JP6307969B2 - 液体吐出記録装置及び液体回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体吐出記録装置及び液体回収方法に関する。
従来、インクジェット記録用水性インク(以下、「水性インク」又は「インク」と言うことがある。)には、溶剤として、揮発性の有機溶剤が用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。近年、前記水性インクにおいて、地球環境保護の観点から、VOC(Volatile Organic Compounds、揮発性有機化合物)の発生を低減することが求められている。その対策として、揮発性の有機溶剤の含有量を少なくしたり、水性インクに対して不揮発性の水溶性有機溶剤を用いたりすることで、VOCの発生を低減させることが提案されている(特許文献2)。
特開2003−147243号公報 特開2003−128969号公報
ところで、近年は、記録速度の向上によるインクの消費に伴い、ますますVOCの発生の低減が求められている。一方、VOC対策として不揮発性の有機溶剤を水性インクに添加した場合、記録時の速乾性及び記録用紙等の記録媒体への広がりが充分でなく、高速化に対応した水性インクとしての性能を満足させることが困難であった。上記のような事情から、高速化に対応しつつ、従来以上にVOCの発生を低減可能なインクジェット記録装置等の液体吐出記録装置が求められている。
そこで、本発明は、VOCの発生を低減可能な液体吐出記録装置及び液体回収方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の液体吐出記録装置は、
揮発性有機化合物を含有する液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドから出た前記液体を吸収する吸収体とを含む液体吐出記録装置であって、
前記吸収体が、二層構造であり、
前記吸収体の前記液体吐出ヘッド側の層が、前記液体よりも比重の小さい不飽和脂肪酸を含み、
前記吸収体の前記液体吐出ヘッドと反対側の層が、親水性溶剤を含むことを特徴とする。
本発明の液体回収方法は、
揮発性有機化合物を含有する液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドから出た前記液体を吸収する吸収体とを含む液体吐出記録装置において、前記液体吐出ヘッドから出た前記液体を回収する液体回収方法であって、
前記液体吐出ヘッドから出る前記液体を、前記液体吐出ヘッド側の層が前記液体よりも比重の小さい不飽和脂肪酸を含み、前記液体吐出ヘッドと反対側の層が親水性溶剤を含んだ二層構造の前記吸収体によって吸収することで前記液体吐出ヘッドから出た前記液体を回収することを特徴とする。
本発明によれば、液体吐出ヘッド側の層(以下、「上層」という。)が液体よりも比重の小さい不飽和脂肪酸を含み、前記液体吐出ヘッドと反対側の層(以下、「下層」という。)が親水性溶剤を含む二層構造の吸収体に液体吐出ヘッドから出た前記液体を吸収させることで、前記液体に含まれるVOCの揮発を低減することが可能である。
図1は、本発明の液体吐出記録装置の一例の構成を示す概略平面図である。 図2は、図1に示す液体吐出装置の液体回収時における廃液タンクの走査方向を含む鉛直面での断面図である。
本発明の液体吐出記録装置に用いられる前記液体としては、例えば、インクジェット記録用水性インク、インクジェット記録に用いる処理液等があげられる。前記処理液は、画質の向上等を目的としてインクの吐出に先立って又はインクの吐出の後に記録媒体に吐出される液体である。また、前記液体は、インクジェット記録に用いられるものに限られず、例えば、保存液(出荷液)、導入液及び検査液等もあげられる。前記保存液は、工場から出荷される状態の液体吐出記録装置の流路に充填されて、前記流路内の状態を保つための液体である。保存液は、液体吐出記録装置の出荷後に、液体吐出記録装置の流路にユーザーがインクを導入する際、流路へのインクの導入を促進する役割も果たす。前記導入液は、工場においてヘッド製造後にインクが流路内に導入されるときにインクが流路内に容易に導入されるようにあらかじめ流路内に充填される液体である。前記検査液は、工場で液体吐出ヘッドの吐出を検査するために使用される液体である。
