JP2018001368A - 研磨材の製造方法及び研磨材 - Google Patents

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Abstract

【課題】研磨レートが比較的高く、かつ研磨層の欠落が発生し難い研磨材の製造方法及び研磨材を提供する。
【解決手段】基材シート10と、この基材シートの表面側に積層される研磨部24とを備える研磨材の製造方法であって、砥粒21及び無機バインダー22を含む研磨部用組成物を、基材シート10の表面に塗工する工程と、塗工した研磨部用組成物に酸性ガスを供給する工程と、酸性ガスの供給により予備硬化させた後の研磨部用組成物を加熱する工程とを備える。無機バインダー22の主成分がケイ酸塩、砥粒がダイヤモンド砥粒、上記塗工工程における塗工の方法が印刷法であるとよい。研磨部24の平均内部クラック密度が1.4本/cm以下である。
【選択図】図3

Description

本発明は、研磨材の製造方法及び研磨材に関する。
近年、ハードディスク等の電子機器の精密化が進んでいる。このような電子機器の基板材料には、小型化や薄型化に対応できる剛性、耐衝撃性及び耐熱性を考慮し、ガラス等が用いられる。このような基板の加工には一般に固定砥粒の研磨パッドが使用されている。
ところで、上記基板加工においては、加工効率の向上が求められる。基板加工の加工効率を高めることができる研磨材としては、例えば基材シートの表面に研磨層として互いに独立した複数の研磨構造体を形成した研磨材が提案されている(特開2009−72832号公報参照)。この研磨材では、研磨層に対する研磨構造体の研磨面の面積比率を下げ、研磨時に加えられる研磨荷重を受ける研磨面の面積を小さくすることで研磨圧力を高め、研削レートを向上させている。
このように研磨圧力を高めると、研磨荷重が研磨構造体に局所的に大きく加わる。このため、上記従来の研磨材を用いて研磨を行うと、研磨構造体に加わる荷重で研磨構造体の凝集破壊による研磨層の欠落が発生し易い。
特開2009−72832号公報
本発明はこのような不都合に鑑みてなされたものであり、研磨レートが比較的高く、かつ研磨層の欠落が発生し難い研磨材の製造方法及び研磨材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、基材シートと、この基材シートの表面側に積層される研磨部とを備える研磨材の製造方法であって、砥粒及び無機バインダーを含む研磨部用組成物を上記基材シートの表面に塗工する工程と、上記塗工した研磨部用組成物に酸性ガスを供給する工程と、上記酸性ガスの供給により予備硬化させた後の研磨部用組成物を加熱する工程とを備える。
当該研磨材の製造方法は、無機バインダーを含む研磨部用組成物に酸性ガスを供給する工程を備える。酸性ガスは、酸性の液体を供給する場合に比べ研磨部用組成物の内部まで浸透し易いので、研磨部用組成物が内部まで中和され、無機バインダーが析出する予備硬化が研磨部用組成物全体で生じる。この予備硬化後の研磨部用組成物を加熱することで、研磨部用組成物の加熱脱水が速やかに進行するため研磨部のクラックの発生が低減される。このため当該研磨材に製造方法を用いることで、研磨部の平均内部クラック密度の低い研磨材が製造できるので、製造される研磨材の研磨部が凝集破壊し難い。従って、当該研磨材の製造方法によって製造される研磨材は、大きな研磨荷重が加わる場合であっても研磨部の凝集破壊による研磨層の欠落が発生し難い。また、当該研磨材の製造方法によって製造される研磨材は、無機バインダーを用いているので砥粒の保持力が高く、研磨レートが比較的高い。
上記酸性ガスが二酸化炭素ガスであるとよい。二酸化炭素ガスは研磨部用組成物に溶け込み易いので、上記酸性ガスを二酸化炭素ガスとすることで、より確実に予備硬化を促進できる。このため、研磨層の欠落抑止効果が高められる。
上記無機バインダーの主成分がケイ酸塩であるとよい。ケイ酸塩を含む研磨部用組成物は、溶け込んだ酸性ガスと反応して中和し易いので、より確実に予備硬化を促進できる。このため、上記無機バインダーの主成分をケイ酸塩とすることで、研磨層の欠落抑止効果が高められる。また、ケイ酸塩は砥粒の保持力をさらに高め、砥粒の脱粒を抑止できる。このため、研磨レートをさらに向上できる。
上記砥粒がダイヤモンド砥粒であるとよい。ダイヤモンド砥粒は他の砥粒に比較して硬質である。このため、上記砥粒をダイヤモンド砥粒とすることで、研磨力が向上し、研磨レートをさらに向上できる。
