JP6308652B2 - 薄膜製品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、薄膜製品の製造方法に関するものである。
ラテックス組成物を浸漬成形してなる薄膜製品は安価なため、手袋などの幅広い用途に応用されている。
このような薄膜製品においては摩擦特性や風合い、意匠性といった付加価値をつけるために、その一部または全体を連続する規則的な凹凸形状にすることがある(例えば特許文献1等参照)。
浸漬成形で薄膜製品を凹凸形状にする方法はいくつかあるが、表面に凹凸形状を施した型をラテックス組成物に浸漬したのち引き上げて当該ラテックス組成物を型の表面に付着させ、次いで付着させたラテックス組成物を加熱乾燥させたのち表裏を反転させながら脱型する方法が一般的である。
この場合、型の凹部は薄膜製品の凸部となり、型の凸部は薄膜製品の凹部となる。
ところがこの方法では型の表面に付着させたラテックス組成物が当該型の凹部に集まりやすく、逆に型の凸部において希薄になりやすいため、製品の膜の厚みが凹部において凸部と比べて相対的に薄くなって裂け易くなるといった問題がある。
特開2012−162825号公報
本発明は、浸漬成形によって形成され、凹凸形状を有するとともに、凹部と凸部の膜の厚みの差が小さいため裂けにくい薄膜製品を製造するための製造方法を提供することにある。
本発明は、薄膜製品の凹凸形状に対応した凸部および凹部が連続して交互に配列された型をラテックス組成物に浸漬したのち引き上げて当該ラテックス組成物を型の表面に付着させる工程、および付着させたラテックス組成物を加熱乾燥させたのち脱型する工程を含み、前記ラテックス組成物は、表面張力が35mN/m以下であるとともに、前記型は、凸部を構成する凸曲面の曲率半径の最小値が2.5mm以上、3.2mm以下で、かつ凹部を構成する凹曲面の曲率半径の最小値が1.5mm以上、2.0mm以下、凸曲面と凹曲面の変曲点での接線と、1つの凹曲面を挟んで隣り合う1対の凸曲面の頂点間をつなぐ直線とがなす内角、または当該接線と、1つの凸曲面を挟んで隣り合う一対の凹曲面の頂点間をつなぐ直線とがなす内角が116°以上に設定されている薄膜製品の製造方法である。
従来の製造方法で製品の凹部と凸部の膜の厚みに差が生じるのは、型の表面に付着させたラテックス組成物が、自身の表面張力の影響で加熱乾燥前に流動するのが原因である。
すなわち型の凸部付近では、ラテックス組成物は自身の表面張力の影響で凸部の最高位置付近から周囲に流出して、当該最高位置付近で薄くその周囲で厚く付着する傾向がある。
一方、型の凹部付近では、ラテックス組成物は自身の表面張力の影響で凹部内に流入して、凹部の最低位置付近で厚くその周囲で薄く付着する傾向がある。
そしてこの2つの傾向の相乗作用により、ラテックス組成物は型の凹部に集まり、逆に型の凸部において希薄になって、加熱乾燥後に型から反転させて脱型した薄膜製品の膜の厚みが凹部において凸部と比べて相対的に薄くなり裂け易くなる。
これに対し本発明によれば、型の凸部を構成する凸曲面の曲率半径の最小値を2.5mm以上に設定することで、ラテックス組成物が自身の表面張力の影響で凸部の最高位置付近から周囲に流出するのを抑制できる。
また型の凹部を構成する凹曲面の曲率半径の最小値を1.5mm以上に設定することで、ラテックス組成物が自身の表面張力の影響で凹部内に流入するのを抑制できる。
そのためラテックス組成物が型の凹部に集まるとともに凸部において希薄になるのを抑制して、加熱乾燥後に型から反転させて脱型した薄膜製品の凹部と凸部の膜の厚みの差を極力小さくでき、裂けにくくすることができる。
なお凸曲面の曲率半径の最小値が3.2mm以下に設定され、凹曲面の曲率半径の最小値が2.0mm以下に設定されるのは、いずれか一方でもこの範囲を超える場合には凹部と凸部の高低差が小さくなって、先に説明した摩擦特性や風合い、意匠性といった付加価値を有するはっきりした凹凸形状を薄膜製品に付与できないためである。
また、本発明によれば、凸曲面と凹曲面の変曲点での接線と、1つの凹曲面を挟んで隣り合う1対の凸曲面の頂点間をつなぐ直線とがなす内角、または当該接線と、1つの凸曲面を挟んで隣り合う一対の凹曲面の頂点間をつなぐ直線とがなす内角を116°以上に設定することで隣接する2つの凸部間の間隔を広げて、両凸部間の凹部にラテックス組成物が流入するのを抑制できる。そのため加熱乾燥後に型から反転させて脱型した薄膜製品の凹部と凸部の膜の厚みの差をより一層小さくして、さらに裂けにくくすることができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、内角は、上記の範囲でも120°以上であるのが好ましい。
