JP6316460B2 - 研磨材 - Google Patents

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Description

本発明は、研磨材に関する。
近年、ハードディスク等の電子機器の精密化が進んでいる。このような電子機器の基板材料としては、小型化や薄型化に対応できる剛性、耐衝撃性及び耐熱性を考慮し、ガラスが用いられることが多い。このガラス基板は脆性材料であり、表面の傷により著しく機械的強度が損なわれる。このため、このような基板の研磨には、研磨レートと共に、傷の少ない平坦化精度が要求される。
一般に仕上がりの平坦化精度を向上しようとすると加工時間は長くなる傾向にあり、研磨レートと平坦化精度とはトレードオフの関係となる。このため研磨レートと平坦化精度とを両立することが難しい。これに対し、研磨レートと平坦化精度との両立のため、砥粒と充填剤とを分散した研磨部を有する研磨材が提案されている(特表2002−542057号公報参照)。
しかし、このような従来の研磨材は一定時間の研磨を実施すると、砥粒の目つぶれや研磨層表面の目詰まりにより研磨レートが低下する。この低下した研磨レートを再生するためには、研磨材の表面を削り落とし新たな面を表面に出す、いわゆるドレスを行う必要がある。このドレス前後には研磨材の清掃も必要であり、このドレスは時間を要する作業である。ドレスの間、被削体であるガラス基板の研磨は中断されるため、従来の研磨材はドレスを行うことによる研磨効率の低下が大きい。
また、近年LEDやパワーデバイス用にサファイアや炭化ケイ素といった硬脆性かつ化学的安定性を有し加工が難しい基板の需要が増加している。このような難加工基板に対しては、既に確立しているシリコン基板の研磨よりもさらに効率の高い研磨方法が必要とされている。さらに、このような基板は化学的に安定であるため、研磨の最終工程で行われるCMP(Chemical Mechanical Polishing)の加工に時間を要する。そのため、その前工程である研磨において基板表面の粗さや傷をできる限り低減し、CMPの加工時間を短縮する必要がある。そこで、CMPの前工程の研磨では高い研磨精度が必要とされる。
この難加工基板を研磨する方法として、例えばダイヤモンドスラリーと研磨材とを用いる遊離砥粒研磨(特開2014−100766号公報参照)や遊離砥粒を研磨材表面の孔に保持させて研磨を行う半固定砥粒研磨(特開2002−86350号公報参照)が提案されている。
この従来の遊離砥粒研磨及び半固定砥粒研磨は、砥粒にダイヤモンドを用いることで効率の高い研磨を実現している。しかしながら、この従来の遊離砥粒研磨及び半固定砥粒研磨は、砥粒を絶えず研磨材に供給する必要があり、研磨コストが高い。
特表2002−542057号公報 特開2014−100766号公報 特開2002−86350号公報
本発明はこのような不都合に鑑みてなされたものであり、高い研磨精度を有すると共に研磨効率が低下し難く、かつ研磨コストが比較的低い研磨材の提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、基材と、この基材の表面側に積層され、砥粒及びそのバインダーを含む研磨層とを備える研磨材であって、上記研磨層が、その表面に溝により区分された複数の研磨部を備え、かつ上記複数の研磨部の占有面積率が異なる複数種の領域を研磨方向に沿って有し、研磨方向に沿って隣接する一対の上記領域の複数の研磨部の占有面積率の差が3%以上21%以下であることを特徴とする。
当該研磨材は、研磨方向に沿って隣接する一対の上記領域の複数の研磨部の占有面積率の差が上記範囲内である。このため、当該研磨材では研磨中に受ける研磨圧力が占有面積率の小さい領域の方が適度に大きい。この研磨圧力差により占有面積率の小さい領域の方が先に摩耗するため、当該研磨材は隣接する領域間に適度な段差を生じる。従って、研磨時に被削体が高さの小さい領域から大きい領域へ、又はその逆方向へ移動しながら研磨される。この領域を移動する際の乗り越え抵抗により当該研磨材のグリップ力が向上し、かつ高さの大きい、すなわち占有面積率が大きい領域において面圧がさらに高まる。これにより当該研磨材は、研磨時の面圧をより有効に活用できるので、高い研磨レートと平坦化精度を有し、かつグリップ力により比較的長期間に渡り研磨レートが低下し難い。従って、当該研磨材はドレスを頻繁に行う必要がないため、ランニングコストの低減や工程管理の簡易化ができ、かつ研磨精度及び研磨効率に優れる。さらに、研磨時に砥粒を新たに供給する必要がないため、当該研磨材を用いた研磨は遊離砥粒を用いた研磨に比べて研磨コストが低い。
上記各領域が平面視で直径5cmの円を包含可能な大きさを有するとよい。このように上記各領域を平面視で直径5cmの円を包含可能な大きさとすることで、乗り越え抵抗によるグリップ力向上効果がより確実に得られる。
研磨方向に沿って隣接する一対の領域のうち、一方の領域における複数の研磨部の占有面積率としては、4.5%以上9%以下が好ましい。また、他方の領域における複数の研磨部の占有面積率としては、9%以上16%以下が好ましい。このように研磨方向に沿って隣接する一対の領域の占有面積率を上記範囲内とすることで、研磨層を摩耗し難くできると共に、隣接する領域に適度な段差を生じさせることができる。このため、研磨層の耐久性を維持しつつ、乗り越え抵抗によるグリップ力向上効果がより確実に得られる。