上記塗工工程における塗工の方法が印刷法であるとよい。塗工工程における塗工の方法を印刷法とすることで、研磨層の形成時に砥粒が研磨部表面に露出し易いため、製造される研磨材の使用開始時からの研磨レートを高めることができる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、基材シートと、この基材シートの表面側に積層される研磨部とを備える研磨材であって、上記研磨部が砥粒及び無機バインダーを含み、上記研磨部の平均内部クラック密度が1.4本/cm以下である。
当該研磨材は、研磨部の平均内部クラック密度が上記上限以下に低減されている。従って、当該研磨材は研磨部が凝集破壊し難いので、大きな研磨荷重が加わる場合であっても研磨部の凝集破壊による研磨層の欠落が発生し難い。また、当該研磨材は、無機バインダーを用いているので砥粒の保持力が高く、研磨レートが比較的高い。
上記無機バインダーの主成分がケイ酸ナトリウムであり、上記研磨部が炭酸ナトリウム及びシリカをさらに含むとよい。ケイ酸ナトリウムは砥粒の保持力をさらに高め、砥粒の脱粒を抑止できるので、研磨レートをさらに向上できる。また、上記研磨部がシリカを含有することで、上記研磨部の製造時に上記シリカを介して研磨部の硬化が進行する。さらに、研磨部が炭酸ナトリウムを含むことで、無機バインダーに含まれるナトリウムが固定され、シリカがナトリウムを介して含水することを抑止できる。このため、研磨部の平均内部クラック密度をさらに低減できる。
ここで、「酸性のガス」とは、水に溶けると水素イオンを放出するガスを指す。また、「平均内部クラック密度」とは、研磨部断面に存在するクラックの単位面積当たりの本数である。具体的には、研磨部の研磨面に垂直な断面を、研磨部の厚さ方向に所定間隔(例えば200μm間隔)で切り出し、3次元X線CT装置を用いて観察し、その観察領域内にある平均幅50μm以上のクラックの数[本]の和を観察した総面積[cm]で割って算出した値を指す。
以上説明したように、本発明の研磨材の製造方法を用いることで、研磨レートが比較的高く、かつ研磨層の欠落が発生し難い研磨材を得ることができる。また、本発明の研磨材は、研磨レートが比較的高く、かつ研磨層の欠落が発生し難いので、高い研磨効率で安定して研磨を継続することができる。
本発明の実施形態に係る研磨材を示す模式的平面図である。 図1AのA−A線での模式的断面図である。 図1Aの研磨材の製造方法のフローを示す流れ図である。 図1Bとは異なる実施形態の研磨材を示す模式的断面図である。
以下、本発明の実施の形態について適宜図面を参照しつつ詳説する。
[研磨材]
図1A及び図1Bに示す研磨材1は、基材シート10と、この基材シート10の表面側に積層される研磨層20と、上記基材シート10の裏面側に積層される接着層30とを備える。
<基材シート>
基材シート10は、研磨層20を支持するための部材である。
基材シート10の材質としては、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アラミド、アルミニウム、銅等が挙げられる。中でも研磨層20との接着性が良好なアルミニウムが好ましい。また、基材シート10の表面に化学処理、コロナ処理、プライマー処理等の接着性を高める処理が行われてもよい。
また、基材シート10は可撓性又は延性を有するとよい。このように基材シート10が可撓性又は延性を有することで、当該研磨材1が被削体の表面形状に追従し、研磨面と被削体との接触面積が大きくなるため、研磨レートがさらに高まる。このような可撓性を有する基材シート10の材質としては、例えばPETやPI等を挙げることができる。また、延性を有する基材シート10の材質としては、アルミニウムや銅等を挙げることができる
上記基材シート10の形状及び大きさとしては、特に限定されないが、例えば一辺が140mm以上160mm以下の正方形状や外形200mm以上2022mm以下及び内径100mm以上658mm以下の円環状とすることができる。また、平面上に並置した複数の基材シート10が単一の支持体により支持される構成であってもよい。
上記基材シート10の平均厚さとしては、特に限定されないが、例えば75μm以上3mm以下とできる。上記基材シート10の平均厚さが上記下限未満であると、当該研磨材1の強度や平坦性が不足するおそれがある。逆に、上記基材シート10の平均厚さが上記上限を超えると、当該研磨材1が不要に厚くなり取扱いが困難になるおそれがある。
<研磨層>
研磨層20は、基材シート10の表面側に積層され、その表面に溝23により区分された複数の研磨部24を有する。上記研磨部24は、砥粒21及び無機バインダー22を主に含む。
上記研磨層20の平均厚さ(研磨部24部分のみの平均厚さ)の下限としては、25μmが好ましく、30μmがより好ましく、200μmがさらに好ましい。一方、上記研磨層20の平均厚さの上限としては、4000μmが好ましく、3000μmがより好ましく、2500μmがさらに好ましい。上記研磨層20の平均厚さが上記下限未満であると、研磨層20の耐久性が不足するおそれがある。逆に、上記研磨層20の平均厚さが上記上限を超えると、当該研磨材1が不要に厚くなり取扱いが困難になるおそれや製造コストが増大するおそれがある。
