JP5316277B2 - インクジェット式記録装置、記録方法、およびフラッシング方法 - Google Patents

インクジェット式記録装置、記録方法、およびフラッシング方法 Download PDF

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Description

本発明は、フラッシングまたはクリーニング等のメンテナンス動作に起因して生じる、記録媒体汚染およびインク混色現象の少なくともいずれかが抑制されたインクジェット式記録装置に関する。
通常、インクジェット式記録装置においては、記録ヘッドのノズルの乾燥による印刷不良を防止する(メニスカス安定化)等のためにフラッシングが行われる。これは、記録制御信号とは別にノズルからインクを空吐出する動作である。一般的に、フラッシング動作によって記録に使用されずにノズルから吐出されたインクは、記録ヘッドのノズル形成面を封止するキャッピング手段に受容された後、廃インクとして吸引手段によりインクジェット式記録装置に設けられた廃液タンクに搬送される(例えば、特許文献1参照)。
他方で、シリアルヘッド型の記録ヘッドを搭載したインクジェット式記録装置においては、印刷のスループットを向上させるため、記録ヘッドをキャッピング手段まで移動させることなく、記録ヘッドの移動経路でフラッシングを行なう機種も知られている(例えば、特許文献2参照)。かかる機種においては、例えば、記録用紙を搬送する紙案内部材に開口穴が設けられ、該紙案内部材の下側に配置された液体受容部(フラッシングボックス)に吐出したインクが受容されるように構成されている。
このフラッシング動作は、例えば印刷動作中にインク滴の吐出の少ないノズル開口において、インクの増粘による目詰まりを防止する目的で一定周期ごとに実行される。
一方、記録ヘッドのノズルが目詰まりした場合には、記録ヘッドのノズルを上記キャッピング手段で封止し、このキャッピング手段に接続された吸引手段によりノズルからインクを強制的に排出させるいわゆるクリーニング動作が行われる。クリーニング動作により、記録に使用されずにノズルから吐出されたインクは、キャッピング手段に受容された後、廃インクとして吸引手段によりインクジェット式記録装置に設けられた廃液タンクに搬送される(例えば、特許文献3参照)。
特開2009−891号公報 特開2002−86762号公報 特開2008−44337号公報
ところで、フラッシングボックスは記録ヘッドのノズル形成面になるべく接近するように配置されるのが一般的である。フラッシングボックスの開口面と記録ヘッドのノズル形成面との距離が離れていると、記録ヘッドから吐出されたインク滴がフラッシングボックスへ受容されるまでに空気抵抗を受けるなどしてミスト状に変化して浮遊し、周囲を汚染する原因となるためである。
また、昨今においては、印刷の多様化が進み、より優れた再現性を得るために、顔料あるいは中空樹脂粒子などの色材を用いたインクが使用されるに至っている。しかしながら顔料あるいは中空樹脂粒子などの色材を用いた固形分濃度の高いインクはフラッシングボックスに配置される多孔質部材等の廃インク吸収材に浸透されにくく、溶剤成分と水成分だけが吸収材内部に浸透し、吸収材の表面に色材成分等が堆積するという状態が発生することが知られている。
このため、長期の使用によっては、フラッシングボックスに色材が山状に堆積し、このインク堆積物と記録媒体の背面とが当接して記録媒体が汚染される虞があった。
一方、上述の通り、フラッシング動作により記録に使用されずにノズルから吐出されたインクはキャッピング手段に受容されることもある。キャッピング手段には、キャッピング手段とノズル形成面とで構成される内部空間内を負圧に吸引可能な吸引手段が接続されており、上記フラッシング動作に伴ってキャッピング手段に受容されたインクは、記録ヘッドからインクを強制的に排出させるクリーニング動作のタイミングにおいて廃液タンクへ吸引される。しかしながら、特に、前記顔料あるいは中空樹脂粒子などの色材を用いたインクにおいては、色材の分散性向上を目的として添加される界面活性剤等の成分が多く含まれており、これに起因して吸引時にインクが泡立ちやすいという問題があった。この発生した泡がノズル形成面を汚染することによって、インクの混色を生じさせる原因となることが明らかとなっている。
特許文献1は、キャッピング手段から廃液チューブを通じて廃液タンク内に排出された顔料系インクが泡立ってしまうことで廃液タンク内に配置された吸収体に吸収されにくくなる現象に着目し、消泡剤を含む含浸液を該吸収体の廃インク液との接触表面の少なくとも一部分に含ませることで吸収体の吸収性を向上させた発明を開示している。
しかしながら、特許文献1はキャッピング手段内での泡立ちを抑制したものではなく、従って、泡立ちによるノズル形成面の汚染を根本から解決する手段の提供が望まれていた。
本発明の目的は、フラッシングまたはクリーニング等のメンテナンス動作に起因して生じる、記録媒体汚染およびインク混色現象の少なくともいずれかが抑制されたインクジェット式記録装置を提供することにある。
上記した目的を提供するために成された本発明にかかるインクジェット式記録装置は、印刷データに基づいてノズルからインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記ノズルから吐出されたインクを受容するインク受けユニットと、前記インク受けユニットに前記ノズルからインクが吐出された際に、前記インク受けユニットに表面張力低下剤を含む液体組成物を供給する表面張力低下液供給手段と、を備えた構成とされる。
フラッシングまたはクリーニング等のメンテナンス動作に伴って吐出されたインクは、インク受けユニットに受容される。インク受けユニットは、記録ヘッドの移動経路に配置されてフラッシング動作時にインク滴を受け止める液体受容部(以下、「フラッシングボックス」と称することもある)、または記録ヘッドのノズル面を封止するキャッピング手段が含まれる。フラッシングボックスやキャッピング手段等のインク受けユニットは、通常、吐出されたインクの吸収性向上や飛散防止のため、多孔質部材などの廃インク吸収材を含んで構成される。しかしながら、顔料や中空樹脂粒子等の色材を含むインクでは色材成分が廃インク吸収材の表面に堆積し易いという問題があった。また、キャッピング手段等の吸引手段が接続されたインク受けユニットにおいては、色材の分散性を向上するための界面活性材等の添加剤に起因して、インクが吸引時に泡立ってしまう問題があった。
これに対し、本発明のインクジェット式記録装置は、フラッシングまたはクリーニング動作時にノズルからインク受けユニットにインクが吐出された際に、前記インク受けユニットに表面張力低下液供給手段によって表面張力低下剤を含む液体組成物(以下、「表面張力低下液」と称する)を供給する機構を備える。表面張力低下液は、廃インク吸収材の表面に堆積した堆積物の固形分濃度を下げて廃インク吸収材への濡れ性を高め、且つ、吸引時に泡立ちの原因となるインク中の気泡量を減少させることが可能であり、従って、フラッシングまたはクリーニング等のメンテナンス動作に起因して生じる記録媒体汚染およびインク混色現象の少なくともいずれかが抑制が可能となる。