上記砥粒がダイヤモンド砥粒であるとよい。このように上記砥粒をダイヤモンド砥粒とすることで、研磨力を向上できるので、研磨時の面圧がさらに有効に活用できると共に、乗り越え抵抗によるグリップ力向上効果がより確実に得られる。
上記バインダーの主成分が無機物であるとよい。このように上記バインダーの主成分を無機物とすることで、砥粒の保持力を高め、砥粒の脱粒を抑止できる。このため、研磨レートがさらに低下し難くなる。
上記バインダーが酸化物を主成分とする充填剤を含有するとよい。このように上記バインダーに酸化物を主成分とする充填剤を含有させることで、上記バインダーの弾性率を向上できるため、研磨層の摩耗を制御し易くなる。従って、研磨時に当該研磨材の隣接する領域に適度な段差をつけ易くなるので、乗り越え抵抗によるグリップ力向上効果がより確実に得られる。
従って、当該研磨材はガラス基板をはじめとする基板の平面研磨に好適に用いられる。
ここで、研磨層が有する「領域」とは、個々の研磨部の面積の偏差及び溝の幅の偏差が3%以内となる領域を意味する。なお、「溝の幅」とは隣接する一対の研磨部の間の最短距離を意味する。
また、「主成分」とは、最も含有量の多い成分を意味し、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。
以上説明したように、本発明の研磨材は、研磨精度に優れると共に研磨効率が低下し難く、かつ研磨コストが低い。従って、当該研磨材は、電子機器等に用いられるガラス基板や、サファイアや炭化ケイ素といった難加工基板の研磨に好適に用いることができる。
本発明の実施形態に係る研磨材を示す模式的平面図である。 図1Aの研磨材のA−A線での模式的断面図である。 図1Bとは異なる実施形態の研磨材を示す模式的断面図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態を適宜図面を参照しつつ詳説する。
<研磨材>
図1A及び図1Bに示す当該研磨材1は、円盤状であり、基材10と、この基材10の表面側に積層される研磨層20とを主に備える。また、当該研磨材1は、基材10の裏面側に積層される接着層30を備える。当該研磨材1は、公知の研磨装置の研磨定盤に配設され、研磨装置により被削体に接触しつつ回転させられることで、研磨を行う。つまり、当該研磨材1の研磨方向は、基材10の円周方向である。
(基材)
上記基材10は、研磨層20を支持するための板状の部材である。
上記基材10の材質としては、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アラミド、アルミニウム、銅等が挙げられる。中でも研磨層20との接着性が良好なアルミニウムが好ましい。また、基材10の表面に化学処理、コロナ処理、プライマー処理等の接着性を高める処理が行われてもよい。
また、基材10は可撓性又は延性を有するとよい。このように基材10が可撓性又は延性を有することで、当該研磨材1が被削体の表面形状に追従し、研磨面と被削体との接触面積が大きくなるため、研磨レートがさらに高まる。このような可撓性を有する基材10の材質としては、例えばPETやPI等を挙げることができる。また、延性を有する基材10の材質としては、アルミニウムや銅等を挙げることができる。
また、上記基材10の大きさとしては、特に制限されないが、例えば外径200mm以上2022mm以下及び内径100mm以上658mm以下とできる。
上記基材10の平均厚さとしては、特に制限されないが、例えば75μm以上1mm以下とできる。上記基材10の平均厚さが上記下限未満である場合、当該研磨材1の強度や平坦性が不足するおそれがある。一方、上記基材10の平均厚さが上記上限を超える場合、当該研磨材1が不要に厚くなり取扱いが困難になるおそれがある。
(研磨層)
研磨層20は、砥粒21及びそのバインダー22を含む。また、上記研磨層20は、その表面に溝23により区分された複数の研磨部24を備える。
また、上記研磨層20は、その研磨方向、すなわち基材10の円周方向に沿って第1領域X1、第2領域X2、第3領域X3及び第4領域X4の4つの領域をこの順に連続して有する。
上記研磨層20の平均厚さ(研磨部24の平均厚さ)は特に制限されないが、25μmが好ましく、30μmがより好ましく、200μmがさらに好ましい。一方、上記研磨層20の平均厚さの上限としては、4000μmが好ましく、3000μmがより好ましく、2500μmがさらに好ましい。上記研磨層20の平均厚さが上記下限未満である場合、研磨層20の摩滅が早くなるため、当該研磨材1の耐久性が不足するおそれがある。一方、上記研磨層20の平均厚さが上記上限を超える場合、当該研磨材1が不要に厚くなり取扱いが困難になるおそれがある。
(砥粒)
上記砥粒21としては、ダイヤモンド、アルミナ、シリカ等の粒子が挙げられる。中でも高い研磨力が得られるダイヤモンド砥粒が好ましい。このように上記砥粒21をダイヤモンド砥粒とすることで、研磨力を向上できるので、研磨時の面圧がさらに有効に活用できると共に、乗り越え抵抗によるグリップ力向上効果がより確実に得られる。
上記砥粒21の平均粒子径の下限としては、2μmが好ましく、10μmがより好ましい。また、上記砥粒21の平均粒子径の上限としては、50μmが好ましく、45μmがより好ましい。上記砥粒21の平均粒子径が上記下限未満である場合、研磨レートが不十分となるおそれがある。一方、上記砥粒21の平均粒子径が上記上限を超える場合、被削体が傷付くおそれがある。ここで、「平均粒子径」とは、レーザー回折法等により測定された体積基準の累積粒度分布曲線の50%値(50%粒子径、D50)をいう。