(砥粒)
砥粒21としては、ダイヤモンド砥粒、アルミナ砥粒、シリカ砥粒、セリア砥粒、炭化ケイ素砥粒等が挙げられる。中でも他の砥粒より硬質であるダイヤモンド砥粒が好ましい。上記砥粒21をダイヤモンド砥粒とすることで、研磨力が向上し、研磨レートをさらに向上できる。
なお、ダイヤモンド砥粒のダイヤモンドとしては、単結晶でも多結晶でもよく、またNiコーティング等の処理がされたダイヤモンドであってもよい。中でも単結晶ダイヤモンド及び多結晶ダイヤモンドが好ましい。単結晶ダイヤモンドは、他のダイヤモンドより硬質であり研削力が高い。また、多結晶ダイヤモンドは多結晶を構成する微結晶単位で劈開し易く目つぶれが進行し難いので、長期間研磨を行っても研磨レートの低下が小さい。
砥粒21の平均粒子径は、研磨レートと研磨後の被削体の表面粗さとの観点から適宜選択される。砥粒21の平均粒子径の下限としては、2μmが好ましく、10μmがより好ましく、15μmがさらに好ましい。一方、砥粒21の平均粒子径の上限としては、50μmが好ましく、45μmがより好ましく、30μmがさらに好ましい。砥粒21の平均粒子径が上記下限未満であると、当該研磨材1の研磨力が不足し、研磨レートが低下するおそれがある。逆に、砥粒21の平均粒子径が上記上限を超えると、研磨精度が低下するおそれがある。ここで、「平均粒子径」とは、レーザー回折法等により測定された体積基準の累積粒度分布曲線の50%値(50%粒子径、D50)をいう。
研磨層20における砥粒21の含有量の下限としては、3体積%が好ましく、4体積%がより好ましく、8体積%がさらに好ましい。一方、上記砥粒21の含有量の上限としては、55体積%が好ましく、45体積%がより好ましく、35体積%がさらに好ましい。上記砥粒21の含有量が上記下限未満であると、研磨層20の研磨力が不足するおそれがある。逆に、上記砥粒21の含有量が上記上限を超えると、研磨層20が砥粒21を保持できないおそれがある。
(無機バインダー)
無機バインダー22の主成分である無機物としては、ケイ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、多価金属アルコキシドなどを挙げることができる。中でもケイ酸塩が好ましい。後述する当該研磨材の製造方法において、ケイ酸塩を含む研磨部用組成物は、溶け込んだ酸性ガスと中和し易いので、より確実に予備硬化を促進できる。このため、予備硬化後の研磨部用組成物の加熱脱水が速やかに進行し、研磨部24のクラックの発生がさらに低減される。従って、上記無機バインダー22をケイ酸塩とすることで、研磨層20の欠落抑止効果が高められる。また、ケイ酸塩は砥粒21の保持力をさらに高め、砥粒21の脱粒を抑止できる。このため、研磨レートをさらに向上することができる。上記ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム等を挙げることができ、中でも砥粒21の保持力が特に高いケイ酸ナトリウムが好ましい。ここで、「主成分」とは、最も含有量の多い成分を意味し、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。
また、無機バインダー22は酸化物を主成分とする充填剤を含有するとよい。このように無機バインダー22が充填剤を含有することで、上記無機バインダー22の弾性率が向上し、研磨層20の摩耗を制御し易い。研磨層20の摩耗を制御することで、砥粒21の目つぶれと砥粒21の目こぼれを比較的近いタイミングで発生させることができる。これにより、目つぶれの発生した砥粒21が目こぼれにより除去され、研磨層20内から新たな砥粒21が研磨層20の表面に露出することで、研磨レートの低下を抑止できる
上記酸化物としては、例えばアルミナ、シリカ、酸化セリウム、酸化マグネシウム、ジルコニア、酸化チタン等の酸化物及びシリカ−アルミナ、シリカ−ジルコニア、シリカ−マグネシア等の複合酸化物を挙げることができる。これらは単独で又は必要に応じて2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも高い研磨力が得られるアルミナが好ましい。
上記充填剤の平均粒子径は砥粒21の平均粒子径にも依存するが、上記充填剤の平均粒子径の下限としては、0.01μmが好ましく、2μmがより好ましい。一方、上記充填剤の平均粒子径の上限としては、20μmが好ましく、15μmがより好ましい。上記充填剤の平均粒子径が上記下限未満であると、上記充填剤によるバインダー22の弾性率向上効果が不十分となるおそれがある。一方、上記充填剤の平均粒子径が上記上限を超えると、充填剤が砥粒21の研磨力を阻害するおそれがある。
