JP2023068452A - 研磨パッド - Google Patents

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貴徳 西島
Takanori Nishijima
聡一郎 中根
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Abstract

【課題】本発明は、研磨時間に対する研磨レートの維持性が改善された研磨パッドの提供を目的とする。【解決手段】本発明の一実施形態に係る研磨パッドは、シート状の基材と、この基材の一方の面側に積層される研磨層とを備える研磨パッドであって、上記研磨層が、砥粒、充填材及びバインダーを含み、上記砥粒の平均粒径に対する上記充填材の平均粒径の比が、1.0以上である。【選択図】図3

Description

本発明は、研磨パッドに関する。
近年、ハードディスク等の電子機器の精密化が進んでいる。このような電子機器の基板材料としては、小型化や薄型化に対応できる剛性、耐衝撃性及び耐熱性を考慮し、ガラスが用いられることが多い。このガラス基板は脆性材料であり、表面の傷により著しく機械的強度が損なわれる。このため、このような基板の研磨には、高い研磨レートと共に、傷の少ない平坦化精度が要求され、砥粒の種類や粒径が決定されている。
さらに、工業用のガラス基板の研磨を行うには、生産性向上の観点からランニングコストの低減が要求される。このランニングコストとしては、研磨材等の消耗品のコスト、ドレスに要するコスト等が挙げられる。ここで、ドレスとは、砥粒の目つぶれにより低下した研磨レートを再生するために研磨材の表面を削り落とし新たな砥粒を表面に出す作業をいい、ドレス前後には研磨材の清掃も行われる。また、ドレスの間、被削体であるガラス基板の研磨は中断される。このため、比較的長期間に渡り研磨レートが低下し難く、ドレス間隔が長い研磨パッドが望まれている。
このような研磨パッドとして、研磨層が複数種の砥粒を有し、上記複数種の砥粒のうち、平均粒子径が最も大きい砥粒を第1砥粒、及び平均粒子径が2番目に大きい砥粒を第2砥粒とする場合、第1砥粒の平均粒子径に対する第2砥粒の平均粒子径の比が5%以上70%以下であることを特徴とする研磨パッドが公知である(国際公開第2017/163565号参照)。
この従来の研磨パッドでは、第1砥粒よりも平均粒子径が小さい第2砥粒が第1砥粒よりも先に研磨層から目こぼれし易い。この脱落により上記研磨パッドでは、目つぶれが進行し研削力が比較的低下した第1砥粒を目こぼれさせ、新たな砥粒を露出させることができる。その結果、研磨層表面の砥粒における研削力の高い砥粒の割合が高まり、研磨レートの低下を抑止している。
国際公開第2017/163565号参照
上記従来の研磨パッドは、研磨レートが低下し難く、ドレスの頻度を低減できるので、ドレスによるランニングコストを低減できるものの、さらなるコスト改善が求められている。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、研磨時間に対する研磨レートの維持性が改善された研磨パッドの提供を目的とする。
本発明の一実施形態に係る研磨パッドは、シート状の基材と、この基材の一方の面側に積層される研磨層とを備える研磨パッドであって、上記研磨層が、砥粒、充填材及びバインダーを含み、上記砥粒の平均粒径に対する上記充填材の平均粒径の比が、1.0以上である。
本発明の研磨パッドは、研磨時間に対する研磨レートの維持性が改善される。
図1は、本発明の一実施形態に係る研磨パッドを示す模式的平面図である。 図2は、図1の研磨パッドの模式的部分拡大平面図である。 図3は、図2のIII-III線での模式的部分断面図である。 図4は、図3の研磨パッドとは異なる実施形態に係る研磨パッドを示す模式的部分断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明者らが研磨時間に対する研磨レートの維持性について鋭意検討した。その結果、本発明者らは、研磨レートの確保のため、砥粒の平均粒径を最も大きくとる必要があると考えられていたところ、砥粒よりも大きい平均粒径を有する充填材を用いることで、ガラス基板といった難削材に対して、表面粗さを悪化させることなく、高い研磨レートとその維持性とが達成できることを知得し、本発明を完成させた。