また内角は、上記の範囲でも140°以下であるのが好ましい。内角をこの範囲に設定することで凹凸の高低差を確保して、薄膜製品により一層はっきりした凹凸形状を付与できる。
さらに、本発明によれば、表面張力が35mN/m以下であるラテックス組成物を用いることにより、ラテックス組成物が型の表面で流動するのを抑制できる。そのため加熱乾燥後に型から反転させて脱型した薄膜製品の凹部と凸部の膜の厚みの差をより一層小さくして、さらに裂けにくくすることができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、ラテックス組成物の表面張力は、上記の範囲でも30mN/m以下であるのが好ましい。
本発明によれば、浸漬成形によって形成され、凹凸形状を有するとともに、凹部と凸部の膜の厚みの差が小さいため裂けにくい薄膜製品を製造するための製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法によって製造される薄膜製品の一例としての、手袋の正面図である。 図1の例の手袋を本発明の製造方法によって製造するために使用する型の、要部を拡大した断面図である。
〈手袋およびその製造方法〉
図1は、本発明の製造方法によって製造される薄膜製品の一例としての、手袋1の正面図である。また図2は、図1の例の手袋を本発明の製造方法によって製造するために使用する型の、要部を拡大した断面図である。
図1を参照して、この例の手袋1は、図では上側の一端が手首部2とされた略筒状の袖部3、および当該袖部3に手首部2を介して連なる、手指部4を備えた手袋本体5を有している。
袖部3の、図において下側の他端は袖口6として開口されている。また袖部3の、袖口6の近傍には袖部3の他の部位より周長の小さい絞り部7が設けられている。
袖部3には、手首部2から絞り部7までの間の領域に、当該手首部2から袖口6へ向けて、帯状の凹部8と凸部9が複数本ずつ、全周に亘って交互に配列されている。
これにより袖部3は、周方向に伸縮自在なプリーツ形状とされている。
図2を参照して、かかる手袋1は、当該手袋1の立体形状に対応し、なおかつ袖部3に対応する領域に凹部8に対応する帯状の凸部10と、凸部9に対応する帯状の凹部11とが複数本ずつ、全周に亘って交互に形成された型12を用いて、浸漬成形によって製造される。浸漬成形の工程は従来同様とすることができる。
すなわち型12をあらかじめ40〜80℃に加温した状態で、凝固剤(主に硝酸カルシウム溶液)に浸漬したのち引き上げて乾燥させる。
次いでこの型12を、ラテックス組成物中に一定時間に亘って浸漬したのち引き上げることで、当該型12の表面にラテックス組成物を付着させる。
そして引き上げた型ごとラテックス組成物を加熱乾燥させる。すなわち加熱して膜を乾燥させるか、あるいは一旦乾燥させた後に加熱する。
そうするとラテックス組成物が固形分としてゴムを含むものである場合は、ラテックス組成物が乾燥されるとともにゴムが加硫される。また固形分として熱可塑性樹脂を含むものである場合は、ラテックス組成物が乾燥されるとともに樹脂が溶融一体化されたのち冷却によって固化される。さらに固形分として熱硬化性樹脂を含むものである場合は、ラテックス組成物が乾燥されるとともに熱硬化性樹脂が硬化される。
次いで膜を裏返しながら脱型すると、型の凸部10の部分の膜が凹部8、凹部11の部分の膜が凸部9とされた、図1に示す手袋1が製造される。
〈型〉
本発明の製造方法では、かかる浸漬成形に使用する型12として、先に説明したように凸部10を構成する凸曲面13の曲率半径の最小値Rが2.5mm以上、3.2mm以下で、かつ凹部11を構成する凹曲面14の曲率半径の最小値Rが1.5mm以上、2.0mm以下に設定されたものを用いる。
そうすると型12の表面に付着した加熱乾燥前のラテックス組成物が型12の凹部11に集まったり、凸部10において希薄になったりするのを抑制して、加熱乾燥後に型12から反転させて脱型した手袋1の凹部8と凸部9の膜の厚みの差を極力小さくでき、裂けにくくすることが可能となる。