本発明にかかるインクジェット式記録装置は、複数のノズルを有し、前記複数のノズルの一部から表面張力低下液を吐出することが望ましい。ノズルからインク受けユニットに表面張力低下液を吐出することにより、堆積防止効果および吸引時におけるインクの泡立ちの防止効果をより顕著に得ることができる。
本発明にかかるインクジェット式記録装置は、前記キャッピング手段に表面張力低下液供給口を更に有し、前記表面張力低下液供給手段からの前記表面張力低下液は、クリーニング動作時に前記表面張力低下液供給口から前記キャッピング手段内に供給されることが望ましい。クリーニングに伴うキャッピング手段内の減圧に伴って前記表面張力低下液供口から前記キャッピング手段内に供給されることで、吸引時におけるインクの泡立ちの防止効果をより顕著に得ることができる。
本発明にかかるインクジェット式記録装置においては、前記表面張力低下剤は、アルコール類、エーテル類、ポリオール類、脂肪酸エステル類、金属石鹸類、燐酸エステル類、シリコーン類およびノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる化合物であることが望ましい。これらの化合物を用いることで、優れた堆積防止および泡立ち防止効果が得られる。
本発明にかかるインクジェット式記録装置においては、前記表面張力低下液中の表面張力低下剤濃度が0.5質量%以上5質量%以下であることが望ましい。表面張力低下剤濃度を上記範囲とすることで、0.5質量%以上においては十分な消泡効果が得られ、5質量%以下においては十分な溶解性が得られる。
本発明にかかるインクジェット式記録装置においては、前記表面張力低下液が、更に炭素数5以上のジオール類を5質量%以上含むことが望ましい。炭素数5以上のジオール類を5質量%以上含むことで、主溶媒である水に対する表面張力低下剤の溶解性を向上させることができ、表面張力低下剤の含有量を増加させることができる。
本発明にかかるフラッシング方法は、印刷データに基づいてノズルからインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置のフラッシング方法であって、フラッシング処理によってインクをノズルから液体受容部に吐出する際に、前記ノズルとは異なるノズルから前記液体受容部に表面張力低下剤を含む液体組成物を吐出する構成をとる。
かかるフラッシング方法によれば、長期使用後でも、液体受容部での色材成分の堆積を防止可能なインクジェット式記録装置が得られ、記録媒体汚染が抑制される。
本発明にかかる記録方法は、インクジェット式記録ヘッドに形成された複数のノズルから記録媒体上にインクを吐出して画像記録を行う記録方法であって、記録媒体上に画像を記録する画像記録工程の前に、フラッシング処理によってインクをノズルから液体受容部に吐出するフラッシング工程と、前記ノズルとは異なるノズルから前記液体受容部に表面張力低下剤を含む液体組成物を吐出する表面張力低下液供給工程と含む。
かかる記録方法によれば、長期使用後でも、液体受容部での色材成分の堆積を防止可能なインクジェット式記録装置が得られ、記録媒体汚染が抑制される。
本発明の実施形態にかかるインクジェット式記録装置を示す概略斜視図である。 図1の記録装置の内部構造を示す概略図である。 本実施形態の記録装置10の表面張力低下液供給手段の一例を示す概略図である。 本実施形態の記録装置10の表面張力低下液供給手段の他の一例を示す概略図である。 本実施形態の記録装置10の表面張力低下液供給手段の他の一例を示す概略図である。
以下、本発明にかかるインクジェット式記録装置、フラッシング方法、および記録方法について、図面を参照にして詳細に説明する。
図1は、本発明にかかるインクジェット式記録装置(以下、「記録装置」と称する)の実施形態の一例を示す概略斜視図である。また、図2は、図1の記録装置の内部構造を示す概略図である。
図1に示すように、記録装置10は、給紙部11、印刷部12及び排紙スタック部13を有している。このため、給紙部11から印刷部12を経て排紙スタック部13に向かう用紙搬送経路が斜め上方の奧側から斜め下方の手前側にほぼ真っ直ぐに形成されている。
また、図2に示すように、給紙部11には、ロール紙14が配置されているため、このロール紙14は、上記用紙搬送経路に沿って搬送される構成となっている。すなわち、ロール紙14は、斜め方向に真っ直ぐ排紙スタック部13へ移動するように構成されている。
また、図2に示すように、キャリッジ15に搭載された記録ヘッド16の走行領域における一端部には、非印字領域であるホームポジションHが形成されている。
記録ヘッド16には、インクを吐出するためのノズルが形成され、このノズルの形成面が上記用紙搬送経路に対向するように(すなわち、ノズルの形成面は鉛直方向から若干傾斜した状態である)、記録ヘッド16がキャリッジ15に搭載されている。
更に記録装置10は、キャッピング手段30を有している。キャッピング手段30は、記録ヘッド16がホームポジションHに配置されているときに、記録ヘッド16のノズル形成面を封止できるように配置されている。
図2に示すように、このキャッピング手段30の下方には、キャッピング手段30の内部空間に負圧を与えるための吸引ポンプ18が配置されている。
キャッピング手段30を吸引ポンプ18で吸引するクリーニング動作により、ノズルに目詰まりしたインク、あるいは、フラッシング動作によりキャッピング手段30に吐出された廃インクが廃液タンク19に排出され、この廃液タンク19内に収容された廃インク吸収材29に吸収される構成となっている。
一方、記録装置10は、キャッピング手段30内とは異なる位置でもフラッシング動作を行なえるようにするため、図2に示すように記録ヘッド16の移動経路に液体受容部40が形成されている。フラッシングは、上述のようにロール紙14にインクを吐出するのではなく、ノズル内のインクに増粘等が生じるのを回避するため、一定周期毎に、所定量のインクをノズルから吐出する動作である。液体受容部40は内部に不図示の廃インク吸収剤を含んで構成されており、フラッシング動作にこの液体受容部40に吐出されたインクは、廃液タンク22に受容される。
従って、本実施形態の記録装置10は、記録ヘッド16がフラッシング動作をする際に、キャッピング手段30あるいは液体受容部40のいずれか近い方にフラッシング位置を選択することができ、スループットを低下させることなく、フラッシングによる印字の信頼性を確保できる構成となっている。
図3は、本実施形態の記録装置10の表面張力低下液供給手段の一例を示す概略図であり、フラッシング動作時に、図2に示した液体受容部40に表面張力低下液を供給する形態を例に説明する。尚、図2においては液体受容部40と廃液タンク22を別体としているが、下記の図3では、廃液タンク22に相当する廃インク収容部が一体化された液体受容部40として説明する。
キャリッジ15に搭載された記録ヘッド16には、インク用ノズル102〜105と、フラッシングやクリーニング等のメンテナンス動作時に表面張力低下液を吐出する表面張力低下液用ノズル101と、から構成された複数のノズルが形成されている。また、キャリッジ15における記録ヘッド16の上側には不図示の各種インクカートリッジおよび表面張力低下液用カートリッジが着脱可能に搭載されている。