本発明は、つぎの二つの発想に基づくものである。一つ目の発想は、前記不飽和脂肪酸よりも比重の大きい前記液体を前記吸収体の上層の下へと浸透させ、前記不飽和脂肪酸の油膜で蓋をすることで、前記液体に含まれるVOCの揮発を低減するとの発想である。二つ目の発想は、前記吸収体の上層の下へと浸透した前記液体を、前記吸収体の下層の前記親水性溶剤に溶解させることで、前記液体に含まれるVOCの揮発を更に低減するとの発想である。これらの発想は、本発明者らが初めて得たものである。本発明者らは、これらの発想に基づき、上層が前記液体よりも比重の小さい不飽和脂肪酸を含み、下層が親水性溶剤を含む二層構造の吸収体に前記液体を液体吐出ヘッドから出すことで、前記液体に含まれるVOCの揮発を実際に低減可能であることを見出した。また、本実施形態で用いる不飽和脂肪酸は、飽和脂肪酸と比較して、油膜を形成し易い。これにより、本発明によれば、VOCの揮発を低減可能な液体吐出記録装置及び液体回収方法を提供可能である。また、本発明によれば、前述のとおり、前記不飽和脂肪酸よりも比重の大きい前記液体は、前記吸収体の上層の下へと浸透していき、前記吸収体の下層の前記親水性溶剤に溶解するため、前記吸収体表面での前記液体の堆積が抑制され、後述の液体吐出ヘッドの液体吐出面における前記液体の混合、液体吐出ヘッドの目詰まり、及び記録用紙等の記録媒体の汚染が抑制されるという副次的効果も得られる。
本発明の液体吐出記録装置において、前記不飽和脂肪酸は、前記液体の比重に応じて、適宜選択できる。前記不飽和脂肪酸の不飽和度は、特に制限されないが、1〜3であることが好ましい。前記不飽和度を前記範囲とすることで、前記液体に含まれるVOCの揮発低減効果及び前記吸収体表面における前記液体の堆積抑制効果をさらに高めることができる。また、前記不飽和脂肪酸の比重は、特に制限されないが、0.850g/cm〜0.915g/cmであることが好ましい。前記不飽和脂肪酸の比重を前記範囲とすることで、前記液体に含まれるVOCの揮発低減効果及び前記吸収体表面における前記液体の堆積抑制効果をさらに高めることができる。前記不飽和脂肪酸の具体例としては、例えば、エルカ酸(不飽和度1、比重0.880g/cm)、オレイン酸(不飽和度1、比重0.898g/cm)、リノール酸(不飽和度2、比重0.902g/cm)、リノレン酸(不飽和度3、比重0.914g/cm)、アラキドン酸(不飽和度4、比重0.919g/cm)等があげられる。
本実施形態の液体吐出記録装置において、液体吐出ヘッドから出た前記液体を吸収する吸収体は、液体を吸収できるものであればいかなるものでもよく、例えば、メラニンフォーム、ウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、シリコンフォーム、アクリルフォーム、クロロプレンゴム(CR)スポンジ、天然ゴム(NR)スポンジ、ニトリルゴム(NBR)スポンジ、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)スポンジ、フェルトフォーム、ニードルフェルト等が挙げられ、中でもメラミンフォームが好ましい。
吸収体からの液ダレを防ぐ観点から、吸収体1mm 当たりに含まれる前記不飽和脂肪酸の量は、0.91μg/mm 以下であることが好ましく、0.7μg/mm 以下であることがより好ましい。また、液体の揮発を十分に抑制する観点から、吸収体1mm 当たりに含まれる前記不飽和脂肪酸の量は、0.1μg/mm 以上であることが好ましく、0.2μg/mm 以上であることがより好ましい。また、吸収体に含まれる前記不飽和脂肪酸の量は、液体吐出記録装置のライフタイム等を考慮しても決定してもよく、例えば、吸収体が後述する液体吐出記録装置のフラッシング吸収体である場合には、フラッシング吸収体が含む前記不飽和脂肪酸の量は、好ましくは0.10g以上、より好ましくは0.18g以上であり、好ましくは0.81g以下、より好ましくは0.63g以下である。