つまり、本発明の一実施形態に係る研磨パッドは、シート状の基材と、この基材の一方の面側に積層される研磨層とを備える研磨パッドであって、上記研磨層が、砥粒、充填材及びバインダーを含み、上記砥粒の平均粒径に対する上記充填材の平均粒径の比が、1.0以上である。
当該研磨パッドは、充填材の平均粒径が砥粒の平均粒径よりも大きい。このように充填材の平均粒径を砥粒の平均粒径よりも大きくとることで、特に難削材に対して、表面粗さを悪化させることなく、高い研磨レートとその維持性とを達成することができる。
上記砥粒の平均粒径に対する上記充填材の平均粒径の比としては、1.5以下が好ましい。このように上記砥粒の平均粒径に対する上記充填材の平均粒径の比を上記上限以下とすることで、上記充填材が上記砥粒の研削を阻害することを抑止できるので、研磨レートを高め易い。
上記充填材のモース硬度としては、4以上が好ましい。このように上記充填材のモース硬度を上記下限以上とすることで、ガラス、セラミック、半導体といった難削材に対しても高い研磨性能を発揮させることができる。
上記充填材が、酸化アルミニウム粒であるとよい。このように上記充填材に酸化アルミニウム粒を用いることで、研磨レートの維持性を向上させることができる。
上記砥粒が、ダイヤモンド砥粒であるとよい。このように上記砥粒をダイヤモンド砥粒とすることで、研磨レートを高め易い。
ここで、「砥粒」と「充填材」とは、ともに研磨層に含まれる粒状物である。つまり、研磨層には少なくとも2種類以上の粒状物が含まれるが、これらの粒状物のうち最も硬度の高い粒状物が「砥粒」であり、砥粒を除く粒状物のうち研磨層に対する含有量(体積%)が最も大きいものが「充填材」である。なお、研磨層に対する含有量が1体積%未満の粒状物は対象としない。また、粒状物の種類については、組成が異なるものはもちろん、同素体も種類が異なるものとして扱う。一方、結晶性については問わない。つまり、黒鉛とダイヤモンドとは異なる種類の粒状物であるが、単結晶ダイヤモンドと多結晶ダイヤモンドとも同じ種類の粒状物である。
また、「平均粒径」とは、レーザー回折法等により測定された体積基準の累積粒度分布曲線の50%値(50%粒子径、D50)をいう。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の一実施形態に係る研磨パッドについて、図面を参照しつつ説明する。
図1から図3に示す研磨パッド1は、シート状の基材10と、この基材10の一方の面側に積層される研磨層20と、他方の面側に積層される接着層30とを備える。以下、基材10の研磨層20が積層される面を「表面」、接着層30が積層される面を「裏面」ともいう。
<基材>
基材10は、研磨層20を支持するための部材である。
基材10の主成分としては、特に限定されないが、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アラミド、アルミニウム、銅等が挙げられる。中でも耐熱性と接着性とのバランスに優れたPCが好ましい。また、基材10の表面に化学処理、コロナ処理、プライマー処理等の接着性を高める処理が行われてもよい。なお、「主成分」とは、最も含有量の多い成分であり、例えば50質量%以上含有される成分である。
また、基材10は可撓性又は延性を有するとよい。このように基材10が可撓性又は延性を有することで、当該研磨パッド1が被削体の表面形状に追従し、研磨面と被削体との接触面積が大きくなるため、研磨レートがさらに高まる。このような可撓性を有する基材10の材質としては、例えばPETやPI等を挙げることができる。また、延性を有する基材10の材質としては、アルミニウムや銅等を挙げることができる。
基材10の平均厚さの下限としては、75μmが好ましく、100μmがより好ましく、150μmがさらに好ましい。一方、基材10の平均厚さの上限としては、3mmが好ましく、1mmがより好ましく、500μmがさらに好ましい。基材10の平均厚さが上記下限未満であると、当該研磨パッド1の強度や平坦性が不足するおそれがある。逆に、基材10の平均厚さが上記上限を超えると、当該研磨パッド1が不要に厚くなり、取扱いが困難になるおそれがある。ここで、「平均厚さ」とは、任意の10点で測定された厚さの平均値を指す。
