子径2.0μm)を加えて混合し、第1砥粒の研磨層に対する含有量が5体積%となり、かつ第2砥粒の研磨層に対する含有量が55体積%となるよう調製し塗工液を得た。
上記塗工液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例11の研磨材を得た。
[比較例1、比較例5]
実施例1の組成物と同様の組成物に単結晶ダイヤモンド砥粒(平均粒子径9μm)を加えて混合し、ダイヤモンド砥粒の研磨層に対する含有量が45体積%となるよう調製し塗工液を得た。
上記塗工液を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1及び比較例5の研磨材を得た。
[比較例2]
実施例1の組成物と同様の組成物に第1砥粒としての単結晶ダイヤモンド砥粒(平均粒子径9μm)及び第2砥粒としてのボロンカーバイド(平均粒子径6.7μm)を加えて混合し、第1砥粒の研磨層に対する含有量が5体積%となり、かつ第2砥粒の研磨層に対する含有量が60体積%となるよう調製し塗工液を得た。
上記塗工液を用いた以外は実施例1と同様にして比較例2の研磨材を得た。
[比較例3]
実施例1の組成物と同様の組成物にアルミナ砥粒(平均粒子径15μm)を加えて混合し、アルミナ砥粒の研磨層に対する含有量が71体積%となるよう調製し塗工液を得た。
上記塗工液を用いた以外は実施例1と同様にして比較例3の研磨材を得た。
[比較例4]
実施例1の組成物と同様の組成物に第1砥粒としての単結晶ダイヤモンド砥粒(平均粒子径9μm)及び第2砥粒としてのアルミナ砥粒(平均粒子径0.3μm)を加えて混合し、第1砥粒の研磨層に対する含有量が5体積%となり、かつ第2砥粒の研磨層に対する含有量が47体積%となるよう調製し塗工液を得た。
上記塗工液を用いた以外は実施例1と同様にして比較例4の研磨材を得た。
[研磨条件]
上記実施例1〜14及び比較例1〜5で得られた研磨材を用いて、ガラス基板の研磨を行った。実施例1〜11及び比較例1〜4の研磨では、上記ガラス基板として直径5.08cm、比重2.19の合成石英ガラスを用いた。実施例12の研磨では、上記ガラス基板として直径6.25cm、比重2.4のソーダライムガラスを用いた。また、実施例13、14及び比較例5の研磨では、上記ガラス基板として直径6.25cm、比重2.34のホウケイ酸ガラスを用いた。
上記研磨には、市販の両面研磨機を用いた。両面研磨機のキャリアは、塩化ビニル樹脂板とし、その平均厚さは合成石英ガラスの研磨において0.6mm、ソーダライムガラス及びホウケイ酸ガラスの研磨において0.8mmとした。研磨は、上定盤回転数40rpm、下定盤回転数60rpm及びSUNギア回転数30rpmの条件で10分間を4回行った。研磨圧力は、表1に示すとおりである。その際、クーラントとして、株式会社ノリタケカンパニーリミテドの「GC−50P」を水で30倍希釈したものを毎分120cc供給した。
Figure 0006309161
[評価方法]
実施例1〜14及び比較例1〜5の研磨材を用いて研磨したガラス基板について、以下の評価を行った。結果を表2に示す。
<仕上がり粗さ>
仕上がり粗さRaについて、市販の接触式表面粗さ計を用い、表面及び裏面それぞれ任意の3カ所、合計6カ所について、送り速度0.5mm/秒、レンジ0.08mm、測定長さ4.8mmの設定で行い、得られた測定値の平均値を求めた。
<研磨レート>
研磨レートについて、ガラス基板の研磨を15分間行い、研磨前後の基板の重量変化(g)を、基板の表面積(cm)、基板の比重(g/cm)及び研磨時間(分)で除し、単位をμm/分に換算して算出した。
<加工安定性>
加工安定性について、4回行った研磨のうち、4回目の研磨レートを1回目の研磨レートで除して算出した。
加工安定性については、以下の判断基準にて4段階評価した。
(加工安定性の判定基準)
A:80%以上
B:75%以上80%未満
C:75%未満
D:研磨層の摩滅により測定不可
Figure 0006309161
なお、表2で研磨レートの「摩滅」及び「−」は、研磨層が摩滅し、研磨レートの測定ができなかったことを意味する。また、加工安定性の「−」は、研磨レートの4回目が測定できなかったため算出できなかったことを意味する。