前記液体が水性インクである場合、水性インクは、着色剤、水及び水溶性有機溶剤を含む。着色剤は、染料及び顔料の少なくとも一方であってもよいが、顔料であることが好ましい。更に、水性インクは、染料を含まず、着色剤として、実質的に顔料のみを含んでもよい。着色剤が顔料の場合、水性インクを前記吸収体の表面に吐出すると、吸収体表面に顔料が堆積する虞があるが、本実施形態の液体吐出記録装置は、前記吸収体表面での顔料の堆積を抑制できる。前記水性インク全量に対する着色剤の配合量は、特に限定されず、例えば、所望の光学濃度又は色彩等により、適宜決定でき、例えば、0.2重量%〜20重量%であり、好ましくは、2重量%〜10重量%である。
前記水性インクに含まれる水は、イオン交換水又は純水であることが好ましい。前記水性インク全量に対する前記水の配合量(水割合)は、例えば、10重量%〜90重量%であり、好ましくは、40重量%〜80重量%である。前記水割合は、例えば、他の成分の残部としてもよい。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、インクジェットヘッドのノズル先端部における水性インクの乾燥を防止する湿潤剤および/又は、記録媒体上での乾燥速度を調整する浸透剤があげられる。前記水性インク全量に対する前記湿潤剤の配合量(湿潤剤割合)は、例えば、0重量%〜95重量%であり、好ましくは、5重量%〜80重量%であり、さらに好ましくは、5重量%〜50重量%である。特に、湿潤剤として、グリセリンを5重量%〜40重量%含むことが好ましく、10重量%〜30重量%含むことがより好ましい。前記水性インク全量に対する前記浸透剤の配合量(浸透剤割合)は、例えば、0重量%〜20重量%である。前記浸透剤割合を前記範囲とすることで、前記水性インクの記録媒体への浸透性を、より好適なものとできる。前記浸透剤割合は、好ましくは、0.1重量%〜15重量%であり、より好ましくは、0.5重量%〜10重量%である。
本発明の液体吐出記録装置において、前記親水性溶剤は、例えば、前記吸収体の表面に揮発して固化したインク成分が堆積するのを抑制する機能を発揮できる。前記親水性溶剤は、特に限定されず、例えば、水、湿潤剤、浸透剤、界面活性剤等があげられる。前記湿潤剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の低級アルコール;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド;アセトン等のケトン;ジアセトンアルコール等のケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;ポリアルキレングリコール等のポリエーテル;アルキレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール;2−ピロリドン;N−メチル−2−ピロリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等があげられる。前記ポリアルキレングリコールは、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等があげられる。前記アルキレングリコールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール等があげられる。前記浸透剤としては、例えば、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコール−n−プロピルエーテル、トリエチレングリコール−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコール−n−ブチルエーテル等のグリコールエーテル等があげられる。これらの中では、前記液体の浸透を補助するという観点から、前記浸透剤を用いることが好ましい。これらの中で、水、グリセリン等の多価アルコール、グリコールエーテルが好ましい。前記親水性溶剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。また、親水性溶剤は、コストの点で前記液体に含まれている浸透剤と同じ浸透剤を用いることが好ましい。
本発明の液体吐出記録装置及び液体回収方法について具体的に説明する。本発明の液体吐出記録装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドから出た前記液体を吸収する吸収体とを含む。前記吸収体は、フラッシング吸収体及び廃液吸収体の少なくとも一方であることが好ましい。本発明の液体吐出記録装置において、前記吸収体以外の構成は、従来のインクジェット記録装置等の液体吐出記録装置と同様とすることができる。本発明の液体回収方法は、本発明の液体吐出記録装置を用いて実施する。
