JP2013189727A - ゴム手袋とその製造方法 - Google Patents

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Atsushi Takai
淳 高井
Yoshiaki Miyamoto
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Abstract

【課題】全体をゴムまたは樹脂の皮膜によって一体に形成するというゴム手袋のメリットを活かしながら、蒸れ感の軽減効果に優れるとともに着脱性にも優れ、しかも装着時に違和感を生じないゴム手袋と、その製造方法とを提供する。
【解決手段】
ゴム手袋1は、甲側に、複数の手指部3の先端部からそれぞれ袖口6に達するように、前記ゴム手袋を形成する皮膜5を外方へ膨出させて、装着した手との間に連続した空間8を構成しうる連続した凸条部7を設けた。製造方法は、前記ゴム手袋の立体形状に対応し、かつ前記凸条部に対応する位置に、その断面形状に対応した断面形状を有する凹溝部10を設けた型を用いて、浸漬法によって、前記ゴム手袋を形成する皮膜を形成するとともに、前記皮膜を、表裏を逆転させて型から脱型する工程を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、全体がゴムまたは樹脂の皮膜によって一体に形成されたゴム手袋と、前記ゴム手袋の製造方法とを提供することにある。
一般家庭や工場、あるいは医療現場といった様々な場面において人の手肌を保護したり、食中毒や感染症等を防止したり、あるいは取り扱う対象物(半導体や精密機器等)を手肌の皮脂等から保護したりするために、特に全体がゴムまたは樹脂の皮膜によって一体に形成されたゴム手袋(樹脂製のものも一般にこのように呼ばれていることから、以下ではゴム製、樹脂製を総称して「ゴム手袋」とする)が広く用いられる。
前記ゴム手袋は、いわゆる浸漬法によって製造するのが一般的である。
例えば全体がゴムの皮膜によって一体に形成されたゴム手袋を製造する場合は、まずゴムのラテックスに加硫剤等の各種添加剤を配合して未加硫もしくは前加硫状態の、液状のラテックス組成物を調製する。また、前記ゴム手袋の立体形状に対応した例えば陶器製の型を用意し、その表面を凝固剤(主に硫酸カルシウム水溶液)で処理する。
次いで、前記ラテックス組成物中に前記型を一定時間に亘って浸漬したのち引き上げることで、当該型の表面にラテックス組成物を付着させる。
そして引き上げた型ごと加熱してラテックス組成物を乾燥させるとともにゴムを加硫させるか、あるいは一旦乾燥させた後に型ごと加熱してゴムを加硫させたのち脱型させることにより、全体がゴムの皮膜によって一体に形成されたゴム手袋が製造される。
また、全体が樹脂の皮膜によって一体に形成されたゴム手袋は、前記ゴムのラテックスを含むラテックス組成物に代えて、樹脂のエマルションに各種添加剤を配合して調製したラテックス組成物(厳密にはラテックスではないが、便宜上、ゴムのラテックスを含むものに合わせてこのように記載する)を用いること以外は前記と同様にして製造することができる。
前記ゴム手袋に求められる性能は、まず第1に手を保護することであるが、近年はニーズの多様化により、できるだけユーザーの感性に応える性能を有することも求められるようになってきている。
特に、使用時の不快感をなくすことと、着脱の容易さが求められている。
すなわち、前記ゴムや樹脂の連続した皮膜は透湿性や吸湿性を有さないため、前記ゴム手袋を長時間装着していると、汗によって手が蒸れたりべたついたりする、いわゆる蒸れ感を生じるという問題があり、その解消が課題の一つである。
また、前記汗によってゴム手袋の内側が手に貼り付いて脱ぎにくくなるという問題もあり、その解消が、もう一つの課題である。