基材10の形状及び大きさは、使用される研磨機の定盤の形状及び大きさに合わせて適宜決定される。例えば図1に示す研磨パッド1の基材10は、円環状である。円環状の基材10としては、例えば外径200mm以上2022mm以下及び内径100mm以上658mm以下とすることができる。なお、基材10の形状は円環状に限定されるものではなく、直径200mm以上2022mm以下の円形状や一辺が140mm以上160mm以下の正方形状等としてもよい。
また、当該研磨パッド1の取扱性の観点から、複数の基材10が研磨機の定盤に支持される構成とすることもできる。この場合、基材10を複数に分割して移送し、研磨機の定盤にそれぞれ固定することで、図1に示すような円環状の研磨パッド1が構成される。
<研磨層>
研磨層20は、図2に示すように、複数の研磨部20aと、複数の研磨部20aの間に形成される溝20bとを有する。研磨層20は、複数の研磨部20aに、砥粒21、充填材22及びバインダー23を含む。
(研磨部)
研磨部20aは、当該研磨パッド1では頂面が正方形の四角柱状である。
研磨部20a頂面の平均面積の下限としては、6mmが好ましく、8mmがより好ましい。一方、研磨部20a頂面の平均面積の上限としては、30mmが好ましく、25mmがより好ましく、20mmがさらに好ましい。研磨部20a頂面の平均面積が上記下限未満であると、研磨部20aの底面積も小さくなることから、研磨部20aが十分に基材10と密着できず、研磨時に倒れ易くなるおそれがある。逆に、研磨部20a頂面の平均面積が上記上限を超えると、研磨圧力が分散し、研磨レートが低下するおそれや、基材10に反りが発生し易くなるおそれがある。
研磨部20a間の最小間隔(図2のD)の下限としては、0.5mmが好ましく、1.0mmがより好ましい。一方、上記最小間隔Dの上限としては、3mmが好ましく、2.5mmがより好ましい。上記最小間隔Dが上記下限未満であると、研磨部20a頂面の平均面積を十分に確保できず、研磨部20aが研磨時に倒れ易くなるおそれがある。逆に、上記最小間隔Dが上記上限を超えると、隣接する研磨部20a間の溝20bの幅が大きくなり、基材10に反りが発生し易くなるおそれがある。これに対し、研磨部20a間の最小間隔Dを上記範囲内とすることで、被削体への適度な接触面積と研磨圧力とを確保できるので、当該研磨パッド1の研磨レートをさらに高めることができる。
研磨部20aの平均厚さ(基材10表面から複数の研磨部20a頂面までの平均高さ)の下限としては、0.5mmが好ましく、0.8mmがより好ましく、1mmがさらに好ましい。一方、研磨部20aの平均厚さの上限としては、2mmが好ましく、1.8mmがより好ましい。研磨部20aの平均厚さが上記下限未満であると、研磨部20aの耐久性が不足し、当該研磨パッド1の寿命が短くなるおそれがある。逆に、研磨部20aの平均厚さが上記上限を超えると、研磨部20aのアスペクト比が大きくなり、研磨時に発生するモーメントによって研磨部20aと基材10との界面にかかる負荷の影響で研磨部20aが倒れ易くなるおそれや、当該研磨パッド1の製造コストが増大するおそれがある。
複数の研磨部20aの面積占有率の下限としては、20%が好ましく、30%がより好ましく、35%がさらに好ましい。一方、上記面積占有率の上限としては、65%が好ましく、61%がより好ましく、60%がさらに好ましい。上記面積占有率が上記下限未満であると、研磨時に加える圧力が狭い研磨部20aに集中し過ぎるため、研磨部20aが基材10から剥離するおそれがある。逆に、上記面積占有率が上記上限を超えると、研磨時に研磨部20aの被削体への接触面積が大きくなるため、摩擦抵抗により研磨レートが低下するおそれがある。なお、上記面積占有率は、基材10表面の面積に対する複数の研磨部20aの合計面積の割合を指すが、例えば基材10の外周等に研磨部20aを配置しない領域が存在する場合、この領域の面積は基材10表面の面積から除外される。
複数の研磨部20aは、図1及び図2に示すように、平面視で直交するXY方向にわたって規則的に配列されたブロックパターン状とするとよい。この場合、複数の研磨部20aは等間隔の格子状に配列されるので、研磨圧力の面内均一性が向上し、平坦化精度を高められる。