図1に、本発明の液体吐出記録装置の一例の構成を示す。図示のとおり、この液体吐出記録装置1は、プラテン2と、キャリッジ3と、インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)4と、搬送機構5と、メンテナンスユニット6とを主要な構成要素として含む。
プラテン2の上面には、給紙機構(図示省略)から供給された記録媒体(例えば、記録用紙)Pが載置される。プラテン2の上方には、走査方向(図1においては、左右方向)に平行に延びる2本のガイドレール10及び11が設けられている。キャリッジ3は、プラテン2と対向する領域において2本のガイドレール10及び11に沿って走査方向に往復移動可能とされている。
2本のガイドレール10及び11は、プラテン2の左右両端からさらに突出して走査方向に延在している。キャリッジ3は、プラテン2上の記録用紙Pと対向する領域(記録領域)から、非記録領域である、プラテン2の左右両端から離れた位置まで移動可能とされている。キャリッジ3には、2つのプーリ12及び13間に巻き掛けられた無端ベルト14が連結されている。キャリッジ3は、キャリッジ駆動モータ15によって無端ベルト14が走行駆動されると、無端ベルト14の走行に伴って走査方向に移動する。
インクジェットヘッド4は、キャリッジ3の下部に搭載される。インクジェットヘッド4の下面は、プラテン2の上面と平行で、複数のノズル16が開口する液体吐出面4a(図2参照)となっている。この液体吐出面4aの複数のノズル16から、プラテン2に載置された記録用紙Pに前記液体を吐出して記録する。
インクジェットヘッド4の上面には、ブラック、イエロー、シアン及びマゼンタの各色に対応した4つのインク供給口(図示省略)が設けられており、この4つのインク供給口に4本のチューブ17の一端がそれぞれ接続されている。4本のチューブ17の他端は、各色のインクが収容された4つのインクカートリッジ8を着脱自在なカートリッジ装着部9に接続されている。これにより、カートリッジ装着部9に装着された4つのインクカートリッジ8から4本のチューブ17を介して、各色のインクが、インクジェットヘッド4に供給される。
搬送機構5は、搬送方向(図1においては、上から下に向かう方向)に沿ってプラテン2を挟むように配置された2つの搬送ローラ18及び19を有する。これら2つの搬送ローラ18及び19によって、プラテン2に載置された記録用紙Pを搬送方向に搬送する。
液体吐出記録装置1は、プラテン2上に載置された記録用紙Pに対して、キャリッジ3に搭載されたインクジェットヘッド4から液体を吐出するとともに、2つの搬送ローラ18及び19によって記録用紙Pを搬送方向に搬送することにより、記録用紙Pに所望な画像及び文字等を記録する。
つぎに、メンテナンスユニット6について説明する。メンテナンスユニット6は、パージユニット及びフラッシングユニットを含む。前記パージユニットは、プラテン2に対して走査方向の一方側(図1においては、右側)に配置された廃液吸収体22、吸引キャップ21及び吸引ポンプ23を有している。前記フラッシングユニットは、プラテン2に対して走査方向の他方側(図1においては、左側)に配置され、第一フラッシング吸収体53、第二フラッシング吸収体54、廃液タンク50及び液受け部材51を主要な構成要素として含む。
吸引キャップ21は、モータ等の駆動手段を含むキャップ駆動機構(図示省略)により昇降駆動され、液体吐出面4aに対して離接する。吸引ポンプ23は、吸引キャップ21に接続されている。吸引キャップ21は、液体吐出面4aに接触したときには、複数のノズル16の開口を覆う。このように、吸引キャップ21がキャッピング状態にあるときに、吸引ポンプ23を駆動して、吸引キャップ21内を吸引して減圧することで、吸引キャップ21によって覆われた全てのノズル16から液体を排出させる(吸引パージ)。吸引ポンプ23は、廃液吸収体22に接続されており、吸引パージにより吸引排出された液体は、吸引ポンプ23を介して、廃液吸収体22に吸収される。