例えば袖口を持って、ゴム手袋を裏返しながら手から引き剥がすようにすれば、比較的容易に脱ぐことができるが、裏返したゴム手袋を元に戻すための手間がかかる。これを嫌うユーザーは、各指ごとに指先から引っ張りながらゴム手袋を脱ぐ場合が多いが、その際、ゴム手袋の内部、特にその最奥に位置する指先に空気が十分に入らない状態で無理に引っ張っても、手にゴム手袋が貼り付いて却って脱ぐのに手間がかかることになる。
これらの問題を解決するため、例えば特許文献1においては、ゴム手袋の内部への通気手段として、柔軟な紐状体、パイプ状体、突起物、または発泡体を、前記ゴム手袋の内部に配置することが記載されている。
しかし、かかる構造では前記紐状体等の別部品が必要であるため、製造が容易でしかもコスト安価に製造できるというゴム手袋のメリットが損なわれてしまい、生産性が低下してコストが高くつくという問題がある。また装着時に、前記紐状体等がゴム手袋と手の間に介在するため違和感を生じやすいという問題もある。
特許文献2には、ゴム手袋の手首部分を太くし、かつ指先から袖口にかけて縦ヒダを設けるとともに、前記手首部の縦ヒダの内側にパイプを貼り付けることで、ゴム手袋内への通気を確保しながら、前記手首部をゴムひもで締めて脱げないようにすることが記載されている。
しかし、かかる構造でも、やはりパイプやゴムひも等の別部品が必要であるため、製造が容易でしかもコスト安価に製造できるというゴム手袋のメリットが損なわれてしまい、生産性が低下してコストが高くつくという問題がある。また装着時に、パイプがゴム手袋と手の間に介在するため違和感を生じやすいという問題もある。
特開2004−36060号公報 特開平8−284007号公報
本発明の目的は、全体をゴムまたは樹脂の皮膜によって一体に形成するというゴム手袋のメリットを活かしながら、蒸れ感の軽減効果に優れるとともに着脱性にも優れ、しかも装着時に違和感を生じないゴム手袋と、その製造方法とを提供することにある。
本発明は、略筒状の袖部と、前記袖部の一端に連なる、複数の手指部を備えた手袋本体とが、ゴムまたは樹脂の皮膜によって一体に形成され、かつ前記袖部の他端が袖口として開口されたゴム手袋であって、前記ゴム手袋の甲側には、前記複数の手指部の先端部からそれぞれ袖口に達して前記袖口で外部に開口された連続した空間を構成するための、前記皮膜を前記ゴム手袋の外面より外方へ膨出させてなる、連続した凸条部が形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、ゴム手袋に、当該ゴム手袋を構成するゴムまたは樹脂の皮膜それ自体を手の甲側において、その外面より外方へ膨出させて、連続した凸条部を形成することにより、前記ゴム手袋を手に装着した際に、当該手と、前記凸条部を形成するゴムまたは樹脂の皮膜との間に、複数の手指部の先端部からそれぞれ袖口に達して、当該袖口で外部に開口された連続した空間を構成することができる。
そのため汗などの湿気を、前記空間を通して袖口からゴム手袋の外部に逃がすことができ、当該ゴム手袋内の蒸れ感を大幅に軽減することができる。
また、例えば各指ごとに指先から引っ張りながらゴム手袋を脱ぐ際に、前記空間を通して、それぞれの指先まで十分に空気を供給することができる。そのため、前記のようにゴム手袋内の蒸れ感を軽減して手とのべたつきを少なくできることと相まって、従来に比べて脱ぎ易くすることもできる。
しかも前記空間は、前記のようにゴム手袋を構成するゴムまたは樹脂の皮膜それ自体を、手の甲側において、その外面より外方へ膨出させて、前記ゴム手袋と一体に形成されるため、別部品を必要とせず、製造が容易でしかもコスト安価に製造できるというゴム手袋のメリットを十分に活かすこともできる。
その上、装着時にゴム手袋と手の間に介在する別部品が存在しないため違和感を生じるおそれもない。
前記本発明のゴム手袋において、前記凸条部は、その長さ方向と直交方向の断面形状が略矩形状、またはゴム手袋側よりも先端部側の幅が小さい略台形状とされているとともに、前記先端部側の幅WUが5mm以上、12mm以下、ゴム手袋側の幅WB
WU≦WB≦WU+3mm (1)
の範囲内で、かつ前記ゴム手袋の外面から先端面までの膨出高さHが7mm以上、20mm以下であるのが好ましい。