なお本発明において、凸曲面13および凹曲面14の曲率半径の「最小値」を規定しているのは、これら曲面の断面形状が円弧状、放物線状、双曲線状、正弦曲線状、角がRになった台形状等のいずれの形状であっても、その曲率半径が最も小さい部分、つまり最小値の部分において、先に説明したラテックス組成物の表面張力の影響が最も大きく出るためである。
なお最小値の部分は、円弧状の場合はその全体であり、台形状の場合はRになった角の部分に存在する。また放物線状、双曲線状、正弦曲線状の場合は、凸曲面13であればその頂点付近、つまり凸部10の最高位置付近に存在し、凹曲面14であればその頂点付近、つまり凹部11の最低位置付近に存在する。
また、型12は、凸曲面13と凹曲面14の変曲点Pでの接線Lと、1つの凹曲面14を挟んで隣り合う一対の凸曲面13の頂点間をつなぐ直線Lとがなす内角θ、または当該接線Lと、1つの凸曲面13を挟んで隣り合う一対の凹曲面14の頂点間をつなぐ直線Lとがなす内角θ116°以上である必要があり、特に120°以上、140°以下あるのが好ましい
内角を120°以上に設定することで隣接する2つの凸部10間の間隔を広げて、両凸部10間の凹部11にラテックス組成物が流入するのを抑制できる。そのため加熱乾燥後に型から反転させて脱型した手袋1の凹部8と凸部9の膜の厚みの差をより一層小さくして裂けにくくすることができる。
また内角を140°以下に設定することで凹凸の高低差を確保して、手袋1により一層はっきりした凹凸形状を付与できる。
〈ゴム系ラテックス組成物〉
固形分としてゴムを含むラテックス組成物は、従来同様に、ゴムのラテックスに加硫剤等の各種添加剤を配合して調製される。
ゴムとしては天然ゴム、および合成ゴムの中からラテックス化が可能な種々のゴムがいずれも使用可能であり、かかるゴムとしては、例えば天然ゴム、脱蛋白天然ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)等の1種または2種以上が挙げられる。
ゴムを加硫させる加硫剤としては硫黄や有機含硫黄化合物等が挙げられる。特に硫黄が好ましい。加硫剤の配合割合は、ゴムラテックス中のゴム(固形分)100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、3質量部以下であるのが好ましい。
ゴムおよび加硫剤を含むラテックス組成物には、さらに加硫促進剤、熱安定剤、加硫促進助剤、老化防止剤、充填剤、pH調整剤、分散安定剤、増粘剤、発泡剤、消泡剤、可塑剤、着色剤等の各種添加剤を配合してもよい。
このうち加硫促進剤としては、例えばPX(N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛)、PZ(ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛)、EZ(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)、BZ(ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛)、MZ(2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩)、TT(テトラメチルチウラムジスルフィド)等の1種または2種以上が挙げられる。
加硫促進剤の配合割合は、ゴムラテックス中のゴム100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、3質量部以下であるのが好ましい。
加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華(酸化亜鉛)、および/またはステアリン酸等が挙げられる。加硫促進助剤の配合割合は、ゴムラテックス中のゴム100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、3質量部以下であるのが好ましい。
老化防止剤としては、一般に非汚染性のフェノール類が好適に用いられるが、アミン類を使用してもよい。老化防止剤の配合割合は、ゴムラテックス中のゴム100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、3質量部以下であるのが好ましい。