図示していないが、廃液吸収体22は、重力方向において上層と下層の二層に分かれた二層構造であり、上方が開口した箱の中に収容されている。廃液吸収体22は、液体を吸収できるものであればいかなるものであってもよいが、例えば、二層のメラミンフォームを積層した積層体等があげられる。なお、本実施形態では、前記パージユニットは、吸引ポンプ23でノズル16から液体を吸引するものであるが、インクジェットヘッド4内の液体に圧力をかけてノズル16から液体を出す、いわゆる「押しパージ」の機構であってもよい。すなわち、本発明の吸収体が吸収する液体は、ノズルから積極的に吐出されて出た液体でもよいし、吸引パージのようにノズルから強制的に出た液体を吸収するものであってもよい。また、吸収する液体は、直接的に吸収体に吐出されたものを受ける態様であってもよいし、吸引ポンプ等で送られて間接的に受ける態様であってもよい。
図2に示すように、廃液タンク50は、上方に開口した箱状であり、その内部に第一フラッシング吸収体53が収容されている。第一フラッシング吸収体53は、上層53a及び下層53bからなる二層構造である。液受け部材51は、第一フラッシング吸収体53の上方に配置されている。液受け部材51は、上方に開口した箱状であり、その内部に第二フラッシング吸収体54が配置されている。第二フラッシング吸収体54は、上層54a及び下層54bからなる二層構造である。液受け部材51の底面における走査方向の一方側(図2において、右側)には、排出口51aが形成されている。排出口51aは、一端が第一フラッシング吸収体53の上面に接触したチューブ55の他端と連結されている。これにより、第二フラッシング吸収体54の上面に吸収された液体は、下方に移動して、排出口51aからチューブ55を介して第一フラッシング吸収体53に排出される。第一フラッシング吸収体53及び第二フラッシング吸収体54は、液体を吸収できるものであればいかなるものであってもよいが、例えば、二層のメラミンフォームが積層した積層体等があげられる。
第一フラッシング吸収体53、第二フラッシング吸収体54及び廃液吸収体22の上層(インクジェットヘッド4側の層)は、前記液体よりも比重の小さい不飽和脂肪酸を含み、第一フラッシング吸収体53、第二フラッシング吸収体54及び廃液吸収体22の下層(インクジェットヘッド4と反対側の層)は、親水性溶剤を含む。第一フラッシング吸収体53及び第二フラッシング吸収体54において、前記不飽和脂肪酸及び前記親水性溶剤は、インクジェットヘッド4から吐出される前記液体と接触する部分のみに含まれていてもよいし、全体に含まれていてもよい。
つぎに、図2を参照して、本発明の液体回収方法の一例について説明する。本例は、インクジェットヘッド4からフラッシング吸収体に直接前記液体を吐出することで前記液体を回収する方法である。図2は、図1に示す液体吐出記録装置1の液体回収時における廃液タンク50の走査方向を含む鉛直面での断面図である。図2において、16bk、16y、16c及び16mは、それぞれ、ブラックインク、イエローインク、シアンインク及びマゼンタインク用のノズル16を示す。液体吐出記録装置1において、インクジェットヘッド4は、さらに、処理液用のノズル及び供給口を有してもよい。液体吐出記録装置1は、さらに、処理液が収容されたカートリッジ及び処理液供給用のチューブを有してもよい。
本例の液体回収時には、インクジェットヘッド4は、走査方向に走査せずに停止しており、ノズル16から吐出したインクは、直下に吐出される。図2は、ブラックインクのノズル16bkからの液体回収と、イエロー、シアン及びマゼンタの3色のカラーインクのノズル16y、16c及び16mからの液体回収を、同時に行う場合の例である。
図2では、ブラックインクのノズル16bkを廃液タンク50に収容された第一フラッシング吸収体53に対向させ、3色のカラーインクのノズル16y、16c及び16mを、液受け部材51に収容された第二フラッシング吸収体54に対向させた位置で、ノズル16bk、16y、16c及び16mから第一フラッシング吸収体53及び第二フラッシング吸収体54に対して各色のインクを吐出することで液体を回収している。なお、ブラックインクのノズル16bkからの液体回収と、3色のカラーインクのノズル16y、16c及び16mからの液体回収は、別々に行ってもよい。また、インクジェットヘッド4が、処理液用のノズルを有する場合において、処理液用のノズルからの液体回収も、処理液用のノズルを、第一フラッシング吸収体53又は第二フラッシング吸収体54に対向する位置に移動させることで、同様にして実施できる。