凸条部の断面を前記略矩形状もしくは略台形状とするとともに、各部の寸法を前記範囲内とすることにより、ゴム手袋を装着して作業をする際や前記ゴム手袋を脱ぐ際等に、凸条部が潰れて空間が塞がれるのを防止して、前記作業時にゴム手袋内の蒸れ感が高まったり、脱ぎにくくなったりするのをさらに確実に防止することができる。
本発明は、前記ゴム手袋の全体形状に対応した立体形状を有する型を用いて、浸漬法によって、前記本発明のゴム手袋を製造するための製造方法であって、前記型として、その甲側の、前記複数の手指部の先端部からそれぞれ袖口に達する領域に、前記型の外面より内側へ凹入させた、長さ方向と直交方向の断面形状が略矩形状、または前記外面側よりも底部側の幅が小さい略台形状とされているとともに、前記底部側の幅WUが5mm以上、12mm以下、外面側の幅WB
WU≦WB≦WU+3mm (2)
の範囲内で、かつ前記外面から底面までの凹入深さHが7mm以上、20mm以下である連続した凹溝部を備えたものを用い前記型の表面に形成したゴムまたは樹脂の皮膜を、表裏を反転させて前記型から脱型させることにより、前記凹溝部の内面に沿って形成した皮膜をゴム手袋の外面から外方へ膨出させて凸条部を形成する工程を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、前記凹溝部を形成した型を用いるとともに、形成した皮膜を、表裏を反転させて脱型させること以外は従来同様に、浸漬法によって、前記本発明のゴム手袋を効率よく製造することができる。
本発明によれば、全体をゴムまたは樹脂の皮膜によって一体に形成するというゴム手袋のメリットを活かしながら、蒸れ感の軽減効果に優れるとともに着脱性にも優れ、しかも装着時に違和感を生じないゴム手袋と、その製造方法とを提供することができる。
本発明のゴム手袋の、実施の形態の一例の外観を示す斜視図である。 前記例のゴム手袋の、1つの指部を拡大して示す甲側から見た正面図である。 前記指部の、凸条部の長さ方向と直交方向、すなわち図2のIII−III線方向の断面を示す断面図である。 前記ゴム手袋を、本発明の製造方法によって製造するために使用する型のうち指部の、凹溝部の長さ方向と直交方向の断面を示す断面図である。
図1は、本発明のゴム手袋の、実施の形態の一例の外観を示す斜視図である。また図2は、前記図1の例のゴム手袋の、1つの指部を拡大して示す甲側から見た正面図である。さらに図3は、前記指部の、凸条部の長さ方向と直交方向、すなわち図2のIII−III線方向の断面を示す断面図である。
図1〜図3を参照して、この例のゴム手袋1は、略筒状の袖部2と、前記袖部2の一端に連なる、複数の手指部3を備えた手袋本体4とを、ゴムまたは樹脂の皮膜5によって一体に形成するとともに、前記袖部2の他端を、袖口6として開口してなるものである。
前記ゴム手袋1の甲側には、当該ゴム手袋1を構成するゴムまたは樹脂の皮膜5それ自体を、手の甲側において前記ゴム手袋1の外面より外方へ膨出させて、連続した5本の凸条部7が形成されている。
これにより、前記ゴム手袋1を手(図示せず)に装着した際に、当該手と、前記凸条部7を形成するゴムまたは樹脂の皮膜5との間に、各手指部3の先端部からそれぞれ袖口6に達して、当該袖口6で外部に開口された連続した空間8を構成することができる。
そのため汗などの湿気を、前記空間8を通して袖口6からゴム手袋1の外部に逃がすことができ、当該ゴム手袋1内の蒸れ感を大幅に軽減することができる。
また、例えば各指ごとに手指部3を指先から引っ張りながらゴム手袋1を脱ぐ際に、前記空間8を通して、それぞれの指先まで十分に空気を供給することができる。そのため、前記のようにゴム手袋1内の蒸れ感を軽減して手とのべたつきを少なくできることと相まって、従来に比べて脱ぎ易くすることもできる。
しかも前記空間8は、前記のようにゴム手袋1を構成するゴムまたは樹脂の皮膜5それ自体を、手の甲側において、その外面より外方へ膨出させて、前記ゴム手袋1と一体に形成されるため、別部品を必要とせず、製造が容易でしかもコスト安価に製造できるというゴム手袋1のメリットを十分に活かすこともできる。