また、上記充填剤の平均粒子径は砥粒21の平均粒子径よりも小さいとよい。砥粒21の平均粒子径に対する上記充填剤の平均粒子径の比の下限としては、0.1が好ましく、0.2がより好ましい。一方、上記平均粒子径の比の上限としては、0.8が好ましく、0.6がより好ましい。上記平均粒子径の比が上記下限未満であると、上記充填剤による無機バインダー22の弾性率向上効果が低下し、研磨層20の摩耗の制御が不十分となるおそれがある。逆に、上記平均粒子径の比が上記上限を超えると、充填剤が砥粒21の研磨力を阻害するおそれがある。
研磨層20における上記充填剤の含有量は、砥粒21の含有量にも依存するが、上記充填剤の含有量の下限としては、15体積%が好ましく、30体積%がより好ましい。一方、上記充填剤の含有量の上限としては、75体積%が好ましく、60体積%がより好ましい。上記充填剤の含有量が上記下限未満であると、上記充填剤による無機バインダー22の弾性率向上効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記充填剤の含有量が上記上限を超えると、充填剤が砥粒21の研磨力を阻害するおそれがある。
さらに無機バインダー22には、分散剤、カップリング剤、界面活性剤、潤滑剤、消泡剤、着色剤等の各種助剤、添加剤などを目的に応じて適宜含有させてもよい。
(溝)
上記溝23は、研磨層20の表面に等間隔の格子状に配設される。また、溝23の底面は、基材シート10の表面で構成される。
溝23の平均幅の下限としては、1.5mmが好ましく、3.5mmがより好ましい。一方、溝23の平均幅の上限としては、48mmが好ましく、10mmがより好ましい。溝23の平均幅が上記下限未満であると、研磨により発生する研削屑が溝23に詰まるおそれがある。一方、溝23の平均幅が上記上限を超えると、例えば被削体の周縁が研磨部24上に位置する場合と溝23上に位置する場合とで、被削体と研磨部24との接触面積の差異が大きくなり易い。このため、研磨時に個々の砥粒21にかかる研磨圧力が変動し易くなり、研磨精度が低下するおそれがある。
溝23の平均間隔の下限としては、1mmが好ましく、1.5mmがより好ましい。一方、溝23の平均間隔の上限としては、12mmが好ましく、5.4mmがより好ましい。溝23の平均間隔が上記下限未満であると、研磨部24の面積占有率を所望の範囲とするためには、研磨部24の面積を小さくする必要があり、研磨部24が基材シート10から剥離するおそれがある。逆に、溝23の平均間隔が上記上限を超えると、研磨層20表面に発生する研削屑が研磨部24表面に滞留し、目詰まりを生ずるおそれがある。
(研磨部)
複数の研磨部24は、溝23により区分されている。上記溝23は、上述のように研磨層20の表面に等間隔の格子状に配設される。すなわち、上記複数の研磨部24は、平面視で正方形状であり、規則的なブロックパターン状に配列されている。
個々の研磨部24の平均面積の下限としては、1mmが好ましく、2mmがより好ましい。一方、上記研磨部24の平均面積の上限としては、150mmが好ましく、130mmがより好ましく、30mmがさらに好ましい。上記研磨部24の平均面積が上記下限未満であると、研磨部24が基材シート10から剥離するおそれがある。逆に、上記研磨部24の平均面積が上記上限を超えると、隣り合う溝23の間隔が広過ぎるため、研磨層20表面に発生する研削屑が研磨部24表面に滞留し、目詰まりを生ずるおそれがある。
研磨層20全体における上記複数の研磨部24の面積占有率の下限としては、4%が好ましく、4.4%がより好ましく、8%がさらに好ましい。一方、上記複数の研磨部24の面積占有率の上限としては、15%が好ましく、14%がより好ましく、13%がさらに好ましい。上記複数の研磨部24の面積占有率が上記下限未満であると、当該研磨材1が研磨時に加えられる研磨荷重を少ない面積で受けることになる。これにより、砥粒21及び無機バインダー22に加わる研磨圧力が高まり、砥粒21がより摩耗し易くなる。このため、砥粒21が比較的短い時間で目つぶれを生じ、研磨レートの低下が発生するおそれがある。一方、上記複数の研磨部24の面積占有率が上記上限を超えると、研磨時に加えられる研磨荷重を広い面積で受けることになるため、研磨部24にかかる研磨圧力が下がり、無機バインダー22の摩耗が生じ難くなる。このため、目つぶれした砥粒21が目こぼれせず、研磨レートの低下が発生するおそれがある。
上記研磨部24の平均内部クラック密度の上限としては、1.4本/cmであり、0.7本/cmがより好ましく、0.4本/cmがさらに好ましい。上記研磨部24の平均内部クラック密度が上記上限を超えると、研磨部24が凝集破壊し易くなる。このため、当該研磨材1に研磨部24の凝集破壊による研磨層20の欠落が発生するおそれがある。一方、上記研磨部24の平均内部クラック密度の下限は特に限定されず、0本/cmであってもよい。