第一フラッシング吸収体53及び第二フラッシング吸収体54の上層53a及び54aには、前記液体よりも比重の小さい不飽和脂肪酸が含まれている。このため、前記不飽和脂肪酸よりも比重の大きい前記液体は、上層53a及び54aの下へと浸透し、前記不飽和脂肪酸の油膜で蓋がされることで、前記液体に含まれるVOCの揮発が低減する。また、上層53a及び54aの下へと浸透した前記液体は、下層53b及び54bの前記親水性溶剤に溶解し、前記液体に含まれるVOCの揮発が更に低減する。さらに、前述のとおり、前記不飽和脂肪酸よりも比重の大きい前記液体は、第二フラッシング吸収体54の上層54aの下へと浸透していき、下層54bの前記親水性溶剤に溶解するため、第二フラッシング吸収体54表面での前記液体の堆積が抑制され、インクジェットヘッド4の液体吐出面における前記液体の混合、インクジェットヘッド4の目詰まり、及び記録用紙Pの汚染が抑制される
つぎに、図1を参照して、本発明の液体回収方法の別の例について説明する。前述のとおり、図1に示す液体吐出記録装置1においては、吸引パージにより吸引排出された液体は、吸引ポンプ23を介して、廃液吸収体22に吸収される。廃液吸収体22の上層には、前記液体よりも比重の小さい不飽和脂肪酸が含まれており、下層には、親水性溶剤が含まれている。このため、前記不飽和脂肪酸よりも比重の大きい前記液体は、廃液吸収体22の上層の下へと浸透し、前記不飽和脂肪酸の油膜で蓋がされることで、前記液体に含まれるVOCの揮発が低減する。また、廃液吸収体22の上層の下へと浸透した前記液体は、廃液吸収体22の下層の前記親水性溶剤に溶解し、前記液体に含まれるVOCの揮発が更に低減する。このように、インクジェットヘッド4から吐出された前記液体を直接吸収する場合だけでなく、吸引ポンプ23を介して、廃液吸収体22に前記液体を吸収させる態様においても本発明を適用可能である。
本実施形態においては、図1における第一フラッシング吸収体53、第二フラッシング吸収体54及び廃液吸収体22が、本実施形態の「液体吐出ヘッドから吐出された前記液体を吸収する吸収体」であるが、本実施形態の上記吸収体は、本実施形態に限られない。例えば、フラッシング吸収体をプラテン2に設けてもよい。フラッシング吸収体をプラテン2に設けることで、フラッシング時と、記録時との間で、インクジェットヘッド4の移動距離及び移動時間を短縮することができる。また、プラテン2において記録媒体(記録用紙)Pの端部が通過する部分に、プラテン吸収体を設けてもよい。記録用紙Pに対して余白無しの縁無し記録を行った場合に、記録用紙Pの端部からはみ出てプラテン上に吐出されたインク(液体)をプラテン吸収体で吸収できる。プラテン吸収体が前記液体よりも比重の小さい不飽和脂肪酸を含むことで、液体に含まれるVOCの揮発を低減することができる。
つぎに、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。なお、本発明は、下記の実施例及び比較例により限定及び制限されない。
[実施例1〜5及び比較例1〜6]
HS−GC/MS測定用のバイアル瓶に、二層のメラミンフォームの積層体(各層の表面積1cm、厚み5mm)を入れた。つぎに、前記メラミンフォームの積層体にインクを100μL浸透させて、60℃で30分間保温した。前記インクには、表1に示す組成の3種のインクを用いた。前記保温後、前記バイアル瓶から0.05分間GC/MSに気体を注入して測定を行い、前記インクに含まれるVOCのピーク面積の合計を算出した。また、HS−GC/MS測定用のバイアル瓶に、二層のメラミンフォームの積層体を入れ、上層に対象の不飽和脂肪酸(比較例1においては、飽和脂肪酸、比較例4〜6においては親水性溶剤)100μLを、下層に対象の親水性溶剤(比較例2においては、親油性溶剤)100μLを浸透させた後、同様にして前記インクに含まれるVOCのピーク面積の合計を算出した。そして、下記式により、インクに含まれるVOCの減少率を算出し、下記評価基準に従って評価した。このようなモデル実験により、インクと二層のメラミンフォームの積層体に浸透させた不飽和脂肪酸及び親水性溶剤との組み合わせによる揮発抑制の度合を確認した。