上記砥粒21の研磨層20に対する含有量の下限としては、3体積%が好ましく、5体積%がより好ましい。また、上記砥粒21の研磨層20に対する含有量の上限としては、55体積%が好ましく、45体積%がより好ましく、35体積%がさらに好ましい。上記砥粒21の研磨層20に対する含有量が上記下限未満である場合、研磨層20の研磨力が不足するおそれがある。一方、上記砥粒21の研磨層20に対する含有量が上記上限を超える場合、研磨層20の砥粒21の保持力が不足するおそれがある。
(バインダー)
上記バインダー22の主成分としては、樹脂又は無機物を挙げることができる。上記樹脂としては、例えばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、ビニル樹脂、フェノキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル等を挙げることができる。また、上記無機物としては、ケイ酸塩、リン酸塩、多価金属アルコキシド等を挙げることができる。
上記バインダー22の主成分は無機物が好ましい。このように上記バインダー22の主成分を無機物とすることで、研磨層20の砥粒21の保持力を高め、砥粒21の脱粒を抑止できる。このため、研磨レートがさらに低下し難くなる。無機物の中でも研磨層20の砥粒21の保持力が高いケイ酸塩が好ましい。
また、上記バインダー22の主成分が無機物である場合、上記バインダー22は酸化物を主成分とする充填剤を含有するとよい。このように上記バインダー22に酸化物を主成分とする充填剤を含有させることで、上記バインダー22の弾性率を向上できるため、研磨層20の摩耗を制御し易くなる。従って、研磨時に当該研磨材1の隣接する領域に適度な段差をつけ易くなるので、乗り越え抵抗によるグリップ力向上効果がより確実に得られる。
上記充填剤としては、例えばアルミナ、シリカ、酸化セリウム、酸化マグネシウム、ジルコニア、酸化チタン等の酸化物及びシリカ−アルミナ、シリカ−ジルコニア、シリカ−マグネシア等の複合酸化物を挙げることができる。これらは単独で又は必要に応じて2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも高い研磨力が得られるアルミナが好ましい。
上記充填剤の平均粒子径は砥粒21の平均粒子径にも依存するが、上記充填剤の平均粒子径の下限としては、0.01μmが好ましく、2μmがより好ましい。一方、上記充填剤の平均粒子径の上限としては、20μmが好ましく、15μmがより好ましい。上記充填剤の平均粒子径が上記下限未満である場合、上記充填剤によるバインダー22の弾性率向上効果の不足により、研磨層20の摩耗の制御が不十分となるおそれがある。一方、上記充填剤の平均粒子径が上記上限を超える場合、充填剤が砥粒21の研磨力を阻害するおそれがある。
また、上記充填剤の平均粒子径は砥粒21の平均粒子径よりも小さいとよい。砥粒21の平均粒子径に対する上記充填剤の平均粒子径の比の下限としては、0.1が好ましく、0.2がより好ましい。一方、砥粒21の平均粒子径に対する上記充填剤の平均粒子径の比の上限としては、0.8が好ましく、0.6がより好ましい。砥粒21の平均粒子径に対する上記充填剤の平均粒子径の比が上記下限未満である場合、上記充填剤によるバインダー22の弾性率向上効果の不足により、研磨層20の摩耗の制御が不十分となるおそれがある。逆に、砥粒21の平均粒子径に対する上記充填剤の平均粒子径の比が上記上限を超える場合、充填剤が砥粒21の研磨力を阻害するおそれがある。
上記充填剤の研磨層20に対する含有量は、砥粒21の含有量にも依存するが、上記充填剤の研磨層20に対する含有量の下限としては、15体積%が好ましく、30体積%がより好ましい。一方、上記充填剤の研磨層20に対する含有量の上限としては、75体積%が好ましく、72体積%がより好ましい。上記充填剤の研磨層20に対する含有量が上記下限未満である場合、上記充填剤によるバインダー22の弾性率向上効果の不足により、研磨層20の摩耗の制御が不十分となるおそれがある。逆に、上記充填剤の研磨層20に対する含有量が上記上限を超える場合、充填剤が砥粒21の研磨力を阻害するおそれがある。
上記バインダー22には、分散剤、カップリング剤、界面活性剤、潤滑剤、消泡剤、着色剤等の各種助剤及び添加剤等を目的に応じて適宜含有させてもよい。また、上記バインダー22の樹脂は、少なくとも一部が架橋していてもよい。
(溝)
上記溝23は、研磨層20の表面側に等間隔の格子状に構成される。また、上記溝23の底面は、基材10の表面で構成される。
各領域内における溝23の幅は略等幅である。すなわち複数の研磨部24は1つの領域内において平面視で同一の正方形状であり、略等密度で配設されている。また、上記溝23の幅は、後述する第1領域X1及び第3領域X3の方が第2領域X2及び第4領域X4よりも小さい。また、第1領域X1の溝23の幅と第3領域X3の溝23の幅とは略同一であり、第2領域X2の溝23の幅と第4領域X4の溝23の幅とは略同一である。
また、隣接する領域を分割する境界上に溝23が配設されているとよい。このように境界上に溝23を配設することで、研磨により領域間に発生する段差が溝23を挟んで対向するようになるため、溝23が緩衝エリアとなって被削体の縁欠けや割れの発生を抑止できる。
溝23の幅及び間隔は、隣接する領域(第1領域X1及び第2領域X2、第2領域X2及び第3領域X3、第3領域X3及び第4領域X4、並びに第4領域X4及び第1領域X1)の研磨部24の占有面積率の差が所定範囲内となるように適宜定められる。