その上、装着時にゴム手袋1と手の間に介在する別部品が存在しないため違和感を生じるおそれもない。
前記凸条部7は、その長さ方向と直交方向の断面形状が略矩形状、またはゴム手袋1側よりも先端部側の幅が小さい略台形状とされているとともに、前記袖口6から各手指部3の途中までは、前記先端部側の幅WUが5mm以上、12mm以下、ゴム手袋側の幅WB
WU≦WB≦WU+3mm (1)
の範囲内で、かつ前記ゴム手袋の外面から先端面までの膨出高さHが7mm以上、20mm以下であるのが好ましい。
凸条部7の断面を前記略矩形状もしくは略台形状とするとともに、各部の寸法を前記範囲内とすることにより、後述する実施例の結果からも明らかなように、ゴム手袋1を装着して作業をする際や前記ゴム手袋1を脱ぐ際等に、凸条部7が潰れて空間8が塞がれるのを防止して、前記作業時にゴム手袋1内の蒸れ感が高まったり、脱ぎにくくなったりするのをさらに確実に防止することができる。
また図の例では、前記凸条部7の、各手指部3の途中から指先側において、前記幅WU、WB、および膨出高さHが、それぞれ徐々に小さくされている。
これにより、指先での細かい作業が前記凸条部7によって妨げられるのを防止して、この例のゴム手袋1を装着した状態での作業性を向上することができる。
前記ゴム手袋1の全体を構成する皮膜5の厚みは特に限定されないが、薄肉で柔軟性に優れ、指先の細かい作業等にも適すること、すなわち作業性に優れることと、前記ゴム手袋1に十分な強度を持たせることとを併せ考慮すると、0.4mm以上、4mm以下であるのが好ましい。
また、前記ゴム手袋1は、前記良好な作業性、および強度を両立させること等を考慮すると、皮膜5が非多孔質構造であるのが好ましいが、前記皮膜5を多孔質構造としてもよい。皮膜5を多孔質構造とするためには、以下に説明する浸漬法に使用するラテックス組成物を起泡させればよい。
前記例のゴム手袋1は、従来同様に浸漬法によって製造することができる。中でも、凸条部7の断面形状が略矩形状または略台形状で、かつ各部の寸法が前記範囲内であるゴム手袋1は、下記本発明の製造方法によって製造することができる。
図4は、前記ゴム手袋を、かかる本発明の製造方法によって製造するために使用する型のうち指部の、凹溝部の長さ方向と直交方向の断面を示す断面図である。
図4を参照して、本発明の製造方法においては、前記浸漬法に使用する型9として、図示していないが、前記ゴム手袋1の全体形状に対応した立体形状を有するとともに、その甲側の、前記複数の手指部3の先端部からそれぞれ袖口6に達する領域に、前記型9の外面より内側へ凹入させた、長さ方向と直交方向の断面形状が略矩形状、または前記外面側よりも底部側の幅が小さい略台形状とされているとともに、前記底部側の幅WUが5mm以上、12mm以下、外面側の幅WB
WU≦WB≦WU+3mm (2)
の範囲内で、かつ前記外面から底面までの凹入深さHが7mm以上、20mm以下である連続した凹溝部10を備えたものを用意する。
前記型9は、例えば陶器等によって一体に形成することができる。
前記凹溝部10の断面を前記略矩形状もしくは略台形状とするとともに各部の寸法を前記範囲内とすると、前記型9の表面に形成したゴムまたは樹脂の皮膜を、表裏を反転させて前記型9から脱型させることで、前記凹溝部10の内面に沿って形成した皮膜をゴム手袋1の外面から外方へ膨出させて、先に説明した所定の断面形状、および寸法を有する凸条部7を形成することができる。
本発明の製造方法は、前記型9を使用すること以外は、従来同様に実施することができる。
すなわち図1〜図4を参照して、まず前記型9の、前記凹溝部10の内面を含む表面の略全面を、凝固剤(主に硫酸カルシウム水溶液)で処理する。また全体がゴムの皮膜5によって一体に形成されたゴム手袋1を製造する場合は、ゴムのラテックスに加硫剤等の各種添加剤を配合して未加硫もしくは前加硫状態の、液状のラテックス組成物を調製する。