また、上記無機バインダー22の主成分がケイ酸ナトリウムである場合、上記研磨部24が炭酸ナトリウム及びシリカをさらに含むとよい。このように上記研磨部24がシリカを含有することで、上記研磨部24の製造時に上記シリカを介して研磨部24の硬化が進行する。さらに、研磨部24が炭酸ナトリウムを含むことで、無機バインダー22に含まれるナトリウムが固定され、シリカがナトリウムを介して含水することを抑止できる。このため、研磨部24の平均内部クラック密度をさらに低減できる。
上記研磨部24における炭酸ナトリウム及びシリカの含有量は特に限定されないが、通常はいずれも1質量%以下である。
<接着層>
接着層30は、当該研磨材1を支持し研磨装置に装着するための支持体に当該研磨材1を固定する層である。
この接着層30に用いられる接着剤としては、特に限定されないが、例えば反応型接着剤、瞬間接着剤、ホットメルト接着剤、貼り替え可能な接着剤である粘着剤等が挙げられる。
この接着層30に用いられる接着剤としては、粘着剤が好ましい。接着層30に用いられる接着剤として粘着剤を用いることで、支持体から当該研磨材1を剥がして貼り替えることができるため当該研磨材1及び支持体の再利用が容易になる。このような粘着剤としては、特に限定されないが、例えばアクリル系粘着剤、アクリル−ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、ブチルゴム系等の合成ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤などが挙げられる。
接着層30の平均厚さの下限としては、0.05mmが好ましく、0.1mmがより好ましい。また、接着層30の平均厚さの上限としては、0.3mmが好ましく、0.2mmがより好ましい。接着層30の平均厚さが上記下限未満であると、接着力が不足し、研磨材1が支持体から剥離するおそれがある。一方、接着層30の平均厚さが上記上限を超えると、例えば接着層30の厚みのため当該研磨材1を所望する形状に切る際に支障をきたすなど、作業性が低下するおそれがある。
<研磨材の製造方法>
当該研磨材の製造方法は、図2に示すように研磨部用組成物塗工工程S1と、酸性ガス供給工程S2と、研磨部用組成物加熱工程S3とを備える。
(研磨部用組成物塗工工程)
研磨部用組成物塗工工程S1では、砥粒21及び無機バインダー22を含む研磨部用組成物を基材シート10の表面に塗工する。具体的には、以下の手順による。
まず、無機バインダー22の形成材料、充填剤及び砥粒21を含む研磨部用組成物を塗工液として準備する。
また、塗工液の粘度や流動性を制御するために、水、アルコール等の希釈剤を添加するとよい。この希釈により、研磨部24に含まれる砥粒21の一部を無機バインダー22の表面から突出させることができる。この時、希釈剤を添加することで、上記研磨部用組成物を研磨部用組成物加熱工程S3で乾燥させたときに無機バインダー22の厚さが減少し、上記砥粒21の突出量を増やすことができる。
次に、上記研磨部用組成物の塗工液を用い、基材シート10表面に印刷法により溝23で区分された複数の研磨部24を形成する。この溝23を形成するために、溝23の形状に対応する形状を有するマスクを用意し、このマスクを介して上記塗工液を印刷する。塗工の方法を印刷法とすることで、研磨部24の形成時に砥粒21が研磨部24の表面に露出し易いため、使用開始時から研磨レートを高めることができる。この印刷方式としては、例えばスクリーン印刷、メタルマスク印刷等を用いることができる。
(酸性ガス供給工程)
酸性ガス供給工程S2では、上記塗工した研磨部用組成物に酸性ガスを供給する。この供給された酸性ガスが研磨部用組成物に溶け酸性となることで、研磨部用組成物が中和され、無機バインダー22が析出する予備硬化が起こる。
具体的には、まず印刷した上記塗工液を室温(25℃)で乾燥させる。その後、上記塗工液の塗布された基材シート10をチャンバー内に入れ、酸性ガスをチャンバー内に吹き込むことで、塗工液を予備硬化させる。
上記酸性ガスとしては、二酸化炭素ガス、塩化水素ガス、硫化水素ガス等を挙げることができる。中でも研磨部用組成物に溶解し易く、予備硬化を促進し易い二酸化炭素ガスが好ましい。