なお、複数の研磨部20aの配列はブロックパターン状に限定されるものではなく、例えば千鳥配置としてもよい。このように複数の研磨部20aを千鳥配置することで、基材10の反りの発生を抑止できるので、研磨圧力の面内均一性が向上し、さらに平坦化精度を高められる。ここで、「複数の研磨部が千鳥配置である」とは、研磨部が平行する複数の列に等間隔で配置され、一の列に含まれる研磨部の中心を通り、この一の列に対して直交する方向に、この一の列と隣接する列の研磨部の中心が位置しないような配列をいう。
あるいは、同一平面上の一つの中心点に対して、半径が異なる円の円周上に研磨部20aの中心点が配列された同心円配列としてもよい。同心円配列では、平面研磨機において被削体を均等間隔に設置して研磨する場合、複数の研磨部20aが半径方向に向かって規則的に配列しているため、常に一定の研磨圧力で被削体を研磨することが可能となり、平坦化精度を高められる。
(溝)
溝20bは、その平面視での大きさにより研磨部20aの面積占有率を制御するほか、研磨により発生する研磨粉を当該研磨パッド1の外部へ排出する役割を果たす。
この実施形態の研磨パッド1では、溝20bの底面は、図3に示すように、基材10の表面で構成されている。このように溝20bの底面を基材10の表面で構成することで、研磨粉の排出能力を高められる。また、当該研磨パッド1は、使用により研磨部20aが摩耗し、その頂面が溝20bの底面に近づくと寿命となるが、溝20bの底面を基材10の表面で構成することで、寿命となるまでの期間を長くすることができる。
一方、溝20bの底面は研磨層20の表面で構成してもよい。つまり、研磨層20は、研磨部20aの平均高さよりも薄い底部研磨層の上に複数の研磨部20aが突出する構成としてもよい。このように構成することで、複数の研磨部20a間が底部研磨層で連結されるので、基材10と密着性を高めることができる。
(砥粒)
砥粒21としては、ダイヤモンド砥粒、アルミナ砥粒、シリカ砥粒、セリア砥粒、炭化ケイ素砥粒等が挙げられる。中でも他の砥粒より硬質であるダイヤモンド砥粒が好ましい。砥粒21をダイヤモンド砥粒とすることで、研磨力が向上し、研磨レートをさらに向上できる。
なお、ダイヤモンド砥粒のダイヤモンドとしては、単結晶でも多結晶でもよく、またNiコーティング等の処理がされたダイヤモンドであってもよい。中でも単結晶ダイヤモンド及び多結晶ダイヤモンドが好ましい。単結晶ダイヤモンドは、他のダイヤモンドより硬質であり研削力が高い。また、多結晶ダイヤモンドは多結晶を構成する微結晶単位で劈開し易く目つぶれが進行し難いので、長期間研磨を行っても研磨レートの低下が小さい。
砥粒21の平均粒径の下限としては、1μmが好ましく、3μmがより好ましい。一方、砥粒21の平均粒径の上限としては、100μmが好ましく、50μmがより好ましく、30μmがさらに好ましい。砥粒21の平均粒径が上記下限未満であると、研磨レートが不足するおそれがある。逆に、砥粒21の平均粒径が上記上限を超えると、平坦化精度が不足するおそれがある。
研磨層20における砥粒21の含有量の下限としては、1体積%が好ましく、2体積%がより好ましく、5体積%がさらに好ましい。一方、砥粒21の含有量の上限としては、55体積%が好ましく、45体積%がより好ましく、35体積%がさらに好ましい。砥粒21の含有量が上記下限未満であると、研磨層20の研磨力が不足するおそれがある。逆に、砥粒21の含有量が上記上限を超えると、研磨層20が砥粒21を保持できないおそれがある。
(充填材)
充填材22としては、酸化アルミニウム(アルミナ)粒、酸化ケイ素(シリカ)粒、酸化セリウム粒、酸化マグネシウム粒、ジルコニア粒、酸化チタン粒等の酸化物、及びシリカ-アルミナ粒、シリカ-ジルコニア粒、シリカ-マグネシア粒、ウォラストナイト粒等の複合酸化物、炭化ケイ素粒などを挙げることができる。
充填材22が、酸化アルミニウム粒であるとよい。このように充填材22に酸化アルミニウムを用いることで、研磨レートの低下を抑止させ、研磨レートを維持させ易い。
充填材22のモース硬度の下限としては、4が好ましく、7がより好ましい。このように充填材22のモース硬度を上記下限以上とすることで、ガラス、セラミック、半導体といった難削材に対しても高い研磨性能を発揮させることができる。一方、充填材22のモース硬度の上限は、その定義から10であるが、当該研磨パッド1において充填材22のモース硬度は砥粒21のモース硬度よりも低い。