次いで、前記ラテックス組成物中に前記型9を一定時間に亘って浸漬したのち引き上げることで、当該型9の表面にラテックス組成物を付着させたのち、引き上げた型9ごと加熱してラテックス組成物を乾燥させるとともにゴムを加硫させるか、あるいは一旦乾燥させた後に型9ごと加熱してゴムを加硫させてゴムの皮膜5を形成する。
そして形成した皮膜5を、表裏を反転させて前記型9から脱型させることにより、先に説明したように、前記凹溝部10の内面に沿って形成した皮膜5をゴム手袋1の外面から外方へ膨出させて凸条部7を形成し、ゴム手袋1を製造することができる。
また、全体が樹脂の皮膜によって一体に形成されたゴム手袋は、前記ゴムのラテックスを含むラテックス組成物に代えて、樹脂のエマルションに各種添加剤を配合して調製したラテックス組成物を用いること以外は前記と同様にして製造することができる。
ゴムを含むラテックス組成物は、従来同様に、ゴムのラテックスに加硫剤等の各種添加剤を配合して調製される。
前記ゴムとしては天然ゴム、および合成ゴムの中からラテックス化が可能な種々のゴムがいずれも使用可能であり、かかるゴムとしては、例えば天然ゴム、脱蛋白天然ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)等の1種または2種以上が挙げられる。
前記ゴムを加硫させる加硫剤としては硫黄や有機含硫黄化合物等が挙げられる。特に硫黄が好ましい。前記加硫剤の配合割合は、ゴムラテックス中のゴム分(固形分)100質量部あたり0.5質量部以上、3質量部以下であるのが好ましい。
前記ゴムおよび加硫剤を含むラテックス組成物中には、さらに加硫促進剤、熱安定剤、加硫促進助剤、老化防止剤、充填剤、界面活性剤、増粘剤、発泡剤、可塑剤、着色剤等の各種添加剤を配合してもよい。
このうち加硫促進剤としては、例えばPX(N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛)、PZ(ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛)、EZ(ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛)、BZ(ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛)、MZ(2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩)、TT(テトラメチルチウラムジスルフィド)等の1種または2種以上が挙げられる。
前記加硫促進剤の配合割合は、ゴムラテックス中のゴム分100質量部あたり0.5質量部以上、3質量部以下であるのが好ましい。
加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華(酸化亜鉛)、および/またはステアリン酸等が挙げられる。前記加硫促進助剤の配合割合は、ゴムラテックス中のゴム分100質量部あたり0.5質量部以上、3質量部以下であるのが好ましい。
老化防止剤としては、一般に非汚染性のフェノール類が好適に用いられるが、アミン類を使用してもよい。前記老化防止剤の配合割合は、ゴムラテックス中のゴム分100質量部あたり0.5質量部以上、3質量部以下であるのが好ましい。
充填剤としては、例えばカオリンクレー、ハードクレー、炭酸カルシウム、酸化チタン等の1種または2種以上が挙げられる。前記充填剤の配合割合は、ゴムラテックス中のゴム分100質量部あたり1質量部以上、10質量部以下であるのが好ましい。
界面活性剤は、前記各種添加剤をゴムラテックス中に良好に分散させるために配合されるものであり、前記界面活性剤としては、例えば陰イオン系界面活性剤等の1種または2種以上が挙げられる。前記界面活性剤の配合割合は、ゴムラテックス中のゴム分100質量部あたり0.3質量部以上、1質量部以下であるのが好ましい。
また樹脂を含むラテックス組成物は、従来同様に、樹脂のエマルションに各種添加剤を配合して調製される。