そして、各インクカートリッジ内のインクは、記録ヘッド16内において各インク用ノズルと対応するように備えられたインク用圧電素子112〜115の駆動により、フラッシング動作時に各インク供給路122〜125を介して液体受容部40に吐出される。液体受容部40は、液体受容器17とその内部に配置された多孔質材料からなる廃インク吸収材24とで構成される。液体受容器40は、上部の開口に廃インク吸収材24が嵌め込まれた液体導入部17aと、上側に開口を有する容器であって有底四角状の液体収容器17bとが、液体収容器17bの開口が液体導入部の17aの下部に形成された開口と対向するように取り付けられて構成されている。この液体受容部40は、記録ヘッド16のノズル形成面16aに接近するように設けられている。フラッシング動作で液体受容部40に吐出されたインクは、廃インク吸収材24に吸収された後、液体受容器17の液体収容器17bに受容される。
本実施形態では、前記インクの吐出と同時および/または吐出後に、表面張力低下液用カートリッジ内の表面張力低下液を、記録ヘッド16内において表面張力低下液用ノズル101と対応するように備えられたインク用圧電素子111の駆動によって、表面張力低下液供給路121を介して液体受容部40へ吐出する。
かかる処理により、廃インク吸収材24の表面に顔料や中空樹脂粒子などの色材成分が堆積せず、液体受容器17の底部17bへ廃インクを受容することが可能となる。
表面張力低下液用ノズル101の数量、配列位置および吐出量は、使用するインクの組成、記録装置に搭載される液体受容部40の数量等の条件により適宜設計可能である。好ましくは、顔料や中空樹脂粒子などの固形分濃度の高いインク組成物を吐出するノズル列に隣接して表面張力低下液用ノズル列を形成することで、より効果的に堆積を防止することができる。
また、図3と同様の記録ヘッド16を用いたキャッピング手段30でのフラッシング動作について、フラッシング動作に伴って行なわれるクリーニング動作と併せて図4に説明する。
キャッピング手段30は、キャップ23と、廃インク吸収材24と、シール部材25と、排出部27とを備えている。
キャップ23は、記録ヘッド16のノズル形成面16aを封止可能な上側が開口した有底四角箱状の合成樹脂であり、キャップ23の全ての壁部(底壁及び周壁)の肉厚は、均一になっている。キャップ23内には、該キャップ23の内底面全体を覆うように、可撓性を有する多孔質材料からなる四角板状の廃インク吸収材24が敷設されている。キャップ23の上面全体には、ゴム等の可撓性部材よりなる四角枠状のシール部材25が密着するように設けられている。
また、キャップ23には、該キャップ23を昇降させるための昇降装置26が連結されている。そして、キャリッジ15を非印刷領域に移動させた状態で、キャップ23を昇降装置26によって上昇させることで、シール部材25の上面が記録ヘッド16のノズル形成面16aに当接され、各ノズル101〜105がキャップ23により封止されるようになっている。
キャップ23がノズル形成面16aを封止した状態では、廃インク吸収材24は、キャップ23内のインクを吸収保持して該キャップ23内の空間を保湿するようになっている。従って、キャップ23内にフラッシング動作により吐出されたインクは、該キャップ23内の空間を保湿剤としての機能も有しており、後述するクリーニング動作時に吸引ポンプ18によって廃インクタンク29内へ排出される。
キャップ23の下面には、該キャップ23内からキャップ23外へインクを排出させる排出通路27aを内部に有する排出部27が下側に延びるように設けられている。排出部27には、可撓性材料よりなる排出チューブ28の基端側(上流側)が接続されるとともに、排出通路27aを介してキャップ23内と排出チューブ28内とが連通されている。排出チューブ28の先端側(下流側)は、直方体形状をなす廃インクタンク29内に挿入されている。また、排出チューブ28の中間部には、キャップ23側から廃インクタンク29側へ向かってキャップ23内を吸引するための吸引手段としての吸引ポンプ18が配設されている。
そして、記録ヘッド16のノズル形成面16a(各ノズル101〜105)をキャップ23により封止した状態で吸引ポンプ18を駆動することで、各ノズル101〜105内の増粘したインクが気泡等とともに吸引され、キャップ23及び排出チューブ28を介して廃インクタンク29内に排出されるクリーニング動作が行われるようになっている。なお、廃インクタンク29内には、該廃インクタンク29内に排出されたインクを吸収保持する廃インク吸収材29が収容されている。
本実施形態では、フラッシング動作に伴うインクの吐出と同時および/または吐出後に、表面張力低下液用カートリッジ内の表面張力低下液を、記録ヘッド16内において表面張力低下液用ノズル101と対応するように備えられたインク用圧電素子111の駆動によって、表面張力低下液用供給路121を介してキャップ23内へ吐出する。
かかる処理によって予めキャップ23内に含まれる廃インクに表面張力低下剤(消泡成分)を混合させているため、吸引時のキャップ23内でのインクの泡立ちを防止することができる。従って、泡立ちによるノズル汚染を防止でき、インク混色現象が抑制できる。
図5は、本実施形態の記録装置10の表面張力低下液供給手段の他の一例を示す概略図であり、クリーニング動作に伴ってキャッピング手段31に表面張力低下液を導入する例を示す図である。
キャッピング手段31は、キャップ23と、廃インク吸収材24と、シール部材25と、排出部27と、表面張力低下液供給口200を備えている。
キャップ23には、供給路201を介して、表面張力低下液を貯蔵する表面張力低下液貯蔵タンク202が連結されている。表面張力低下剤は表面張力低下液供給口200を通じてキャップ23へ導入される。表面張力低下液供給口200は、不図示の供給弁で構成されている。
記録ヘッド16のノズル形成面16a(各ノズル20で構成されている)をキャップ23により封止した状態で吸引ポンプ18を駆動することで、各ノズル20内の増粘したインクが気泡等とともに吸引され、キャップ23及び排出チューブ28を介して廃インクタンク29内に排出される。表面張力低下液供給口200を構成する供給弁は、このクリーニング動作時のキャップ23内の減圧によって開放され、キャップ23内に表面張力低下液を供給する。かかる処理によって、キャップ23内に含まれる廃インクに表面張力低下剤(消泡成分)を混合させることが可能であり、吸引時のキャップ23内でのインクの泡立ちを防止することができる。従って、泡立ちによるノズル汚染を防止でき、インク混色現象が抑制される。
キャップ23に供給される表面張力低下液の供給量は、使用するインクの組成により適宜設計可能である。また、表面張力低下液貯蔵タンク202の配設位置、材質、形態、あるいは表面張力低下液供給口200の材質、形態、形状等においても適宜設計可能である。
[表面張力低下剤を含む液体組成物]
以下、本発明における表面張力低下剤を含む液体組成物について詳細に説明する。