具体的には、上記溝23の幅の下限としては、0.3mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。また、上記溝23の幅の上限としては、15mmが好ましく、10mmがより好ましい。上記溝23の幅が上記下限未満である場合、研磨により発生する研磨粉が溝23に詰まるおそれがある。一方、上記溝23の幅が上記上限を超える場合、被削体が溝23に落ち込み易くなるため、研磨時に被削体に傷が生じるおそれがある。
溝23の間隔の下限としては、2mmが好ましく、3mmがより好ましい。一方、溝23の間隔の上限としては、20mmが好ましく、10mmがより好ましい。溝23の間隔が上記下限未満である場合、研磨部24の占有面積率を所望の範囲とするためには、研磨部24の面積を小さくする必要があり、研磨部24が基材10から剥離するおそれがある。逆に、溝23の間隔が上記上限を超える場合、研磨部24の占有面積率を所望の範囲とするためには、溝23の幅を大きくする必要があり、研磨時に被削体が溝23に落ち込み、被削体に傷が生じるおそれがある。ここで、「溝の間隔」とは、格子間隔、すなわち格子の縦又は横を構成する平行な溝のピッチを指す。
個々の研磨部24の面積の下限としては、0.5mmが好ましく、1mmがより好ましい。一方、上記研磨部24の面積の上限としては、13mmが好ましく、7mmがより好ましい。上記研磨部24の面積が上記下限未満である場合、研磨層20の摩耗が早くなるため、当該研磨材1の耐久性が不足するおそれがある。また、研磨部24が基材10から剥離するおそれがある。逆に、上記研磨部24の面積が上記上限を超える場合、研磨層20が摩耗し難くなり適度な段差が生じ難くなるおそれがある。このため、研磨時に研磨部24の被削体への接触面積が大きくなり過ぎ、摩擦抵抗により研磨レートが低下するおそれがある。
(研磨層の領域)
上記研磨層20は、基材10表面の中心を通り直交する2つの直線により分割した第1領域X1、第2領域X2、第3領域X3、及び第4領域X4を有する。つまり、上記第1領域X1、第2領域X2、第3領域X3及び第4領域X4は略等角度間隔に配設されている。また、上述のように溝が構成されているので、第1領域X1及び第3領域X3の占有面積率が略同一であり、第2領域X2及び第4領域X4の占有面積率は略同一である。また、第1領域X1及び第3領域X3の研磨部24の占有面積率は、第2領域X2及び第4領域X4の研磨部24の占有面積率よりも大きい。従って、上記研磨層20は、研磨部24の占有面積率が異なる2種の領域を略等角度間隔に交互に有する。このように研磨層20が研磨部24の占有面積率が異なる2種の領域を略等角度間隔に交互に有することで、被削体が領域間を周期的に移動するので、さらに高い平坦化精度と研磨レートの低下の抑止効果とが得られる。
研磨部24の占有面積率が大きい第1領域X1及び第3領域X3の占有面積率の下限としては、9%が好ましく、11%がより好ましい。一方、上記第1領域X1及び第3領域X3の占有面積率の上限としては、16%が好ましく、13%がより好ましい。上記第1領域X1及び第3領域X3の占有面積率が上記下限未満である場合、占有面積率が小さい第2領域X2及び第4領域X4との占有面積率の差を所定範囲内とするためには、第2領域X2及び第4領域X4の占有面積率を比較的小さくする必要がある。このため、第2領域X2及び第4領域X4の研磨層20の摩耗が早くなるため、当該研磨材1の耐久性が不足するおそれがある。逆に、上記第1領域X1及び第3領域X3の占有面積率が上記上限を超える場合、研磨時に第1領域X1及び第3領域X3が摩耗し難くなり、第2領域X2及び第4領域X4との間の段差が大きくなる。これにより乗り越え抵抗が大きくなり過ぎるため、被削体の縁欠けや割れが発生するおそれがある。
研磨部24の占有面積率が小さい第2領域X2及び第4領域X4の占有面積率の下限としては、4.5%が好ましく、6%がより好ましい。一方、上記第2領域X2及び第4領域X4の占有面積率の上限としては、9%が好ましく、8%がより好ましい。上記第2領域X2及び第4領域X4の占有面積率が上記下限未満である場合、研磨層20の摩耗が早くなるため、当該研磨材1の耐久性が不足するおそれがある。逆に、上記第2領域X2及び第4領域X4の占有面積率が上記上限を超える場合、研磨時に第2領域X2及び第4領域X4が摩耗し難くなり、第1領域X1及び第3領域X3と第2領域X2及び第4領域X4との間に適度な段差が生じ難くなるおそれがある。このため研磨レートの低下が発生し易くなるおそれがある。
研磨部24の占有面積率が大きい第1領域X1及び第3領域X3の占有面積率と、研磨部24の占有面積率が小さい第2領域X2及び第4領域X4の占有面積率との差の下限としては、3%であり、4%がより好ましい。一方、上記占有面積率の差の上限としては、21%であり、12%がより好ましい。上記占有面積率の差が上記下限未満である場合、研磨時に第1領域X1及び第3領域X3と、第2領域X2及び第4領域X4との間に適度な段差が生じ難くなるおそれがある。このため研磨レートの低下が発生し易くなるおそれがある。逆に、上記占有面積率の差が上記上限を超える場合、研磨時に第1領域X1及び第3領域X3と第2領域X2及び第4領域X4との間に生じる段差が大きくなる。これにより乗り越え抵抗が大きくなり過ぎるため、被削体の縁欠けや割れが発生するおそれがある。