充填材22の平均粒径の下限としては、2μmが好ましく、5μmがより好ましい。一方、充填材22の平均粒径の上限としては、200μmが好ましく、100μmがより好ましく、50μmがさらに好ましい。充填材22の平均粒径が上記下限未満であると、充填材22による研磨レートの維持効果を得るには、平均粒径がさらに小さい砥粒21を用いる必要があり、研磨レート自体が不足するおそれがある。逆に、充填材22の平均粒径が上記上限を超えると、特に難削材の研磨が困難となるおそれがある。
砥粒21の平均粒径に対する充填材22の平均粒径の比としては、1.0以上であり、1.0超がより好ましく、1.1以上がさらに好ましい。一方、上記平均粒径の比の上限としては、1.5が好ましく、1.4がより好ましい。上記平均粒径の比が上記下限未満であると、充填材22による研磨レートの維持効果が不足し、研磨レートが低下し易くなるおそれがある。逆に、上記平均粒径の比が上記上限を超えると、充填材22が砥粒21の研削を阻害し易くなり、研磨レート自体が低下するおそれがある。
研磨層20における充填材22の含有量の下限としては、35体積%が好ましく、45体積%がより好ましい。一方、充填材22の含有量の上限としては、75体積%が好ましく、70体積%がより好ましい。充填材22の含有量が上記下限未満であると、充填材22による研磨レートの維持効果が不足し、研磨レートが低下し易くなるおそれがある。逆に、充填材22の含有量が上記上限を超えると、相対的に砥粒21が少なくなり、研磨レート自体が低下するおそれがある。
(バインダー)
研磨層20のバインダー23の主成分としては、特に限定されないが、樹脂又は無機物が挙げられる。
上記樹脂としては、ポリウレタン、ポリフェノール、エポキシ、ポリエステル、セルロース、エチレン共重合体、ポリビニルアセタール、ポリアクリル、アクリルエステル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド等の樹脂を挙げることができる。中でも基材10への良好な密着性が確保し易いポリアクリル、エポキシ、ポリエステル及びポリウレタンが好ましい。なお、上記樹脂は、少なくとも一部が架橋していてもよい。
また、上記無機物としては、ケイ酸塩、リン酸塩、多価金属アルコキシド等を挙げることができる。中でも砥粒保持力が高いケイ酸塩が好ましい。このようなケイ酸塩としてはケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウム等を挙げることができる。
なお、バインダー23には、分散剤、カップリング剤、界面活性剤、潤滑剤、消泡剤、着色剤等の各種助剤及び添加剤などを目的に応じて適宜含有させてもよい。
(その他の粒状物)
研磨層20には、砥粒21及び充填材22以外にその他の粒状物(以下、単に「粒状物」ともいう)を含めることができる。上記粒状物は、砥粒21より硬度が低く、かつ充填材22より含有量が少ない。上記粒状物は、補助砥粒又は補助充填材として機能させることができる。補助砥粒として機能させる上記粒状物は、上述の砥粒21と同様の性質を有するとよく、補助充填材として機能させる上記粒状物は、上述の充填材22と同様の性質を有するとよい。より具体的には、充填材22の平均粒径に対する硬度9以上の上記粒状物の平均粒径が1.0未満であり、砥粒21の平均粒径に対する硬度9未満の上記粒状物の平均粒径が1.0超であることが好ましい。この場合、硬度9以上の上記粒状物は補助砥粒として機能させ、硬度9未満の上記粒状物は補助充填材として効果的に機能させることができる。
<接着層>
接着層30は、当該研磨パッド1を支持し研磨装置に装着するための支持体に当該研磨パッド1を固定する層である。
この接着層30に用いられる接着剤としては、特に限定されないが、例えば反応型接着剤、瞬間接着剤、ホットメルト接着剤、貼り替え可能な接着剤である粘着剤等を挙げることができる。