本発明における表面張力低下剤を含む液体組成物(表面張力低下液)は、フラッシング動作時やクリーニング動作時にインクジェット式記録ヘッドのノズルからインク受けユニットに吐出されたインクの堆積および/または吸引時の泡立ちを防止する液体組成物である。本発明における表面張力低下剤は、起泡の原因物質に代わって、それ自体が液体表面に存在し、それ自体には泡膜の薄化に抵抗する反発力を付与する作用を有していない化合物(いわゆる消泡剤)であることが好ましい。具体的には、例えば、アルコール類、エーテル類、ポリオール類、脂肪酸エステル類、金属石鹸類、燐酸エステル類、シリコーン類、及びノニオン性界面活性剤類等を挙げることができる。これらの構造を有する市販の消泡剤及び化合物等の内、消泡効果を有するものであれば単独又は併用して、あるいは混合物として使用することができる。表面張力低下液は顔料や染料などの色材を実質的に含有しないことが望ましい。
アルコール類としては、例えば、炭素原子数1〜10の脂肪酸アルコール、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、オクチノール、又は2−エチルヘキサノール等を挙げることができる。
エーテル類としては、例えばエチレングリコールのモノフェニルエーテル(例えば、ジ−t−ジアミノフェノキシエタノール)、エチレングリコールのジアルキルエーテル(例えば、3−ヘプチルセロソルブ、又はノニルセロソルブ)、ジエチレングリコールのジアルキルエーテル(例えば、3−ヘプチルカルビトール)等を挙げることができ、市販品としては、例えばバイオニンK−17(竹本油脂株式会社製)、又はノプコDF122−NS(サンノプコ株式会社製)を用いることができる。
ポリオール類としては、その構造中にアルキレンオキサイド基(特に、エチレンオキサイド基)を多く有する化合物(例えば、ポリエーテル類)を挙げることができ、これらの化合物は水への分散安定性に優れているので、液中の抑泡効果に優れている。ポリエーテル系の消泡剤の市販品としては、例えば、アデカプルロニックシリーズやアデカノールシリーズLG−109、LG−121、LG−294、LG−297など〔旭電化工業(株)〕、又はSNデフォーマー157、247、375、470〔サンノプコ(株)〕を用いることができる。
脂肪酸エステル類としては、例えば、ステアリン酸イソアミル、コハク酸ジエステル、ソルビタンラウリン酸モノエステル、ソルビタンオレイン酸モノエステル、ソルビタンオレイン酸トリエステル、オキシエチレンソルビタンラウリル酸モノエステル、ジエチレングリコールジステアレート、又は低分子量ポリエチレングリコールオレイン酸エステル等を挙げることができる。
金属石鹸類としては、種々の有機酸金属塩を用いることができ、例えば、ナフテン酸系金属石鹸、合成酸系金属石鹸、又はステアリン酸系金属石鹸等を挙げることができる。具体的には、ステアリン酸アルミニウム等を挙げることができ、ナフテネート、ディックネート、又はステアレート(いずれも大日本インキ化学工業株式会社製)等を挙げることができる。
シリコーン類としては、例えば、オイル型、コンパウンド型、自己乳化型、又はエマルジョン型シリコーン消泡剤等を挙げることができ、特にオイル型としては、一般的なジメチルポリシロキサン構造のシリコーンオイルの他にメチル基の一部を変性させた変性シリコーンオイルを挙げることができ、例えば、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、異種官能基変性、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、親水性特殊変性、高級アルコキシ変性、高級脂肪酸含有、又はフッ素変性等の変性シリコーンオイルを挙げることができる。市販品としては、オイル型としてSH200(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、KF96、KS604、KI−6702(信越シリコーン株式会社製)、コンパウンド型としてSNデフォーマー5016(サンノプコ株式会社製)、SH5500,SC5540(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、自己乳化型としてBY28−503(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、KS508、KS530、KS−538(信越シリコーン株式会社製)、エマルジョン型としてSM5511、SM5512、SM5515(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、KM72、KM73、KM98(信越シリコーン株式会社製)等を挙げることができ、また変性シリコーンオイル型としては、アミノ変性としてSF5417、エポキシ変性としてSF8411、SF8413、カルボキシル変性としてBY16−880、フッ素変性としてFS1265(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、ポリエーテル変性としてKF−6017(信越シリコーン株式会社製)、アルキル変性シリコーンとポリエーテル変性を含有したFORM BAN MS−575(Ultra Additives Inc. 製)、カルビノール変性としてKF−6001、KF−6003(信越シリコーン株式会社製)等を挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤類としては、以下の例を挙げることができる。
(1)アルキルアリールエーテルエチレンオキシド付加体、
(2)式:
HO−(C24O)n−(C36O)m−(C24O)n−OH
で表され、分子量が500〜10000で、C24O含有量が0%〜55%の化合物、
(3)式:
1(R2)CHCOO(C24O)n
(式中、R1及びR2は、炭素原子数1〜10のアルキル基であり、nは1〜8である)で表されるアルキルエステル型化合物、及び
(4)アセチレンジオール類及びそのエチレンオキシド0〜8モル付加体。
本発明で用いられる表面張力低下剤としては、これらの中でもシリコーン類及びノニオン性界面活性剤類が好ましい。前記の表面張力低下剤は、単独で又は2種以上を併用し、あるいは混合物として用いることができる。
表面張力低下剤の含有量は、インク受けユニットにおいてノズルから吐出されたインクの堆積や泡立ちを抑制することができれば特に限定されないが、堆積防止・消泡効果の発現のためには表面張力低下液中に0.5質量%〜5質量%含有されることが望ましい。
本発明による表面張力低下液は、前記表面張力低下剤の他に、例えば水溶性溶剤を含有することができる。水溶性溶剤としては、例えば、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等の多価アルコール類、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ペンタノール等の炭素数1〜5のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなどのグリコールエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコール類、ジオキサン等のエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン等を挙げることができる。これらの水溶性溶剤は1種又は2種以上を用いることができる。また、インク受けユニットへ吐出されたインクの乾燥防止の観点から、これらの水溶性溶剤の少なくとも1種は20℃における蒸気圧が0.01mmHg以下である高沸点低揮発であることが好ましく、より好ましくは20℃における蒸気圧が0.005mmHg以下である。