上記酸性ガスの標準状態における供給量の下限としては、8NLが好ましく、20NLがより好ましく、50NLがさらに好ましい。一方、上記酸性ガスの供給量の上限としては、150NLが好ましく、120NLがより好ましい。上記酸性ガスの供給量が上記下限未満であると、予備硬化による無機バインダー22の析出が不足し、研磨部24のクラック発生抑止効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記酸性ガスの供給量が上記上限を超えると、予備硬化による無機バインダー22の析出が飽和傾向となる。このため、不要に多くの酸性ガスが供給され、研磨部24のクラック発生抑止効果に対して、当該研磨材1の製造コストが大きくなり過ぎるおそれがある。
なお、酸性ガスの供給時の温度としては、特に限定されず、例えば0℃以上50℃以下とできる。このような温度範囲とすることで、酸性ガスを加熱や冷却することなく供給できるので、当該研磨材1の製造コストを低減できる。
(研磨部用組成物加熱工程)
研磨部用組成物加熱工程S3では、上記酸性ガスの供給により予備硬化させた後の研磨部用組成物を加熱することで、研磨部24を形成する。具体的には、研磨部用組成物を加熱脱水させた後、硬化させる。
上記加熱脱水時の加熱温度の下限としては、40℃が好ましく、60℃がより好ましい。一方、上記加熱温度の上限としては、90℃が好ましく、70℃がより好ましい。上記加熱温度が上記下限未満であると、研磨部用組成物に水分が残留し易い。このため、硬化時に高温に曝された水分が突沸し、研磨部24にクラックが生じるおそれがある。逆に、上記加熱温度が上記上限を超えると、研磨部用組成物の硬化により研磨部内部に水分が閉じ込められ、研磨部用組成物の脱水が進行しないおそれがある。
上記加熱脱水時の加熱時間の下限としては、10分が好ましく、2時間がより好ましい。上記加熱時間が上記下限未満であると、研磨部用組成物に水分が残留し易い。このため、硬化時に高温に曝された水分が突沸し、研磨部24にクラックが生じるおそれがある。一方、上記加熱脱水時の加熱時間の上限は特に限定されないが、例えば4時間とできる。
上記硬化時の加熱温度の下限としては、140℃が好ましく、200℃がより好ましい。一方、上記加熱温度の上限としては、350℃が好ましく、320℃がより好ましい。上記加熱温度が上記下限未満であると、研磨部用組成物の硬化が不十分となるおそれがある。逆に、上記加熱温度が上記上限を超えると、急激な硬化の進行により研磨部24にクラックが発生し易くなるおそれがある。
上記硬化時の加熱時間の下限としては、2時間が好ましく、2.5時間がより好ましい。一方、上記加熱時間の上限としては、4時間が好ましく、3.5時間がより好ましい。上記加熱時間が上記下限未満であると、研磨部用組成物の硬化が不十分となるおそれがある。逆に、上記加熱時間が上記上限を超えると、研磨部用組成部が十分に硬化した後にも加熱のためのエネルギーが使用されることとなり、製造コストが不要に大きくなるおそれがある。
<利点>
当該研磨材の製造方法は、無機バインダー22を含む研磨部用組成物に酸性ガスを供給する工程を備える。酸性ガスは、酸性の液体を供給する場合に比べ研磨部用組成物の内部まで浸透し易いので、研磨部用組成物が内部まで中和され、無機バインダー22が析出する予備硬化が研磨部用組成物全体で生じる。この予備硬化後の研磨部用組成物を加熱することで、研磨部用組成物の加熱脱水が速やかに進行するため研磨部24のクラックの発生が抑止され、研磨部24が凝集破壊し難い。当該研磨材1は、このようにクラックの発生が抑止されているので、研磨部24の凝集破壊による研磨層20の欠落が発生し難い。また、当該研磨材1は、無機バインダー22を用いているので砥粒21の保持力が高く、研磨レートが比較的高い。
従って、当該研磨材1を用いることで、高い研磨効率で安定して研磨を継続することができる。
[その他の実施形態]
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
上記実施形態では、溝を格子状、すなわち研磨部の平面形状を正方形状としたが、研磨部の平面形状は正方形状でなくともよく、例えば四角形以外の多角形が繰り返される形状、円形状等であってもよい。
また、上記実施形態において、上記複数の溝の底面が基材シートの表面である構成としたが、溝の深さが研磨層の平均厚さよりも小さく、溝が基材シートの表面に達さなくともよい。その場合、溝の平均深さの下限としては、研磨層の平均厚さの10%が好ましく、50%がより好ましい。溝部の平均深さが上記下限未満であると、摩耗により溝が消失するおそれがあり、研磨材が耐久性に劣る場合がある。
また、当該研磨材は、溝を有さない構造であってもよい。
さらに、図3に示すように当該研磨材2は裏面側の接着層30を介して積層される支持体40及びその支持体40の裏面側に積層される第二接着層31を備えてもよい。当該研磨材2が支持体40を備えることにより、当該研磨材2の取扱いが容易となる。