前記樹脂としては、ウレタン系樹脂、硬化性アクリル系樹脂等の、エマルション化が可能な熱硬化性樹脂の1種または2種以上が挙げられる。
前記樹脂を含むラテックス組成物中には、さらに熱安定剤、老化防止剤、充填剤、界面活性剤、増粘剤、発泡剤、可塑剤、着色剤等の各種添加剤を配合してもよい。
このうち老化防止剤としては、先に例示した非汚染性のフェノール類やアミン類等の1種または2種以上が挙げられる。前記老化防止剤の配合割合は、樹脂エマルション中の樹脂分(固形分)100質量部あたり0.5質量部以上、3質量部以下であるのが好ましい。
充填剤としては、前記例示の充填剤の1種または2種以上が挙げられる。前記充填剤の配合割合は、樹脂エマルション中の樹脂分100質量部あたり1質量部以上、10質量部以下であるのが好ましい。
界面活性剤としては、前記例示の陰イオン系界面活性剤等の1種または2種以上が挙げられる。前記界面活性剤の配合割合は、樹脂エマルション中の樹脂分100質量部あたり0.3質量部以上、1質量部以下であるのが好ましい。
またラテックス組成物には、前記ウレタン系樹脂等を硬化反応させるための架橋剤、硬化剤等を、適宜の割合で配合してもよい。
〈実施例1〉
(ラテックス組成物の調製)
天然ゴムラテックスに、下記表1に示す各成分を配合して2日間熟成させた後、軟水を加えて固形分濃度を45質量%に調整してラテックス組成物を調製した。なお表中の各成分の質量部は、天然ゴムラテックス中のゴム分(固形分)100質量部あたりの質量部とした。
Figure 2013189727
(型の作製)
型9としては、全体が陶器製で、かつゴム手袋1の全体形状に対応した立体形状を有するとともに、その甲側に、図1〜図3に示す凸条部7に対応する、各手指部3の指先から、袖部2の袖口6まで達する複数の凹溝部10(図4参照)を形成したものを用意した。前記凹溝部10の、長さ方向と直交方向の断面形状は、外面側よりも底部側の幅が小さい略台形状、前記底部側の幅WUは9mm、外面側の幅WBは10mm(=WU+1mm)で、かつ前記外面から底面までの凹入深さHは17mmとした。
(ゴム手袋の製造)
前記型を、まず20%硝酸カルシウム水溶液に浸漬し、引き上げたのち乾燥させることで、前記型の表面を凝固剤としての硝酸カルシウムによって処理した。
次に前記型を、液温を25℃に保持したラテックス組成物に一定の速度で浸漬し、30秒間保持したのち一定の速度で引き上げることで、前記型の表面にラテックス組成物を付着させた。
次いで引き上げた型を、100℃に加熱したオーブン中に入れて50分間加熱して乾燥させるとともに天然ゴムを架橋させ、次いでオーブンから取り出して冷却させたのち表裏を反転させて前記型から脱型した。
そして次亜塩素酸、塩酸、および水の混合液に浸漬して15分間処理したのち、乾燥機内で30分間乾燥させて、図1に示すようにその甲側に、各手指部3の指先から、袖部2の袖口6まで達する複数の凸条部7を備えたゴム手袋1を製造した。
前記凸条部7の、図3に示す長さ方向と直交方向の断面は、ゴム手袋側よりも先端部側の幅が小さい略台形状、前記先端部側の幅WUは8mm、ゴム手袋側の幅WBは9mmで、かつ前記ゴム手袋の外面から先端面までの膨出高さHは15mmであった。
〈実施例2〉
型9として、凹溝部10の、長さ方向と直交方向の断面形状が略矩形状、前記底部側の幅WUが8mm、外面側の幅WBが8mm(=WU)で、かつ前記外面から底面までの凹入深さHが10mmであるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、図1に示すようにその甲側に、各手指部3の指先から、袖部2の袖口6まで達する複数の凸条部7を備えたゴム手袋1を製造した。
前記凸条部7の、図3に示す長さ方向と直交方向の断面は、ゴム手袋側よりも先端部側の幅が大きい逆台形状、前記先端部側の幅WUは7mm、ゴム手袋側の幅WBは8mmで、かつ前記ゴム手袋の外面から先端面までの膨出高さHは9mmであった。
〈実施例3〉