本発明による表面張力低下液は、前記表面張力低下剤及び水溶性溶剤の他に、例えば固体保湿剤、pH調整剤、界面活性剤、防腐・防カビ剤等を含有することができる。
固体保湿剤としては、融点が20℃以上で、かつ20℃における水への溶解度が5重量%以上のものが該当し、具体的には、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール等のアルコール類、炭酸エチレン等のエステル類、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、2−ピロリドン、ε−カプロラクタム、尿素、チオ尿素、N−エチル尿素等の窒素化合物、ジヒドロキシアセトン、エリトリトール、D−アラビノース、L−アラビノース、D−キシロース、2−デオキシ−β−D−リボース、D−リキソース、L−リキソース、D−リボース、D−アラビトール、リビトール、D−アルトロース、D−アロース、D−ガラクトース、L−ガラクトース、D−キノボース、D−グルコース、D−ジギタロース、D−ジギトキソース、D−シマロース、L−ソルボース、D−タガトース、D−タロース、2−デオキシ−D−グルコース、D−フコース、L−フコース、D−フルクトース、D−マンノース、L−ラムノース、D−イノシトール、myo−イノシトール、D−グルシトール、D−マンニトール、メチル=D−ガラクトピラノシド、メチル=D−グルコピラノシド、メチル=D−マンノピラノシド、N−アセチルキトビオース、イソマルトース、キシロビオース、ゲンチオビオース、コージビオース、コンドロシン、スクロース、セロビオース、ソホロース、α,α−トレハロース、マルトース、メリビオース、ラクトース、ラミナリビオース、ルチノース、ゲンチアノース、スタキオース、セロトリオース、プランテオース、マルトトリオース、メレジトース、ラクト−N−テトラオース、ラフィノース等の糖類を挙げることができる。
pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアミン類等を用いることが出来る。また、必要に応じて、コリジン、イミダゾール、燐酸、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、硼酸等を挙げることができる。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤を含有することができる。ノニオン性界面活性剤の具体例として、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン系界面活性剤、その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等の含フッ素系界面活性剤等を挙げることができる。上記ノニオン性界面活性剤の中でも特にアセチレングリコール系界面活性剤及びアセチレンアルコール系界面活性剤が発泡も少なく、また優れた消泡性能を有する点で好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤及びアセチレンアルコール系界面活性剤の更なる具体例としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどを挙げることができるが、市販品で入手も可能で、例えば、エアープロダクツ社のサーフィノール104、82、465、485、TGや日信化学社製のオルフィンSTG、オルフィンE1010等を挙げることができる。
防腐剤・防かび剤としては、例えば安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビタン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、又は1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(Arch Chemicals Inc.のプロキセルBZ、プロキセルBD20、プロキセルGXL、プロキセルXL2、又はプロキセルTN)等を挙げることができる。
本発明における表面張力低下液は、水系であることが好ましい。主要な溶媒成分は水である。本発明における表面張力低下液は、前記の表面張力低下剤及び場合により前記の水溶性溶剤を水と単に混合することによって調製することができる。
特に、本発明における表面張力低下液中には、主溶媒である水に対する表面張力低下剤の溶解度を向上させるため、炭素数5以上のジオール類を、表面張力低下液中、5質量%以上含むことが好ましい。炭素数5以上のジオール類としては、例えば1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘキサンジオール、2,3−ヘキサンジオール、3,4−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,6−ヘプタンジオール、1,5−ヘプタンジオール、1,4−ヘプタンジオール、1,3−ヘプタンジオール、1,2−ヘプタンジオール、2,6−ヘプタンジオール、2,5−ヘプタンジオール、2,4−ヘプタンジオール、2,3−ヘプタンジオール、3,5−ヘプタンジオール、3,4−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,2−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−シクロオクタンジオール、1,5−シクロオクタンジオール、5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール、5−ノルボルネン−2,3−ジメタノール等を挙げることができる。
以上述べた水溶性溶剤、固体保湿剤、pH調整剤、界面活性剤、及び/又は防腐剤の使用形態は、単体でも混合液状態で用いてもよい。その混合比率は、用いるインク組成物の種類等に応じて適宜決定することができ、目的とする効果を確保できれば特に限定されることはない。例えば、pH調整剤の添加量は、少なくとも混合液全体のpHが7以上であるように添加する必要があるが、それ以外の条件は、用いるインク組成物の種類等に応じて適宜決定することができる。防腐剤の添加量についても防腐効果が十分得られる量であれば問題無い。
[インク組成物]
本発明のインクジェット式記録装置には、通常、インクジェット式記録方法に用いられるインク組成物を適用することができるが、特に、色材として顔料や中空樹脂粒子を含有するインク組成物に好ましく適用することができる。顔料や中空樹脂粒子を色材として含有するインクは、固形分濃度が高く、また気泡の原因となる界面活性剤等の添加成分を多く含み、これにより色材の堆積や泡立ちが発生し易いためである。インク組成物は水性であることが好ましい。