充填剤としては、例えばカオリンクレー、ハードクレー、炭酸カルシウム、酸化チタン等の1種または2種以上が挙げられる。充填剤の配合割合は、ゴムラテックス中のゴム100質量部あたり1質量部以上であるのが好ましく、10質量部以下であるのが好ましい。
pH調整剤としては、例えば水酸化カリウム等が挙げられる。pH調整剤の配合割合は、ラテックス組成物のpHを、ゴムの分散に適したpHとするために必要な任意量に設定すればよいが、ゴムラテックス中のゴム100質量部あたり0.05質量部以上であるのが好ましく、3質量部以下であるのが好ましい。
分散安定剤は、以上で説明した各種添加剤をゴムラテックス中に良好に分散させるために配合されるものであり、当該分散安定剤としては、例えば陰イオン系界面活性剤等の1種または2種以上が挙げられる。分散安定剤の配合割合は、ゴムラテックス中のゴム100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
増粘剤は、ラテックス組成物に適度な粘度を付与して、型の表面に良好に付着させたり、手袋を多孔質構造とするべく、ラテックス組成物を起泡させる際に、当該ラテックス組成物の粘性を高めて起泡を助けたりするためのものであり、かかる増粘剤としては、例えばポリアクリル酸等の水溶性高分子が挙げられる。増粘剤は、先に説明したようにラテックス組成物の粘度が高くなりすぎるのを防止して、ムラ等のない手袋を製造するために省略するのが好ましいが、配合する場合は、ラテックス組成物に求められる粘度等に応じて、その配合割合を適宜設定すればよい。
〈樹脂系ラテックス組成物〉
固形分として樹脂を含むラテックス組成物は、従来同様に、樹脂のエマルションに各種添加剤を配合して調製される(厳密にはラテックスではないが、便宜上、ゴムのラテックスを含むものに合わせてこのように記載する)。
樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、硬化性アクリル系樹脂等の、エマルション化が可能な樹脂の1種または2種以上が挙げられる。
樹脂を含むラテックス組成物には、さらに熱安定剤、老化防止剤、充填剤、分散安定剤、増粘剤、発泡剤、可塑剤、着色剤等の各種添加剤を配合してもよい。
このうち老化防止剤としては、先に例示した非汚染性のフェノール類やアミン類等の1種または2種以上が挙げられる。老化防止剤の配合割合は、樹脂エマルション中の樹脂(固形分)100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、3質量部以下であるのが好ましい。
充填剤としては、先に例示した充填剤の1種または2種以上が挙げられる。充填剤の配合割合は、樹脂エマルション中の樹脂100質量部あたり1質量部以上であるのが好ましく、10質量部以下であるのが好ましい。
分散安定剤としては、先に例示した陰イオン系界面活性剤等の1種または2種以上が挙げられる。分散安定剤の配合割合は、樹脂エマルション中の樹脂100質量部あたり0.3質量部以上であるのが好ましく、1質量部以下であるのが好ましい。
増粘剤としては、先に説明したように水溶性高分子等の、ラテックス組成物に適度な粘度を付与したり、起泡を助けたりする機能を有する種々の増粘剤が使用可能である。増粘剤は、先に説明したようにラテックス組成物の粘度が高くなりすぎるのを防止して、ムラ等のない手袋を製造するために省略するのが好ましいが、配合する場合は、ラテックス組成物に求められる粘度等に応じて、その配合割合を適宜設定すればよい。
またラテックス組成物には、ウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂を硬化させるための架橋剤、硬化剤等を、適宜の割合で配合してもよい。
〈ラテックス組成物の表面張力〉
ラテックス組成物は、表面張力が35mN/m以下である必要があり、特に30mN/m以下であるのが好ましい。
これにより、ラテックス組成物が型12の表面で流動するのを抑制できる。そのため加熱乾燥後に型から反転させて脱型した手袋1の凹部8と凸部9の膜の厚みの差をより一層小さくして、さらに裂けにくくすることができる。
ラテックス組成物の表面張力の下限は特に限定されず、浸漬成形を実施した際に型12の表面に付着可能な表面張力を有するラテックス組成物がいずれも使用可能である。
ラテックス組成物の表面張力を調製するには、例えば分散安定剤としての陰イオン系界面活性剤等の配合割合や量を調整したりすればよい。