各領域の面積は、領域の分割数と基材10の大きさとにより決まるが、各領域の面積の下限としては、2000mmが好ましく、3000mmが好ましい。一方、各領域の面積の上限としては、20000mmが好ましく、15000mmがより好ましい。各領域の面積が上記下限未満である場合、被削体の前縁が領域を移動する際にも被削体の後縁が他の隣接する領域に位置し、乗り越え抵抗が不十分となるため、グリップ力向上効果が不足するおそれがある。逆に、各領域の面積が上記上限を超える場合、研磨時に被削体全体が同一領域に入ってから被削体の前縁が領域を移動するまでの距離が長く、乗り越え抵抗によるグリップ力向上効果が不十分となるおそれがある。
また、各領域の大きさは、被削体である基板の大きさより大きいことが好ましく、具体的には上記各領域が平面視で直径5cmの円を包含可能な大きさを有することが好ましい。各領域の大きさが被削体である基板の大きさ以下である場合、被削体の前縁が領域を移動する際にも被削体の後縁が他の隣接する領域に位置し、乗り越え抵抗が不十分となるため、グリップ力向上効果が不足するおそれがある。
(接着層)
接着層30は、当該研磨材1を支持し研磨装置に装着するための支持体に当該研磨材1を固定する層である。
この接着層30に用いられる接着剤としては、特に限定されないが、例えば反応型接着剤、瞬間接着剤、ホットメルト接着剤、粘着剤等が挙げられる。
この接着層30に用いられる接着剤としては、粘着剤が好ましい。接着層30に用いられる接着剤として粘着剤を用いることで、支持体から当該研磨材1を剥がして貼り替えることができるため当該研磨材1及び支持体の再利用が容易になる。このような粘着剤としては、特に限定されないが、例えばアクリル系粘着剤、アクリル−ゴム系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、ブチルゴム系等の合成ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤等が挙げられる。
接着層30の平均厚さの下限としては、0.05mmが好ましく、0.1mmがより好ましい。また、接着層30の平均厚さの上限としては、0.3mmが好ましく、0.2mmがより好ましい。接着層30の平均厚さが上記下限未満である場合、接着力が不足し、研磨材1が支持体から剥離するおそれがある。一方、接着層30の平均厚さが上記上限を超える場合、当該研磨材1を所望する形状に切る際に支障をきたすなど、作業性が低下するおそれがある。
<平面基板の研磨>
当該研磨材1はガラス基板をはじめとする平面基板の片面又は両面研磨に好適に用いられる。
当該研磨材1の1回目の研磨における研磨レートに対する5回目の研磨時の研磨レートの割合(研磨レート維持率)の下限としては、60%が好ましく、75%がより好ましく、90%がさらに好ましい。上記研磨レート維持率が上記下限未満である場合、研磨レートの低下により研磨効率が低下するおそれがある。一方、上記研磨レート維持率の上限は特に限定されず、大きいほどよい。ここで、研磨レートとは、直径5.08cm、比重3.97、c面のサファイア基板を研磨圧力200g/cm、上定盤回転数−25rpm、下定盤回転数50rpm及びSUNギア回転数8rpmの条件で10分間の研磨を繰り返し行った際の1回当たりの研磨レートを指す。具体的には、研磨レートは、研磨前後のサファイア基板の重量変化(g)を、基板の表面積(μm)、基板の比重(g/μm)及び研磨時間(分)で除すことで算出できる。
当該研磨材1の1回目の研磨における研磨レートの下限としては、10μm/minが好ましく、12μm/minがより好ましく、15μm/minがさらに好ましい。上記研磨レートが上記下限未満である場合、研磨効率が低下するおそれがある。一方、上記研磨レートの上限は特に限定されない。
<研磨材の製造方法>
当該研磨材1は、研磨層用組成物を準備する工程、研磨層用組成物を基材10の表面側に印刷する工程、及び接着層30を貼付する工程により製造できる。
(研磨層用組成物準備工程)
まず、研磨層用組成物準備工程において、無機物を主成分とするバインダー22の形成材料、充填剤及び砥粒21を含む研磨層用組成物を塗工液として準備する。また、塗工液の粘度や流動性を制御するために、水、アルコール等の希釈剤等を添加する。
次に、研磨層形成工程において、上記研磨層用組成物準備工程で準備した塗工液を用い、基材10の表面に印刷法により溝23で区分された複数の研磨部24から構成される研磨層20を形成する。この研磨層20は、研磨部24の占有面積率の異なる2種の領域を2つずつ有する。具体的には、基材10表面の中心を通り直交する2つの直線により分割した4つの領域に対して、この2種の領域が研磨方向に沿って交互に配設される。また、研磨層20の形成は、この2種の領域に対応するマスクを用意し、このマスクを介して上記研磨層用組成物を印刷することで行われる。上記マスクは、溝23を形成するため、それぞれの領域の溝23の形状に対応する形状を有する。この印刷方式としては、例えばスクリーン印刷、メタルマスク印刷等を用いることができる。
印刷後、塗工液を加熱脱水及び加熱硬化させることで研磨層20を形成する。具体的には、例えば塗工液を室温(25℃)で乾燥させ、70℃以上90℃以下の温度で加熱脱水させた後、140℃以上310℃以下の熱で2時間以上4時間以下の範囲で硬化させることで、バインダー22を形成する。
(接着層貼付工程)
最後に、接着層貼付工程において、上記基材10の裏面に接着層30を貼付し、当該研磨材1を得ることができる。
<利点>