以下、本発明のインクジェット式記録装置に好ましく適用することができるインク組成物について詳細に説明する。
顔料としては、従来からインクジェット用のインク組成物に使用されている有機顔料、無機顔料、あるいは中空樹脂粒子を用いることができる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、又はキレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、又はキノフタロン顔料等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、又はアニリンブラック等を用いることができる。
シアンインク組成物として使用されるシアン顔料としては、C.I.ピグメントブルー1,2,3,15:3,15:4,15:6,15:34,16,22,60;C.I.バットブルー4及び60等が好ましく用いられ、特にC.I.ピグメントブルー15:3が好ましい。
マゼンタインク組成物として使用されるマゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド5,7,12,48(Ca),48(Mn),57(Ca),57:1,112,122,123,168,184,202,207,209及びC.I.ピグメントヴァイオレット19等が好ましく用いられ、特にC.I.ピグメントレッド122及びC.I.ピグメントヴァイオレット19が好ましい。
イエローインク組成物として使用されるイエロー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,12,13,14,16,17,73,74,75,83,93,95,97,98,109,110,114,128,129,138,139,147,150,151,154,155,180及び185等が好ましく用いられる。
無機顔料としては、従来からインクジェット用のインク組成物に使用されている金属化合物、例えば、金属酸化物、硫酸バリウムや炭酸カルシウムを用いることでできる。金属酸化物としては、特に制限されないが、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等が挙げられる。金属化合物としては、二酸化チタン、アルミナが好ましい。
中空樹脂粒子としては、その内部に空洞を有しており、その外殻が液体透過性を有する樹脂から形成されているものが好ましい。かかる構成により、中空樹脂粒子が水性インク組成物中に存在する場合には、内部の空洞は水性媒質で満たされることになる。水性媒質で満たされた粒子は、外部の水性媒質とほぼ等しい比重を有するため、水性インク組成物中で沈降することなく分散安定性を保つことができる。これにより、インク組成物の貯蔵安定性や吐出安定性を高めることができる。
色材として中空樹脂粒子を含むインク組成物を、紙その他の記録媒体上に吐出させると、粒子の内部の水性媒質が乾燥時に抜けることにより空洞となる。粒子が内部に空気を含有することにより、粒子は屈折率の異なる樹脂層および空気層を形成し、入射光を効果的に散乱させるため、白色を呈することができる。
本発明における中空樹脂粒子は、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。例えば、米国特許第4,880,465号や特許第3,562,754号などの明細書に記載されている中空樹脂粒子を好ましく用いることができる。
上記中空樹脂粒子の調製方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法を適用することができる。中空樹脂粒子の調製方法として、例えば、ビニルモノマー、界面活性剤、重合開始剤、および水系分散媒を窒素雰囲気下で加熱しながら撹拌することにより中空樹脂粒子エマルジョンを形成する、いわゆる乳化重合法を適用することができる。
ビニルモノマーとしては、非イオン性モノエチレン不飽和モノマーが挙げられ、例えば、スチレン、ビニルトルエン、エチレン、ビニルアセテート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、ビニルモノマーとして、二官能性ビニルモノマーを用いることもできる。二官能性ビニルモノマーとして、例えば、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタン−ジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。上記単官能性ビニルモノマーと上記二官能性ビニルモノマーとを共重合させて高度に架橋することにより、光散乱特性だけでなく、耐熱性、耐溶剤性、溶剤分散性などの特性を備えた中空樹脂粒子を得ることができる。
界面活性剤としては、水中でミセルなどの分子集合体を形成するものであればよく、例えば、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
重合開始剤としては、水に可溶な公知の化合物を用いることができ、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウムなどが挙げられる。
水系分散媒としては、例えば、水、親水性有機溶媒を含有する水などが挙げられる。
本発明におけるインク組成物中の有機顔料の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.1〜20.0質量%であり、より好ましくは1.0〜10.0質量%である。有機顔料の含有量が20.0質量%を超えると、インクジェット式記録ヘッドの目詰まりなど信頼性を損なうことがある。一方、0.1質量%未満であると、色濃度が不足する傾向にある。
本発明におけるインク組成物中の無機顔料の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは1.0〜20.0質量%であり、より好ましくは5.0〜10.0質量%である。無機顔料の含有量が20.0質量%を超えると、インクジェット式記録ヘッドの目詰まりなど信頼性を損なうことがある。一方、1.0質量%未満であると、白色度等の色濃度が不足する傾向にある。
無機顔料の平均粒子径(外径)は、好ましくは30〜600nmであり、より好ましくは200〜400nmである。外径が600nmを超えると、粒子が沈降するなどして分散安定性を損なうことがあり、またインクジェット式記録ヘッドの目詰まりなど信頼性を損なうことがある。一方、外径30nm未満であると、白色度等の色濃度が不足する傾向にある。
無機顔料の平均粒子径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置として、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装株式会社製)を用いることができる。
本発明におけるインク組成物中の中空樹脂粒子の含有量(固形分)は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは5〜20質量%であり、より好ましくは8〜15質量%である。中空樹脂粒子の含有量(固形分)が20質量%を超えると、インクジェット式記録ヘッドの目詰まりなど信頼性を損なうことがある。一方、5質量%未満であると、白色度等の色濃度が不足する傾向にある。