この接着層30に用いられる接着剤としては、粘着剤が好ましい。接着層30に用いられる接着剤として粘着剤を用いることで、支持体から当該研磨パッド1を剥がして貼り替えることができるため当該研磨パッド1及び支持体の再利用が容易になる。このような粘着剤としては、特に限定されないが、例えばアクリル系粘着剤、アクリル-ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、ブチルゴム系等の合成ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤等が挙げられる。
接着層30の平均厚さの下限としては、0.05mmが好ましく、0.1mmがより好ましい。一方、接着層30の平均厚さの上限としては、0.3mmが好ましく、0.2mmがより好ましい。接着層30の平均厚さが上記下限未満であると、接着力が不足し、当該研磨パッド1が支持体から剥離するおそれがある。逆に、接着層30の平均厚さが上記上限を超えると、例えば接着層30の厚みのため当該研磨パッド1を所望する形状に切る際に支障をきたすなど、作業性が低下するおそれがある。
<研磨パッドの製造方法>
当該研磨パッド1は、例えば調製工程と、研磨層形成工程と、接着層貼付工程とを備える製造方法により製造することができる。
(調製工程)
上記調製工程では、砥粒21と、充填材22と、バインダー23とを含む研磨層用組成物を調製する。当該研磨パッド1の製造では、砥粒21の平均粒径に対する充填材22の平均粒径の比が、1.0以上である砥粒21及び充填材22を用いる。
具体的には、砥粒21、充填材22及びバインダー23の形成材料を含む研磨層用組成物をコーティング液として準備する。なお、固形分中の砥粒21及び充填材22の含有量が、それぞれ製造後の研磨層20の砥粒21及び充填材22の含有量となるので、研磨層20における含有量が所望の値となるようにそれぞれの固形分の量を適宜決定する。
また、コーティング液の粘度や流動性を制御するために、水、アルコール等の希釈剤を添加する。この希釈により、研磨層20に含まれる砥粒21の一部をバインダー23の表面から突出させることができる。つまり、希釈剤を添加することで、研磨層形成工程で研磨層用組成物を乾燥させたときにバインダー23の厚さが減少し、砥粒21の突出量を増やすことができる。従って、この希釈により研磨の初期から高い研磨レートを発現させることができる。
(研磨層形成工程)
上記研磨層形成工程では、上記調製工程で準備した研磨層用組成物のコーティングにより複数の研磨層20を形成する。上記研磨層形成工程は、コーティング工程と乾燥工程とを備える。
〔コーティング工程〕
上記コーティング工程では、上記研磨層用組成物を基材10の表面にコーティングする。
具体的には、調製工程で準備したコーティング液を用い、基材10の表面にコーティングすることにより複数の研磨部20aと、この研磨部20a間に配設される溝20bとを形成する。この溝20bを形成するために、溝20bの形状に対応する形状を有するマスクを用意し、このマスクを介して上記コーティング液をコーティングする。
上記コーティング用のマスクとしては、SUS製又はフッ素樹脂製のマスクが好ましい。SUS製又はフッ素樹脂製のマスクはマスクを厚くできるので、平均厚さの大きい研磨層20を容易に作製することができる。
研磨層20の高さは、主にマスクの厚みとコーティング量とにより調整することができる。従って、このコーティング工程で、研磨層20の平均高さを所望の値とするように上記研磨層用組成物のコーティング量を調整するとよい。
〔乾燥工程〕
乾燥工程では、上記コーティング工程後のコーティング液(研磨層用組成物)を加熱乾燥する。この加熱乾燥によりコーティング液が硬化し、複数の研磨層20が形成される。この乾燥工程は、マスクを除去して行われる。
上記乾燥工程での加熱温度の下限としては、80℃が好ましく、100℃がより好ましい。一方、上記加熱温度の上限としては、300℃が好ましく、200℃がより好ましい。上記加熱温度が上記下限未満であると、研磨層用組成物が十分に硬化せず、摩耗量が増大し、当該研磨パッド1の寿命が短くなるおそれがある。逆に、上記加熱温度が上記上限を超えると、研磨層20が熱により変質するおそれがある。
上記乾燥工程での加熱時間は、加熱温度にもよるが、上記加熱時間の下限としては、2時間が好ましく、2.5時間がより好ましい。上記加熱時間が上記下限未満であると、研磨部用組成物が十分に硬化せず、摩耗量が増大し、当該研磨パッド1の寿命が短くなるおそれがある。一方、上記加熱時間の上限は特に限定されないが、製造効率の観点から例えば20時間とできる。