当該研磨材1は、研磨方向に沿って隣接する一対の上記領域の複数の研磨部24の占有面積率の差が上記範囲内である。このため、当該研磨材1では研磨中に受ける研磨圧力が占有面積率の小さい領域の方が適度に大きい。この研磨圧力差により占有面積率の小さい領域の方が先に摩耗するため、当該研磨材1は隣接する領域間に適度な段差を生じる。従って、研磨時に被削体が高さの小さい領域から大きい領域へ、又はその逆方向へ移動しながら研磨される。この領域を移動する際の乗り越え抵抗により当該研磨材1のグリップ力が向上し、かつ高さの大きい、すなわち占有面積率が大きい領域において面圧がさらに高まる。これにより当該研磨材1は、研磨時の面圧をより有効に活用できるので、高い研磨レートと平坦化精度を有し、かつグリップ力により比較的長期間に渡り研磨レートが低下し難い。従って、当該研磨材1はドレスを頻繁に行う必要がないため、ランニングコストの低減や工程管理の簡易化ができ、かつ研磨精度及び研磨効率に優れる。さらに、研磨時に砥粒を新たに供給する必要がないため、当該研磨材1を用いた研磨は遊離砥粒を用いた研磨に比べて研磨コストが低い。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態を適宜図面を参照しつつ詳説する。
図2に示す当該研磨材2は、円盤状であり、基材11と、この基材11の表面側に積層される研磨層20とを主に備える。また、当該研磨材2は、基材11の裏面側に積層される接着層30を備える。さらに、当該研磨材2は、接着層30を介して積層される支持体40及びその支持体40の裏面側に積層される支持体接着層41を備える。なお、第1実施形態と同様の構成要素は同一の符号を付し、説明を省略する。
(基材)
上記基材11は、研磨層20を支持するための板状の部材である。基材11は、その研磨方向に沿って第1領域X1、第2領域X2、第3領域X3、及び第4領域X4に分断されている。つまり、隣接する領域の境界に位置する溝の底面は、支持体40の表面で構成される。基材11を各領域に分断することで、それぞれ研磨部24の占有面積率の異なる研磨層20を形成した複数の基材11の貼り合わせにより当該研磨材2が構成できるので、研磨部24の占有面積率の異なる領域を1の基材に形成する場合に比べ、当該研磨材2の製造が容易である。
基材11の材質、大きさ及び平均厚さは、第1実施形態の基材10と同様とできる。
(支持体)
支持体40は、基材11を支持し、また当該研磨材2を研磨装置に固定するための板状の部材である。
上記支持体40の材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性を有する樹脂やポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等のエンジニアリングプラスチックなどを挙げることができる。上記支持体40にこのような材質を用いることにより上記支持体40が可撓性を有し、当該研磨材2が被削体の表面形状に追従し、研磨面と被削体とが接触し易くなるため研磨効率が向上する。
上記支持体40の平均厚さとしては、例えば0.5mm以上3mm以下とすることができる。上記支持体40の平均厚さが上記下限未満である場合、支持体40の強度が不足するおそれがある。一方、上記支持体40の平均厚さが上記上限を超える場合、上記支持体40を研磨装置に取り付け難くなるおそれや上記支持体40の可撓性が不足するおそれがある。
(支持体接着層)
支持体接着層41は、支持体40を研磨装置に装着するための層である。
支持体接着層41の接着剤の種類及び平均厚さは接着層30と同様とできる。
<研磨材の製造方法>
当該研磨材2は、研磨層用組成物を準備する工程、研磨層用組成物を基材11の表面側に印刷する工程、上記基材11を支持体40に固定する工程及び支持体接着層41を貼付する工程により製造できる。
(研磨層用組成物準備工程)
研磨層用組成物準備工程は、第1実施形態における研磨層用組成物準備工程と同様であるので、説明を省略する。
(印刷工程)
次に、印刷工程において、上記研磨層用組成物準備工程で準備した塗工液を用い、基材11に上記研磨層用組成物を印刷する。
具体的には、当該研磨材2の研磨部24の占有面積率が異なる2種の領域用にそれぞれ2枚の基材11を準備する。この基材11に対応するマスクを用意し、このマスクを介して上記研磨層用組成物を印刷する。なお、上記マスクは、溝23を形成するために、各領域の溝23の形状に対応する形状を有する。印刷方法は、第1実施形態と同様とできる。
(基材貼付工程)
次に、基材貼付工程において、研磨層20を形成した上記基材11を当該研磨材2の各領域の形状に合うように切断し、接着層30を介して支持体40にそれぞれ接着する。
(支持体接着層貼付工程)
最後に、支持体接着層貼付工程において、上記支持体40の裏面に支持体接着層41を貼付し、当該研磨材2を得ることができる。
<利点>
当該研磨材2が支持体40を備えることで、当該研磨材2の取り扱いが容易となる。
[その他の実施形態]
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
上記実施形態では、研磨材が円盤状である場合を説明したが、研磨材の形状は円盤状に限定されない。例えば研磨材は正方形状とすることができる。研磨材を正方形状とする場合の大きさとしては特に限定されないが、例えば一辺が140mm以上160mm以下の正方形状とすることができる。