上記支持体40の材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性を有する樹脂やポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等のエンジニアリングプラスチックを挙げることができる。上記支持体40にこのような材質を用いることにより上記支持体40が可撓性を有し、当該研磨材2が被削体の表面形状に追従し、研磨面と被削体とが接触し易くなるため研磨レートがさらに向上する。
上記支持体40の平均厚さとしては、例えば0.5mm以上3mm以下とすることができる。上記支持体40の平均厚さが上記下限未満であると、当該研磨材2の強度が不足するおそれがある。一方、上記支持体40の平均厚さが上記上限を超えると、上記支持体40を研磨装置に取り付け難くなるおそれや上記支持体40の可撓性が不足するおそれがある。
上記第二接着層31は、接着層30と同様の接着剤を用いることができる。また、第二接着層31は、接着層30と同様の平均厚さとできる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、当該発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ダイヤモンド砥粒(ランズ社の「LS605FN」)を用意し、日機装株式会社の「MicrotracMT3300EXII」を用いて平均粒子径を計測した。このダイヤモンド砥粒の平均粒子径は44μmであった。なお、このダイヤモンド砥粒の種類は、単結晶ダイヤモンドを55質量%ニッケルコーティングした処理ダイヤモンドである。
ケイ酸塩(富士化学株式会社の「3号ケイ酸ソーダ」)、上記ダイヤモンド砥粒、及び充填剤としてのアルミナ(Al、太平洋ランダム株式会社の「LA1200」、平均粒子径12μm)を混合し、ダイヤモンド砥粒の研磨層における含有量が30体積%及び充填剤の研磨層における含有量が40体積%となるよう調製し、研磨部用組成物の塗工液を得た。
基材シートとして平均厚さ300μmのアルミニウムシートを用意し、上記研磨部用組成物の塗工液を用いてこの基材シートの表面に印刷により等間隔の格子状の溝を有する研磨層を形成した。なお、印刷には、溝に対応するパターンを有するマスクを用いた。溝で区分された個々の研磨部を面積2.25mm(平面視で1辺1.5mmの正方形状)とし、研磨部の平均厚さを2400μmとした。また、上記複数の研磨部は、規則的に配列したブロックパターン状であり、研磨部の研磨層全体における面積占有率は9%とした。
上記研磨層用組成物の塗工液を室温(25℃)で乾燥させた後、上記研磨部用組成物を塗工した基材シートをチャンバーに入れた。このチャンバーに供給量10.0NLで酸性ガスとしての二酸化炭素ガスを供給し、室温(25℃)で研磨部用組成物を予備硬化させた。この予備硬化させた研磨部用組成物を40℃以上90℃以下で1時間以上加熱脱水させた後、140℃以上350℃以下で2時間以上4時間以下の範囲で硬化させた。
また、基材を支持し研磨装置に固定する支持体として平均厚さ1mmの硬質塩化ビニル樹脂板(タキロン株式会社の「SP770」)を用い、上記基材の裏面と上記支持体の表面とを平均厚さ130μmの粘着剤で貼り合わせた。上記粘着剤としては、両面テープ(積水化学株式会社の「#5605HGD」)を用いた。このようにして実施例1の研磨材を得た。
[実施例2〜4]
実施例1の予備硬化における二酸化炭素ガス供給条件を表1のように変化させて、実施例2〜4の研磨材を得た。
[比較例1]
実施例1の研磨部用組成物の塗工液の塗工し、室温(25℃)で乾燥させた後、40℃以上90℃以下で1時間以上加熱脱水させ、140℃以上350℃以下で2時間以上4時間以下の時間で硬化させた。つまり、比較例1の研磨材の製造では二酸化炭素ガスの供給(予備硬化)を行っていない。上記以外は、実施例1と同様にして比較例1の研磨材を得た。
[比較例2]
希釈溶剤(イソホロン)に、エポキシ樹脂(三菱化学株式会社の「JER1001」)、ダイヤモンド砥粒(ランズ社の「LS605FN」、平均粒子径44μm)、充填剤としてのアルミナ(Al、太平洋ランダム株式会社の「LA1200」、平均粒子径12μm)、硬化剤(新日本理化株式会社の「リカシカッドMH700」)及び硬化触媒を加えて混合し、ダイヤモンド砥粒の研磨層における含有量が30体積%及び充填剤の研磨層における含有量が40体積%となるように調製し、研磨部用組成物の塗工液を得た。
研磨層用組成物の塗工液として、上記塗工液を用いた以外は、比較例1と同様にして比較例2の研磨材を得た。
[研磨条件]