(接着層貼付工程)
上記接着層貼付工程では、基材10の裏面側に接着層30を積層する。具体的には、例えば予め形成されたテープ状の接着層30を基材10の裏面に貼り付ける。
以上の工程を経て、当該研磨パッド1を製造することができる。
<利点>
当該研磨パッド1は、充填材22の平均粒径が砥粒21の平均粒径よりも大きい。このように充填材22の平均粒径を砥粒21の平均粒径よりも大きくとることで、特に難削材に対して、表面粗さを悪化させることなく、高い研磨レートとその維持性とを達成することができる。
[その他の実施形態]
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
上記実施形態では、研磨部の頂面が正方形状である場合を説明したが、研磨部の頂面は長方形状であってもよい。ただし、等方性の観点から正方形状が好ましい。また、研磨部の形状は四角柱状には限定されない、六角柱状等の他の角柱状であってもよいし、円柱状、円錐台状や角錐台状等であってもよい。
上記実施形態では、研磨パッドが複数の研磨部を備える場合を説明したが、研磨部は1つであってもよい。この場合、例えば1つの研磨部が、基材の全面に積層された構成とすることができる。溝は形成されない。
上記実施形態では、研磨パッドが接着層を有する場合を説明したが、接着層は必須の構成要件ではなく、省略可能である。研磨パッドが接着層を有さない場合は、研磨パッドの製造方法の接着層貼付工程は省略される。
あるいは、図4に示すように当該研磨パッド2は、基材10の他方の面に、接着層30を介してさらに積層される支持体40及びその支持体40を介してさらに積層される第2接着層31を備えてもよい。当該研磨パッド2が支持体40を備えることにより、当該研磨パッド2の取扱いが容易となる。なお、当該研磨パッド2は、支持体40及び第2接着層31以外の構成要素は、図3に示す研磨パッド1と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
(支持体)
支持体40の主成分としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性を有する樹脂やポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等のエンジニアリングプラスチックを挙げることができる。支持体40の主成分にこのような材質を用いることにより支持体40が可撓性を有し、当該研磨パッド2が被削体の表面形状に追従し、研磨面と被削体とが接触し易くなるため研磨レートがさらに向上する。中でも支持体40の主成分としては、接着層30及び第2接着層31との接着性の観点から、ポリ塩化ビニルが好ましい。
支持体40の形状及び大きさは、使用される研磨機の定盤の形状及び大きさに合わせて適宜決定される。上述した基材10のように平面上に並置した複数の支持体40が研磨機の定盤に支持される構成とすることもできる。
支持体40の平均厚さの下限としては、0.5mmが好ましく、0.8mmがより好ましい。一方、支持体40の平均厚さの上限としては、3mmが好ましく、2mmがより好ましい。支持体40の平均厚さが上記下限未満であると、当該研磨パッド2の強度が不足するおそれがある。逆に、支持体40の平均厚さが上記上限を超えると、支持体40を研磨機の定盤に取り付け難くなるおそれや支持体40の可撓性が不足するおそれがある。
(第2接着層)
第2接着層31は、接着層30と同様の接着剤を用いることができる。また、第2接着層31は、接着層30と同様の平均厚さとできる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、当該発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[No.1]
ポリカーボネートを主成分とする平均厚さ0.5mmの基材を準備した。
砥粒として、ダイヤモンド砥粒(平均粒径9.685μm、モース硬度10)を準備した。充填材として、酸化アルミニウム粒(平均粒径9.983μm;砥粒に対する平均粒径比1.03、モース硬度9)を準備した。また、バインダーとして、エポキシ樹脂を準備した。さらに、その他の粒状物としてシリカ粒(平均粒径30nm、モース硬度7)を準備した。