減少率(%)={(X−Y)/X}×100
X:インク単独でのピーク面積の合計
Y:対象の不飽和脂肪酸及び親水性溶剤を二層のメラミンフォームの積層体に浸透させたときのピーク面積の合計

評価基準
AA:減少率が、75%以上
A :減少率が、25%以上75%未満
B :減少率が、10%以上25%未満
C :減少率が、10%未満
Figure 0006307969
実施例の評価結果を、表2に示す。また、比較例の評価結果を、表3に示す。
Figure 0006307969
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表2に示すとおり、実施例1〜5では、インクに含まれるVOCの揮発が低減した。また、実施例1〜5における二層のメラミンフォームの積層体を、図1に示す液体吐出記録装置1の第二フラッシング吸収体54として用いると、第二フラッシング吸収体54表面での実施例1〜5で用いたインクの堆積が抑制されることが確認された。不飽和度が1〜3で、比重が0.850〜0.915である不飽和脂肪酸を二層のメラミンフォームの積層体の上層に含ませた実施例1〜4では、VOCの揮発低減効果及びインクの堆積抑制効果がより高かった。
一方、表3に示すとおり、不飽和脂肪酸に代えて、飽和脂肪酸又は親水性溶剤を二層のメラミンフォームの積層体の上層に含ませた比較例1及び4〜6では、インクに含まれるVOCが揮発した。また、親水性溶剤に代えて、親油性溶剤を二層のメラミンフォームの積層体の下層に含ませた比較例2でも、インクに含まれるVOCが揮発した。そして、二層のメラミンフォームの積層体の上層にインクよりも比重の大きい不飽和脂肪酸を含ませた比較例3でも、インクに含まれるVOCが揮発した。さらに、比較例1〜6における二層のメラミンフォームの積層体を、図1に示すインクジェット記録装置1の第二フラッシング吸収体54として用いると、第二フラッシング吸収体54表面で比較例1〜6で用いたインクが堆積した。
以上のように、本発明の液体吐出記録装置は、VOCを低減可能なものである。本発明の液体吐出記録装置の用途は、特に限定されず、各種のインクジェット記録に広く適用可能である。
1 液体吐出記録装置
3 キャリッジ
4 液体吐出ヘッド(インクジェットヘッド)
6 メンテナンスユニット
21 吸引キャップ
22 廃液吸収体
23 吸引ポンプ
50 廃液タンク
51 液受け部材
53 第一フラッシング吸収体
54 第二フラッシング吸収体

Claims (4)

  1. 揮発性有機化合物を含有する液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドから出た前記液体を吸収する吸収体とを含む液体吐出記録装置であって、
    前記吸収体が、二層構造であり、
    前記吸収体の前記液体吐出ヘッド側の層、前記液体よりも比重の小さい不飽和脂肪酸が含浸され
    前記吸収体の前記液体吐出ヘッドと反対側の層、親水性溶剤が含浸されていることを特徴とする液体吐出記録装置。
  2. 前記不飽和脂肪酸の不飽和度が、1〜3であることを特徴とする請求項1記載の液体吐出記録装置。
  3. 前記吸収体は、前記吸収体と対向する位置において前記液体吐出ヘッドから吐出された液体を受けるフラッシング吸収体であることを特徴とする請求項1又は2記載の液体吐出記録装置。
  4. 揮発性有機化合物を含有する液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドから出た前記液体を吸収する吸収体とを含む液体吐出記録装置において、前記液体吐出ヘッドから出た前記液体を回収する液体回収方法であって、
    前記液体吐出ヘッドから出る前記液体を、前記液体吐出ヘッド側の層前記液体よりも比重の小さい不飽和脂肪酸が含浸され、前記液体吐出ヘッドと反対側の層親水性溶剤が含浸された二層構造の前記吸収体によって吸収することで前記液体吐出ヘッドから出た前記液体を回収することを特徴とする液体回収方法。
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