型9として、凹溝部10の、長さ方向と直交方向の断面形状が、外面側よりも底部側の幅が小さい略台形状、前記底部側の幅WUが4mm、外面側の幅WBが5mm(=WU+1mm)で、かつ前記外面から底面までの凹入深さHが9mmであるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、図1に示すようにその甲側に、各手指部3の指先から、袖部2の袖口6まで達する複数の凸条部7を備えたゴム手袋1を製造した。
前記凸条部7の、図3に示す長さ方向と直交方向の断面は略矩形状、前記先端部側の幅WUは4mm、ゴム手袋側の幅WBは4mmで、かつ前記ゴム手袋の外面から先端面までの膨出高さHは9mmであった。
〈実施例4〉
型9として、凹溝部10の、長さ方向と直交方向の断面形状が、外面側よりも底部側の幅が小さい略台形状、前記底部側の幅WUが14mm、外面側の幅WBが15mm(=WU+1mm)で、かつ前記外面から底面までの凹入深さHが8mmであるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、図1に示すようにその甲側に、各手指部3の指先から、袖部2の袖口6まで達する複数の凸条部7を備えたゴム手袋1を製造した。
前記凸条部7の、図3に示す長さ方向と直交方向の断面は、ゴム手袋側よりも先端部側の幅が小さい略台形状、前記先端部側の幅WUは13mm、ゴム手袋側の幅WBは14mmで、かつ前記ゴム手袋の外面から先端面までの膨出高さHは7mmであった。
〈実施例5〉
型9として、凹溝部10の、長さ方向と直交方向の断面形状が略矩形状、前記底部側の幅WUが3mm、外面側の幅WBが3mm(=WU)で、かつ前記外面から底面までの凹入深さHが6mmであるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、図1に示すようにその甲側に、各手指部3の指先から、袖部2の袖口6まで達する複数の凸条部7を備えたゴム手袋1を製造した。
前記凸条部7の、図3に示す長さ方向と直交方向の断面は略矩形状、前記先端部側の幅WUは3mm、ゴム手袋側の幅WBは3mmで、かつ前記ゴム手袋の外面から先端面までの膨出高さHは5mmであった。
〈実施例6〉
型9として、凹溝部10の、長さ方向と直交方向の断面形状が略矩形状、前記底部側の幅WUが3mm、外面側の幅WBが3mm(=WU)で、かつ前記外面から底面までの凹入深さHが22mmであるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、図1に示すようにその甲側に、各手指部3の指先から、袖部2の袖口6まで達する複数の凸条部7を備えたゴム手袋1を製造した。
前記凸条部7の、図3に示す長さ方向と直交方向の断面は略矩形状、前記先端部側の幅WUは3mm、ゴム手袋側の幅WBは3mmで、かつ前記ゴム手袋の外面から先端面までの膨出高さHは21mmであった。
〈実施例7〉
型9として、凹溝部10の、長さ方向と直交方向の断面形状が、外面側よりも底部側の幅が小さい略台形状、前記底部側の幅WUが3mm、外面側の幅WBが9mm(=WU+6mm)で、かつ前記外面から底面までの凹入深さHが10mmであるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、図1に示すようにその甲側に、各手指部3の指先から、袖部2の袖口6まで達する複数の凸条部7を備えたゴム手袋1を製造した。
前記凸条部7の、図3に示す長さ方向と直交方向の断面は、ゴム手袋側よりも先端部側の幅が小さい略台形状、前記先端部側の幅WUは3mm、ゴム手袋側の幅WBは8mmで、かつ前記ゴム手袋の外面から先端面までの膨出高さHは10mmであった。
〈比較例1〉
型として凹溝部を有しないものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、その甲側に凸条部を有しない通常のゴム手袋を製造した。
〈官能試験〉
10名の被験者に、前記各実施例、比較例で製造したゴム手袋を装着してもらい、装着して10分後の装着感を下記の5段階で評価してもらった。