なお本発明の製造方法は、以上で説明した手袋の製造には限定されず、ラテックス組成物を用いた浸漬成形によって製造され、その一部または全体が連続する規則的な凹凸形状に形成される従来公知の種々の薄膜製品の製造に適用することができる。
また凹凸形状は、帯状の凹部8と凸部9が交互に形成されたものには限定されず、いずれも平面形状が略円形の凹部と凸部とが交互に配列した形状等であってもよい。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことができる。
〈実施例1〉
(型)
型12としては、全体が図1に示す手袋1の形状に対応し、なおかつ図2に示す凸曲面13の曲率半径の最小値Rが3.05mm、凹曲面14の曲率半径の最小値Rが1.79mm、凸曲面13と凹曲面14の変曲点Pの接線Lと、1つの凹曲面14を挟んで隣り合う1対の凸曲面13の頂点間をつなぐ直線Lとがなす内角θが130°、そして当該接線Lと、1つの凸曲面13を挟んで隣り合う一対の凹曲面14の頂点間をつなぐ直線Lとがなす内角θが130°である陶器製のものを用意した。
(ラテックス組成物)
天然ゴムラテックスに、下記表1に示す各成分を配合し、2日間熟成させてラテックス組成物を調製した。調製したラテックス組成物の表面張力は28mN/mであった。
表中の各成分の質量部は、天然ゴムラテックス中の天然ゴム分100質量部あたりの質量部とした。また水酸化カリウムは水溶液として配合したが、表中の質量部は、有効成分としての水酸化カリウム(固形分)の質量部とした。
Figure 0006308652
(手袋の製造)
先の型を、まず60℃で20分間、加温したのち、20%硝酸カルシウム水溶液に浸漬し、引き上げたのち60℃で1分間加熱して乾燥させた。
次いで型を、上記のラテックス組成物に20秒間、浸漬したのち引き上げることで、その表面にラテックス組成物を付着させた。
そして引き上げた型ごと115℃で45分間、加熱して浸漬液を乾燥させるとともに天然ゴムを加硫させたのち、裏返しながら脱型して手袋1を製造した。
製造した手袋1の、凹部8の厚みTは0.55mm、凸部9の厚みTは0.54mm、厚みの比T/Tは1.02であった。
〈実施例2〉
型12として、全体が図1に示す手袋1の形状に対応し、なおかつ図2に示す凸曲面13の曲率半径の最小値Rが2.64mm、凹曲面14の曲率半径の最小値Rが1.58mm、凸曲面13と凹曲面14の変曲点Pの接線Lと、1つの凹曲面14を挟んで隣り合う1対の凸曲面13の頂点間をつなぐ直線Lとがなす内角θが128°、そして当該接線Lと、1つの凸曲面13を挟んで隣り合う一対の凹曲面14の頂点間をつなぐ直線Lとがなす内角θが128°である陶器製のものを用いたこと以外は実施例1と同様にして手袋1を製造した。
製造した手袋1の、凹部8の厚みTは0.56mm、凸部9の厚みTは0.53mm、厚みの比T/Tは1.06であった。
〈実施例3〉
型12として、全体が図1に示す手袋1の形状に対応し、なおかつ図2に示す凸曲面13の曲率半径の最小値Rが2.64mm、凹曲面14の曲率半径の最小値Rが1.58mm、凸曲面13と凹曲面14の変曲点Pの接線Lと、1つの凹曲面14を挟んで隣り合う1対の凸曲面13の頂点間をつなぐ直線Lとがなす内角θが116°、そして当該接線Lと、1つの凸曲面13を挟んで隣り合う一対の凹曲面14の頂点間をつなぐ直線Lとがなす内角θが116°である陶器製のものを用いたこと以外は実施例1と同様にして手袋1を製造した。
製造した手袋1の、凹部8の厚みTは0.64mm、凸部9の厚みTは0.50mm、厚みの比T/Tは1.28であった。
〈実施例4〉
アルキルベンゼンスルホン酸を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、表面張力が35mN/mのラテックス組成物を調製し、実施例1と同じ型12を使用して手袋1を製造した。
製造した手袋1の、凹部8の厚みTは0.62mm、凸部9の厚みTは0.51mm、厚みの比T/Tは1.22であった。
〈比較例1〉
型12として、全体が図1に示す手袋1の形状に対応し、なおかつ図2に示す凸曲面13の曲率半径の最小値Rが1.64mm、凹曲面14の曲率半径の最小値Rが1.75mm、凸曲面13と凹曲面14の変曲点Pの接線Lと、1つの凹曲面14を挟んで隣り合う1対の凸曲面13の頂点間をつなぐ直線Lとがなす内角θが113°、そして当該接線Lと、1つの凸曲面13を挟んで隣り合う一対の凹曲面14の頂点間をつなぐ直線Lとがなす内角θが113°である陶器製のものを用いたこと以外は実施例1と同様にして手袋1を製造した。