表2の結果から、実施例1〜14の研磨材は、比較例1〜5の研磨材と比べ、1回目の研磨レート及び仕上がり粗さが同等であり、かつ加工安定性に優れる。これに対し、比較例1、比較例3及び比較例5の研磨材は、加工安定性に劣る。比較例1、比較例3及び比較例5の研磨材は、砥粒を1種類しか有しないため、砥粒の目つぶれが発生したと考えられる。比較例2の研磨材は、加工安定性に劣り、かつ第1砥粒の平均粒子径及び含有率が同等の実施例2、実施例5〜8に比べて研磨レートに劣る。比較例2の研磨材は、第1砥粒の平均粒子径に対する第2砥粒の平均粒子径の比が70%超である。このため、比較例2の研磨材では、第2砥粒の目こぼれによる研磨層の脱落量が不足し、加工安定性が低下したと考えられる。また、比較例2の研磨材では、研磨時の研磨圧力が第2砥粒にも加わり、第1砥粒にかかる研磨圧力が小さくなったことで、研磨レートが低下したと考えられる。比較例4の研磨材は、3回目の研磨で研磨層が摩滅した。比較例4の研磨材は、第1砥粒の平均粒子径に対する第2砥粒の平均粒子径の比が5%未満であるので、第2砥粒の目こぼれが発生し過ぎて、研磨層の脱落が早く進んだと考えられる。
第1砥粒の種類及び平均粒子径並びに第2砥粒の種類及び平均粒子径が同等の実施例1、実施例5、実施例7及び実施例8を比較すると、砥粒の総含有量が55体積%以上である実施例5、実施例7及び実施例8の研磨材が、加工安定性に優れる。このことから、砥粒の総含有量を55体積%以上とするとさらによいことが分かる。
第1砥粒の含有量及び第2砥粒の含有量がそれぞれ等しい実施例2、実施例5及び実施例9を比較すると、第1砥粒の平均粒子径に対する第2砥粒の平均粒子径の比が15%以上25%以下である実施例5が、実施例2より研磨レートに優れ、かつ実施例9より加工安定性に優れる。このことから、第1砥粒の平均粒子径に対する第2砥粒の平均粒子径の比を15%以上25%以下とするとさらによいことが分かる。
また、実施例7と実施例10との比較及び実施例9と実施例11との比較をすると、ダイヤモンド砥粒を単結晶としても多結晶としても優れた加工安定性が得られている。このことから、砥粒の種類によらず、第1砥粒の平均粒子径に対する第2砥粒の平均粒子径の比を所定の範囲内とすることで、加工安定性に優れることが分かる。さらに詳細に見ると、単結晶ダイヤモンドは研磨レートが高く、研削力に優れることが分かる。一方、多結晶ダイヤモンドは、微結晶単位での劈開により新しい結晶面の露出を繰り返すことで目つぶれが生じ難く、加工安定性に優れることが分かる。
実施例12と実施例13とを比較すると、被削体の種類によらず優れた加工安定性が得られている。また、実施例13と実施例14とを比較すると、研磨圧力によらず優れた加工安定性が得られている。このことから、研磨条件によらず、第1砥粒の平均粒子径に対する第2砥粒の平均粒子径の比を所定の範囲内とすることで、加工安定性に優れることが分かる。
本発明の研磨材は、比較的長期間に渡り研磨レートが低下し難い。従って、当該研磨材は、ガラス等の基板の平面研磨に好適に用いられる。
1、2 研磨材
10 基材シート
20 研磨層
21a 第1砥粒
21b 第2砥粒
22 バインダー
23 溝
24 凸状部
30 接着層
31 第二接着層
40 支持体

Claims (4)

  1. 基材シートと、この基材シートの表面側に積層され、砥粒及びそのバインダーを含む研磨層とを備える研磨材であって、
    上記基材シートが可撓性を有し、
    上記研磨層が複数種の砥粒を有し、
    上記複数種の砥粒のうち、平均粒子径が最も大きい砥粒を第1砥粒、及び平均粒子径が2番目に大きい砥粒を第2砥粒とする場合、第1砥粒の平均粒子径に対する第2砥粒の平均粒子径の比が5%以上70%以下であり、
    上記第1砥粒の平均粒子径が2μm以上45μm以下であり、
    上記第2砥粒の平均粒子径が1μm以上20μm以下であり、
    第1砥粒がダイヤモンド砥粒であり、第2砥粒がアルミナ砥粒であることを特徴とする研磨材。
  2. 上記研磨層における上記砥粒の総含有量が50体積%以上85体積%以下である請求項1に記載の研磨材。
  3. 上記研磨層における上記第1砥粒の含有量が1体積%以上25体積%以下である請求項1又は請求項2に記載の研磨材。
  4. 上記研磨層における上記第1砥粒を除く砥粒の含有量が30体積%以上80体積%以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の研磨材。
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