A:蒸れは全く感じられなかった。非常に快適。
B:蒸れは殆ど感じられなかった。快適。
C:蒸れが僅かに感じられたものの、実用レベル。
D:蒸れが感じられた。不快。
E:蒸れが強く感じられた。非常に不快。
また装着して10分後に、前記ゴム手袋を、各指ごとに手指部を指先から引っ張りながら脱ぐ動作をしてもらい、その際の脱ぎやすさ、脱ぎにくさを下記の3段階で評価してもらった。
A:全く抵抗を感じずに脱ぐことができた。
B:やや抵抗を感じたが、脱ぐことはできた。
C:抵抗が強く、脱ぐことができなかった。
以上の結果を表2、表3に示す。
Figure 2013189727
Figure 2013189727
表2、表3の実施例1〜7、比較例1の結果より、ゴム手袋の甲側に、当該ゴム手袋を装着した手との間に空間を構成する凸条部を設けることによって、装着時の蒸れ感を軽減するとともに、脱ぎやすくできることが判った。
また実施例1〜7の結果より、前記凸条部を潰れにくくして蒸れ感の軽減効果や脱ぎやすさをさらに向上することを考慮すると、前記凸条部の断面形状は略矩形状、またはゴム手袋側よりも先端部側の幅が小さい略台形状であるのが好ましいこと、前記先端部側の幅WUは5mm以上、12mm以下、ゴム手袋側の幅WB
WU≦WB≦WU+3mm (1)
の範囲内で、かつ前記ゴム手袋の外面から先端面までの膨出高さHは7mm以上、20mm以下であるのが好ましいことが判った。
1 ゴム手袋
2 袖部
3 手指部
4 手袋本体
5 皮膜
6 袖口
7 凸条部
8 空間
9 型
10 凹溝部

Claims (3)

  1. 略筒状の袖部と、前記袖部の一端に連なる、複数の手指部を備えた手袋本体とが、ゴムまたは樹脂の皮膜によって一体に形成され、かつ前記袖部の他端が袖口として開口されたゴム手袋であって、前記ゴム手袋の甲側には、前記複数の手指部の先端部からそれぞれ袖口に達して前記袖口で外部に開口された連続した空間を構成するための、前記皮膜を前記ゴム手袋の外面より外方へ膨出させてなる、連続した凸条部が形成されていることを特徴とするゴム手袋。
  2. 前記凸条部は、その長さ方向と直交方向の断面形状が略矩形状、またはゴム手袋側よりも先端部側の幅が小さい略台形状とされているとともに、前記先端部側の幅WUが5mm以上、12mm以下、ゴム手袋側の幅WB
    WU≦WB≦WU+3mm (1)
    の範囲内で、かつ前記ゴム手袋の外面から先端面までの膨出高さHが7mm以上、20mm以下である請求項1に記載のゴム手袋。
  3. 前記ゴム手袋の全体形状に対応した立体形状を有する型を用いて、浸漬法によって前記請求項2に記載のゴム手袋を製造するための製造方法であって、前記型として、その甲側の、前記複数の手指部の先端部からそれぞれ袖口に達する領域に、前記型の外面より内側へ凹入させた、長さ方向と直交方向の断面形状が略矩形状、または前記外面側よりも底部側の幅が小さい略台形状とされているとともに、前記底部側の幅WUが5mm以上、12mm以下、外面側の幅WB
    WU≦WB≦WU+3mm (2)
    の範囲内で、かつ前記外面から底面までの凹入深さHが7mm以上、20mm以下である連続した凹溝部を備えたものを用い、前記型の表面に形成したゴムまたは樹脂の皮膜を、表裏を反転させて前記型から脱型させることにより、前記凹溝部の内面に沿って形成した皮膜をゴム手袋の外面から外方へ膨出させて凸条部を形成する工程を含むことを特徴とするゴム手袋の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015113533A (ja) * 2013-12-11 2015-06-22 住友ゴム工業株式会社 薄膜製品の製造方法
CN112075699A (zh) * 2020-09-29 2020-12-15 江苏顶洁医疗器械有限公司 一种便于内部空气流通的pvc手套

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