上記実施形態では、溝を格子状、すなわち研磨部の平面形状を正方形状としたが、研磨部の平面形状は正方形状でなくともよく、例えば四角形以外の多角形が繰り返される形状、円形状等であってもよい。
また、上記実施形態において、上記複数の溝部の底面が基材の表面である構成としたが、溝部の深さが研磨層の平均厚さよりも小さく、溝部が基材の表面に達さなくともよい。その場合、溝部の深さは、研磨層の平均厚さの50%以上とできる。溝部の深さが上記下限未満である場合、摩耗により溝部が消失するおそれがあり、研磨材が耐久性に劣る場合がある。
上記実施形態では、2種の領域の占有面積率が溝の幅により異なる場合を説明したが、他のパラメータ、例えば溝の形状(研磨部の形状)や溝の間隔又は数等により占有面積率を変えてもよい。
上記実施形態では、占有面積率の異なる2種の領域からなる研磨材について説明したが、占有面積率が異なる領域の数は2種に限定されず、占有面積率が異なる領域の数が3種以上であってもよい。
また、上記実施形態では、複数種の領域が研磨方向に沿って交互に配設されている場合を説明したが、上記複数種の領域の配設は交互でなくともよい。
上記実施形態では、各領域として基材を4分割する場合を示したが、この分割数は4に限定されるものではなく、2分割、3分割や5分割以上であってもよい。なお、上記分割数の下限としては、4が好ましい。上記分割数が上記下限未満である場合、占有面積率の異なる領域を被削体が研磨時に乗り越える単位時間当たりの回数が減るため、乗り越え抵抗によるグリップ力向上効果が不十分となるおそれがある。
上記第1実施形態では、研磨材が接着層を有する場合を説明したが、接着層は必須の構成要件ではなく、省略可能である。例えば接着層は支持体側にあってもよく、またビス留め等の他の固定手段を用いて支持体に固定してもよい。
上記実施形態では、溝が空間である場合を説明したが、研磨材が上記溝に充填される充填部を備えてもよい。上記充填部は、樹脂又は無機物を主成分とし、かつ砥粒を実質的に含まないことが好ましい。なお、「砥粒を実質的に含まない充填部」とは、砥粒の含有量が0.001体積%未満、好ましくは0.0001体積%未満であることを意味する。
研磨材が充填部を備える場合、上記充填部の平均厚さの研磨層の平均厚さに対する比の下限としては、0.1が好ましく、0.5がより好ましく、0.8がさらに好ましく、0.95が特に好ましい。一方、上記充填部の平均厚さの比の上限としては、1が好ましく、0.98がより好ましい。上記充填部の平均厚さの比が上記下限未満である場合、研磨時の被削体の溝への落ち込み抑止効果が不十分となるおそれがある。逆に、上記充填部の平均厚さの比が上記上限を超える場合、研磨開始時に研磨層が十分に被削体に接しないおそれや、研磨圧力が充填層にも分散し、研磨層に加わる研磨圧力が不十分となるおそれがある。ここで、「充填部の平均厚さ」とは、基材の表面と充填部の表面との距離の平均を意味する。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、当該発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ダイヤモンド砥粒を用意し、日機装株式会社の「MicrotracMT3300EXII」を用いて平均粒子径を計測した。このダイヤモンド砥粒の平均粒子径は44μmであった。なお、この砥粒のダイヤモンドの種類は55質量%ニッケルコーティングされた処理ダイヤモンドである。
バインダーとしてのケイ酸ナトリウム(3号ケイ酸ソーダ)、上記ダイヤモンド砥粒、及び充填剤としてのアルミナ(Al、平均粒子径12μm)を混合し、ダイヤモンド砥粒の研磨層に対する含有量が5体積%及び充填剤の研磨層に対する含有量が71体積%となるよう調製し、塗工液を得た。
基材として平均厚さ300μm、外径386mm、内径148mmの円盤状のアルミニウム板を用意した。この基材の表面の中心を通り、かつ隣接する直線と45度の角度をなす4本の直線により8つの領域を分割し、円周方向に沿って占有面積率の異なる2種類の領域が交互に配設されるように研磨層を形成した。具体的には、研磨部の平面視形状が1辺1.5mmの正方形状であり、かつ溝の幅が3.5mmである研磨層を占有面積率の小さい領域に形成し、研磨部の平面視形状が直径1.2mmの円形状であり、かつ溝の幅が3.8mmである研磨層を占有面積率の大きい領域に形成した。なお、印刷のパターンとして溝に対応するマスクを用いることで、研磨層に溝を形成した。また、上記研磨部は規則的に配列したブロックパターン状とした。2種類の領域の占有面積率及びその差は表1に示す通りである。なお、上記領域は、平面視で直径8.5cmの円を包含可能な大きさを有する。
上記塗工液は、室温(25℃)で乾燥させ、60℃以上100℃以下の温度で加熱脱水させた後、300℃で2時間以上4時間以下の時間で硬化させた。
また、基材を支持し研磨装置に固定する支持体として平均厚さ1mmの硬質塩化ビニル樹脂板を用い、上記基材の裏面と上記支持体の表面とを平均厚さ130μmの粘着剤で貼り合わせた。上記粘着剤としては、両面テープを用いた。このようにして実施例1の研磨材を得た。
[実施例2]
研磨部の平面視形状が1辺1.5mmの正方形状であり、かつ溝の幅が3.5mmである研磨層を占有面積率の小さい領域に形成し、研磨部の平面視形状が直径1.5mmの正方形状であり、かつ溝の幅が2.346mmである研磨層を占有面積率の大きい領域に形成した。上記以外は、実施例1と同様にして実施例2の研磨材を得た。
[実施例3]