中空樹脂粒子の平均粒子径(外径)は、好ましくは0.2〜1.0μmであり、より好ましくは0.4〜0.8μmである。外径が1.0μmを超えると、粒子が沈降するなどして分散安定性を損なうことがあり、またインクジェット式記録ヘッドの目詰まりなど信頼性を損なうことがある。一方、外径が0.2μm未満であると、白色度等の色濃度が不足する傾向にある。また、内径は、0.1〜0.8μm程度が適当である。
中空樹脂粒子の平均粒子径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置として、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装株式会社製)を用いることができる。
更に、本発明におけるインク組成物には、色材を定着させる樹脂を含むことが望ましい。かかる樹脂としては、アクリル系樹脂(例えば、アルマテックス(三井化学社製))、ウレタン系樹脂(例えば、WBR−022U(大成ファインケミカル社製))が挙げられる。
これらの定着樹脂の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.5〜10質量%であり、より好ましくは0.5〜3.0質量%である。
本発明におけるインク組成物は、アルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。アルカンジオールやグリコールエーテルは、記録媒体などの被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
アルカンジオールとしては、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールなどの炭素数が4〜8の1,2−アルカンジオールであることが好ましい。この中でも炭素数が6〜8の1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールは、記録媒体への浸透性が特に高いため、より好ましい。
グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテルを挙げることができる。この中でも、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを用いると良好な記録品質を得ることができる。
これらのアルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される少なくとも1種の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは1〜20質量%であり、より好ましくは1〜10質量%である。
本発明におけるインク組成物は、アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤を含有することが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤は、記録媒体などの被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用することもでき、例えば、オルフィンE1010、STG、Y(以上、日信化学社製)、サーフィノール104、82、465、485、TG(以上、Air Products and Chemicals Inc.製)が挙げられる。
ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販品を利用することができ、例えば、BYK−347、BYK−348(ビックケミー・ジャパン社製)などが挙げられる。
さらに、本発明におけるインク組成物は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などのその他の界面活性剤を含有することもできる。
上記界面活性剤の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
本発明おけるインク組成物は、多価アルコールを含有することが好ましい。多価アルコールは、本発明おけるインク組成物をインクジェット式記録装置に適用した場合に、インクの乾燥を抑制し、インクジェット式記録ヘッド部分におけるインクの目詰まりを防止することができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
上記多価アルコールの含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.1〜3.0質量%であり、より好ましくは0.5〜2.0質量%である。
本発明におけるインク組成物は、第三級アミンを含有することが好ましい。第三級アミンは、pH調整剤としての機能を有し、インク組成物のpHを容易に調整することができる。
第三級アミンとしては、例えば、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
上記第三級アミンの含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.1〜2質量%である。
本発明におけるインク組成物は、通常溶媒として水を含有することが好ましい。水は、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などの純水または超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を紫外線照射または過酸化水素添加などにより滅菌処理した水は、長期間に亘りカビやバクテリアの発生を抑制することができるので好ましい。
本発明におけるインク組成物は、必要に応じて、水溶性ロジンなどの定着剤、安息香酸ナトリウムなどの防黴剤・防腐剤、アロハネート類などの酸化防止剤・紫外線吸収剤、キレート剤、酸素吸収剤などの添加剤を含有させることができる。これらの添加剤は、1種単独で用いることもできるし、もちろん2種以上組み合わせて用いることもできる。
本発明におけるインク組成物は、従来公知の装置、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、バスケットミル、ロールミルなどを使用して、調製することができる。調製に際しては、メンブランフィルターやメッシュフィルターなどを用いて粗大粒子を除去することが好ましい。
インクジェット記録方式としては、各種インクジェット記録方式に適用することができる。インクジェット記録方式としては、例えば、サーマルジェット式インクジェット、ピエゾ式インクジェット、連続インクジェット、ローラーアプリケーション、スプレーアプリケーションなどが挙げられる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
[インク組成物]
まず、下記表1に記載の組成に従って、インク組成物(インクa〜e)を調製した。尚、表中の数値は質量%である。
Figure 0005316277