上記実施例1〜4及び比較例1、2で得られた研磨材を用いて、ガラス基板の研磨を行った。上記ガラス基板には、直径5.08cm、比重2.4のソーダライムガラス(平岡特殊硝子製作株式会社製)を用いた。上記研磨には、市販の両面研磨機(日本エンギス株式会社「EJD−5B−3W」)を用いた。両面研磨機のキャリアは、厚さ0.6mmのエポキシガラスである。研磨は、研磨圧力を200g/cmとし、上定盤回転数60rpm、下定盤回転数90rpm及びSUNギア回転数30rpmの条件で行った。その際、クーラントとして、出光興産株式会社の「ダフニーカットGS50K」を毎分120cc供給した。
[評価方法]
実施例1〜4及び比較例1、2の研磨部の平均内部クラック密度及びこれらの研磨材を用いて研磨したガラス基板について研磨レートの評価を行った。結果を表1に示す。
<平均内部クラック密度>
研磨部の平均内部クラック密度を測定した。研磨部の研磨面に垂直な断面の観察にはマイクロX線CT装置(東芝ITコントロールシステム株式会社製「TOSCANER30902」)を使用した。平均内部クラック密度は、研磨部の研磨面に垂直な断面を、研磨部の厚さ方向に200μm間隔で切り出し、3次元X線CT装置を用いて観察し、その観察領域内にある平均幅50μm以上のクラックの数[本]の和を観察した総面積[cm]で割って算出した。
<研磨レート>
研磨レートについて、ガラス基板の研磨を15分間行い、研磨前後の基板の重量変化(g)を、基板の表面積(cm)、基板の比重(g/cm)及び研磨時間(min)で除し、算出した。
<総合評価>
総合評価については、平均内部クラック密度及び研磨レートを総合的に判断し、下記の判断基準にて2段階で評価した。
A:平均内部クラック密度及び研磨レート共に優れ、良好に研磨可能である。
B:平均内部クラック密度又は研磨レートのいずれかに劣るため、研磨不可である。
Figure 2018001368
表1の結果から、実施例1〜4の研磨材は、比較例1、2の研磨材より研磨部の内部クラックが少なく、かつ研磨レートが高い。これに対して、比較例1の研磨材は、酸性ガスである二酸化炭素ガスによる予備硬化を行っていないため、研磨部用組成物の加熱脱水が速やかに進行せず、研磨部にクラックが発生したと考えられる。また、比較例2の研磨材は、バインダーが無機バインダーではないため、砥粒の保持力が低く、研磨レートに劣ったと考えられる。このことから、実施例1〜4の研磨材は、研磨部が無機バインダーを含み、酸性ガスによる予備硬化を行って製造されているので、研磨レートに優れ、かつ研磨部のクラックの発生が低減できていることが分かる。
以上説明したように、本発明の研磨材の製造方法を用いることで、研磨レートが比較的高く、かつ研磨層の欠落が発生し難い研磨材を得ることができる。また、本発明の研磨材は、研磨レートが比較的高く、かつ研磨層の欠落が発生し難いので、高い研磨効率で安定して研磨を継続することができる。
1、2 研磨材
10 基材シート
20 研磨層
21 砥粒
22 バインダー
23 溝
24 研磨部
30 接着層
31 第二接着層
40 支持体
S1 研磨部用組成物塗工工程
S2 酸性ガス供給工程
S3 研磨部用組成物加熱工程

Claims (7)

  1. 基材シートと、この基材シートの表面側に積層される研磨部とを備える研磨材の製造方法であって、
    砥粒及び無機バインダーを含む研磨部用組成物を上記基材シートの表面に塗工する工程と、
    上記塗工した研磨部用組成物に酸性ガスを供給する工程と、
    上記酸性ガスの供給により予備硬化させた後の研磨部用組成物を加熱する工程と
    を備える研磨材の製造方法。
  2. 上記酸性ガスが二酸化炭素ガスである請求項1に記載の研磨材の製造方法。
  3. 上記無機バインダーの主成分がケイ酸塩である請求項1又は請求項2に記載の研磨材の製造方法。
  4. 上記砥粒がダイヤモンド砥粒である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の研磨材の製造方法。
  5. 上記塗工工程における塗工の方法が印刷法である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の研磨材の製造方法。
  6. 基材シートと、この基材シートの表面側に積層される研磨部とを備える研磨材であって、
    上記研磨部が砥粒及び無機バインダーを含み、
    上記研磨部の平均内部クラック密度が1.4本/cm以下である研磨材。
  7. 上記無機バインダーの主成分がケイ酸ナトリウムであり、上記研磨部が炭酸ナトリウム及びシリカをさらに含む請求項6に記載の研磨材。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108326766A (zh) * 2018-03-28 2018-07-27 江苏瑞和磨料磨具有限公司 用于金属抛光的砂带及其制备方法

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