上述の各材料を混合し、研磨部用組成物を調製した。なお、上記研磨部用組成物において、固形分は、砥粒2.5体積%、充填材58.5体積%、その他の粒状物4体積%、バインダー35体積%とした。
上記研磨部用組成物(コーティング液)を上記基材にコーティングすることで複数の研磨部を有する研磨層を形成した。
上記研磨部は、平面視で1辺が3mmの正方形状、占有面積率を36%、平均厚みを500μmとした。複数の研磨部のパターンとしては、図1に示すような格子状配置のパターンとした。
このようにしてNo.1の研磨パッドを得た。
[No.2]
充填材63.5体積%、バインダー30体積%とし、研磨部の平均厚みを1000μmとした以外は、No.1と同様にして、No.2の研磨パッドを得た。
[No.3]
充填材として、酸化アルミニウム粒(平均粒径12.41μm;砥粒に対する平均粒径比1.28)を準備した。この充填材を用いた以外は、No.2と同様にして、No.3の研磨パッドを得た。
[No.4]
充填材として、酸化アルミニウム粒(平均粒径3.291μm;砥粒に対する平均粒径比0.34)を準備した。この充填材を用いた以外は、No.1と同様にして、No.4の研磨パッドを得た。
[No.5]
研磨部の平均厚みを1000μmとした以外は、No.4と同様にして、No.5の研磨パッドを得た。
[研磨条件]
No.1~No.5の研磨パッドを用いて石英ガラスの研磨試験を50分間実施した。上記研磨には、公知の両面研磨機を用いた。なお、No.1及びNo.4に用いた研磨機(研磨機A)と、No.2、No.3及びNo.5に用いた研磨機(研磨機B)とは異なる。研磨圧力は、いずれも111gf/cmとした。
上記研磨において、10分間隔の5区間で平均研磨レートを算出し、最後の区間(40分超50分以下の第5区間)の平均研磨レートを、5区間のうち最大値を記録した区間での平均研磨レートで除した値を「研磨レート維持率」として算出した。結果を表1に示す。なお、最大値を記録した区間は、10分超20分以下の第1区間又は20分超30分以下の第2区間のいずれかであったため、表1には第1区間、第2区間及び第5区間の平均研磨レートのみ示している。
また、50分間研磨後の石英ガラスについて、接触式表面粗さ計(ミツトヨ社製の「S-3000U」)を用いて、JIS-B-0601:2013に定義される表面粗さRaの測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2023068452000002
表1の結果において、同じ研磨機で研磨を行ったNo.1とNo.4との比較、及びNo.2、No.3とNo.5との比較から、砥粒の平均粒径より大きい平均粒径を有する充填材を使用することで、石英ガラスのような難削材に対しても、表面粗さを悪化させることなく研磨レート及びその維持性を向上させることができることが分かる。
本発明の研磨パッドは、研磨時間に対する研磨レートの維持性が改善される。従って、当該研磨パッドは、ガラス、セラミック、半導体といった難削材の平面研磨に好適に用いられる。
1、2 研磨パッド
10 基材
20 研磨層
20a 研磨部
20b 溝
21 砥粒
22 充填材
23 バインダー
30 接着層
31 第2接着層
40 支持体

Claims (5)

  1. シート状の基材と、この基材の一方の面側に積層される研磨層とを備える研磨パッドであって、
    上記研磨層が、砥粒、充填材及びバインダーを含み、
    上記砥粒の平均粒径に対する上記充填材の平均粒径の比が、1.0以上である研磨パッド。
  2. 上記砥粒の平均粒径に対する上記充填材の平均粒径の比が、1.5以下である請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 上記充填材のモース硬度が4以上である請求項1又は請求項2に記載の研磨パッド。
  4. 上記充填材が、酸化アルミニウム粒である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の研磨パッド。
  5. 上記砥粒が、ダイヤモンド砥粒である請求項4に記載の研磨パッド。
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