中空樹脂粒子は、市販品「SX8782(D)」(JSR株式会社製)を用いた。SX8782(D)は、外径1.0μm・内径0.8μmの水分散タイプであり、固形分濃度が20.5%である。
二酸化チタンは、市販品「NanoTek (R) Slurry」(シーアイ化成株式会社製)を用いた。NanoTek (R) Slurryは、平均粒子径36nmの二酸化チタンを固形分として15%の割合で含むスラリーである。
「BYK−348」(ビックケミー・ジャパン株式会社製)は、ポリシロキサン系界面活性剤である。
ウレタン樹脂は、「WBR−022U」(大成ファインケミカル社(製))を用いた。
[表面張力低下液]
また、下記表2に記載の組成に従って、表面張力低下液(表面張力低下液f〜k)を調製した。尚、表中の数値は質量%である。
Figure 0005316277
サーフィノール104PGは下記構造の化合物である。
Figure 0005316277
表1に記載の各インク組成物をインクジェットプリンター(「PX−H8000」セイコーエプソン(株)社製)の専用カートリッジの各インク室にそれぞれ充填した。尚、インクd〜eの白色インク組成物は、フォトブラックインク室に充填した。また、表2に記載の各表面張力低下液はマットブラックインク室およびライトグレーインク室に充填した。インク組成物と表面張力低下液の組み合わせを表3に示す。
Figure 0005316277
このようにして作製されたインクカートリッジをプリンターに装着し、堆積評価および泡立ちの評価を行った。尚、泡立ち性については、実機での評価と、少量のサンプルでの評価との2種について評価を行なった。堆積評価および泡立ち評価の各評価方法および判定基準は下記の通りである。結果を表4に示す。
[泡立ち評価(インク)]
インクa〜eの各インクと表面張力低下液を等量(30ml+30ml)混合し、100mlガラスサンプル管にて、100回振り混ぜ、発生した泡の量を判定する。判定基準は下記の通りである。
AAA:泡がほとんど発生しない
AA:細かな泡が発生するが、5秒以内に消失する
A:泡が発生するが1分以内に消失する
B:泡が発生し30分以内に消失する
C:泡が発生し30分以上消失しない
[泡立ち評価(実機)]
クリーニングを10回行い、一度印刷を行うことを1セットとし、10回行う。印刷パターンは各ノズル1ドット吐出パターンにて評価した。印刷物に色の混じり(混色)がないかを評価する判定基準は下記の通りである。
A:10セットとも印刷物に問題がない
B:10セット中1〜2回印刷物に影響がある
C:10セット中3回以上印刷物に影響がある
[堆積評価(実機)]
フラッシングを3000回行うような連続印刷を行い、フラッシングボックスの堆積状態を判定する。判定基準は下記の通りである。
AA:3000回行っても、堆積が全く確認されない
A:3000回行っても堆積は確認されるが、印刷用紙に接触しない
B:3000回行うと堆積部が印刷用紙に接触する
C:1000回以下で堆積部が印刷用紙に接触する
Figure 0005316277
10.インクジェット式記録装置、 11.給紙部、 12.印刷部、 13.排紙スタック部、 14.ロール紙、 15.キャリッジ、 16.記録ヘッド、 16a.ノズル形成面、 17.液体受容器(17a:液体導入部、17b:液体収容器) 18.吸引ポンプ、 19、22.廃インクタンク、 23.キャップ、 24.廃インク吸収材、 25.シール部材、 26.昇降装置、 27.排出部、 27a.排出路、 28.排出チューブ、 29.廃インク吸収材、 30.キャッピング手段、 40.液体受容部、 101.表面張力低下液用ノズル、 20、102〜105.インク用ノズル、111. 表面張力低下液用ノズル駆動手段、 21、112〜115.インク用ノズル駆動手段、 121.表面張力低下液供給路、 22、122〜125.インク供給路、 200.表面張力低下液供給口、201.表面張力低下液供給路、 202.表面張力低下液貯蔵タンク。

Claims (10)

  1. 印刷データに基づいてノズルからインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドと、前記ノズルから吐出されたインクを受容するインク受けユニットと、前記インク受けユニットに前記ノズルからインクが吐出された際に、前記インク受けユニットに表面張力低下剤を含む液体組成物を供給する表面張力低下液供給手段と、を備えたことを特徴とするインクジェット式記録装置。
  2. 前記インク受けユニットはフラッシング動作時にインク滴を受け止める液体受容部を有し、前記表面張力低下液供給手段は、フラッシング動作時に前記液体受容部に前記液体組成物を供給すること特徴とする請求項1記載のインクジェット式記録装置。
  3. 前記インク受けユニットは前記ノズル面を封止するキャッピング手段を有し、前記表面張力低下液供給手段は、フラッシング動作時またはクリーニング動作時に前記キャッピング手段に前記液体組成物を供給することを特徴とする請求項1記載のインクジェット式記録装置。
  4. 前記インクジェット式記録ヘッドは複数のノズルを有し、前記複数のノズルの一部から前記液体組成物を吐出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット式記録装置。
  5. 前記キャッピング手段は液体組成物供給口を更に有し、前記表面張力低下液供給手段からの前記液体組成物は、クリーニング動作時に前記液体組成物供給口から前記キャッピング手段内に供給されることを特徴とする請求項3記載のインクジェット式記録装置。
  6. 前記表面張力低下剤が、アルコール類、エーテル類、ポリオール類、脂肪酸エステル類、金属石鹸類、燐酸エステル類、シリコーン類およびノニオン性界面活性剤からなる群から選ばれる化合物であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のインクジェット式記録装置。
  7. 前記液体組成物中の表面張力低下剤濃度が0.5質量%以上5質量%以下であることを特徴とする請求項6記載のインクジェット式記録装置。
  8. 前記液体組成物が、更に炭素数5以上のジオール類を5質量%以上含むことを特徴とする請求項6または7記載のインクジェット式記録装置。
  9. 印刷データに基づいてノズルからインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置のフラッシング方法であって、
    フラッシング処理によってインクをノズルから液体受容部に吐出する際に、前記ノズルとは異なるノズルから前記液体受容部に表面張力低下剤を含む液体組成物を吐出することを特徴とするフラッシング方法。
  10. インクジェット式記録ヘッドに形成された複数のノズルから記録媒体上にインクを吐出して画像記録を行う記録方法であって、
    記録媒体上に画像を記録する画像記録工程の前に、フラッシング処理によってインクをノズルから液体受容部に吐出するフラッシング工程と、前記ノズルとは異なるノズルから前記液体受容部に表面張力低下剤を含む液体組成物を吐出する表面張力低下液供給工程と含むことを特徴とする記録方法。
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