製造した手袋1の、凹部8の厚みTは0.69mm、凸部9の厚みTは0.36mm、厚みの比T/Tは1.92であった。
〈比較例2〉
型12として、全体が図1に示す手袋1の形状に対応し、なおかつ図2に示す凸曲面13の曲率半径の最小値Rが2.13mm、凹曲面14の曲率半径の最小値Rが1.33mm、凸曲面13と凹曲面14の変曲点Pの接線Lと、1つの凹曲面14を挟んで隣り合う1対の凸曲面13の頂点間をつなぐ直線Lとがなす内角θが121°、そして当該接線Lと、1つの凸曲面13を挟んで隣り合う一対の凹曲面14の頂点間をつなぐ直線Lとがなす内角θが121°である陶器製のものを用いたこと以外は実施例1と同様にして手袋1を製造した。
製造した手袋1の、凹部8の厚みTは0.73mm、凸部9の厚みTは0.41mm、厚みの比T/Tは1.78であった。
〈比較例3〉
型12として、全体が図1に示す手袋1の形状に対応し、なおかつ図2に示す凸曲面13の曲率半径の最小値Rが1.67mm、凹曲面14の曲率半径の最小値Rが1.41mm、凸曲面13と凹曲面14の変曲点Pの接線Lと、1つの凹曲面14を挟んで隣り合う1対の凸曲面13の頂点間をつなぐ直線Lとがなす内角θが115°、そして当該接線Lと、1つの凸曲面13を挟んで隣り合う一対の凹曲面14の頂点間をつなぐ直線Lとがなす内角θが115°である陶器製のものを用いたこと以外は実施例1と同様にして手袋1を製造した。
製造した手袋1の、凹部8の厚みTは0.75mm、凸部9の厚みTは0.32mm、厚みの比T/Tは2.34であった。
以上の結果を表2にまとめた。
Figure 0006308652
表2の実施例1〜4、比較例1〜3の結果より、型12として、凸曲面13の曲率半径の最小値R1が2.5mm以上、3.2mm以下で、かつ凹曲面14の曲率半径の最小値R2が1.5mm以上、2.0mm以下であるとともに、凸曲面13と凹曲面14の変曲点Pでの接線L と、1つの凹曲面14を挟んで隣り合う一対の凸曲面13の頂点間をつなぐ直線L とがなす内角θ 、または当該接線L と、1つの凸曲面13を挟んで隣り合う一対の凹曲面14の頂点間をつなぐ直線L とがなす内角θ が116°以上に設定されたものを、表面張力が35mN/m以下のラテックス組成物と組み合わせて用いることにより、手袋1の凹部8の厚みT1と凸部9の厚みT2の比T1/T2が1.30以下という、膜の厚みの差が小さく裂けにくい手袋1を製造できることが判った。
また実施例1〜4の結果より、上記比T/Tが1.10以下の、より一層膜の厚みの差が小さく裂けにくい手袋1を製造するためには、上記型12の、接線Lと直線L、Lとがなす内角θ、θを120°以上、140°以下に設定するのが好ましいこと、ラテックス組成物としては、表面張力が30mN/m以下であるものを用いるのが好ましいことが判った。
1 手袋(薄膜製品)
2 手首部
3 袖部
4 手指部
5 手袋本体
6 袖口
7 絞り部
8 凹部
9 凸部
10 凸部
11 凹部
12 型
13 凸曲面
14 凹曲面
接線
、L 直線
P 変曲点
、R 曲率半径の最小値
θ、θ 内角

Claims (3)

  1. 薄膜製品の凹凸形状に対応した凸部および凹部が連続して交互に配列された型をラテックス組成物に浸漬したのち引き上げて当該ラテックス組成物を型の表面に付着させる工程、および付着させたラテックス組成物を加熱乾燥させたのち脱型する工程を含み、前記ラテックス組成物は、表面張力が35mN/m以下であるとともに、前記型は、凸部を構成する凸曲面の曲率半径の最小値が2.5mm以上、3.2mm以下で、かつ凹部を構成する凹曲面の曲率半径の最小値が1.5mm以上、2.0mm以下、凸曲面と凹曲面の変曲点での接線と、1つの凹曲面を挟んで隣り合う1対の凸曲面の頂点間をつなぐ直線とがなす内角、または当該接線と、1つの凸曲面を挟んで隣り合う一対の凹曲面の頂点間をつなぐ直線とがなす内角が116°以上に設定されている薄膜製品の製造方法。
  2. 型は、前記内角が120°以上、140°以下に設定されている請求項1に記載の薄膜製品の製造方法。
  3. ラテックス組成物は、前記表面張力が30mN/m以下である請求項1または2に記載の薄膜製品の製造方法。
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