領域を1辺5mmの正方形状とし、研磨部の平面視形状が直径1.69mmの正方形状であり、かつ溝の幅が3.31mmである研磨層を占有面積率の小さい領域に形成し、研磨部の平面視形状が直径1.2mmの正方形状であり、かつ溝の幅が3.8mmである研磨層を占有面積率の大きい領域に形成した。上記以外は、実施例1と同様にして実施例3の研磨材を得た。
[実施例4]
領域を1辺25mmの正方形状とした以外は、実施例3と同様にして実施例4の研磨材を得た。
[比較例1]
研磨層が占有面積率の異なる領域を有さず、研磨部の平面視形状が直径1.5mmの正方形状であり、かつ溝の幅が3.5mmである研磨層を基材であるアルミニウム板の表面全面に形成した以外は、実施例1と同様にして比較例1の研磨材を得た。
[比較例2]
研磨部の平面視形状が直径1.5mmの正方形状であり、かつ溝の幅が3.8mmである研磨層を形成した以外は、比較例1と同様にして比較例2の研磨材を得た。
[比較例3]
研磨部の平面視形状が直径1.5mmの正方形状であり、かつ溝の幅が2.346mmである研磨層を形成した以外は、比較例1と同様にして比較例3の研磨材を得た。
Figure 0006316460
[研磨条件]
上記実施例1〜4及び比較例1〜3で得られた研磨材を用いて、サファイア基板の研磨を行った。上記サファイア基板には、直径5.08cm、比重3.97、c面のサファイア基板(アズラップ処理済)を用いた。上記研磨には、市販の両面研磨機を用いた。両面研磨機のキャリアは、厚さ0.4mmのエポキシガラスである。研磨は、研磨圧力を200g/cmとし、上定盤回転数−25rpm、下定盤回転数50rpm及びSUNギア回転数8rpmの条件を用いて10分間ずつ5回行った。その際、クーラントとして、出光興産株式会社の「ダフニーカットGS50K」を毎分30cc供給した。
<研磨レート>
研磨レートの算出には、1回目の研磨を10分間行ったサファイア基板を用いた。研磨レートは、研磨前後の基板の重量変化(g)を、基板の表面積(cm)、基板の比重(g/cm)及び研磨時間(分)で除し、算出した。結果を表2に示す。
<維持率>
研磨レートの維持率は、5回目の研磨時の研磨レートを1回目の研磨時の研磨レートで除して算出した。結果を表2に示す。
Figure 0006316460
表2から実施例1〜4の研磨材は、比較例1〜3の研磨材と比べて研磨レートが同等であり、かつ研磨レートが低下し難い。これに対し、比較例1〜3の研磨材は、占有面積率の異なる領域を有さないため、乗り越え抵抗によるグリップ力向上効果が得られず研磨レートの維持率が低下したと考えられる。このことから、実施例1〜4の研磨材は、研磨部の占有面積率が異なる2種の領域を有するので、研磨レート及び研磨レート維持性に優れることが分かる。
また、実施例1〜2と実施例3〜4とを比べると、実施例1〜2の方が、研磨レートが低下し難い。このことから、領域が平面視で直径5cmの円を包含可能な大きさを有することで、研磨レート維持性がさらに優れることが分かる。
本発明の研磨材は、研磨精度に優れると共に研磨効率が低下し難く、かつ研磨コストが低い。従って、当該研磨材は、電子機器等に用いられるガラス基板や、サファイアや炭化ケイ素といった難加工基板の研磨に好適に用いることができる。
1、2 研磨材
10、11 基材
20 研磨層
21 砥粒
22 バインダー
23 溝
24 研磨部
30 接着層
40 支持体
41 支持体接着層
X1 第1領域
X2 第2領域
X3 第3領域
X4 第4領域

Claims (7)

  1. 基材と、この基材の表面側に積層され、砥粒及びそのバインダーを含む研磨層とを備える研磨材であって、
    上記研磨層が、その表面に溝により区分された複数の研磨部を備え、かつ上記複数の研磨部の占有面積率が異なる複数種の領域を研磨方向に沿って有し、
    研磨方向に沿って隣接する一対の上記領域の複数の研磨部の占有面積率の差が3%以上21%以下であり、
    上記複数の研磨部が1つの領域内において平面視で同一の形状であることを特徴とする研磨材。
  2. 上記形状が正方形状又は円形状である請求項1に記載の研磨材。
  3. 基材と、この基材の表面側に積層され、砥粒及びそのバインダーを含む研磨層とを備える研磨材であって、
    上記研磨層が、その表面に溝により区分された複数の研磨部を備え、かつ上記複数の研磨部の占有面積率が異なる複数種の領域を研磨方向に沿って有し、
    研磨方向に沿って隣接する一対の上記領域の複数の研磨部の占有面積率の差が3%以上21%以下であり、
    研磨方向に沿って隣接する一対の領域のうち、一方の領域における複数の研磨部の占有面積率が4.5%以上9%以下であり、
    他方の領域における複数の研磨部の占有面積率が9%以上16%以下であることを特徴とする研磨材。
  4. 上記各領域が平面視で直径5cmの円を包含可能な大きさを有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の研磨材。
  5. 上記砥粒がダイヤモンド砥粒である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の研磨材。
  6. 上記バインダーの主成分が無機物である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の研磨材。
  7. 上記バインダーが酸化物を主成分とする充填剤を含有する請求項6に記載の研磨材。
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